JP2009234458A - 車両の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機の回転を変速機で変速して車輪軸に接続された出力軸に伝達する車両において、ダウンシフト時の変速品質を確保する。
【解決手段】ECUは、出力軸回転数NOUTがダウン線よりも低下した場合(S102にてYES)、ダウン線が通常ダウン線よりも高速側の高車速ダウン線であり(S104にてYES)、かつアクセルオフ状態(S106にてYES)であり、かつ蓄電装置の充電量SOCがしきい値よりも低いと(S108にてYES)、回転電機および変速機のオイル流量を低減するように、機械式オイルポンプの動力源であるエンジン回転数NEあるいは電動オイルポンプの回転数NPを低下させ(S112〜S116、S118〜S122)、その後に回転電機の回転数NM(2)をダウンシフト後の同期回転数まで増加させてダウンシフトを実行する(S124〜S130)。
【選択図】図6

Description

本発明は、少なくとも回転電機を動力源とする車両の制御に関し、特に、回転電機の回転を変速機で変速して車輪軸に接続された出力軸に伝達する車両の制御に関する。
自動車の自動変速機としては、従来からトルクコンバータを用いたもの、無段変速機を用いたものが存在する。これらの自動変速機では、摩擦材間を常に潤滑油で潤滑させた状態で係合あるいは解放される湿式クラッチあるいは湿式ブレーキを有する動力伝達機構が多く使用される。この潤滑油は、そもそもの潤滑という機能の他に、発生熱の冷却媒体として機能し、動力伝達機構を焼損から守るというメリットもある。一方、摩擦材間には潤滑油が常に存在するため、クラッチあるいはブレーキの解放時においても、潤滑油の粘性に起因して回転抵抗となる引き摺りトルクが生じ、この引き摺りトルクによって動力損失が生じる。このため、燃費の悪化,変速性能の悪化を招くデメリットもある。上記のメリットとデメリットを調整し、変速性能,安全性のさらなる向上、ひいては自動車のさらなる燃費向上を実現する技術が、たとえば特開2007−198514号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2007−198514号公報に開示された自動車の制御装置は、動力伝達機構のドラッグトルク(引き摺りトルク)を求める実ドラッグトルク演算部と、実ドラッグトルクに基づいて潤滑油の流量を決定する潤滑油流量演算部と、基準となる基準ドラッグトルクを求める基準ドラッグトルク演算部と、基準ドラッグトルクに基づいて基準潤滑油の流量を求める基準潤滑油流量演算部と、潤滑油流量と基準潤滑油流量に基づき、潤滑油流量を補正する量に相当する補正値を求める補正量演算部と、補正値に基づいて潤滑油流量を制御するアクチュエータへの駆動信号を出力する流量補正部とを含む。
特開2007−198514号公報に開示された自動車の制御装置によると、実ドラッグトルクが基準ドラッグトルクとなるように潤滑油流量の補正を行なう。実ドラッグトルクが低く潤滑油流量が不足している場合、基準ドラッグトルクとなるように潤滑油流量を増加させることでクラッチ冷却不足によるクラッチ焼損を回避可能となる。また実ドラッグトルクが基準より高い場合、潤滑油流量を減少させることでドラッグトルクを低下させ、燃費・変速性能悪化を低減することができる。このように基準とするドラッグトルクとなるように潤滑油流量を補正・調整することにより潤滑油確保によるクラッチ冷却性能とドラッグトルク低減による燃費・変速性能悪化低減の両立を実現することが可能となる。
特開2007−198514号公報 特開2004−364432号公報
ところで、回転電機を動力源とし、その回転電機の回転を変速機で変速して車輪軸に接続された出力軸に伝達する車両において、変速機をダウンシフトする際、変速時間の短縮および変速ショックの低減を実現するためには、ダウンシフト前に係合されていた高速段用の摩擦係合要素を解放してニュートラル状態にした後、回転電機の回転数をダウンシフト後の同期回転数(出力軸の回転数とダウンシフト後の変速比との積)まで積極的に増加させ、その後に低速段用の摩擦係合要素を係合することが望ましい。
しかしながら、ダウンシフト時の変速機での引き摺りトルクが大きいと、回転電機の回転数を同期回転数まで増加させる際、より大きなトルクを回転電機に出力させる必要がある。これにより、回転電機の回転数を同期回転数まで増加させる際に必要な電力(同期パワー)が増大する。そのため、同期パワーの確保が難しい状況においては、回転電機の回転数をダウンシフト後の同期回転数まで増加させ難くなり、変速時間が長期化したり変速ショックが生じたりして、変速品質が低下することが考えられる。特開2007−198514号公報においては、ダウンシフト時の変速品質を考慮した引き摺りトルクの制御については何ら言及されていない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、回転電機の回転を変速機で変速して車輪軸に接続された出力軸に伝達する車両において、ダウンシフト時の変速品質を確保することができる制御装置および制御方法を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、少なくとも回転電機を動力源とする車両を制御する。車両には、回転電機と車両の車輪軸に接続された出力軸との間に接続され、回転電機の回転を変速して出力軸へ伝達する変速機と、変速機へオイルを供給する少なくとも1つ以上のオイルポンプとが備えられる。制御装置は、車速が予め定められた車速よりも低下した場合、変速機のダウンシフトを行なうときに変速機の動力損失を低減させる必要があるか否かを判断するための判断手段と、判断手段によって動力損失を低減させる必要があると判断された場合、変速機へ供給されるオイル流量を低減するように、オイルポンプの回転数を低下させるための低下手段と、低下手段によってオイルポンプの回転数が低下された後に、出力軸の回転数と回転電機の回転数とがダウンシフト後の変速比で同期するときの同期回転数まで回転電機の回転数を増加させて、変速機のダウンシフトを行なうためのダウンシフト制御手段とを含む。
第2の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、同期回転数は、出力軸の回転数とダウンシフト後の変速比との積で求まる値である。制御装置は、予め定められた車速を、第1の車速とするのか、第1の車速よりも高い第2の車速とするのかを選択するための選択手段をさらに含む。判断手段は、選択手段によって第2の車速が選択された場合に、動力損失を低減させる必要があると判断する。
第3の発明に係る制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、車両には、回転電機とともに車両の動力源となり、運転者の加速要求に応じた動力が出力される内燃機関と、内燃機関の動力によって発電する発電装置とが備えられる。回転電機は、少なくとも発電装置で発電された電力によって回転する。判断手段は、第2の車速が選択された場合に加えて、加速要求がない場合に、動力損失を低減させる必要があると判断する。
第4の発明に係る制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、車両には、回転電機の電源となる蓄電装置が備えられる。判断手段は、第2の車速が選択された場合に加えて、蓄電装置の蓄電量が所定量よりも低下している場合に、動力損失を低減させる必要があると判断する。
第5の発明に係る車両の制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、選択手段は、第2の回転電機の温度がしきい値を超えた場合に、第2の車速を選択する。
第6の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、変速機には、第1の摩擦係合要素と、第2の摩擦係合要素とが備えられる。変速機においては、第1の摩擦係合要素を係合するとともに第2の摩擦係合要素を解放することにより第1の変速段が形成され、第1の摩擦係合要素を解放するとともに第2の摩擦係合要素を係合することにより第1の変速段よりも低速側の第2の変速段が形成される。ダウンシフト制御手段は、第1の変速段から第2の変速段へのダウンシフトを行なう際、第1の摩擦係合要素を解放し、第1の摩擦係合要素を解放した後に、同期回転数まで回転電機の回転数を増加させ、同期回転数まで増加させた後に第2の摩擦係合要素を係合させる。
第7の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、車両には、回転電機とともに車両の動力源となる内燃機関が備えられる。オイルポンプは、内燃機関の動力によって作動する機械式オイルポンプと、電動式オイルポンプとを含む。低下手段は、内燃機関の回転数および電動式オイルポンプの少なくともいずれかの回転数を低下させる。
第8〜14の発明に係る制御方法は、それぞれ第1〜7の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
本発明によれば、変速機のダウンシフトを行なうときに変速機の動力損失を低減させる必要があるか否かを判断し、動力損失を低減させる必要があると判断された場合には、オイルポンプの回転数を低下して、変速機へのオイル流量を低減させる。これにより、回転電機の回転数を同期回転数まで増加させる際に必要となる電力(同期パワー)が低減されるため、回転電機への電力の確保が難しい状況においても、回転電機の回転数を同期回転数まで短時間で増加させて、変速時間の短縮および変速ショックの低減を図ることができる。その結果、ダウンシフト時の変速品質を好適に確保することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を搭載したハイブリッド車のパワートレーンについて説明する。なお、本実施の形態に係る制御装置は、ECU(Electronic Control Unit)8000が実行するプログラムにより実現される。
図1に示すように、このパワートレーンは、エンジン100と、MG(Motor Generator)(1)200と、これらエンジン100とMG(1)200との間でトルクを合成もしくは分配する動力分割機構300と、MG(2)400と、変速機500とを主体として構成されている。
エンジン100のクランクシャフトには、エンジン100の動力に基づいて発電するMG(1)200が動力分割機構300を介在して連結される。
動力分割機構300は、入力されたエンジン100の動力を、車両の駆動輪に接続された車輪軸(図示せず)に接続される出力軸600への動力とMG(1)200への動力とに分割する。動力分割機構300と出力軸600との間には、出力軸600に駆動力を付与するMG(2)400が設けられる。
MG(2)400と出力軸600とは、変速機500を介在させて接続される。変速機500は、MG(2)400の回転を変速して出力軸600に伝達する。変速機500は、たとえば、遊星歯車機構から構成される。
エンジン100は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置であって、スロットル開度(吸気量)や燃料供給量、点火時期などの運転状態を電気的に制御できるように構成されている。その制御は、たとえば、マイクロコンピュータを主体とするECU8000によって行なわれる。
MG(1)200は、一例として三相交流回転電機であって、電動機(モータ)としての機能と発電機(ジェネレータ)としての機能とを生じるように構成される。インバータ210を経由してバッテリなどの蓄電装置700に接続されている。インバータ210を制御することにより、MG(1)200の出力トルクあるいは回生トルクを適宜に設定するようになっている。その制御は、ECU8000によって行なわれる。なお、MG(1)200のステータ(図示せず)は固定されており、回転しないようになっている。
動力分割機構300は、外歯歯車であるサンギヤ(S)310と、そのサンギヤ(S)310に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ(R)320と、これらサンギヤ(S)310とリングギヤ(R)320とに噛合しているピニオンギヤ(P)340を自転かつ公転自在に保持しているキャリヤ(C)330とを三つの回転要素として差動作用を生じる公知の歯車機構である。エンジン100の出力軸がダンパ110を経由して第1の回転要素であるキャリヤ(C)330に連結されている。言い換えれば、キャリヤ(C)330が入力要素となっている。
これに対して第2の回転要素であるサンギヤ(S)310にMG(1)200のロータ(図示せず)が連結されている。したがってサンギヤ(S)310がいわゆる反力要素となっており、また第3の回転要素であるリングギヤ(R)320が出力要素となっている。そして、そのリングギヤ(R)320が、出力軸600に連結されている。
図2に、動力分割機構300の共線図を示す。図2に示すように、キャリヤ(C)330に入力されるエンジン100の出力トルクに対して、MG(1)200による反力トルクをサンギヤ(S)310に入力すると、これらのトルクを加減算した大きさのトルクが、出力要素となっているリングギヤ(R)320に現れる。その場合、MG(1)200のロータがそのトルクによって回転し、MG(1)200は発電機として機能する。また、リングギヤ(R)320の回転数(出力回転数)を一定とした場合、MG(1)200の回転数を大小に変化させることにより、エンジン100の回転数を連続的に(無段階に)変化させることができる。すなわち、エンジン100の回転数をたとえば燃費が最もよい回転数に設定する制御を、MG(1)200を制御することによって行なうことができる。その制御は、ECU8000によって行なわれる。
走行中にエンジン100を停止させていれば、MG(1)200が逆回転しており、その状態からMG(1)200を電動機として機能させて正回転方向にトルクを出力させると、キャリヤ(C)330に連結されているエンジン100にこれを正回転させる方向のトルクが作用し、MG(1)200によってエンジン100を始動(モータリングもしくはクランキング)することができる。その場合、出力軸600にはその回転を止める方向のトルクが作用する。したがって走行のための駆動トルクは、MG(2)400の出力するトルクを制御することにより維持でき、同時にエンジン100の始動を円滑に行なうことができる。なお、この種のハイブリッド形式は、機械分配式あるいはスプリットタイプと称されている。
図1に戻って、MG(2)400は、一例として三相交流回転電機であって、電動機としての機能と発電機としての機能とを生じるように構成される。インバータ410を経由してバッテリなどの蓄電装置700が接続されている。
インバータ410を制御することにより、力行および回生ならびにそれぞれの場合におけるトルクを制御するように構成されている。なお、MG(2)400のステータ(図示せず)は固定されており、回転しないようになっている。
変速機500は、一組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。それぞれ外歯歯車である第1サンギヤ(S1)510と第2サンギヤ(S2)520とが設けられており、その第1サンギヤ(S1)510に第1ピニオン(P1)531が噛合するとともに、その第1ピニオン(P1)531が第2ピニオン(P2)532に噛合し、その第2ピニオン(P2)532が各サンギヤ510,520と同心円上に配置されたリングギヤ(R1)540に噛合している。第2サンギヤ(S2)520に前述したMG(2)400が連結される。変速機500は、第2サンギヤ(S2)520がいわゆる入力要素であり、またキャリヤ(C1)550が出力要素となっている。
なお、各ピニオン531,532は、出力軸600に連結されたキャリヤ(C1)550によって自転かつ公転自在に保持されている。また、第2サンギヤ(S2)520が第2ピニオン(P2)532に噛合している。したがって第1サンギヤ(S1)510とリングギヤ(R1)540とは、各ピニオン531,532と共にダブルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成し、また第2サンギヤ(S2)520とリングギヤ(R1)540とは、第2ピニオン(P2)532と共にシングルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成している。
さらに、変速機500には、第1サンギヤ(S1)510を選択的に固定するB1ブレーキ561と、リングギヤ(R1)540を選択的に固定するB2ブレーキ562とが設けられている。
B1ブレーキ561は、変速機500のケース側に固定された摩擦材と第1サンギヤ(S1)510側に固定された摩擦材との摩擦力によって係合力を生じる多板形式の係合装置である。B2ブレーキ562は、変速機500のケース側に固定された摩擦材とリングギヤ(R1)540側に固定された摩擦材との摩擦力によって係合力を生じる多板形式の係合装置である。また、これらのブレーキ561,562は、摩擦材間を常にオイルで潤滑させた状態で係合あるいは解放される湿式の係合装置である。
これらのブレーキ561,562は、ECU8000からの制御信号に応じた油圧を出力する油圧回路(図示せず)に接続されており、この油圧回路から出力される油圧によって係合されたり解放されたりする。
B1ブレーキ561を係合して第1サンギヤ(S1)510を固定するとともに、B2ブレーキ562を解放してリングギヤ(R1)540を固定しない場合には、変速機500において高速段Hが形成される。
B2ブレーキ562を係合してリングギヤ(R1)540を固定するとともに、B1ブレーキ561を解放して第1サンギヤ(S1)510を固定しない場合には、変速機500において高速段Hより変速比の大きい低速段Lが設定される。
このパワートレーンには、MG(1)200、動力分割機構300、MG(2)400、および変速機500の各部に潤滑油および冷却油として作用するオイルを供給する機械式オイルポンプ800および電動式オイルポンプ900が並列に設けられる。
機械式オイルポンプ800は、動力分割機構300のキャリヤ(C)330に連結され、エンジン100の駆動力によってオイルパン(図示せず)に貯留されたオイルを吸い込み、吸い込んだオイルを各部に供給する。
電動式オイルポンプ900は、ECU8000からの制御信号によって制御される内部モータの駆動力によってオイルパンに貯留されたオイルを吸い込み、機械式オイルポンプ800と同様に、吸い込んだオイルを各部に供給する。電動式オイルポンプ900は、エンジン100の停止によって機械式オイルポンプ800から各部にオイルが供給されない場合に駆動される。なお、電動式オイルポンプ900の駆動条件はこれに限定されない。
なお、機械式オイルポンプ800および電動式オイルポンプ900からのオイルは、上述した油圧回路にも供給され、B1ブレーキ561およびB2ブレーキ562の作動油の元圧としても利用される。
ECU8000には、シフトポジションセンサ1020と、アクセルポジションセンサ1030と、エンジン回転数センサ1040と、出力軸回転数センサ1050と、MG1回転数センサ1060と、MG2回転数センサ1070と、油温センサ1080とがハーネスなどによって接続される。
シフトポジションセンサ1020は、運転者によって操作させるシフトレバー(図示せず)の位置(シフトポジション)SPを検出する。アクセルポジションセンサ1030は、運転者によるアクセルペダルの操作量(アクセル開度)ACCを検出する。エンジン回転数センサ1040は、エンジン100のクランクシャフトの回転数(エンジン回転数)NEを検出する。出力軸回転数センサ1050は、出力軸600の回転数(出力軸回転数)NOUTを検出する。MG1回転数センサ1060は、MG(1)200の回転数NM(1)を検出する。MG2回転数センサ1070は、MG(2)400の回転数NM(2)を検出する。油温センサ1080は、MG(2)400内の油温THを検出する。これらの各センサは、検出結果を表わす信号をECU8000に送信する。なお、出力軸回転数NOUTは、このハイブリッド車の車速に対応する値である。
さらに、蓄電装置700の内部には、蓄電装置700の充電量SOCなどを監視する監視ユニットが備えられ、この監視ユニットから充電量SOCを表わす情報がECU8000に送信される。
このハイブリッド車は、エンジン100の動力のみによる走行、エンジン100とMG(2)400との動力による走行、MG(2)400の動力のみによる走行のいずれもが可能である。ECU8000は、出力軸回転数NOUTやアクセル開度ACCなどから求められる出力軸要求トルクなどに基づいて、いずれかの走行形態を選択する。
たとえば、ECU8000は、蓄電装置700の充電量SOCが多く、かつ出力軸要求トルクが相対的に小さい場合、あるいは静粛な発進が手動選択された場合などでは、MG(2)400の動力のみによる走行形態を選択し、エンジン100を停止させる。
その状態からアクセルペダルが大きく踏み込まれるなど出力軸要求トルクが増大した場合、あるいは蓄電装置700の充電量SOCが低下した場合、もしくは静粛な発進から通常走行に手動切り換えされた場合には、ECU8000は、エンジン100の動力のみによる走行形態あるいはエンジン100とMG(2)400との動力による走行形態(以下、少なくともエンジン100の動力を使用した走行を「エンジン走行」ともいう)を選択して、エンジン100を始動させる。ECU8000は、エンジン走行時においては、アクセル開度ACCに応じた動力をエンジン100に出力させる。
さらに、ECU8000は、図3に示すようなマップ(変速線図)を用いて変速機500の変速を制御する。図3に示す変速線図において、横軸は出力軸回転数NOUT(車速)を示し、縦軸は出力軸要求トルクを示し、実線はダウン線(通常ダウン線および高車速ダウン線)を示し、一点鎖線はアップ線を示す。この変速線図は、ECU8000の記憶部に予め記憶される。
ECU8000は、低速段Lでの走行中、図3に示す変速線図上において出力軸回転数NOUTと出力軸要求トルクとの交点がアップ線よりも低速側(図3の左側)の領域から高速側(図3の右側)の領域に移動すると、高速段Hへのアップシフトを実行する。
ECU8000は、高速段Hでの走行中、図3に示す変速線図上において出力軸回転数NOUTと出力軸要求トルクとの交点がダウン線よりも高速側の領域から低速側の領域に移動すると、低速段Lへのダウンシフトを実行する。
図3に示すように、本実施の形態に用いられる変速線図においては、通常ダウン線と、通常ダウン線よりも高速側の高車速ダウン線との、2本のダウン線が設定されている。ECU8000は、車両の走行状態に基づいて、これらのダウン線のいずれかを選択する。なお、ダウン線の選択については後に詳述する。
図4に、高速段Hから低速段Lへダウンシフトする場合の、第1サンギヤ(S1)510、リングギヤ(R1)540、キャリヤ(C1)550(すなわち出力軸600)、第2サンギヤ(S2)520(すなわちMG(2)400)の各ギヤの回転数の変化について説明する。なお、図4は、変速機500の共線図であり、実線は高車速ダウン線が選択された場合の各回転数の変化を示し、一点鎖線は通常ダウン線が選択された場合の各回転数の変化を示す。
図4に示すように、B1ブレーキ561を係合(第1サンギヤ(S1)510を固定)するとともに、B2ブレーキ562を解放する(リングギヤ(R1)540を固定しない)場合には、高速段Hが形成される。
ECU8000は、高速段Hから低速段Lへダウンシフトする場合、係合させていたB1ブレーキ561を解放し、MG(2)400の回転数をダウンシフト後の同期回転数まで増加させ、その後、解放していたB2ブレーキ562を係合(リングギヤ(R1)540を固定)する。このような制御によって、リングギヤ(R1)540の回転数をダウンシフト後の回転数(すなわち略ゼロ)に短時間で低下させた後に、B2ブレーキ562を係合してリングギヤ(R1)540を固定することができる。これにより、変速時間の短縮および変速ショックの低減が図られる。
ここで、ダウンシフト後の同期回転数とは、出力軸回転数NOUTとMG2回転数NM(2)とがダウンシフト後の変速比で同期するときの回転数であって、(出力軸回転数NOUT)×(ダウンシフト後の変速比)で求まる値である。したがって、ダウンシフト時の出力軸回転数NOUT(すなわちダウン線)が高いほど、ダウンシフト後の同期回転数は高くなる。そのため、図4に示すように、高車速ダウン線選択時の同期回転数は、通常ダウン線選択時の同期回転数よりも高くなる。
したがって、高車速ダウン線が選択された場合、通常ダウン線よりも高い車速(出力軸回転数NOUT)で早期にダウンシフトして低速段Lでの走行領域を拡大することができる一方、MG(2)400の同期回転数が増加する。一般に、モータを回転させる際に必要な電力エネルギは回転数と出力トルクとの積にほぼ比例して大きくなることから、高車速ダウン線が選択された場合、MG(2)400の回転数を同期回転数まで増加させる際に必要となる電力エネルギ(以下「同期パワー」ともいう)も大きくなる。
さらに、ブレーキ561,562の各摩擦材間にはオイルが常に存在するため、これらのブレーキの解放時においても、必然的に引き摺りトルクが生じ、これにより動力損失が生じる。なお、ブレーキ561,562ので生じる引き摺りトルクは、各摩擦材間のオイル流量が多いほど大きくなる傾向にある。
図4に示すB1ブレーキ561で生じる引き摺りトルクは、第1サンギヤ(S1)510の回転数を低下(すなわちMG(2)400を同期)させる際の抵抗力となる。また、MG(2)400にもオイルが存在するため、図4に示すMG(2)400内で生じる引き摺りトルクもMG(2)400を同期させる際の抵抗力となる。したがって、これらの引き摺りトルクが大きいと同期パワーも大きくなる。
そこで、本実施の形態においては、ダウンシフトを行なう場合において、MG(2)400の同期パワー低減を目的として変速機500およびMG(2)400の引き摺りトルクを低減する必要があるか否かを判断し、引き摺りトルクを低減する必要がある場合には、変速機500およびMG(2)400に供給されるオイルの流量を低減させるように、、エンジン回転数NEあるいは電動式オイルポンプ900の回転数(電動ポンプ回転数)NPを制御する。
図5に、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU8000が変速機500のダウンシフトを行なう際の機能ブロック図を示す。ECU8000は、入力インターフェイス(入力I/F)8100と、演算処理部8200と、記憶部8300と、出力インターフェイス(出力I/F)8400とを含む。
入力インターフェイス8100は、シフトポジションセンサ1020からのシフトポジションSP、アクセルポジションセンサ1030からのアクセル開度ACC、エンジン回転数センサ1040からのエンジン回転数NE、出力軸回転数センサ1050からの出力軸回転数NOUT、MG2回転数センサ1070からのMG2回転数NM(2)、油温センサ1080からのMG(2)400内の油温TH、蓄電装置700内部の監視ユニットからの充電量SOCを受信して、演算処理部8200に送信する。
記憶部8300には、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じて演算処理部8200からデータが読み出されたり、格納されたりする。
演算処理部8200は、ダウンシフト条件成立判断部8210と、引き摺りトルク低減部8220と、変速制御部8230とを含む。
ダウンシフト条件成立判断部8210は、車両の走行状態に基づいて通常ダウン線および高車速ダウン線のいずれかを選択し、出力軸回転数NOUT(すなわち車速)が選択したダウン線よりも低下したか否かを判断し、出力軸回転数NOUTが選択したダウン線よりも低下した場合に、ダウンシフト条件が成立したと判断する。ダウンシフト条件成立判断部8210は、たとえば、MG(2)400内の油温THが所定温度を超えている場合に、高車速ダウン線を選択する。
引き摺りトルク低減部8220は、ダウンシフト条件が成立した場合に、通常ダウン線および高車速ダウン線のいずれのダウン線が選択されていたかを判断し、高車速ダウン線が選択された場合で、かつアクセルオフ状態(アクセル開度ACCが略ゼロ)であり、かつ蓄電装置700の充電量SOCがしきい値よりも低いと、変速機500の動力損失を低減する(すなわち引き摺りトルクを低減する)必要があると判断して、エンジン回転数NE(すなわち機械式オイルポンプ800の回転数)および電動ポンプ回転数NPを低下させる。
変速制御部8230は、引き摺りトルク低減部8220によってエンジン回転数NEあるいは電動ポンプ回転数NPが低下された後に、B1ブレーキ561を解放させるB1制御信号を油圧回路に出力し、その後、ダウンシフト後の同期回転数までMG2回転数NM(2)を増加させるMG2制御信号をインバータ410に出力する。MG2回転数NM(2)が同期回転数まで増加した後に、B2ブレーキ562を係合させるB2制御信号を油圧回路に出力する。なお、B1制御信号、MG2制御信号およびB2制御信号は、出力インターフェイス8400を経由して出力される。
本実施の形態において、ダウンシフト条件成立判断部8210と、引き摺りトルク低減部8220と、変速制御部8230とは、いずれも演算処理部8200であるCPUが記憶部8300に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
以下、図6を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000が変速機500のダウンシフトを行なう際に実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、高速段Hでの走行中において予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU8000は、上述した高車速ダウン線および通常ダウン線のいずれかのダウン線を選択する。たとえば、ECU8000は、MG(2)400内の油温THが所定温度を超えている場合に、高車速ダウン線を選択し、そうでない場合は通常ダウン線を選択する。
S102にて、ECU8000は、出力軸回転数NOUTがダウン線よりも低下したか否かを判断する。出力軸回転数NOUTがダウン線よりも低下すると(S102にてYES)、処理はS104に移される。そうでないと(S102にてNO)、この処理は終了する。
S104にて、ECU8000は、S100の処理で選択されたダウン線が高車速ダウン線であるか否かを判断する。なお、S102の処理で出力軸回転数NOUTが高車速ダウン線よりも低下したとの判断がなされたか否かを判断するようにしてもよい。S100の処理で選択されたダウン線が高車速ダウン線であると(S104にてYES)、処理はS106に移される。そうでないと(S104にてNO)、処理はS124に移される。
S106にて、ECU8000は、アクセルオフ状態(アクセル開度ACCが略ゼロ)であるか否かを判断する。アクセルオフ状態であると(S106にてYES)、処理はS108に移される。そうでないと(S106にてNO)、処理はS124に移される。
S108にて、ECU8000は、蓄電装置700の充電量SOCがしきい値よりも低いか否かを判断する。蓄電装置700の充電量SOCがしきい値よりも低いと(S108にてYES)、処理はS110に移される。そうでないと(S108にてNO)、処理はS124に移される。
S110にて、ECU8000は、エンジン走行中であるか否かを判断する。なお、エンジン走行とは、上述したように、少なくともエンジン100の動力を使用した走行であって、エンジン100の動力のみによる走行およびエンジン100とMG(2)400との動力による走行の双方を含む。エンジン走行中であると(S110にてYES)、処理はS112に移される。そうでないと(S110にてNO)、処理はS118に移される。
S112にて、ECU8000は、引き摺りトルク低減用の目標エンジン回転数NE(R)を設定する。この目標エンジン回転数NE(R)は、少なくともこの目標エンジン回転数NE(R)を設定しない場合のエンジン回転数(アイドル回転数)よりも低い値であって、たとえばエンジン100の自立運転可能な最小回転数に設定される。
S114にて、ECU8000は、目標エンジン回転数NE(R)の下限値ガード処理を行なう。この処理は、S112で設定された目標エンジン回転数NE(R)が車両の運転状態に対して低過ぎると考えられる場合に、目標エンジン回転数NE(R)の増加補正を行なう処理である。たとえば、ECU8000は、変速機500が所定温度を超えている場合、あるいは動力分割機構300のピニオンギヤ(P)340の回転数が過回転となる場合に、目標エンジン回転数NE(R)の増加補正を行なう。
S116にて、ECU8000は、エンジン回転数NEを目標エンジン回転数NE(R)に低下させるエンジン回転数制御信号をエンジン100に出力する。
S118にて、ECU8000は、引き摺りトルク低減用の目標ポンプ回転数NP(R)を設定する。この目標ポンプ回転数NP(R)は、少なくともこの目標ポンプ回転数NP(R)を設定しない場合よりも電動ポンプ回転数NPを低下させる値であって、たとえば略ゼロに設定される。
S120にて、ECU8000は、目標ポンプ回転数NP(R)の下限値ガード処理を行なう。この処理は、S118で設定された目標ポンプ回転数NP(R)が車両の運転状態に対して低過ぎると考えられる場合に、目標ポンプ回転数NP(R)の増加補正を行なう処理である。たとえば、ECU8000は、変速機500が所定温度を超えている場合、あるいは動力分割機構300のピニオンギヤ(P)340の回転数が過回転となる場合に、目標ポンプ回転数NP(R)の増加補正を行なう。
S122にて、ECU8000は、電動ポンプ回転数NPを目標ポンプ回転数NP(R)に低下させるポンプ回転数制御信号を電動式オイルポンプ900に出力する。
S124にて、ECU8000は、B1ブレーキ561を解放させるB1制御信号を油圧回路に出力する。これにより、B1ブレーキ561が解放される。
S126にて、ECU8000は、(出力軸回転数NOUT)×(ダウンシフト後の変速比)で求まるダウンシフト後の同期回転数までMG2回転数NM(2)を増加させるMG2制御信号をインバータ410に出力する。これにより、MG2回転数NM(2)がダウンシフト後の同期回転数まで増加される。
S128にて、ECU8000は、B2ブレーキ562を係合させるB2制御信号を油圧回路に出力する。これにより、B2ブレーキ562が係合されて、低速段Lへのダウンシフトが完了する。
S130にて、ECU8000は、エンジン回転数NEあるいは電動ポンプ回転数NPの低下処理(S116あるいはS122の処理)を停止する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU8000の動作について図7を参照にしつつ説明する。
ハイブリッド車両を高速段Hでエンジン走行させていた場合を想定する。高速段Hでの走行時は、低速段Lでの走行時よりも、MG(2)400の出力トルクの使用領域が高くなる。なぜなら、高速段Hの変速比が低速段Lの変速比よりも小さいため、同じ出力軸トルクが要求される場合であっても、低速段Lよりも高速段Hのほうが高いトルクを出力する必要があるためである。したがって、高速段Hでの走行は、低速段Lでの走行よりもMG(2)400のエネルギ損失が大きく、MG(2)400での発熱量が増えてしまう。
そこで、この発熱によってMG(2)400内の油温THがしきい値を超えると、高車速ダウン線が選択される(S100)。これにより、通常ダウン線よりも高い車速で早期に低速段Lへのダウンシフトを行なって、低速段Lでの走行領域を拡大することができる。そのため、MG(2)400での発熱量を抑制することができる。
一方、高車速ダウン線が選択されたことによってダウンシフト後の同期回転数が高くなるため、MG(2)の同期パワーが大きくなる。このような状態で、たとえば、エンジン100が被駆動状態でありエンジン100の動力に基づいてMG(1)200での発電ができない場合、あるいは蓄電装置700の充電量SOCが低下している場合などにおいては、MG(2)400の駆動電力が不足し、同期パワーを確保できない場合が考えられる。
そこで、図7に示すように、時刻t(1)にて、出力軸回転数NOUTが高車速ダウン線よりも低下した場合(S102にてYES、S104にてYES)、アクセルオフ状態でありかつ充電量SOCがしきい値よりも低いと(S106にてYES、S108にてYES)、エンジン回転数NEの低下が開始される(S110にてYES、S112、S114、S116)。
このエンジン回転数NEの低下によって機械式オイルポンプ800から変速機500あるいはMG(2)400へ供給されるオイル流量が低減されることによって、変速機500あるいはMG(2)400での引き摺りトルクが低減される。
時刻t(2)にて、エンジン回転数NEが引き摺りトルク低減用の目標エンジン回転数NE(R)まで低下されると、B1ブレーキ561が解放され(S124)、その後にMG2回転数NM(2)がダウンシフト後の同期回転数まで積極的に増加される(S126)。
このとき、上述したように引き摺りトルクが低減されているため、エンジン回転数NEを低下しない場合(図7の一点鎖線参照)に比べて、図7に示すように、同期に必要となるMG(2)400の出力トルクも低減される。これにより、MG(2)400の同期パワーが低減される。
このように高車速ダウン線の選択によってダウンシフト後の同期回転数が高くなった場合であっても引き摺りトルクが低減されるため、MG(2)の同期パワーの増大が抑制される。そのため、MG2回転数NM(2)をダウンシフト後の同期回転数まで短時間で増加させることができる。
時刻t(3)にて、MG2回転数NM(2)がダウンシフト後の同期回転数に達すると、B2ブレーキ562が係合されて(S128)低速段Lへのダウンシフトが完了するとともに、エンジン回転数NEの低下が停止される(S130)。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置は、高車速ダウン線が選択されている等の条件が成立し、変速機の引き摺りトルクを低減させる必要があると判断すると、オイルポンプの回転数を低下して、変速機へのオイル流量を低減する。これにより、MG(2)の同期パワーが低減されるため、MG(2)の回転数をダウンシフト後の同期回転数まで短時間で増加させて、変速時間の短縮および変速ショックの低減を図ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
ハイブリッド車のパワートレーンを示す概略構成図である。 動力分割機構の共線図である。 変速機の変速制御に用いられる変速線図である。 変速機の共線図である。 ECUの機能ブロック図である。 ECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 エンジン回転数の変化を示すタイミングチャートである。
符号の説明
100 エンジン、110 ダンパ、210,410 インバータ、200 MG(1)、300 動力分割機構、310 サンギヤ(S)、320 リングギヤ(R)、330 キャリヤ(C)、340 ピニオンギヤ(P)、400 MG(2)、500 変速機、510 第1サンギヤ(S1)、520 第2サンギヤ(S2)、531 第1のピニオン(P1)、532 第2のピニオン(P2)、540 リングギヤ(R)、550 キャリヤ(C)、561 B1ブレーキ、562 B2ブレーキ、600 出力軸、700 蓄電装置、800 機械式オイルポンプ、900 電動式オイルポンプ、1050 出力軸回転数センサ、1060 回転数センサ、1070 回転数センサ、1080 油温センサ、8000 ECU、8100 入力インターフェイス、8200 演算処理部、8210 ダウンシフト条件成立判断部、8220 トルク低減部、8230 変速制御部、8300 記憶部、8400 出力インターフェイス。

Claims (14)

  1. 少なくとも回転電機を動力源とする車両の制御装置であって、前記車両には、前記回転電機と前記車両の車輪軸に接続された出力軸との間に接続され、前記回転電機の回転を変速して前記出力軸へ伝達する変速機と、前記変速機へオイルを供給する少なくとも1つ以上のオイルポンプとが備えられ、
    前記制御装置は、
    車速が前記予め定められた車速よりも低下した場合、前記変速機のダウンシフトを行なうときに前記変速機の動力損失を低減させる必要があるか否かを判断するための判断手段と、
    前記判断手段によって前記動力損失を低減させる必要があると判断された場合、前記動力損失を低減させる必要がないと判断された場合に比べて前記変速機へ供給されるオイル流量を低減するように、前記オイルポンプの回転数を低下させるための低下手段と、
    前記低下手段によって前記オイルポンプの回転数が低下された後に、前記出力軸の回転数と前記回転電機の回転数とがダウンシフト後の変速比で同期するときの同期回転数まで前記回転電機の回転数を増加させて、前記変速機のダウンシフトを行なうためのダウンシフト制御手段とを含む、車両の制御装置。
  2. 前記同期回転数は、前記出力軸の回転数と前記ダウンシフト後の変速比との積で求まる値であり、
    前記制御装置は、前記予め定められた車速を、第1の車速とするのか、前記第1の車速よりも高い第2の車速とするのかを選択するための選択手段をさらに含み、
    前記判断手段は、前記選択手段によって前記第2の車速が選択された場合に、前記動力損失を低減させる必要があると判断する、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記車両には、前記回転電機とともに前記車両の動力源となり、運転者の加速要求に応じた動力が出力される内燃機関と、前記内燃機関の動力によって発電する発電装置とが備えられ、前記回転電機は、少なくとも前記発電装置で発電された電力によって回転し、
    前記判断手段は、前記第2の車速が選択された場合に加えて、前記加速要求がない場合に、前記動力損失を低減させる必要があると判断する、請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記車両には、前記回転電機の電源となる蓄電装置が備えられ、
    前記判断手段は、前記第2の車速が選択された場合に加えて、前記蓄電装置の蓄電量が所定量よりも低下している場合に、前記動力損失を低減させる必要があると判断する、請求項2に記載の車両の制御装置。
  5. 前記選択手段は、前記第2の回転電機の温度がしきい値を超えた場合に、前記第2の車速を選択する、請求項2に記載の車両の制御装置。
  6. 前記変速機には、第1の摩擦係合要素と、第2の摩擦係合要素とが備えられ、前記変速機においては、前記第1の摩擦係合要素を係合するとともに前記第2の摩擦係合要素を解放することにより第1の変速段が形成され、前記第1の摩擦係合要素を解放するとともに前記第2の摩擦係合要素を係合することにより前記第1の変速段よりも低速側の第2の変速段が形成され、
    前記ダウンシフト制御手段は、前記第1の変速段から前記第2の変速段へのダウンシフトを行なう際、前記第1の摩擦係合要素を解放し、前記第1の摩擦係合要素を解放した後に、前記同期回転数まで前記回転電機の回転数を増加させ、前記同期回転数まで増加させた後に前記第2の摩擦係合要素を係合させる、請求項1〜5のいずれかに記載の車両の制御装置。
  7. 前記車両には、前記回転電機とともに前記車両の動力源となる内燃機関が備えられ、前記オイルポンプは、前記内燃機関の動力によって作動する機械式オイルポンプと、電動式オイルポンプとを含み、
    前記低下手段は、前記内燃機関の回転数および前記電動式オイルポンプの少なくともいずれかの回転数を低下させる、請求項1に記載の車両の制御装置。
  8. 少なくとも回転電機を動力源とする車両を制御する制御装置が行なう制御方法であって、前記車両には、前記回転電機と前記車両の車輪軸に接続された出力軸との間に接続され、前記回転電機の回転を変速して前記出力軸へ伝達する変速機と、前記変速機へオイルを供給する少なくとも1つ以上のオイルポンプとが備えられ、
    前記制御方法は、
    車速が前記予め定められた車速よりも低下した場合、前記変速機のダウンシフトを行なうときに前記変速機の動力損失を低減させる必要があるか否かを判断する判断ステップと、
    前記判断ステップで前記動力損失を低減させる必要があると判断された場合、前記動力損失を低減させる必要がないと判断された場合に比べて前記変速機へ供給されるオイル流量を低減するように、前記オイルポンプの回転数を低下させる低下ステップと、
    前記低下ステップで前記オイルポンプの回転数が低下された後に、前記出力軸の回転数と前記回転電機の回転数とがダウンシフト後の変速比で同期するときの同期回転数まで前記回転電機の回転数を増加させて、前記変速機のダウンシフトを行なうダウンシフト制御ステップとを含む、車両の制御方法。
  9. 前記同期回転数は、前記出力軸の回転数と前記ダウンシフト後の変速比との積で求まる値であり、
    前記制御方法は、前記予め定められた車速を、第1の車速とするのか、前記第1の車速よりも高い第2の車速とするのかを選択する選択ステップをさらに含み、
    前記判断ステップは、前記選択ステップで前記第2の車速が選択された場合に、前記動力損失を低減させる必要があると判断する、請求項8に記載の車両の制御方法。
  10. 前記車両には、前記回転電機とともに前記車両の動力源となり、運転者の加速要求に応じた動力が出力される内燃機関と、前記内燃機関の動力によって発電する発電装置とが備えられ、前記回転電機は、少なくとも前記発電装置で発電された電力によって回転し、
    前記判断ステップは、前記第2の車速が選択された場合に加えて、前記加速要求がない場合に、前記動力損失を低減させる必要があると判断する、請求項9に記載の車両の制御方法。
  11. 前記車両には、前記回転電機の電源となる蓄電装置が備えられ、
    前記判断ステップは、前記第2の車速が選択された場合に加えて、前記蓄電装置の蓄電量が所定量よりも低下している場合に、前記動力損失を低減させる必要があると判断する、請求項9に記載の車両の制御方法。
  12. 前記選択ステップは、前記第2の回転電機の温度がしきい値を超えた場合に、前記第2の車速を選択する、請求項9に記載の車両の制御方法。
  13. 前記変速機には、第1の摩擦係合要素と、第2の摩擦係合要素とが備えられ、前記変速機においては、前記第1の摩擦係合要素を係合するとともに前記第2の摩擦係合要素を解放することにより第1の変速段が形成され、前記第1の摩擦係合要素を解放するとともに前記第2の摩擦係合要素を係合することにより前記第1の変速段よりも低速側の第2の変速段が形成され、
    前記ダウンシフト制御ステップは、前記第1の変速段から前記第2の変速段へのダウンシフトを行なう際、前記第1の摩擦係合要素を解放し、前記第1の摩擦係合要素を解放した後に、前記同期回転数まで前記回転電機の回転数を増加させ、前記同期回転数まで増加させた後に前記第2の摩擦係合要素を係合させる、請求項8〜12のいずれかに記載の車両の制御方法。
  14. 前記車両には、前記回転電機とともに前記車両の動力源となる内燃機関が備えられ、前記オイルポンプは、前記内燃機関の動力によって作動する機械式オイルポンプと、電動式オイルポンプとを含み、
    前記低下ステップは、前記内燃機関の回転数および前記電動式オイルポンプの少なくともいずれかの回転数を低下させる、請求項8に記載の車両の制御方法。
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