JP2009233696A - 鍛造プレス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シャットハイト調整機構として、リストピン3におけるコンロッド2と連結されるコンロッド連結部とスライド4と連結されるスライド連結部の中心を互いに偏心させており、リストピン3を回転させるリストピン駆動装置6を備えている。リストピン駆動装置6は、リストピン3に取付けられたウォームホイール5に噛み合うウォーム軸7と、ウォーム軸7の一端に接続され、ウォーム軸7を軸方向に往復動させる油圧モータ8と、ウォーム軸7の他端に接続されたピストン15およびピストン15が油密に挿入されたシリンダ16からなる油圧シリンダ17とを備えており、油圧シリンダ17と油圧源18の間にはリリーフ弁20が介装されており、リリーフ弁20はプレス負荷が過大値のとき開弁するように設定されている。
【選択図】図1
Description
前記リストピン103を回転させるために、傾動ロッド107が設けられており、この傾動ロッド107の先端は回動ブロック105でリストピン103に結合され、傾動ロッド107の基端は油圧シリンダ106に結合されている。この油圧シリンダ106は、油圧ポンプや油圧切換弁とパイロットチェック弁を内蔵する油圧制御部108に接続されている。
そして、プレス作業時の反力は、油圧制御部108内のパイロットチェック弁によって油圧シリンダ106を閉塞することによって受止め、リストピン103が逆転しないように拘束している。
また、プレスに異常な外力が加わってスライド104が下死点付近で停止して動かなくなったとき(スティック状態)は、油圧制御部108内の油圧ポンプの油圧を昇圧することによって、油圧シリンダ106を動かし、スティック状態を解消することができる。
このため、コンロッド102の長さ、すなわちクランク軸101とリストピン103との間の芯間距離を短くすることができず、プレスのコンパクト化を困難とする原因となっている。
このため、やはりコンロッドの長さを短くすることができず、プレスのコンパクト化を困難とする原因となっている。
第2発明の鍛造プレスは、第1発明において、前記リストピン駆動装置が、前記リストピンに取付けられたウォームホイールに噛み合うウォーム軸と、該ウォーム軸の一端に接続され、該ウォーム軸を軸方向に往復動させる油圧モータと、前記ウォーム軸の他端に接続されたピストンおよび該ピストンが油密に挿入されたシリンダからなる油圧シリンダとを備えており、前記油圧シリンダと油圧源の間にはリリーフ弁が介装されており、該リリーフ弁はプレス負荷が過大値のとき開弁するように設定されていることを特徴とする。
第3発明の鍛造プレスは、第2発明において、前記リストピン駆動装置が、前記リストピンの下方に配置されていることを特徴とする。
第4発明の鍛造プレスは、第2発明において、前記ウォーム軸の一端にスプライン軸が接続され、前記油圧モータの出力軸には駆動筒が接続され、前記スプライン軸と前記駆動筒とはスプライン結合されていることを特徴とする。
第2発明によれば、ウォーム軸の両端に油圧モータと油圧シリンダを接続することで基本構造が作られており、上下寸法の小さな装置となっている。このため、鍛造プレスの高さ方向のコンパクト化が可能となる。また、油圧シリンダは作動油を媒介としてウォーム軸に作用するプレス負荷を支えるので、ウォーム軸を移動不能に拘束する拘束機能が高い。また、リリーフ弁は設定圧を超えると開弁して高圧油を逃がすので、プレス過負荷が作用しても確実にこれを吸収できる。
第3発明によれば、リストピン駆動装置がリストピンより下方に配置されているので、コンロッドの長さを短くすることができる。
第4発明によれば、プレス過負荷時にはウォーム軸が軸方向に移動するが、この軸方向移動はスプラインによって吸収できるので、リストピン駆動装置の損傷を防止することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る鍛造プレスのリストピンまわりを示す要部断面図である。図2は図1におけるII−II線断面図である。
2はコンロッド(コネクティングロッドともいう)で、大頭部2aと小頭部2bを有している。このコンロッド2は2本で一組に構成されている。そして、コンロッド2の大頭部2aには、クランク軸1の偏心部1aが通され、小頭部2bには、リストピン3が通されている。
このリストピン3は、スライド4に連結されて、スライド4を昇降自在に支持している。
前記ウォーム軸7は歯部7aを有する基軸7bと、基軸7bの両端にそれぞれ結合されたスプライン軸7c,7dとからなるロッド状部材である。
前記スプライン軸7c,7dの外周面には雄スプラインが形成されている。
また、駆動筒9はベアリング10,10によって、ハウジング11に回転自在に支持されている。
したがって、油圧モータ8が正逆両方向に回転すると、駆動筒9も正逆両方向に回転し、ウォーム軸7を正逆両方向に回転させることができる。そして、ウォーム軸7の回転によりウォームホイール5を正逆両方向に揺動させることができる。なお、21はエンコーダ等の回転数検出器であり、油圧モータ8に取付けられている。
また、この従動筒12はベアリング13によってハウジング11に回転自在に支持されている。したがって、ウォーム軸7の回転は従動筒12が回転することによって許容され、その軸方向の前後進はスプラインによって吸収される。
また、前記油路19には、リリーフ弁20が介装されている。このリリーフ弁20にはパイロット回路21が接続されており、油圧シリンダ17内の圧力をパイロット圧として利用している。そして、油圧シリンダ17内の圧力が正常範囲の場合はリリーフ弁20が閉弁しており、正常範囲を越えた過大値となったときは開弁するように設定されている。
図4はリストピン駆動装置6の正常運転時の状態説明図である。
同図に示すように、油圧モータ8を正逆両方向に回転させて、ウォーム軸7を正逆両方向(矢印aで示す)に回転させると、ウォームホイール5が矢印b方向に揺動し、リストピンも矢印b方向に揺動する。なお、このときの回転は、駆動筒9も従動筒12もベアリング10,13によって支持されていることによって可能である。
このリストピン3の揺動によってシャットハイト量が調整できることは、既述のとおりである。
プレス作業中にプレス負荷が過大となったときは、その反力でリストピン3は矢印f方向に大きく回転しようとする。このため、ウォーム軸7は矢印g方向、つまり図中左方向へ動かされる。この結果、ピストン15が油圧シリンダ17内に深く進入し、油室内の作動油圧力を高めるので、リリーフ弁20は設定圧を越える過負荷がパイロット圧として作用しリリーフ弁20が開弁する。このようにして、油圧シリンダ17内の過大圧力を逃がして、過負荷を吸収するので、リストピン駆動装置6を損傷させることはない。
F:過負荷、e:リストピン3の偏心量、D:リストピン3の外径、μ:リストピン部摩擦係数、A:油圧シリンダ17の断面積、P:リリーフ弁20の設定圧力、Lg:ウォームホイール5のピッチ円直径とすると、下記式(1)が成立する。
F×e(過負荷時リストピン回転トルク)≧F×μ×D/2(リストピン部摩擦による回転防止トルク)+A×P×Lg・・・式(1)
上記式(1)のように、リストピン3の回転トルクや回転防止トルクは、偏心量eとリストピン3の外径Dの関数となるから、リストピン3の偏心量eや外形Dを適切な寸法にすることで、油圧シリンダ17の寸法やリリーフ弁20の設定圧力を小さくすることができ、コンパクトな設備にすることが可能である。
前記実施形態では、リストピン3を揺動させる機構として、ウォームホイール5とウォーム軸7を用いたが、リストピン3にピニオンを取付け、ラックで動かすようにしてもよい。また、ラックの他端には上記油圧シリンダ17を接続すれば、保持機構として機能する。ここでいうウォーム軸7やラックは特許請求の範囲にいうロッド状部材に該当する。
たとえば、ネジ棒のリードを大きくしておけば、ロッド状部材からの押付け圧力によって回転させることが可能であり、サーボモータはネジ棒の回転を受けると、内蔵のセンサで負荷の大きさを検知することができる。よって、検知した負荷が設定値以下のとき、サーボモータを停止させておき、検知した負荷が設定値を越えるとサーボモータも回転させることによって、過負荷を吸収することが可能となる。
また、従動筒12を用いる代りに、ウォーム軸7の他端側を滑り軸受等で支持して、回転と摺動を行わせてもよい。
2 コンロッド
3 リストピン
4 スライド
5 ウォームホイール
6 リストピン駆動装置
7 ウォーム軸
8 油圧モータ
17 油圧シリンダ
18 油圧源
20 リリーフ弁
Claims (4)
- クランク軸とスライドに連結したリストピンをコンロッドで連結した鍛造プレスであって、
シャットハイト調整機構として、
前記リストピンにおけるコンロッドと連結されるコンロッド連結部とスライドと連結されるスライド連結部の中心を互いに偏心させており、該リストピンを回転させるロッド状部材を有するリストピン駆動装置を備えており、
該リストピン駆動装置における前記ロッド状部材の一端には、駆動源が接続され、他端には、プレス負荷が正常値のときプレス負荷によってロッド状部材が移動しないように拘束する拘束機能を有し、かつプレス負荷が過大値のときプレス負荷を吸収する過負荷吸収機能を有する保持機構が接続されている
ことを特徴とする鍛造プレス。 - 前記リストピン駆動装置が、
前記リストピンに取付けられたウォームホイールに噛み合うウォーム軸と、
該ウォーム軸の一端に接続され、該ウォーム軸を軸方向に往復動させる油圧モータと、
前記ウォーム軸の他端に接続されたピストンおよび該ピストンが油密に挿入されたシリンダからなる油圧シリンダとを備えており、
前記油圧シリンダと油圧源の間にはリリーフ弁が介装されており、
該リリーフ弁はプレス負荷が過大値のとき開弁するように設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の鍛造プレス。 - 前記リストピン駆動装置が、前記リストピンの下方に配置されている
ことを特徴とする請求項2記載の鍛造プレス。 - 前記ウォーム軸の一端にスプライン軸が接続され、
前記油圧モータの出力軸には駆動筒が接続され、
前記スプライン軸と前記駆動筒とはスプライン結合されている
ことを特徴とする請求項2記載の鍛造プレス。
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