JP2009227075A - 乗員姿勢補助装置、及びプログラム - Google Patents

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朋子 阿部
Yuji Murakishi
裕治 村岸
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Abstract

【課題】車両の横加速度に対する乗員の姿勢補助を行う場合に、乗員が受ける視覚的違和感を改善して乗り心地を向上させること。
【解決手段】制御値演算部22が、横加速度センサ12により検出された車両の横加速度に基づいて乗員が受ける横加速度が最小となるようなシートの姿勢角の制御値を演算し、アクチュエータ制御部28が演算された制御値に基づいてアクチュエータ18を駆動し、乗員ロール角検出部24が、撮像装置14により撮像されたシートに着座した乗員の画像から乗員の体幹上部及び体幹下部のシートの座面に対するロール角の変化を検出し、上限値変更手段26が、乗員の体幹上部及び体幹下部の変化の位相差が所定範囲以上である場合に、制御値演算部22で演算された制御値の上限値が低くなるように変更する。
【選択図】図3

Description

本発明は、乗員姿勢補助装置、及びプログラムに関する。
従来、車両に横方向の加速度(横加速度)が生じた際に乗員の感じる横加速度または乗員の姿勢角の変化を低減させるためにシートの姿勢角を制御することが行われている。例えば、車両に生じるロール角が上限値以上となった場合に、エアバックを展開して乗員の下半身を保持することで、ロールの発生に抗して乗員が上半身に力を入れるといった姿勢保持の対応を補助する車両用乗員姿勢補助装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2007−204046号公報
しかしながら、特許文献1の車両用乗員姿勢補助装置では、乗員の体の動きのみに着目しており、乗員が受ける視覚的違和感が考慮されていないため乗り心地が低下する場合がある、という問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、車両の横加速度に対する乗員の姿勢補助を行う場合に、乗員が受ける視覚的違和感を改善して乗り心地を向上させることができる乗員姿勢補助装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の乗員姿勢補助装置は、車両の横方向に生じる横加速度を検出する加速度検出手段と、前記加速度検出手段により検出された横加速度に基づいて、前記車両の乗員が受ける横加速度または前記乗員の姿勢角が最小となるように前記車両のシートの姿勢角を制御するための制御値を演算する制御値演算手段と、前記制御値演算手段により演算された制御値に基づいて、前記シートを制御する制御手段と、前記シートに着座した乗員の体幹上部及び体幹下部の前記シートに対する姿勢角の変化を検出する姿勢角検出手段と、前記姿勢角検出手段により検出された乗員の体幹上部及び体幹下部の姿勢角の変化の位相差が所定範囲以上である場合に、前記制御値演算手段で演算された制御値の上限値が低くなるように変更する上限値変更手段と、を含んで構成されている。
また、本発明の乗員姿勢補助プログラムは、コンピュータを、車両の横方向に生じる横加速度を検出する加速度検出手段と、前記加速度検出手段により検出された横加速度に基づいて、前記車両の乗員が受ける横加速度または前記乗員の姿勢角が最小となるように前記車両のシートの姿勢角を制御するための制御値を演算する制御値演算手段と、前記制御値演算手段により演算された制御値に基づいて、前記シートに着座した乗員の体幹上部及び体幹下部の前記シートに対する姿勢角の変化を検出する姿勢角検出手段と、前記姿勢角検出手段により検出された乗員の体幹上部及び体幹下部の姿勢角の変化の位相差が所定範囲以上である場合に、前記制御値演算手段で演算された制御値の上限値が低くなるように変更する上限値変更手段と、して機能させるためのものである。
本発明の乗員姿勢補助装置、及びプログラムによれば、加速度検出手段が、車両の横方向に生じる横加速度を検出し、制御値演算手段が、加速度検出手段により検出された横加速度に基づいて、車両の乗員が受ける横加速度または乗員の姿勢角が最小となるように車両のシートの姿勢角を制御するための制御値を演算し、制御手段が、制御値演算手段により演算された制御値に基づいてシートを制御する。また、姿勢角検出手段が、制御手段により制御されたシートに着座した乗員の体幹上部及び体幹下部のシートに対する姿勢角の変化を検出する。乗員の体幹上部及び体幹下部の姿勢角の変化の位相差が所定範囲以上の場合、すなわち略同相で動いていない場合には、シート姿勢角の制御過大により乗員が視覚的違和感を受けて頭を起こそうとしている状態であると考えられるため、上限値変更手段が、制御値演算手段で演算された制御値の上限値が低くなるように変更する。
このように、乗員が受ける横加速度または乗員の姿勢角を最小にするための制御を行った際に、乗員の体幹上部及び体幹下部の姿勢角の変化の位相差が所定範囲以上となった場合に、制御値の上限値が低くなるように変更して制御過大となることを防止するため、乗員が受ける視覚的違和感が改善され、乗り心地を向上させることができる。
本発明によれば、車両の横加速度に対する乗員の姿勢補助を行う場合に、乗員が受ける視覚的違和感を改善して乗り心地を向上させることができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本実施の形態の原理について説明する。
図1(B)に、車両に同図(A)に示す周期的に変化する横加速度を与え、車両フロアに対するシートの姿勢角を制御した場合の乗員の姿勢角を表すロール角Pの変化を示す。ここで、乗員のロール角Pは、図2に示すように、乗員の体幹(胴)の重心とヒップポイント(HP,静止している乗員のシート座面上での荷重中心点)とを通る直線と、シートの座面に垂直な直線とのなす角で表される。また、車両に対するシートの姿勢角は、シートの座面に垂直な直線と、鉛直線とのなす角で表される。シートの姿勢角の制御値の範囲を大から小の間で数段階設定して、各段階の制御値で制御した場合の乗員ロール角Pを測定すると共に、乗員の官能評価について確認した。
図1(B)において、乗員が受ける体幹上部加速度が最小となるように制御した場合の乗員体幹上部のロール角を細実線P1、乗員体幹下部のロール角を細破線P2、官能評価が最も良い場合の乗員体幹上部のロール角を太実線P3、乗員体幹下部のロール角を太破線P4で示している。
乗員が受ける体幹上部加速度が最小となるように制御した場合は、官能評価が最も良い場合と比較して、官能評価は悪いという結果が得られた。また、シートの姿勢角の制御値の上限値は大きな値となっていた。官能評価が悪い原因として、シートの姿勢角の制御値が過大となり、視覚的違和感を受けた乗員が頭部を起こそうと力を入れるためであると考えられる。
そこで、官能評価が高い場合には、体幹上部及び体幹下部のロール角の位相が略同相となっていることに着目し、制御開始時は乗員が受ける体幹上部加速度が最小となるようにシートの姿勢角の制御値を設定し、制御開始後に乗員の体幹上部及び体幹下部の動きを検出して、これらの動きの位相差が所定範囲(略同相のみなせる範囲)以上か否かを判定し、所定範囲以上の場合には、乗員はシートの姿勢角の制御過大により視覚的違和感を受けていると判断して、体幹上部及び体幹下部の動きが略同相となるまで制御値の上限値を下げるように変更した。このように制御することにより、乗員が視覚的違和感を受けない状態で、乗員の姿勢補助を行うことができる。
次に、本実施の形態の構成について説明する。
図2に示すように、本実施の形態の乗員姿勢補助装置10は、車両に生じる横加速度を検出し、横加速度に応じた信号を出力する横加速度センサ12、乗員の姿勢角を検出するために乗員を撮像する撮像装置14、乗員の姿勢を補助するためにシート20を回転させて車両フロアに対するシート20の姿勢角を変更する制御を行う処理ルーチンを実行するためのコンピュータ16、及びシート20を回転させるためのアクチュエータ18を備えている。
横加速度センサ12は、車両に加わる横加速度に応じた信号を発生し、コンピュータ16へ供給する。
撮像装置14は、シート20に着座している乗員を撮像し画像信号を生成する撮像部(図示省略)、撮像部で生成されたアナログ信号である画像信号をデジタル信号に変換するA/D変換部(図示省略)、及びA/D変換された画像信号を一時的に格納するための画像メモリ(図示省略)を備えている。
コンピュータ16は、乗員姿勢補助装置10全体の制御を司るCPU、後述するアクチュエータ操作量算出の処理ルーチンのプログラム等を記憶した記憶媒体としてのROM、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM、及びこれらを接続するバスを含んで構成されている。
このコンピュータ16をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図3に示すように、横加速度センサ12から入力される車両の横加速度に応じた信号から、乗員が受ける横加速度を最小にするシートの姿勢角を演算する制御値演算部22、撮像装置14により撮像された画像から乗員の体幹上部及び体幹下部のロール角を検出する乗員ロール角検出部24、乗員ロール角検出部24により検出された乗員の体幹上部及び体幹下部のロール角の変化の位相差が所定範囲以上か否かを判定し、所定値以上の場合に制御値演算部22により演算される制御値の上限値を変更する上限値変更部26、制御値演算部22により演算された制御値及び上限値変更部26により上限値が変更された場合には、その上限値に基づいてアクチュエータ18の操作量を算出し、算出された操作量に基づいてアクチュエータ18が駆動されるように制御するアクチュエータ制御部28を含んだ構成で表すことができる。
制御値演算部22は、以下に述べる乗員上体加速度最小コントローラを適用したもので、乗員が受ける横加速度が最小となるようなシートの姿勢角の制御値を演算する。制御値演算部22には上限値が設定されており、制御値は上限値の範囲内で演算される。この上限値は、後述する上限値変更部26によって変更可能となっている。以下、制御値演算部22に適用される乗員上体加速度最小コントローラの導出について述べる。
図4は、乗員の体幹下部に体幹上部および頭部がバネで結合されている1自由度人体モデルに生じる横加速度gを示す図である。下半身および体幹下部はシートに固定であるとし、ここでは体幹上部および頭部を上半身と呼ぶ。乗員のロール回転中心をヒップポイントHPとすると、横加速度gは、(1)式で表される。
Figure 2009227075
ただし、g:車両の横加速度、g:重力加速度、φ:HPを通り鉛直上向きの鉛直軸と上半身の中心線(重心とHPとを通る直線)がなす乗員ロール角、l:HPから上半身重心までの距離である。
また、乗員上半身固定座標系における横方向運動方程式は、(2)式となる。
Figure 2009227075
ただし、m:上半身質量、k:体幹上部と体幹下部との間のロール方向バネ定数、u:シートの姿勢角、c:体幹上部と体幹下部との間のロール方向人体粘性定数(人体のロール角速度に比例すると仮定)である。すなわち、上半身は、下半身の回転軸に対して一端が回転自在に構成され、他端がバネで座面の法線方向の軸に結合され、その回転軸に対する回転角速度に比例する粘性抵抗を有するようにモデル化されている。
(1)式を線形化し(2)式に代入することによって、(3)及び(4)式のように定式化できる。
Figure 2009227075
これらの式から
Figure 2009227075
となる定常状態では、(5)式とすることで、g=0となることがわかる。
Figure 2009227075
また、(5)式のシートの姿勢角uに対する直達項は負であることから、シートの姿勢角uから評価量gまでの伝達関数は、非最小位相推移系(伝達関数が負のゼロ点を有する系)となっていることがわかる。これは、逆ダイナミクスが不安定になり、任意のgに対し、常にg=0とするuが存在しないことを表している。
このため、本実施の形態では、任意のgに対し、評価量gを最小化する制御問題として定式化してコントローラの導出を図る。なお、(3)及び(4)式は、図5に示すように、以下の(6)〜(8)式のような標準問題形式で記述できる。
Figure 2009227075
ただし、
Figure 2009227075
であり、
Figure 2009227075
である。
この問題における外乱に相当する車両の横加速度は、運転者の操舵特性を考慮すると、ある程度低周波数領域に限定でき、全域でwからzまでの伝達特性を低減させる必要はない。このため、ここでは、周波数重みとして、(9)式の伝達関数を考慮したH∞制御の定式化を行う。
Figure 2009227075
(9)式の状態方程式表現を、(10)及び(11)式と記述できる。
Figure 2009227075
この周波数重みを含めた系は図6のように表現できる。なお、図6におけるzからzwbを抽出する周波数重みフィルタは、図9に示す伝達特性を有している。
さらに、wからzwbまでの拡大された系も、図8に示すように、標準問題形式で記述できる。
Figure 2009227075
ただし、
Figure 2009227075
であり、
Figure 2009227075
である。
この拡大系にH∞制御を適用することによって、外乱から周波数整形後の評価量までの伝達特性(H∞ノルム)を最小化するコントローラ、すなわち車両運動として考慮すべき周波数帯域における車両横加速度から乗員が受ける横加速度までの伝達特性を最小化する乗員上体加速度最小コントローラが設計できる。
なお、シートの姿勢角の制御値を算出する手段としては、ゲインコントローラを用いる方法もある。
乗員ロール角検出部24は、撮像装置14により撮像された走行時(乗員が横加速度を受けている状態)の画像からパターンマッチングにより乗員を検出し、予めシート20の所定位置に定めておいた基準線からの移動量に基づいて乗員のロール角Pを検出する。基準線は、予め静止時(乗員が横加速度を受けていない状態)にシートに着座した乗員を撮像しておき、この静止時の画像から検出される乗員の目の位置、肩のライン、胴のライン等の特徴となる位置を検出し、ロール回転中心となるHPを通りシート座面に対して垂直な線を基準線として決定するようにしてもよい。撮像装置14がシートの回転に連動して回転する場合は、画像内の基準線の位置を固定とすることができる。撮像装置がシートの回転に連動しない場合には、撮像時のシートの姿勢角を考慮して乗員ロール角Pを算出する。
上限値変更部26は、所定時間の間に乗員ロール角検出部24により検出された体幹上部及び体幹下部の乗員ロール角Pの値から、体幹上部及び体幹下部の乗員ロール角Pの変化を算出し、乗員ロール角Pの変化の位相差が所定範囲以上か否かを判断し、位相差が所定範囲以上の場合には、制御値演算部22に設定されている制御値の上限値を所定値分下げた値に変更する。
アクチュエータ制御部28は、シート20の姿勢角を、制御値演算部22で演算された制御値に応じた角度に制御するためのアクチュエータ操作量を算出し、算出した操作量に基づいてアクチュエータ18が駆動するように制御する。
次に、図9を参照して、本実施の形態のシート姿勢角制御の処理ルーチンについて説明する。
ステップ100で、タイマtをスタートさせ、次に、ステップ102で、横加速度センサ12が車両の横加速度を検出して車両の横加速度に応じた信号を生成し、次に、ステップ104で、制御値演算部22は、横加速度センサ12から入力された車両の横加速度に応じた信号に基づいて、上述した乗員上体加速度最小コントローラを用いて乗員が受ける横加速度が最小となるシート20の姿勢角の制御値を演算する。制御対象のパラメータとしては、例えば、l=0.5[m]、c=100[Ns/m]、k=5000[N/m]、m=40[kg]を用いることができ、また周波数重みのパラメータとして、ω=0.5×(2π)、ω=1.8×(2π)、ζ=0.2、ζ=0.7を用いることができるが、これに限定されるものではない。
次に、ステップ106で、アクチュエータ制御部28は、制御値演算部22の演算結果に基づいた角度にシート20の姿勢角を制御するためのアクチュエータ18の操作量を算出し、次に、ステップ108で、算出した操作量に基づいてアクチュエータ18を駆動して、制御値演算部22で演算された姿勢角になるように、シート座面を傾斜させる。
次に、ステップ110で、撮像装置14により撮像されたシート20に着座した乗員の画像が乗員ロール角検出部24に入力され、乗員ロール角検出部24は、入力された画像からパターンマッチングにより乗員を検出し、シートに設定した基準線または予め静止時に撮像しておいた乗員の画像と比較することにより乗員の体幹上部のロール角P(t)及び体幹下部のロール角P(t)を検出する。
次に、ステップ112で、上限値変更部26は、タイマtの値が所定時間K以上となったか否かを判断する。所定時間Kは、乗員ロール角Pの変化を把握することができる間隔とし、数秒〜数十秒の値(例えば、5秒)を設定することができる。所定時間K以上の場合には、ステップ114へ進んで、所定時間K未満の場合には、ステップ102へ戻ってステップ102〜ステップ110までの処理をタイマtが所定時間K以上となるまで繰り返す。
ステップ114で、上限値変更部26は、後述する制御上限値変更判定処理ルーチンを実行して、次に、ステップ116で、上限値変更部26は、ステップ114の処理において制御上限値を変更すると判定されたか否かを判断し、変更する場合には、ステップ118へ進む。
ステップ118で、上限値変更部26は、制御値演算部22に設定されている制御値の上限値を所定値分下げて、次に、ステップ120で、タイマtの値をリセットしてステップ100に戻り、ステップ116において上限値を変更する必要がないと判断されるまで、上限値を徐々に下げながらステップ100〜ステップ120までの処理を繰り返す。上限値を所定値分下げる設定としては、例えば、0.3G〜0.5Gの横加速度が作用している場合には、所定時間K毎に、現在設定されている上限値の数%分の値を減少させていくようにすることができる。ステップ116で、制御値の上限値を変更する必要がないと判断された場合には、処理を終了する。
次に、図10を参照して、制御上限値変更判定の処理ルーチンについて説明する。
ステップ200で、所定時間Kの間に蓄積された乗員体幹上部のロール角P(t)を時刻tについての関数(波形)として取得し、次に、ステップ202で、P(t)に対してローパスフィルタ処理を施して、0.5〜2Hz以上のデータをカットする。次に、ステップ204で、フィルタ処理を施したP(t)について、ΔP(t)*ΔP(t−1)<0となる時刻t、すなわち、P(t)を図1(B)に示すような、時刻t−ロール角Pのグラフで表した場合に、波形が上もしくは下に凸となるピーク時の時刻t=Tを算出する。ステップ206〜ステップ210で、乗員体幹下部のロール角P(t)についてもステップ200〜ステップ204と同様の処理を行って、ΔP(t)*ΔP(t−1)<0となる時刻t=Tを算出する。所定時間Kにおいて、複数のピーク時刻T及びTが算出された場合は、ピーク時刻T及びTに対して時刻の小さい順に通し番号iを付与しておく。
次に、ステップ212で、ピーク時刻の差|T−T|が所定値T未満か否かを判断する。複数のピーク時刻が算出されている場合は、ピーク時刻の通し番号iが対応する所定値T0iとT1iとでピーク時刻の差|T0i−T1i|を求め、求められた複数のピーク時刻の差|T0i−T1i|の平均値または最大値等が所定値T未満か否かを判断する。所定値T未満の場合には、ステップ214へ進み、所定値T以上の場合には、ステップ218へ進む。
ステップ214で、P(T)*P(T)が0以上か、すなわち、ピーク時刻における体幹上部及び体幹下部のロール角の値が、共にプラスまたは共にマイナスであるかを判断する。複数のピーク時刻が算出されている場合は、ピーク時刻の通し番号iが対応する所定値T0iとT1iとのそれぞれについて0以上か否かを求め、全てのピーク時刻において0以上の場合に、P(T)*P(T)が0以上が0以上であると判断するようにするとよい。P(T)*P(T)が0以上の場合には、ステップ212での判断結果と合わせ、体幹上部と体幹下部とは、略同相(位相差が所定範囲内)で動いていると判断でき、制御値の上限値を下げる必要がないため、ステップ216へ進んで、判定結果として、「制御値の上限値を変更しない」を出力する。
ステップ212及びステップ214で否定された場合は、体幹上部と体幹下部とは、略同相で動いておらず、乗員が制御過大による視覚的違和感を受けていると判断でき、制御値の上限値を下げる必要があるため、ステップ218へ進んで、判定結果として、「制御値の上限値を変更する」を出力して、リターンする。
以上説明したように、本実施の形態における乗員姿勢補助装置10によれば、まず、乗員が受ける横加速度が最小となるようにシート20の姿勢角を制御した後、乗員の体幹上部及び体幹下部のロール角の変化の位相差が所定範囲以上か否かを判断して、所定範囲以上の場合には、乗員が制御過大による視覚的違和感を受けていると判断して、制御値の上限値を徐々に下げていき、体幹上部及び体幹下部のロール角の変化の位相差が所定範囲内となるように制御するため、乗員が視覚的違和感を受けない状態で、乗員の姿勢を補助して乗り心地を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、制御開始時の処理として、乗員が受ける横加速度が最小となるシートの姿勢角の制御値を演算する場合について説明したが、検出した車両の横加速度に所定値を乗算して車両の姿勢角を算出し、算出した車両の姿勢角に基づいて乗員の姿勢角を算出し、算出した乗員の姿勢角が最小となるシートの姿勢角の制御値を演算するようにしてもよい。また、本実施の形態では、車両の横加速度を検出する場合について説明したが、車両のロール角やヨー角速度の大きさ等から、乗員の姿勢角を推定するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、シートに着座している乗員を撮像装置14で撮像した画像から乗員ロール角Pを検出する場合について説明したが、シートのシートクッション及びシートバックに複数の圧力センサを組み込んで、各圧力センサで検出された値からシートに作用する圧力分布を検出し、検出された圧力分布から乗員の揺動を検出するようにしてもよい。
本実施の形態の原理を説明するための図である。 本実施の形態における乗員姿勢補助装置の構成を示す概略図である。 本実施の形態における乗員姿勢補助装置の構成を示すブロック図である。 乗員の体幹下部に体幹上部および頭部がバネで結合されている1自由度人体モデルに生じる横加速度gを示す図である。 標準問題形式で記述された伝達特性を示す図である。 周波数重みを考慮した伝達特性を示す図である。 周波数重みフィルタの伝達特性を示す図である。 拡大形の標準問題形式で記述された伝達特性を示す図である。 本実施の形態におけるシート姿勢角制御の処理ルーチンを示すフローチャートである。 本実施の形態における制御上限値変更判定の処理ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
10 乗員姿勢補助装置
12 横加速度センサ
14 撮像装置
16 コンピュータ
18 アクチュエータ
20 シート
22 制御値演算部
24 乗員ロール角検出部
26 上限値変更部
28 アクチュエータ制御部

Claims (2)

  1. 車両の横方向に生じる横加速度を検出する加速度検出手段と、
    前記加速度検出手段により検出された横加速度に基づいて、前記車両の乗員が受ける横加速度または前記乗員の姿勢角が最小となるように前記車両のシートの姿勢角を制御するための制御値を演算する制御値演算手段と、
    前記制御値演算手段により演算された制御値に基づいて、前記シートを制御する制御手段と、
    前記シートに着座した乗員の体幹上部及び体幹下部の前記シートに対する姿勢角の変化を検出する姿勢角検出手段と、
    前記姿勢角検出手段により検出された乗員の体幹上部及び体幹下部の姿勢角の変化の位相差が所定範囲以上である場合に、前記制御値演算手段で演算された制御値の上限値が低くなるように変更する上限値変更手段と、
    を含む乗員姿勢補助装置。
  2. コンピュータを、
    車両の横方向に生じる横加速度を検出する加速度検出手段により検出された横加速度に基づいて、前記車両の乗員が受ける横加速度または前記乗員の姿勢角が最小となるように前記車両のシートの姿勢角を制御するための制御値を演算する制御値演算手段と、
    前記制御値演算手段により演算された制御値に基づいて、前記シートに着座した乗員の体幹上部及び体幹下部の前記シートに対する姿勢角の変化を検出する姿勢角検出手段と、
    前記姿勢角検出手段により検出された乗員の体幹上部及び体幹下部の姿勢角の変化の位相差が所定範囲以上である場合に、前記制御値演算手段で演算された制御値の上限値が低くなるように変更する上限値変更手段と、
    して機能させるための乗員姿勢補助プログラム。
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