JP2009225743A - β−グリコ二糖類の合成反応効率を向上させる方法 - Google Patents

β−グリコ二糖類の合成反応効率を向上させる方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 グルコース1-リン酸の供給源としてのセロビオース、グルコシル基受容体としての単糖類および微生物をリン酸緩衝液に溶解させ、これにセロビオースホスホリラーゼを作用させることを特徴とする、β-グリコ二糖類製造の効率を向上させる方法を提供する。
【解決手段】 安全性の高いリン酸緩衝液によるリン酸提供および市販酵母によるグルコース除去を組み合わせて、反応平衡を合成側に移動させることで、従来よりも効率的にβ-グリコ二糖類を製造することが可能となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、グルコース1-リン酸の供給源としてのセロビオース、グルコシル基受容体としての単糖類および微生物をリン酸緩衝液に溶解させ、これにセロビオースホスホリラーゼを作用させることを特徴とする、β-グリコ二糖類の製造方法に関する。
オリゴ糖を製造する方法には、加水分解酵素が触媒する加水分解反応もしくはその逆反応を利用する場合と、糖転移酵素が触媒する糖転移反応を利用する場合とがある。酵素自体が安価なことや反応制御が容易であることから、工業的なオリゴ糖の合成に多用されているが、糖転移酵素による合成反応には副反応が少なく、選択的に目的とするオリゴ糖を合成することが可能な点から、糖転移酵素の低コスト化およびこれを用いた反応制御技術の確立が嘱望されている。
糖転移酵素セロビオースホスホリラーゼ(EC2.4.1.20)は、セロビオースをグルコース1−リン酸とグルコースとに加リン酸分解する反応を触媒するが、その反応は可逆的であり、グルコース1−リン酸とグルコースからセロビオースを合成する反応も触媒する。その合成反応は基質特異性に厳密性を欠くため、グルコースの代わりに他の単糖類を用いて、β-グリコシド結合を持つ多様なオリゴ糖が合成されている。(特許文献1および非特許文献1、2)しかし、原料となるグルコース1−リン酸が高価であること、合成反応の進行に伴い増加する遊離リン酸によるpH低下を防ぐためMOPS、Tris−塩酸、Imidazol−塩酸などの食品製造に適さない緩衝液を用いる必要があること、オリゴ糖合成反応が可逆反応であるためオリゴ糖の収率を高くコントロールすることが困難であること、などが起因してβ-グリコ二糖類を工業的に製造することは不可能であった。
特許第1806584号公報 Motomistu Kitaoka,Hajime Taniguchi and Takashi Sasaki;Production of glucosyl−xylose using Cellvibrio gilvus cells and its properties.Applied Microbiology and Biotechnology,34,p.178−182(1990). Ann percy,Hiroshi Ono,Derek Watt amd Kiyoshi Hayashi;Synthesis of β−D−glucopyranosyl−(1→4)−D−arabinose,β−D−glucopyranosyl−(1→4)−L−fucose and β−D−glucopyranosyl−(1→4)−D−altrose catalysed by cellobiose phosphorylase from Cellvibrio gilvus.Carbohydrate Research,305,p.543−548(1998).
原料となるグルコース1−リン酸が高価であることに対して、この問題を解決するために、安価で豊富に存在する物質をグルコース1−リン酸の原料とするための検討を行われている。即ち、ショ糖やデンプンをグルコース1−リン酸の供給源とし、これに加リン酸分解反応を施すもので、具体的には、ショ糖にはスクロースホスホリラーゼを、デンプンにはα−グルカンホスホリラーゼを作用させてグルコース1−リン酸を得るものである。この反応を先のセロビオースホスホリラーゼが触媒する合成反応と共役させることで、β-グリコ二糖類の一種であるセロビオースを効率よく合成することに成功している。(特許文献2、3および非特許文献3)しかし、前述の使用緩衝液に関する検討は、課題として残っている。
特許第3146361号公報 特開2004−222506号公報 Motomistu Kitaoka,Takashi Sasaki and Hajime Taniguchi;Cnversion of sucrose into cellobiose using sucrose phosphorylase,xylose isomerase and cellobiose phosphorylase.Denpun Kagaku,39,p.281−283(1992).
上述のように、副反応は少ない糖転移酵素を利用して、食品製造に用いることができる安全性が高い物質を使用し、かつ、安価にβ-グリコ二糖類を工業的に製造する方法が嘱望されていた。
本発明の目的は、グルコース1-リン酸の供給源としてのセロビオース、グルコシル基受容体としての単糖類および微生物をリン酸緩衝液に溶解させ、これにセロビオースホスホリラーゼを作用させることを特徴とする、β-グリコ二糖類の製造方法を提供するものである。
原料となるセロビオ−スは二分子のグルコ−スがβ−1,4結合したグルコ二糖類である。セロビオースはセルロースの最小構成単位である。セルロースは、地上のグルカンの約7割を占める最も豊富に存在するグルカンである。セロビオ−スの製造法は、化学的方法と酵素学的方法に大別できる。化学的方法として、セルロ−スの加酢分解によって得られるオクタアセチルセロビオ−スを脱アセチルしてセロビオ−スを得る方法やケーニッヒ・クノール反応を利用した合成法が知られている。一方、酵素学的方法として、セルロ−スにトリコデルマ(Trichoderma)属起源、アスペルギルス(Aspergillus)属起源等の市販セルラ−ゼ製剤を作用させ、セロビオ−スを得る方法が広く知られている。最近では、セルロースに高圧水熱反応を施し、あるいはこれらを組み合わせて分解・精製して得る技術開発も盛んに行われている。
セロビオースを加リン酸分解してグルコース1-リン酸を生成するセロビオースホスホリラーゼの形態は特に限定されるものではなく、精製酵素の他に、粗酵素、酵素含有菌体、固定化酵素、遺伝子組み換え酵素などいかなる形態のものでも用いることができる。
リン酸緩衝液は酵素反応を安定して進行させるためのpH調製液としての役割のほか、リン酸の供給源としての役割も果たす。リン酸緩衝液は、特に限定されるものではなく、リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウム(リン酸(ナトリウム緩衝液))あるいはリン酸二水素カリウムとリン酸水素二カリウム(リン酸(カリウム)緩衝液)にて調製されるリン酸緩衝液を用いればよい。なお、セロビオースホスホリラーゼの合成反応のみを利用し、グルコース1−リン酸と単糖類を原料として、MOPS、Tris−塩酸、Imidazol−塩酸などの緩衝液を使用してβ-グリコ二糖類を合成する場合、反応平衡を考慮すると、むしろ、リン酸緩衝液を添加しない方がβ-グリコ二糖類の収量が増加するが、当該セロビオースホスホリラーゼを安定化させる目的で、希薄濃度のリン酸緩衝液をこれらの緩衝液に併せて添加することがある。この場合のリン酸添加目的は、本発明におけるリン酸添加の目的であるpH調製液およびリン酸供与とは明らかに異なる。
加リン酸分解反応の反応平衡をグルコース1-リン酸生成側に移動させるためには、グルコース1-リン酸と共に生成するグルコースを反応系から除去することが必要であり、この除去に微生物を用いる。微生物は食品製造における安全性の側面から、食品酵母を用いる。グルコースは酵母によって摂取・代謝されて、最終的に水と二酸化炭素として排出されるため、反応系を汚染することなくグルコースを除去することが可能である。
上述のステップを経て、反応系中に生成したグルコース1-リン酸のグルコシル基を単糖類に転移させて、β-グリコ二糖類の合成が完了するが、この合成反応にも、セロビオースの加リン酸分解反応を触媒したセロビオースホスホリラーゼを用いる。ただし、この場合はセロビオースホスホリラーゼの合成反応の触媒能を利用して、最終的にニ糖類の合成が完了する。合成された二糖類の結合様式はβ‐1,4−グリコシド結合であり、従って合成された二糖類はβ-グリコ二糖類と称することができる。単糖類に、グルコースを用いた場合に得られるβ-グリコ二糖類は、グルコシル‐グルコース(セロビオース)、アラビノースを用いた場合はグルコシルアラビノース、リボースを用いた場合はグルコシルリボース、マンノースを用いた場合はグルコシルマンノース、ガラクトースを用いた場合はグルコシルガラクトース、アルトロースを用いた場合はグルコシルアルトロース、アロースを用いた場合はグルコシルアロースである。
上述のように、セロビオースホスホリラーゼの分解・合成両反応を利用し、安全性が立証されているリン酸緩衝液および食品酵母を使用してβ-グリコ二糖類を工業的に製造することが可能となった。
本発明の中心を成すセロビオースホスホリラーゼは、いかなる起源のものでも用いることができる。例えば、セルビブリオ・ギルバス(Cellvibrio gilvus) 、クロストリディウム・サ−モセラム(Clostridium thermocellum)、クロストリディウム・ステロコラリウム(Clostridium sterocorarium) 、サ−モトガ・ネアポリタナ(Thermotoga neapolitana)、サ−モトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、ルミノコッカス・フラボファシエンス(Ruminococcas flavofaciens)、フォメス・アノス(Fomes annos)、セルロモナス(Cellulomonas)属、エルウィニア(Erwinia) 属等の微生物起源の酵素が好適であり、特にセルビブリオ・ギルバス、サ−モトガ・マリティマ、クロストリディウム・サ−モセラム起源の当該酵素に関する情報量は豊富であり、また、取り扱いが容易であるため好ましい。セロビオースホスホリラーゼの使用量は特に限定されるものではないが、好ましくは反応液1mLあたり0.0001単位以上1000単位以下であり、より好ましくは反応液1mLあたり0.001単位以上100単位以下である。なお、セロビオースホスホリラーゼ1単位とは、30℃、pH7.0においてセロビオ−スおよび無機リン酸から毎分1μmolのグルコ−ス−1−リン酸を生成する酵素量と定義する。
本発明で使用するセロビオースの起源は、特に限定されない。セロビオースの加リン酸分解反応にて、より多量のグルコ−ス−1−リン酸を生成させるために、反応平衡の観点から、可能な限り高濃度のセロビオースが好ましい。セロビオースの37℃における溶解度は約350mMであるため、本濃度を常に維持できれば理想的に合成反応を進行させることができる。セロビオースの濃度を約350mMに維持するためには、反応の進行をモニターしながら、減少したセロビオース量を添加する方法が最も一般的である。また、セロビオースを、溶解度を超えて添加した場合でも、合成反応の進行に伴って減少したセロビオースが沈殿部分から連続的に補われることで、常に溶解度を維持できる。
本発明で使用するリン酸緩衝液は、その濃度が過度に希薄の場合は、セロビオースホスホリラーゼによるセロビオースの加リン酸分解反応が進行しない。また、反応に伴って、グルコ−ス−1−リン酸が動的平衡のため、反応系中に滞留するため、その分のリン酸緩衝液を消費するため、過度に希薄なリン酸緩衝液で構築した場合は、反応系のpHを維持することが難しい。一方で、リン酸濃度が過度に濃厚な場合は、グルコ−ス−1−リン酸と単糖類を原料としたオリゴ糖合成反応が進行しない。従って、本発明で使用するリン酸緩衝液は、上述を加味して経験的に決定されるが、通常、10〜500mMの範囲に調整することにより、セロビオースホスホリラーゼの安定性及び反応速度は高く保持されグルコース-1-リン酸およびオリゴ糖の生成反応はそれぞれ安定的に進行し、原料として使用した高濃度のセロビオースおよびキシロースは効率的にβ-グリコ二糖類に変換される。その際のpHは、使用するセロビオースホスホリラーゼの反応至適pHあるいはpH安定性を示す領域に調整すればよく、その詳細はセロビオースホスホリラーゼの起源により多少の差異はあるものの、通常、pH6〜8に調整することが望ましい。
本発明で使用する微生物は、天然に存在する野生株であっても,遺伝子組換え技術を利用して得られた変異株でもよいが,安全性,コスト等の面から,食品酵母が実用的である。食品酵母として多くのものが本発明に使用可能であるが,キャンディダ(Candida)属,サッカロミセス(Saccharomyces)属から選択されるのが好ましい。また,ファフィア(Phaffia)属,フォドトルーラ(Phodotorula)属,チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属,クルイフェロミセス(Kluyveromyces)属,トルラスポラ(Torulaspora)属なども利用可能である。これらを単独で,または混合して培養することができる。ここで用いる食品酵母は、グルコースのみを選択的に資化するもの、即ち、後工程に添加する単糖類に対して資化性を示さないものが望ましい。添加する酵母の添加量に関し、過度の添加は、生成するβ-グリコ二糖類の分解を誘発しかねないので、反応系中のグルコースを消費するのに必要最低限の酵母を添加すればよい。このように微生物を添加することにより、反応夾雑物であるグルコースが消費されるため、セロビオースからグルコース-1-リン酸への変換が飛躍的に進行し、反応液中に合成されるβ-グリコ二糖類を効率的に得ることができる。
本発明で使用する単糖類は、セロビオースホスホリラーゼが合成反応において、本来の基質であるグルコースを含めて、基質特異性を示す単糖類であればよいが、特にキシロース、アラビノース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、アルトロース、アロースが望ましい。その添加量は特に限定されないが、反応平衡の面から、高濃度の単糖類を使用するのが望ましい。
反応温度は、著しく酵素活性が低下しない限り特に限定されない。セロビオースホスホリラーゼの起源により、至適反温度や温度安定性が異なるので、これに準じて反応温度を決定すればよい。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
《リン酸緩衝液・酵母添加の有効性》
350mMのリン酸(ナトリウム)緩衝液(pH7.0)に最終濃度が350mMとなるよう、原料セロビオースを溶解させ、これにセロビオースホスホリラーゼ(セルビブリオ・ギルバス起源粗酵素)を0.25単位/mL(反応液)および市販酵母を約4mg/mL(反応液)の割合で添加し、37℃水浴中にて反応させた。対照として、酵母を添加しない系を調製し、同様に反応させた。両反応系から、用時サンプルリングを行い、その糖組成から反応を追跡した。糖組成は高速液体クロマトグラフィ−を用い、そのピ−ク面積から濃度を定量した。その結果、酵母を添加した系では、酵母無添加の系と比較して、グルコ−ス−1−リン酸を多量に合成することができた。結果を図1に示す。
《各種濃度のリン酸緩衝液によるβ-グリコ二糖類の生産性》
1、10、100、350、500、700mMのリン酸(ナトリウム)緩衝液(pH7.0)に、最終濃度が350mMとなるよう、原料セロビオースおよびキシロースを溶解させ、これにセロビオースホスホリラーゼ(セルビブリオ・ギルバス起源粗酵素)を0.25単位/mL(反応液)および市販酵母を約4mg/mL(反応液)の割合で添加し、37℃水浴中にて24時間反応させ、高速液体クロマトグラフィ−を用い、そのピ−ク面積から合成されたグルコシルキシロースの濃度を定量した。結果、10〜500mMのリン酸緩衝液の濃度範囲において、高濃度のグルコシルキシロース得た。合成されたグルコシルキシロースの濃度(mM)を表1に示す。
Figure 2009225743
《リン酸緩衝液・酵母添加によるβ-グリコ二糖類の生産性》
350mMのリン酸(ナトリウム)緩衝液(pH7.0)に最終濃度が350mMとなるよう、原料セロビオースおよびキシロースを溶解させ、これにセロビオースホスホリラーゼ(セルビブリオ・ギルバス起源粗酵素)を0.25単位/mL(反応液)および市販酵母を約4mg/mL(反応液)の割合で添加し、37℃水浴中にて反応させた。糖組成は高速液体クロマトグラフィ−を用い、そのピ−ク面積から濃度を定量した。その結果、収率50%にてβ-グリコ二糖類を得た。結果を図2に示す。
《β-グリコ二糖類の結合様式の同定》
実施例3で得られたβ-グリコ二糖類および実施例3の反応系のキシロースをアラビノース、グルコース、マンノース、アルトロース、アロースに代え、同様の実験を行って得られたβ-グリコ二糖類をカーボンカラムクロマトグラフィーおよびゲルろ過にて精製後、13C−NMR分析を行った結果、これらのβ-グリコ二糖類は、添加した単糖類にグルコシル基がβ1、4結合した糖質であることが判明した。β-グリコ二糖類の13C−NMR化学シフトの結果を表2に示す。
Figure 2009225743
本発明により、セロビオースホスホリラーゼの分解・合成両反応を利用し、安全性が立証されているリン酸緩衝液および食品酵母を使用してβ-グリコ二糖類を効率的に製造することが可能となった。本発明はβ-グリコ二糖類の低コスト化に貢献するものである。
実施例1で得られた酵母添加の有無によるグルコース-1-リン酸および反応系中の各種糖質の経時変化の比較 実施例3で得られた350mMリン酸緩衝液・酵母を用いた場合のβ-グリコ二糖類および反応系中の各種糖質の経時変化
符号の説明
◇ セロビオース(G-G)
○ グルコース-1-リン酸(G1P)
■ グルコース(G)
▲ リン酸(Pi)
◆ グルコシルキシロース(GX)
● キシロース(X)

Claims (5)

  1. グルコース1-リン酸の供給源としてのセロビオース、グルコシル基受容体としての単糖類および微生物をリン酸緩衝液に溶解させ、これにセロビオースホスホリラーゼを作用させることを特徴とする、β-グリコ二糖類の製造方法。
  2. 微生物が,食品酵母であるサッカロミセス(Saccharomyces)属,キャンディダ(Candida)属,ファフィア(Phaffia)属,フォドトルーラ(Phodotorula)属,チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属,クルイフェロミセス(Kluyveromyces)属,トルラスポラ(Torulaspora)属より成る群から選ばれる少なくとも1種または2種以上を含有する請求項1に記載の方法。
  3. リン酸緩衝液が、リン酸塩から成るリン酸(ナトリウム)緩衝液、リン酸(カリウム)緩衝液などから選ばれ、そのリン酸緩衝液の濃度が10〜500mM、pH6〜8に調整することを特徴とする、請求項1および請求項2に記載の方法。
  4. セロビオースホスホリラーゼの起源がセルビブリオ・ギルバス(Cellvibrio gilvus) 、クロストリディウム・サ−モセラム(Clostridium thermocellum)、クロストリディウム・ステロコラリウム(Clostridium sterocorarium) 、サ−モトガ・ネアポリタナ(Thermotoga neapolitana)、サ−モトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、ルミノコッカス・フラボファシエンス(Ruminococcas flavofaciens)、フォメス・アノス(Fomes annos)、セルロモナス(Cellulomonas)属およびエルウィニア(Erwinia) 属の微生物の中から選ばれたものである請求項1〜請求項3に記載の方法。
  5. 単糖類がキシロース、アラビノース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、アルトロース、アロースから選ばれたものである請求項1〜請求項4に記載の方法。
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