JP2009223757A - 自律移動体、その制御システム、自己位置推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動領域内にガラスなどの光学的に特殊な素材が存在する場合においても、自律移動体の自己位置推定の精度を向上させることができる自律移動体、自律移動体の制御システム、自己位置推定方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る自律移動体10は、移動領域Pに存在する物体の位置・形状を示す環境情報を取得するレーザレンジファインダ17を備え、移動領域Pに関する移動マップ20を用いて、レーザレンジファインダ17で取得した環境情報に基づいて自己位置を認識しつつ移動可能な自律移動体10であって、移動マップ20が、物体の光反射率属性を示す情報を含むことを特徴とする。
【選択図】図8
【解決手段】本発明に係る自律移動体10は、移動領域Pに存在する物体の位置・形状を示す環境情報を取得するレーザレンジファインダ17を備え、移動領域Pに関する移動マップ20を用いて、レーザレンジファインダ17で取得した環境情報に基づいて自己位置を認識しつつ移動可能な自律移動体10であって、移動マップ20が、物体の光反射率属性を示す情報を含むことを特徴とする。
【選択図】図8
Description
本発明は、特定の移動領域内において移動する自律移動体、その制御システム、自律移動体の制御などに用いる自己位置推定方法に関する。
近年、建物内部や屋外の限定された領域内を、周囲の環境情報に基づいて自律的に移動可能な自律移動型ロボット等の移動体が開発されつつある。このような移動体は、移動領域に関して予め記憶された移動マップ上において、現在の自己の位置から特定の目標地点までの移動経路を作成することで自律移動を可能とする。このため、一般的に、移動領域内における自己位置を認識する機能を備えている。
このような自律移動体を制御するために、自律移動体に自己位置を認識させる技術として、例えば特許文献1及び2に記載の技術が知られている。特許文献1に開示された無人搬送車システムは、環境に設置された反射板をレーザレンジスキャナで計測することによって、無人搬送車の自己位置を推定するものである。反射板の設置された位置は既知であるため、計測した反射板の位置から、三角測量の原理により自己位置を算出することができる。
特許3316841号公報
特開2006−79325号公報
しかしながら、特許文献1記載の従来技術では、反射板を設置するために煩雑な作業が必要となり、自己位置推定のため大掛かりな設備工事が必要になるという問題がある。このため、大掛かりな設備工事を必要としないインフラレスの自己位置推定手法が求められている。
インフラレスで自己位置を推定する手法としては、移動領域の地図情報と取得した環境情報との比較により自己位置を推定する手法が提案されている。例えば特許文献2に記載の自律移動装置は、レーザーレーダで取得した環境情報を地図情報と比較して、自己の位置を認識するものである。また、このような自己位置推定手法としては、グリッドマップを利用する手法が良く用いられている。グリッドマップは移動領域を模擬的に示す地図であり、マップ上には壁や障害物などの存在情報が登録されている(例えば、マップ上の所定のエリアが壁であるか否かを、0又は1のデジタル情報により登録している)。
グリッドマップを利用した自己位置推定方法では、実際の環境において自律移動体が計測したデータと、グリッドマップ上において仮想的に自律移動体が計測したデータとを比較することにより、自律移動体の実際の自己位置を推定する。自律移動体がレーザレンジファインダを備えている場合には、レーザレンジファインダにより取得したデータと、グリッドマップ上で仮想的に計測したデータとを比較することで、自律移動体の実際の自己位置を精度良く算出することができる。
しかし、レーザレンジファインダを用いた自己位置推定手法では、移動領域内にガラスなどの光学的に特殊な素材が存在する場合には、自己位置推定を正確に行うことができないという問題があった。レーザレンジファインダはレーザ光の反射により距離を計測するセンサであるため、レーザは、浅い入射角でガラスに入射すると全反射するが、正面など深い角度で入射するとガラスを通過してガラス自体を計測するという性質を持つ。従って、移動領域内にガラスなどの光学的に特殊な素材が存在する場合には、レーザの反射を考慮しないグリッドマップを用いては、自己位置推定を正確に行うことができないものであった。
図11を参照して具体的に説明する。図11(a)は、自律移動体10が実際の環境Pにおいてレーザにより環境情報を取得する様子を示す図であり、図11(b)は、図11(a)に示した状況に対応して、グリッドマップ20上においてレーザを仮想的に計測する様子を示す図である。図11(a)に示すように実際の環境Pでは、レーザはガラスG1で反射して自律移動体10の前方に存在する物体B1を計測するのに対して、図11(b)に示すようにグリッドマップ20上では、グリッドマップ20はガラスG1に関する情報を有していないため、レーザは直進して物体B1を計測することができない。即ち、グリッドマップ20上においてはレーザの反射を考慮していないため、グリッドマップ20上では物体B1までの距離を計測することができない。このため、図11(a)に示す実際の環境Pでは、レーザは角度θの方向に距離(d1+d2)を計測するが、図11(b)に示すグリッドマップ20上では、それとは全く異なる距離(d3)を計測してしまう。従って、互いの計測距離を比較した場合には、計測距離データが殆どマッチせずに、正確な自己位置推定結果を得ることができない。
このように、レーザレンジファインダを用いた自己位置推定手法では、移動領域内にガラスなどの光学的に特殊な素材が存在する場合には、実際の環境において自律移動体が計測したデータと、グリッドマップ上において仮想的に自律移動体が計測したデータとを正確に比較することができず、自律移動体の自己位置推定を正確に行うことができないものであった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、自己位置推定の精度を向上させることが可能な自律移動体、自律移動体の制御システム、自己位置推定方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる自律移動体は、移動領域に存在する物体の位置・形状を示す環境情報を取得するレーザレンジファインダを備え、前記移動領域に関する移動マップを用いて、前記レーザレンジファインダで取得した環境情報に基づいて自己位置を認識しつつ移動可能な自律移動体であって、前記移動マップが、前記物体の光反射率属性を示す情報を含むものである。
これにより、移動領域内にガラスなどの光学的に特殊な素材が存在する場合においても、物体の光反射率属性を示す情報を考慮して自己位置を推定することができるため、自律移動体の自己位置推定の精度を向上させることができる。
また、前記レーザレンジファインダからレーザ光を照射し、前記照射したレーザ光の反射に基づいて環境情報を取得する取得部と、前記自律移動体の自己位置候補を算出する自己位置候補算出部と、前記取得した環境情報と前記算出した自己位置候補とに基づいて推定自己位置を認識する自己位置推定部とを備え、前記自己位置推定部が、前記移動マップ上において前記物体の光反射率属性を示す情報に基づいて前記レーザ光を仮想的に反射させ、前記仮想的に反射させたレーザ光と前記取得部で取得した環境情報とに基づいて、前記自己位置候補算出部により算出した自己位置候補を修正し、修正後の自己位置候補を推定自己位置として前記移動マップ上において認識するようにしてもよい。このように、移動マップ上において物体の光反射率属性を示す情報に基づいてレーザ光を反射させることで、実際の環境において自律移動体が取得したデータと、移動マップ上において仮想的に計測したデータとに基づいて、自律移動体の自己位置推定をより精度よく実行することができる。
さらにまた、前記自己位置推定部が、前記移動マップ上において、前記自己位置候補算出部により算出した推定自己位置から前記物体に対して前記レーザ光を仮想的に描写し、前記描写したレーザ光の入射角度が所定の閾値以上である場合に、前記レーザ光を反射させ、前記仮想的に描写したレーザ光の計測距離と、前記取得部で取得したレーザ光の計測距離とに基づいて、前記自己位置候補算出部により算出した自己位置候補を修正し、修正後の自己位置候補を推定自己位置として前記移動マップ上において認識するようにしてもよい。このように、移動マップ上において入射角度が所定の閾値以上の場合にレーザ光を反射させることで、移動マップ上においてより正確にデータを計測することができ、自律移動体の自己位置推定をより精度よく実行することができる。
また、前記所定の閾値が、前記物体の素材に応じて可変であるようにしてもよい。物体の素材に応じて閾値を変更することで、移動マップ上においてより精度良くデータを計測することができる。
さらにまた、前記自己位置推定部が、前記仮想的に描写したレーザ光の計測距離と、前記取得部で取得したレーザ光の計測距離とに基づいて、前記自己位置候補算出部により算出した自己位置候補の重みを前記計測距離の相関値に応じて算出し、前記算出した重みに基づいて前記自己位置候補から推定自己位置を決定して前記移動マップ上において認識するようにしてもよい。このように、仮想的に描写したレーザ光の計測距離と、実際に取得したレーザ光の計測距離との相関値に応じて、推定自己位置を決定することで、自律移動体の自己位置推定を容易かつ精度よく実行することができる。
また、前記自己位置候補算出部が、前記自律移動体の移動した方向及び距離に基づいて自己位置候補を算出するようにしてもよい。自己位置候補算出部としては、いわゆるオドメトリ法などの自律移動体の移動方向及び距離に基づいて自己位置候補を算出するものであってもよい。このような外部からの信号を用いない自己位置算出方法によれば、障害物などに起因する、信号が得られない状況が低減するため、継続的な自律移動を良好に実行することができる。
さらにまた、前記移動マップが、前記移動領域内において略一定間隔に配置された格子点を結ぶグリッド線を仮想的に描写することで作成されるグリッドマップであるようにしてもよい。このようなグリッドマップを自律移動体の移動経路を判断するマップ情報として利用すると、自律移動体の位置を正確かつ容易に把握可能であるとともに、当該マップ上における移動経路を簡単に作成することができる。
本発明にかかる自律移動体の制御システムは、移動領域に存在する物体の位置・形状を示す環境情報を取得するレーザレンジファインダを備え、前記レーザレンジファインダからレーザ光を照射し、前記照射したレーザ光の反射に基づいて環境情報を取得する取得手段と、前記自律移動体の自己位置候補を算出する自己位置候補算出手段と、前記取得した環境情報と前記算出した自己位置候補とに基づいて推定自己位置を認識する自己位置推定手段とを備え、前記移動領域に関する移動マップを用いて、前記取得手段で取得した環境情報に基づいて自己位置を認識しつつ移動可能な自律移動体の制御システムであって、前記自己位置推定手段が、前記移動マップ上において前記物体の光反射率属性を示す情報に基づいて前記レーザ光を仮想的に反射させ、前記取得手段で取得した環境情報に基づいて、前記自己位置候補算出手段により算出した自己位置候補を修正し、修正後の自己位置候補を推定自己位置として前記移動マップ上において認識するものである。
本発明にかかる自己位置推定方法は、移動領域に存在する物体の位置・形状を示す環境情報を取得するレーザレンジファインダを備えた自律移動体において、前記移動領域に関する移動マップを用いて、前記レーザレンジファインダで取得した環境情報に基づいて前記自律移動体の自己位置を認識する自己位置推定方法であって、前記移動マップが、前記物体の光反射率属性を示す情報を含むものである。
本発明によれば、移動領域内にガラスなどの光学的に特殊な素材が存在する場合においても、自律移動体の自己位置推定の精度を向上させることが可能な自律移動体、自律移動体の制御システム、自己位置推定方法を提供することを目的とする。
発明の実施の形態1.
本実施の形態1に係る自律移動体は、移動領域に存在する物体の位置・形状を示す環境情報を取得するレーザレンジファインダを備えており、移動領域に関する移動マップを用いて、レーザレンジファインダで取得した環境情報に基づいて自己位置を認識しつつ移動可能な自律移動体である。ここで、本実施の形態1に係る自律移動体は、物体の光反射率属性を示す情報を移動マップに含むことを特徴とする。
本実施の形態1に係る自律移動体は、移動領域に存在する物体の位置・形状を示す環境情報を取得するレーザレンジファインダを備えており、移動領域に関する移動マップを用いて、レーザレンジファインダで取得した環境情報に基づいて自己位置を認識しつつ移動可能な自律移動体である。ここで、本実施の形態1に係る自律移動体は、物体の光反射率属性を示す情報を移動マップに含むことを特徴とする。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態1に係る自律移動体について説明する。本実施の形態1においては、自律移動体は、1対の車輪を駆動することで平面上を自律的に移動する車輪駆動型である例を示すものとする。
図1は、床部1上の限られた移動領域P(破線に囲まれた領域)内を、車両型の自律移動体10が移動する一実施形態を概略的に示すものである。図1においては、床部1上の移動領域P内には特に物体が載置されていない状態を示すものとし、自律移動体10が移動領域P内を任意に移動することができるものとする。
図2に示すように、自律移動体10は、箱型の移動体本体10aと、1対の対向する車輪11、11と、キャスタ12を備える対向2輪型の移動体であり、これらの車輪11、11、キャスタ12とで移動体本体10aを水平に支持するものである。さらに、移動体本体10aの内部には、車輪11、11をそれぞれ駆動する駆動部(モータ)13、13と、車輪の回転数を検出するためのカウンタ14と、車輪を駆動するための制御信号を作成し、駆動部13、13にその制御信号を送信する演算部15、及びこれらの構成要素に電力を供給するためのバッテリー16が備えられている。そして、演算部15内部に備えられた記憶部としてのメモリなどの記憶領域15aには、制御信号に基づいて自律移動体10の移動速度や移動方向、移動距離などを制御するためのプログラムとともに、マップ情報Pの形状及び大きさが記憶されている。
さらに、移動体本体10aの前面には、移動する方向(前方)の環境情報を認識するためのレーザレンジファインダ17や、同じく環境情報を認識するための超音波センサ18を備えている。尚、このレーザレンジファインダ17と超音波センサ18は、その取り付け位置がほぼ同じ位置になるように構成されているが、図面上では便宜上異なる位置に取り付けられているように描写するものとする。
レーザレンジファインダ17は、詳細な構造については省略するが、移動体本体10aの前方に対して所定の広がり角度でレーザ光を照射するための光源と、光源より照射されたレーザ光の反射光を受光するための受光部とを備えている。そして、レーザ光の照射した角度と、反射するまでに要した時間に基づいて、レーザ光の反射した物体の位置を検出する、いわゆるTOF(Time of flight)の原理による物体検知(センシング)が行われる。尚、レーザレンジファインダ17により環境情報(センシングされる物体の位置及び形状)を得る手順の詳細については後述する。
超音波センサ18は、移動体本体10aの前方について所定の広がり角度で同時に超音波を照射する超音波照射部と、照射された超音波の反射を受信する受信部とを備えている。そして、受信した超音波の強度に基づいて、超音波を照射した領域に存在する物体の大まかな位置及び形状をセンシングする。
また、自律移動体10は、自己の位置を取得するための自己位置取得部を備えている。この自己位置取得部は、前述したカウンタ14及び演算部15とから構成される。すなわち、カウンタ14で検知された車輪11、11の回転数を演算部15において積算することで、自律移動体10の移動した速度や距離などの情報を求め、これらの情報から、移動領域内における自律移動体10の自己位置(オドメトリ位置)を算出する。
そして、これらの自己位置取得部より得られた自己位置候補としての位置情報は、後述するレーザレンジファンダ17により得られる環境情報に基づいて適宜修正される。尚、この位置情報を修正する手法の詳細については後述する。
このように構成された自律移動体10は、1対の車輪11、11の駆動量をそれぞれ独立に制御することで、直進や曲線移動(旋回)、後退、その場回転(両車輪の中点を中心とした旋回)などの移動動作を行うことができる。そして、自律移動体10は、移動場所を指定する外部に設けられたサーバ等(図示せず)からの指令にしたがって、移動領域P内の指定された目的地までの移動経路を自律的に作成し、その移動経路に追従するように移動することで、目的地に到達する。
次に、記憶領域15aの内部に記憶された、移動領域Pの形状や、その内部に含まれる物体(壁などの障害物)に基づいて作成される移動マップとしてのグリッドマップについて説明する。演算部15内部に備えられた記憶領域15aには、床部1上の移動領域P全体の形状を外枠として、その内部に略一定間隔m(例えば10cm)に配置された格子点を結ぶグリッド線を仮想的に描写することで得られるグリッドマップが記憶されている。
図3に、前述のグリッドマップの一例を図示する。グリッドマップ20は、マップ情報Pの形状を模した外枠21の内部を、略一定間隔mに配置された格子点を結ぶグリッド線22を描写したものである。そして、このグリッド線22で囲まれたグリッド単位23を用いて、自律移動体10の自己位置に相当する場所、及び目的地である移動終了点、及び移動終了点における自律移動体10の移動方向が特定される。尚、間隔mは、自律移動体10の移動可能な曲率や絶対位置を認識する精度などの条件に応じて、適宜変更可能であり、スリップしたと判定される際の閾値としても用いることができる。また、移動領域P内において、壁や障害物等の固定物体が存在していることが既知である場合は、それらの既知の物体の位置が予めグリッドマップ20上に登録された形で記憶領域15aに記憶されているものとする。
そして、グリッドマップ20上における各グリッド単位に相当する位置の状態は、壁(すなわち障害物)を示す評価値と、物体の光反射率属性を示す情報とを用いて表現する。前記グリッド単位が壁(すなわち障害物)であることを示す評価値wall_LRFは、壁である場合には1、壁でない場合は0の値をとる。前記グリッド単位における物体の光反射率属性を示す情報は、前記物体がガラスなどの光学的に特殊な素材を示す評価値と、前記物体の配置された向きを示す角度を含む。前記物体がガラスである場合に、そのグリッド単位における物体がガラスであることを示す評価値glass_LRFは、ガラスである場合には1、ガラスでない場合には0の値をとる。また、前記物体がガラスである場合に、そのグリッド単位におけるガラスの配置された向きを示す角度[deg]は、ガラス面の向きを示すα[deg]の値をとる。尚、このようなグリッド単位の評価値は、自律移動体10がレーザレンジファインダ17によりセンシングした結果、グリッドマップに記憶するようにしてもよいし、予めユーザにより登録するようにしてもよい。
また、演算部15は、グリッドマップ20上において特定された自己位置を移動始点とし、この移動始点から目的地である移動終点までの移動経路を作成することができる。さらに自律移動体10は、前述のように自己位置をリアルタイムに求めつつ(例えば10[msec]毎にマップ情報上における自己の位置情報を取得)、作成された移動経路に沿って移動を行う。詳細には、図4に示すように、自律移動体10は移動始点Q0を認識し、この移動始点から目的とする移動終点Qnまでの移動経路を、所定の間隔で中間点Q1,Q2,・・・をグリッドマップ20上に定め、これらの中間点をつなぎ合わせることでグリッドマップ20上に移動経路を作成する。この移動経路の特定手法の詳細については説明を省略するが、マップ情報上に追加された障害物の位置等を考慮した上で、現在位置から目的地点までの新たな移動経路を作成する等の手法が好適に用いられる。
次に、前述したレーザレンジファインダ17を用いて自律移動体10の前面の環境情報を取得する手法について、詳細に説明する。
まず、自律移動体10は、その前面に対してレーザ光Lを照射し、自律移動体10から所定距離内に位置するセンシング領域S1に存在する、レーザ光Lを反射した物体の位置SP(センシングポイント)を検出する。具体的には、本実施の形態1におけるレーザレンジファインダ17は、所定の広がり角度で発せられ、自律移動体10から所定の距離Lの領域を計測可能範囲とする。即ち、レーザレンジファインダ17から照射されたレーザ光Lの反射光が受光されると、レーザ光Lを照射したときの自律移動体10の自己位置と、レーザレンジファインダ17から照射されるレーザ光の照射方向と、レーザ光の照射から反射光を受光するまでの時間とから、照射したレーザ光が反射した地点が特定される。
レーザレンジファインダ17によって計測されるデータは、レーザ中心からの距離d及びレーザの照射方向の角度φにより規定される極座標系として出力される。自律移動体10の進行方向前方180度を計測する際の分解能を1.0度とした場合には、一度のスキャンにより181個のデータを計測する。このようなレーザレンジファインダ17によるセンシング結果が記憶部15aに記憶される。
図5は、移動領域内Pにおいて、自律移動体10の前面に壁W1が設けられている様子を示している。図5に示すように、自律移動体10はその前面にレーザレンジファインダ17からレーザ光を照射している。このとき、レーザレンジファインダ17のセンシング領域内には壁W1が含まれている。このような場合、レーザレンジファインダ17によりセンシングされた壁W1までの距離が記憶される。
次に、図6乃至10を参照して、レーザレンジファインダにより取得した環境情報を用いて、オドメトリ法により算出した自己位置候補の中から現時点の自己位置を推定する手法について説明する。本実施の形態1では、自己位置推定方法としてMCL(Monte Carlo Localization)と呼ばれる手法を採用する。これは、ロボットの存在位置の確率表現を、パーティクルと呼ばれる位置候補点により表現する手法である。図6は、MCLを用いた自己位置推定手法の概要を表すフローチャートである。
まず、移動領域内において移動を開始した自律移動体10は、移動を開始する地点のグリッドマップ20上における自己位置を認識し、予め記憶したグリッドマップ20上に記憶する(ステップS101)。
その後、移動体本体10aに設けられた車輪を駆動することにより移動を継続しつつ、オドメトリ情報による自己位置候補を算出する(ステップS102)。具体的には、まず、自律移動体10の車輪の回転角度から、その移動量を算出する。ここで、自律移動体10の移動量dX=(dx,dy,dθ)は、車輪の回転角度をエンコーダにより取得し、順運動学を解くことにより簡単に算出することができる。そして、オドメトリ情報により、位置情報としての複数のパーティクル位置を抽出する。そして、自律移動体10の移動量に関するノイズを考慮して、各パーティクル位置を移動させる。即ち、算出したロボットの移動量に対して、ノイズを加味したものをパーティクルに与えることによって移動させる。ここで、パーティクル位置は、自律移動体10の自己位置の候補点として表される。このように移動させた複数のパーティクルEPは、例えば図7に示すように、自律移動体10の周囲に分布して、ある程度のばらつきを有する離散変数の集合としての座標点で表される。
そして、自律移動体10が移動を継続する一方で、レーザレンジファインダ17により環境情報を取得する(ステップS103)。移動領域内に存在する物体に対して、レーザ中心からの距離dと、そのときのレーザの照射方向の角度φとが取得され、これらd及びφとが関連付けられて環境情報として記憶される。
そして、レーザレンジファインダ17により取得した環境情報に基づいて、制御コンピュータとしての演算部15は、各パーティクルの重みを決定する(ステップS104)。即ち、その位置における自己位置となりうる確率を各々求める。以下、図8及び9を参照して、パーティクルの重みを決定する方法について詳細に説明する。図8は、パーティクルの重み決定処理を表すフローチャートである。
まず、制御コンピュータ15は、グリッドマップ20上において、各パーティクル位置から、レーザレンジファインダ17の計測方向に沿って直線を延ばす(ステップS201)。即ち、グリッドマップ20上において、各パーティクル位置から、レーザレンジファインダ17のレーザ光を仮想的に描写する。尚、前記直線は、レーザレンジファインダ17の計測方向に沿って所定の距離単位で延長させてゆく。例えば図9(a)に示すように、グリッドマップ20上において、パーティクル位置part_1から、レーザレンジファインダ17の計測方向L_D1に沿って、所定の距離単位d0ごとに直線を延長してゆく。
そして、制御コンピュータ15は、レーザレンジファインダ17の計測方向に沿って直線を延長させつつ、その直線上において、パーティクルから所定の距離離れた点のグリッド単位について、そのグリッド単位がガラスであるか否かを判定する(ステップS202)。判定の結果、ガラスでない場合には、ステップS207へと進む。
一方、判定の結果、そのグリッド単位がガラスである場合(即ち、仮想的に描写したレーザ光が、ガラスであると記録されたグリッド単位に遭遇した場合)には、制御コンピュータ15は、そのグリッド単位に記録されているガラス面の向きαを読み出す(ステップS203)。
そして、制御コンピュータ15は、自律移動体10から照射されたレーザ光の角度をβとして、ガラス面の向きαとレーザ光の角度βとを比較して、ガラス面に対するレーザ光の入射角度を計算する(ステップS204)。角度α及びβは、所定の基準座標からの角度であり、例えば図9(b)においては、パーティクル位置part_1からガラスのグリッド単位Gに向かう方向を基準として、当該方向とガラスのグリッド単位Gとのなす角度をαとし、当該方向とレーザ光のなす角度をβとしている。
そして、制御コンピュータ15は、ガラス面の向きαとレーザ光の角度βとがなす角度(即ち入射角度)が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS205)。入射角度が所定の閾値より小さい場合には、レーザ光は全反射しない角度であるものと判定して、ガラスのグリッド単位を壁のグリッド単位を計測したものとして扱う。
一方、入射角度が所定の閾値以上である場合には、ガラス面に対する入射角度は浅いものであると判定して、レーザ光の方向を反射させるように変更する(ステップS206)。例えば図9(b)に示すように、パーティクル位置part_1から延長した直線を、ガラスのグリッド単位Gで反射させ、その方向L_D1を反射後の方向L_D1_Rへと変更して、再び延長させる。尚、入射角度に関する所定の閾値は、物体の素材に応じて適宜調整するようにしてもよい。即ち、各グリッド単位それぞれに、素材に応じた閾値を設定することで、グリッドマップ上においてより精度良く反射を再現することができる。
このように、パーティクル位置からレーザレンジファインダ17の計測方向に沿って直線を延ばす過程において、ガラスを示すグリッド単位に遭遇した場合には、その光反射率情報と直線の角度情報とに基づいて、その直線を反射させる。そして、制御コンピュータ15は、延長させた直線が壁に到達したか否かを判定する(ステップS207)。判定の結果、壁に到達していない場合には、ステップS201へと戻り、更に直線を延長させる。
尚、前記所定の距離単位で直線を延長させた結果、直線が壁に到達した場合には、壁に到達する直前のグリッド単位まで戻って、より細かい距離単位で同様の調査を行うようにしてもよい。即ち、前記直前のグリッド単位から、より細かい距離単位離れたグリッド単位が壁か否かを判定してゆくようにしてもよい。このように、パーティクル位置から徐々に離れていった点が、壁に到達しているか否かをより詳細な距離単位で調べていく。これにより、壁までの距離をより精度良く計測することができる。例えば図9(a)に示すように、パーティクル位置part_1から、レーザレンジファインダ17の計測方向L_D1に沿って、所定の距離単位d0で直線を延長した後、壁Wに到達した場合には、より細かい距離単位d1で再び直線を延長させてゆくものである。
一方、直線が壁に到達した場合には、制御コンピュータ15は、その直線の距離をパーティクル位置の計測距離dとする(ステップS208)。そして、制御コンピュータ15は、以下の数1に示す計測モデルを用いて、ある照射角度における、パーティクルの距離データ間の相関値を計算する(ステップS209)。ここで、P(dk)は、k番目のレーザ光の照射角度φにおける、グリッドマップ20上における計測距離dkとレーザレンジファインダ17により実際に計測された距離zkとの相関値を示す。また、数1に示す計測モデルはセンサモデルとも呼ばれ、数1は、レーザ光のある照射角度における距離データdkが、距離データzkを平均とする正規分布に従うことを意味する。
さらに、制御コンピュータ15は、パーティクル位置から、全てのレーザ光の照射角度について、パーティクルの距離データ間の相関値を計算する(即ち、ステップS210における判定条件を満足するまでの間、ステップS201乃至209における処理を繰り返す)。
制御コンピュータ15は、全ての照射角度について距離データ間の相関値を計算した後(即ち、距離データ間の相関値を181個全ての距離データ間について算出した後)、全てのパーティクルについて、その重みを計算する(ステップS211)。まず、制御コンピュータ15は、以下の数2を用いて、各パーティクルについて、各照射角度の距離データ間の相関値P(dk)を全て乗算する。ここで、wi'は、i番目のパーティクルの仮の重みを示す。
更に、制御コンピュータ15は、全てのパーティクルについてそれぞれ仮の重みwi'を計算した後、以下の数3を用いて、各パーティクルの重みwiを計算する。ここで、i番目のパーティクルの仮の重みwi'の値は、全てのパーティクルの仮の重みwi'の総和により正規化される。尚、Nはパーティクルの個数を示す。
このようにして、制御コンピュータ15は、グリッドマップ20上において、各パーティクルについて計測した距離データと、自律移動体10がレーザレンジファインダ17により実際に計測した距離データとに基づいて、各パーティクルの重みを決定する。
図6に戻り説明を続ける。次に、制御コンピュータ15は、最も大きな重みを持つパーティクル位置を、自律移動体10の推定自己位置として認識する(ステップS105)。そして、推定自己位置として認識したパーティクル位置の座標を、自己位置としてグリッドマップ20上に記憶する(ステップS106)。
更に、制御コンピュータ15は、決定したパーティクル位置の重みに基づいて、パーティクル位置のリサンプリングを実行する(ステップS107)。具体的には、リサンプリングの実行は、例えば図10に示すような、各パーティクル位置の重みの累積和に基づいて実行することができる。まず、制御コンピュータ15は、0〜1の間でランダムな値を計算する。そして、計算されたそのランダム値に対応するパーティクル位置を、新たなパーティクル位置として引き継ぐものとする。例えば、ランダムな値が0.15であった場合には、図10に照らし合わせると5番目のパーティクル位置part_5が該当するため、そのパーティクルの位置(x,y,θ)を引き継ぐ。このリサンプリング処理を、パーティクル位置の個数分繰り返して、新しいパーティクル群を作成する。このような手法によれば、重みが大きなパーティクル位置ほど選択され易い構成となっているため、パーティクル位置の重みに応じて容易にリサンプリングを実行することができる。尚、図10では、例えば、1番目のパーティクル位置part_1の重みが0.04、2番目のパーティクル位置part_2の重みが0.03、3番目のパーティクル位置part_3の重みが0.01、4番目のパーティクル位置part_4の重みが0.05、5番目のパーティクル位置part_1の重みが0.07、・・・であるものとし、これらパーティクル位置の重みの総和は1である。
そして、制御コンピュータ15は、ステップS108に進んで移動を終了するか否かを判断した後、移動を継続する場合はステップS102に戻って再度オドメトリ法に基づくパーティクル位置を求める。また、ステップS108において移動を終了させると判断した場合は、移動停止処理を行った後、次の指令を受けるまで待機する。
このように、オドメトリ法により算出された自己位置の候補地点にパーティクルフィルタ処理を施す際に、ガラスなどの光学的に特殊な素材の光反射率属性情報を用いて、レーザ光の反射を仮想的に描写しながら自己位置推定を実施する。グリッドマップ20上においてパーティクル位置からレーザ光を延ばしたときに、途中のグリッド単位がガラスとして記録されており、かつ、レーザ光の入射角度とそのガラス面とのなす角度が閾値以上である場合には(入射角度が浅い場合には)、レーザ光を反射させて実際のレーザの原理を仮想的に再現することで、自己位置推定精度を向上させることができる。
その他の実施の形態.
上述した実施の形態においては、自律移動体を平面上を自律的に移動する車輪駆動型の移動体であるものとしたが、本発明は、脚型の移動体でも適用可能である。
上述した実施の形態においては、自律移動体を平面上を自律的に移動する車輪駆動型の移動体であるものとしたが、本発明は、脚型の移動体でも適用可能である。
尚、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
1 床部、10 自律移動体、10a 移動体本体、
11 車輪、12 キャスタ、13 駆動部、14 カウンタ、
15 制御コンピュータ(演算部)、15a 記憶領域(記憶部)、16 バッテリー、
17 レーザレンジファインダ、18 超音波センサ、
20 グリッドマップ、21 外枠、22 グリッド線、
P 移動領域、S1 センシング領域、SP センシングポイント、
W 壁、G ガラス、B 物体、EP パーティクル位置
11 車輪、12 キャスタ、13 駆動部、14 カウンタ、
15 制御コンピュータ(演算部)、15a 記憶領域(記憶部)、16 バッテリー、
17 レーザレンジファインダ、18 超音波センサ、
20 グリッドマップ、21 外枠、22 グリッド線、
P 移動領域、S1 センシング領域、SP センシングポイント、
W 壁、G ガラス、B 物体、EP パーティクル位置
Claims (16)
- 移動領域に存在する物体の位置・形状を示す環境情報を取得するレーザレンジファインダを備え、前記移動領域に関する移動マップを用いて、前記レーザレンジファインダで取得した環境情報に基づいて自己位置を認識しつつ移動可能な自律移動体であって、
前記移動マップが、前記物体の光反射率属性を示す情報を含む
ことを特徴とする自律移動体。 - 前記レーザレンジファインダからレーザ光を照射し、前記照射したレーザ光の反射に基づいて環境情報を取得する取得部と、前記自律移動体の自己位置候補を算出する自己位置候補算出部と、前記取得した環境情報と前記算出した自己位置候補とに基づいて推定自己位置を認識する自己位置推定部とを備え、
前記自己位置推定部が、前記移動マップ上において前記物体の光反射率属性を示す情報に基づいて前記レーザ光を仮想的に反射させ、前記仮想的に反射させたレーザ光と前記取得部で取得した環境情報とに基づいて、前記自己位置候補算出部により算出した自己位置候補を修正し、修正後の自己位置候補を推定自己位置として前記移動マップ上において認識する
ことを特徴とする請求項1記載の自律移動体。 - 前記自己位置推定部が、前記移動マップ上において、前記自己位置候補算出部により算出した推定自己位置から前記物体に対して前記レーザ光を仮想的に描写し、前記描写したレーザ光の入射角度が所定の閾値以上である場合に、前記レーザ光を反射させ、前記仮想的に描写したレーザ光の計測距離と、前記取得部で取得したレーザ光の計測距離とに基づいて、前記自己位置候補算出部により算出した自己位置候補を修正し、修正後の自己位置候補を推定自己位置として前記移動マップ上において認識する
ことを特徴とする請求項2記載の自律移動体。 - 前記所定の閾値が、前記物体の素材に応じて可変である
ことを特徴とする請求項3記載の自律移動体。 - 前記自己位置推定部が、前記仮想的に描写したレーザ光の計測距離と、前記取得部で取得したレーザ光の計測距離とに基づいて、前記自己位置候補算出部により算出した自己位置候補の重みを前記計測距離の相関値に応じて算出し、前記算出した重みに基づいて前記自己位置候補から推定自己位置を決定して前記移動マップ上において認識する
ことを特徴とする請求項2記載の自律移動体。 - 前記自己位置候補算出部が、前記自律移動体の移動した方向及び距離に基づいて自己位置候補を算出する
ことを特徴とする請求項2記載の自律移動体。 - 前記移動マップが、前記移動領域内において略一定間隔に配置された格子点を結ぶグリッド線を仮想的に描写することで作成されるグリッドマップである
ことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の自律移動体。 - 移動領域に存在する物体の位置・形状を示す環境情報を取得するレーザレンジファインダを備え、前記レーザレンジファインダからレーザ光を照射し、前記照射したレーザ光の反射に基づいて環境情報を取得する取得手段と、前記自律移動体の自己位置候補を算出する自己位置候補算出手段と、前記取得した環境情報と前記算出した自己位置候補とに基づいて推定自己位置を認識する自己位置推定手段とを備え、前記移動領域に関する移動マップを用いて、前記取得手段で取得した環境情報に基づいて自己位置を認識しつつ移動可能な自律移動体の制御システムであって、
前記自己位置推定手段が、前記移動マップ上において前記物体の光反射率属性を示す情報に基づいて前記レーザ光を仮想的に反射させ、前記仮想的に反射させたレーザ光と前記取得手段で取得した環境情報とに基づいて、前記自己位置候補算出手段により算出した自己位置候補を修正し、修正後の自己位置候補を推定自己位置として前記移動マップ上において認識する
ことを特徴とする自律移動体の制御システム。 - 前記自己位置推定手段が、前記移動マップ上において、前記自己位置候補算出手段により算出した推定自己位置から前記物体に対して前記レーザ光を仮想的に描写し、前記描写したレーザ光の入射角度が所定の閾値以上である場合に、前記レーザ光を反射させ、前記仮想的に描写したレーザ光の計測距離と、前記取得部で取得したレーザ光の計測距離とに基づいて、前記自己位置候補算出手段により算出した自己位置候補を修正し、修正後の自己位置候補を推定自己位置として前記移動マップ上において認識する
ことを特徴とする請求項8記載の自律移動体の制御システム。 - 移動領域に存在する物体の位置・形状を示す環境情報を取得するレーザレンジファインダを備えた自律移動体において、前記移動領域に関する移動マップを用いて、前記レーザレンジファインダで取得した環境情報に基づいて前記自律移動体の自己位置を認識する自己位置推定方法であって、
前記移動マップが、前記物体の光反射率属性を示す情報を含む
ことを特徴とする自己位置推定方法。 - 前記レーザレンジファインダからレーザ光を照射し、前記照射したレーザ光の反射に基づいて環境情報を取得するステップと、前記自律移動体の自己位置候補を算出するステップと、前記取得した環境情報と前記算出した自己位置候補に基づいて推定自己位置を認識するステップとを備え、
前記自己位置を認識するステップでは、前記移動マップ上において前記物体の光反射率属性を示す情報に基づいて前記レーザ光を仮想的に反射させ、前記仮想的に反射させたレーザ光と前記取得部で取得した環境情報とに基づいて、前記算出した自己位置候補を修正し、修正後の自己位置候補を推定自己位置として前記移動マップ上において認識する
ことを特徴とする請求項10記載の自己位置推定方法。 - 前記自己位置を認識するステップでは、前記移動マップ上において、前記算出した推定自己位置から前記物体に対して前記レーザ光を仮想的に描写し、前記描写したレーザ光の入射角度が所定の閾値以上である場合に、前記レーザ光を反射させ、前記仮想的に描写したレーザ光の計測距離と、前記取得部で取得したレーザ光の計測距離とに基づいて、前記算出した自己位置候補を修正し、修正後の自己位置候補を推定自己位置として前記移動マップ上において認識する
ことを特徴とする請求項11記載の自己位置推定方法。 - 前記所定の閾値が、前記物体の素材に応じて可変である
ことを特徴とする請求項12記載の自己位置推定方法。 - 前記自己位置を認識するステップでは、前記仮想的に描写したレーザ光の計測距離と、前記取得部で取得したレーザ光の計測距離とに基づいて、前記算出した自己位置候補の重みを前記計測距離の相関値に応じて算出し、前記算出した重みに基づいて前記自己位置候補から推定自己位置を決定して前記移動マップ上において認識する
ことを特徴とする請求項11記載の自己位置推定方法。 - 前記自己位置を認識するステップでは、前記自律移動体の移動した方向及び距離に基づいて自己位置候補を算出する
ことを特徴とする請求項11記載の自己位置推定方法。 - 前記移動マップが、前記移動領域内において略一定間隔に配置された格子点を結ぶグリッド線を仮想的に描写することで作成されるグリッドマップである
ことを特徴とする請求項10乃至15いずれか1項記載の自己位置推定方法。
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-
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- 2008-03-18 JP JP2008069289A patent/JP2009223757A/ja active Pending
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