JP2009221380A - 粘着シート及びそれを用いた剥離シート付粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】被着体に貼付する際には気泡を溜めることなく、容易且つ美麗に貼付し得ると共に、貼付後の粘着シートの外観が損なわれることのない粘着シートの提供。
【解決手段】基材の少なくとも一方の表面に粘着剤層を有する粘着シート。前記粘着剤層が前記シートの端部に達する複数の幹状溝、及び該幹状溝から分岐し、先端が閉じた複数の枝状溝を有することを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】基材の少なくとも一方の表面に粘着剤層を有する粘着シート。前記粘着剤層が前記シートの端部に達する複数の幹状溝、及び該幹状溝から分岐し、先端が閉じた複数の枝状溝を有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は粘着シートに関し、特に、被着体に貼付する際に生じる気泡をシート外に逃しやすい溝を有し、容易に貼付することのできる、特に大型粘着シートとしての用途に有用な粘着シート、及び該粘着シートが有する溝と対応する凸部を表面に有する剥離シート付粘着シートに関する。
一般に、粘着シートは、基材シートと、その表面に形成された粘着剤層と、必要に応じてその上に設けられる剥離シートから構成されており、使用に際しては、剥離シートが設けられている場合には該剥離シートを剥がし、粘着剤層を被着体に貼付する。
しかしながら、装飾用粘着シートや、金属板などの表面保護用粘着シート等の、使用面積がある程度広い場合には、粘着剤層と被着体との間に空気が溜まることにより気泡が発生しやすく、粘着シートを被着体にきれいに貼付し難くなるという問題があった。
しかしながら、装飾用粘着シートや、金属板などの表面保護用粘着シート等の、使用面積がある程度広い場合には、粘着剤層と被着体との間に空気が溜まることにより気泡が発生しやすく、粘着シートを被着体にきれいに貼付し難くなるという問題があった。
このような問題を解決するために、従来、粘着剤層表面に、空気をシート外に逃すための流通路として機能する溝を設けることにより、粘着シートの貼付時に空気が溜まらないようにし、気泡が発生しないようにする等、種々の試みがなされている。例えば、独立した多数の小凸部を散点状に配置した粘着剤層を有する粘着加工シート(特許文献1及び2)、粘着面に空気の流通経路を有する易貼付性粘着シート(特許文献3)、粘着剤層に空気流通経路を形成し得る溝が設けられた、写真製版用粘着テープ(特許文献4)等が提案されている。
実用新案登録公報第2503717号、
実用新案登録公報第2587198号
特開昭63−223081号公報
特開平6−248243号公報
しかしながら、これらの粘着シートは、貼付する際には空気が抜けやすく、被着体に容易に貼付させることができるものの、被着体との密着性が不十分であったり、基材表面に凹凸構造や溝構造が浮き出て、貼付後の粘着シートの外観が損なわれたりするなどの欠点を有し、必ずしも満足できるものではなかった。
本発明者らは、貼付する際には空気を溜めることなく、被着体に容易に密着・貼付することができると共に、貼付後においては、凹凸や溝の浮き出しが現れず、粘着シートの外観が損なわれることがないような粘着シートを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、粘着シートの粘着剤層表面に、シートの端部に達する複数の幹状溝、及び該幹状溝から分岐する複数の枝状溝を設けることによって良好な結果を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の目的は、被着体に貼付する際には気泡を溜めることなく、容易且つ美麗に貼付し得ると共に、貼付後の粘着シートの外観が損なわれることのない粘着シートを提供することである。
即ち、本発明の目的は、被着体に貼付する際には気泡を溜めることなく、容易且つ美麗に貼付し得ると共に、貼付後の粘着シートの外観が損なわれることのない粘着シートを提供することである。
即ち、本発明は、基材の少なくとも一方の表面に粘着剤層を有する粘着シートであって、前記粘着剤層が前記シートの端部に達する複数の幹状溝、及び該幹状溝から分岐し、先端が閉じた複数の枝状溝を有することを特徴とする粘着シート、及び、該粘着シートの粘着剤層表面に剥離シートが積層されてなる、剥離シート付粘着シートであって、前記剥離シートが、粘着剤層に接する面に、該粘着剤層が有する幹状溝及び枝状溝と対応する凸部を有することを特徴とする、剥離シート付粘着シートである。
前記幹状溝は互いに交差していてもよい。該幹状溝は直線状であることが好ましく、格子状であることが、製造容易性の観点からより好ましい。
また、前記幹状溝の幅は、3〜100μmであることが好ましく、深さが5〜50μmであることが好ましい。前記枝状溝についても同様であり、その幅は3〜100μmであることが好ましく、深さが5〜50μmであることが好ましい。本発明においては、特に前記幹状溝の幅及び深さの寸法が、前記枝状溝の幅及び深さの寸法と略同等であることが好ましい。
また、前記幹状溝の幅は、3〜100μmであることが好ましく、深さが5〜50μmであることが好ましい。前記枝状溝についても同様であり、その幅は3〜100μmであることが好ましく、深さが5〜50μmであることが好ましい。本発明においては、特に前記幹状溝の幅及び深さの寸法が、前記枝状溝の幅及び深さの寸法と略同等であることが好ましい。
本発明の粘着シートは、貼付する際には空気が抜けやすいので被着体に容易に貼付することができ、被着体との密着性も良好であるだけでなく、貼付後においては、粘着シート表面に凹凸や溝の浮き出しが現れず、外観が損なわれることがないという特性を有する。
本発明の粘着シートを、図を参照しながら説明する。
図1は、本発明の粘着シートの断面の一例を示したものであり、図2及び3は、本発明の粘着シートの、粘着剤層表面の一態様を示したものであり、図4は本発明の剥離シート付粘着シートである。
図中の符号1は本発明の粘着シート、2は基材、3は粘着剤層であり、基材2の両面に設けられていてもよい。符号4は幹状溝、5は枝状溝である。符号6は剥離シートであり、7は紙基材、8は樹脂層、9は剥離剤層である。
図1は、本発明の粘着シートの断面の一例を示したものであり、図2及び3は、本発明の粘着シートの、粘着剤層表面の一態様を示したものであり、図4は本発明の剥離シート付粘着シートである。
図中の符号1は本発明の粘着シート、2は基材、3は粘着剤層であり、基材2の両面に設けられていてもよい。符号4は幹状溝、5は枝状溝である。符号6は剥離シートであり、7は紙基材、8は樹脂層、9は剥離剤層である。
本発明で使用する基材2の材質は特に制限されるものではなく、例えば上質紙、グラシン紙、コート紙などの紙類、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、アクリル系樹脂などのプラスチックシート、プラスチックシートの合成紙、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セロハンなどのセルロース系シート等、公知のものの中から適宜選択して使用することができる。
基材の厚さは、使用目的や状況に応じて適宜定めればよいが、通常10〜300μmであり、50〜150μmであることが好ましい。
基材の厚さは、使用目的や状況に応じて適宜定めればよいが、通常10〜300μmであり、50〜150μmであることが好ましい。
また、基材としてプラスチックシートを用いる場合には、その上に設けられる粘着剤層との接着性を向上させるために、適宜、サンドブラストや溶剤処理などによる凹凸化処理、あるいはコロナ放電処理、オゾン雰囲気下での紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理などの酸化処理などを施してもよい。
前記基材2の表面に設けられる粘着剤層3を形成する粘着剤は、特に制限されず、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等、従来、粘着シートの粘着剤層として慣用されているものを使用することができる。
また、粘着剤層の厚さは使用目的や状況に応じて適宜定めればよいが、通常7〜100μmであり、7〜50μmであることが好ましい。粘着剤層の厚さが7μm未満では、後記する溝の深さを十分にとることができないので、溝に空気を逃す機能を十分に持たせることができない。一方、100μmより厚くしても不経済になるだけで、それに見合った粘着シートの性能が得られるわけでもない。
本発明の粘着シートは、被着体への貼着時に巻き込んだ空気をシート外に逃すために、複数の溝を有する。溝には、シートの端部に達する幹状溝4、及び該幹状溝から分岐し、先端が閉じた枝状溝5がある(図2、3参照)。
溝の断面形状は、特に制限されるものではなく、V字型、U字型、台形等いずれの型でもよい。
溝の断面形状は、特に制限されるものではなく、V字型、U字型、台形等いずれの型でもよい。
シートの端部に達する幹状溝は、互いに交差していなくてもよいが、気泡の逃し易さや、貼着時に必要に応じて切り取る際の切り取り自由度を確保する観点から、幹状溝は交差していることが好ましく、製造適性の観点から、幹状溝を直線状とすることが好ましい。特に、幹状溝の形状は格子状であることが好ましい。
また、幹状溝のピッチptは適宜設定することができるが、該ピッチが小さ過ぎると粘着力が低下するため、1000μm以上であることが好ましい。
また、幹状溝のピッチptは適宜設定することができるが、該ピッチが小さ過ぎると粘着力が低下するため、1000μm以上であることが好ましい。
幹状溝より分岐する枝状溝は、他の枝状溝と交差しないように先端が閉じている。これにより、粘着シートを良好に被着体に貼着することができると共に、枝状溝部分に対応する基材の凹みが肉眼で認識され難くなり、外観が損なわれなくなるという効果を奏する。枝状溝の形状は、互いに交差しない限り任意の形状でよいが、製造適性の観点から、直線状(図2参照)又は十字型(図3参照)であることが好ましい。
枝状溝の長さlは、幹状溝のピッチに依存し、互いに交差しない範囲で適宜設定されるが、100〜1000μmであることが好ましい。また、枝状溝のピッチpbは100〜500μmであることが好ましい。100μm未満では粘着力が低下し、500μmを越えると、気泡を逃し難くなる。
枝状溝の長さlは、幹状溝のピッチに依存し、互いに交差しない範囲で適宜設定されるが、100〜1000μmであることが好ましい。また、枝状溝のピッチpbは100〜500μmであることが好ましい。100μm未満では粘着力が低下し、500μmを越えると、気泡を逃し難くなる。
溝の深さdは、幹状溝及び枝状溝、各々独立に5〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることが更に好ましい。また溝の開口幅wは、3〜100μmであることが好ましく、10〜70μmであることがより好ましい。溝の深さが5μm未満、又は開口幅が3μm未満では、空気を逃す機能が低下し、気泡が消え難くなる。また、溝の深さが50μmを越えたり、開口幅が100μmを越えたりすると、貼着後に粘着シートの表面に溝の形状が浮き出て、外観を損なう。また、幹状溝の幅及び深さの寸法は、枝状溝の幅及び深さの寸法と略同等であることが、特に製造容易性の観点から好ましい。
本発明の粘着シートは、未使用時においては、粘着剤層を保護するため、図4に示すように、粘着剤層表面に剥離シート6が積層されている。剥離シートは、紙基材7、樹脂層8及び該樹脂層表面に設けられた離型剤層9からなり、樹脂層の、粘着層に接触する面には、粘着剤層に設けられた溝と対応する凸部が設けられている。 剥離シートの厚さについては特に制限はないが、取り扱いの利便性の観点から通常10〜250μmであり、20〜200μmであることが好ましい。
剥離シートは公知の方法で製造することができ、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙等の紙基材7の少なくとも一方の表面に、加熱溶融したポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂をラミネートして樹脂層8を設け、次いで、該樹脂層8の表面に、凹凸を有する金属ロールを押圧して幹状溝及び枝状溝と対応する凸部を設け(エンボス加工)、更にシリコーンなどの剥離剤を塗布して製造することができる。
本発明の剥離シート付粘着シートは、例えば基材シート表面に粘着剤を塗布し、乾燥して粘着剤層を形成し、粘着剤層に前述の凸部を有する剥離シートを貼着、加圧する方法、又は凸部を有する剥離シート上に粘着剤を塗布し、乾燥して粘着剤層を形成し、次いで該粘着剤層に粘着シートの基材を貼着、加圧する方法がある。
以下実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
坪量が110g/m2の上質紙の表面に、加熱溶融したポリエチレン樹脂を塗布し、厚さが30μmの樹脂層を設けた。この樹脂層に、図2に示した溝に対応する凹凸を有する金属ロールを樹脂層に押し当てた後、シリコーン樹脂を塗布し、剥離シートとした。 溝の各寸法は以下の通りである。pt(幹状溝のピッチ):1200μmpb(枝状溝のピッチ):300μml1(枝状溝1の長さ):400μml2(枝状溝2の長さ):200μmw(溝の開口幅):60μmd(溝の深さ):15μm
前記剥離シートの離型剤層表面に、アクリル系粘着剤(PA−T1E:リンテック(株)製の商品名)を塗布し、100℃で乾燥した後、厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、剥離シート付粘着シートとした。
図3に示した溝に対応する凹凸を有する金属ロールを使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により、剥離シート付粘着シートを製造した。 溝の各寸法は以下の通りである。pt:1200μmpb:600μml3:400μml4:400μmw:60μmd:15μm
[比較例1] 図5に示した溝に対応する凹凸を有する金属ロールを使用したこと以外は、実施例1と同様の手法により、枝状溝を有さない剥離シート付粘着シートを製造した。 溝の各寸法は以下の通りである。pt:1200μmw:60μmd:15μm
各実施例及び比較例によって得られた剥離シート付粘着シートを、300mm×300mmに裁断して試験片とした。粘着シートを各試験片から剥がして、直径約15mmの気泡が1〜10個できるように、メラミン塗装板上に手作業により貼着した。貼着した粘着シート試験片を、スキージを用いて圧着したところ、実施例1及び2の試験片の場合には容易に気泡を消滅させることができたが、比較例1の試験片での場合には気泡が消失しないことが確認された。
本発明の剥離シートは、被着体に貼付する際に空気を逃しやすいので、容易に密着性よく美麗に貼付することができる上、貼付後の粘着シートの外観が損なわれることがないので、特に識別・装飾用粘着シート、塗装マスキング用粘着シート、金属板等の、大型の表面保護用粘着シートとして好適である。
1 粘着シート
2 基材
3 粘着剤層
4 幹状溝
5 枝状溝
6 剥離シート
7 紙基材
8 樹脂層
9 離型剤層
2 基材
3 粘着剤層
4 幹状溝
5 枝状溝
6 剥離シート
7 紙基材
8 樹脂層
9 離型剤層
Claims (8)
- 基材の少なくとも一方の表面に粘着剤層を有する粘着シートであって、前記粘着剤層が前記シートの端部に達する複数の幹状溝、及び該幹状溝から分岐し、先端が閉じた複数の枝状溝を有することを特徴とする粘着シート。
- 前記幹状溝が互いに交差する、請求項1に記載された粘着シート。
- 前記幹状溝が直線状である、請求項1又は2に記載された粘着シート。
- 前記幹状溝が格子状である、請求項1〜3の何れかに記載された粘着シート。
- 前記幹状溝の幅が3〜100μmであり、深さが5〜50μmである、請求項1〜4の何れかに記載された粘着シート。
- 前記枝状溝の幅が3〜100μmであり、深さが5〜50μmである、請求項1〜5の何れかに記載された粘着シート。
- 前記幹状溝の幅及び深さの寸法が、前記枝状溝の幅及び深さの寸法と略同等である、請求項1〜6の何れかに記載された粘着シート。
- 請求項1〜7の何れかに記載された粘着シートの粘着剤層表面に剥離シートが積層されてなる、剥離シート付粘着シートであって、前記剥離シートが、粘着剤層に接する面に、該粘着剤層が有する幹状溝及び枝状溝と対応する凸部を有することを特徴とする、剥離シート付粘着シート。
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