JP2009219959A - 廃石膏ボード由来の白線用粉体、白線用粉体の製造方法 - Google Patents

廃石膏ボード由来の白線用粉体、白線用粉体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】廃石膏ボードを、従来の白線用粉体の炭酸カルシウム粉末や石膏粉末より優れた性能の白線用粉体として有効利用することのできる白線用粉体の製造方法を提供する。
【解決手段】廃石膏ボードの新築端材を粉砕して生じた粉砕物から上記廃石膏ボードを被覆する原紙に起因する紙片及び紙粉末を除去して得られた粉体であって、前記粉体は、幅0.3〜2.0μmで長さ1.0〜10μmの棒状結晶24が集合して、主となる構成粒子径が100〜1000μmで粒子密度が0.70〜1.20g/cmの集合粒子23で構成されている廃石膏ボード由来の白線用粉体22である。
【選択図】図1

Description

本発明は、産業廃棄物としての廃石膏ボードを再利用するリサイクルの技術分野に関する。
石膏ボードは、主に安価であることとすぐれた耐火性能のため、建築資材として広く利用されている。建築物の建築現場においては、石膏ボードが使用される際、使用部位の寸法に合せて切断された残りの石膏ボードの所謂新築端材が発生する。また、既存建築物の解体に際しても、廃石膏ボードの所謂解体廃材が発生する。これらの大量に発生する廃石膏ボードに対して、産業廃棄物としての処理の方法が検討されている。
廃石膏ボードの処理方法としては、焼却処分する方法があるが、焼却時に有毒ガスを発生するという問題があり、また焼却処分はエネルギーの消費や、地球温暖化への影響の問題もある。現在では、主に廃石膏ボードは埋め立てによる処分が行われている。しかし、埋め立てはスペースの確保の問題や、硫化水素の発生などの環境問題への影響があり、処理方法として一般に望ましくない。したがって、廃石膏ボードに対しては、再生資源として再利用する方法が望まれている。
廃石膏ボードを再生利用する技術としては、粉砕した廃石膏ボードを異なる物質ごとに選別し、それぞれを再利用に供するための手段が検討され、粒径による選別(振動篩)、比重による選別(慣性選別)、風力分級(風力吸引)、磁力選別、金属探知の併用によって、石膏粉、紙片、紙粉、金属片を分別する方法(例えば、特許文献1)が開示されている。
また、廃石膏ボードの粉砕物をメッシュに応じて分別し、振動板によって紙粉末を毛玉状にまとめ、所定の風量で毛玉を吹き飛ばす方法が開示されている(例えば、特許文献2)。
一方では、学校の運動場、競技場等のグランドには、競技やイベント等に応じた白線のラインが引かれており、該白線引き用粉体として、一般に白色の消石灰が用いられている。前記消石灰は強アルカリ性であるために、皮膚や、目鼻の粘膜に付着すると炎症を起こす恐れがある。
そこで、安全性の高いライン引き用粉体として、消石灰に代えて、石灰石や卵殻などを粉砕した炭酸カルシウム粉末や溶液中で沈殿生成した石膏粉末を用いることが知られている(例えば、特許文献3〜5)。
特開2000−70915号公報 特開平10−286553号公報 特開2004−261213号公報 特公平5−35685号公報 特公平4−72557号公報
特許文献1の石膏ボードリサイクル装置では、粉砕した廃石膏ボードを振動篩による粒径の分別、および慣性選別による比重の分別等という分別方法を採用するが、非常に大掛かりの装置構成となってしまい、容易に設置できるものではない。
また、特許文献1、2では、廃石膏ボードとして、既存建築物の解体の際に生ずる所謂解体廃材を用いているが、既存の建築物の石膏ボードには、現在は使用が規制されている有害物質が混入しているものがあり、その粉砕を行うと健康、環境面に特に問題のある物質微粉が発生するおそれがある。
また、建築物に使用されていた廃石膏ボードには、建築時に使用されるものや建築物の解体、回収時に混入するものとして、釘などの金属をはじめ石膏片や紙片以外の多様な不純物が多量に混在していることがあり、その除去のための装置および手間、時間、コストの問題は大きく、現に特許文献1のように磁力選別や金属探知なども含めたものが、機器構成が大規模で複雑なものとなる原因ともなっている。
さらに、既存の建築物に使用されていた廃石膏ボードは、経年や環境によって石膏や紙の品質が一定ではなく、粉砕や分別において不都合が生じる場合があり、また廃石膏ボード由来粉末の品質も安定しないことがあるという問題があることが判明した。
一方では、特許文献3〜5の炭酸カルシウム粉末や石膏粉末は、ライン引きの作業性や安定性などの性能がまだ十分ではない。鉱物原料を粉砕したこれらの粉末は、微粒かつ表面の凹凸の少ない粒子であるためにラインを引いた後に飛散しやすいという欠点がある。
また、粒子密度が大きいために、引けるラインの面積(長さ)あたりの重量が大きくなるうえに、ライン引き機を利用してグラウンドに大量のライン引きを行う際には大量の粉体が消費されることとなるものであった。
さらに、ライン引き機内への粉体を充填する作業やライン引き作業において重労働となるものでもあった。
そこで、本発明者らは、上記状況に鑑み、廃石膏ボードを、ライン引き用粉体の原料として利用することに着眼し鋭意研究を進めた。特に、有害物質および金属等の不純物の混入がなく、また一定の品質の原料を得ることができる廃石膏ボードの新築端材を専ら利用することに着目した。その結果、廃石膏ボードの粉砕物を白線用粉体として再活用するためには、紙粉末が問題となることが判ったので、さらに研究した。
特許文献1では、破砕時に廃石膏ボードの表面から発生する紙片を除去するが、廃石膏ボードの破砕時に表面の紙が分断されることで生じるさらに細かい紙粉末には着目していない。実際に、特許文献1の方法による分別では、紙片の分離除去は可能と考えられるが、紙粉末の除去は解決されていない。
発明者らの知見によると、紙粉末は、図10に示すような長さ5mm〜10μmで、幅10μm〜100μmで、短繊維状にまで極微細に粉砕されていることが検出されている。
特許文献2では、2mmの篩を通過した小破砕片を、細かく水平方向にそって振動板34上で細かく揺することで、混在している細かな紙粉末を毛玉状にまとめ、後で送風および吸引によって毛玉を除去するという技術を開示している。
しかしながら、振動板上で水平方向に細かく振動を与えるのみでは、上記紙粉末の繊維には互いに自然にぶつかってからまる以外の力は与えられず、毛玉を十分に且つ早期に成長させることができないものであった。
送風や吸引によって上記毛玉の除去を試みる際には、小破砕片の石膏分と紙粉末とが共に吹き飛ばされて除去されてしまうので、紙粉末の毛玉のみの除去とは認められないものである。
ここで、現在使用されているライン引き機は、多種類市販されているが、粉体の供給部(粉を排出部に供給するための回転装置)の供給方式と、排出部(粉の排出される穴)の穴構造・寸法とが機種毎に相違している。上記供給方式としては、例えば軸周囲に放射状にブラシを立設するブラシ式や、軸周囲にパドルを立設するパドル式等が提供されており、上記排出部としては、スリット、四角穴、メッシュ穴、丸穴等の穴構造や各種寸法が提供されている。よって、各機種のライン引き機に上記粉体を充填してライン引きをしてみると、初期では全機種が所望のラインが描けるものの、一定の距離以上にライン引きしてゆくと、ラインが薄くなったり、あるいはライン引きできなくなる機種があることがわかった。
前記ライン引き機を検査すると、粉体の供給部に紙粉末が絡み付いてしまったり、排出部を紙粉末が塞ぐことが大きな原因であることが判明した。
石膏分の粉砕物に紙粉末が残留していると、ライン引き用粉体として用いた場合、粉体に紙粉末が付着し粉体同士が紙粉末の繊維を介して互いにからまるため、粉体の流動性が悪くなる。その結果、ライン引きの際にライン引き機の内部で供給、排出が阻害される。例えば粉体自体の粒径が小さくとも、ラインを長く引くほど紙粉末によって互いが付着してより大きな塊として成長してゆくために、粉体の排出部の孔径から排出されないといったことが起こる。これらの現象から、ライン引きの安定性、操作性に欠けるものであった。
また、紙粉末が付着した粉体は、ライン引き機に対しても、装置内部や排出用のパドルやブラシに紙粉末の繊維のからまり等によって付着しやすいため、やはり円滑な供給や排出が阻害され、円滑かつ均一なるライン引きを行うことができないといった問題がある。
さらに、引かれたラインにおいても、紙粉末の混合によって大きな塊状となる事もあり描線にムラがある、紙粉末の飛散(静電気含む)などの問題がある。
加えて、紙粉末の混合の程度によっては、紙粉末の色が混入するため、ラインの色彩の鮮明さに欠ける。さらに、降雨時には、ラインが変色し不鮮明となる。これらの問題のため、従来の分別方法による粉砕物は、白線用粉体として好適に用いることができないという問題に新たに直面した。
そこで、本発明者らは、廃石膏ボードの石膏分をライン引き用粉体として用いる場合には、紙粉末の除去以外に、次の技術的課題に答える必要があった。
第1に、ライン引き用粉体としては、軽量性とグリップ性とが求められるが、一般には軽量性を追求するとグリップ性が低下し、グリップ性を追求すると軽量性が損なわれてくる。特許文献3〜5記載の粉体は粒子密度が高いので、ライン引きに際して大量の粉体が必要となり、ライン引き機による作業性が向上しない。
ここで、石膏ボードの芯材である石膏硬化体は,立体的に様々な方向に伸長した棒状の2水石膏(CaSO・2HO)単結晶がそれぞれ絡み合った構造を持ち、体積あたり多くの空隙を持つ。そこで、石膏分の2水石膏(CaSO・2HO)の単結晶である棒状結晶に着目し、上記棒状結晶がそれぞれ絡み合う際の高い空隙率を利用することで、粉体の軽量化が図れ、ライン引きの粉体消費量も減少する。白線用粉体としては、粒子密度が0.70〜1.20g/cmの範囲が良好であった。上記集合粒子については、絡み合った棒状結晶の棒状部分が集合部位から突出していることが判明したので、グリップ性が良好であることも確認できた。
第2に、既存のライン引き機と上記集合粒子からなる粉体との相性が求められる。ライン引き機の各機種に充填して実験したところ、集合粒子の粒子径が1000μmを超えると、描線がクリアとならないが、100μm以下となると、再集合して大きな塊となってライン引き機の内部を閉塞して排出されなくなることが明らかとなった。粒子径が100〜1000μmの範囲では相性が良好であった。なお、紙粉末が重量比0.85%以下の粉体をライン引き機の各機種に充填して実験すると、良好にライン引きできることが判明した。
上述のとおり、本発明者らは、廃石膏ボードの新築端材を粉砕し、生じた粉砕物から紙粉末を除去した粉体を得ることと、棒状結晶を絡み合わせて粒子密度が低くグリップ性のある集合粒子からなる粉体を得ることを目的として鋭意研究を重ね、得られた粉体が、優れた性能のライン引き用粉体となり得ることを見い出して本発明を完成した
本発明は、上記目的を達成するために、次の廃石膏ボード由来の白線用粉体を提供する。
本発明の請求項1に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体は、廃石膏ボードの新築端材を粉砕して生じた粉砕物から上記廃石膏ボードを被覆する原紙に起因する紙片及び紙粉末を除去して得られた粉体であって、前記粉体は、幅0.3〜2.0μmで長さ1.0〜10μmの棒状結晶が集合して、粒子径が100〜1000μmで粒子密度が0.70〜1.20g/cmの集合粒子で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体は、前記集合粒子は、略々球状体を呈し、前記球状体の表面には棒状結晶が突出していることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法は、前記粉体は、平均粒子径が125〜850μmで、ラインを引いた場合に10cm×10cmのライン面積あたりの重量が0.8〜4.8gであることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法は、廃石膏ボードの新築端材を粉砕する粉砕工程と、該粉砕工程で得られた粉砕物を石膏分と紙分の紙片とに分別する分別工程と、該分別工程を通過した前記粉砕物に対して、水平・垂直・傾斜と云った三次元の回転運動を有する振動機構を持つ篩によって石膏分の集合粒子が通過し紙分の紙粉末が滞留する上位篩工程と、該上位篩工程の下位に設置され上位篩工程を通過した前記粉砕物に対して水平・垂直・傾斜と云った三次元の回転運動を有する振動機構を持つ篩によって石膏分の集合粒子が通過し紙分の紙粉末が滞留する下位篩工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法は、目開きが1000〜250μmで、上下複数段の目開きが同一であることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法において、目開きが1000〜250μmで、上下複数段の目開きが下位に向けて小さくなることを特徴とする。
本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体によれば、紙粉末を除去したうえで粒子密度の低い集合粒子を粒度構成しているリサイクル品として供給することができる。その結果、ライン引き機でライン引きするに際しては、内部が閉塞されることなく良好な供給と排出が得られ、軽量であるために操作性が良く、長距離にわたってライン引きすることができ、ライン引き機の各機種に対応する白線用粉体として利用することができる。
特に、白線用粉体に紙粉末の混入が抑えられているので、ライン引き機に対しても、内部や排出用のパドルやブラシに紙粉末の繊維がからまる等の不都合を一掃することができ、各機種のライン引き機のそれぞれの機能を発揮させることが可能である。
本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体によれば、粉体が幅0.3〜2.0μmで長さ1.0〜10μmの棒状結晶が集合したうえで、主となる構成粒子径が100〜1000μmで、粒子密度が0.70〜1.20g/cmの集合粒子で構成することができ、ライン引きしたときの消費量を大幅に減少させることができ、環境負荷の軽減となる。
また、本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体によれば、紙粉末の除去と粒子径とによって白線の描線がクリアに形成され、紙粉末の色が混在せず、白色ラインの鮮明さにおいても優れている。加えて、引かれたラインには、紙粉末の混在が少ないために描線にムラがなく、長距離にわたって美麗なラインを提供することができる。
また、本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体によれば、白線用粉体が棒状結晶を主体とする集合粒子のために、ライン引き後は一部崩壊し一次粒子となってもラインの定着性が良好で飛散しにくいうえに、崩壊していない集合粒子は凹凸が多いために地面に対して引っかかりが多く、風などによって飛散しづらく、一旦引かれたラインの安定性が高くなる。
また、本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体によれば、新築端材を利用するために有害物質の混入がなく、健康および環境に悪影響がないうえに、原料として一定の品質をもつ新築廃材を比較的多量に得ることができ、粉体の品質も一定のものが得られる。
また、本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体によれば、粉体を構成する集合粒子が略々球状体を呈しているので、粉体ごとの物性のばらつきが少なく、崩壊しにくく、ライン引き機の中では互いにからまりづらい。さらに、表面には棒状結晶が突出しているため、一方でライン引きに際しては、地面に対しては引っかかりやすくラインが安定している。
また、本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体によれば、粉体の平均粒子径が一定の範囲内であることで粉体相互の性質が安定し、ラインが安定する。また、引かれる白線のラインの面積あたりの粉体の重量が、従来用いられている白線用粉体の値よりも少なく、軽量の粉体で長いラインを引くことが可能であるため、ライン引き作業の負担が軽減され、またラインあたりの粉体のコストが安い。従来の白線用粉体として用いられている塩基性塩化アルミニウム塩溶液中で製造した密実なサイコロ状の75μm以下の石膏粉末、また天然石膏を粉砕した石膏粉末の場合、ラインの面積10x10cmあたりの粉体の重量は、一般に使われているライン引き機のうち、排出量の最も小さいもの〜最も大きいものを用いて5.0〜15.5g前後となるが、本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体を用いると0.8〜4.8gとなり、およそ3分の1の重量で同面積のラインを引くことができる。
さらに、本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法によれば、上位篩工程においては、紙粉を含有する粉砕物が篩い面の中心に供給され、粉砕物には水平・垂直・傾斜と云った三次元の回転運動が作用する。なお、振動篩い機の、モータ軸の上・下部のウエイトの位相角を30〜40度に制御する事により、紙粉を含有する粉砕物は、篩い面にて渦巻き状に旋回し、石膏集合粒子は篩い下へ排出され、紙粉末はお互いに絡まり合い、外周部へ移動し排出される。下位篩工程においても、同様の機構にて、石膏集合粒子は篩い下へ排出され、紙粉末はお互いに絡まり合い外周部へ移動し排出される。なお、紙粉末の除去は、傾斜板の様な篩いを用いた水平方向の振動を主体とする方法では困難であり、三次元の回転運動を主体とする本方法により、高効率にて、紙粉末の除去を十分に行うことができる。
さらに、本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法に用いる製造装置によれば、上下複数段の目開きが同一寸法に構成されていても、上位の目開きを通過した紙粉末が篩の目に対して交差姿勢となる場合には、滞留することとなり、滞留時間が長くなって紙粉末が除去されることとなる。
また、本発明に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法に用いる他の製造装置によれば、下位の目開きが小さくなっているので、上位の目開きを通過した紙粉末が交差姿勢となる場合の他に、交差姿勢にならない場合であっても目開きの小ささに応じて滞留することとなり、滞留時間が長くなって紙粉末が除去されることとなる。
図1は本発明の実施の形態(1)に係る白線用粉体を示す概略図、図2は本発明の実施の形態(1)に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法を示す概略図、第3図は本発明の実施の形態(1)に係る廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法の篩工程を示す概略図である。
図1に示す白線用粉体22は、廃石膏ボードの新築端材を粉砕し、生じた粉砕物から、該廃石膏ボード表面を被覆する石膏ボード用原紙に起因する紙片及び紙粉末を除去して得られた粉体からなるものである。前記白線用粉体22は、石膏の結晶が集合した集合粒子23・・から構成される。集合粒子23は粒子径が100〜1000μmで、粒子密度は0.70〜1.20g/cmにて構成されている。集合粒子23は、幅0.3〜2.0μmで長さ1.0〜10μmの棒状結晶24が集合してなる。
棒状結晶24は、前述の通り2水石膏(CaSO・2HO)の棒状の単結晶がそれぞれ絡み合った構造を持っているが、一辺が他よりも長い、棒、針または柱といった直線或いは曲線形状の結晶である。集合粒子23は、それらが多数集合し、全体としては略々球状体の粒子を構成しているものである。ここで球状体とは、集合粒子の全体の形状としては角がない、表面がおおよそ曲面で構成されているものを指し、周が楕円を含むものなど、歪みのあるものを含む。集合粒子23には、棒状結晶24によって目の不揃いな立体的な網目が形成され、網目の中には空隙25が多数存在し、粒子密度を低いものとしている。
集合粒子23は、その外縁部の表面には棒状結晶24の末端が多数突出して突出部27を形成している。したがって、集合粒子23の表面には、さまざまな長さや角度に突出している突出部27が無数に存在し、外周全域にわたって多様な凹凸を形成している。さらに、棒状結晶24は、角形状を有する隅28を有していることが多く、突出部27は周囲の物質に対して引っかかりが起こりやすい。したがって、この集合粒子23の表面は様々な角度や深度において外部に引っかかることのできるグリップ構造を有している。
前記集合粒子23は、その構成粒子径が100μm〜1000μmの範囲が望ましい。100μm未満の粒子は、粒子同士が再集合しやすくなり、所謂ブリッジ現象を起こしやすいために、多く含まれるのは好ましくない。また、1000μm以上の粒子は、粒が大きすぎて、ライン引き機の構造によっては排出されにくくなることがある。
また、集合粒子23は、平均粒径は125μm以上850μm以下で、粒径分布が均一であることが望ましい。さらに、粒度分布が125〜600μmにて50%以上構成されていると、ライン引き機からの安定的なライン供給が可能であり、またライン引き機への充填の際に飛散が著しく少ないといった利点がある。
前記白線用粉体22の粒子密度は、0.70g/cm〜1.20g/cmの範囲が望ましい。1.20g/cmを超える値であると粒子が重く、ライン引きの操作性が悪い。0.70g/cm未満であると、粒子は軽量であるが粒子内の空隙が多すぎ、粒子強度が小さくなるため、運搬中および袋充填などの工程においても、破壊され微粒化される可能性がある。さらに、集合粒子23ごとの密度が一定しているとラインとしての振る舞いが安定するので、0.70〜0.90g/cmといったある程度の狭い範囲から一定のものから選ばれている。
上記紙粉末は、1.0重量%以下であれば、各種ライン引き機に支障なく利用可能である。紙粉末の含有量が、0.85重量%以下であれば、不純物である紙粉末からの色彩が少なくラインを鮮明なものとするに充分な白線用粉体が得られる。さらに、紙粉末が0.65重量%以下であると、現在ある供給部と排出部のそれぞれの最小値のライン引き機を構成したとしても、供給、排出の阻害が起らない。
また、前記白線用粉体22は、ラインを引いた際、ラインの面積が10cmx10cmあたりの排出重量が適切な範囲内であることが望ましい。前記白線用粉体22の適切な排出量はライン引き機の供給部、排出部の構造によって大きく左右され、構造ごとに適切な量も違ってくるが、従来の一般的なライン引きの機種を用いた場合、およそ0.8〜4.8gの範囲となる。一般に、供給部がブラシ式の場合や、排出部がスリット式の場合は排出量が少ないが、ブラシ式かつスリット式のライン引きを用いた場合も0.8gを下回らない程度であれば充分な排出量となる。また、供給部がパドル式、排出部が丸穴式の場合には排出量が多くなるが、パドル式かつ丸穴式の場合にも4.8gを上回らず、排出量が多すぎないことが望ましい。さらに好ましくは、粉体の重さとラインの面積の関係から、薄すぎず濃すぎないラインとなるのは0.9〜4.0gの範囲である。粒子密度をそろえ、紙粉末を除去している白線用粉体であると1.0〜3.6gの値となり、この範囲であることが最も望ましい。
この粉体は、従来用いられているライン引き用粉体よりも粒子密度が小さいため、軽量で同等のラインが引けることになる。例えば、白線用粉体として用いられている、石膏の鉱物原料を粉砕した石膏粉末の場合、10cmx10cmあたりの排出重量はおよそ3.5〜10.0g前後である。前記白線用粉体はこの従来の石膏粉末より軽い排出重量で同じ面積のラインが引け、また目安として、同じ重量の粉体を用いて、同じライン引き機によってラインを引いた場合、1.8〜3.0倍の長さのラインを引くことができる。
次に、実施の形態(1)の廃石膏ボード由来の白線用粉体の好適な製造方法について、図2〜図3に基づいて説明する。
まず、粉砕工程1では、廃石膏ボード2を粉砕(解砕)し、ついで篩3にかけて粒径ごとに分級してから、分別工程4に供して、粉砕物5から紙分の紙片を除去する。粉砕工程1に用いる粉砕装置は、公知の廃石膏ボードの粉砕装置を用いて行うことができ、分別工程4に用いる分別装置は、公知の風力を利用する分別装置を用いて紙片を除去することができる。粉砕工程と分別工程は複数回行ってもよく、図に示した例では、粉砕工程と分別工程をそれぞれ3回繰り返して行い、粒度の調整と紙片の除去を行っている。
次いで、粉砕物5をさらに紙粉末除去工程6に供する。紙粉末除去篩工程6は、粗篩工程7、上位篩工程8、下位篩工程9、10とからなる。
粗篩工程7では、粉砕物5を、粗篩11にかけて、粗い石膏の粉砕物である粗粉末12や、残った紙片、大きめの紙粉末を分級し、粗粉末を除去した後の粉砕物13を得る。
上位篩工程8と下位篩工程9、10は、粗篩11を経た粉砕物13の石膏分の粉砕物中にまだ含有されている紙粉末を、粉砕物13から分離する工程である。上位篩工程8は、粉砕物13を上位篩14にかけ、紙粉末を含有する粉砕物13を、篩い面にて渦巻き上に旋回し、集合粒子23は上位篩14の下へ排出され、紙粉末を絡ませ毛玉状として外周部へ排出する工程である。上位篩14は、目開きが0.25〜1.0mm程度が望ましい。目開きが0.25mm以下では、紙粉末の除去率は高いが、篩い目の詰まりが激しく、歩留まりが低くなる。目開きが1.0mm以上では、歩留まりは良好であるが、篩い上の滞留時間が短く、紙粉末の除去率が低くなる。さらに、歩留まりと除去率を両立できる範囲を考慮すると、この中間である0.5〜0.85mmの目開きが最も効果的である。
上位篩14の上においては、紙粉を含有する粉砕物13が上位篩面の略中心14Aに供給され、粉砕物13には水平・垂直・傾斜と云った三次元方向への回転運動が作用する。なお、振動篩い機は、紙粉末除去工程6の各篩14,20,21の下位に設置され、篩い機の中央であるモータ軸29の、上・下部のウエイトの位相角を30〜40度に制御する事により、粉体の流れが螺旋状の動き15に制御され、比較的重い粉体16は篩上の中央Cに集まり、軽い紙粉末は外側に向けて旋回し、また激しく回転するうちに、紙の繊維が絡まり毛玉を形成する。毛玉が生成すると、さらに振動、回転運動を受け易くなるため、さらに成長造粒され粗大化し、多くの紙繊維を大きな毛玉とすることができる。外側の紙の毛玉17は、篩の最も外側に設けられた仕切り18によってトラップされ、廃棄口19から排出される。
上位篩工程8の上位篩14を通過した石膏分は、さらに下位篩工程9に供せられる。下位篩工程9は、上位篩工程8と同じ範囲から選択された条件で行うのが望ましい。また、下位篩工程9,10は複数設けることもできる。篩工程の段数は多くなるほど除去率が高いが、製造工程の複雑さ、コスト、時間の面から2〜4段が適切である。図では、下位篩工程9、10の2段を設け、それぞれの下位篩20、21は上位篩14とそれぞれ同じ目開きと工程の条件とし、計3段の篩を重ねて設ける手段を用いている。
複数の篩工程を用いた紙の毛玉17の分別は、複数の段が重なった篩14,20,21に対して振動を加えると、径が目開きより極めて小さな粒子は篩の段を早く通過するが、いずれかの径が長い細長い粒子は滞留しやすいため段にとどまる時間が長く、遅く通過する。したがって、この実施の形態(1)では、小さな粒子である集合粒子23は多段の篩を通過するが、繊維状の長い粒子形状を有する細長い粒子である紙粉末の繊維は長期間篩に残留する。故に、紙の繊維は篩上の螺旋状の運動にさらされる時間が長くなるため、繊維形状が絡まり合い大きな紙の毛玉17が急速に形成される。単純に単一方向の振動のみを加える操作や、振動板や単層の篩で石膏粒子と共に振動するのみでは、こうした大きな毛玉を急速に、また石膏粉を混入せずに形成することはできない。
かくして、紙粉末除去工程6を通過し、紙粉末が除去された石膏分の粉砕物を採取することで、本発明の実施の形態(1)である廃石膏ボード由来の白線用粉体22を製造することができる。
本発明の実施の形態(2)としては、紙粉末除去工程6の上位篩工程8と下位篩工程9,10において、篩14,20,21の目開きの径を、上位から下位に従って次第に小さくなるよう設け、他は実施の形態(1)と同様の製造方法をとることができる。この場合、実施の形態(1)に比べて、分別に時間を要するためと、原料を高い精度で選別するため多量の原料を要するために、製造コストは高くなるが、紙粉末の除去率はより高くなり、また粒径のばらつきが少なくなる。
また、実施の形態(3)としては、紙粉末除去篩工程6は、円形振動篩い装置のほかの傾斜板式振動篩い、攪拌式篩い装置に規則的な脈動などを与える手段をとることができる。具体的には、ドラム式造粒機の様な回転容器にて連続的に処理する方法、皿形造粒機の様な回転運動に伴う処理においても紙粉末の造粒除去は可能であるが、実施の形態(1)における紙粉末造粒・除去の除去率が特に高い。
さらに、他の実施の形態(4)としては、粗篩として例えば円形振動篩い装置、傾斜板式振動篩い、攪拌式篩い装置等を用いて行うことができる。また、紙粉末除去篩として、例えば円形振動篩い装置、超音波式振動篩い装置等を用いて行うことができる。
以下、実施例により更に具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
新築廃材である廃石膏ボード端材100重量部を、一次の粉砕工程1にて粉砕粒度5cm以下に粉砕し、目開きが1.5cmの篩3にかけて分級した。得られた石膏分を二次の粉砕工程1にて粉砕粒度数10mm以下に粉砕し、目開き10mmの篩3にかけて分級した後、該篩3を通過した石膏分を二次の分別工程4の粉砕機にて再度石膏分と紙分の紙片とに分別した。得られた石膏分を三次の粉砕工程1にて粉砕粒度3mm以下に粉砕し、目開き3mmの篩3にかけて分級した後、該篩3を通過した石膏分を三次の分別工程4の円筒型振動篩い機にてなお再に石膏分と紙分の紙片とに分別した。かくして三次の分別工程4で得られた石膏分の粉砕物5を、粗粉末除去工程7として、目開き0.85mmの振動篩にかけて分級した。ついで該石膏分の粉砕物13を上位篩工程8と2段の下位篩工程9、10である、3段重ねの目開き0.60mmの円形振動篩い装置に順次かけて、各段の篩14,20,21において、分級と同時に石膏分の粉砕物中に含有されている紙粉末を系外に排出し、最終段の3段目の篩21を通過した白線用粉体22を実施例1として得た。この際、各段の篩における紙粉末の流れを、篩い上で滞留時間が長く、そして繊維形状の紙粉末が分離しやすいよう、振動篩い機のモータ軸29の上・下部のウエイトの位相角を30〜40度に制御し、粉砕物を渦巻き上に旋回させて、紙の毛玉17を系外に排出した。得られた目的粉体の量は65%重量部であった。
図4に、実施例1の集合粒子23の全体像の走査型電子顕微鏡写真を示す。集合粒子23の全体像は塊状であり、表面に細かい凹凸があることを示す。図5は粒子表面の拡大写真である。集合粒子23が、様々な大きさの棒状結晶24の集合であることを示す。
また図6に、比較例1として従来の白線用粉体として用いられている、塩基性塩化アルミニウム塩溶液中で製造した石膏粉末の全体像の走査型電子顕微鏡写真、図7にその粒子表面の拡大写真を示す。実施例1とは異なり、粒子表面と全体像ともに、凹凸の少ない角状の結晶からなることを示す。
なお、実施例1の粒度構成(篩い分け法による)は、表1のとおりであった。粒度分布として主に74〜850μm、特に125〜600μmの粒径によって69.1%が構成されていることを示す。
また、実施例1の白線用粉末22の平均粒子径と嵩密度は、表2のとおりであった。表2には、比較例1と、比較例2として従来用いられている炭酸カルシウム粉末の白線用粉体について、平均粒子径と嵩密度を併記した。
また、実施例1の白線用粉末22は、紙片は完全に除去されていた。図8(a)に紙粉末除去工程前の原料粉末、図8(b)に紙粉末除去後の白線用粉末22、図10に除去された紙粉末を示す。
さらに、実施例1の紙粉末の含有量の測定も行った。実施例1の白線用粉末22を規定量分取し、初期の重量を計量後、乾燥機で80℃、3時間加熱した後の重量を測定し、付着水含有率を算出した。その後、乾燥機によって200℃で3時間加熱した前後での重量を測定し、重量減少量を初期の重量で割った値を結晶水含有率とした。その後、加熱炉で500℃、3時間加熱した前後での重量を測定し、重量減少量を初期の重量で割った値を紙粉含有率とした。その結果、実施例1の紙粉末の含有量は0.65重量%であった。
また、実施例1のライン引き機からの排出量の安定性を、ライン引き機として商品名「510Nタイプ」(エバニュー社製)を用い、ボールミル用架台にライン引き機を載せ回転数60回転/分にてタイヤを回転させ排出体積を測定した、その結果は表3のとおりであった。表3には、比較例1、2について行った同様の測定の測定結果を併記した。実施例1は比較例1、2より重量が遥かに軽い(表2に示すように粒子密度が小さい)上で、同等の排出量(ライン面積)が得られることを示す。
また、実施例1と比較例2について、ライン引き機として「510Nタイプ」(エバニュー社製)を用い、ボールミル用架台にライン引き機を載せ回転数60回転/分にて、タイヤを160回転させ粉末を排出させた後、ラインを引いて、引かれたラインの均一性を比較した。図9(a)に実施例1で引いたライン、図9(b)に比較例2で引いたラインを示す。実施例1で引いたラインは、比較例2で引いたラインより、粉体の状態、ラインの濃さが均一であった。
また、実施例1、比較例1、比較例2のそれぞれ粉体1000gとライン引き機として「510Nタイプ」(エバニュー社製)を用いて、ラインを引いたところ、引くことができたラインの長さが、実施例1は196mであり、炭酸カルシウム粉末は66mであり、石膏粉末は54mであった。
以上の結果は、本発明の廃石膏ボード由来の白線用粉体が、従来のライン引き用粉体の炭酸カルシウム粉末や石膏粉末に比べて、粒子密度が小さく、単位重量当たり一層長いラインを、より均一に引くことができ、ライン引きの操作性や安定性などの性能が優れていることを示すものである。
ついで、実施例1の粉体を用い、各種のライン引き装置の構造ごとに、排出状態、引かれるラインの状態の比較を行った。供給部(粉を排出部に供給するための回転装置)、排出部(粉の排出される穴)の各種の構造を持つ装置ごとに行った。排出状態はボールミルの架台上で車輪を回転させ排出量を測定した。ラインの状態は車輪の外周長から100mの排出量を推測し、100m分の排出後にラインを引いてその状態を確認した。結果を表4に示す。
これらの結果は、本発明の粉体は供給部がブラシ・パドル、排出部がスリット・メッシュ・各種形状穴のいずれであっても、大きな問題がなく使用できることを示す。また、特に供給部がパドルタイプ、排出部がメッシュおよび穴タイプであると良好な結果を示すことが明らかとなった。
次に、供給部、排出部の構造の異なるライン引き機A,D,Eそれぞれに対して、実施例1、比較例1に対して、100mx5cmのライン引きを行った場合、10cmx10cmの面積あたりの排出量を計測した。結果を表5に示す。
実施例1の粉体は、同じライン引き機を用いた場合、排出量の体積(cm)において、従来使われている比較例1に近い値を示し、ラインの濃さは変わらないことを示している。さらに、排出量の重量(g)においては比較例1の5分の1〜3分の1以下の値を示している。これらの結果から、本発明の粉体がいずれの構造のライン引き機を用いても、従来の白線用粉体よりも遥かに少ない重量でほぼ同じ濃さのラインを引くことができ、白線用粉体として有用であることを示す。
本発明の白線用粉体を構成する集合粒子と棒状結晶を示す概略図である。 本発明の実施の形態(1)である廃石膏ボードの新築端材由来の白線用粉体の製造方法を示す概略図である。 本発明の実施の形態(1)である廃石膏ボードの新築端材由来の白線用粉体の製造方法における、上位篩工程および下位篩工程を示す概略図である。 実施例1の白線用粉体の全体像の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1の白線用粉体の拡大像の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1の白線用粉体の全体像の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1の白線用粉体の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1の紙粉末除去工程前、工程後の写真である。 実施例1の粉体で引いたラインと、従来のライン引き用粉体の炭酸カルシウム粉末で引いたラインの写真である。 紙粉末の写真である。
符号の説明
1 粉砕工程
2 廃石膏ボード
3 篩
4 分別工程
5 粉砕物
6 紙粉末除去工程
7 粗篩工程
8 上位篩工程
9、10 下位篩工程
11 粗篩
12 粗粉末
13 粗粉末除去粉砕物
14 上位篩
14A 上位篩面の略中心
15 螺旋状の動き
16 重い粉体
17 紙の毛玉
18 仕切り
19 排気口
20、21 下位篩
22 白線用粉体
23 集合粒子
24 棒状結晶
25 空隙
26 外縁部
27 末端
28 隅
29 モータ軸
C 篩上の中央

Claims (6)

  1. 廃石膏ボードの新築端材を粉砕して生じた粉砕物から上記廃石膏ボードを被覆する原紙に起因する紙片及び紙粉末を除去して得られた粉体であって、前記粉体は、幅0.3〜2.0μmで長さ1.0〜10μmの棒状結晶が集合して、主となる構成粒子径が100〜1000μmで粒子密度が0.70〜1.20g/cmの集合粒子で構成されていることを特徴とする廃石膏ボード由来の白線用粉体。
  2. 前記集合粒子は、略々球状体を呈し、前記球状体の表面には棒状結晶が突出していることを特徴とする廃石膏ボード由来の白線用粉体。
  3. 前記粉体は、平均粒子径が125〜850μmで、ラインを引いた場合に10cm×10cmのライン面積あたりの重量が0.8〜4.8gであることを特徴とする請求項1記載の廃石膏ボード由来の白線用粉体。
  4. 廃石膏ボードの新築端材を粉砕する粉砕工程と、該粉砕工程で得られた粉砕物を石膏分と紙分の紙片とに分別する分別工程と、該分別工程を通過した前記粉砕物に対して、水平・垂直・傾斜と云った三次元の回転運動を有する振動機構を持つ篩によって石膏分の集合粒子が通過し紙分の紙粉末が滞留する上位篩工程と、該上位篩工程の下位に設置され上位篩工程を通過した前記粉砕物に対して水平・垂直・傾斜と云った三次元の回転運動を有する振動機構を持つ篩によって石膏分の集合粒子が通過し紙分の紙粉末が滞留する下位篩工程とを備えることを特徴とする廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法。
  5. 請求項4記載の廃石膏ボード由来白線用粉体の製造方法において、目開きが1000〜250μmで、上下複数段の目開きが同一であることを特徴とする廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法。
  6. 請求項4記載の廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法において、目開きが1000〜250μmで、上下複数段の目開きが下位に向けて小さくなることを特徴とする廃石膏ボード由来の白線用粉体の製造方法。


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