JP2009218384A - 基板処理装置および有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法 - Google Patents

基板処理装置および有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】設置や処理順の変更に多大な手間や時間を必要としない基板処理装置、および有機EL装置の製造方法を提供する。
【解決手段】有機EL装置などを製造するための基板処理装置において、固定チャンバ15b、15dを接続する基板搬送室32の内部には、一対のローラ54a、54bの間にベルト53が張架され、かかるベルト53には基板搭載部51が一体に構成されている。ローラ54a、54bを回転させると、ベルト53と一体に基板搭載部51も移動する。このため、ベルト53を急加速あるいは急減速した場合でも、基板搭載部51の位置がずれないので、被処理基板1を高速搬送することができる。また、基板搬送室32の内部から外部に引き出す回転軸54c、54dの本数が少ない。
【選択図】図4

Description

本発明は、大気と異なる雰囲気下で被処理基板を処理する基板処理装置、および有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence)装置(以下、有機EL装置という)、液晶装置、半導体装置などを製造する際に用いられる基板処理装置は、被処理基板に処理を施す複数のチャンバを有している(例えば、特許文献1参照)。
かかる基板処理装置において、被処理基板を基板搬送室を介して搬送する場合には、例えば、図6(a)、(b)に平面構成および縦断面を模式的に示すように、基板搬送室1032の内部に対して、被処理基板1の搬送方向(矢印Bで示す方向)に複数本のローラ1054を並列するように配置しておき、これらのローラ1054を回転させることにより、被処理基板1を搭載したトレイ1051をローラ上で移動させていく方式が採用されることが多い。かかる基板搬送機構の場合には、複数のローラ1054を各々駆動する必要があるため、ローラ1054の回転軸1056を基板搬送室1032の外部まで引き出し、基板搬送室1032の外部で回転軸1056と駆動装置1055とを伝達機構1057を介して接続した構成となる。なお、図6に示す基板搬送室1032の構成は、本発明の特徴を説明するために本願発明者が案出したものであり、従来技術とは相違する。
特開2006− 190894号公報
しかしながら、図6(a)、(b)に示す基板搬送機構の場合、トレイ1051がローラ1054上を移動するため、急激な加速や減速を行なうと、トレイ1051の位置がずれてしまうので、被処理基板1の高速搬送が行なえないという問題点がある。また、チャンバ1013を大気と異なる雰囲気、例えば、真空雰囲気や不活性ガス雰囲気に保持するには、基板搬送室1032も大気と異なる雰囲気に保持しておくことが好ましいが、図6(a)、(b)に示す基板搬送機構の場合には、多数本の回転軸1056を基板搬送室1032の壁面を貫通させる必要があるため、貫通部分が多く、貫通部分での漏れを完全に防止するのに多大な設備費用がかかるという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、基板搬送室内で被処理基板を高速搬送するこことのできる基板処理装置を提供することにある。
また、本発明の課題は、基板搬送室内を大気と異なる雰囲気に保持するのに適した基板処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、大気と異なる雰囲気に保持される複数のチャンバと、前記複数のチャンバを接続する1乃至複数の基板搬送室とを備えた基板処理装置において、前記基板搬送室の内部には、前記被処理基板の搬送方向で離間する一対のローラと、該一対のローラの間に張架されて前記被処理基板の搬送方向に移動するベルトと、該ベルトと一体に構成され、当該ベルトにより牽引される基板搭載部とが設けられていることを特徴とする。
本発明を適用した基板処理装置において、基板搬送室の内部には、一対のローラの間にベルトが張架され、かかるベルトには基板搭載部と一体に構成されているため、ローラを回転させると、ベルトと一体に基板搭載部も移動する。このように、基板搭載部はベルトと一体化しているため、ベルトを急加速あるいは急減速した場合でも、基板搭載部の位置がずれないので、被処理基板を高速搬送することができる。
本発明は、前記基板搬送室が大気と異なる雰囲気に保持される場合に適用すると特に効果的である。すなわち、被処理基板を搭載したトレイなどの基板搭載部をローラ搬送する場合、基板の搬送方向に配列した複数本のローラの各々から回転軸を基板搬送室の外部まで引き出す必要があるが、本発明によれば、最低2本のローラでよいため、基板搬送室の内部から外部に引き出す回転軸の本数が少ない。従って、基板搬送室を気密状態に構成するのが容易である。
本発明において、前記ローラは、前記基板搬送室の外部に配置された駆動装置により駆動されることが好ましい。このように構成すると、駆動装置から発生する異物によって基板搬送室が汚染されることを防止することができる。
本発明において、前記ベルトは、両端部が前記一対のローラに固定された有端ベルトであり、前記ローラは、双方向に回転して前記ベルトを双方向に駆動可能であることが好ましい。このように構成すると、無端ベルトを用いた場合と比較して、ローラとベルトとの位置ずれが発生しにくいので、被処理基板の位置精度が高いという利点がある。
本発明において、前記ベルトは、ステンレス等の金属製であることが好ましい。このように構成すると、ベルトの寿命が長いという利点がある。
本発明において、前記基板搬送室の内部には、前記基板搭載部の姿勢および移動経路を規定するガイドが配置されていることが好ましい。かかるガイドは、レール状に延在していることが好ましい。このように構成すると、ベルトの延在方向の途中位置にガイドローラなどを配置しなくても、前記基板搭載部の姿勢や移動経路を高い精度で制御することができる。
本発明では、大気と異なる雰囲気に保持される複数のチャンバと、前記複数のチャンバを接続する1乃至複数の基板搬送室とを備えた基板処理装置において被処理基板に複数の処理を順次行なう有機EL装置の製造方法において、前記1乃至複数の基板搬送室の内部に、前記被処理基板の搬送方向で離間する一対のローラと、該一対のローラの間に張架されて前記被処理基板の搬送方向に移動するベルトと、該ベルトと一体に構成され、当該ベルトにより牽引される基板搭載部とを設けておき、前記ベルトを移動させることにより、前記被処理基板を前記基板搭載部に搭載した状態で前記基板搬送室内を搬送することを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。なお、本発明を適用した基板処理装置を説明する前に、当該基板処理装置を用いて製造される各種電気光学装置や半導体装置の一例として、有機EL装置の構成およびその製造方法を説明しておく。
[有機EL装置の概要説明]
(有機EL装置の構成)
図1(a)、(b)は各々、本発明を適用した有機EL装置の平面的な構成を各構成要素と共に第2基板側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。なお、図1(b)にはカラーフィルタ層などの図示を省略してある。
図1(a)、(b)において、本形態の有機EL装置100では、素子基板としての第1基板110と、封止基板およびカラーフィルタ層基板の双方の機能を担う第2基板120とを備えており、第1基板110において、複数の有機EL素子180が形成されている面側に第2基板120が重ねて配置されている。
第1基板110と第2基板120とは、第1シール材層191および第2シール材層192によって貼り合わされている。かかる第1シール材層191および第2シール材層192の詳細な構成は後述するが、第1シール材層191は、図1(a)にドットを密に付した領域で示してあるように、画素領域110aの周りを囲む周辺領域110cに沿って枠状に形成されている。これに対して、第2シール材層192は、図1(a)にドットを疎に付した領域で示してあるように、第1シール材層191で囲まれた領域の全体にわたって形成されている。なお、第1基板110において、第2基板120からの張り出し領域には端子102が形成されている。また、第1基板110において、周辺領域110cや、画素領域110aと周辺領域110cとに挟まれた領域を利用してデータ線駆動回路や走査線駆動回路(図示せず)が形成されている。
(有機EL素子の構成)
図2は、本発明を適用した有機EL装置の細部の断面構成を模式的に示す断面図である。なお、図2には、有機EL素子として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応する3つの有機EL素子のみを示してある。
図2に示すように、第1基板110は、石英基板、ガラス基板、セラミック基板、金属基板などからなる支持基板110dを備えている。支持基板110dの表面には、絶縁膜111、112、113、114、115が形成され、絶縁膜115の上層に有機EL素子180が形成されている。本形態において、絶縁膜111、112、113、115は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成された酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などから形成され、絶縁膜114は、厚さが1.5〜2.0μmの厚い感光性樹脂からなる平坦化膜として形成されている。絶縁膜111は下地絶縁層であり、図示を省略するが、絶縁膜111、112、113、114の層間などを利用して、有機EL素子180に対する通電を制御する薄膜トランジスタや配線が形成されている。
本形態の有機EL装置100は、トップエミッション型であり、矢印L1で示すように、支持基板110dからみて有機EL素子180が形成されている側から光を取り出すので、支持基板110dとしては、アルミナなどのセラミックス、ステンレススチールなどといった不透明な基板を用いることができる。また、絶縁膜114、115の層間には、真空蒸着法などにより形成されたアルミニウム、銀、それらの合金からなる光反射層141が形成されており、有機EL素子180から支持基板110dに向けて出射された光を光反射層141で反射することにより、光を出射可能である。なお、有機EL装置100をボトムエミッション型で構成した場合、支持基板110dの側から光を取り出すので、支持基板110dとしては、ガラスなどの透明基板が用いられる。
第1基板110では、絶縁膜115の上層にITO膜などからなる第1電極層181(陽極/画素電極)が島状に形成されており、第1電極層181の上層には、発光領域を規定するための開口部を備えた感光性樹脂などからなる厚い隔壁151が形成されている。
第1電極層181の上層には、有機機能層182および第2電極層183(陰極)が積層されており、第1電極層181、有機機能層182および第2電極層183によって、有機EL素子180が形成されている。本形態において、有機機能層182および第2電極層183は、隔壁151が形成されている領域も含めて、画素領域110aの全面にわたって形成されている。
本形態において、有機機能層182は、トリアリールアミン(ATP)多量体からなる正孔注入層、TPD(トリフェニルジアミン)系正孔輸送層、アントラセン系ドーパントやルブレン系ドーパントを含むスチリルアミン系材料(ホスト)からなる発光層、アルミニウムキノリノール(Alq3)からなる電子注入層をこの順に積層した構造を有しており、その上層にMgAgなどの薄膜金属からなる第2電極層183が形成されている。また、有機機能層182と第2電極層183との間には、LiFからなる電子注入バッファ層が形成されることもある。これらの材料のうち、有機機能層182を構成する各層、および電子注入バッファ層は、真空蒸着法で順次形成することができる。また、第2電極層183などを構成する金属系材料については真空蒸着法により形成でき、第1電極層181を構成するITOなどの酸化物材料についてはECRプラズマスパッタ法やプラズマガン方式イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタ法などの高密度プラズマ成膜法により形成することができる。
本形態において、有機EL素子180は、白色光、または赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の混合色光を出射する。このため、有機EL装置100では、第2基板120において、有機EL素子180と対向する位置に形成した赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルタ層122(R)、(G)、(B)によって色変換を行なうことにより、フルカラー表示を行なう。このため、第2基板120には、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどプラスチック基板や、ガラス基板などからなる透光性の支持基板120dに、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルタ層122(R)、(G)、(B)、カラーフィルタ層122(R)、(G)、(B)の間で光の漏洩を防止するための遮光層123(ブラックマトリックス層)、透光性の平坦化膜124、酸窒化シリコン層などからなる透光性のガスバリア層125がこの順に形成されている。本形態において、カラーフィルタ層122(R)、(G)、(B)、遮光層123、平坦化膜124、およびガスバリア層125は、第2基板120の画素領域110aのみに形成され、周辺領域110cには形成されていない。このため、第2基板120の周辺領域110cでは、支持基板120dが露出している。カラーフィルタ層122(R)、(G)、(B)は、透明バインダー層に顔料または染料が混合されている層であり、遮光層123は、黒色顔料を含んだ樹脂からなる。
(封止構造)
このように構成した有機EL装置100において、有機機能層182、陰極として用いた第2電極層183、電子注入層などは、水分により劣化しやすく、かかる劣化は、電子注入効果の劣化を惹き起こし、ダークスポットと呼ばれる非発光部分を発生させてしまう。そこで、本形態では、第2基板120を封止基板として第1基板110と貼り合せた構成と、第1基板110に対して以下に説明する封止膜160を形成した構成とを併用する。
まず、第1基板110には、第2電極層183の上層に画素領域110aよりも広い領域にわたって封止膜160が形成されている。かかる封止膜160として、本形態では、第2電極層183上に積層されたシリコン化合物層からなる第1層161、この第1層161上に積層された樹脂層からなる第2層162、およびこの第2層162上に積層されたシリコン化合物からなる第3層163を備えた積層膜が用いられている。第1層161および第3層163は、高密度プラズマ源を用いた高密度プラズマ気相成長法、例えば、ブラズマガン方式イオンプレーティング、ECRプラズマスパッタ、ECRプラズマCVD、表面波プラズマCVD、ICP−CVDなどを用いて成膜された窒化シリコン(SiNx)膜や酸窒化シリコン(SiOxy)膜などから構成されており、かかる薄膜は、低温で成膜しても水分を確実に遮断する高密度ガスバリア層として機能する。第2層162は、樹脂層から構成されており、隔壁151や配線などに起因する表面凹凸を平坦化して第1層161および第2層162にクラックが発生するのを防止する有機緩衝層として機能している。
本形態では、封止膜160を構成する第1層161および第3層163は、画素領域110a、画素領域110aの近傍領域、および画素領域110aから離れた周辺領域110cの全てを含む第1基板110の全面に形成されている。これに対して、第2層162(有機緩衝層)は、画素領域110a、および画素領域110aの近傍領域のみに分厚く形成され、画素領域110aから離れた周辺領域110cには形成されていない。また、絶縁膜114、115は概ね、画素領域110aのみ形成されている。
次に、本形態では、図1(a)、(b)および図2に示すように、第1基板110と第2基板120との間では、周辺領域110cに沿って第1シール材層191が矩形枠状に形成されている。また、第1シール材層191で囲まれた領域の全体にわたって透光性の第2シール材層192が形成され、第1基板110と第2基板120とは、第1シール材層191および第2シール材層192によって貼り合わされている。本形態において、第1シール材層191(第1シール材191a)には、紫外線によって硬化するエポキシ系接着剤が用いられている。第2シール材層192(第2シール材192a)には、熱によって硬化するエポキシ系接着剤が用いられている。
(製造方法)
図1(a)、(b)および図2を参照して、本形態の有機EL装置100の製造方法を説明する。本形態の有機EL装置100を製造するにあたっては、第1基板110および第2基板120を単品サイズの大きさの状態で貼り合せる方法の他、第1基板110および第2基板120を多数取りできる大型基板の状態で貼り合わせ、その後、大型基板を単品サイズの大きさに切断する方法を採用することもある。これらのいずれの方法を採用しても、基本的な構成は同一であるので、以下の説明では、単品サイズおよび大型基板にかかわらず、第1基板110および第2基板120として説明する。
まず、真空蒸着法やCVD法などを利用して第1基板110に有機EL素子180や封止膜160などを形成する。次に、第1シール材塗布工程においては、窒素雰囲気中でディスペンサ描画、スクリーン印刷法、マイクロピエゾヘッドを用いたインクジェット法などにより、第1基板110に対して、第1基板110の周辺領域110cに沿うように、前記した光硬化性のエポキシ樹脂材料からなる第1シール材191aを1mm以下の狭い幅寸法に塗布する。その際、第1シール材191aを1mm以下の狭い幅寸法に塗布するという観点から、第1シール材191aの塗布時の粘度は、室温で2万〜20万mPa・s程度が好ましく、4〜10万mPa・s程度がさらに好ましい。
次に、第2シール材塗布工程においては、窒素雰囲気中でディスペンサ描画、スクリーン印刷法、マイクロピエゾヘッドを用いたインクジェット法などにより、第1基板110において、第1シール材191a囲まれた領域内に、前記した熱硬化性のエポキシ樹脂材料からなる第2シール材192aを塗布する。かかる第2シール材192aは、ベタ状、ドット状、ストライプ状などのパターンに塗布される。第2シール材192aの塗布時の粘度は、薄膜でかつ充填性を上げるという観点から、500mPa・s以下、さらには300mPa・s以下であることが好ましい。
次に、重ね合わせ工程においては、真空度1Pa程度の減圧雰囲気中で、第1シール材191aおよび第2シール材192aを間に挟むように、第1基板110と第2基板120とを重ね合わせる。その際、約600N程度の力で第2基板120を第1基板110に向けて加圧し、この状態を約200秒保持する。かかる重ね合わせ工程では、まず、第1シール材191aが第2基板120に接触して内側が密閉され、その後、第1基板110と第2基板120と間で第2シール材192aが展開する。
次に、常圧に戻すと、大気圧によって加圧されたのと同様な状態になるので、第1基板110と第2基板120との間で第2シール材192aが隅々まで展開し、第2シール材192aの充填性が向上する。その際、第1シール材191aは、第2シール材192aに対するバンクとして機能する。このため、減圧状態から常圧に戻した際に大気圧によって加圧されたのと同様な状態になっても、第2シール材192aは、第1シール材191aによって堰き止められる。なお、第1基板110と第2基板120との間には、それらの間に介在する第1シール材191aおよび第2シール材192aによって所定の間隙が確保される。また、第1シール材191aにビーズ状あるいはファイバー状のギャップ材を添加しておき、これらのギャップ材によって、第1基板110と第2基板120との間に間隙を確保してもよい。
次に、硬化工程では、第1基板110または/および第2基板120の側から第1シール材191aに対して30mW/cm2程度のパワーで2000mJ/cm2程度の光量の紫外線を照射して第1シール材191aを選択的に硬化させて、第1シール材層191を形成する。次に、第1シール材層191によって貼り合わされた第1基板110と第2基板120とをホットプレート上に配置した状態で60〜100℃の加熱を行い、第1基板110と第2基板120との間で第2シール材192aを隅々まで行き渡らせながら第2シール材192aを硬化させ、第2シール材層192を形成する。このようにして、第1基板110と第2基板120とを第1シール材層191および第2シール材層192によって貼り合わせた構造とする。
なお、上記形態では、有機機能層182を画素領域110aの全面に形成した例を説明したが、隔壁151で囲まれた領域内にインクジェット法などで有機機能層を選択的に塗布した後、定着させて、第1電極層181の上層に正孔注入層および発光層からなる有機機能層が形成された有機EL装置に発明を適用してもよい。この場合、正孔注入層には、3、4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)などが用いられ、発光層には、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料にペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、1910−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープした材料などが用いられる。
図1および図2を参照して説明したように、有機EL装置は、真空雰囲気(減圧雰囲気)や窒素雰囲気など、大気と異なる状態での複数の処理により製造される。そこで、本形態では、図3に示すように、基板処理装置を構成してある。
図3は、本発明を適用した基板処理装置の構成を示す模式平面図である。図3に示すように、基板処理装置11は、被処理基板1を備えた有機EL装置、液晶装置、半導体装置などの製造に用いられる装置であり、クラスタ型の処理ステーション13a〜13fを複数有している。また、基板処理装置11は、複数の処理ステーション13a〜13fと連通可能に接続された基板搬送エリア14を備えている。従って、有機EL装置を製造する場合、被処理基板1としての素子基板110(図1および図2参照)に対し、真空雰囲気下でのCVD法、スパッタ法、蒸着法などを用いた各膜の形成工程、フォトリソグラフィ技術を利用したパターニング工程、窒素雰囲気下での有機膜の封止工程、窒素雰囲気下でのインクジェット技術を利用した印刷工程などの処理を行なうことができる。
また、第2処理ステーション13bの第2固定チャンバ15bにおいて、8つの辺部20のうち1つの辺部20には、被処理基板1を第2処理ステーション13bから第4処理ステーション13dに直接搬送する直通の基板搬送室32が接続されており、かかる直通の基板搬送室32は、第4処理ステーション13dにおいて、第4固定チャンバ15dの8つの辺部20のうち1つの辺部20に接続されている。また、第4固定チャンバ15dにはアンロード室33が存続されている。なお、固定チャンバ15b、15dにおいて、直通の基板搬送室32と接続されている辺部20には、図示しないゲートバルブが設けられており、かかるゲートバルブを閉状態から開状態にすることにより、被処理基板1を第2固定チャンバ15bから第4固定チャンバ15dに直接搬送することができる。従って、処理の内容によっては、例えば、第2固定チャンバ15bに被処理基板1を搬入するときは搬送チャンバ23を使用し、第2固定チャンバ15bから第4固定チャンバ15dに被処理基板1を搬出するときには直通の基板搬送室32を使用することができる。よって、直通の基板搬送室32で搬送している被処理基板1とは別の被処理基板1を、搬送チャンバ23によって他の固定チャンバ15に搬送することができる。
以下、複数の処理ステーション13a〜13fのうち、第1処理ステーション13aを中心に具体的に説明する。
第1処理ステーション13aは、大気と異なる雰囲気の第1固定チャンバ15aを備えている。第1固定チャンバ15aの周囲には、大気と異なる雰囲気中で被処理基板1に所望の処理を施すための処理チャンバ16が複数配置されている。被処理基板1は、大気と異なる雰囲気下での処理が連続的に行われるため、複数の処理チャンバ16間や複数の処理ステーション13間で搬送される。その他の処理ステーション13b〜13fも同様な構成を備えている。
ここで、第1処理ステーション13aは、真空雰囲気の第1固定チャンバ15aを備えており、例えば、10-5Paの真空雰囲気に設定されている。第1固定チャンバ15aは、例えば、8つの辺部20を有する正八角形の平面形状に形成されている。具体的には、各辺部20は、互いに135°の内角をもって連なっている。このように、第1固定チャンバ15aが、正八角形の平面形状を有していることにより、辺部20の数を多くすることが可能となり、辺部20に対して多くの処理チャンバ16を接続することができる。
第1固定チャンバ15aの中央付近には、基板搬送ロボット17が配置されている。基板搬送ロボット17は、被処理基板1の搬送、取り上げ、載置などを行なうアーム18を備えている。また、第1固定チャンバ15aや処理チャンバ16には、真空雰囲気にするための真空引き装置(図示せず)が接続されている。
また、8つの辺部20のうち1つの辺部20には、例えば、被処理基板1を外部から基板処理装置11内に搬入するロード室19が接続されている。8つの辺部20のうち4つの辺部20には、処理チャンバ16が接続されている。4つの辺部20には、辺部20を開状態又は閉状態に切り換えるゲートバルブ(図示せず)が設けられている。また、8つの辺部20のうち基板搬送エリア14側の1つの辺部20(基板の受け渡し口)は、ゲートバルブ21(第1ゲートバルブ)を介して基板搬送エリア14と連通可能に接続されている。
他の処理ステーション13b〜13fは、上記した第1処理ステーション13aと同様の構成となっている。但し、本形態では、第1処理ステーション13a〜第3処理ステーション13cは、真空雰囲気で被処理基板1に処理を行ない、第4処理ステーション13d〜第6処理ステーション13fは、不活性ガス雰囲気中、例えば、窒素雰囲気中で被処理基板1に処理を行なう。このため、第1処理ステーション13a〜第3処理ステーション13cには、固定チャンバ15a〜15cや処理チャンバ16を真空引きするためのポンプなどが構成されている一方、第4処理ステーション13d〜第6処理ステーション13fには、固定チャンバ15d〜15fおよび処理チャンバ16を窒素ガスで置換するための真空ポンプおよび窒素ガス供給装置が構成されている。なお、第6処理ステーション13fは、例えば、第1固定チャンバ15aの8つの辺部20のうち1つの辺部20に、被処理基板1を基板処理装置11から外部に搬出するアンロード室22が接続されている。
基板搬送エリア14は、略長方形に形成されており、基板搬送エリア14を挟む両側で固定チャンバ15a〜15fの8つの辺部20のうち1つの辺部20が接続されている。ここで、基板搬送エリア14には、被処理基板1を搬送する搬送チャンバ23と、搬送チャンバ23を移動させる搬送基台24と、搬送基台24を基板搬送エリア14の長辺方向に沿って案内する搬送レールとしての搬送ガイド25(基板搬送路)とが配置されている。この搬送ガイド25によって、搬送チャンバ23を長辺方向に往復移動させることができる。搬送チャンバ23において、固定チャンバ15a〜15fとの基板の受け渡し口にはゲートバルブ26(第2ゲートバルブ)が取り付けられている。
基板搬送エリア14は、搬送チャンバ23にゴミなどが付着しないように、クリーン度の高い雰囲気に設定されている。これにより、基板搬送エリア14内へのゴミの侵入を抑え、搬送チャンバ23と各固定チャンバ15a〜15fとがゲートバルブ21、26を介して密着した場合でも、ゴミを巻き込むようなことを防ぐことができる。
搬送チャンバ23は、内部が真空雰囲気や窒素雰囲気(不活性ガス雰囲気)に設定されており、被処理基板1を載置するテーブル(図示せず)が設けられている。
搬送基台24には、搬送チャンバ23の中を真空雰囲気や窒素雰囲気(不活性ガス雰囲気)にするための真空ポンプ27(例えば、ドライポンプ)や窒素ガス供給装置(図示せず)が取り付けられている。但し、搬送チャンバ23の中を真空雰囲気にするための真空ポンプ27のみが取り付けられることもある。
搬送チャンバ23は、搬送基台24を固定台として、法線を軸に回転させることが可能となっている。具体的には、例えば、180°の範囲で回動させることが可能となっている。より具体的には、例えば、90°間隔で回動するようになっている。これにより、搬送チャンバ23の姿勢は、固定チャンバ15a〜15fとの基板受け渡し口が位置する方向が、固定チャンバ15a〜15fが位置する側に向いた姿勢と、搬送ガイド25および基板搬送エリア14が延在している側に向いた姿勢との間で切り換えられ、基板搬送エリア14の周囲に配置された処理ステーション13a〜13f(固定チャンバ15a〜15f)との間で被処理基板1の授受を行なうことができる。
更に、搬送チャンバ23は、搬送基台24を固定台として、各固定チャンバ15a〜15fが配置されている方向(図3における上下方向)に往復移動することが可能に設けられている。これにより、搬送チャンバ23のゲートバルブ26と、第1処理ステーション13aのゲートバルブ21とを密着させることが可能となり、搬送チャンバ23と各固定チャンバ15a〜15fとの間で被処理基板1を行き来させることができる。
搬送ガイド25は、例えば、凸状に形成されており、第1処理ステーション13a側から第5処理ステーション13e側に延びて形成されている。また、搬送基台24には凹状の窪みが形成されており、凸状の搬送ガイド25と凹状の搬送基台24とが摺動可能に合わさって配置されている。つまり、搬送ガイド25を案内にして搬送基台24を移動させることにより、搬送チャンバ23を容易に固定チャンバ15a〜15fの位置に移動させることができる。
第1固定チャンバ15aと基板搬送エリア14との位置関係は、第1固定チャンバ15aのゲートバルブ21と搬送チャンバ23のゲートバルブ26とが密着できると共に、真空雰囲気中で被処理基板1を搬送できればよく、例えば、基板搬送エリア14から第1固定チャンバ15aの配置位置が離れていてもよい。つまり、接続部分だけ規定の精度で密着できるようにしておけばよい。また、ゲートバルブ21、26が上記した位置関係を満足していれば、固定チャンバ15a〜15fの位置が互いにずれていてもよい。
(基板搬送室32の構成)
図4(a)、(b)は各々、本発明を適用した基板処理装置に構成した基板搬送室の平面構成および断面構成を模式的に示す説明図である。
図3に示す基板処理装置11においては、図4(a)、(b)に示すように、第2処理ステーション13bの第2固定チャンバ15bと、第4処理ステーション13dの第4固定チャンバ15dとを接続する基板搬送室32は、上壁32c、底壁32dおよび側壁32a、32bにより囲まれた空間であり、真空雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気等、大気と異なる雰囲気に保持されている。
このような基板搬送室32において、第2固定チャンバ15bから第4固定チャンバ15dに基板を搬送するにあたって、まず、基板搬送室32の内部には、被処理基板1の搬送方向(矢印Bで示す方向)で離間する一対のローラ54a、54bが配置されているとともに、一対のローラ54a、54bの間にはベルト53が張架されている。ベルト53は、ステンレス等からなる金属製のベルトであり、ベルト53の上面にはレイ状の基板搭載部51が固定されている。ベルト53としては、単板の他、積層板や金属メッシュを多層にしたものなどを用いることもできる。いずれの場合も、ベルト53として金属製のものを用いれば、寿命が長いという利点がある。なお、金属製のものと同等の特性を得ることができる場合には、ベルト53を他の材質により構成してもよい。
本形態において、ベルト53は、両端部が一対のローラ54a、54bに固定された有端ベルトである。また、ベルト53は、長さ方向の途切れ部分の2つの端部が、基板搭載部51の下面で突出する連結部51eに接続されている。また、基板搬送室32では、基板搭載部51の下方位置には、被処理基板1の搬送方向に向かって左右一対のガイドレール52が延在しており、かかるガイドレール52は、基板搭載部51の連結部51eを左右両側から挟むように配置されている。このため、下流側のローラ54bが、矢印A1で示すように回転すると、ベルト53は、被処理基板1の搬送方向に移動し、それに伴って、基板搭載部51も被処理基板1の搬送方向に移動する。これに対して、上流側のローラ54aが、矢印A2で示すように回転すると、ベルト53は、被処理基板1の搬送方向とは逆方向に移動し、それに伴って、基板搭載部51も被処理基板1の搬送方向とは逆方向に移動する。その間、ガイドレール52は、基板搬送室32の姿勢および移動経路を制御する。
かかる駆動を行なうために、本形態では、ローラ54a、54bの回転軸54c、54dは、側壁32aを貫通して基板搬送室32の外部まで引き出されており、かかる側壁32aにおいて、2本の回転軸54c、54dの貫通部分には所定のシールが施されている。また、基板搬送室32の外部では、回転軸54c、54dの各々に対して、モータを備えた駆動装置55a、55bが接続されている。
ここで、基板搭載部51の底部には4つの貫通穴51bが形成されている。また、基板搬送室32の底壁32dには、基板搭載部51が最も第2固定チャンバ15bに接近した状態で貫通穴51bに重なる位置に4つの貫通穴32eが形成されており、かかる4つの貫通穴32eの内部には、貫通穴32eを塞ぐように4本の昇降ピン57が配置されている。また、基板搬送室32の底壁32dには、基板搭載部51が最も第4固定チャンバ15dに接近した状態で貫通穴51bに重なる位置にも4つの貫通穴32fが形成されており、かかる4つの貫通穴32fの内部には、貫通穴32fを塞ぐように4本の昇降ピン58が配置されている。かかる昇降ピン57、58は、後述するように、貫通穴32e、32fの内部で上下方向に移動し、第2固定チャンバ15b内の基板搬送ロボット17と基板搭載部51との間、および基板搭載部51と第4固定チャンバ15d内の基板搬送ロボット17との間で基板を授受する際に用いられる。
(基本的な搬送動作)
次に、基板処理装置11の基本的な搬送動作について、図3を参照しながら説明する。なお、本形態の基板処理装置11は、例えば、第1処理ステーション13aから第6処理ステーション13fまで順に処理を行っていくものとする。
まず、被処理基板1を、ロード室19を介して基板処理装置11内に搬入する。次に、第1処理ステーション13aにおいては、真空雰囲気中で被処理基板1に所望の処理を施す。被処理基板1は、基板搬送ロボット17によって、ロード室19から処理チャンバ16に搬送される。また、各処理チャンバ16間の搬送も基板搬送ロボット17が行う。
次に、被処理基板1を、第1処理ステーション13aから基板搬送エリア14内の搬送チャンバ23に搬送する。まず、搬送チャンバ23を第1処理ステーション13aに近い位置まで移動させる。なお、予め第1処理ステーション13aの位置に待機させておくようにしてもよい。また、搬送チャンバ23を移動させる際、ゲートバルブ26が基板搬送エリア14に接触しないよう、ゲートバルブ26が基板搬送エリア14の長手方向側に向くように搬送チャンバ23を回転させておくことが好ましい。いずれの場合も、第1処理ステーション13aは真空雰囲気になっているので、搬送チャンバ23内を真空雰囲気にしておく。
次に、ゲートバルブ26が第1処理ステーション13aの方向に向くように搬送チャンバ23を回転させ、その後、搬送チャンバ23を第1固定チャンバ15aの方向に移動させて、第1固定チャンバ15aのゲートバルブ21と搬送チャンバ23のゲートバルブ26とを密着させる。
次に、ゲートバルブ21、26を閉状態から開状態にして、第1固定チャンバ15aと搬送チャンバ23とを連通させる。そして、基板搬送ロボット17を用いて、第1固定チャンバ15aから搬送チャンバ23に処理が施された被処理基板1を搬送し、図示しないテーブルに被処理基板1を載置する。被処理基板1を搬送した後、ゲートバルブ21、26を開状態から閉状態にする。
次に、被処理基板1を第2処理ステーション13bに搬送する。まず、搬送チャンバ23を第2固定チャンバ15b側に移動させ、その後、ゲートバルブ26が第2処理ステーション13bの方向に向くように搬送チャンバ23を回転させる。そして、搬送チャンバ23を第2処理ステーション13b側に移動させて、搬送チャンバ23のゲートバルブ26と第2処理ステーション13bのゲートバルブ21とを密着させる。ここで、第2処理ステーション13bでは、真空雰囲気中で被処理基板1に処理を行なうため、搬送チャンバ23内を真空雰囲気にしておく。
次に、ゲートバルブ21、26を閉状態から開状態にして、第2固定チャンバ15bと搬送チャンバ23とを連通させる。そして、基板搬送ロボット17を用いて、搬送チャンバ23から第2固定チャンバ15bに被処理基板1を搬送し、更に、被処理基板1を第2処理ステーション13bの処理チャンバ16に搬送する。被処理基板1を搬送した後、ゲートバルブ21、26を開状態から閉状態にする。
以下、同様の方法によって、第2処理ステーション13bから第6処理ステーション13fまで被処理基板1を搬送し、被処理基板1に処理を施す。そして、第6処理ステーション13fの処理が終了した後、アンロード室22から被処理基板1を取り出す。
その間、第4処理ステーション13dから第6処理ステーション13fでは、窒素雰囲気中で被処理基板1に処理を行なうため、固定チャンバ15d〜15fおよび処理チャンバ16は窒素雰囲気になっている。このため、第4処理ステーション13dから第6処理ステーション13fの固定チャンバ15d〜15fと、搬送チャンバ23との間で被処理基板1の授受を行う際には、搬送チャンバ23の内部については、真空雰囲気あるいは窒素雰囲気にしておく。
このように構成した基板処理装置11によれば、処理可能な状態に立ち上げるまでの時間を短縮できる効果に加えて、例えば、開発や試作段階における様々な条件出し、様々な処理順番で処理を行うような場合に効果を得ることができる。すなわち、本形態の基板処理装置11では、基板搬送エリア14と各固定チャンバ15a〜15fのそれぞれとが連通可能に接続されているので、基板処理装置11を立ち上げる際、搬送ガイド24(基板搬送路)および基板搬送エリア14を基準に複数の固定チャンバ15a〜 15fを同時に接続させていくことが可能となり、立ち上げ時間を早くすることができる。
また、搬送チャンバ23が移動して各固定チャンバ15a〜15fに被処理基板1を搬送するので、各固定チャンバ15a〜 15fを処理順に並べる必要がなく、これにより、新しく工程を追加したい場合、基板搬送エリア14に新たな固定チャンバ15を接続するだけで対応できる。また、接続する固定チャンバ15以外は、作業を停止しなくても対応できるので、生産性が低下することを抑えることができる。更に、工程順を変えたい場合、搬送チャンバ23の搬送順序を変えるだけで対応することができるので、他の固定チャンバ15に悪影響を与えることなく対応することが可能となり、生産性を向上させることができる。
さらに、真空雰囲気とされる第1処理ステーション13aから第3処理ステーション13cの固定チャンバ15a〜15cと搬送チャンバ23との間で被処理基板1の授受を行う際には、搬送チャンバ23の内部については真空雰囲気にしておき、窒素雰囲気とされる第4処理ステーション13dから第6処理ステーション13fの固定チャンバ15d〜15fと搬送チャンバ23との間で被処理基板1の授受を行う際には、搬送チャンバ23の内部については真空雰囲気あるいは窒素雰囲気としておくので、基板搬送を行なう際、被処理基板1に形成した膜などが劣化せず、かつ、各処理ステーション13a〜13fの雰囲気を乱すことがない。
また、基板搬送エリア14がクリーン度の高い雰囲気になっているので、搬送チャンバ23が移動したり各固定チャンバ15のゲートバルブ21と密着したりした場合でも、ゲートバルブ21、26を清潔に保つことができる。よって、基板処理装置11内などに不純物が混入することを防ぐことができる。
(基板搬送室32での搬送動作)
図5は、本発明を適用した基板処理装置の基板搬送室で行なわれる基板搬送動作の説明図である。本形態の基板処理装置11において、被処理基板1を第2処理ステーション13bから第4処理ステーション13dに直接搬送する場合には、まず、図5(a)に示すように、基板搭載部51が最も第2固定チャンバ15bに接近した位置にある。この状態で、第2固定チャンバ15bの基板搬送ロボット17が被処理基板1を基板搭載部51の真上位置まで移動させると、昇降ピン57が基板搭載部51の貫通穴51bを通って基板搭載部51の上方まで上昇し、昇降ピン57が被処理基板1を支持した時点で基板搬送ロボット17が退避する。
次に、図5(b)に示すように、昇降ピン57が下降すると、被処理基板1は基板搭載部51の上面に載置される。
次に、図4(a)に示す駆動装置55bによってローラ54dが矢印A1で示す方向に駆動されると、図5(c)に示すように、ベルト53は、ローラ54dに巻回されるように第4固定チャンバ15dの方に移動し、それに伴い、被処理基板1を搭載した基板搭載部51も第4固定チャンバ15dの方に移動する。そして、基板搭載部51が最も第4固定チャンバ15dに接近した位置でローラ54dが停止する。その際、ローラ54dの回転速度は、基板搭載部51が急加速して移動を開始した後、急減速しながら停止するように制御される。その間、図4(a)に示す駆動装置55aによってローラ54aも矢印A1で示す方向に駆動する場合があり、このように同期させると、駆動装置55bでの負荷の軽減や振動などを防止することができる。
このようにして、図5(d)に示すように、基板搭載部51が第4固定チャンバ15dに最も接近した位置で停止すると、昇降ピン57が基板搭載部51の貫通穴51bを通って基板搭載部51の上方まで上昇し、被処理基板1を支持した状態となる。次に、第4固定チャンバ15dの基板搬送ロボット17が被処理基板1を保持し、その後、昇降ピン57が下降すると、被処理基板1は、固定チャンバ15dの基板搬送ロボット17に受け渡される。しかる後には、図4(a)に示す駆動装置55aによってローラ54aが矢印A2で示す方向に駆動されると、図5(a)に示すように、ベルト53は、ローラ54aに巻回されるように第2固定チャンバ15bの方に移動し、元の位置に戻る。その間、図4(a)に示す駆動装置55bによってローラ54baも矢印A2で示す方向に駆動する場合があり、このように同期させると、駆動装置55aでの負荷の軽減や振動などを防止することができる。
このように、本形態の基板処理装置11において、基板搬送室32の内部には、一対のローラ54a、54bの間にベルト53が張架され、かかるベルト53には基板搭載部51が一体に構成されているため、ローラ54a、54bを回転させると、ベルト53と一体に基板搭載部51も移動する。このように、基板搭載部51はベルト53と一体化しているため、ベルト53を急加速あるいは急減速した場合でも、基板搭載部51の位置がずれないので、被処理基板1を高速搬送することができる。
また、本形態では、被処理基板1を搬送するのに最低2本のローラ54a、54bでよいため、基板搬送室32の内部から外部に引き出す回転軸54c、54dの本数が少ない。従って、基板搬送室32を気密状態にするためのシール個所が少ないので、基板搬送室32を大気と異なる状態に保持するのが容易である。
また、本形態において、ローラ54a、54bは、基板搬送室32の外部に配置された駆動装置55a、55bにより駆動されるため、駆動装置55a、55bから発生する異物によって基板搬送室32が汚染されることを防止することができる。
さらに、ベルト53は、両端部が一対のローラ54a、54bに固定された有端ベルトであり、ローラ54a、54bは、双方向に回転して前記ベルト53を双方向に駆動可能である。従って、無端ベルトを用いた場合と比較して、ローラ54a、54bとベルト53との位置ずれが発生しにくいので、被処理基板1の位置精度が高いという利点がある。
さらにまた、基板搬送室32の内部にはガイドレール52が配置されているので、ベルト53の延在方向の途中位置にガイドローラなどを配置しなくても、基板搭載部51の姿勢や移動経路を高い精度で制御することができる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、直通の基板搬送室32を用いて被処理基板1を第2固定チャンバ15bから第4固定チャンバ15dの一方向に搬送する例を説明したが、複数のチャンバ間で直通の基板搬送室32を介して被処理基板1を往復搬送するようにしてもよく、3以上のチャンバが直通の基板搬送室32によって直接接続されている形態を採用してもよい。
上記実施の形態では、2本のローラ54a、54bの各々に駆動装置55a、55bを設けたが、共通の駆動装置によって、ローラ54a、54bを駆動してもよい。
上記実施の形態では、ベルト53として有端ベルトを用いたが、ローラ面に凹凸を備えたローラを用い、ベルトとしては、ローラ面の凹凸と係合する凹凸を備えた無端のタイミングベルトを用いてもよく、この場合、ベルトは、2本のローラを周回するように張架される。
上記実施の形態では、各固定チャンバ15a〜15fの平面形状をいずれも正八角形としたが、これに限定されず、例えば、対向する2つの辺部20を部分的に延ばした形状の八角形でもよいし、六角形、四角形、又は丸形状でもよい。
上記実施の形態では、真空雰囲気および窒素雰囲気で被処理基板1に処理を行なう例を説明したが、いずれの処理ステーションでも窒素雰囲気中で被処理基板1に処理を行なう基板処理装置に本発明を適用してもよい。また、上記実施の形態では不活性雰囲気として窒素雰囲気の例を説明したが、不活性ガス雰囲気としては、アルゴンガスやヘリウムガスなどといった希ガス雰囲気、あるいは窒素ガスと希ガスとの混合ガス雰囲気を採用してもよい。
上記実施の形態では、基板処理装置11において処理する被処理基板1を1枚ずつ処理する例を説明したが、複数枚の被処理基板1を同時に処理するようにしてもよい。いずれの場合も、ロード室19から被処理基板1を搬入する際に、生産性などを考えて、1枚のみを処理するか複数枚を処理するかを選択すればよい。
上記実施の形態では、ゲートバルブ21を辺部20の1つに直接設けた例を説明したが、例えば、蛇腹状の搬送路を介して辺部20と基板搬送エリア14とを接続するようにしてもよい。これによれば、蛇腹状の搬送路がフレキシブル性を有するので、基板搬送エリア14に対して各固定チャンバ15の配置位置がずれていたとしても気密に接続することができる。また、早く基板搬送エリア14と各固定チャンバ15とを接続させることができる。
(a)、(b)は各々、本発明を適用した有機EL装置の平面的な構成を各構成要素と共に第2基板側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。 本発明を適用した有機EL装置の細部の断面構成を模式的に示す断面図である。 本発明を適用した基板処理装置の平面構成を模式的に示す説明図である。 (a)、(b)は各々、本発明を適用した基板処理装置に構成した基板搬送室の平面構成および断面構成を模式的に示す説明図である。 本発明を適用した基板処理装置の基板搬送室で行なわれる基板搬送動作の説明図である。 比較例に係る基板処理装置に構成した基板搬送室の平面構成および断面構成を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1・・被処理基板、11・・基板処理装置、13a〜13f・・処理ステーション、32・・基板搬送室、15a〜15f・・固定チャンバ、16・・処理チャンバ、17・・基板搬送ロボット、18・・アーム、23・・搬送チャンバ、33・・アンロード室、51・・基板搭載部、52・・ガイドレール、53・・ベルト、54a、54b・・ローラ、54c、54d・・回転軸、55a、55b・・駆動装置、57、58・・昇降ピン、100・・有機EL装置

Claims (8)

  1. 大気と異なる雰囲気に保持される複数のチャンバと、前記複数のチャンバを接続する1乃至複数の基板搬送室とを備えた基板処理装置において、
    前記基板搬送室の内部には、前記被処理基板の搬送方向で離間する一対のローラと、該一対のローラの間に張架されて前記被処理基板の搬送方向に移動するベルトと、該ベルトと一体に構成され、当該ベルトにより牽引される基板搭載部とが設けられていることを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記基板搬送室は、大気と異なる雰囲気に保持されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記ローラは、前記基板搬送室の外部に配置された駆動装置により駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記ベルトは、両端部が前記一対のローラに固定された有端ベルトであり、
    前記ローラは、双方向に回転して前記ベルトを双方向に駆動可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の基板処理装置。
  5. 前記ベルトは、金属製であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記基板搬送室の内部には、前記基板搭載部の姿勢および移動経路を規定するガイドが配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記ガイドは、レール状に延在していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の基板処理装置。
  8. 大気と異なる雰囲気に保持される複数のチャンバと、前記複数のチャンバを接続する1乃至複数の基板搬送室とを備えた基板処理装置において被処理基板に複数の処理を順次行なう有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、
    前記1乃至複数の基板搬送室の内部に、前記被処理基板の搬送方向で離間する一対のローラと、該一対のローラの間に張架されて前記被処理基板の搬送方向に移動するベルトと、該ベルトと一体に構成され、当該ベルトにより牽引される基板搭載部とを設けておき、
    前記ベルトを移動させることにより、前記被処理基板を前記基板搭載部に搭載した状態で前記基板搬送室内を搬送することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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