JP2009215782A - 組合せ構造材 - Google Patents
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Abstract
【課題】外観が良好であるとともに、簡単に構造材同士を一体化でき、部材の合わせ面におけるスリップ(滑り)を確実に防止し得る組合せ構造材を提案する。
【解決手段】構造材2,3同士を、少なくとも1面において部材長手方向に沿って面接触させ、その接触面において一体化を図った組合せ構造材1であって、前記各構造材2,3の接触面に対して、部材長手方向に適宜の間隔で、幅方向に沿って深部側が幅広形状となる断面形状で切欠き4…、5…を形成するとともに、前記切欠き断面を連設した断面形状の連結部材6を多数用意しておき、前記構造材同士2,3を組み合わせた状態で、構造材同士2,3の切欠き4,5間に跨るように前記連結部材6を挿入することにより構造材同士2,3を一体化する。
【選択図】図1
【解決手段】構造材2,3同士を、少なくとも1面において部材長手方向に沿って面接触させ、その接触面において一体化を図った組合せ構造材1であって、前記各構造材2,3の接触面に対して、部材長手方向に適宜の間隔で、幅方向に沿って深部側が幅広形状となる断面形状で切欠き4…、5…を形成するとともに、前記切欠き断面を連設した断面形状の連結部材6を多数用意しておき、前記構造材同士2,3を組み合わせた状態で、構造材同士2,3の切欠き4,5間に跨るように前記連結部材6を挿入することにより構造材同士2,3を一体化する。
【選択図】図1
Description
本発明は、比較的小断面の構造材同士を組み合わせて一体化した組合せ構造材に関する。
従来より、比較的小断面の部材を組み合わせて、力学的に一体化した組合せ構造材が知られている。
このような組合せ構造材は、主に木材に対して多く見られる。例えば、下記特許文献1では、一辺120mmの方角材の側面に、長尺のボルトが貫通する孔を設け、方角材を左右側面同士を突き合わせ、方角材の対角線方向の両側角部に一対のL字形の角材緊締用金具を当てて、これらを1本の貫通ボルトにより締結固定することにより一体化した組合せ構造材が提案されている。
また、下記特許文献2では、重ね合わされた角材をねじ締結して一体化した角材組合わせ構造材であって、前記各角材は芯持ち材であり、その年輪を横切る方向に延びて重ね合わせ角材を固縛する締結ねじのための取付孔が形成され、重ね合わせ面には角材の長手方向に直交して延びる半円形溝が形成され、該半円形溝を対面させることにより生じる円筒孔に、該円筒孔の直径より大きい径を有するメタルピンが嵌着され、重ね合わせ面を密着させたときメタルピンが木面表層を圧縮し、前記円筒孔の周縁に緻密層が形成されている角材組合わせ構造材が提案されている。
特開2006−9370号公報
特開2006−45837号公報
前記特許文献1に係る組合せ構造材の場合は、L字形の角材緊締用金具が外部に露出しているため、著しく外観を損なうなどの問題があるとともに、梁材として使用する場合は、木材に空けたボルト孔の遊間やボルトに作用する支圧応力が過大となって孔に変形が起こり、木材同士の合わせ面で滑りを起こす可能性があるため、少なくとも重ね梁としての強度は有するとしても、曲げに対して一体的に抵抗する組合せ構造材とは成り難い、更には組合せ構造材を組み立てるのに多くの手間と時間を要するなどの問題があった。
上記特許文献2に係る角材組合せ構造材の場合は、メタルピンを重ね合わせ面に設けることにより、角材同士のズレを防止し得るようになるが、組合せ構造材に組み立てるのに多くの手間と時間を要するなどの問題が依然として解決されていない。
一方で、前記組合せ構造材は、大きな断面の部材を得難い木材に対する適用が主であり、鋼材の場合は、各種断面の構造材が予め用意されていることが多いため、鋼材を対象とした組合せ構造はあまり提案されていない。通常は、ボルト・ナットによる一体化が一般的であると思われる。
そこで本発明の主たる課題は、比較的小断面の構造材同士を組み合わせて一体化した組合せ構造材において、外観が良好であるとともに、簡単に構造材同士を一体化でき、部材の合わせ面におけるスリップ(滑り)を確実に防止し得るようにすることにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、構造材同士を、少なくとも1面において部材長手方向に沿って面接触させ、その接触面において一体化を図った組合せ構造材であって、
前記各構造材の接触面に対して、部材長手方向に適宜の間隔で、幅方向に沿って深部側が幅広形状となる断面形状で切欠きを形成するとともに、前記切欠き断面を連設した断面形状の連結部材を多数用意しておき、前記構造材同士を組み合わせた状態で、構造材同士の切欠き間に跨るように前記連結部材を挿入することにより前記構造材同士が一体化されていることを特徴とする組合せ構造材が提供される。
前記各構造材の接触面に対して、部材長手方向に適宜の間隔で、幅方向に沿って深部側が幅広形状となる断面形状で切欠きを形成するとともに、前記切欠き断面を連設した断面形状の連結部材を多数用意しておき、前記構造材同士を組み合わせた状態で、構造材同士の切欠き間に跨るように前記連結部材を挿入することにより前記構造材同士が一体化されていることを特徴とする組合せ構造材が提供される。
上記請求項1記載の発明においては、各構造材の接触面に対して、部材長手方向に適宜の間隔で、幅方向に沿って深部側が幅広形状となる断面形状で切欠きを形成しておき、構造材同士を組み合わせた状態で、構造材同士の切欠き間に跨るように前記連結部材を挿入することにより前記構造材同士が一体化されたものである。
従って、構造材同士を連結する前記連結部材は完全に切欠き部分を充填するように挿入され、外観的には単に各構造材が組み合わされた状態であるため、外観が良好であるとともに、各構造材同士を工場又は現場においても簡単に一体化することができる。また、前記連結部材によって部材の合わせ面におけるスリップ(滑り)を確実に防止することが可能となる。
請求項2に係る本発明として、前記切欠き形状は台形とされる請求項1記載の組合せ構造材が提供される。
上記請求項2記載の発明は、好適な切欠き形状を規定したものである。前記連結部材の断面性能との関係及び確実な抜止めを図り得る点で、構造材に形成される前記切欠きの形状は、台形とするのが望ましい。
請求項3に係る本発明として、前記構造材は、鋼またはアルミニウム合金である請求項1、2いずれかに記載の組合せ構造材が提供される。
上記請求項3記載の発明は、構造材として好適な素材を規定したものである。本発明は、木材に対しても適用が可能であるが、好ましくは鋼またはアルミニウム合金に対して適用される。近年は、リサイクル性と加工性に優れたアルミニウム合金が、環境負荷の総合的な削減の一翼を担う素材として脚光を浴び始めており、アルミニウム合金を建築構造に使用できる法整備が2000年6月に行われ、戸建て住宅や低層建築物などへの適用実績も増えつつある。
請求項4に係る本発明として、前記組合せ構造材は梁部材とされ、2つの構造材が上下段で重ね合わされ、前記連結部材によって一体化されている請求項1〜3いずれかに記載の組合せ構造材が提供される。
上記請求項4記載の発明は、本発明の組合せ構造材を梁部材として使用する場合の好適例を示したものである。すなわち、梁部材として使用する場合は、2つの構造材を上下段で重ね合わせ、前記連結部材によって一体化した構造とするのが望ましい。この場合は、重ね合わせ面が高さ方向の中央となるため、この位置では曲げモーメントによる引張力や圧縮力が作用しない。従って、構造材に形成した切欠き(断面欠損)が構造的弱点とならずに済むようになる。
請求項5に係る本発明として、前記組合せ構造材は柱部材とされ、4つの構造材がそれぞれ、隣接する構造材と直交する2面で、前記連結部材によって一体化されている請求項1〜3いずれかに記載の組合せ構造材が提供される。
上記請求項5記載の発明は、本発明の組合せ構造材を柱部材として使用する場合の好適例を示したものである。すなわち、柱部材として使用する場合は、4つの構造材を用い、それぞれの構造材が隣接する構造材と直交する2面で、前記連結部材によって一体化されている構造とするのが望ましい。各構造材同士が2つの直交面で隣接する構造材と一体化されていることにより、座屈強度にも優れ、高い圧縮強度特性を持つようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、外観が良好であるとともに、簡単に構造材同士を一体化でき、部材の合わせ面におけるスリップ(滑り)を確実に防止し得る組合せ構造材を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔第1形態例〕
図1は本発明に係る組合せ構造材1の組み立て要領を示す斜視図であり、図2は組合せ構造材1の断面図、図3はその側面図である。
〔第1形態例〕
図1は本発明に係る組合せ構造材1の組み立て要領を示す斜視図であり、図2は組合せ構造材1の断面図、図3はその側面図である。
組合せ構造材1は、構造材同士を、少なくとも1面において部材長手方向に沿って面接触させ、その接触面において一体化を図ったものである。具体的には、図1に示されるように、各構造材2,3の接触面に対して、部材長手方向に適宜の間隔で、幅方向に沿って深部側が幅広形状となる断面形状で切欠き4…、5…を形成するとともに、前記切欠き4,5の断面を連設した断面形状の連結部材6を多数用意しておき、前記構造材同士2,3を組み合わせた状態で、構造材同士2,3の切欠き4…、5…間に跨るように前記連結部材6を挿入することにより前記構造材同士2,3を一体化したものである。
以下、さらに具体的に詳述する。
図示された上段側の構造材2は、上フランジ2aと、下フランジ2bと、これら上下フランジ2a、2bを繋ぐとともに、離間をおいて配設された2つのウェブ2c、2dとによって縦長の中空部2eが形成された中空H形断面部材である。下段側の構造材3も同様である。
前記上段側構造材2の下フランジ2bの下面には、部材長手方向に適宜の間隔で、幅方向に沿って深部側が幅広形状となる断面形状、具体的には台形状の切欠き4、4…が形成されている。また、前記下段側構造材3の上フランジ3aの上面には、同じく部材長手方向に適宜の間隔で、幅方向に沿って深部側が幅広形状となる断面形状、具体的には台形状の切欠き5,5…が形成されている。前記上段側構造材2の切欠き4,4…と、下段側構造材3の切欠き5,5…とは、構造材同士2,3を上下段で重ねた際に、同位置で対面するようになっている。
前記切欠き4,5の形状としては、台形状以外に、小判形状、楕円形状、多角形状等とすることもできるが、連結部材6のせん断抵抗面積を大きく確保できる点で台形とするのが望ましい。
前記構造材2,3としては、鋼材はもちろんの事、アルミニウム合金によって製造された形材とすることができる。
一方、前記連結部材6は、前記切欠き4,5の断面を連設した断面形状を成す部材であり、長さはフランジ幅とされる。素材は、鋼材はもちろんの事、アルミニウム合金によって製造された部材とすることができる。
組立は、同図1に示されるように、構造材3の上フランジ3aの上に、構造材2を重ね合わせ、構造材同士2,3の切欠き4,5間に跨るように前記連結部材6,6…を挿入することにより前記構造材同士2,3を一体化する。
上記組合せ構造材1は、梁部材としての使用を想定したものである。2つの構造材2,3を上下段で重ね合わせ、前記連結部材6,6…によって一体化した場合は、図4に示されるように、合わせ面が高さ方向の中央となるため、この位置では曲げモーメントによる引張力や圧縮力が作用しない。従って、構造材2,3に形成した切欠き4…,5…(断面欠損部)が構造的弱点とならずに済むようになる。なお、図中、(+)は圧縮状態を示し、(-)は引張り状態を示す。
ところで、上記形態例では、前記構造材2,3の断面形状を中空H形断面としたが、種々の断面形状とすることが可能である。その他の具体例を図5に示す。図5(A)は構造材2,3を中空矩形断面とした例であり、図5(B)(C)は構造材2,3を中空台形断面とした例であり、図5(d)は構造材2,3を中空半円断面とした例であり、図5(E)は、構造材2,3を溝型鋼を背面合わせでボルト・ナットで一体化し断面H形状とした例であり、図5(F)は溝型鋼を背面合わせとし、連結部材6で一体化し断面H形状とした例であり、更に図5(G)は上下のフランジ幅を異ならせた断面H形状とした例である。
いずれの場合も、上下段で重ね合わせた構造材2,3を、その合わせ面において、構造材同士2,3の切欠き4,5間に跨るように前記連結部材6,6…を挿入することにより前記構造材同士2,3を一体化する。
〔第2形態例〕
次いで、本発明に係る組合せ構造材1を柱部材として適用した場合について図6に基づいて説明する。
次いで、本発明に係る組合せ構造材1を柱部材として適用した場合について図6に基づいて説明する。
図6(A)に示されるように、柱部材としての使用の場合は、中空矩形断面の4つの構造材7〜10を使用するのが望ましい。構造材7〜10の断面形状は、隣接する構造材と直交する2面で接触する形状、例えば図示例の矩形状とするのが望ましい。図示されるように、4つの構造材7〜10を格子状に隣接配置して大きな矩形断面を形成し、各構造材が隣接する2つの構造材と接触する合わせ面において、連結部材11、12を用いて相互に連結する。連結構造は、上記第1形態例と同様であるので省略する。
図6(B)は、1/4中空円弧断面の4つの構造材7〜10を用いて、大きな円形断面の柱部材を構成した例である。連結は、図6(A)の柱部材と同様に、連結部材11、12を用いて行う。
なお、第2形態例では柱部材として好適例を示したものであり、第1形態例のように、2つの構造材2,3を一体化した組合せ構造材1を柱部材として用いてもよい。
1…組合せ構造材、2・3・7〜10…構造材、4・5…切欠き、6…連結部材
Claims (5)
- 構造材同士を、少なくとも1面において部材長手方向に沿って面接触させ、その接触面において一体化を図った組合せ構造材であって、
前記各構造材の接触面に対して、部材長手方向に適宜の間隔で、幅方向に沿って深部側が幅広形状となる断面形状で切欠きを形成するとともに、前記切欠き断面を連設した断面形状の連結部材を多数用意しておき、前記構造材同士を組み合わせた状態で、構造材同士の切欠き間に跨るように前記連結部材を挿入することにより前記構造材同士が一体化されていることを特徴とする組合せ構造材。 - 前記切欠き形状は台形とされる請求項1記載の組合せ構造材。
- 前記構造材は、鋼またはアルミニウム合金である請求項1、2いずれかに記載の組合せ構造材。
- 前記組合せ構造材は梁部材とされ、2つの構造材が上下段で重ね合わされ、前記連結部材によって一体化されている請求項1〜3いずれかに記載の組合せ構造材。
- 前記組合せ構造材は柱部材とされ、4つの構造材がそれぞれ、隣接する構造材と直交する2面で、前記連結部材によって一体化されている請求項1〜3いずれかに記載の組合せ構造材。
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JP2008060484A JP2009215782A (ja) | 2008-03-11 | 2008-03-11 | 組合せ構造材 |
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Cited By (1)
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KR101247221B1 (ko) | 2012-09-18 | 2013-03-25 | (주)에이비엠그린텍 | 추적방식 태양 광 조명장치의 집광기 |
-
2008
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