JP2009215592A - 銅および銅合金のスプレーエッチング用エッチング液 - Google Patents

銅および銅合金のスプレーエッチング用エッチング液 Download PDF

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Abstract

【課題】高いエッチングファクターが得られる銅および銅合金用のスプレーエッチング用エッチング液。
【解決手段】1〜16質量%の塩化鉄(III)および塩化鉄(III)に対して10〜100質量%のリン酸を含有する銅および銅合金のスプレーエッチング用エッチング液。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅および銅合金のスプレーエッチング用エッチング液に関する。より詳しくは、高いエッチングファクターが得られる銅および銅合金のスプレーエッチング用エッチング液に関する。
近年、電子機器の小型化高機能化が急速に進展し、これら機器に内蔵されるプリント配線板に関しても、高い回路密度を有するものが強く求められている。
プリント配線板の回路パターンを形成する方法としては、絶縁性基板上に積層した銅箔の表面に、スクリーン印刷、光リソグラフィ等の方法でレジストパターンを形成し、次いで塩化鉄(III)水溶液等のエッチング液を用いて不要部分の銅箔を除去する、いわゆるサブトラクティブ法が広く用いられている。図1は、エッチング法により得られる基材3上の銅箔2のラインパターンの断面略図であり、tは銅箔ラインの厚み、W1は銅箔ラインのトップ幅、W2は銅箔ラインのボトム幅、W3はレジストパターン1のライン幅である。サブトラクティブ法によりプリント配線板を製造する場合、銅箔ライン断面の形状が矩形にならないことが知られている。エッチングファクター、すなわち、図1における2t/(W2−W1)が小さい場合、形成された回路の電気的特性が悪化し、また部品の実装に必要な面積が確保できなくなるという問題があることから、回路密度の高いプリント配線板をサブトラクティブ法で製造することは困難であった。
以上のような問題から、高い回路密度のプリント配線板を製造するためには、メッキ技術を用いて回路を形成させる、いわゆるアディティブ法が用いられている。しかしアディティブ法には、工程が複雑であり、かつ長い時間を要し調整も困難なメッキ工程を経るため、コストが非常に高く、歩留まりも低いという本質的問題がある。高いエッチングファクターさえ得られれば、サブトラクティブ法によっても高い回路密度のプリント配線板を製造できることから、高いエッチングファクターが得られるエッチング技術が強く求められている。
高いエッチングファクターを得るための技術としては、塩化鉄(III)を主成分としチオ尿素を添加したエッチング液を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし本技術は、これによって得られるエッチングファクターが、近年求められている非常に配線密度の高い基板製造に用いるには不十分であるばかりか、発がん性が疑われるチオ尿素を使用したり、さらにエッチング液の保存・使用中に、有毒でかつ悪臭物質である硫化水素ガスが発生したりという労働衛生上および公害防止上重大な問題を有している。
さらに、塩化鉄(III)等の酸化性金属塩と無機酸あるいは有機酸を成分とするエッチング液にベンゾトリアゾール等のアゾール化合物を添加したエッチング液が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、本技術は、これによって得られるエッチングファクターが不十分であるばかりか、生分解性が低く使用後のエッチング液からの除去も困難なアゾール化合物を使用するという環境保全上重大な問題を有している。
また、銅イオンと配位結合を形成する化合物を含まない第一のエッチング液と、銅イオンと配位結合を形成する化合物を含む第二のエッチング液を順次用いてエッチングすることも提案されているが(例えば、特許文献3参照)、この方法により得られるエッチングファクターも十分に高いとはいえないばかりか、異なるエッチング液を用いた2回のエッチングが必須であり、工程が煩雑になるという問題を有している。
米国特許第3144368号明細書 特開2005−330572号公報 特開2007−180172号公報
本発明の目的は、従来困難であった、高いエッチングファクターが得られる銅および銅合金のスプレーエッチング用エッチング液を提供することにある。
1〜16質量%の塩化鉄(III)および塩化鉄(III)に対して10〜100質量%のリン酸を含有したエッチング液である。
好ましくは、なかでも、1〜8質量%の塩化鉄(III)および塩化鉄(III)に対して20〜100質量%のリン酸を含有するエッチング液である。
本発明により、従来困難であった高いエッチングファクターが得られるようになった。これにより、高い回路密度を有するプリント配線板のサブトラクティブ法による製造が可能になった。しかも、本発明のエッチング液は硫化水素のような有毒ガスを発生せず、また、処理方法が確立された成分のみからなることから使用後の処理も容易かつ完全に行うことができ、労働衛生上、公害防止上、また環境保全上も好ましいものである。
本発明においてスプレーエッチングとは、気体中に保持した被エッチング材の表面に、エッチング液の微細な液滴を噴射して行うエッチング方法である。エッチング液の微細な液滴を形成せしめるためには、スプレーノズル、すなわち先端にオリフィスを設けたノズルを使用する。スプレーノズルとしては、加圧した液を供給し他の流体の助けを借りることなく微小な液滴を噴射する一流体ノズルと、被噴射液体と共に加圧した気体を噴射する二流体ノズルがあるが、本発明のエッチング液はそのいずれを用いる場合にも好適に使用できる。なお、本発明のエッチング液は、スプレーエッチング以外のエッチング方法に用いても、エッチング速度が極めて遅く実用的でない。
本発明のエッチング液は、銅および銅合金用のエッチング液である。本発明における銅合金は、銅を75質量%以上含有する合金をいい、その例としては、青銅、丹銅、白銅等が挙げられる。銅を75質量%未満しか含有しない合金に本発明のエッチング液やエッチング方法を用いても、高いエッチングファクターは得られない。
本発明のエッチング液を用いてプリント配線板を製造する場合、エッチングされる銅箔(銅合金の箔を含む。以下同じ)の厚みは4μm以上40μm以下であることが好ましく、8μm以上20μm以下であることがより好ましい。本発明の技術による限り、銅箔の厚みがこの範囲を下回っても配線ピッチの微細化にはもはや有利にはならず、むしろ形成される配線のインピーダンスが上昇するなどの問題が生じることがある。また銅箔の厚みがこの範囲を上回ると、高いエッチングファクターを得られない場合がある。
本発明のエッチング液を用いてプリント配線板を製造する場合、銅箔は絶縁性の基材上に積層される。絶縁性の基材としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等の各種合成樹脂、これら合成樹脂を紙、ガラス繊維などの繊維に含浸させた紙フェノール、紙エポキシ、ガラスエポキシ等の繊維強化樹脂、また各種のガラス、セラミックや金属を用いることができる。本発明のエッチング液を用いてプリント配線板を製造する場合には、絶縁性、機械特性、耐熱性等の観点から繊維強化樹脂、ポリイミド、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂およびセラミックが好適に用いられる。さらに2種以上の材料を複合、積層した基材を用いることも可能である。
本発明において、基材に銅箔を積層する方法に特に制限はなく、フェノール系、メラミン系、エポキシ系、ウレタン系、シリコン系、変性シリコン系、クロロプレン、ニトリル、アクリル等の各種ゴム系、酢酸ビニル系等の接着剤を用い基材と銅箔を接着することも可能であるし、またいわゆるヒートシール法を用いて基材と銅箔を積層することも可能である。また、銅箔上に基材となる材料の熱溶融物や溶液を塗布し、冷却あるいは乾燥により固化して積層板を形成させるいわゆるキャスト法を用いることができる。また、基材に銅箔を接着したものと同様の構造が得られれば、例えば基材の表面に電解メッキ、無電解メッキ、あるいはスパッタリングなどの真空蒸着法等の方法を用いて銅または銅合金の層を形成させることで製造された積層板を用いることもできる。
本発明のエッチング液は、第一の必須成分として塩化鉄(III)を含む。本発明のエッチング液における塩化鉄(III)の濃度はエッチング液の総量に対して1〜16質量%とすることが必要である。塩化鉄(III)の濃度がこれより低い場合にはエッチングの速度が著しく遅くなって実用的でない。また塩化鉄(III)の濃度がこれより高い場合には高いエッチングファクターが得られなくなる。
本発明のエッチング液を調製するにあたり用いる塩化鉄(III)の形態は特に限定されず、無水物または六水和物の固体を溶解して用いても、水溶液として市販されている塩化鉄(III)を適宜希釈して用いても差し支えない。なお、固形の塩化鉄(III)は通常六水和物(式量270.30)として供給されるが、本発明における塩化鉄(III)濃度の計算は無水物(式量162.21)を基準として行う。例えば、塩化鉄(III)10質量%を含む本発明のエッチング液1.0kgを調製する場合には、塩化鉄(III)六水和物はその1.0kg×10%×(270.30/162.21)=167gを用いることになる。
本発明のエッチング液は、第二の必須成分としてリン酸を含む。リン酸の添加量は塩化鉄(III)に対して10〜100質量%とすることが必要である。リン酸の添加量がこれよりも少ない場合には本発明の効果である高いエッチングファクターが得られない。またリン酸の添加量がこれよりも多い場合にはエッチングが著しく遅くなったり、微細スペースが十分にエッチングされなかったりという問題が生じる。
本発明のエッチング液を調製するにあたり用いるリン酸の形態は特に限定されず、無水物の結晶や各種濃度の水溶液を用いることもできるし、五酸化二リン、すなわちいわゆる無水リン酸を溶解し加水分解させて用いても差し支えない。なお、本発明におけるリン酸の濃度とはH3PO4(式量98.00)で示されるリン酸無水物としての濃度である。例えば一般に流通している85質量%のリン酸を用いてリン酸1.0質量%を含む本発明のエッチング液1.0kgを調製する場合には、その1.0kg×1.0%/85%=12gを用いることになる。また五酸化二リンを用いて同じエッチング液の1kgを調製する場合には、五酸化二リンの式量が141.94であり、また、1式量あたり加水分解により2式量のリン酸が生成するから、その1.0kg×1.0%×{(141.94/2)/98.00}=7.2gを用いればよい。なお、無水リン酸とリン酸無水物は異なる化合物であり、前者は組成式P25で示される化合物すなわち五酸化二リン、後者は組成式H3PO4で示される化合物のうち水を含まないものであり、両者は明確に区別される。
本発明のエッチング液は、エッチング液の総量に対して1〜8質量%の塩化鉄(III)および塩化鉄(III)に対し20〜100質量%のリン酸を含有することが特に好ましい。かかるエッチング液を用いることで、エッチング時間が過剰であってもライン幅が減少することのない、極めて安定なエッチングが可能になる。
なお、本発明のエッチング液は、塩化鉄(III)とリン酸を水に溶解・希釈して調製することが材料入手の容易性や調製作業の簡便性から最も合理的であるが、相当する量の鉄(III)イオン、塩化物イオン、リン酸イオンを含有せしめることができれば他の材料から調製しても構わない。例えば鉄(III)イオンの供給源として水酸化鉄(III)等の鉄(III)塩を用いたり、塩化物イオンの供給源として塩酸や塩化ナトリウム等の各種塩化物を用いたり、リン酸イオンの供給源としてリン酸二水素ナトリウム等の各種のリン酸塩を使用することもできる。
本発明のエッチング液を用いてスプレーエッチングを行う場合、被エッチング面のいずれの部分に対しても、エッチング開始、すなわち被エッチング材の着目する部分がエッチング液により濡らされた時から、エッチング終了、すなわちレジストパターンのスペース部に相当する銅箔が完全に除去され、レジストパターンのスペース幅と同じスペース幅が得られる時までの間、スプレーノズルからのエッチング液が直接到達しない時間が5秒以上連続しないようにしてエッチングすることが好ましい。なお、例えば液が直接到達しない時間が4秒連続した後に一旦液が直接到達する状態に置かれ、再度液が直接到達しない時間が4秒連続することは問題がない。
被エッチング材の、スプレーノズルから液が直接到達する部分における単位面積当たりの噴射液量を10〜100g/cm2・minとすることが好ましい。噴射液量がこれよりも少ない場合にはエッチング速度が急激に低下したり、実質的に進行しなくなったりする場合があり、また噴射液量がこれよりも多い場合にはエッチングファクターが低下することがある。
また、本発明のエッチング液を用いてスプレーエッチングを行う場合、スプレーノズルへのエッチング液の供給圧は、50〜500kPaとすることが好ましく、100kPa〜250kPaとすることがより好ましい。該供給圧がこれよりも低い場合にはエッチング速度が著しく低下する場合があり、該供給圧がこれよりも高い場合にはレジストパターンの破壊しやすくなりレジスト材料の選択が制限されるからである。
本発明のエッチング液を用いてエッチングを行う場合、エッチング液の温度は15〜45℃とすることが好ましく、15〜35℃とすることがより好ましい。該温度がこれよりも低い場合、エッチングの均一性が低下することがあり、また該温度がこれよりも高い場合、高いエッチングファクターが得られなくなることがあるからである。
本発明のエッチング液には、界面活性剤、消泡剤、アルコール、グリコール等の濡れ促進剤等を含有せしめることもできるが必須ではない。また、チオ尿素等のチオ化合物、ベンゾイミダゾール等の含窒素複素環化合物は、従来エッチングファクターを向上させる薬剤として提案されているが、本発明のエッチング液にこれらを添加しても、エッチングファクターをさらに向上させる効果はないばかりか、エッチングの進行を著しく遅らせることから好ましくない。
本発明のエッチング液を用いたプリント基板の製造に使用するレジストは特に制限されず、例えば必要部分のみを光照射により不溶化し、不要部分をアルカリ水溶液等を用いて現像除去することでパターンを形成するいわゆるネガ型フォトレジスト、不要部分のみを光照射により可溶化し、アルカリ水溶液等を用いて現像除去してパターンを形成するいわゆるポジ型フォトレジスト、スクリーン印刷法、電子写真法、インクジェット法等により形成されたレジストパターン等を用いることができる。これらのうち、ポジ型フォトレジストにより形成されたレジストパターンを用いることで、ラインのボトム周辺に銅が残存することなく、信頼性の高いプリント配線板を製造できることから、本発明のエッチング液と共に用いるレジストパターンとして好ましく使用される。
本発明のエッチング液は、プリント配線板の製造のみならず、その他各種の産業用途においても、高度に制御された銅および銅合金のエッチングが必要な場合に好適に用いることができる。
なお、本発明のエッチング液を使用後に廃棄する場合、最も基本的な重金属の処理工程の1種、すなわち水酸化カルシウムを添加してpHを弱アルカリに調整する工程により、含有有害化学種である鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、銅(I)イオン、銅(II)イオンおよびリン酸イオンの全てが環境保全上問題のない程度まで容易に沈降除去されるため、チオ化合物、アゾール化合物、アミン化合物を含有するエッチング液が必要とするような、オゾン酸化等の大掛かりな設備を要する特殊な排水処理工程は必要としない。
以下本発明の実施例を示す。
[実施例1]
[エッチング液の調製]
市販の40°ボーメの塩化鉄(III)水溶液(濃度37質量%)0.27kg(無水物として0.10kg)、85質量%リン酸0.012kg(無水物として0.010kg)に水を加え10kgとし、塩化鉄(III)1.0質量%、リン酸0.10質量%を含むエッチング液を調製した。
[レジストパターンの形成]
表面に厚み12μmの圧延銅箔を接着したガラスエポキシ基材を、濃度5質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液に30秒間浸漬した後水洗・乾燥し、次いで乾燥後のレジスト層厚みが5μmとなるようにポジ型フォトレジストを塗布した。ここにライン(W3)/スペースの幅がそれぞれ15μm/15μmの評価用パターンを露光したのち、濃度3質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて露光部を除去し、レジストパターンを形成させた。
[エッチング]
その先端を基板表面から6.0cmの位置に設けた噴角65°の充円錐型スプレーノズル(型番:ISJJX020PP、株式会社いけうち製)から、30℃に調整した上記エッチング液を、ノズルへの液供給圧200kPa、噴射量2.0kg/minで上記基板に向け噴射しエッチングを行った。エッチング終了後の基板を、直ちに5質量%の塩酸水溶液および脱イオン水を用いて洗浄し、次いで濃度10質量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してフォトレジストを剥離したのち、脱イオン水を用いて洗浄し、評価用のプリント配線板を作製した。
[実施例2〜11]
塩化鉄(III)およびリン酸の濃度を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてスプレーエッチングを行い、評価用のプリント配線板を作製した。
[比較例1〜9]
塩化鉄(III)の濃度、リン酸の濃度および液噴射量を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてスプレーエッチングを行い、評価用のプリント配線板を作製した。なお、比較例4、6、8、9については、エッチング液の噴射を900秒行った時点でスペース部の銅箔がまだ除去されておらず、ここで作製を中止した。
[評価]
各実施例、比較例について、銅箔ラインのボトム幅W2が15μmになるエッチング液噴射時間Xを検討した。さらに、エッチング時間をXの1.2倍、2.0倍としてエッチングを行い、それぞれの場合についてラインのボトム幅W2およびラインのトップ幅W1を測定し、エッチングファクター2t/(W2−W1)を算出した。なお、エッチングファクターは10以上あれば実用上十分であり、これ以上の値の間でその優劣を論じることは意義が薄いので、10以上のエッチングファクターは全て10+と記載している。ライン幅の測定は顕微鏡(型番:VK−8500、株式会社キーエンス製)による観察で行った。
Figure 2009215592
各実施例から明らかなように、本発明により、従来公知のエッチング液、エッチング方法を使用することでは困難であった、非常に高いエッチングファクターが得られるようになった。とりわけ実施例4〜5、7〜9の如き、本発明のうちでも特に好適な条件でエッチングを行った場合には、十分なスペース幅が得られた後になお長時間エッチングを継続した場合でも所定のライン幅が維持されており、極めて安定に所望の回路パターンを形成させることができた。これにより、ラインの断線を発生させることなく長時間のエッチングを行うことができ、未エッチング部の残存による回路間の短絡を確実に回避することが可能であるから、極めて高い歩留まりでプリント配線板を製造することが可能になる。
比較例1のように、本発明のエッチング液の必須成分であるリン酸を含まないエッチング液や、比較例2および3のように、リン酸の添加量が本発明の範囲よりも少ないエッチング液では、本発明の効果である高いエッチングファクターを得ることはできなかった。また、比較例5および7のように、塩化鉄(III)の添加量が本発明の範囲よりも多いエッチング液でも、本発明の効果である高いエッチングファクターを得ることはできなかった。
また、比較例4および6のように、塩化鉄(III)の添加量が本発明の範囲よりも少ないエッチング液や、比較例8および9のように、リン酸の添加量が本発明の範囲よりも多いエッチング液では、エッチングが進行しないか、仮に進行したとしてもその完了までに極めて長い時間を要して実用的でない。
エッチング法により得られるパターンの断面略図
符号の説明
1 ラインのトップ幅
2 ラインのボトム幅
3 レジストパターンのライン幅
t 銅箔の厚み
1 レジストパターン
2 銅箔
3 基材

Claims (2)

  1. 1〜16質量%の塩化鉄(III)および塩化鉄(III)に対して10〜100質量%のリン酸を含有することを特徴とする銅および銅合金のスプレーエッチング用エッチング液。
  2. 1〜8質量%の塩化鉄(III)および塩化鉄(III)に対して20〜100質量%のリン酸を含有する請求項1記載の銅および銅合金のスプレーエッチング用エッチング液。
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