JP2009213264A - 磁石発電機の製造方法及び位置決め治具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】位置決め治具50に設けられた複数の位置出し棒52をヨーク6の底部10に形成された位置出し孔32に挿通させた状態で、位置決め治具50上にヨーク6を載置するヨーク載置工程と、隣接する位置出し棒52間に永久磁石8を配置する磁石配置工程とを有し、磁石配置工程では、位置出し棒52により永久磁石8の周方向に沿う両端面8c、8dを保持させるとともに、永久磁石8の軸方向の端面8aを保持させることを特徴とする。
【選択図】図6
Description
この発電機は、エンジンのケースの内側に固定され、電機子コイルが巻装されたステータと、自動二輪車のエンジンのクランクシャフトに連係され、ステータに対して回転自在に設けられたロータとを備えている。ロータは、有底筒状のヨークを備えており、このヨークの内周面側には永久磁石が設けられている。一方、ステータには、複数の電機子コイルが巻装されたティースが永久磁石に対応するように設けられている。そして、エンジンのクランクシャフトの回転と連動してロータが回転することにより、ティースに流れる磁束が変化し、これが起電力となって電機子コイルに電流が流れるようになっている。
そこで、ヨークの内周面に永久磁石を組み付ける際、永久磁石の位置決めを行う方法として、例えば特許文献1,2に示すような方法が提案されている。
永久磁石の位置決めは固定治具を用いて行う。
まず図8に示すように、ヨーク100は、有底筒状のものであり、底部101と底部101の周縁から垂直に立ち上がる周壁部102とを備えている。周壁部102の内周面には、内周面に沿って弧状の永久磁石105が組み付けられている。各永久磁石105は、ヨーク100の周方向に沿ってN極とS極とに着磁されており、1枚の永久磁石105で2極を構成する、1枚−2極構成の永久磁石105である。また、ヨーク100の底部101における外周部分には、ヨーク100の周方向に沿って複数の円孔103と、各円孔103間に長円孔104とが交互に形成されている。
この構成によれば、まず位置決め治具上に形成された磁石位置出し棒に、ヨークの位置出し孔を挿通させるようにヨークを載置することで、位置決め治具上にヨークを位置決めすることができる。そして、ヨークの位置出し孔に挿通された磁石位置出し棒間に永久磁石を配置することで、ヨークの内周面において永久磁石の位置決めを行うことができる。
特に、隣接する磁石位置出し棒により、永久磁石の周方向の両端を保持させるとともに、永久磁石の軸方向の端面を保持させることで、永久磁石の周方向及び軸方向の位置決めを行うことができる。つまり、永久磁石の周方向及び軸方向の位置決めを、隣接する磁石位置出し棒により行うことができるため、永久磁石の数と同数の磁石位置出し棒により永久磁石の位置決めを行うことができる。
これにより、従来のように永久磁石の周方向と軸方向とをそれぞれ別々の位置決め棒で位置決めする場合に比べて、ヨークに形成する位置出し孔の数を少なくすることができる。
この構成によれば、ヨークとの間に永久磁石を挟むように筒状の磁石カバーを圧入することで、永久磁石の位置決めを行った状態で、永久磁石をヨークの内周面に固定することができる。
この構成によれば、永久磁石をヨークの径方向に着磁することで、1枚−1極構成の永久磁石を製造することができる。これにより、隣接する異磁極間の間隔が等しくなり、ティースに流れる磁束の変化を均等にすることができる。
この構成によれば、永久磁石として、フェライト磁石を用いることで、高出力な磁石発電機を提供することができる。
この構成によれば、永久磁石として、希土類磁石を用いることで、磁束密度をより増加させることができるため、高出力な磁石発電機を提供することができる。
この構成によれば、磁石位置出し棒に第1位置出し部と第2位置出し部とが一体形成されているため、隣接する磁石位置出し棒により永久磁石の周方向の両端を保持することができるとともに、永久磁石の軸方向の端面を保持することができる。
請求項2に記載の発明によれば、永久磁石の位置決めを行った状態で、永久磁石をヨークの内周面に固定することができるため、ヨークの内周面に永久磁石を確実に組み付けることができる。
請求項3に記載の発明によれば、1枚−1極構成の永久磁石では、隣接する異磁極間の間隔が等しくなり、ティースに流れる磁束の変化を均等にすることができるため、1枚−2極構成の永久磁石に比べて、永久磁石の磁力を効率良く検出することができる。さらに、1枚−2極構成の永久磁石に比べて、周方向にニュートラルな領域が存在しないため、このニュートラルな領域を考慮して永久磁石を作成することがないので、製造効率を向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、高出力な磁石発電機を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、磁束密度を増加させることができるため、高出力な磁石発電機を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、ヨークの位置出し孔を永久磁石と同数だけ形成すればよいので、永久磁石の枚数が増加してもヨークの強度を維持することができるとともに、製造工数を維持することができる。
図1,2に示すように、発電機(磁石発電機)1は、例えば自動二輪車に用いられるアウターロータ型の発電機であって、エンジンのクランクシャフト2の先端に固定されたロータ3と、エンジンのケース(不図示)に固定されたステータ4とを備えている。
ヨーク6は、円板状の底部10と、底部10の外周縁から軸方向に向けて立設された筒状の周壁部11とで構成された有底筒状のものである。
底部10の中央部には、貫通孔20が形成されており、この貫通孔20の周囲はヨーク6の内側に向けて折り曲げられた状態となっている。
第2支持部39は、第1支持部38と内フランジ部34との間に形成され、永久磁石8の他端側の面取り部に沿って延び、面取り部と他端側の端面8aとが形成する角部に突き当たり、そこから内フランジ部34に沿って軸方向に沿って延びている。
また、クランクシャフト2と共にロータ3が回転すると、永久磁石8がステータ4の周りを回転するので、電機子コイル18に誘導起電力が発生し、この起電力が発電出力用リード線を介して不図示のバッテリに蓄電されたり、付属電気機器に電力供給されたりする。
まず、永久磁石の位置決め治具について説明する。
図3に示すように、位置決め治具50は、上述したヨーク6が載置されるベース51と、ベース51上から立設された複数の位置出し棒(磁石位置出し棒)52とを備えている。この位置出し棒52は、ヨーク6の位置出し孔32と同数(本実施形態では、12本)形成されており、位置出し孔32内に挿通可能に構成されている。
第1位置出し部53は、上述した位置出し孔32と同等の寸法に形成されており、その先端面が、永久磁石8の他端側の端面8aを支持する肩部55として形成されている。つまり、第1位置出し部53は、ヨーク6の位置出し孔32内に挿通され、ヨーク6内において永久磁石8を保持するものであり、永久磁石8の軸方向における位置決めを行うものである。
この時、図5に示すように、各永久磁石8は、その他端側の端面8aが位置出し棒52における第1位置出し部53の肩部55に当接するとともに、周方向に沿う両端面8c,8dが隣接する第2位置出し部54間に挟持された状態となる。これにより、第1位置出し部53により永久磁石8の他端側の端面8aが保持されるとともに、隣接する位置出し棒52の第2位置出し部54により永久磁石8の周方向に沿う両端面8c,8dが保持されるため、永久磁石8が軸方向及び周方向に位置決めされる。
その後、永久磁石8が組み付けられたヨーク6を位置決め治具50から引き上げる。以上の工程により、永久磁石8がヨーク6に組み付けられる。
また、1枚−1極構成の永久磁石8は、1枚−2極構成の永久磁石に比べて、周方向にニュートラルな領域が存在しないため、このニュートラルな領域を考慮して永久磁石を作成することがないので、製造効率を向上させることができる。
また、1枚−1極構成の永久磁石8を用いることで、永久磁石8の周方向に沿う長さが縮小するため、ヨーク6の内周面との接触面を減少させることができる。これにより、発電機1の回転で発生する遠心力により永久磁石8がヨーク6内で振動しても、永久磁石8が割れることを防止することができる。
例えば、上述の実施形態では、永久磁石を12個配置した12極構成の発電機について説明したが、これに限られることはなく、上述したように永久磁石と同数の位置決め孔及び位置出し棒を形成することで、種々の設計変更が可能である。
さらに、永久磁石として、フェライト磁石の他に希土類磁石を用いることも可能である。希土類磁石を用いることで、磁束密度をより増加させることができるため、高出力な発電機を提供することができる。
Claims (6)
- 有底筒状のヨークの内周面に、複数の永久磁石を位置決め治具を介して組み付ける磁石発電機の製造方法において、
前記位置決め治具に設けられた複数の磁石位置出し棒を、前記ヨークの底部に形成された位置出し孔に挿通させた状態で、前記位置決め治具上に前記ヨークを載置するヨーク載置工程と、
隣接する前記磁石位置出し棒間に前記永久磁石を配置する磁石配置工程とを有し、
前記磁石配置工程では、前記各磁石位置出し棒により前記永久磁石の周方向の両端を保持させるとともに、前記永久磁石の軸方向の端面を保持させることを特徴とする磁石発電機の製造方法。 - 前記磁石配置工程の後に、前記ヨークとの間に前記永久磁石を挟むように筒状の磁石カバーを前記ヨーク内に圧入する磁石カバー圧入工程を有することを特徴とする請求項1記載の磁石発電機の製造方法。
- 前記磁石配置工程の後に、前記永久磁石を前記ヨークの径方向に着磁する着磁工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁石発電機の製造方法。
- 前記永久磁石として、フェライト磁石を用いることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の磁石発電機の製造方法。
- 前記永久磁石として、希土類磁石を用いることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の磁石発電機の製造方法。
- 有底筒状のヨークの内周面に、複数の永久磁石を組み付けるための位置決め治具において、
前記ヨークが載置されるベース部と、該ベース部から立設され、前記ヨークに形成された位置出し孔に挿通される磁石位置出し棒とを備え、
前記磁石位置出し棒には、前記永久磁石を前記ヨークの軸方向に位置決めする第1位置出し部と、前記永久磁石を前記ヨークの周方向に位置決めする第2位置出し部とが一体形成されていることを特徴とする位置決め治具。
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