JP2009212400A - 高周波パッケージ - Google Patents
高周波パッケージ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009212400A JP2009212400A JP2008055605A JP2008055605A JP2009212400A JP 2009212400 A JP2009212400 A JP 2009212400A JP 2008055605 A JP2008055605 A JP 2008055605A JP 2008055605 A JP2008055605 A JP 2008055605A JP 2009212400 A JP2009212400 A JP 2009212400A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pair
- signal
- vias
- ground
- signal lines
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
Abstract
【課題】周囲の配線との干渉やノイズの影響を軽減でき、適切な特性インピーダンスへの整合が容易な差動伝送線路を有する高周波パッケージを提供する。
【解決手段】本発明の高周波パッケージは、電子部品が載置される積層基板と、積層基板の表面に形成された1対の電極パッド20と、積層基板の裏面に形成された外部接続用の1対のBGAパッド27と、電極パッド20とBGAパッド27の間で高周波差動信号を伝送する差動伝送線路を備えている。差動伝送線路は、積層基板の誘電体層に形成された1対の信号線路24と、信号線路24を取り囲むように形成されたグランド構造と、電極パッド20と信号線路24の一端側を接続する1対の第1信号ビア21と、その周囲に配置された複数の第1グランドビア23と、信号線路24の他端側とBGAパッド27を接続する1対の第2信号ビア26と、その周囲に配置された複数の第2グランドビア29とにより構成される。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の高周波パッケージは、電子部品が載置される積層基板と、積層基板の表面に形成された1対の電極パッド20と、積層基板の裏面に形成された外部接続用の1対のBGAパッド27と、電極パッド20とBGAパッド27の間で高周波差動信号を伝送する差動伝送線路を備えている。差動伝送線路は、積層基板の誘電体層に形成された1対の信号線路24と、信号線路24を取り囲むように形成されたグランド構造と、電極パッド20と信号線路24の一端側を接続する1対の第1信号ビア21と、その周囲に配置された複数の第1グランドビア23と、信号線路24の他端側とBGAパッド27を接続する1対の第2信号ビア26と、その周囲に配置された複数の第2グランドビア29とにより構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、高周波信号を伝送可能な高周波パッケージに関し、特に、フリップチップ接続された半導体チップが載置され、BGAパッドを介して高周波信号を伝送可能に構成された高周波パッケージに関するものである。
従来から、積層基板上に半導体チップ等の電子部品を載置し、半導体チップと外部基板の間で伝送される信号の伝送線路を構成したパッケージが用いられている。一般的なリードタイプのパッケージの場合は、積層基板の表面に信号線路となる導体パターンを形成し、半導体チップのパッドから外周部のリードに信号を伝送させることができる。一方、近年では、BGA(Ball Grid Array)タイプのパッケージが普及しつつある。BGAタイプのパッケージは、積層基板の裏面に形成されたBGAパッドに半田ボールを接合し、外部基板上に容易に搭載可能であるため、パッケージにリードをロウ付けすることが不要でありパッケージの製造性が向上し、また外部基板への実装の製造性も向上し低コスト化が可能になる。また、半導体チップに関しても、ワイヤボンディングによる接続に加えて、フリップチップ接続が採用されるようになっている。フリップチップ接続の半導体チップをBGAタイプのパッケージに搭載する場合は、積層基板の表面の中央付近から、積層基板の裏面の外周部付近に至る伝送線路を構成する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−158553号公報
例えば、光通信の送受信器などの分野では、40GHz程度の極めて高い周波数を有する信号を伝送可能な高周波パッケージが要望されている。このような高周波パッケージには高周波特性に優れた差動伝送線路を構成し、差動伝送線路を経由して高周波の差動信号を伝送する構成が望ましい。しかし、差動伝送線路を構成したとしても、数10GHzの周波数帯域では、伝送線路のインピーダンス不整合による反射、周囲の配線との干渉やノイズによる影響に起因する信号劣化の恐れがある。また、上述のような構造では、半導体チップのパッドとBGAパッドは、積層方向と平面方向の両方で位置が異なるため、所望の特性インピーダンスに整合した差動伝送線路を構成することは構造上困難となる。一方で、リードタイプのパッケージを採用すれば、差動伝送線路と外部端子パッド(リード端子)とを同一平面に形成することができるので、線路構造が簡単になり、特性インピーダンスや耐ノイズ性能等の高周波特性を確保できるが、パッケージの製造の容易性、外部基板への実装の製造の容易性やコストの面で問題がある。このように、高周波パッケージにおいては、数10GHzの高周波信号を良好な特性で伝送できる構成を実現できないことが問題となる。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、半導体チップとBGAパッドの間で高周波差動信号を伝送する差動伝送線路を構成し、周囲の配線との干渉やノイズの影響を軽減し、かつ適切な特性インピーダンスへの整合が容易であり、良好な伝送特性を低コストで実現可能な高周波パッケージを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の高周波パッケージは、電子部品が載置される積層基板と、前記積層基板の表面に形成され、前記電子部品の1対の外部端子に接続される1対の電極パッドと、前記積層基板の裏面に形成された外部回路接続用の1対のBGAパッドと、前記1対の電極パッドと前記1対のBGAパッドの間で高周波差動信号を伝送する差動伝送線路とを備え、前記差動伝送線路は、前記積層基板の所定の誘電体層に形成された1対の信号線路と、前記1対の信号線路を取り囲むように形成されたグランド構造と、前記1対の電極パッドと前記1対の信号線路の一端側を積層方向に接続する1対の第1信号ビアと、前記1対の第1信号ビアの周囲に配置された複数の第1グランドビアと、前記1対の信号線路の他端側と前記1対のBGAパッドを積層方向に接続する1対の第2信号ビアと、前記1対の第2信号ビアの周囲に配置された複数の第2グランドビアとにより構成される。
本発明の高周波パッケージによれば、電子部品で用いる高周波差動信号を伝送する差動伝送線路は、積層基板の表面の1対の電極パッドから積層基板の裏面の1対のBGAパッドまでを、1対の第1信号ビア、1対の信号線路、1対の第2信号ビアの順で接続した構造を有する。また、1対の第1信号ビアの周囲の複数の第1グランドビアと、1対の信号線路を取り囲むグランド構造と、1対の第2信号ビアの周囲の複数の第2グランドビアが形成される。よって、差動伝送線路は、積層基板の積層方向と平面方向を含む経路に構成されるとともに、その周囲がグランドで遮断された構造を有する。そのため、差動伝送線路の周辺に他の配線が高密度に配置されていたとしても、差動伝送線路への干渉やノイズの影響を軽減でき、さらには周囲の配線等の影響を受けずに差動伝送線路のパラメータのみで特性インピーダンスを整合可能となる。従って、数10GHzの高周波信号を伝送する線路構造を有する高周波パッケージを、良好な伝送特性と低いコストで実現することができる。
本発明において、前記1対の第1信号ビア及び前記複数の第1グランドビアの積層方向の長さは、前記1対の第2信号ビア及び前記複数の第2グランドビアの積層方向の長さより短くしてもよい。これにより、半導体パッケージにおいて、高密度に電極パッドが配置される電子部品直下の領域では、第1信号ビア及び第1グランドビアをできるだけ短く構成できるので、他の回路が密集している電子部品直下の領域において、第1信号ビア及び第1グランドビアの配置(レイアウト)の自由度が増し、適切な特性インピーダンスへの整合が容易となる。
本発明において、前記グランド構造は、前記1対の信号線路の上層に配置された第1グランド導体層と、前記1対の信号線路の下層に配置された第2グランド導体層と、前記第1グランド導体層と前記第2グランド導体層を積層方向に接続する複数の第3グランドビアとを含めて構成してもよい。この場合、前記複数の第3グランドビアは、前記1対の信号線路の延伸方向において、前記高周波差動信号の波長の4分の1以下の一定間隔で配列してもよい。さらに、前記複数の第3グランビアは、前記1対の信号線路の両側で、それぞれ2列以上で配列してもよい。
本発明において、前記1対の信号線路が1対のコプレーナ線路を構成し、前記複数の第3グランドビアが前記1対の信号線路と同一平面内の両側に配置されたグランド導体に接続されるように構成してもよい。
本発明において、前記電子部品として、前記積層基板にフリップチップ接続される半導体チップを用いてもよい。
本発明において、前記1対のBGAパッドは、直径0.3mm以下の円形の形状を有していてもよい。
本発明において、前記差動伝送線路の特性インピーダンスは、100Ωに整合してもよい。
本発明によれば、高周波パッケージにおいて、電子部品とBGAパッドの間で高周波信号を伝送するための差動伝送線路は、両端の積層方向の各1対の信号ビアに平面方向の一対の信号線路を組み合わせ、全体をグランド導体で囲むように構成される。よって、差動伝送線路の構造とグランド導体の構造を適切に設定することにより、特性インピーダンスを高精度に整合することができる。また、差動伝送線路の周囲がグランド導体により遮断されるので、周囲の他の配線との干渉やノイズの影響を軽減することができ、伝送信号の劣化を確実に防止することができる。さらに、製造性が良好なBGAタイプのパッケージを採用し、パッケージサイズが増大することなく特殊な部材も不要であるので、高性能の高周波パッケージを低コストに実現することができる。
以下、本発明を適用した高周波パッケージの好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の高周波パッケージの全体構成を示す概略平面図である。図1においては、高周波パッケージ10の中央上部に、電子部品としての半導体チップ11が載置された状態を示している。半導体チップ11はフリップチップ接続により高周波パッケージ10に接続され、半導体チップ11の下面に形成された外部端子としての複数のパッド12が、複数の半田バンプを挟んで高周波パッケージ10の表面に形成された複数の電極パッドに接続されている。高周波パッケージ10は、複数の誘電体層を積層した積層基板を用いて形成され、半導体チップ11より十分大きい矩形の形状を有している。高周波パッケージ10はBGAタイプのパッケージであり、裏面に形成された複数のBGAパッドが複数の半田ボール13を介して外部回路と接続される。半導体チップ11のパッド12に比べ、半田ボール13のサイズ及びピッチは大きくなっている。
本実施形態では、特定の1対のパッド12を介して、数10GHzの高周波差動信号が半導体チップ11と外部回路との間で入出力される。そのため、高周波パッケージ10には、半導体チップ11の1対のパッド12から1対の半田ボール13までを接続する差動伝送線路14が構成される。この差動伝送線路14は、積層方向の信号ビアと平面方向の信号線路を組み合わせた構造を有するが、詳細については後述する。差動伝送線路14の特性インピーダンスは、例えば100Ωに整合される。
次に、図2及び図3を参照して、高周波パッケージ10の詳細な構造を説明する。図2は、図1に示した差動伝送線路14を含む高周波パッケージ10の一部分10aの平面図を示している。図2の下部に示すように、便宜上、差動伝送線路14の延伸方向をX方向と定め、その直交方向をY方向と定める。また、図3は、図1に示した差動伝送線路14を含む高周波パッケージ10の一部分10aの側面方向から見た主要な要素の配置状態を示した概念図である。図3の下部に示すように、X方向及びY方向に直交する方向(積層基板の積層方向)をZ方向と定める。
図3に示すように、高周波パッケージ10の積層基板は、上層から順に誘電体層L1〜L7が積層されている。各々の誘電体層L1〜L7は、それぞれに必要な電気的特性に応じて異なる厚さを有し、各々に固有の導体パターンが形成される。誘電体層L1〜L7からなる積層基板は、例えば、高温焼成多層セラミック(HTCC:High-Temperature Co-fired Ceramics)を同時焼成して形成され、比較的高い誘電率(10GHzで約9.2)を有する。
最上層の誘電体層L1には、半導体チップ11の上述の1対のパッド12に接続される1対の電極パッド20が形成されている。この1対の電極パッド20は、誘電体層L1から誘電体層L3までをZ方向に貫く1対の信号ビア21(本発明の第1信号ビア)に接続されている。図2に示すように、1対の電極パッド20と1対の信号ビア21は、周囲のグランドパターンが除去された領域22において、Y方向に所定の間隔を置いて配置されている。1対の信号ビア21の周囲には、誘電体層L1から誘電体層L4までをZ方向に貫く複数のグランドビア23(本発明の第1グランドビア)が形成されている。これら複数のグランドビア23は、領域22の外側で各層のグランドパターンに接続されている。
誘電体層L3には、1対の信号ビア21と後述の1対の信号ビア26との間を接続する1対の信号線路24が形成されている。1対の信号線路24は、一端の信号ビア21から他端の信号ビア26まで長さL(図2)を有してX方向に延伸され、それぞれY方向に一定の線幅を有し、かつ一定の間隔を置いて平行に配置される。なお、1対の信号線路24は、その間隔が1対の信号ビア21及び1対の信号ビア26のそれぞれの間隔より若干小さいため、両側が部分的に斜め方向に延伸されている。1対の信号線路24の両側には、等ピッチで配列された複数のグランドビア25(本発明の第3グランドビア)が形成されている。複数のグランドビア25は、上下の誘電体層L2、L4のそれぞれのグランド導体層の間をZ方向に接続している。なお、複数のグランドビア25は、1対の信号線路24を取り囲むグランド構造に含まれるが、詳しくは後述する。
1対の信号線路24に対し、1対の信号ビア21とは反対側の端部に1対の信号ビア26(本発明の第2信号ビア)が接続されている。図3に示すように、1対の信号ビア26は、誘電体層L3から誘電体層L7までをZ方向に貫いて、積層基板の裏面に形成された1対のBGAパッド27に接続されている。図2に示すように、1対の信号ビア26と1対のBGAパッド27は、周囲のグランドパターンが除去された領域28において、Y方向に所定の間隔を置いて配置されている。1対の信号ビア26の周囲には、誘電体層L2から誘電体層L7の裏面までをZ方向に貫く複数のグランドビア29(本発明の第2グランドビア)が形成されている。これら複数のグランドビア29は、領域28の外側で各層のグランドパターンに接続されている。
上述したように、高周波パッケージ10において、表面の1対の電極パッド20と裏面のBGAパッド27の間を接続する差動伝送線路14は、積層方向に延伸される1対の信号ビア21と、平面方向に延伸される1対の信号線路24と、積層方向に延伸される1対の信号ビア26とにより構成される。また、1対の信号ビア21の周囲の複数のグランドビア23と、1対の信号線路24の周囲のグランド構造と、1対の信号ビア26の周囲の複数のグランドビア29が形成され、周辺の信号線との干渉やノイズを遮断する構造となっている。第1実施形態の構造を採用することにより、高周波パッケージ10の表面と裏面において積層方向の異なる位置に形成される1対の電極パッド20と1対のBGAパッド27の間を接続し、特性インピーダンスを高精度に整合させ、かつ十分な耐ノイズ性能も確保することができる。
ここで、図3からわかるように、電極パッド20側の信号ビア21及びグランドビア23のそれぞれの積層方向の長さは、BGAパッド27側の信号ビア26及びグランドビア29の長さに比べて短くなっている。高周波パッケージ10の中央部には半導体チップ11のパッド12が密集して配置され、その直下の領域には多数の信号配線のパターンが高密度に形成されることから、1対の信号ビア21と複数のグランドビア23が長くなると、それぞれの配置について構造上の制約を受ける場合がある。そのため、第1実施形態では、積層基板において比較的上部の誘電体層L3に1対の信号線路24を形成することで、1対の信号ビア21と複数のグランドビア23の下方の領域を、他の信号配線のパターンを形成するために有効活用することができる。また、1対の信号ビア21と複数のグランドビア23の下方の領域における配置の自由度が増すため、インピーダンス整合が容易になる。
次に図4を参照して、差動伝送線路14のうち1対の信号線路24の構造とその周囲のグランド構造について具体的に説明する。図4(A)は、図2の一部分10bを拡大して示す図であり、図4(B)は、図4(A)のa−a断面を示す図である。図4(B)に示すように、誘電体層L3において、1対の信号線路24の同一平面内の両側には、それぞれグランド導体層31が配置されている。すなわち、1対の信号線路24は1対のコプレーナ線路を構成する。図4(A)に示すように、1対の信号線路24は間隔Yaを置いて平行に配置され、それぞれ線幅Ybに形成される。また、各々の信号線路24は、グランド導体層31と間隔Ycだけ離して配置される。
図4(B)に示すように、1対の信号線路24の上部には、誘電体層L2に形成されたグランド導体層30が配置され、1対の信号線路24の下部には、誘電体層L4に形成されたグランド導体層32が配置される。グランド導体層30とグランド導体層31は間隔Zaで対向し、グランド導体層31とグランド導体層32は間隔Zbで対向している。そして、複数のグランドビア25は、グランド導体層30、31、32を接続している。従って、1対の信号線路24は、その断面で見たときに、誘電体層30、31、32及び複数のグランドビア25を含むグランド構造により取り囲まれる構造になっている。
図4(A)に示すように、複数のグランドビア25は、信号線路24の延伸方向(X方向)において一定のピッチPa(ピッチ:ビア中心間の間隔)で配列されるとともに、その直交方向(Y方向)において一定のピッチPbで2列に配列されている。この場合、X方向のピッチPaは、差動伝送線路14を伝送される信号の波長の4分の1以下に設定する必要がある。これにより、信号線路24の平面方向に伝播する電磁波を遮断することができる。グランドビア25の直径は、製造可能な範囲で、できるだけ大きく設定することが望ましい。また、複数のグランドビア25は、電磁波の十分な遮断効果を得るために、Y方向に2列以上で配列することが望ましい。
なお、図4に示した距離に関するパラメータYa、Yb、Yc、Pa、Pb、Za、Zbは、差動伝送信号の周波数において差動伝送線路14の特性インピーダンスを100Ωに整合できる所望の値でそれぞれ設計する必要がある。上記の各パラメータの設計条件の一例としては、比誘電率εr=9.2のとき、Ya=0.28mm、Yb=0.07mm、Yc=0.27mm、Pa=Pb=0.4mm、Za=Zb=0.3mmに設定することができる。
次に図5を参照して、差動伝送線路14の両端に構成される各1対の信号ビア21、26と複数のグランドビア23、29の配置について具体的に説明する。図5(A)は、電極パッド20側の1対の信号ビア21及び複数のグランドビア23の配置を示している。1対の信号ビア21は、互いに間隔G1を置いてY方向に並んで配置されている。図5(A)では、8個のグランドビア23が1対の信号ビア21の周囲に並ぶ構成例を示している。各々のグランドビア23は、互いに概ね等ピッチを保ちつつ、いずれかの信号ビア21から等しい距離d1を隔てて配置される。ただし、1対の信号線路24に近接する領域(図5(A)の右側)には、グランドビア23が配置されない。信号ビア21及びグランドビア23は、いずれも直径D1の円形断面を有して形成される。
図5(B)は、BGAパッド27側の1対の信号ビア26及び複数のグランドビア29の配置を示している。1対の信号ビア26は、互いに間隔G2を置いてY方向に並んで配置されている。図5(B)は、10個のグランドビア29が1対の信号ビア26の周囲に並ぶ構成例を示している。各々のグランドビア29は、互いに概ね等ピッチを保ちつつ、いずれかの信号ビア26から等しい距離d2を隔てて並んで配置される。信号ビア26及びグランドビア29は、いずれも直径D2の円形断面を有して形成される。
なお、図5に示した距離及びサイズに関するパラメータG1、d1、D1、G2、d2、D2は、図4のパラメータと同様、差動伝送線路14の特性インピーダンスを100Ωに整合できる所望の値でそれぞれ設計する必要がある。上記の各パラメータの設計条件の一例としては、G1=0.7mm、d1=0.8mm、D1=0.1mm、G2=1mm、d2=0.9mm、D2=0.13mmに設定することができる。
次に図6を参照して、半導体パッケージ10における1対の電極パッド20及び1対のBGAパッド27のそれぞれの配置について具体的に説明する。図6(A)は、1対の電極パッド20の配置を示している。誘電体層L1のグランドパターンGaには、X方向の長さX3、Y方向の長さY3の領域22が形成されている。領域22の内部のグランドパターンは除去され、1対の電極パッド20が図5(A)と同様の間隔G1を置いてY方向に並んで配置されている。電極パッド20は、その中心が信号ビア21の中心軸に一致するように配置され、信号ビアの直径D1より大きい直径D3の円形に形成される。
図6(B)は、1対のBGAパッド27の配置を示している。誘電体層L7の裏面のグランドパターンGbには、X方向の長さX4、Y方向の長さY4の領域28が形成されている。領域28の内部のグランドパターンは除去され、1対のBGAパッド27が図5(B)と同様の間隔G2を置いてY方向に並んで配置されている。BGAパッド27は、その中心が信号ビア26の中心軸に一致するように配置され、信号ビア26の直径D2より大きい直径D4の円形に形成される。
なお、図6に示した距離及びサイズに関するパラメータX3、Y3、D3、X4、Y4、D4は、半導体チップ10及びBGAに関する仕様に適合し、かつ差動伝送線路14の特性インピーダンスを100Ωに整合できる所望の値でそれぞれ設計する必要がある。上記の各パラメータの設計条件の一例としては、X3=1.2mm、Y3=1.9mm、D3=0.15mm、X4=1.4mm、Y4=2.4mmに設定することができる。直径D4に関しては設定の自由度があるが、後述の特性を最適化できるような値を設定することが望ましい。
次に図7及び図8を参照して、本実施形態の高周波パッケージ10における差動伝送線路14の伝送特性について説明する。図7は、差動伝送線路14において、シミュレーションにより求めたSパラメータを示している。ここでは、伝送信号の周波数25GHz、40GHzに対し、差動伝送線路14の特性インピーダンスを100Ωに整合し、BGAパッド27の直径D4を3通りに変えた場合を比較している。図7に示すように、出力側の反射特性に対応するS22と、挿入損失に対応するS21のいずれに関しても、BGAパッド27の直径D4が0.3mmの場合が良好な特性になっている。BGAパッド27の直径D4が0.5mm、0.8mmと大きくなるにつれ、S21、S22とも劣化していく。図7の結果から、BGAパッド27の直径D4は0.3mm以下に設定することが望ましい。
図8は、D4=0.3mmの場合について、差動伝送線路14のSパラメータの周波数特性を示すグラフである。周波数0〜40GHzの範囲内で、SパラメータとしてS11、S22、S21をそれぞれシミュレーションにより求めた結果を示している。25〜40GHzの高周波領域において、S11、S22、S21とも良好な特性を確保することができる。このように、本実施形態の高周波パッケージ10は、特に数10GHzの高周波信号を伝送する場合において、差動伝送線路14の良好な伝送特性を確保できることが確認された。
以上、本実施形態に基づき本発明の内容を具体的に説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。例えば、本実施形態では、高周波パッケージ10に載置される半導体チップ11がフリップチップ接続される構成を説明したが、半導体チップ11が他の接続方式(ワイヤーボンディング等)により接続される場合であっても本発明を適用することができる。また、半導体チップ11に限られず、電極パッド20を介して接続可能な電子部品を高周波パッケージ11に載置する場合であっても本発明を適用することができる。
10…高周波パッケージ
11…半導体チップ
12…パッド
13…半田ボール
14…差動伝送線路
20…電極パッド
21、26…信号ビア
22、28…領域
23、25、29…グランドビア
24…信号線路
27…BGAパッド
30、31、32…グランド導体層
11…半導体チップ
12…パッド
13…半田ボール
14…差動伝送線路
20…電極パッド
21、26…信号ビア
22、28…領域
23、25、29…グランドビア
24…信号線路
27…BGAパッド
30、31、32…グランド導体層
Claims (9)
- 電子部品が載置される積層基板と、
前記積層基板の表面に形成され、前記電子部品の1対の外部端子に接続される1対の電極パッドと、
前記積層基板の裏面に形成された外部回路接続用の1対のBGAパッドと、
前記1対の電極パッドと前記1対のBGAパッドの間で高周波差動信号を伝送する差動伝送線路と、
を備え、
前記差動伝送線路は、
前記積層基板の所定の誘電体層に形成された1対の信号線路と、
前記1対の信号線路を取り囲むように形成されたグランド構造と、
前記1対の電極パッドと前記1対の信号線路の一端側を積層方向に接続する1対の第1信号ビアと、
前記1対の第1信号ビアの周囲に配置された複数の第1グランドビアと、
前記1対の信号線路の他端側と前記1対のBGAパッドを積層方向に接続する1対の第2信号ビアと、
前記1対の第2信号ビアの周囲に配置された複数の第2グランドビアと、
により構成されることを特徴とする高周波パッケージ。 - 前記1対の第1信号ビア及び前記複数の第1グランドビアの積層方向の長さは、前記1対の第2信号ビア及び前記複数の第2グランドビアの積層方向の長さより短いことを特徴とする請求項1に記載の高周波パッケージ。
- 前記グランド構造は、
前記1対の信号線路の上層に配置された第1グランド導体層と、
前記1対の信号線路の下層に配置された第2グランド導体層と、
前記第1グランド導体層と前記第2グランド導体層を積層方向に接続する複数の第3グランドビアと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の高周波パッケージ。 - 前記複数の第3グランドビアは、前記1対の信号線路の延伸方向において、前記高周波差動信号の波長の4分の1以下の一定間隔で配列されることを特徴とする請求項3に記載の高周波パッケージ。
- 前記複数の第3グランドビアは、前記1対の信号線路の両側でそれぞれ2列以上で配列されることを特徴とする請求項4に記載の高周波パッケージ。
- 前記1対の信号線路は1対のコプレーナ線路を構成し、前記複数の第3グランドビアが前記1対の信号線路と同一平面内の両側に配置されたグランド導体に接続されることを特徴とする請求項5に記載の高周波パッケージ
- 前記電子部品は、前記積層基板にフリップチップ接続される半導体チップであることを特徴とする請求項1に記載の高周波パッケージ。
- 前記1対のBGAパッドは、直径0.3mm以下の円形の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の高周波パッケージ。
- 前記差動伝送線路の特性インピーダンスは、100Ωに整合されることを特徴とする請求項1に記載の高周波パッケージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008055605A JP2009212400A (ja) | 2008-03-05 | 2008-03-05 | 高周波パッケージ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008055605A JP2009212400A (ja) | 2008-03-05 | 2008-03-05 | 高周波パッケージ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009212400A true JP2009212400A (ja) | 2009-09-17 |
Family
ID=41185239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008055605A Pending JP2009212400A (ja) | 2008-03-05 | 2008-03-05 | 高周波パッケージ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009212400A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011138845A (ja) * | 2009-12-27 | 2011-07-14 | Kyocer Slc Technologies Corp | 配線基板 |
JP2014082298A (ja) * | 2012-10-16 | 2014-05-08 | Renesas Electronics Corp | 半導体装置及び配線基板 |
JP2015106599A (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-08 | 京セラサーキットソリューションズ株式会社 | 配線基板 |
CN107371321A (zh) * | 2016-05-13 | 2017-11-21 | 日本奥兰若株式会社 | 印刷电路板以及光模块 |
EP3125299B1 (en) * | 2014-07-17 | 2020-01-15 | Wuhan Telecommunication Devices Co., Ltd. | Can-packaged multi-layer ceramic encapsulation base for high-frequency photoelectric detectors |
CN112349668A (zh) * | 2020-09-28 | 2021-02-09 | 中国电子科技集团公司第二十九研究所 | 一种采用射频母板的宽带射频模块结构及其设计方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001237338A (ja) * | 2000-02-21 | 2001-08-31 | Nippon Circuit Kogyo Kk | フリップチップボールグリッドアレイ基板及びその製造法 |
JP2002198709A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-12 | Kyocera Corp | 高周波用配線基板 |
JP2004158553A (ja) * | 2002-11-05 | 2004-06-03 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置 |
JP2005243864A (ja) * | 2004-02-26 | 2005-09-08 | Kyocera Corp | 配線基板 |
JP2005286436A (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-13 | Kyocera Corp | 高周波用配線基板 |
JP2006093325A (ja) * | 2004-09-22 | 2006-04-06 | Kyocera Corp | 配線基板 |
JP2008047771A (ja) * | 2006-08-18 | 2008-02-28 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 半導体装置 |
-
2008
- 2008-03-05 JP JP2008055605A patent/JP2009212400A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001237338A (ja) * | 2000-02-21 | 2001-08-31 | Nippon Circuit Kogyo Kk | フリップチップボールグリッドアレイ基板及びその製造法 |
JP2002198709A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-12 | Kyocera Corp | 高周波用配線基板 |
JP2004158553A (ja) * | 2002-11-05 | 2004-06-03 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置 |
JP2005243864A (ja) * | 2004-02-26 | 2005-09-08 | Kyocera Corp | 配線基板 |
JP2005286436A (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-13 | Kyocera Corp | 高周波用配線基板 |
JP2006093325A (ja) * | 2004-09-22 | 2006-04-06 | Kyocera Corp | 配線基板 |
JP2008047771A (ja) * | 2006-08-18 | 2008-02-28 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 半導体装置 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011138845A (ja) * | 2009-12-27 | 2011-07-14 | Kyocer Slc Technologies Corp | 配線基板 |
JP2014082298A (ja) * | 2012-10-16 | 2014-05-08 | Renesas Electronics Corp | 半導体装置及び配線基板 |
US9560762B2 (en) | 2012-10-16 | 2017-01-31 | Renesas Electronics Corporation | Semiconductor device and circuit board |
JP2015106599A (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-08 | 京セラサーキットソリューションズ株式会社 | 配線基板 |
EP3125299B1 (en) * | 2014-07-17 | 2020-01-15 | Wuhan Telecommunication Devices Co., Ltd. | Can-packaged multi-layer ceramic encapsulation base for high-frequency photoelectric detectors |
CN107371321A (zh) * | 2016-05-13 | 2017-11-21 | 日本奥兰若株式会社 | 印刷电路板以及光模块 |
US10116116B2 (en) | 2016-05-13 | 2018-10-30 | Oclaro Japan, Inc. | Printed circuit board and optical module |
CN107371321B (zh) * | 2016-05-13 | 2020-01-07 | 日本朗美通株式会社 | 印刷电路板以及光模块 |
CN112349668A (zh) * | 2020-09-28 | 2021-02-09 | 中国电子科技集团公司第二十九研究所 | 一种采用射频母板的宽带射频模块结构及其设计方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4653005B2 (ja) | 電子部品パッケージ | |
JP6397127B2 (ja) | 半導体素子パッケージ、半導体装置および実装構造体 | |
JP4535995B2 (ja) | 多層プリント回路基板のビア構造、それを有する帯域阻止フィルタ | |
JP2008524845A (ja) | スルーコネクションを含む高周波用多層プリント回路基板 | |
JP4450079B2 (ja) | 高周波モジュール | |
JP2009212400A (ja) | 高周波パッケージ | |
EP2785155B1 (en) | Circuit board and electronic device | |
US7613009B2 (en) | Electrical transition for an RF component | |
CN112133687B (zh) | 一种多通道dds芯片基板封装结构及方法 | |
JP5527493B1 (ja) | フラットケーブルおよび電子機器 | |
JP2015056719A (ja) | 多層配線基板 | |
JP5950683B2 (ja) | 多層基板、プリント回路基板、半導体パッケージ基板、半導体パッケージ、半導体チップ、半導体デバイス、情報処理装置および通信装置 | |
US10212807B2 (en) | Electrical interface for package and die | |
JP2015141959A (ja) | 高周波モジュール | |
US6812576B1 (en) | Fanned out interconnect via structure for electronic package substrates | |
JP2014154593A (ja) | 高周波パッケージ | |
US20060118332A1 (en) | Multilayered circuit board for high-speed, differential signals | |
JP6996948B2 (ja) | 高周波伝送線路 | |
JP6734750B2 (ja) | 高周波パッケージ | |
WO2018042518A1 (ja) | 半導体装置及びプリント基板 | |
US11658374B2 (en) | Quasi-coaxial transmission line, semiconductor package including the same, and method of manufacturing the same | |
JP4464291B2 (ja) | 高周波回路 | |
JP4329702B2 (ja) | 高周波デバイス装置 | |
WO2022003905A1 (ja) | 配線基板および信号接続構造 | |
JP2004179198A (ja) | セラミックパッケージ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101013 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110826 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20110830 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20120124 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |