JP2009210552A - 接触部品および時計 - Google Patents

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章浩 藤森
Masami Murai
正己 村井
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    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
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    • G04B31/00Bearings; Point suspensions or counter-point suspensions; Pivot bearings; Single parts therefor
    • G04B31/004Bearings; Point suspensions or counter-point suspensions; Pivot bearings; Single parts therefor characterised by the material used
    • G04B31/012Metallic bearings

Abstract

【課題】耐磨耗性が大幅に向上された接触部品を容易に得ること。
【解決手段】複合メッキ160はニッケルメッキNから露出するグラファイト粒子Gを有し、相手部品との摺動によってグラファイト粒子GがニッケルメッキNの表面に沿って圧延されることにより、略層状のグラファイト露出部162が形成される。これにより、グラファイトの潤滑性が十分に発揮される。また、圧延によってグラファイト露出部162が皮膜部161に密着するため、略層状のグラファイト露出部162を長期に亘り維持できる。そのうえ、複合メッキ160は、メッキ浴にグラファイト粒子Gを混入してメッキ処理を行うだけで容易に製造可能である。以上により、オシドリおよびカンヌキなどにおける切替部や、ロータなどにおける摺動部の耐摩耗性を安価なコストで大幅に向上させることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、摺動部、または切替部を有する接触部品、およびこれを備えた時計に関する。
時計には、相手部品と接触して摺動する摺動部を有する接触部品が使用されている(例えば、特許文献1)。前記摺動部としては、例えば、輪列を構成する歯車のカナやホゾなどがある。また、時計には、リュウズ等を操作する動作に応じて相手部品との接触状態が切り替わる切替部を有する接触部品が使用されている。前記切替部としては、例えば、針合わせ機構を構成し、互いに係合するオシドリおよびカンヌキなどがある。
このような摺動部や切替部には通常、動作精度および長期信頼性を確保するために注油が行われるが、長期に亘る使用や、低温環境下での使用によって油の劣化が進み、摩擦抵抗が増大する。また、切替部や、低速高トルクで回転する歯車のホゾなどでは、相手部品との点接触により部品の削れが発生し、その削れカスにより摩擦抵抗が増すこともある。
このような摩擦抵抗増大によって動作精度が低下したり、電池寿命が短くなるなどのおそれがあるため、例えば、特許文献1のように、化成処理膜と、化成処理膜を被覆して潤滑性を発揮する塗膜とを摺動部に設けることが提案されている。この塗膜は、固体潤滑粒子、バインダー、および防錆剤を含んで構成される。特許文献1には、固体潤滑粒子としては、フッ素系樹脂粒子、フッ化黒鉛、および窒化ホウ素が示され、バインダーとしては有機樹脂が示され、防錆剤としては、顔料が示されている。ここで、化成処理膜は、固体潤滑膜と部品表面との密着性を高めるために設けられ、リン酸亜鉛被膜、リン酸マンガン被膜、またはリン酸鉄被膜とされる。
なお、特許文献1では、時計部品の外観を良好にするため、時計部品全体を一旦ニッケルメッキにより被覆した後、摺動部のみ磨いてニッケルメッキを削り落とし、部品素地が露出した部分に化成処理膜および塗膜を形成する。
特開2003−156575号公報
しかしながら、特許文献1のような樹脂材料を含む塗膜は耐久性が低いため、長期間の使用では削れてしまう。また、特許文献1のような樹脂材料を含む塗膜は剥離し易い性質を有するため、化成処理膜によって密着性が高められてはいるものの、長期間の使用では剥がれてしまう。つまり、長期に亘って塗膜を潤滑性が作用する状態に維持することは難しい。このため、結局は、定期的な分解洗浄と注油を行って部品の磨耗を防止する必要がある。
以上に加えて、特許文献1では、部品表面に化成処理膜と塗膜との両方をそれぞれ形成する必要があるため、製造工程が複雑となり、コスト高となる。
本発明の目的は、耐磨耗性が大幅に向上された接触部品およびこれを備えた時計を容易に得ることにある。
本出願の発明者は、無電解ニッケルメッキと熱処理とによって高硬度の皮膜を接触部品に形成することなどを含め、前記課題に基づいて鋭意研究した。その結果、グラファイト粒子を混入した金属メッキ処理を行うことによって耐磨耗性が大幅に向上された皮膜を接触部品に容易に形成できるとの知見が得られた。
すなわち、本発明の接触部品は、相手部品と接触して摺動する摺動部、または相手部品との接触状態が切り替わる切替部を有する接触部品であって、前記摺動部または前記切替部には、金属メッキに少なくともグラファイト粒子が混入された複合メッキが形成されることを特徴とする。
この発明によれば、摺動部や切替部における相手部品との接触面にグラファイト粒子が露出するため、グラファイトの優れた潤滑性が得られるとともに、部品同士の接触によってグラファイト粒子が変形して摺動部または切替部における接触面に付着するため、グラファイトの潤滑性を長期に亘って発揮させることができる。これにより、樹脂塗膜や単に高硬度な皮膜を形成した場合には得られない高い耐磨耗性を実現できる。
また、本発明では、メッキ浴にグラファイト粒子を混入してメッキ処理を行うだけでよく、複雑な製造工程は不要となる。
以上により、接触部品の耐摩耗性を安価なコストで大幅に向上させることができる。
なお、複合メッキの皮膜表面においてグラファイト粒子以外の部分には金属メッキが露出する。このため、接触部品の全体に複合メッキを形成しても、摺動部および切替部以外の部分における装飾性は損われない。
ここで、本発明では、耐摩耗性に非常に優れることにより、注油は必須ではない。但し、注油をすれば、耐摩耗性をより一層向上させることができる。注油を行う場合、皮膜表面にグラファイト粒子が露出することで油が流れにくくなるので、分解洗浄および注油の回数を減らすことができる。
本発明の接触部品において、前記複合メッキは、金属メッキ、および前記グラファイト粒子における前記金属メッキに埋設された部分を含む皮膜部と、前記グラファイト粒子における前記皮膜部から露出した部分を含むグラファイト露出部とを有し、前記グラファイト露出部は、前記皮膜部に沿って圧延されていることが好ましい。
この発明によれば、グラファイト露出部が圧延されて略層状となり、このような略層状のグラファイト露出部を介して部品同士が滑り接触状態で摺動するため、グラファイトの潤滑性が十分に作用する。これによって耐摩耗性をより向上させることができる。また、グラファイト露出部が圧延によって皮膜部に密着するため、グラファイト粒子が削れにくく、グラファイト露出部を略層状の状態に長期に亘って維持できる。
そのうえ、皮膜部の表面に、部品の基材表面の凹凸などに起因する微細な凹凸がある場合に、圧延されたグラファイト粒子がこの凹凸を埋めるので、接触面が平滑化される。この点でも、耐摩耗性を向上させることができる。
なお、以下では、略層状のグラファイト露出部をグラファイト層ということがある。
本発明の接触部品において、前記複合メッキは、金属メッキ、および前記グラファイト粒子における前記金属メッキに埋設された部分を含む皮膜部と、前記グラファイト粒子における前記皮膜部から露出した部分を含むグラファイト露出部とを有し、前記グラファイト露出部は、相手部品との接触時に前記皮膜部に沿って圧延されることが好ましい。
この発明によれば、相手部品との接触時にグラファイト露出部が圧延されることにより、前記発明と同様の効果が得られる。本発明の通り、グラファイト露出部は相手部品との接触時に圧延されるため、接触部品の使用前に予めグラファイト露出部を圧延する工程は不要となる。
本発明の接触部品において、前記グラファイト粒子の粒径は、100nm以上、500nm以下であることが好ましい。
この発明によれば、前記粒径により、相手部品との接触時に複数のグラファイト粒子が連続的となったグラファイト層をより確実に形成することが可能となる。
ここで、粒径が100nm未満の場合には、相手部品との接触時にグラファイト粒子が削れて転がり接触状態となり易いので、グラファイトの潤滑性が十分に発揮される滑り接触の場合ほどの耐摩耗性は得られない。一方、粒径が500nm超の場合には、耐摩耗性を向上させることは可能であるが、グラファイトの使用量に見合うだけの耐磨耗性を得ることはできない。従って、グラファイトの粒径は100nm以上、500nm以下が好適である。
また、前記粒径によって分散性が良好となるため、メッキ処理時における金属メッキへのグラファイト粒子の取り込み量、すなわち金属メッキに対するグラファイトの含有量が多くなる。これによって複合メッキの皮膜表面に露出するグラファイトの量が増え、潤滑性が向上する。すなわち、グラファイト粒子が削れずにグラファイト層が形成されることと、良好な分散性による含有量増加とによって、耐摩耗性をより一層向上させることができる。
本発明の接触部品において、前記複合メッキの厚みは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。
この発明によれば、複合メッキの厚みが薄いことにより、複合メッキの厚みのばらつきが小さくなるので、精密部品に必要な寸法精度を確保できる。
ここで、複合メッキの厚みが0.1μm未満の場合には、金属メッキにグラファイト粒子が十分に取り込まれないため、耐摩耗性の向上に繋げることが難しい。
一方、複合メッキの厚みが10μmを超える場合には、厚みのばらつきが大きくなるため、精密部品に必要な寸法精度を維持することが難しくなるうえ、グラファイト粒子の取り込み量に見合うだけの耐摩耗性が得られず、摩擦低減効果が飽和する。従って、複合メッキの厚みは、0.1μm以上、10μm以下が好適である。
ここで、複合メッキの厚みとは、複合メッキ全体の厚みであり、金属メッキの表面からグラファイト粒子が突出している場合には、金属メッキの膜厚と、金属メッキ表面からのグラファイト粒子の突出寸法とを足した寸法をいう。なお、金属メッキの表面に沿ってグラファイト層が形成されている場合には、金属メッキの膜厚と、グラファイト層の厚さとを足した寸法が複合メッキの厚みとなる。以下では、このような複合メッキの厚みを複合メッキの膜厚ということがある。
本発明の接触部品において、前記金属メッキに対する前記グラファイト粒子の含有量は、0.1質量%以上、5質量%以下であることが好ましい。
この発明によれば、グラファイト粒子の含有量が多いことにより、十分な潤滑性を有する複合メッキを薄い膜厚で形成することが可能となる。
ここで、グラファイトの含有量が0.1質量%未満の場合には、複合メッキの皮膜表面に露出するグラファイト量が少ないため、耐磨耗性の向上に繋げることが難しい。一方、グラファイトの含有量が5質量%を超える場合には、分散剤の含有量も増えメッキ付き不良やメッキ割れが生じ易いうえ、摩擦低減効果が飽和する。従って、金属メッキに対するグラファイトの含有量は、0.1質量%以上、5質量%以下が好適である。
本発明の接触部品において、前記複合メッキは、当該接触部品の体表面部全体または相手部品との接触部分に形成されることが好ましい。
前述したように、複合メッキの皮膜表面においてグラファイト粒子以外の部分には金属メッキが露出するため、接触部品の全体に複合メッキを形成しても装飾性は損われない。このため、接触部品全体に複合メッキ皮膜を形成することにより、摺動部や切替部などの相手部品との接触部分以外の部分に別途メッキ仕上げなどをすることなく、外観が良好でかつ耐磨耗性に優れた接触部品が簡単に得られる。
また、複合メッキが相手部品との接触部分のみに形成された場合には、グラファイトや分散剤の使用量を節約できる。
本発明の接触部品において、前記金属メッキは、ニッケルメッキであることが好ましい。
この発明によれば、ニッケルとグラファイトとの組み合わせにより、耐摩耗性に優れるだけでなく、防錆性が大きく、かつ外観が良好な複合メッキを形成することができる。
本発明の接触部品において、前記複合メッキは、電気メッキ処理により形成されることが好ましい。
この発明によれば、電気メッキ処理によって金属メッキの表面が平滑となり、金属メッキ皮膜の潤滑性が向上するので、耐摩耗性をより向上させることができる。
本発明の接触部品において、前記複合メッキは、無電解メッキ処理により形成されることが好ましい。
この発明によれば、無電解メッキ処理後に熱処理などを行うことにより、電気メッキ処理と比べて硬い金属メッキ皮膜を形成できるので、耐摩耗性を向上させることができる。また、無電解メッキにより、接触部品の凹凸部や曲率が大きい部分にも均一な厚みの皮膜を形成し易くなるため、高い耐摩耗性が安定的に得られる。
本発明の接触部品において、前記摺動部は、時計用輪列部品のホゾ、または時計用輪列部品のカナであることが好ましい。
この発明によれば、高速や高トルクでの回転によって磨耗し易いホゾやカナに前記複合メッキが形成されることにより、耐磨耗性向上の本発明の意義を大きくできる。
本発明の接触部品において、前記切替部は、バネ力によって加圧された状態で相手部品と接触することが好ましい。
この発明によれば、加圧された状態で接触状態が切り替わるため、大きな負荷が掛かって磨耗し易い切替部に前記複合メッキが形成されることにより、耐磨耗性向上の本発明の意義を大きくできる。
本発明の時計は、前述した接触部品を備えることを特徴とする。
この発明によれば、前述した接触部品を備えるため、前述の作用および効果と同様の作用および効果を享受できる。
以上の本発明によれば、複雑な工程を必要とすることなく、耐磨耗性が大幅に向上された接触部品を提供できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。〔第1実施形態〕
第1実施形態は発電機を備えた電子時計であり、本実施形態では、摺動部を有する接触部品として、発電機が有するロータを示す。
[1.電子時計の構成]
図1は、本実施形態に係る腕時計のムーブメント10の平面図であり、図2は、ムーブメント10の断面図である。
ムーブメント10は、回転錘11と、回転錘11の回転を増速して伝達する増速輪列111と、回転錘11の回転力によって発電する発電機12と、発電機12により発生した電力を蓄える二次電池13と、発電機12により発生した電力または二次電池13の電力によって駆動される回路基板14と、時針や分針などの指針を駆動する図示しないステップモータ等とを備える。
回転錘11は、回転中心と重心とが偏心した略半円形の部材であり、ボールベアリング110A(図2)を介して地板100に回転可能に支持される。
増速輪列111は、回転錘11に固定された歯車112と、この歯車112に噛合する中間歯車113と、この中間歯車113に噛合するロータカナ114とを有する。
発電機12は、摺動部を有する接触部品としてのロータ121と、ステータ122と、コイル123とを備えており、ロータ121にはロータカナ114が固定されている。回転錘11の回転運動が歯車112、中間歯車113、およびロータカナ114を介して増速され、ロータ121が高速で回転する。
回路基板14は、水晶振動子141、制御用IC(Integrated Circuit)142等を有する。制御用IC142は、水晶振動子141の基準クロックを分周する分周回路、基準クロックをカウントして時刻を計時する計時回路、および計時回路からの信号に基づいてステップモータを制御する制御回路などを有する。
[2.摺動部を有するロータの構成]
ロータ121は、図2に示すように、地板100と輪列受101との間に軸支されており、下ホゾ124と上ホゾ125とを有する。
図3は、ロータ121の下部を示す。ロータ121の下ホゾ124は、中央にホゾ穴150Aが形成されたルビー等の受石150に挿入される。
ここで、ロータ121において受石150との接触部分、および受石151(図2)との接触部分が摺動部であり、ロータ121における少なくともこれらの摺動部を含む部分に、複合メッキ160が形成される。本実施形態に示す複合メッキ160はロータ121の体表面全体に形成されるが、摺動部のみに複合メッキ160が形成されていてもよい。
[3.複合メッキの構成]
図4は、図3の要部拡大模式図である。複合メッキ160は、金属メッキとしてのニッケルメッキNに、グラファイト粒子Gが混入されることで形成される。複合メッキにおける金属メッキは、本実施形態では防錆のためにニッケルメッキであるが、亜鉛メッキや、その他の金属メッキ、合金メッキ等であってもよい。
なお、図4や、後述する図5では、構造を理解し易くするために、ニッケルメッキNの膜厚に対してグラファイト粒子Gの大きさを誇張して大きく示している。
なお、図4は、ロータ121が相手部品としての受石150に対して未だ摺動していない状態を示す。
本実施形態の複合メッキ160は、グラファイト粒子Gが混入された電気ニッケルメッキ浴にロータ121を浸漬し、ロータ121を陰極として電圧を印加する電気メッキ処理により形成される。ロータ121の体表面には、電気分解によってニッケルとグラファイトとが共析する。なお、本実施形態では、ポリアクリル酸等の分散剤をメッキ浴に混入することによって、グラファイト粒子Gをメッキ浴に分散させる。メッキ浴中で、ロータ121の体表面近傍のグラファイト粒子Gは、ロータ121の体表面に析出するニッケルに引っ張られるようにしてニッケルメッキN内に取り込まれていき、ニッケルメッキN中に略均一に分散する。
グラファイト粒子Gはそれぞれ、その全部または一部分がニッケルメッキNに埋設される。すなわち、ニッケルメッキNの表面近傍に位置するグラファイト粒子Gは、その一部がニッケルメッキNに埋設され、残りの部分がニッケルメッキNから露出する。
ここで、グラファイト粒子Gの粒径は、100nm以上、500nm以下であることが好ましい。より好ましい粒径は、200nm以上、300nm以下である。グラファイト粒子Gの粒径がこのように大きいため、グラファイト粒子Gの分散性が良好であり、膜厚が薄い場合でも、グラファイト粒子GのニッケルメッキNへの取り込み量を確保し易い。ただし、グラファイト粒子Gの粒径が500nmを超えると、むしろ分散性を阻害するおそれがある。
このため、複合メッキ160は、膜厚が0.1μm以上、10μm以下となるような成膜条件で形成され、その結果、ニッケルメッキNに対するグラファイト粒子Gの含有量は、0.1質量%以上、5質量%以下となる。
以上により、複合メッキ160は、ニッケルメッキN、およびグラファイト粒子GにおけるニッケルメッキNに埋設された部分を含む皮膜部161と、グラファイト粒子GにおいてニッケルメッキNに埋設されずに皮膜部161から露出した部分を含むグラファイト露出部162とを有する。このような複合メッキ160の膜厚は、皮膜部161の膜厚とグラファイト露出部162の厚みとを足した厚みであり、当該厚みは、0.1μm以上、10μm以下である。
図5は、ロータ121と受石150とが摺動した後における複合メッキ160の状態を示す模式図である。
グラファイト露出部162は、受石150との摩擦摺動により、皮膜部161に沿って圧延される。このように圧延されることでグラファイト粒子Gが連続的となるため、グラファイト露出部162は略層状となる。このような略層状のグラファイト露出部162を介して、ロータ121と受石150とが滑り接触状態で摺動するため、グラファイトの優れた潤滑性が十分に作用する。
また、圧延によってグラファイト粒子GがニッケルメッキNに密着するため、グラファイト層(略層状のグラファイト露出部162)が長期に亘り維持される。
ここで、ニッケルメッキNの表面に、ロータ121の基材表面の凹凸などに起因する微細な凹凸がある場合、圧延されたグラファイト粒子Gがこの凹凸を埋める。これにより、ロータ121の受石150との接触面が平滑化されるので、潤滑性が向上する。
なお、グラファイト粒子Gの圧延後の状態において、ニッケルメッキNの全体がグラファイト粒子Gによって被覆されていなくてもよく、グラファイト粒子Gとグラファイト粒子Gとの間からニッケルメッキNが見えていてもよい。
[4.磨耗試験]
図6は、複合メッキ160に関する磨耗試験の結果を示す。本試験では、ボールオンプレート往復揺動式の摩擦摩耗試験機により、次に示す試料1〜4について、鋼板とアルミナ(Al)球との摩擦係数を測定した。ここでは、鋼板(高炭素鋼材、Hv硬さ700、表面粗さ(Ra)5nm)と、アルミナ球(Hv硬さ1500)とを用いる。また、本試験では、グラファイト粒子の粒径を約200nmとした。
試料1:膜厚1μmの複合メッキが形成された鋼板
試料2:膜厚5μmの複合メッキが形成された鋼板
(比較用)試料3:メッキなしの鋼板
(比較用)試料4:膜厚5μmの電気ニッケルメッキのみが形成された鋼板
なお、試料3、4は本実施形態との比較用に使用した。試料3のメッキ皮膜には、グラファイト粒子が含まれていない。
本試験の試験条件は、荷重:100g(90kg/mm)、ストローク:2Hz(0.5秒/回)、ストローク長さ:10mm、トータル時間:1400秒である。本試験は、ロータ121と受石150との摺動に換算すれば、数ヶ月間の耐久性試験に相当する。
なお、鋼板とアルミナ球との接触面には注油しない。
ここで、試料3(メッキなしの鋼板)を使用した場合の摩擦係数は、0.63〜0.80程度と大きく、かつ変動が大きいため安定しない。また、試料4(電気ニッケルメッキのみ)については、特に試験初期での摩擦係数の変動が大き過ぎる。この試料4の摩擦係数は、試験中期には0.35前後と小さいものの、試験初期から試験終期までの全体に亘って変動が大きい。
一方、試料1(膜厚1μmの複合メッキ)については、試料3、4と比較して試験初期から試験終期まで摩擦係数が安定しており、かつ摩擦係数が0.25〜0.38程度と小さい。また、試料2(膜厚5μmの複合メッキ)については、摩擦係数が試料1よりもさらに安定しており、かつ摩擦係数が0.25〜0.30程度と小さい。
なお、複合メッキの膜厚を10μm超とした場合、膜厚のばらつきが大きくなるので、接触部品として必要な寸法精度を確保することが難しい。また、複合メッキの膜厚を10μm超としてグラファイトの含有量を増加させても、摩擦係数が大幅に減少することはなく、そのグラファイトの含有量に見合うだけの摩擦低減効果が得られない。つまり、摩擦低減が飽和状態となる。
以上により、複合メッキの膜厚は、耐摩耗性の向上に寄与するグラファイト取り込み量を実現可能な0.1μm以上で、かつ10μm以下であることが好ましい。
図7に、複合メッキの膜厚、電流密度、グラファイト含有量、メッキ浴の液温のそれぞれに応じた複合メッキの良、不良を示した。この図7に示すように、複合メッキの膜厚は、グラファイトをニッケルメッキに十分に取り込むために厚い方が良い。但し、前述したように膜厚を大幅に増加させると膜厚のばらつきが大きくなり、そのうえ摩擦係数の低減が飽和状態となるので、10μmを上限とするのが良い。
一方、メッキ焼けを防止するため、電流密度は低い方が良い。具体的に、0.1A/dm以上、30A/dm以下が好ましい。
また、グラファイト含有量が多いほど、皮膜部から露出するグラファイト量も多くなって潤滑性が向上するので良い。但し、前述したように摩擦係数の低減が飽和し、かつ分散剤の必要量が増えてメッキ不良となりやすいため、ニッケルメッキに対するグラファイトの含有量は、耐摩耗性の向上に寄与する0.1質量%以上で、かつ5質量%以下であることが好ましい。
そして、メッキ浴の液温は、分散剤を変質させないように低い方が良く、10℃以上、40℃以下が好ましい。
次に、グラファイトの粒径によるグラファイト層の状態の違いを示す。
図8は、上記と同様の摩擦磨耗試験を行った後における試料2の摩擦痕の40倍拡大写真を示す。前述したように、試料1のグラファイト粒径は約200nmであり、複合メッキの膜厚は5μmである。この図8に示すように、アルミナ球と摺動した部分でグラファイト粒子が圧延されることにより、黒っぽく筋状に見えるグラファイト層(略層状のグラファイト露出部)162が形成されている。このグラファイト層162はニッケルメッキNに密着しており、削れカスが無い。このため、相手部品との摺動状態が滑り接触となり、グラファイトの潤滑作用が十分に発揮される。
なお、アルミナ球が摺動した部分以外では、グラファイト粒子Gが皮膜部161から部分的に露出するため、ニッケルメッキの装飾性が維持される。
一方、図9は、図8との比較例として、粒径20nmのグラファイト粒子を含む複合メッキ(膜厚は5μm)が形成された前記鋼板について、上記と同様の摩擦磨耗試験を行った後における摩擦痕の40倍拡大写真を示す。この図9に示すように、アルミナ球が摺動した部分でグラファイト粒子は削れる。本例の複合メッキでは、粒径が小さいためグラファイトが圧延されにくく、グラファイト層が確実に形成されるとは言い難い。本例の場合、グラファイト粒子の削れカスがコロ状となるので、相手部品との摺動状態が転がり接触となり、グラファイトの潤滑作用が十分には発揮されない。このため、図8のような滑り接触の場合ほどには耐摩耗性を向上させることができない。
以上から、グラファイト層が確実に形成される程度にグラファイトの粒径が大きい場合に、耐摩耗性を大幅に向上させることができる。グラファイトの粒径は、分散し易さなどを考慮すると、100nm以上、500nm以下が好適である。
ここで試料2について、メッキ後および摩擦摩耗試験後の表面の拡大写真(1000倍)を図10および図11に示す。図10より、メッキ後の表面には、グラファイト粒子Gが分散しており、さらにその一部が皮膜部から露出して存在していることもわかる。また、図11より、前記した摩擦摩耗試験を行った後には、グラファイト粒子Gがつぶされて引き延ばされ、試料表面全体に広がっていることがわかる。
また、図12の左側には、前記した摩擦摩耗試験後の試料2の表面について、摩耗部分(摩耗痕)とそれ以外の部分とがわかるように撮影した写真を示す。そして、摩耗痕の方向と垂直方向に表面粗さを測定した結果を、図12の右側に示す。摩擦摩耗試験により、試料2の表面に突き出たグラファイト粒子Gがつぶされて引き延ばされ、表面が滑らかになっていることが理解できる。ここで磨耗痕部のRaは0.06μmであり、磨耗痕部以外のRaは0.17μmであった(レーザーテック株式会社製 広視野コンフォーカル顕微鏡 HD100D型使用)。
[5.実施形態の効果]
本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)ロータ121に形成された複合メッキ160はニッケルメッキNから露出するグラファイト粒子Gを有し、ロータ121と受石150との摺動によってグラファイト粒子GがニッケルメッキNの表面に沿って圧延されることにより、略層状のグラファイト露出部162が形成されるので、グラファイトの潤滑性が滑り接触状態下で十分に発揮される。
また、圧延によってグラファイト露出部162が皮膜部161に密着するため、略層状のグラファイト露出部162を長期に亘り維持できる。
そのうえ、複合メッキ160は、メッキ浴にグラファイト粒子Gを混入して電気メッキ処理を行うだけで容易に製造可能である。以上から、高速摺動することで特に磨耗し易いロータ121の耐摩耗性を安価なコストで大幅に向上させることができる。
(2)グラファイト粒子Gの粒径が100nm以上、500nm以下であることにより、相手部品との摺動時にグラファイト粒子Gが削れずに圧延されるので、複数のグラファイト粒子Gが連続的となった略層状のグラファイト露出部162をより確実に形成することが可能となる。また、前記粒径によって分散性が良好となるため、ニッケルメッキNへのグラファイト粒子Gの取り込み量を多く、つまりグラファイトの含有量を多くできる。これによりグラファイト露出部162のグラファイト粒子Gの量も増え、潤滑性が向上する。すなわち、グラファイト粒子Gが削れずに圧延されることと、良好な分散性による含有量増加とによって、耐摩耗性をより一層向上させることができる。
(3)上述のようにグラファイト粒子Gの粒径が大きいことにより、グラファイト粒子Gの取り込み量が多くなるため、複合メッキ160の厚みを0.1μm以上、10μm以下にまで薄くできる。これによって複合メッキ160の膜厚のばらつきが小さくなるので、時計部品に必要な寸法精度を確保できる。
(4)上述のようにグラファイト粒子Gの粒径が大きいことにより、グラファイト粒子GのニッケルメッキNに対する含有量が0.1質量%以上、5質量%以下のように多くなるので、潤滑性を向上させることができる。
(5)下ホゾ124および上ホゾ125だけでなく、ロータ121の体表面全体に複合メッキ160が形成されることにより、耐磨耗性に優れ、かつニッケルメッキNが美しいロータ121が簡単に得られる。すなわち、ロータ121に装飾性を与えるために、ホゾ部以外の部分に別途メッキ仕上げをしたり、全体を一旦複合メッキにより被覆した後、ホゾ部以外のメッキを剥がして仕上げを行うことなどが不要となる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図13〜図15を参照して説明する。本実施形態では、複合メッキが形成された接触部品として、切替部を有するオシドリおよびカンヌキを示す。
図13および図14は、機械時計、電子時計、および電子制御式時計などに組み込まれる針合わせ機構20を示す。なお、図13および図14は、時計の風防ガラス側から見た状態を示す。
針合わせ機構20は、リュウズ21と、巻真22と、巻真22を操作する動作に応じて互いの接触状態が切り替わるオシドリ23およびカンヌキ24と、巻真22に角穴で挿通されたツヅミ車25と、図示しない日の裏車に噛合する小鉄車26とを有する。なお、キチ車27は、それぞれゼンマイを有する機械時計および電子制御式機械時計の場合に設けられていればよく、ツヅミ車25がキチ車27に噛合する図13の状態で巻真22を回すことにより、ゼンマイが巻上げられる。
ここで、図13は、巻真22がムーブメントの内側に向かって押し込まれた状態を示し、図14は、巻真22がムーブメントの外側に引き出された状態を示す。
オシドリ23は、地板に立設されたオシドリピン231に回動可能に設けられ、巻真22の小径部に係合する。このオシドリ23は、巻真22を軸方向に沿って押し引き操作することによって回動する。
カンヌキ24は、地板に立設されたピン241に回動可能に設けられ、ツヅミ車25の小径部に係合する。このカンヌキ24は、図示しないカンヌキ押さえのバネ力によって図13の時計回り方向に付勢されており、オシドリ23の側面部に接触する。図13では、カンヌキ24に係合されたツヅミ車25が小鉄車26から離間するが、図14のように巻真22を引き出すと、オシドリ23が回動してカンヌキ24をカンヌキ押さえのバネ力に抗して押すため、ツヅミ車25が小鉄車26に噛合する。この状態で巻真22を回すと、オシドリ23、カンヌキ24、ツヅミ車25、小鉄車26、そして図示を省略した日の裏車、筒車、および番車が順次回転するため、針合わせ(表示時刻の修正)が可能となる。
ここで、カンヌキ24とオシドリ23との接触状態は、図13の状態と、図14の状態とに切り替わり、オシドリ23の側面部とカンヌキ24の側面部とがそれぞれ、切替部である。これらオシドリ23の側面部とカンヌキ24の側面部とは、図13および図14のそれぞれの状態において、図示しないカンヌキ押さえのバネ力によって加圧された状態で接触する。この加圧接触によってオシドリ23の回動位置が決まるため、巻真22が内側に押し込まれた状態、あるいは外側に引き出された状態のいずれかに維持される。
図15は、図13のXV−XV線断面図である。上述のようなオシドリ23およびカンヌキ24は、接触状態が切り替わる際に大きな負荷が掛かって磨耗し易い。このようなオシドリ23およびカンヌキ24のそれぞれの体表面全体には、第1実施形態と同様の複合メッキ160が形成される。但し、複合メッキ160は、オシドリ23およびカンヌキ24のそれぞれの側面部のみに形成されていてもよい。なお、図15における皮膜部161およびグラファイト露出部162のそれぞれの厚みは、誇張して厚く示されている。
複合メッキ160のグラファイト露出部162は、オシドリ23とカンヌキ24との接触状態が切り替わることによって図5のように圧延される。このように圧延されて略層状となったグラファイト露出部162を介してオシドリ23とカンヌキ24とが滑り接触するため、オシドリ23とカンヌキ24との耐摩耗性を大幅に向上させることができる。
本実施形態によれば、第1実施形態で述べた効果と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態ではオシドリ23とカンヌキ24との両方に複合メッキ160が形成されるため、いずれか一方に複合メッキ160が形成された場合よりも耐磨耗性を向上させることができる。
〔本発明の変形例〕
なお、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
前記各実施形態の複合メッキ160は電気メッキによって形成されていたが、本発明の複合メッキは無電解メッキによって形成されていてもよい。前記第1、第2実施形態において、電気ニッケルメッキ浴の代わりに無電解ニッケルメッキ浴を使用し、無電解メッキ処理を行うことにより、グラファイト粒子を含有した複合メッキを形成することが可能である。このような無電解メッキにより、ホゾやカナなど、接触部品の凹凸部であって曲率が大きい部分にも均一な厚みの皮膜を形成し易くなる。このため、高い耐摩耗性が安定的に得られる。
なお、本発明の複合メッキの金属メッキには少なくともグラファイト粒子が混入されていればよいため、グラファイト粒子と、その他の粒子とが金属メッキに混入されることによって本発明の複合メッキが形成されていてもよい。
本発明の複合メッキが形成される箇所は、第1実施形態に示した発電機のロータ121や、第2実施形態に示したオシドリ23およびカンヌキ24には限定されない。
例えば、摺動部を有する接触部品として、指針を駆動するステップモータのロータに複合メッキを形成してもよい。なお、ロータに限らず、ロータカナや、二番車、三番車等の時計用輪列部品のホゾやカナなどに複合メッキを形成してもよい。さらには、オシドリピンや、レバーの回動軸部や、長孔によって摺動案内されるピンや、押しボタンの操作軸および案内筒などに複合メッキが形成されていてもよい。
なお、針合わせ機構は、第2実施形態に示した針合わせ機構20に限らず種々のものがあり、ツヅミ車に係合するカンヌキ押さえや、巻真の引き出し操作を検知して運針を停止するためのリセットレバーなどを備えて構成される場合がある。このような針合わせ機構を構成する部品同士が摺動する部分や、接触状態が切り替わる部分に複合メッキを形成することが可能である。
このほか、相手部品に接触して摺動する摺動部、または相手部品との接触状態が切り替わる切替部に適宜、本発明の複合メッキは形成される。
本発明の第1実施形態に係る時計のムーブメントの平面図である。 前記ムーブメントの断面図である。 発電機のロータの摺動部を示す拡大図である。 図3の要部拡大模式図である。 相手部品との摺動後における複合メッキの状態を示す模式図である。 複合メッキに関する磨耗試験結果を示す。 各種条件による複合メッキの良、不良を示す。 磨耗試験後における摩擦痕の40倍拡大写真である(粒径約200nm)。 磨耗試験後における摩擦痕の40倍拡大写真である(粒径約20nm)。 複合メッキ後の試料2表面の1000倍拡大写真である。 複合メッキ後の試料2表面に対して摩擦摩耗試験を行った後の1000倍拡大写真である。 摩擦摩耗試験後の表面写真と、摩耗痕部の表面粗さデータを併記して示す図である。 本発明の第2実施形態に係る針合わせ機構において、巻真が押し込まれた状態を示す。 前記針合わせ機構において、巻真が引き出された状態を示す。 図13のXV−XV線断面図である。
符号の説明
23・・・オシドリ(接触部品)、24・・・カンヌキ(接触部品)、121・・・ロータ(接触部品)、150・・・受石、160・・・複合メッキ、161・・・皮膜部、162・・・グラファイト露出部、G・・・グラファイト粒子、N・・・ニッケルメッキ。

Claims (13)

  1. 相手部品と接触して摺動する摺動部、または相手部品との接触状態が切り替わる切替部を有する接触部品であって、
    前記摺動部または前記切替部には、金属メッキに少なくともグラファイト粒子が混入された複合メッキが形成される
    ことを特徴とする接触部品。
  2. 請求項1に記載の接触部品において、
    前記複合メッキは、金属メッキ、および前記グラファイト粒子における前記金属メッキに埋設された部分を含む皮膜部と、前記グラファイト粒子における前記皮膜部から露出した部分を含むグラファイト露出部とを有し、
    前記グラファイト露出部は、前記皮膜部に沿って圧延されている
    ことを特徴とする接触部品。
  3. 請求項1に記載の接触部品において、
    前記複合メッキは、金属メッキ、および前記グラファイト粒子における前記金属メッキに埋設された部分を含む皮膜部と、前記グラファイト粒子における前記皮膜部から露出した部分を含むグラファイト露出部とを有し、
    前記グラファイト露出部は、相手部品との接触時に前記皮膜部に沿って圧延される
    ことを特徴とする接触部品。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の接触部品において、
    前記グラファイト粒子の粒径は、100nm以上、500nm以下である
    ことを特徴とする接触部品。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の接触部品において、
    前記複合メッキの厚みは、0.1μm以上、10μm以下である
    ことを特徴とする接触部品。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の接触部品であって、
    前記金属メッキに対する前記グラファイト粒子の含有量は、0.1質量%以上、5質量%以下である
    ことを特徴とする接触部品。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の接触部品において、
    前記複合メッキは、当該接触部品の体表面部全体または相手部品との接触部分に形成される
    ことを特徴とする接触部品。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の接触部品において、
    前記金属メッキは、ニッケルメッキである
    ことを特徴とする接触部品。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の接触部品において、
    前記複合メッキは、電気メッキ処理により形成される
    ことを特徴とする接触部品。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の接触部品において、
    前記複合メッキは、無電解メッキ処理により形成される
    ことを特徴とする接触部品。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の接触部品において、
    前記摺動部は、時計用輪列部品のホゾ、または時計用輪列部品のカナである
    ことを特徴とする接触部品。
  12. 請求項1から10のいずれかに記載の接触部品において、
    前記切替部は、バネ力によって加圧された状態で相手部品と接触する
    ことを特徴とする接触部品。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の接触部品を備える
    ことを特徴とする時計。
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