JP2009209966A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】減速用変速制御モードから常用変速制御モードへの円滑な切替えを実現し、運転操作性の向上及び燃費悪化の防止を図った変速制御装置を提案する。
【解決手段】減速運転時に燃料の供給が停止可能である車両用の変速制御装置5で、該常用変速制御モードより高車速側に設定され燃料の供給停止をするような減速用の変速線を用いて変速する減速用変速制御モードとを選択的に切り替えるモード切替変速制御手段と、モード切替変速制御手段による切り替えで、常用変速制御モードを起動したときの所定変速段へのアップシフト線と、前記減速用変速制御モードを起動したときの前記所定変速段からのダウンシフト線との間の領域として形成される逆転部の存在を許容し、減速用変速制御モードの起動中に車両状態が逆転部内にあり、車両状態が当該逆転部を抜けるとの予測判定をしたときに、常用変速制御モードに復帰させる常用変速制御モード復帰手段とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載されたエンジン(内燃機関)に連結される自動変速機の変速制御装置に関する。より詳細には、常用の変速制御だけでなく、燃費向上などに配慮した減速運転時用の変速制御も行うように構成してある変速制御装置に関する。
車両の減速時などに燃料の供給停止をできるように構成して燃費向上を図ったエンジンが従来から知られており、このようなエンジンに連結される自動変速機の変速制御についても種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1で提案するような自動変速機の変速制御装置がある。この変速制御装置は、所定のエンジン回転数以上からの減速運転で燃料供給を停止する燃料供給停止手段を備えたエンジンに連結されるもので、予め設定された変速線に従って自動変速機を制御する常用変速制御手段を含んでいる。特に、この変速制御装置は、所定の減速運転時には常用変速制御手段による変速制御に代えて、燃料の供給をしなくてもエンスト(エンジンストール)を回避できるような所定回転数に維持する減速用変速制御手段を含んでいる。これにより燃料の供給停止を継続させることで燃費向上を図るようにしている。
ところで、例えば車両が高速走行した後に惰性走行(コースティング走行)に入って徐々に減速走行するような状況では、スロットル開度が小さくなり、変速段が高速側にシフトされることになる。ところが、このときにはエンジン回転数が低下して燃料の供給停止をすることが困難となっている。これに対して、上記特許文献1で提案している技術を採用すると、所定の減速運転状態を検出したときに、減速用変速制御手段がエンジン回転数を所定回転数以上に維持して燃料供給停止を長時間継続させることで燃費改善を図ることができる。
特開平4−203559号公報
上記のように常用の変速線を用いて車両の変速を制御するモード(以下、常用変速制御モード)とエンジンへの燃料の供給停止をするような減速運転状況で減速用の変速線を用いて車両の変速を制御するモード(以下、減速用変速制御モード)とを切り替えて変速制御をする場合、それぞれの変速制御モード用の変速線が予め準備される。このような変速線図としては、車速とスロットル開度(或いは、アクセル開度)とによるものが一般的である。
ところが、近年における燃費向上の要請などを受けて、上記変速制御モード毎に設定される変速線(シフト線)によって上記常用変速制御モードを起動したときに所定変速段へのアップシフト線と、上記減速用変速制御モードを起動したときの上記所定変速段からのダウンシフト線との間の領域として一定の部分が形成される場合がある。この部分に車両状態が停滞するとギア段が頻繁に切り替わる現象(以下、ハンチング、と称する)や運転操作の応答遅れなどの問題発生が懸念されることになる。上記特許文献1で提案している変速制御装置は、このような問題を発生させる場合があるので運転者に違和感を与えてしまう場合がある。更には、ハンチング発生による無用なギア変更や不適切なギア設定は燃費悪化を招来してしまう。
よって、本発明の目的は、減速用変速制御モードから常用変速制御モードへの円滑な切替えを実現し、運転操作性の向上及び燃費悪化の防止を図った自動変速機の変速制御装置を提案することである。
上記目的のため、本発明に係る自動変速機の変速制御装置は、減速運転時に燃料の供給が停止可能である車両用のエンジンに連結されることを前提とし、
常用の変速線を用いて変速する常用変速制御モードと、該常用変速制御モードより高車速側に設定され前記エンジンへの燃料の供給停止をするような減速運転状況で減速用の変速線を用いて変速する減速用変速制御モードと、を選択的に切り替えるモード切替変速制御手段と、
前記モード切替変速制御手段による切り替えでは、前記常用変速制御モードを起動したときの所定変速段へのアップシフト線と、前記減速用変速制御モードを起動したときの前記所定変速段からのダウンシフト線との間の領域として形成される逆転部の存在を許容し、
前記減速用変速制御モードの起動中に車両状態が前記逆転部内にあり、その後に車両状態が当該逆転部を抜けるとの予測判定をしたときに、前記常用変速制御モードに復帰させる常用変速制御モード復帰手段とを備える、ことにより特徴付けされるものである。
かかる本発明の自動変速機の変速制御装置によれば、モード切替変速制御手段が減速用変速制御モードを起動しているときに、常用変速制御モード復帰手段が種々の情報を元に車両状態を確認して逆転部を抜けるとの予測判定をしたときには、制御モードを速やかに常用変速制御モードに復帰させる。前記逆転部はギア段のハンチングや操作の応答遅れを伴う領域であり、この領域に車両状態が停滞すると運転者に違和感を与え、また燃費悪化を伴う場合がある。本発明の自動変速機の変速制御装置は、減速用変速制御モードから常用変速制御モードへの復帰を円滑に実行できるので運転者の違和感を無くし、しかも燃費悪化を防止できる。
以下、本発明の一実施形態として好適な実施例を、図を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係る、車両にエンジンと共に搭載されて、そのエンジンに連結された自動変速機のシステム構成について示した図である。エンジン1にトルクコンバータ3を介して自動変速機2が連結されている。自動変速機2内の各種変速要素への油圧をコントロールする複数のソレノイドバルブ4A〜4Eへは、変速制御装置としてのコントローラ5から制御信号が出力され、これによって変速動作が制御されるようになっている。
上記車両には、車両状態を検出する種々のセンサ、すなわちエンジン1の吸気通路に配備されているスロットル弁(図示省略)の開度TVOを検出すると共に、スロットル弁の全閉位置でONとなるアイドルスイッチ6Aを含んだスロットル操作検出手段としてのスロットルセンサ6などが設けられる。これらスロットルセンサ6及びアイドルスイッチ6Aの検出信号は上記コントローラ5へと供給されている。
同様に、上記車両には、エンジン回り或いは車両の適切箇所に配置したセンサ、すなわち車両の車速VSPを検出する車速センサ7、エンジン回転数NEを検出する回転数センサ(クランク角センサなど)8、自動変速機2の変速段(ギア位置)を検出するギア位置センサ9が設けられる。また、車両の加速度VACを検出する車両加速度検出手段としての加速度センサ10、車両が走行している路面の勾配(傾斜)を検出する降坂勾配検出手段としての勾配センサ11が設けられる。これらセンサ7〜11からの検出信号も上記コントローラ5へ供給されている。
コントローラ5は上記のように各種センサやスイッチからの検出信号を参照して、自動変速機2を変速制御する。すなわち、自動変速機の変速制御装置を実現しているコントローラ5は、後述するようにモード切替変速制御手段及び常用変速制御モード復帰手段として機能して円滑な変速制御を実行する。コントローラ5は車両が通常の走行状態にあるときには、常用の変速線を用いて変速する常用変速制御モードを起動させて変速制御する。一方、例えば高速走行後にエンジン回転数NEが所定以上のときにアクセルペダルが解放されてアイドルスイッチ6Aがオンとされた惰性走行などの状況では、減速用の変速線を用いて変速する減速用変速制御モードを起動させて変速制御する。この減速用変速制御モードが起動されるような減速走行時は、従来と同様にエンジン1側で燃料を供給停止する減速燃料カット制御を実行されるように設定されている。なお、上記コントローラ5はエンジン1用のコントローラと兼用する構造としてもよい。
さらに、実施例に係る自動変速機の変速制御装置が新規な制御を行い、従来にはなかった優れた効果を発揮するように構成してある点を、図を参照してより詳細に説明する。図2を参照して、先に指摘したハンチングなどの問題と比較しつつ本発明を詳細に説明する。図2は実施例の変速制御装置で採用される変速線図の一例について示した図である。この図2では常用変速制御モードで使用するものをシフト線(太線)Aで示し、減速用変速制御モードで使用するものをシフト線(細線)Bで示してある。更に、常用である太いシフト線Aについては、実線でアップシフト線を、破線でダウンシフト線を示している。同様に、減速用である細いシフト線Bについては、実線でアップシフト線を、破線でダウンシフト線を示している。
コントローラ5が常用変速制御モードを選択して起動させたときは、太いアップシフト線Aとダウンシフト線Aとに基づいて変速制御を実行する。例えばアクセルが踏み込まれて車速が増して、アップシフト線Aを左側から右側に跨ぐように車両状態が変化すると、ギア段が変更される。すなわち、図2で例示すように、車両状態に基づいて特定される状態特定点MPがアップシフト線Aを跨ぐと、例えば3段から4段へアップシフトされる。これとは逆に、車速が徐々に低下して状態特定点MPがダウンシフト線Aを逆に右から左へ跨ぐ状況では、例えば4段から3段にダウンシフトされる。
そして、図2で示す変速図には、常用変速制御モードと減速用変速制御モードとが準備されているので、エンジン回転数が所定値以上であるときにアクセルペダルが解放されて所定の減速運転状態となった場合、コントローラ5は変速制御モードを常用変速制御モードから減速用変速制御モードに切り替えて起動させる。これによって採用される変速線は、常用の太線Aから減速用の細線Bへと変更されることになる。
上記のように使用される図2の変速線図で、左側の斜線部で示す領域FHは常用変速制御モードのアップシフト線(太い実線)Aと減速用変速制御モードのダウンシフト線(細い破線)Bとの間の領域(部分)である。この部分は選択された変速制御モード間で異なる変速段が設定されてしまう可能性のある逆転部となる領域である。このように逆転部FHが形成されることについて説明する。
一般に車両状態に応じて各変速制御モードで同時に設定される一対のアップシフト線とダウンシフト線は、そのアップシフト線の方がダウンシフト線より高車速側に配置される。そして、互いの線で画定する領域は重複しないように位置設定されている。しかしながら、常用変速制御モードと減速用変速制御モードとは選択的に起動されるので、この関係が逆転し、図2で示すように、同一スロットル開度において、常用変速制御モードの所定変速段(例えば4速)へのアップシフト線Aの高車速側に減速用変速制御モードで上記所定変速段(上記4速)からのダウンシフト線Bが設定されてしまう場合がある。これは車両の燃費向上などを配慮して、各制御モードでのアップシフト線やダウンシフト線の位置が設計されるためである。
図2で例示している場合について更に説明すると、常用変速制御モードが起動されている状態で車速が常用のアップシフト線Aを跨いで逆転部FHへ入ると所定段(例えば4段)へ(3段から)アップ変速される。これとは逆に、減速用変速制御モードが起動されされている状態で車速が減速用のダウンシフト線Bを跨いで逆転部FHへ入ると所定段(例えば4段)から(3段へ)ダウン変速される。すなわち、領域FHでは、選択起動した制御モードによりギア段が逆転する。それがために、上記のようにこの領域を逆転部FHと称している。
上記で説明したことを前提として、車両の状態が上記逆転部FHに停滞することがある。この逆転部FHでの停滞状態でスロットル操作をした場合(再加速、減速、速度維持)に、制御モードが操作の度に切り替わる。例えばアクセル−オン(踏込み)で常用変速制御モードが起動されアップシフト線Aによる例えば3速から所定4速へのアップ変速制御、アクセル−オフ(解放)で減速用変速制御モードが起動されダウンシフト線Bによる所定4速から3速へのダウン変速制御となる。かかる制御モード切り替えが煩雑に実行されると前述したハンチングが発生する。そして、ハンチングが発生したときには、スロットル操作と変速挙動の関係が、通常のスロットル操作方向で大きな駆動力を発生させるために低速ギアを選択するという傾向と逆になる。よって、先に課題として指摘したように、運転者に違和感を生じさせると共に、変速制御が不安定となるので燃費も悪化してしまう。
これに対して、本実施例の装置では常用変速制御モード復帰手段として機能するコントローラ5が、車両状態が逆転部FHにあっても、この後にその逆転部FHを抜けるとの予測判定をすると変速制御モードを不要な遅れなく速やかに常用変速制御モードに復帰させる。従って、ギア段のハンチングや操作の応答遅れを防止して、運転操作性を向上させると共に、減速用変速制御モードを速やかに抜けて燃費悪化を防止することができる。
なお、上記のように逆転部FHを抜けると予測判定した場合であっても、その直後に再度、逆転部FHに入る車両状態となる場合も想定される。このような状況に対処するため、図2で例示しているように逆転部FHの高車速側に隣接して確実な予測判定を実行するための余裕代として機能する隣接部SHを設定しておくことが望ましい。そして、車両状態が隣接する隣接部も更に抜けた場合に、コントローラ5が常用変速制御モードへの復帰を許可するように設定しておくことで無用な判定動作を抑制できる。
図3は、変速制御装置となる上記コントローラ5によって実行される変速制御の一例を示したフローチャートである。このフローチャートに基づいて、コントローラ5による変速制御を流れに沿って全体的に説明する。なお、図3のフローチャートは、先に示した図2で車速VSPが(I)から(II)へと低下するような車両の走行状況(例えば、惰性走行している状況)で、常用変速制御モードから減速用変速制御モードへ切り替えられ、車速A、C間に車両状態が停滞した後、更に常用変速制御モードへ復帰するときにコントローラ5が実行する処理を例示したものである。図2を参照しつつ、図3で例示しているルーチンを順に説明する。
尚、図2で車速VSPが(I)の状態は、車速A、C間に停滞しない走行状態(車速C以上)であり、車速VSPが(II)の状態は、車速A、C間に停滞する走行状態であることを示しているものとする。
コントローラ5は所定周期毎に起動している変速制御モードを確認し、減速用変速制御モードを選択(起動)中であるか否かを判断する(S101)。以下の説明では、常用変速制御モードを起動中で、図2で示すように車速が(I)から(II)に向かって低下しており車速C、Bを下回るような状況となることを前提とする。上記ステップ(図3では「S」で示す)101で、常用変速制御モードを選択中であるときには、ステップ102〜104を介し、所定の減速運転条件を確認したときに減速用変速制御モードが起動される。なお、ここでの減速用変速制御モードが起動されるような所定の減速運転条件は、コントローラ5が確認した車速VSP及びエンジン回転数NEに基づいて定めるようにすればよい。より具体的には、車速VSP及びエンジン回転数NEの検出値を予め規定した基準値と比較して起動適否を判定すると共に、そのときにエンジンへの燃料の供給停止するなどと設定すればよい。
上記のようにして減速用変速制御モードが選択されている場合(S101)、コントローラ5は車速センサで検出している車速VSPが図2で示す車速C以上であるか否かを確認し(S105)、車速C以上であった場合には逆転部FHを抜けたことが確認された事になるので常用変速制御モードに復帰する(S113)。
本実施例では、図2で説明したように逆転部FHの高車速側に隣接して隣接部SHが設定してある。逆転部FHを抜ける様な状況としては、例えばドライバーが若干のアクセル踏み込みにより車速が少し上昇する矢印aの場合がある。しかし、その後、スロットル開度が低下すると矢印bの状況となり、車速が低下し再び車両状態が逆転部FHに入ってしまうような場合も予測される。逆転部FHの領域を抜けると予測判定した中に、このような場合が含まれるとその実効性が低下してしまう。そこで、常用変速制御モードへ復帰させるのが好ましい状況を、より確実に予測判定するための余裕代として隣接部SHを設定したものである。これにより、隣接部SHも抜けるような矢印cの車両状態を確認したときに、常用変速制御モードへ復帰させるので有効な予測判定を行うことができる。なお、上記隣接部SHの設定幅は、減速用変速制御モードにおけるアップシフトB(細実線)を流用するようにすれば簡単に設定できる。
一方、コントローラ5は、上記ステップ105で車速VSPが車速C未満であったとき、更に車速VSPが車速A未満となっているか確認する(S106)。このステップ106でイエス(Y)と判断した場合、減速用変速制御モードで対象とする車速以下にまで実車速が低下している。この場合も通常の変速制御を行う常用変速制御モードに復帰する(S113)。
上記ステップ106でノー(N)との判断をした場合、車両状態が車速Aと車速Cとの間に停滞していることになる。このときには、コントローラ5はスロットル開度TVOが所定以上か(S107)、加速度VACが所定以上か(S108)を確認する。より具体的には、コントローラ5はスロットルセンサ6の出力信号から確認した実際の開度TVOと予め準備した所定値とを比較する。同様に、加速度センサ10の出力した加速度VACと予め準備した所定値とを比較する。なお、このようにコントローラ5が比較判断に用いる所定値(判断データ)は、実験などを行って予め特定した値を図示しないメモリ部に格納して、必要に応じて読み出すことができるように準備しておくものである。
スロットルセンサ6及び加速度センサ10の検出信号は車両状態をよく反映するものである。よって、スロットル開度TVOが所定以上かつ加速度VACが所定以上であり、スロットル開度TVO及び加速度VACが共に、車両状態が前記逆転部FH、より好ましくは前述した隣接部SHも含めて加速方向へ離脱する(抜け出る)傾向を示唆していると予測判定したときには、速やかに常用変速制御に復帰させる(S113)。
ところで、図2で矢印dで示している様にスロットル開度が増大側に抜ける状態であるが、その車速については変化しないという場合がある。例えば、アクセルを短時間踏んで開放した場合、登坂走行している場合などが相当し、このような状況では車両状態が再び第1の領域FHに入ることがある。これについては前述した隣接部を設定したのと同様の趣旨で、常用変速制御モード復帰手段が常用変速制御モードへの復帰を実行しないように設定しておくのが望ましい。すなわち、図2で矢印eで示すように車速が所定値を超える状態(図2では車速Bを超える場合)となったときに常用変速制御モードへの復帰を実行する。このようにすれば、前述したと同様に無用な判定を抑制できる。
尚、車速に対して設定される所定値は車速B以上であればよく、例えば、所定値を車速Cに設定し、車速Cを超える状態となったときに常用変速制御モードへの復帰を実行するようにしてもよい。
本実施例のコントローラ5は、上記のように車両状態を反映するセンサの検出信号に基づいて減速用の変速制御から常用の変速制御に復帰させる。よって、車両状態が前記逆転部FHに停滞するような状況となり、常用変速制御のシフト線と減速用変速制御のシフト線が錯綜してギア段の設定が通常とは逆になり運転者に違和感を生じさせ燃費悪化を招くような状況を、早期に脱して常用の変速制御を再開できる。
図3で示すステップ109〜112は、コントローラ5が常用の変速制御に早期に復帰させる場合を更に例示している。上記ステップ108で加速度VACが所定以上でないと判断されたような場合でも、躍度(加加速度とも称され、加速度の変化率)が所定以上である場合、前述したと同様に常用の変速制御に復帰させる(S109)。躍度を確認することで加速度VACの上昇傾向を検出することにより、車両状態が逆転部(さらに、上記隣接部)を加速方向へ離脱するのを予測する。なお、躍度はコントローラ5が所定の周期及び時間を予め設定して、加速度センサ10から出力される加速度に基づいて求めるようにすればよい。よって、本実施例ではコントローラ5が車両加速度変化率検出手段としても機能する。
以下、上記ステップ109で躍度についてノー(N)と判定されたときは、スロットル開度の変化率が所定以上か(S110)が判断される。すなわち、コントローラ5はスロットル開度の変化を検出してエンジントルクの上昇や加速度上昇を推定して、車両状態が逆転部(さらに、上記隣接部)を離脱するのを予測する。コントローラ5がスロットルセンサ6の検出信号を監視して、所定時間での変化を検出してスロットル開度の変化率を特定して、加速度上昇などを推定する。ここでも、コントローラ5がスロットル操作変化率検出手段としても機能する。更に、上記ステップ110でスロットル開度の変化率についてノー(N)と判断されたときは、車両走行路が降坂勾配か否か(S111)が判断される。車両が降坂走行すると平坦路走行の場合と比較して少ない駆動力で加速度が上昇することが予測される。よって、車両が降坂走行していることを検出したときに加速度上昇を予測して、車両状態が前記の逆転部を離脱するとの予測判定を行える。コントローラ5がステップ109〜111に例示した判定を実行することによっても、運転者に違和感を生じさせ燃費悪化を招くような逆転部の停滞状態を脱して常用の変速制御に早期に復帰できる。
更には、車両の加速度上昇を予測できる車両の駆動関連情報を用いて常用の変速制御への早期復帰を図るステップ112を設けておくことがより好ましい。コントローラ5は、上記ステップ111で走行路の降坂勾配判断でもノー(N)とした場合、駆動関連情報確認手段として更に車両の駆動関連情報を確認して、車両状態が逆転部を離脱する可能性があるかを予測する(S112)。このような駆動関連情報としては、例えばエンジントルク情報、ターボチャージャが配備されている場合には加給圧情報、補機類の停止状態に関する情報などを含めることができる。なお、ここでの補機類としては、オルタネータ(発電機)、冷却ファン、エアコンのコンプレッサなどとすることができ、これらの入出力情報を監視することで車両の加速度上昇を推定する。図1ではこのステップ112で採用する駆動関連情報を取得するためのセンサ類の図示は省略している。所定の駆動関連情報を得るために適宜にセンサ機器を配備し、その検出信号をコントローラ5に供給するようにする。
以上で詳述したようにこの実施例に係る自動変速機の変速制御装置は、減速用変速制御モードの起動中に、種々の情報を元に車両状態を確認して逆転部を抜けるとの予測判定をしたときには、速やかに常用変速制御モードに復帰させることで円滑な変速制御モード切替えを可能とする。これにより本実施例に係る自動変速機の変速制御装置は、運転操作性を向上させると共に燃費の悪化を防止できる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、加速度センサ10に替えて車速センサ7からの車速VSPを時間で微分して加速度VACを求めるようにしてもよく、勾配センサ11に替えてスロットル開度TVOおよび加速度VACから車両が走行している路面の勾配を推定するようにしてもよい。
以上のように、本発明によれば、減速用変速制御モードから常用変速制御モードへの円滑な切替えを実現し、運転操作性の向上及び燃費悪化の防止を図った自動変速機の変速制御装置を提供できる。
そして、前記逆転部の高車速側に隣接して隣接部が設定してあり、前記常用変速制御モード復帰手段は車両状態が前記逆転部に加えて前記隣接部を抜けたことに基づいて前記予測判定を行って前記常用変速制御モードに復帰させるようにするのが望ましい。逆転部を抜けた直後に再び車両状態が逆転部に入る場合を除いて常用変速制御モードへの適切な復帰を図ることができる。
また、前記隣接部の設定幅は、前記減速用変速制御モードにおけるアップシフト線を用いて規定してもよい。既存のアップシフト線を流用することで、簡易に隣接部を設定できる。
また、スロットル開度については増大側に抜ける状態であるが、車速については所定値を超えない状態である場合、前記常用変速制御モード復帰手段は前記常用変速制御モードへの復帰を実行しないこととするのが望ましい。アクセルが短時間でオフとされたときなど再度、逆転部FHに入る場合には無駄な判定をすることを予防できる。
そして、前記予測判定は、スロットルの開度を検出するスロットル操作検出手段及び前記車両の加速度を検出する車両加速度検出手段の出力に基づいて実行されるものでもよい。
また、前記予測判定は、スロットルの開度を検出するスロットル操作検出手段及び前記車両の躍度を検出する車両加速度変化率検出手段の出力に基づいて実行されるものでもよい。
また、前記予測判定は、スロットルの開度を検出するスロットル操作検出手段及び前記スロットルの操作変化率を検出するスロットル操作変化率検出手段の出力に基づいて実行されるものでもよい。
また、前記予測判定は、スロットルの開度を検出するスロットル操作検出手段及び前記車両が走行している降坂の勾配を検出する降坂勾配検出手段の出力に基づいて実行されるものでもよい。
また、前記予測判定は、スロットルの開度を検出するスロットル操作検出手段及び前記エンジンのトルク情報、加給圧、補機類の停止状態などを検出する車両の駆動関連情報確認手段の出力に基づいて実行されるものでもよい。
本発明の実施例に係る変速制御装置が適用されている、車両に搭載されるエンジン及び自動変速機を含むシステム構成について示した図である。 自動変速機の変速制御で用いる変速線図の一例について示した図である。 コントローラにより実行される変速制御の様子を示したフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
5 コントローラ(モード切替変速制御手段、常用変速制御モード復帰手段)
6 スロットルセンサ(スロットル操作検出手段)
6A アイドルスイッチ
7 車速センサ
8 回転数センサ
9 加速度センサ(車両加速度検出手段)
11 勾配センサ(降坂勾配検出手段)
FH 逆転部
SH 隣接部

Claims (9)

  1. 減速運転時に燃料の供給が停止可能である車両用のエンジンに連結されている自動変速機の変速制御装置において、
    常用の変速線を用いて変速する常用変速制御モードと、該常用変速制御モードより高車速側に設定され前記エンジンへの燃料の供給停止をするような減速運転状況で減速用の変速線を用いて変速する減速用変速制御モードと、を選択的に切り替えるモード切替変速制御手段と、
    前記モード切替変速制御手段による切り替えでは、前記常用変速制御モードを起動したときの所定変速段へのアップシフト線と、前記減速用変速制御モードを起動したときの前記所定変速段からのダウンシフト線との間の領域として形成される逆転部の存在を許容し、
    前記減速用変速制御モードの起動中に車両状態が前記逆転部内にあり、その後に車両状態が当該逆転部を抜けるとの予測判定をしたときに、前記常用変速制御モードに復帰させる常用変速制御モード復帰手段とを備える、ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 前記逆転部の高車速側に隣接して隣接部が設定してあり、前記常用変速制御モード復帰手段は車両状態が前記逆転部に加えて前記隣接部を抜けたことに基づいて前記予測判定を行って前記常用変速制御モードに復帰させる、ことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 前記隣接部の設定幅は、前記減速用変速制御モードにおけるアップシフト線を用いて規定してある、ことを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. スロットル開度については増大側に抜ける状態であるが、車速については所定値を超えない状態である場合、前記常用変速制御モード復帰手段は前記常用変速制御モードへの復帰を実行しない、ことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 前記予測判定は、スロットルの開度を検出するスロットル操作検出手段及び前記車両の加速度を検出する車両加速度検出手段の出力に基づいて実行される、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
  6. 前記予測判定は、スロットルの開度を検出するスロットル操作検出手段及び前記車両の躍度を検出する車両加速度変化率検出手段の出力に基づいて実行される、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
  7. 前記予測判定は、スロットルの開度を検出するスロットル操作検出手段及び前記スロットルの操作変化率を検出するスロットル操作変化率検出手段の出力に基づいて実行される、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
  8. 前記予測判定は、スロットルの開度を検出するスロットル操作検出手段及び前記車両が走行している降坂の勾配を検出する降坂勾配検出手段の出力に基づいて実行される、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
  9. 前記予測判定は、スロットルの開度を検出するスロットル操作検出手段及び前記エンジンのトルク情報、加給圧、補機類の停止状態などを検出する車両の駆動関連情報確認手段の出力に基づいて実行される、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
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