JP2009209800A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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義明 柴田
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哲 服部
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裕二 芝
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Abstract

【課題】タペットの内側の空間の圧力が高くならないようにタペットに気抜き孔を設けるとともに、この気抜き孔よりタペットの内側に溜まった潤滑油をカム室へ逃がし、更に、カム室から跳ね上げられる潤滑油の飛沫がこの気抜き孔よりタペットの内側の空間へ浸入することを防止する燃料噴射ポンプを提供する。
【解決手段】プランジャ7の下部にタペット12を取り付け、該タペット12の下面にカム6を当接するように配置し、該カム6を回転させることにより前記プランジャ7を往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプ1において、前記タペット12に、前記プランジャ7の下部を収納するタペット室15側と、前記カム6を収納するカム室13側とを連通する気抜き孔32を設け、該気抜き孔32は、前記タペット室15側の孔径を前記カム室13側の孔径よりも大きく構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、プランジャバレル内のプランジャをカムにて上下動させる構成の燃料噴射ポンプに関するものであり、特に、タペットに気抜き孔を設けてタペットの内側に浸入した潤滑油をタペットの外側に排出し、タペット内圧と外圧との差をなくすようにするとともに、気抜き孔よりタペット内への潤滑油の浸入を防止するための技術に関する。
従来、エンジンのハウジング(クランクケースまたはギヤケースまたはポンプハウジング等)に軸受支持されるカムシャフトをクランク軸からギヤ等を介して駆動し、前記カムシャフトに設けたカムの回転によってプランジャを上下動させ、該プランジャの往復動により燃料油を高圧化する燃料噴射ポンプは公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
この従来構成では、ハウジングに形成されるカム室内に潤滑油が供給され、該潤滑油によって、前記カムや、ギヤ等の駆動系部品が潤滑されるようになっている。このカム室内やギヤケース内や弁腕室内の潤滑油は、循環路を通ってクランクケース内に戻り、潤滑油ポンプにより潤滑経路に圧送されて循環されるようになっている。
また、前記プランジャは、プランジャバレルにて上下摺動自在に支持されており、前記カムによりタペットを介してプランジャの下部が上方に押圧されると、プランジャが上方へ移動し、プランジャの上方に形成される燃料圧室内の燃料油が圧縮されるようになっている。
また、前記プランジャバレル下方のポンプハウジングにおいては、上下方向に筒状の摺動孔が形成されてタペット室を構成し、該タペット室内にタペットが上下摺動自在に配設される。そして、該タペットの上方の空間(タペットの内側)に、プランジャを下方に付勢するプランジャスプリングや、プランジャを回転させて噴射量を制御するためのコントロールスリーブ等が配設されている。
また、前記タペット室内に浸入した潤滑油が、プランジャの摺動面を伝って燃料油に混入するのを防止するために、前記ポンプハウジングに、タペット室と、前記ギヤケース内とを連通させる連通路を設けるとともに、前記タペットの内側空間と前記連通路とを連通させる連通路を設ける構成の燃料噴射ポンプは公知となっている(例えば、特許文献2参照)。
また、前記タペット室内に浸入した潤滑油が、プランジャの摺動面を伝って燃料油に混入するのを防止するために、前記ポンプハウジングに、タペットの内側の空間とカム室の内部空間との間に連通路を設ける構成の燃料噴射ポンプも公知となっている。しかし、タペットの内側の空間とカム室の内部空間との間に連通路を設けるには、ハウジングに孔開け加工を施す必要があり、コストが高くなるとともに、その連通路を設けるためのスペースが必要となり燃料噴射ポンプが大きくなっていた。
そこで、タペットの往復動によりタペットの内側の圧力が高くなり、潤滑油が燃料油に混入したり油漏れしたりするのを防止するためにタペットに気抜き孔を設ける技術が公知となっている。
特開2003−254186号公報 特開2005−146984号公報
しかし、従来の燃料噴射ポンプにおいて、タペットに気抜き孔を設けた場合には、カム室から跳ね上げられる潤滑油の飛沫が前記気抜き孔よりタペットの内側の空間に浸入し、前記タペット室内に浸入した潤滑油が、前記プランジャの摺動面を伝って燃料油に混入するおそれがあった。
そこで、本発明はかかる課題に鑑み、タペットの内側の空間の圧力が高くならないようにタペットに気抜き孔を設けるとともに、この気抜き孔よりタペットの内側に溜まった潤滑油をカム室へ逃がし、更に、カム室から跳ね上げられる潤滑油の飛沫がこの気抜き孔よりタペットの内側の空間へ浸入することを防止する燃料噴射ポンプを提供する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、プランジャの下部にタペットを取り付け、該タペットの下面にカムを当接するように配置し、該カムを回転させることにより前記プランジャを往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプにおいて、前記タペットに、前記プランジャの下部を収納するタペット室側と、前記カムを収納するカム室側とを連通する気抜き孔を設け、該気抜き孔は、前記タペット室側の孔径を前記カム室側の孔径よりも大きく構成したものである。
請求項2においては、プランジャの下部にタペットを取り付け、該タペットの下面にカムを当接するように配置し、該カムを回転させることにより前記プランジャを往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプにおいて、前記タペットに、前記プランジャの下部を収納するタペット室側と、前記カムを収納するカム室側とを連通する気抜き孔を設け、該気抜き孔は、前記タペット室を臨む開口の中心と、前記カム室を臨む開口の中心とが、前記タペットの軸心方向で一直線上に位置しないように配置したものである。
請求項3においては、プランジャの下部にタペットを取り付け、該タペットの下面にカムを当接するように配置し、該カムを回転させることによりプランジャを往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプにおいて、前記タペットに前記プランジャの下部を収納する前記タペット室側と前記カムを収納する前記カム室側を連通する気抜き孔を設け、該気抜き孔は、前記タペットの軸心よりも偏心した位置に配置し、燃料噴射ポンプの取付時傾斜に対して、傾斜の上部側の位相で固定したものである。
請求項4においては、プランジャの下部にタペットを取り付け、該タペットの下面にカムを当接するように配置し、該カムを回転させることにより前記プランジャを往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプにおいて、前記タペットに前記プランジャの下部を収納するタペット室側と、前記カムを収納するカム室側とを連通する気抜き孔を設け、該気抜き孔に逆止弁を設けたものである。
請求項5においては、前記逆止弁をリード弁で構成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、タペットの内側の空間の圧力が高くならないようにするとともに、タペットの内側に溜まった潤滑油をカム室側に抜くことができ、カム室側のカムが跳ね飛ばした潤滑油の飛沫がタペットの内側に浸入するのを防ぐことができる。
請求項2においては、タペットの内側の空間の圧力が高くならないようにするとともに、タペットの内側に溜まった潤滑油をカム室側に抜くことができ、カム室側のカムが跳ね飛ばした潤滑油の飛沫がタペットの内側に浸入するのを防ぐことができる。
請求項3においては、燃料噴射ポンプを他部材に傾斜した状態に取り付けたとき、気抜き孔のカム室側の開口を、タペットでカム室に貯溜された潤滑油の油面から相対的に離間した位置に配置することができる。よって、気抜き孔がカム室側の潤滑油の油面に接触しにくいようにし、タペットの内側への潤滑油の浸入を防止すると共に、タペットの内側に溜まった潤滑油をカム室側に確実に抜くことができる。
請求項4においては、逆止弁により、カム室側から潤滑油がタペットの内側に浸入するのを確実に防止しつつ、タペットの内側に溜まった潤滑油をカム室側に抜くことができる。
請求項5においては、逆止弁を簡易な構造にすることができ、省スペース化が可能となり、コストを削減することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る燃料噴射ポンプの全体的な構成を示した側面断面図、図2はプランジャ及びタペットの側面断面図、図3は下部スプリング受けの断面図、図4は下部スプリング受けの断面図、図5は下部スプリング受けの断面図、図6は下部スプリング受けの断面図、図7は(a)開放時の逆止弁を設けた下部スプリング受けの断面図(b)通常時の逆止弁を設けた下部スプリング受けの断面図、図8は(a)開放時のリードバルブを設けた下部スプリング受けの断面図(b)通常時の逆止弁を設けた下部スプリング受けの断面図、図9は燃料噴射ポンプの正面断面図、図10はタペットの側面断面図である。なお、本発明では図1の左右方向を燃料噴射ポンプ1の前後方向とし、図1の紙面上下方向を燃料噴射ポンプ1の上下方向とする。
図1に示すように、燃料噴射ポンプ1は、ポンプハウジング2とハイドロリックヘッド3を上下に接合して構成されている。ポンプハウジング2の前側(図1における左側)には、ガバナ装置4が配設されており、ポンプハウジング2の後側には、図示せぬギヤケースが配設されている。
前記ハイドロリックヘッド3には、プランジャバレル8が挿嵌されており、該プランジャバレル8内にプランジャ7が上下摺動自在に内装され、カムシャフト5に形成したカム6の回転により、タペット12を介してプランジャ7が上下摺動するように構成されている。
また、プランジャ7上方のプランジャバレル8内の空間には、燃料ギャラリ14より流入される燃料油をプランジャ7により圧縮する燃料圧室が形成されている。
また、ポンプハウジング2において、カムシャフト5に形成されるカム6の上方、プランジャバレル8の下方には、上下方向に摺動孔15aが形成されており、該摺動孔15a内にタペット12とプランジャ7の下部とプランジャスプリング34と上部スプリング受け33とを収納し、該タペット12とプランジャバレル8との間、言い換えれば、タペット12の内側の空間をタペット室15として構成している。また、前記カム6は、ポンプハウジング2に形成されたカム室13に配設されている。該カム室13はタペット12の下方の外側の空間である。
図1及び図2に示すように、前記タペット12は、タペット本体35とタペットピン37とタペットローラ11と下部スプリング受け31等を備える。前記タペット本体35は上方を開放した椀型に構成され、タペット本体35の底部内にタペットピン37を横架し、該タペットピン37にタペットローラ11が回転自在に軸支されている。該タペットローラ11が前記カム6の外周面に当接するように配設される。但し、タペット12はタペットローラ11及びタペットピン37を備えない構成とすることもできる。
前記タペット本体35の上部には下部スプリング受け31とリング36が収納される。該下部スプリング受け31は円板の中央に突部31bを上方に突出して形成され、該突部31bに前記プランジャ7の下端部が係止される。該下部スプリング受け31の突部31b周囲にプランジャスプリング34の下端部が嵌合されてタペット本体35の上方より挿入される。なお、タペット本体35と下部スプリング受け31は一体的に構成することも可能である。
前記リング36はタペットローラ11の上面が下部スプリング受け31に当接しないようにして、タペットローラ11がスムースに回転するようにするとともに、後述する気抜き孔32から潤滑油が容易に排出されるようにするためのものである。リング36は、タペット本体35でその底部と下部スプリング受け31との間に介在され、タペットローラ11と下部スプリング受け31との間に空間を形成する構成としている。
また、タペット12の上方に上部スプリング受け33が配設される。該上部スプリング受け33は筒状に形成され、その上端部でハイドロリックヘッド3に貫設されるとともに、前記プランジャバレル8の下部に外嵌される。前記上部スプリング受け33とプランジャバレル8の下部との間には、コントロールスリーブ41が回転自在に介在されている。
前記上部スプリング受け33の下端部では、内周部に下側が大径となる環状の段部が形成され、該段部にプランジャスプリング34の上端部が嵌入される。このような上部スプリング受け33と下部スプリング受け31との間にプランジャスプリング34が介装され、該プランジャスプリング34の付勢力により下部スプリング受け31が下方へ付勢され、ひいてはプランジャ7及びタペット12が下方へ付勢されている。
こうして、カム6が回転されることによりタペット12が摺動孔15a内を上下摺動し、同時にプランジャ7が上下動することになり、上方の燃料圧室内に供給された燃料油が圧送されることになる。
次に、タペット12の下部スプリング受け31の構造について説明する。
前記下部スプリング受け31にはタペット12の内側と外側、つまり、タペット12を構成する下部スプリング受け31にはタペット室15とカム室13とを連通する気抜き孔32が設けられ、該気抜き孔32はプランジャスプリング34やプランジャ7等により塞がれない位置に配置される。該気抜き孔32は、タペット12が上下摺動する際に、タペット室15内とカム室13内の圧力差をなくすとともに、タペット室15内に溜まった潤滑油を抜くために設けられる孔である。
次に気抜き孔32の構成を説明する。
第一実施例の気抜き孔32Aは、図3に示すように、タペット室15側(上側、または、プランジャ7側、以下同様とする)の孔の面積が、カム室13側(下側、または、カムシャフト5側、以下同様とする)の孔の面積よりも大きくなるように、気抜き孔32Aの横断面積が上端から下端に向かうに従って、徐々に小さくなるように構成している。言い換えれば、気抜き孔32Aの内壁面がテーパ状に形成され、縦断面形状が台形に構成される。よって、気抜き孔32Aの形状は下方が小さくなるように、円錐台、または、多角錘台となるように形成される。
例えば、気抜き孔32Aを円錐台状に構成した場合には、タペット室15側の孔径L1を大きく、カム室13側の孔径L2が徐々に小さくなるように構成している。
第二実施例の気抜き孔32Bは、図4に示すように、タペット室15側の孔の面積が、カム室13側の孔の面積よりも大きくなるように、気抜き孔32Bは段階的に空間(気抜き孔32B内の体積)が小さくなるように構成している。言い換えれば、気抜き孔32Bの内壁面が階段状に形成される。よって、前記気抜き孔32Bは複数の大きさの異なる円柱または多角柱を上側が段階的に大きくなるように重ねた形状に構成されている。
例えば、気抜き孔32Bを直径の異なる円柱を軸心を一致させて重ねた形状に構成した場合には、タペット室15側の円柱の孔径L3が大きく、これよりもカム室13側の円柱の孔径L4が小さくなるように構成している。
第一実施例または第二実施例のように構成することにより、気抜き孔32A・32Bによりタペット室15とカム室13との間の圧力差が大きくなることを防止しながら、カム室13側の孔径L1・L3が大きいため、タペット室15内に溜まった潤滑油はカム室13側に抜け易くなる。また、タペット室15側の孔径L2・L4が小さいため、カム室13側のカム6の回転により跳ね上げる潤滑油の飛沫はタペット室15側へ入り難くすることができる。
気抜き孔32Cの第三実施例は、図5に示すように、気抜き孔32Cの横断面積は上部から下部まで同じとして、気抜き孔32Cのタペット室15側を臨む開口の中心C1と、カム室13側を臨む開口の中心C2とが、タペット12の軸心方向で一直線上に位置しないように配置されている。言い換えれば、気抜き孔32Cは円柱または多角柱の軸心A1が斜めとなるような形状に構成されている。そして好ましくは、気抜き孔32Cのタペット室15側を臨む開口とカム室13側を臨む開口とは平面視で重ならないように構成される。
このように構成することにより、下部スプリング受け31で斜めに孔加工するだけの簡単な加工で気抜き孔32Cを製作することができ、カム室13側から跳ね上げられた潤滑油の飛沫がカム室13側の孔から前記気抜き孔32Cに浸入した場合であっても、前記気抜き孔32C内部に付着して、タペット室15内に浸入しにくくなる。
気抜き孔32の第四実施例は、図6に示すように、前記気抜き孔32Dは、上下で円柱または多角柱をずらして重ねた形状に構成し、タペット室15側から中途部まで穿設した孔の中心C3とカム室13側から中途部まで穿設した孔の中心C4とがタペット12の軸心方向で一直線上に位置しないように配置している。
このように構成することにより、下部スプリング受け31で上からと下から中心をずらして孔加工するだけの簡単な加工で気抜き孔32Dを製作することができ、前記タペット室15内に溜まった潤滑油が抜けやすく、カム室13側のカム6が跳ね上げる潤滑油の飛沫がタペット室15内に浸入しにくくなる。
気抜き孔32の第五実施例は、気抜き孔32Eに逆止弁を設けて、下方から潤滑油が浸入し難く、カム室13への潤滑油の排出ができ、圧力調整もできる構成としている。
前記逆止弁をボール弁で構成した場合には、図7(a)及び図7(b)に示すように、タペット室15側の孔径を小さくカム室13側の孔径を大きく構成した気抜き孔32Eの内部に弁体となるボール50aを収納し、該ボール50aはバネ等の弾性部材50bによって上方へ付勢している。こうして、気抜き孔32Eの上下中途部に逆止弁が配設される。
前記気抜き孔32Eはカム室13側の孔径がタペット室15側の孔径よりも大きくなるように構成される。前記カム室13側の大径部に、環状のスプリング受け50cがその開口部を気抜き孔32Eの一部として機能するように嵌設されており、前記弾性部材50bの下端が前記スプリング受け50cによって支持されている。また、前記カム室13側の大径部とタペット室15側の小径部との間にテーパ状のシート面50dが形成される。
このような構成により、前記タペット室15内に潤滑油が溜まった場合やタペット室15内の圧力が上昇した場合には、図7(a)に示すように、その圧力によりボール50aはカムシャフト5方向へ押されて、逆止弁が開かれて抜けていく。一方、通常時には、図7(b)に示すように、前記タペットローラ11側のカム6が跳ね上げる潤滑油の飛沫は、大径部に弁体となるボール50aが収納され、これがシート面50dに着座することで、気抜き孔32が閉じられているため、タペット室15の内へと浸入することはない。こうして、前記タペット室15内からは潤滑油が抜けやすく、カム室13側のカム6が跳ね上げる潤滑油の飛沫がタペット室15内へと浸入するのを防止することができる。
また、前記逆止弁をリード弁で構成した場合には、図8(a)及び(b)に示すように、板状の弁体となるリード弁53の一側が下部スプリング受け31の下面に固定され、他側が気抜き孔32Eのカム室13を臨む開口を覆う如く延設される。なお、図8(b)に示すように、該リード弁53と気抜き孔32Eのカム室13を臨む開口との間にはエンジンが非作動時には隙間が形成されて、前記気抜き孔32Eは完全に閉じられない。
このように構成することによって、前記タペット室15内に潤滑油が溜まった場合やタペット室15内の圧力が上昇した場合には、図8(a)に示すように、前記気抜き孔32Eのカム室13を臨む開口よりリード弁53と下部スプリング受け31の間からカム室13側に潤滑油が排出される。また、通常時には、図8(b)に示すように、前記カム室13側のカム6が跳ね上げる潤滑油の飛沫は、リード弁53の下面に当たり、タペット室15内へと浸入することはない。
次に、前記下部スプリング受け31の固定方法について図9及び図10を用いて説明する。
図9に示すように、前記燃料噴射ポンプ1はプランジャ7の軸心A2が一側(本実施例では図9紙面左側)に傾けて配設されている。また、本実施例ではカムシャフト5は時計方向に回転するように構成されている。そして、タペット12がカム6の回転によりプランジャ7の軸心A2を中心として回転しないように、タペット本体35の側面に溝を穿設して、該溝に固定部材54の先端が挿入されている。
また、気抜き孔32はプランジャ7の軸心A2と一致するタペット12の軸心よりも上側(図9における右側)に位置するように固定されている。つまり、図10に示すように、気抜き孔32が位置する部分以外の位置、本実施例ではタペット12の軸心の側部に、下部スプリング受け31とリング36とタペット本体35の底面に位置を合わせて挿入孔をそれぞれ穿設し、該挿入孔に位置決め部材55を挿入することによって固定されている。前記位置決め部材55は例えばスプリングピンやボルト等で構成している。
このように構成することにより、前記下部スプリング受け31の気抜き孔32が燃料噴射ポンプ1の傾斜に対して上部側、すなわち、潤滑油の流入しにくい側で固定されることになる。つまり、図9において、潤滑油はカム6の上部が液面より出る程度充填される。この状態でカム6が右回転されると、潤滑油の飛沫はタペットローラ11とタペット本体35の内面との間から上方へ飛散し、下部スプリング受け31の下側まで至るが、下部スプリング受け31の下側には気抜き孔32はなく上方に配置されているため、飛沫は気抜き孔32まで届かず、タペット室15内に潤滑油が浸入するのを防止することができる。
以上のように、本発明にかかる燃料噴射ポンプ1は、プランジャ7の下部にタペット12を取り付け、該タペット12の下面にカム6を当接するように配置し、該カム6を回転させることにより前記プランジャ7を往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプ1において、前記タペット12に、前記プランジャ7の下部を収納するタペット室15側と、前記カム6を収納するカム室13側とを連通する気抜き孔32を設け、該気抜き孔32は、前記タペット室15側の孔径を前記カム室13側の孔径よりも大きく構成したものである。このように構成することにより、タペット12の内側の空間の圧力が高くならないようにするとともに、タペット12の内側に溜まった潤滑油をカム室13側に抜くことができ、カム室13側のカム6が跳ね飛ばした潤滑油の飛沫がタペット12の内側に浸入するのを防ぐことができる。
また、プランジャ7の下部にタペット12を取り付け、該タペット12の下面にカム6を当接するように配置し、該カム6を回転させることにより前記プランジャ7を往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプ1において、前記タペット12に、前記プランジャ7の下部を収納するタペット室15側と、前記カム6を収納するカム室13側とを連通する気抜き孔32を設け、該気抜き孔32は、前記タペット室15を臨む開口の中心C1またはC3と、前記カム室13を臨む開口の中心C2またはC4とが、前記タペット12の軸心方向で一直線上に位置しないように配置したものである。このように構成することにより、タペット12の内側の空間の圧力が高くならないようにするとともに、タペット12の内側に溜まった潤滑油をカム室13側に抜くことができ、カム室13側のカム6が跳ね飛ばした潤滑油の飛沫がタペット12の内側に浸入するのを防ぐことができる。
また、プランジャ7の下部にタペット12を取り付け、該タペット12の下面にカム6を当接するように配置し、該カム6を回転させることによりプランジャ7を往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプ1において、前記タペット12に前記プランジャ7の下部を収納する前記タペット室15側と前記カム6を収納する前記カム室13側を連通する気抜き孔32を設け、該気抜き孔32は、前記タペット12の軸心よりも偏心した位置に配置し、燃料噴射ポンプ1の取付時傾斜に対して、傾斜の上部側の位相で固定したものである。このように構成することにより、燃料噴射ポンプ1を他部材に傾斜した状態に取り付けたとき、気抜き孔のカム室13側の開口を、タペット12でカム室13に貯溜された潤滑油の油面から相対的に離間した位置に配置することができる。よって、気抜き孔32がカム室13側の潤滑油の油面に接触しにくいようにし、タペット12の内側への潤滑油の浸入を防止すると共に、タペット12の内側に溜まった潤滑油をカム室13側に確実に抜くことができる。
また、プランジャ7の下部にタペット12を取り付け、該タペット12の下面にカム6を当接するように配置し、該カム6を回転させることにより前記プランジャ7を往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプ1において、前記タペット12に前記プランジャ7の下部を収納するタペット室15側と、前記カム6を収納するカム室13側とを連通する気抜き孔32を設け、該気抜き孔32に逆止弁を設けたものである。このように構成することにより、逆止弁により、カム室13側から潤滑油がタペット12の内側に浸入するのを確実に防止しつつ、タペット12の内側に溜まった潤滑油をカム室13側に抜くことができる。
前記逆止弁をリード弁53で構成したものである。このように構成することにより、逆止弁を簡易な構造にすることができ、省スペース化が可能となり、コストを削減することができる。
本発明の一実施例に係る燃料噴射ポンプの全体的な構成を示した側面断面図。 プランジャ及びタペットの側面断面図。 下部スプリング受けの断面図。 下部スプリング受けの断面図。 下部スプリング受けの断面図。 下部スプリング受けの断面図。 (a)開放時の逆止弁を設けた下部スプリング受けの断面図(b)通常時の逆止弁を設けた下部スプリング受けの断面図。 (a)開放時のリードバルブを設けた下部スプリング受けの断面図(b)開放時のリードバルブを設けた下部スプリング受けの断面図。 燃料噴射ポンプの正面断面図。 タペットの側面断面図。
符号の説明
1 燃料噴射ポンプ
6 カム
7 プランジャ
12 タペット
13 カム室
15 タペット室
31 下部スプリング受け
32 気抜き孔
53 リード弁

Claims (5)

  1. プランジャの下部にタペットを取り付け、該タペットの下面にカムを当接するように配置し、該カムを回転させることにより前記プランジャを往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプにおいて、
    前記タペットに、前記プランジャの下部を収納するタペット室側と、前記カムを収納するカム室側とを連通する気抜き孔を設け、
    該気抜き孔は、前記タペット室側の孔径を前記カム室側の孔径よりも大きく構成した、
    ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. プランジャの下部にタペットを取り付け、該タペットの下面にカムを当接するように配置し、該カムを回転させることにより前記プランジャを往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプにおいて、
    前記タペットに、前記プランジャの下部を収納するタペット室側と、前記カムを収納するカム室側とを連通する気抜き孔を設け、
    該気抜き孔は、前記タペット室を臨む開口の中心と、前記カム室を臨む開口の中心とが、前記タペットの軸心方向で一直線上に位置しないように配置した、
    ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  3. プランジャの下部にタペットを取り付け、該タペットの下面にカムを当接するように配置し、該カムを回転させることによりプランジャを往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプにおいて、
    前記タペットに前記プランジャの下部を収納する前記タペット室側と前記カムを収納する前記カム室側を連通する気抜き孔を設け、
    該気抜き孔は、前記タペットの軸心よりも偏心した位置に配置し、燃料噴射ポンプの取付時傾斜に対して、傾斜の上部側の位相で固定した、
    ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  4. プランジャの下部にタペットを取り付け、該タペットの下面にカムを当接するように配置し、該カムを回転させることにより前記プランジャを往復動させて燃料油を圧送する燃料噴射ポンプにおいて、
    前記タペットに前記プランジャの下部を収納するタペット室側と、前記カムを収納するカム室側とを連通する気抜き孔を設け、
    該気抜き孔に逆止弁を設けた、
    ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  5. 前記逆止弁をリード弁で構成した、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射ポンプ。
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