JP2009208691A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Katsuyuki Oguchi
勝之 大口
Yuji Shimamoto
勇二 嶌本
Yasuhiro Kamatani
安浩 鎌谷
Yoshikazu Kuromaru
善和 九郎丸
Kensaku Nakamura
賢作 中村
Yuuki Bando
勇気 坂東
Daiki Yamahana
大基 山花
Yorinobu Kanayama
順宣 金山
Takumi Otsuki
拓巨 大槻
Takehiro Saruwatari
丈博 猿渡
Masayoshi Ashidaka
正善 足高
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Abstract

【課題】低騒音で経済的な電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】本電動パワーステアリング装置1は、減速機24と、減速機24を収容するギヤハウジング58とを有している。減速機24は、互いに噛み合う駆動ギヤ26および中間ギヤ27を有する平行軸歯車機構30を含む。中間ギヤ27は、金属製の主ギヤ90と、主ギヤ90の一方の側面94に隣接し主ギヤ90と同行回転し少なくとも歯面114が樹脂製である副ギヤ91とを含む。第2の支軸32の第1および第2の端部37,38が、それぞれ、ギヤハウジング58によって支持された軸受44,45によって回転可能に支持される。軸受44は、副ギヤ91とは軸方向S2に対向し且つルーズフィットで第2の支軸32に嵌合される。軸受45は、主ギヤ90とは軸方向S2に対向し、且つタイトフィットで第2の支軸32に嵌合される。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、操舵補助力を得るための電動モータと、この電動モータによる出力回転を減速する歯車減速機とを有している。この歯車減速機は、互いに噛み合う一対の歯車を有している(例えば、特許文献1参照)。
また、一対の歯車の歯面の衝突による騒音(いわゆる歯打ち音)を低減するための低騒音歯車が提案されている(例えば、特許文献2,3参照。)。この低騒音歯車は、金属製ギヤと樹脂製ギヤとを互いに軸方向に重ね合わせることにより構成されている。樹脂製ギヤの歯面が金属製ギヤの歯面よりも周方向に突出するようにして、金属製ギヤと樹脂製ギヤとの位相が、互いに合わされている。
特開平11−268660号公報 実開昭57−82243号公報 実開平1−116250号公報
本願発明者は、上述の低騒音歯車を電動パワーステアリング装置に適用することを考えた。しかし、歯打ち音を低減できない場合があるという課題に遭遇した。例えば、低騒音歯車の金属製ギヤと樹脂製ギヤとの位相がずれていると、噛み合い音を低減することができない。このような場合、低騒音歯車を交換することが考えられるが、交換に手間がかかるので、実用する上で不経済である。
そこで、本発明の目的は、低騒音で経済的な電動パワーステアリング装置を提供することである。
本発明の電動パワーステアリング装置(1)は、電動モータ(23)によって減速機(24)を介して駆動される回転筒(52)の回転を車両の左右方向(X)に延びるラック軸(10)の軸方向移動に変換する運動変換機構(25)と、減速機を収容するギヤハウジング(58)とを備え、減速機は、互いに噛み合う第1のギヤ(26,28)および第2のギヤ(27)を有する平行軸歯車機構(30)を含み、上記第2のギヤは、金属製の主ギヤ(90)と、主ギヤの一方の側面(94)に隣接し主ギヤと同行回転し少なくとも歯面(114)が樹脂製である副ギヤ(91,91A,91B,91C)とを含む複合ギヤからなり、第2のギヤの支軸(32)の第1および第2の端部(37,38)が、それぞれ、ギヤハウジングによって支持された第1および第2の軸受(44,45)によって回転可能に支持され、第1の軸受(44)は、副ギヤとは上記支軸の軸方向(S2)に対向し且つルーズフィットで上記支軸に嵌合され、第2の軸受(45)は、主ギヤとは上記支軸の軸方向に対向し且つタイトフィットで上記支軸に嵌合されていることを特徴とする。
本発明によれば、副ギヤの歯面は、樹脂製であるので、樹脂の緩衝作用により、歯打ち音を低減することができる。また、万一、副ギヤによる歯打ち音の低減効果が低いときには、第1の軸受を支軸から取り外し易いので、例えば、第1の軸受を支軸から取り外した状態で、副ギヤを支軸から取り外すことができる。その結果、副ギヤのみを交換することが可能となる。この場合、複合ギヤとしての第2のギヤ全体を交換する場合に比べて、経済的である。また、例えば、必要に応じて、副ギヤを支軸から一旦取り外し、副ギヤと主ギヤとの位相を合わせ直すことが可能となる。従って、副ギヤの騒音低減効果を経済的に維持できるので、低騒音で経済的な電動パワーステアリング装置を実現できる。
なお、上記括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を示すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態の添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成の模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置(EPS:Electric Power Steering System)1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に第1の自在継手4を介して連結された中間シャフト5と、中間シャフト5に第2の自在継手6を介して連結されたピニオンシャフト7と、ピニオンシャフト7の端部近傍に設けられたピニオン歯8に噛み合うラック歯9を有して自動車の左右方向Xに延びる転舵軸としてのラック軸10とを有している。
ピニオンシャフト7およびラック軸10によりラックアンドピニオン機構からなるステアリングギヤ11が構成されている。ラック軸10は、車体12に固定されるハウジング13内に、複数の軸受(図示せず)を介して直線往復可能に支持されている。ラック軸10には、一対のタイロッド14が結合されている。各タイロッド14は対応するナックルアーム15を介して対応する転舵輪16に連結されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン歯8およびラック歯9によって、自動車の左右方向Xに沿ってのラック軸10の直線運動に変換される。これにより、転舵輪16の転舵が達成される。
図1を参照して、ピニオンシャフト7は、操舵部材2に連なる入力軸17と、ピニオン歯8に連なる出力軸18とに分割されている。これら入力軸17および出力軸18はトーションバー19を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸17に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー19が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸17および出力軸18が相対回転するようになっている。
トーションバー19を介する入力軸17および出力軸18の間の相対回転変位量により操舵トルクを検出するトルクセンサ20が設けられている。また、車速を検出するための車速センサ21が設けられている。また、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)22が設けられている。操舵補助力を発生させるための電動モータ23と、この電動モータ23の出力回転を減速する減速機24と、減速機24の出力回転をラック軸10の軸方向移動に変換する運動変換機構25とが設けられている。
トルクセンサ20および車速センサ21からの検出信号が、ECU22に入力されるようになっている。ECU22は、トルク検出結果や車速検出結果等に基づいて、操舵補助用の電動モータ23を制御する。電動モータ23の出力回転は、減速機24により減速され、運動変換機構25により直線移動に変換される。この直線移動が、ラック軸10に伝達される。これにより、操舵が補助されるようになっている。
図2は、図1の減速機24およびその周辺部分の断面図である。図2を参照して、減速機24は、電動モータ23により駆動される第1のギヤとしての駆動ギヤ26と、この駆動ギヤ26に噛み合うアイドルギヤであり且つ第2のギヤとしての中間ギヤ27と、この中間ギヤ27に噛み合う従動ギヤ28とを有している。駆動ギヤ26と、中間ギヤ27と、従動ギヤ28とは、操舵補助用の電動モータ23の出力軸29の出力回転を減速する平行軸歯車機構30を構成している。
また、減速機24は、駆動ギヤ26を支持した第1の支軸31と、中間ギヤ27を支持した第2の支軸32とを有している。第1の支軸31は、電動モータ23の出力軸29に軸継手33を介して連結されている。また、第1の支軸31は、その軸方向に関して、第1の端部34と、第2の端部35とを有している。また、第2の支軸32は、その軸方向に関して、第1の端部37と、第2の端部38とを有している。
また、減速機24は、第1の支軸31の第1の端部34を回転可能に支持した軸受40と、第1の支軸31の第2の端部35を回転可能に支持した軸受41とを有している。第1の支軸31の軸方向移動を規制するために、固定部材42,43が設けられている。
また、減速機24は、第2の支軸32の第1の端部37を回転可能に支持した軸受44と、第2の支軸32の第2の端部38を回転可能に支持した軸受45とを有している。第2の支軸32の軸方向移動を規制するために、固定部材46,47が設けられている。
また、従動ギヤ28は、ラック軸10と同心に配置されており、後述するように軸受48,49により回転可能に支持されている。また、ラック軸10の軸方向S3に関する従動ギヤ28の移動を規制するために、固定部材50,51が設けられている。
図2を参照して、運動変換機構25は、ボールねじ機構からなる。ボールねじ機構は、従動ギヤ28により駆動される回転筒52と、回転筒52により複数のボール53を介して駆動される直線移動部材としてのねじ軸54とを有している。ボールねじ機構は、回転筒52の回転運動を、ねじ軸54の軸方向直線運動に変換する。
回転筒52は、第1および第2の部分55,56を有している。第1の部分55の外周が、軸受48により回転可能に支持されている。第2の部分56の外周が、軸受49により回転可能に支持されている。第1および第2の部分55,56は、ラック軸10の軸方向S3に関して互いに離隔している。第1の部分55は、ラック軸10の軸方向S3に関する一方の端部に設けられている。第2の部分56は、ラック軸10の軸方向S3に関する中間部に設けられている。回転筒52における第1の部分55と第2の部分56との間の外周に、従動ギヤ28が嵌合されている。回転筒52と従動ギヤ28とは、互いに同心に配置されており、互いに一体に回転するように互いに固定されている。また、回転筒52の内周は、雌ねじを有している。
ねじ軸54は、雄ねじを有している。この雄ねじと、回転筒52の雌ねじとの間に、複数のボール53が転動可能に介在している。ねじ軸54とラック軸10とは、互いに一体に移動するように互いに固定されており、例えば、ねじ軸54とラック軸10とが単一部材により一体に形成されている。
ラック軸10、ねじ軸54、回転筒52、従動ギヤ28、軸受48、および軸受49は、互いに同心に配置されている。運動変換機構25の回転筒52は、電動モータ23によって減速機24を介して駆動され、これによりラック軸10の中心軸線の回りに回転する。これに伴って、回転筒52の回転がラック軸10の軸方向に関するねじ軸54の直線移動に変換される。
図1を参照して、ハウジング13は、電動モータ23を支持しつつ減速機24および運動変換機構25を収容するギヤハウジング58と、ラック軸10を収容しつつこのラック軸10を軸方向S3に沿って移動可能に支持する筒状のラックハウジング59と、トルクセンサ20を収容する筒状のセンサハウジング60とを有している。ギヤハウジング58、ラックハウジング59、およびセンサハウジング60は、互いに別体とされ金属により形成されている。
ギヤハウジング58は、第1および第2のギヤハウジング61,62を有している。第1および第2のギヤハウジング61,62は、互いに別部品として形成され、複数の固定ボルト63(1つのみ図示。)により互いに固定されている。
また、第2のギヤハウジング62とラックハウジング59とは、互いに別部品として形成され、複数の固定ボルト(図示せず)により互いに固定されている。また、ラックハウジング59とセンサハウジング60とは、複数の固定ボルト(図示せず)により互いに固定されている。
図2を参照して、第1のギヤハウジング61は、軸受40を保持している第1の軸受保持部78と、軸受44を保持している第2の軸受保持部79と、軸受48を保持している第3の軸受保持部80と、第2のギヤハウジング62に連結されている連結部81とを有している。第1の軸受保持部78、第2の軸受保持部79、および第3の軸受保持部80は、環状の孔を形成している。
第2のギヤハウジング62は、軸受41を保持している第1の軸受保持部82と、軸受45を保持している第2の軸受保持部83と、軸受49を保持している第3の軸受保持部84と、電動モータ23を位置決めしつつ支持している支持部85と、第1のギヤハウジング61の連結部81に連結されている第1の連結部86と、ラックハウジング59の連結部88に連結されている第2の連結部87とを有している。第1の軸受保持部82、第2の軸受保持部83、および第3の軸受保持部84は、環状の孔を形成している。
第1および第2のギヤハウジング61,62が互いに固定された状態において、第1のギヤハウジング61の第1の軸受保持部78と、第2のギヤハウジング62の第1の軸受保持部82と、第2のギヤハウジング62の支持部85に位置決めされた電動モータ23の出力軸29とは、互いに同心に配置されている。また、第1のギヤハウジング61の第2の軸受保持部79と、第2のギヤハウジング62の第2の軸受保持部83とは、互いに同心に配置されている。また、第1のギヤハウジング61の第3の軸受保持部80と、第2のギヤハウジング62の第3の軸受保持部84とは、互いに同心に配置されている。
これにより、電動モータ23の出力軸29の回転中心軸線と、駆動ギヤ26の回転中心軸線とが互いに同心に配置されている。これとともに、駆動ギヤ26の回転中心軸線と、中間ギヤ27の回転中心軸線と、従動ギヤ28の回転中心軸線とが互いに平行に配置されている。また、電動モータ23の出力軸29は、ラック軸10の軸方向S3に平行に配置されている。電動モータ23の出力軸29とラック軸10との間に所定距離が隔てられている。この所定距離は、電動モータ23の外形に応じた最小値またはこの値に近似した値に設定されている。これにより、所要の減速比を実現しつつ、従動ギヤ28の大型化を抑制することができる。ひいては、ステアリングギヤ11、減速機24、および運動変換機構25の外形を小型化することができる。
図2を参照して、駆動ギヤ26は、斜歯歯車からなり、金属、例えば鋼により略円柱形状に形成されている。駆動ギヤ26の外周に複数のギヤ歯が形成されている。駆動ギヤ26と第1の支軸31とは、互いに同行回転できるように、互いに固定されている。具体的には、駆動ギヤ26と第1の支軸31とは単一部材により単一部品として一体に形成されている。
駆動ギヤ26は、両持ち状態でギヤハウジング58に第1の支軸31および軸受40,41を介して回動可能に支持されている。軸受40,41が、第1の支軸31の軸方向に関して駆動ギヤ26の両側に配置されている。軸受40,41は、転がり軸受である。軸受40,41はそれぞれ、内輪と、外輪と、転動体としての複数の玉とを有している。
第1のギヤハウジング61の第1の軸受保持部78は、軸受40を介して、第1の支軸31の第1の端部34を回動可能に支持している。第2のギヤハウジング62の第1の軸受保持部82は、軸受41を介して、第1の支軸31の第2の端部35を回動可能に支持している。
図3は、図2の減速機24の中間ギヤ27および周辺部分の拡大図である。図3を参照して、中間ギヤ27は、複合ギヤからなる。この複合ギヤは、主ギヤ90と、副ギヤ91とを有している。主ギヤ90と副ギヤ91とは、それぞれ略円柱形状をなしている。主ギヤ90および副ギヤ91の外周にそれぞれ、複数のギヤ歯が形成されている。主ギヤ90と副ギヤ91とは、互いに同じ歯数であり、互いに同じピッチ円直径を有している。
主ギヤ90は、その全体が、金属、例えば、鋼により形成されている。また、主ギヤ90と第2の支軸32とは、互いに同行回転できるように、互いに固定されている。具体的には、主ギヤ90と第2の支軸32とは単一部材により単一部品として一体に形成されている。なお、主ギヤ90の中心部に嵌合孔を形成し、この嵌合孔に、第2の支軸32を、例えば、圧入状態で嵌合するようにしてもよい。
副ギヤ91の中心部には、嵌合孔92が形成されている。この嵌合孔92に、第2の支軸32が相対回動可能であり、また、分離可能に、例えば、すきま嵌め状態で嵌合している。第2の支軸32の軸方向S2に関して、副ギヤ91は、主ギヤ90よりも薄く形成されている。また、副ギヤ91の歯部93の一部が、後述するように合成樹脂部材により形成されている。
副ギヤ91は、主ギヤ90の一方の側面94に隣接して、同軸的に配置されている。主ギヤ90と副ギヤ91とが、中間ギヤ27の歯幅方向(第2の支軸32の軸方向S2に相当する。)に積層されている。この状態で、主ギヤ90および副ギヤ91は、互いに同行回転するように、複数の固定部材95により互いに固定されている。固定部材95は、固定ボルトからなる。固定部材95は、副ギヤ91の挿通孔96を挿通し、主ギヤのねじ孔97にねじ嵌合されている。この状態で、固定部材95は、環状部材98を介して副ギヤ91を押圧している。これにより、中間ギヤ27が構成されている。
図3を参照して、中間ギヤ27は、両持ち状態でギヤハウジング58に第2の支軸32および軸受44,45を介して回動可能に支持されている。第2の支軸32の軸方向S2に関して、中間ギヤ27の両側に軸受44,45が配置されている。軸受44,45は、転がり軸受である。軸受44,45はそれぞれ、内輪と、外輪と、転動体としての複数の玉とを有している。
第1のギヤハウジング61の第2の軸受保持部79は、軸受44を介して、第2の支軸32の第1の端部37を回動可能に支持している。第2のギヤハウジング62の第2の軸受保持部83は、軸受45を介して、第2の支軸32の第2の端部38を回動可能に支持している。
第1のギヤハウジング61および第2のギヤハウジング62は、金属、例えば、鋼、アルミニウム合金により形成されている。また、第2の支軸32は、金属、例えば、鋼により形成されている。また、軸受44,45の内輪と、外輪と、転動体とのそれぞれは、金属、例えば、鋼により形成されている。
本実施形態では、第2の支軸32の軸方向S2に関して、第1の軸受としての軸受44、副ギヤ91、主ギヤ90、および第2の軸受としての軸受45は、この記載の順で並んでいる。
また、軸受44は、副ギヤ91とは第2の支軸32の軸方向S2に対向しており、且つルーズフィットで第2の支軸32に嵌合されている。軸受44は、ギヤハウジング58にタイトフィットで嵌合されている。
また、軸受45は、主ギヤ90とは第2の支軸32の軸方向S2に対向し、且つタイトフィットで第2の支軸32に嵌合されている。軸受45は、ギヤハウジング58にルーズフィットで嵌合されている。
ここで、タイトフィットは、組み込んだ状態において、互いに嵌合する一対の面同士の間の径方向隙間がない状態であり、径方向の隙間量がゼロの状態および圧入状態をも含む。また、ルーズフィットは、すきま嵌め状態であり、組み込んだ状態において、互いに嵌合する一対の面同士の間の隙間量が、ゼロを超えて大きい値であればよい。なお、図3において、ルーズフィットの隙間量は、誇張して図示されている。
図3を参照してより詳しく説明する。第2の支軸32の第1の端部37は、軸受44の内輪の内周がルーズフィットで嵌合した嵌合部101と、この嵌合部101に隣接して設けられており径方向外方へ延びた環状の段部102と、この段部102とは反対側で嵌合部101に隣接した雄ねじ103とを有している。この雄ねじ103に、固定部材46の雌ねじがねじ嵌合している。第2の支軸32の軸方向S2に関して、軸受44の内輪が、固定部材46と、第1の端部37の上述の段部102との間において締め付けられている。これにより、第2の支軸32の軸方向S2および径方向に関して、第2の支軸32と軸受44の内輪との相対移動が規制されている。
第1のギヤハウジング61の第2の軸受保持部79は、軸受44の外輪の外周とタイトフィットで嵌合した嵌合部104と、この嵌合部104に隣接して設けられており径方向内方に延びた端壁105と、この端壁105とは反対側で嵌合部104に隣接した周溝106とを有している。この周溝106に、固定部材47としての止め輪が係止されている。固定部材47と第2の軸受保持部79の端壁105との間に、軸受44の外輪が配置されている。
第2の支軸32の第2の端部38は、軸受45の内輪の内周がタイトフィットで嵌合した嵌合部107と、この嵌合部107に隣接して設けられており径方向外方へ延びた環状の段部108と、この段部108とは反対側で嵌合部107から軸方向S2に延設された延設部109とを有している。
第2のギヤハウジング62の第2の軸受保持部83は、軸受45の外輪の外周とルーズフィットで嵌合している。
図2を参照して、従動ギヤ28は、斜歯歯車からなり、金属、例えば鋼により環状に形成されている。従動ギヤ28の外周に複数のギヤ歯が形成されている。従動ギヤ28と回転筒52とは、互いに同行回転できるように、互いに固定されている。従動ギヤ28は、回転筒52における第1の部分55と第2の部分56との間に配置されている。
従動ギヤ28は、両持ち状態で、ギヤハウジング58に回転筒52および軸受48,49を介して回動可能に支持されている。ラック軸10の軸方向S3に関して、従動ギヤ28の両側に軸受48,49が配置されている。軸受48,49は、転がり軸受である。軸受48,49はそれぞれ、内輪と、外輪と、転動体としての複数の玉とを有している。
第1のギヤハウジング61の第3の軸受保持部80は、軸受48を介して回転筒52の第1の部分55を回動可能に支持している。第2のギヤハウジング62の第3の軸受保持部84は、軸受49を介して回転筒52の第2の部分56を回動可能に支持している。
図4は、駆動ギヤ26と中間ギヤ27との噛み合いを示す模式図であり、駆動ギヤ26の歯筋が延びる方向から見た状態を示す。図5は、駆動ギヤ26と中間ギヤ27との噛み合いを示す模式的な断面図であり、図4のV−V断面を示す。なお、図5には、中間ギヤ27と当接する駆動ギヤ26のギヤ歯と、このギヤ歯に隣接する駆動ギヤ26のギヤ歯も一点鎖線で図示してある。
図4、図5を参照して、本実施形態では、主ギヤ90の歯111と副ギヤ91の歯112とが互いに位相合わせされた状態で、主ギヤ90と副ギヤ91とは互いに固定されている。歯111,112同士が位相合わせされた状態では、両ギヤ90,91の歯111,112が、主ギヤ90の歯111の歯筋が延びる方向Yに並んでいる。このように互いに隣接して並び対をなす各歯111,112においては、主ギヤ90の歯111の歯筋が延びる方向Yに見たときに、主ギヤ90の歯111の歯面113よりも、副ギヤ91の歯112の歯面114が周方向Wに突出している。
図4を参照して、周方向Wに関しての主ギヤ90の歯111の歯面113からの副ギヤ91の歯112の歯面114の突出量K1は、各歯111,112について同じとされている。また、上記突出量K1は、副ギヤ91の歯112の歯先から副ギヤ91のピッチ円115にかけてほぼ一定になっている。また、突出量K1は、副ギヤ91のピッチ円115から副ギヤ91の各歯112の歯元にかけて徐々に減少している。副ギヤ91の各ギヤ歯112の歯元部、例えば、ピッチ円115よりも径方向内方の各歯面114に、湾曲凹部116が形成されている。
図2,図5を参照して、本実施形態では、駆動ギヤ26、従動ギヤ28、および主ギヤ90は斜歯歯車である。一方で、副ギヤ91は平歯車である。
図4,図5を参照して、互いに隣接して対をなす主ギヤ90の歯111と副ギヤ91の歯112とが、斜歯歯車である駆動ギヤ26の共通のギヤ歯118と噛み合うようになっている。すなわち、副ギヤ91の歯幅K2は、主ギヤ90の歯幅K3よりも薄い。また、副ギヤ91の歯幅K2は、駆動ギヤ26の歯溝の幅K4よりも薄い。これにより、平歯車である副ギヤ91の歯112が、斜歯歯車である駆動ギヤ26の歯溝内に入り、駆動ギヤ26のギヤ歯118と噛み合うことができる。このとき、副ギヤ91の歯112の角部119が、主ギヤ90の歯111の歯面113よりも突出し、駆動ギヤ26のギヤ歯118の歯面121と当接することになる。上述の角部119は、歯112の側面120と歯面114との間に形成されている。
また、図示しないが、駆動ギヤ26と同様にして、主ギヤ90の歯111と副ギヤ91の歯112とが、斜歯歯車である従動ギヤ28の共通のギヤ歯と噛み合うようになっている。
図6は、図3の中間ギヤ27の断面図である。図6を参照して、本実施形態では、主ギヤ90および副ギヤ91は、互いに取り外し可能に、また、位相調節可能に、複数の固定部材95によって互いに固定されている。また、固定部材95は、第2の支軸32の軸方向S2に関して、副ギヤ91よりも外方から操作できるようになっている。
固定部材95は、軸方向S2の軸力を作用させた状態で、主ギヤ90および副ギヤ91を、軸方向S2に締め付けることにより固定する。また、固定部材95をねじ孔97から離脱させることにより、主ギヤ90および副ギヤ91を互いに分離させて、副ギヤ91を第2の支軸32から取り外すことができる。
複数の固定部材95は、副ギヤ91の挿通孔96を軸方向S2に貫通し、挿通孔96との間に隙間を開けた状態で、固定部材95の雄ねじが主ギヤ90のねじ孔97にねじ嵌合されている。固定部材95のねじ止めを緩めた仮止め状態において、主ギヤ90および副ギヤ91を相対回動させることができる。これにより、主ギヤ90および副ギヤ91を、位相調節できる。
ところで、副ギヤ91の歯部93が樹脂製の場合には、副ギヤ91が相手方のギヤ(例えば、駆動ギヤ26)と互いに噛み合うときに、副ギヤ91の歯部93が軸方向S2に変形すること(いわゆる、逃げ、めくれ)が想定される。このような変形が生じると、騒音低減効果が十分に得られない虞がある。
図4,図6を参照して、本実施形態では、副ギヤ91の側面に環状部材98を取り付けている。環状部材98は、歯部93の逃げを抑制する変形抑制部材として機能する。環状部材98は、金属、例えば、鋼、アルミニウム合金により形成されている。環状部材98は、副ギヤ91の一方の側面に面接触状態で密着している。環状部材98は、径方向に関して、第2の支軸32の外周に近接した位置から歯部93の近傍位置にまで設けられている。環状部材98は、固定部材95により、副ギヤ91とともに主ギヤ90に共締め状態で固定されている。また、副ギヤ91の他方の側面は、主ギヤ90の側面94に面接触状態で密着している。環状部材98および主ギヤ91により、軸方向S2に関する副ギヤ91の歯部93の変形が抑制されるので、騒音低減効果の低下を抑制できる。
図4、図6を参照して、副ギヤ91は、円筒形状をなす金属製の芯金123と、合成樹脂部材により歯部93の一部を形成する樹脂部124とを有している。
樹脂部124は、芯金123を取り囲んで環状に形成されている。樹脂部124は、各ギヤ歯について、歯面と、歯の側面と、歯の頂面と、歯底面と、これらの各面からその法線方向に所定深さまでの部分とを形成している。樹脂部124は、副ギヤ91の外周縁のみに設けられている。樹脂部124は、芯金123の外周を被覆している。
なお、後述する第2の実施形態のように副ギヤ91の歯部93と、歯部93以外の部分のうちの一部が合成樹脂により形成される場合も考えられる。また、副ギヤ91の全体が合成樹脂により形成される場合も考えられる。要は、副ギヤ91の少なくとも歯面114が合成樹脂により形成されていればよい。本実施形態では、副ギヤ91の一部が合成樹脂材料により形成され、この合成樹脂材料により形成された上記一部が、歯面114を含む場合に則して説明する。
合成樹脂部材は、ポリエステルエラストマを含む。ポリエステルエラストマは、ゴム弾性を有するエンジニアリングプラスチックである。
芯金123の外周と樹脂部124とは、互いに同行回転するように固定されている。例えば、芯金123は、樹脂部124内に埋設されている。すなわち、インサートとしての芯金123を金型内に挿入した状態で、樹脂部124の合成樹脂部材を射出成形(インサート成形)することにより、成形品としての樹脂部124内に、芯金123が埋設されている。これにより、芯金123と樹脂部124とが、一体的に固定されている。
図4,図6を参照して、芯金123は、歯車形状をなしている。芯金123の外周は、当該芯金123と樹脂部124との相対移動を規制する規制部であり且つ起伏部としての複数の凸部125を有している。複数の凸部125は、主ギヤ90のギヤ歯111と同数で周方向Wに均等に設けられ、主ギヤ90のギヤ歯111よりも周方向Wに関して小さくされている。凸部125の頂部は、歯部93の内部にあり、ギヤ歯112の歯底よりも径方向外方に位置し、さらにはピッチ円115よりも径方向外方に達している。歯部83は、芯金123の一部としての凸部125を含むことにより、軸方向S2に関する副ギヤ91の歯部93の変形を抑制できる。
また、芯金123は、複数の挿通孔96を有している。また、芯金123は、上述の嵌合孔92を形成しており、第2の支軸32の外周面に嵌合している。
芯金123は、鋳鉄および制振合金の少なくとも一方を含む。制振合金としては、複合型、強磁性型、転位型あるいは双晶型の制振合金を用いることができる。複合型の制振合金としては、Zn−Al合金、片状黒鉛鋳鉄を例示することができる。強磁性型の制振合金としては、高純度鉄、高純度ニッケルを例示することができる。転位型の制振合金としては、Mg合金、Mg−Zn合金を例示することができる。双晶型の制振合金としては、Mn−Cu合金、Cu−Al−Ni合金、Ti−Ni合金、Fe−Mn−Si合金、Fe−Ni−Co−Ti合金、Fe−Ni−C合金、Fe−Cr−Ni−Mn−Si−Co合金、Fe−Al合金を例示することができる。
図2,図4を参照して、駆動ギヤ26に入力された回転は、中間ギヤ27を介して、従動ギヤ28に伝達される。逆に、従動ギヤ28に入力された回転は、中間ギヤ27を介して、駆動ギヤ26に伝達される。以下では、駆動ギヤ26に入力された回転が、中間ギヤ27に伝達される場合に則して説明するが、中間ギヤ27から駆動ギヤ26への回転の伝達においても同様である。また、従動ギヤ28および中間ギヤ27の間の両方向の回転の伝達についても同様である。
すなわち、駆動ギヤ26から入力されたトルクが相対的に小さい場合には、駆動ギヤ26の歯118の歯面121は、中間ギヤ27の副ギヤ91の歯112の歯面114に当接するようになっている。これにより、回転が伝達される。
駆動ギヤ26から入力されたトルクが相対的に大きい場合には、駆動ギヤ26の歯118の歯面121が、中間ギヤ27の副ギヤ91の歯112の歯面114に当接する。これとともに、歯112が弾性的に変形し、その結果、駆動ギヤ26の歯118の歯面121が、主ギヤ90の歯111の歯面113に当接する。これにより、回転が伝達される。
駆動ギヤ26の歯118が副ギヤ91の歯112のみに当接する場合には、駆動ギヤ26と中間ギヤ27との噛み合い時の衝突エネルギが、副ギヤ91によって吸収される。これにより、金属製の駆動ギヤ26の歯面121と金属製の主ギヤ90の歯面113との衝突による騒音(いわゆる歯打ち音)の発生が防止されている。また、駆動ギヤ26および中間ギヤ27の間に大トルクが作用する場合には、副ギヤ91の歯112および主ギヤ90の歯111がともに駆動ギヤ26の歯118と当接して、大トルクを確実に伝達することができる。
さらに、副ギヤ91の各歯112の歯元部に湾曲凹部116が形成されているので、副ギヤ91の各歯112の歯元部に対する駆動ギヤ26の食い込みが防止される。その結果、副ギヤ91の耐久性が向上している。
以上説明したように、本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置1は、電動モータ23によって減速機24を介して駆動される回転筒52の回転を車両の左右方向Xに延びるラック軸10の軸方向移動に変換する運動変換機構25と、減速機24を収容するギヤハウジング58とを備えている。減速機24は、互いに噛み合う第1のギヤとしての駆動ギヤ26(従動ギヤ28でもよい。)および第2のギヤとしての中間ギヤ27を有する平行軸歯車機構30を含んでいる。中間ギヤ27は、金属製の主ギヤ90と、主ギヤ90の一方の側面94に隣接し主ギヤ90と同行回転し少なくとも歯面114が樹脂製である副ギヤ91とを含む複合ギヤからなる。中間ギヤ27の第2の支軸32の第1および第2の端部37,38が、それぞれ、ギヤハウジング58によって支持された第1および第2の軸受44,45によって回転可能に支持されている。第1の軸受44は、副ギヤ91とは第2の支軸32の軸方向S2に対向し且つルーズフィットで第2の支軸32に嵌合されている。第2の軸受45は、主ギヤ90とは第2の支軸32の軸方向S2に対向し、且つタイトフィットで第2の支軸32に嵌合されていることを特徴とする。
本実施形態によれば、副ギヤ91の歯面114は、樹脂製であるので、樹脂の緩衝作用により、歯打ち音を低減することができる。また、万一、副ギヤ91による歯打ち音の低減効果が低いときには、軸受44を第2の支軸32から取り外し易いので、例えば、軸受44を第2の支軸32から取り外した状態で、副ギヤ91を第2の支軸32から取り外すことができる。その結果、副ギヤ91のみを交換することが可能となる。この場合、複合ギヤとしての中間ギヤ27の全体を交換する場合に比べて、経済的である。また、例えば、必要に応じて、副ギヤ91を第2の支軸32から一旦取り外し、副ギヤ91と主ギヤ90との位相を合わせ直すことが可能となる。従って、副ギヤ91の騒音低減効果を経済的に維持できるので、低騒音で経済的な電動パワーステアリング装置1を実現できる。
また、第1の軸受44は、ギヤハウジング58にタイトフィットで嵌合されている。第2の軸受45は、ギヤハウジング58にルーズフィットで嵌合されている。これにより、第1の軸受44および第2の軸受45は、第2の支軸32またはギヤハウジング58のいずれか一方にタイトフィットで嵌合されているので、がたつくことはない。しかも、第1の軸受44および第2の軸受45は、第2の支軸32またはギヤハウジング58のいずれか他方にルーズフィットで嵌合されているので、組み立ておよび分解が容易である。
また、主ギヤ90および副ギヤ91は、互いに相対回転可能とされ、複数の固定ボルトからなる固定部材95により互いに固定されている。これらの複数の固定ボルトは、支軸の軸方向S2に副ギヤ91の挿通孔96を隙間を持って貫通し、主ギヤ90に設けられたねじ孔97にねじ嵌合されている。これにより、固定部材95を緩めた状態で、主ギヤ90に対して副ギヤ91の位相合わせをすることができる。
また、主ギヤ90は斜歯歯車であり、副ギヤ91は平歯車である。この場合、副ギヤ91が、平歯車であるので、斜歯歯車である場合に比較して、安価に製造できて、しかも高精度に形成できる。従って、副ギヤ91の製造コストが安価になる。また、高精度なので、騒音低減に寄与する。
また、副ギヤ91は、芯金123と、この芯金123とは同行回転し少なくとも歯面114を形成する樹脂部124とを含んでいる。この場合、例えば、駆動ギヤ26と中間ギヤ27とが噛み合うときに、副ギヤ91の歯部93が振動することがあったとしても、このときの振動が、副ギヤ91の樹脂部124との間で、減衰され易くなる。その結果、第2の支軸32に伝達され難く、ひいては、異音が生じ難い。
また、芯金123が鋳鉄または制振合金を含む場合には、歯部93の振動が、芯金123においてより一層減衰され易くなる。
また、副ギヤ91の樹脂部124は、芯金123をインサート成形されてなる。この場合、副ギヤ91の樹脂部124と芯金123とが確実に固定される。また、金属同士の芯金123と主ギヤ90とが、固定部材95により確実に固定される。その結果、主ギヤ90および副ギヤ91の歯部同士の位相ずれの発生を抑制できるので、位相ずれに起因した歯打ち音の発生を抑制できる。
また、芯金123の外周面には、主ギヤ90のギヤ歯111よりも小さくて同数の凸部125が形成されている。この場合、副ギヤ91の樹脂部124と、芯金123とがより一層確実に固定される。
また、樹脂部124は、ポリエステル・エラストマを含むので、歯打ち音の低減にとって好ましい弾性率を有する。その結果、騒音低減に寄与する。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に図示して、この点を主に説明する。他の構成については、説明を省略するが、上述の実施形態と同様であり、同一符号を付してある。
例えば、図7は、本発明の第2の実施形態の中間ギヤ27の断面図である。図7を参照して、本実施形態の中間ギヤ27は、主ギヤ90および副ギヤ91Aを有している。本実施形態の副ギヤ91Aは、上述した副ギヤ91とは、以下の点で異なり、他の構成については同じとされている。また、後述する芯金123Aおよび樹脂部124Aは、上述の芯金123および樹脂部124とは、以下の点で異なり、他の構成については同じとされている。また、副ギヤ91A,芯金123Aおよび樹脂部124Aにおいて、上述した副ギヤ91,芯金123および樹脂部124と同様の部分に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
図8は、図7の副ギヤ91Aの正面図である。図7、図8を参照して、副ギヤ91Aは、円筒形状をなす金属製の芯金123Aと、芯金123Aに固定された合成樹脂部材により歯部93を形成する樹脂部124Aと、樹脂部124A内に埋設されており固定部材95用の挿通孔96を形成する金属製の複数の筒部材130とを有している。副ギヤ91Aの側面は、芯金123Aと、樹脂部124Aと、筒部材130とにより単一の平面を形成している。また、芯金123Aは、挿通孔96を有していない。
樹脂部124Aは、芯金123Aに比べて径方向に関して厚肉に形成されている。また、樹脂部124Aは、芯金123Aおよび筒部材130をインサート成形されてなる。筒部材130は、軸方向S2に樹脂部124Aを貫通しており、主ギヤ90のねじ孔97に対向する位置に配置されている。芯金123Aの外周は、当該芯金123Aと樹脂部124Aとの相対移動を規制する規制部であり且つ起伏部としての複数の凸部131(図9A参照)を有している。
図9Aは、図7の副ギヤ91Aの要部の断面図である。凸部131は、セレーション歯からなり、軸方向S2に延びている。複数のセレーション歯は、周方向Wに均等に配置されており、周方向Wに隣接するセレーション歯の間には、セレーション溝が形成されている。これにより、芯金123Aと樹脂部124Aとを確実に固定できるので、ひいては、主ギヤ90および副ギヤ91Aの歯部同士の位相ずれの発生を抑制できる。従って、この位相ずれに起因した歯打ち音の発生を抑制できる。このように、副ギヤ91Aは、上述の副ギヤ91と同様に機能する。
図9B,図9C,図9Dは、本発明の第2の実施形態の変形例としての副ギヤ91Aの要部の断面図である。図9Bを参照して、凸部131に代えて、粗面132を形成してもよい。粗面132は、芯金123Aの外周面の表面粗さを粗くされてなる。図9Cを参照して、凸部131に代えて、芯金123Aの外周面に、起伏部としての複数の窪み133を形成してもよい。図9Dを参照して、凸部131に代えて、芯金123Aの外周面に、起伏部としての複数の溝134を形成してもよい。複数の溝134は、芯金123Aの外周がローレット加工により形成された多数の溝からなる。複数の溝134は、周方向Wに交差する方向、例えば軸方向S2および周方向Wにともに傾斜する方向に延びている。なお、複数の溝134は、互いに交差する複数の溝を含んでいてもよい。粗面132、窪み133および溝134も、凸部131と同様の効果を得ることができる。
ところで、電動パワーステアリング装置1の使用温度域、例えば、−40℃〜+120℃の全域にわたって騒音抑制効果を得るのが望ましいが、困難且つ手間がかかる。
図4を参照して、騒音抑制効果を得るには、主ギヤ90の歯面113からの副ギヤ91の歯面114の突出量K1が、所定の下限値以上であることが必要とされる。これとともに、副ギヤ91の歯部93の弾性率(ヤング率、縦弾性係数)が、所定の下限値以上であることも必要とされる。つまり、歯部93の弾性率が下限値を下回ると、歯部93が軟らかくなるので、騒音抑制効果が得られなくなる。
一方で、突出量K1には、バックラッシに基づいて上限値も設定される。また、弾性率は、高くなりすぎると、副ギヤ91自身に歯打ち音が生じてしまう。従って、弾性率にも上限値がある。つまり、突出量K1および弾性率のそれぞれは、適切な範囲(上限値および下限値)内の値にする必要がある。さらに、突出量K1および弾性率の条件を、使用温度域、例えば、−40℃〜+120℃の全域にわたって満足しなければならない。
また、合成樹脂の特性として、通例、温度が高くなるにしたがって、合成樹脂の膨張量は大きくなり、一方で、弾性率は低くなる(軟化する)傾向にある。従って、例えば、突出量K1が所定の上限値および下限値の範囲内にあるという条件を、高温域で満たそうとすると、低温域において下限値を下回ってしまう傾向にある。逆に、条件を低温域で満たそうとすると、高温域で満たせない傾向もある。弾性率についても同様の傾向がある。
図10は、本発明の第3の実施形態の中間ギヤ27の断面図である。図10を参照して、第3の実施形態では、上述の副ギヤ91に代えて、上述の突出量K1および弾性率の条件をともに相対的に低温域において満たす第1の副ギヤ91Bと、上述の突出量K1および弾性率の条件をともに相対的に高温域において満たす第2の副ギヤ91Cとを用いている。このように、第1および第2の副ギヤ91B,91Cの騒音抑制効果を得られる温度域を狭くすることで、設計自由度を高くでき、設計が容易になる。また、利用可能な樹脂材料の選択範囲が広くなる。
第2のギヤとしての中間ギヤ27は、金属製の主ギヤ90と、この主ギヤ90と同行回転する第1の副ギヤ91Bと、主ギヤ90と同行回転する第2の副ギヤ91Cとを有している。第1の副ギヤ91Bおよび第2の副ギヤ91Cは、騒音抑制効果が得られる温度範囲を除いて、上述の副ギヤ91と同様に機能する。
軸方向S2に関して、第2の副ギヤ91Cは、第1の副ギヤ91Bと、環状部材98との間に配置されている。主ギヤ90と、第1の副ギヤ91Bと、第2の副ギヤ91Cと、環状部材98とは、固定部材95により共締め状態で、互いに同行回転できるように、互いに固定されている。
第1の副ギヤ91Bは、芯金123と、樹脂部124Bとを有している。樹脂部124Bは、歯面114を第1の樹脂により形成している。第1の樹脂は、上述した樹脂部124の合成樹脂部材とは異なっている。これ以外の点に関しては、第1の副ギヤ91Bと上述の副ギヤ91とは、同じに構成されている。
第2の副ギヤ91Cは、芯金123と、樹脂部124Cとを有している。樹脂部124Cは、歯面114を第2の樹脂により形成している。この第2の樹脂は、上述の樹脂部124の合成樹脂部材とは異なっており、また、第1の樹脂とも異なっている。これ以外の点に関しては、第2の副ギヤ91Cと上述の副ギヤ91とは、同じに構成されている。
なお、第1の副ギヤ91Bおよび樹脂部124Bにおいて、上述した副ギヤ91および樹脂部124と同様の部分に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。第2の副ギヤ91Cおよび樹脂部124Cについても同様である。
また、第1の樹脂および第2の樹脂のうちのいずれか一方が、樹脂部124の合成樹脂部材と同じであってもよい。要は、第1および第2の樹脂が互いに異なっていればよい。本実施形態では、第1および第2の樹脂がともに、樹脂部124の合成樹脂部材とは異なる場合に則して説明する。
図11Aは、温度変化に対する、主ギヤ90の歯面からの第1および第2の副ギヤ91B,91Cの歯面の周方向突出量K1の変化を示すグラフであり、縦軸は突出量K1を、横軸は温度Tを示し、第1の副ギヤ91Bの突出量K1の変化を線G1で、第2の副ギヤ91Cの突出量K1の変化を線G2で示した。
図11Aを参照して、主ギヤ90の歯面113からの第1の副ギヤ91Bの歯面114の周方向突出量K1(線G1参照)は、使用温度域内の全域T11(所定温度T1〜所定温度T2)において所定の下限値K11以上である。主ギヤ90の歯面113からの第2の副ギヤ91Cの歯面114の周方向突出量K1(線G2参照)は、使用温度域内の相対的に低温度域T12(所定温度T3よりも低い温度域)において、上記下限値K11未満である。また、第1および第2の副ギヤ91Cの周方向突出量K1は、使用温度域の全域T11において所定の上限値K12以下である。なお、周方向突出量K1は、予め定める位置、例えば、第1および第2の副ギヤ91B,91Cのピッチ円上での値とする。
図11Bは、温度変化に対する弾性率Eの変化を示すグラフであり、縦軸は弾性率Eを、横軸は温度Tを示し、第1の副ギヤ91Bの弾性率Eの変化を線G3で、第2の副ギヤ91Cの弾性率Eの変化を線G4で示した。
図11Bを参照して、第2の副ギヤ91Cの第2の樹脂の弾性率E(線G4参照)は、使用温度域内の全域T11において所定の下限値E11以上である。また、第1の副ギヤ91Bの第1の樹脂の弾性率E(線G3参照)は、使用温度域内の相対的に高温域T13(所定温度T4よりも高い温度域)において、上記下限値E11未満となる。第1および第2の樹脂の弾性率Eは、使用温度域の全域T11において所定の上限値E12以下である。また、所定温度T4は、所定温度T3よりも高くされている。
図11A,図11Bを参照して、所定温度T4よりも低い温度域T14では、第1の副ギヤ91Bの突出量K1が所定の下限値K11以上であり、且つ第1の副ギヤ91Bの弾性率Eは、所定の下限値E11以上であるので、騒音抑制効果を得ることができる。
また、所定温度T3よりも高い温度域T15では、第2の副ギヤ91Cの突出量K1が所定の下限値K11以上であり、且つ第2の副ギヤ91Cの弾性率Eは、所定の下限値E11以上であるので、騒音抑制効果を得ることができる。
また、所定温度T3と所定温度T4との間の温度域(例えば、常温域)では、第1および第2の副ギヤ91B,91Cの両方により、騒音抑制効果を得ることができる。
このように、第1および第2の副ギヤ91B,91Cの騒音抑制効果が得られる温度域を、互いに補うように設定しているので、広い温度範囲にわたり騒音抑制効果を確実に得ることができる。
なお、第3の実施形態の第1および第2の副ギヤ91B,91Cは、副ギヤ91と同じ構造を有していたが、副ギヤ91Aと同じ構造を有していてもよい。また、駆動ギヤ26、従動ギヤ28、主ギヤ90、第1の副ギヤ91B、および第2の副ギヤ91Cが斜歯歯車であってもよい。または、駆動ギヤ26、従動ギヤ28、主ギヤ90、第1の副ギヤ91B、および第2の副ギヤ91Cが平歯車であってもよい。
また、上述の第1および第2の各実施形態において、駆動ギヤ26、従動ギヤ28、主ギヤ90、および副ギヤ91,91Aが斜歯歯車であってもよい。または、駆動ギヤ26、従動ギヤ28、主ギヤ90、および副ギヤ91,91Aが平歯車であってもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更を施すことができる。
本発明の第1の実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成の模式図である。 図1の減速機およびその周辺部分の断面図である。 図2の減速機の中間ギヤおよび周辺部分の拡大図である。 駆動ギヤと中間ギヤとの噛み合いを示す模式図であり、駆動ギヤの歯筋が延びる方向から見た状態を示す。 駆動ギヤと中間ギヤとの噛み合いを示す模式的な断面図であり、図4のV−V断面を示す。 中間ギヤの断面図である。 本発明の第2の実施形態の中間ギヤの断面図である。 図7の副ギヤの正面図である。 図9Aは、図8の副ギヤの要部の断面図であり、図9B,図9C,図9Dは、本発明の変形例としての副ギヤの要部の断面図である。 本発明の第3の実施形態の中間ギヤの断面図である。 図11Aは、温度変化に対する、第1および第2の副ギヤの歯面の周方向突出量の変化を示すグラフであり、図11Bは、温度変化に対する第1および第2の副ギヤの歯部の弾性率の変化を示すグラフである。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、10…ラック軸、23…電動モータ、24…減速機、25…運動変換機構、26…駆動ギヤ(第1のギヤ)、27…中間ギヤ(第2のギヤ)、28…従動ギヤ(第1のギヤ)、30…平行軸歯車機構、32…第2の支軸(支軸)、37…(第2の支軸の)第1の端部、38…(第2の支軸の)第2の端部、44…軸受(第1の軸受)、45…軸受(第2の軸受)、52…回転筒、58…ギヤハウジング、90…主ギヤ、91,91A…副ギヤ、91B…第1の副ギヤ、91C…第2の副ギヤ、94…(主ギヤの)一方の側面、114…(副ギヤの)歯面、S2…(第2の支軸の)軸方向、S3…(ラック軸の)軸方向、X…車両の左右方向

Claims (1)

  1. 電動モータによって減速機を介して駆動される回転筒の回転を車両の左右方向に延びるラック軸の軸方向移動に変換する運動変換機構と、
    減速機を収容するギヤハウジングとを備え、
    減速機は、互いに噛み合う第1および第2のギヤを有する平行軸歯車機構を含み、
    上記第2のギヤは、金属製の主ギヤと、主ギヤの一方の側面に隣接し主ギヤと同行回転し少なくとも歯面が樹脂製である副ギヤとを含む複合ギヤからなり、
    第2のギヤの支軸の第1および第2の端部が、それぞれ、ギヤハウジングによって支持された第1および第2の軸受によって回転可能に支持され、
    第1の軸受は、副ギヤとは上記支軸の軸方向に対向し且つルーズフィットで上記支軸に嵌合され、
    第2の軸受は、主ギヤとは上記支軸の軸方向に対向し且つタイトフィットで上記支軸に嵌合されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012127453A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Isuzu Motors Ltd ギア支持構造
JP2012233246A (ja) * 2011-05-09 2012-11-29 Daido Steel Co Ltd 電磁ステンレス鋼
JP2017187078A (ja) * 2016-04-01 2017-10-12 日産自動車株式会社 ギア装置

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