JP2009207243A - 制動力回生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輪が低速回転時でも十分な回生が得られる制動力回生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】回転トルクを発生する動力源11と、動力源11に接続され、回転トルクの伝達を制御するクラッチ手段13と、クラッチ手段13に接続された変速手段15と、変速手段15に接続された車輪17と、クラッチ手段13に接続され、クラッチ手段13の動力源側回転数と、クラッチ手段13の変速手段側回転数の高い方から回転トルクを取り出す回転数選択手段19と、回転数選択手段19に接続され、回転数選択手段19で取り出された回転トルクが伝達される発電機21とから構成したものである。
【選択図】図1
【解決手段】回転トルクを発生する動力源11と、動力源11に接続され、回転トルクの伝達を制御するクラッチ手段13と、クラッチ手段13に接続された変速手段15と、変速手段15に接続された車輪17と、クラッチ手段13に接続され、クラッチ手段13の動力源側回転数と、クラッチ手段13の変速手段側回転数の高い方から回転トルクを取り出す回転数選択手段19と、回転数選択手段19に接続され、回転数選択手段19で取り出された回転トルクが伝達される発電機21とから構成したものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の減速時に補機を駆動することにより運動エネルギーを回収する制動力回生装置に関するものである。
近年、環境への配慮や燃費向上のために、減速中の車両の運動エネルギーを活用する様々な装置が提案されている。例えば、特許文献1には車両減速時の慣性力による車輪の回転トルクを活用してエアコンのコンプレッサや発電機(オルタネータ)等の補機を駆動することで、減速時におけるエンジンの補機駆動に必要な燃料消費を抑制することができる補機駆動装置が提案されている。図5はこのような補機駆動装置の全体構成図である。
図5において、車両のエンジン101は減速機構103、デファレンシャル105を介して車軸107を回転させる。これにより、車軸107に固定した車輪109が回転し、車両を駆動している。一方、エンジン101にはクランク軸111を介してクランク軸プーリ113が接続されている。クランク軸プーリ113にはベルト115を介してオルタネータやコンプレッサ等の補機117、およびエンジン101の電動始動装置119が接続されている。従って、エンジン101を始動する時には、バッテリ(図示せず)からの電力で電動始動装置119を駆動することにより、ベルト115、クランク軸プーリ113が回転し、これによりエンジン101の始動が可能となる。また、エンジン101の駆動中は、クランク軸プーリ113、ベルト115を介して補機117が駆動するので、発電やエアコン駆動等が可能となる。
次に、減速時の動作について説明する。車軸107には車軸プーリ121が設けられており、クランク軸プーリ113との間にベルト123が配されている。また、クランク軸プーリ113と車軸プーリ121にはクラッチ機構が内蔵されている。これにより、減速時にはクランク軸プーリ113をオフ(分離)、車軸プーリ121をオン(係合)とすることで、車両の運動エネルギーによる車軸107の回転トルクがベルト123、115を介して補機117に伝達される。従って、車両減速時の運動エネルギーによって補機117を駆動することができる。この時、エンジン101の回転トルクは補機117に伝達されないので、エンジン101を停止することが可能となる。このように、減速時の補機117を駆動するエネルギーは、車両の減速による運動エネルギーから得られるので、燃料を使用することなく補機117を駆動でき、減速時のエンジン101の停止と併せて車両全体の燃費が向上する。
特開2002−174305号公報
上記の補機駆動装置によると、確かに減速時にエンジン101を停止しても、車両の運動エネルギーに基づく車輪109の回転トルクにより補機117を駆動でき、燃費向上が図れるのであるが、車輪109が低速回転する際に、次のような課題があった。
例えば、図5の補機駆動装置を電力の回生装置として適用した場合、構成としては簡単には、発電機からなる補機117に、制動で得られた電力を蓄える蓄電手段を接続すればよい。この場合、車輪109が高速回転している時は補機117も高速回転し、減速時の回生による発電電力(以下、回生電力という)が十分に得られるのであるが、例えば渋滞時に加減速を繰り返し、車輪109が低速でしか回転しない時は、補機117の回転数も低いままとなり、十分な回生電力が得られないという課題があった。同様に、補機117がコンプレッサや油圧ポンプである場合も、車輪109が低速回転している時はエネルギー回生による圧力が十分に得られないという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、車輪109が低速回転時でも十分な回生が得られる制動力回生装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の制動力回生装置は、回転トルクを発生する動力源と、前記動力源に接続され、前記回転トルクの伝達を制御するクラッチ手段と、前記クラッチ手段に接続された変速手段と、前記変速手段に接続された車輪と、前記クラッチ手段に接続され、前記クラッチ手段の動力源側回転数と、前記クラッチ手段の変速手段側回転数の高い方から前記回転トルクを取り出す回転数選択手段と、前記回転数選択手段に接続され、前記回転数選択手段で取り出された前記回転トルクが伝達される補機とからなるものである。
本発明の制動力回生装置によれば、変速手段と回転数選択手段を介して車輪の回転トルクを補機に伝達するので、渋滞時等で車輪が低速回転している時は、変速手段により車輪の回転数よりも高い回転数が得られる。また、減速中で車輪の回転トルクが動力源の回転トルクより大きくなりクラッチ手段がオフになると、変速手段側回転数が動力源側回転数より高くなる。従って、これらの場合には、回転数選択手段は、動力源側回転数と変速手段側回転数の高い方を補機に伝達するので、車輪の回転トルクが補機に伝達されることになる。よって、車輪が低速回転していても、車輪より高い回転数が補機に伝達されるので、十分な回生が得られ、さらなる燃費向上に寄与する制動力回生装置を実現できるという効果が得られる。なお、停車している時は、クラッチ手段がオフとなり動力源はアイドリング状態となるが、この動力源側回転数は変速手段側回転数(=0)より大きくなるので、回転数選択手段により動力源の回転トルクが補機に伝達される。この動作は一般の車両と同様である。従って、一般の車両の動作を行うことができるとともに、十分な回生が得られる制動力回生装置を実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における制動力回生装置の概略構成図である。図2は、本発明の実施の形態1における制動力回生装置の各種特性の経時変化図であり、(a)は車速の経時変化図を、(b)はクラッチ手段の回転数の経時変化図を、(c)は発電量の経時変化図を、(d)はDC/DCコンバータ入力電力の経時変化図を、(e)は蓄電手段蓄電量の経時変化図を、それぞれ示す。なお、図1において太二重線は各種回転軸を示す。また、本実施の形態1では補機として発電機を用いた場合について述べる。
図1は、本発明の実施の形態1における制動力回生装置の概略構成図である。図2は、本発明の実施の形態1における制動力回生装置の各種特性の経時変化図であり、(a)は車速の経時変化図を、(b)はクラッチ手段の回転数の経時変化図を、(c)は発電量の経時変化図を、(d)はDC/DCコンバータ入力電力の経時変化図を、(e)は蓄電手段蓄電量の経時変化図を、それぞれ示す。なお、図1において太二重線は各種回転軸を示す。また、本実施の形態1では補機として発電機を用いた場合について述べる。
図1において、車両のエンジンである動力源11は回転軸を介してクラッチ手段13の一端に接続されている。クラッチ手段13の他端には回転軸を介して変速手段15が接続されている。従って、クラッチ手段13は動力源11と変速手段15の間の回転軸を係合、分離する機能を有する。これにより、動力源11で発生した回転トルクの伝達は、クラッチ手段13により制御される。なお、クラッチ手段13には、例えばトルクコンバータを用いてもよい。また、変速手段15は油圧により変速する自動変速機構付きのものを用いた。
変速手段15の出力側には回転軸を介して車輪17が接続されている。なお、変速手段15と車輪17の間にはデファレンシャルが介されているが、図1では省略している。
クラッチ手段13には回転数選択手段19が接続されている。具体的には、図1に示すように、動力源11とクラッチ手段13の間、およびクラッチ手段13と変速手段15の間に回転数選択手段19が接続される構成としている。また、回転数選択手段19で取り出された回転トルクの出力には、補機として発電機21が接続されている。
ここで、回転数選択手段19の詳細構成を述べる。回転数選択手段19は図1の細点線で囲まれた部分であり、まず動力源11とクラッチ手段13の間には、動力源11の回転トルクを取り出す動力源側プーリ23が設けられている。動力源側プーリ23は動力源11からの回転軸に直結された構成とした。同様に、クラッチ手段13と変速手段15の間には、変速手段15の回転トルクを取り出す変速手段側プーリ25が設けられている。変速手段側プーリ25も変速手段15からの回転軸に直結された構成とした。動力源側プーリ23と変速手段側プーリ25は、それぞれベルト27を介して発電機側プーリ29に接続されている。なお、発電機側プーリ29は2個設けられており、いずれも図1に示すように発電機21に接続された回転軸に取り付けられている。また、発電機側プーリ29は、いずれもワンウェイクラッチ機構を内蔵しており、動力源11とクラッチ手段13の間の動力源側回転数、およびクラッチ手段13と変速手段15の間の変速手段側回転数の内、高い方から回転トルクを取り出し、発電機21に伝達するように構成されている。
なお、図1ではクラッチ手段13と変速手段15を分けて記載しているが、本実施の形態1ではクラッチ手段13をロックアップ機構付きトルクコンバータとし、自動変速機構を有する変速手段15と一体構成を有するものとした。従って、変速手段側プーリ25はクラッチ手段13と変速手段15の間の部分に内蔵され、ベルト27によって変速手段側の回転トルクを取り出す構成となる。また、ベルト27についても、それに限定されるものではなく、ギアや回転軸によって変速手段側の回転トルクを取り出す構成としてもよい。また、前記ロックアップ機構は外部からオンオフできる構成としているので、クラッチ手段13の係合、分離を外部制御できる。
次に、電気的接続の詳細構成について説明する。発電機21には一般の車両と同様に、バッテリ31と電気負荷33が接続されている。なお、本実施の形態1における電気負荷33は車両に搭載された電装品であり、動力源11によって駆動されるエアコン用コンプレッサや各種油圧ポンプ等は含まない。上記構成に加え、本実施の形態1では発電機21の出力がDC/DCコンバータ35を介して蓄電手段37に接続されている。ここで、蓄電手段37は急速充放電が可能で大容量の電気二重層キャパシタを用いた。これにより、車両の減速時に発生する急峻な回生電力を十分に蓄電することが可能となる。なお、蓄電手段37の蓄電量は、電気二重層キャパシタの動作時の電圧範囲において、下限電圧の場合を0%、上限電圧の場合を100%として定義する。
一方、動力源11、クラッチ手段13、変速手段15、発電機21、およびDC/DCコンバータ35には制御手段39が接続されている。制御手段39はマイクロコンピュータと周辺部品から構成されており、前記したもの以外にも、図示していないが動力源側プーリ23と変速手段側プーリ25の近傍にそれぞれ設けた回転センサが接続され、それぞれの回転数を検出している。さらに、車両全般にわたる制御を司る。
次に、このような制動力回生装置の動作について、図2を参照しながら説明する。なお、図2において全てのグラフの横軸は時間を示す。また、図2では車両が渋滞時に加減速を繰り返すものの車速があまり上がらない状況の例を示す。従って、図2の動作期間中には変速手段15の自動変速機はロー(1速)ギアのまま、またはシフトアップしてもセカンド(2速)ギアまでの状態とする。
まず、時間t0で車両が停止していたとする。従って、図2(a)に示すように車速は0である。また、動力源11はアイドリング状態であるので、アイドリング回転数riを維持している。従って、図2(b)に示すように、動力源側の回転数(図2(b)の太実線で示す)は時間t0でアイドリング回転数riとなる。この時、車両はブレーキにより停止しているので、車輪17の回転数は0である。従って、車輪17と接続された変速手段15も回転していないので、変速手段側の回転数(図2(b)の太点線で示す)は時間t0で0となる。これらのことから、クラッチ手段13の動力源側と変速手段側の回転数が異なることになるので、車両停止時において制御手段39はクラッチ手段13のロックアップ機構をオフにしている。これにより、クラッチ手段13は動力源側と変速手段側を分離している。なお、本実施の形態1では、クラッチ手段13のロックアップ機構は制御手段39によりオンオフ制御が行われるが、これは減速時に既定の車速に至れば機械的にオフになる機構を組み込んだ構成としてもよい。
図2(b)より、クラッチ手段13の回転数は動力源側の方が変速手段側より高いので、回転数選択手段19は回転数の高い方、すなわち動力源側の回転トルクを機械的に発電機21に伝達する。これにより、図2(c)に示すように発電機21は動力源11のアイドリング回転により駆動されて一定の発電を行う。この電力は電気負荷33に供給されるとともに、バッテリ31の充電状態によっては、その充電が行われる。なお、電気負荷33の消費電力は図2の時間t0以降、一定であるとして、以下説明する。
ここで、時間t0においては、車両が停止しているので回生電力を得ることができない。従って、制御手段39はDC/DCコンバータ35を停止している。ゆえに、図2(d)に示すようにDC/DCコンバータ35の入力電力は0となり、蓄電手段37への充電は行われない。よって、図2(e)に示すように、蓄電手段37は蓄電量0%の状態を維持する。
次に、時間t1でブレーキが解除され、アクセルペダルが踏み込まれることにより車両が加速を始めたとする。これにより、図2(a)に示すように、車速は経時的に大きくなる。その結果、図2(b)の太実線に示すように、動力源側の回転数は経時的に上昇し、それに応じてクラッチ手段13のトルクコンバータにより変速手段側の回転数(太点線)も経時的に上昇する。この時、時間t1では動力源11はアイドリング回転数であり、変速手段15は回転していないので、動力源側の回転数の方が高いが、やがて時間t2にて両者の回転数は一致し、さらに回転数は上昇を続ける。この時間t1から時間t2の間は、動力源側の回転数の方が高いので、発電機21は動力源側プーリ23の回転トルクにより駆動される。この際、前記したように電気負荷33の消費電力は一定であるので、図2(c)に示すように、発電機21の発電量は一定である。また、時間t1から時間t2の間は、加速中であるので回生電力が発生しない。ゆえに、DC/DCコンバータ35は停止したままであり、図2(d)に示すように、その入力電力は0を維持する。従って、蓄電手段37への充電も行われないので、その蓄電量は0%のままである。
次に、時間t2から時間t3では、加速中であるが、動力源側と変速手段側の回転数が一致した状態である。この場合、クラッチ手段13のトルクコンバータによる損失を低減するために、制御手段39はロックアップ機構をオンにする。これにより、動力源側と変速手段側がクラッチ手段13により係合されたことになるので、燃費向上を図ることができる。また、前記したように時間t2から時間t3では動力源側と変速手段側の回転数が等しいので、発電機21は動力源側と変速手段側の両方の回転トルクにより駆動されるが、時間t1から時間t2と同様に、発電機21の発電量は変わらない。従って、DC/DCコンバータ35の入力電力は0であり、蓄電手段37の蓄電量は0%のままである。
次に、時間t3で加速を終了し、車輪17が減速を開始したとする。これにより、動力源11から出力される回転トルクはほぼ0となり、車両の運動エネルギーにより得られる車輪17からの回転トルクにより、変速手段15を介してクラッチ手段13が回転する。この時、クラッチ手段13はロックアップ機構により係合されているので、動力源側プーリ23と変速手段側プーリ25は同じ回転数で回転する。従って、発電機21は両方のプーリの回転トルクで駆動されるので、得られる電力は車両の運動エネルギーによるものとなる。ゆえに、車両制動による運動エネルギーを回生電力として回収することが可能となる。
なお、本実施の形態1では、減速時に発電機21の発電出力を上げることにより、さらに効率よく制動による運動エネルギーを回生する例を以下に示す。
車輪17が減速すると、図2(a)、(b)に示すように、車速とクラッチ手段の回転数はそれぞれ経時的に減少する。この時、制御手段39は発電機21に対し、車輪17の減速による回生電力を回収するために発電量を上げるように制御する。すなわち、制御手段39はDC/DCコンバータ35に対して、発電機21を一時的に大出力で発電させ、発生した回生電力を蓄電手段37に充電するように制御する。その結果、図2(c)に示すように、時間t3で発電機21の発電量は回生電力の分、大きくなる。従って、発電機21は、時間t3までに供給していた電気負荷33への電力と、蓄電手段37に供給する回生電力の合計を発電することになる。回生電力の発生により、図2(d)に示すように、DC/DCコンバータ35の入力電力は時間t3で急峻に大きくなり、一定値となる。これは、DC/DCコンバータ35の入力電力が一定になるように制御されているためである。この動作により、蓄電手段37の充電が開始され、その蓄電量は図2(e)に示すように、時間t3から経時的に大きくなる。
なお、時間t3の減速開始時においては、燃費向上のために、従来と同様に動力源11への燃料供給が遮断される。
次に、時間t3以降では、車速の低下とともに、図2(b)に示すように、クラッチ手段13の回転数も低下するが、時間t4まではクラッチ手段13が係合した状態であるので、動力源11は燃料を消費することなく車輪17により回転させられている。ゆえに、動力源側回転数と変速手段側回転数が一致した状態である。
時間t4では、動力源側回転数は、動力源11の燃料遮断が可能な下限回転数rcに至る。ここで下限回転数rcとは、これ以上動力源11の回転数を下げると、動力源11に燃料を供給しても再始動できなくなる下限の回転数のことである。従って、制御手段39は回転センサ(図示せず)により検出されたクラッチ手段13の回転数が下限回転数rcに至ると、動力源11に対し燃料を供給するように制御する。
また、クラッチ手段13の回転数が下限回転数rcより小さくなると、制御手段39はクラッチ手段13に対し動力源11と変速手段15の間を分離するように制御する。具体的には、クラッチ手段13のロックアップ機構をオフにする。これにより、動力源側回転数は図2(b)の太実線に示すように速やかに低下し、アイドリング回転数riに至ると、その回転数を維持する。この時(時間t4から時間t5)は、クラッチ手段13の変速手段側回転数が動力源側回転数より高いので、発電機21は変速手段側プーリ25によって駆動される。従って、引き続き制動による運動エネルギーが回生される。これにより、図2(c)に示すように、発電量は時間t4までと同じ状態を維持するとともに、図2(d)に示すように、DC/DCコンバータ35の入力電力も時間t4までと同じ状態を維持する。その結果、蓄電手段37は充電され続け、図2(e)に示すように、時間t5まで蓄電量は上昇していく。
ここで、以上に説明した時間t3〜t5における車輪17の減速は、平地走行の場合を示しているが、登坂時においては、車速が下がっているにもかかわらず動力源11からの回転トルクで車輪17が回転する場合がある。この際は、減速による運動エネルギーを回生できない。しかし、本実施の形態1では登坂時であっても、車輪17からの回転トルクで動力源11が回転する場合は、車輪17の回転による変速手段側回転数が高くなり、回転数選択手段19により自動的に車輪17からの回転トルクを取り出すことができる。従って、平地の惰性走行から登坂状態になっても回生電力を得ることが可能となり、効率が向上する。
次に、時間t5において、車速が低下することにより、図2(b)に示すように動力源側回転数(太実線)が変速手段側回転数(太点線)より高くなったとする。この時、図2(a)に示すように車速は0に至っていないので、ゆっくり走行している状態である。これにより、回転数選択手段19は回転数の高い方、すなわち動力源11側から回転トルクを取り出し、発電機21に伝達することになる。その結果、動力源11により発電機21が駆動されることになり、もはや回生電力を得ることができなくなる。そこで、制御手段39は、車輪17の減速時に、変速手段側プーリ25と動力源側プーリ23の近傍にそれぞれ設けた回転センサ(図示せず)により変速手段側回転数と動力源側回転数を検出し、前者が後者より低くなった時間t5において、発電機21の発電を停止するよう制御する。具体的には発電機21への励磁電流を停止する。これにより、図2(c)に示すように、発電機21の発電量は0になる。
これと同時に制御手段39は蓄電手段37に充電した回生電力を放電するようにDC/DCコンバータ35を制御する。この際、前記したように電気負荷33が消費する電流を一定としているので、DC/DCコンバータ35から出力される電力も図2(d)の時間t5以降に示すように一定となる。なお、図2(d)では縦軸がDC/DCコンバータ35の入力電力であるので、DC/DCコンバータ35から電力を出力する場合は、負の入力電力として示す。
上記したように、回生電力を放電することにより、発電機21を停止しても電気負荷33への電力供給を賄うことができる。従って、電気負荷33を停止させることなく、回生電力を有効に利用することができ、燃費向上が図れる。さらに、発電機21を停止しているので、動力源11の発電機21を駆動するための機械的負担が軽減されるので、これによる燃費向上も可能となる。
このように、時間t5以降で蓄電手段37に充電した回生電力を電気負荷33に対して放電するので、図2(e)に示すように、蓄電手段37の蓄電量は経時的に低下していく。
次に、図2(a)に示すように、時間t6で車速が0になり、車輪17が停止したとする。これにより、車輪17に接続された変速手段側プーリ25も停止するので、図2(b)の太点線に示すように、変速手段側回転数は時間t6で0になる。この時、図2(e)に示すように、蓄電手段37の蓄電量はまだ十分に高いので、制御手段39は引き続きDC/DCコンバータ35を動作させて蓄電手段37の電力を電気負荷33に供給する。従って、図2(d)に示すように、DC/DCコンバータ35の入力電力は負の一定値を維持し、蓄電手段37を放電し続ける。その結果、発電機21は発電を行う必要がないので、図2(c)に示すように、発電を停止したままとなる。
その後、時間t6で一旦車両が停止したものの、すぐに再加速したとする。これにより、図2(a)に示すように、車速は時間t6以降で再び上昇する。この再加速による運転者のアクセルペダルの踏み込みにより、図2(b)に示すように動力源側回転数と変速手段側回転数の両方が経時的に増加する。なお、時間t6の直後では動力源側回転数の方が変速手段側回転数より高くなるが、この状態は時間t1の直後と同じである。
但し、時間t1の直後と異なる点は、電気負荷33への電力供給である。すなわち、時間t6の直後では図2(e)に示すように、蓄電手段37の蓄電量はまだ十分に高いので、図2(d)に示すように、DC/DCコンバータ35の入力電力は負の一定値を維持し、蓄電手段37を放電する。これにより、電気負荷33に電力を供給し続ける。従って、発電機21は図2(c)に示すように、発電を停止したままとなる。ゆえに、再加速時においても発電機21の機械的負担が動力源11にほとんど加わらないので、加速性が向上する効果も得られる。
その後の動作は図示していないが、基本的には蓄電手段37の蓄電量が下がり、DC/DCコンバータ35から電気負荷33に定電力を供給できなくなれば、制御手段39はDC/DCコンバータ35の動作を停止するとともに、発電機21の発電を再開するように制御する。これにより、電気負荷33は引き続き発電機21の電力が供給されるので、動作し続けることが可能となる。この状態は図2の時間t0から時間t1と同じであるので、以後、このような動作を繰り返すことで、車輪17の減速時の回生電力回収と、蓄電手段37の放電時における発電機21の停止により、車両の燃費向上を図ることができる。
なお、時間t6以降で蓄電手段37が放電している間に減速状態となれば、直ちに時間t3と同じ動作を行えばよい。これにより、減速時の回生電力の回収量を増加することができる。但し、蓄電手段37が満充電に至れば、電気二重層キャパシタを保護するために、それ以上の充電を停止する制御を行う。
ここで、これまでに説明したクラッチ手段13の制御をまとめると、次のようになる。制御手段39は、車輪17の減速時に、動力源側回転数が動力源11の燃料遮断可能な下限回転数rc以上であれば動力源11と変速手段15の間を係合し、下限回転数rcより小さければ動力源11と変速手段15の間を分離するように、クラッチ手段13を制御している。
このように制御することにより、図2(b)に示すように、時間t4から時間t5では、変速手段側回転数が動力源側回転数より高くなる。これにより、回転数選択手段19は動力源側回転数と変速手段側回転数の内、高い方、すなわち変速手段15側から回転トルクを取り出し、発電機21に伝達する。ゆえに、発電機21は変速手段15を介して車輪17により回転されることになるが、この時、変速手段15は前記したようにローギア、またはセカンドギアの状態である。ここで、変速手段15の車輪17側の回転数に対するクラッチ手段13側の回転数の比(以下、変速比という)はローギア、セカンドギアとも1より大きい。従って、発電機21は変速手段15により車輪17の回転数よりも高い回転数で駆動されることになる。その結果、車輪17の回転数が低下しても変速手段15によって回転数が高められるので、渋滞時等で車輪17が低速回転していても十分な回生電力が得られる。
以上の構成、動作により、変速手段15と回転数選択手段19を介して車輪17の回転トルクを発電機21に伝達する構成としたことにより、車輪17の低速回転時に変速手段15により車輪17の回転数よりも高い回転数が得られるとともに、回転数選択手段19は、動力源側回転数と変速手段側回転数の高い方から回転トルクを取り出し、発電機21に伝達するので、車輪17が低速回転していても、車輪17より高い回転数が発電機21に伝達される。ゆえに、十分な回生電力が得られ、燃費向上が可能な制動力回生装置を実現できる。
なお、本実施の形態1において、制御手段39は車輪17の減速時に、動力源側回転数が下限回転数rc以上であれば動力源11と変速手段15の間を係合し、下限回転数rcより小さければ動力源11と変速手段15の間を分離するように、クラッチ手段13を制御しているが、蓄電手段37が十分に大きな容量を持っている場合は、車輪17が減速すれば、動力源11と変速手段15の間を分離するように制御してもよい。これにより、図2の時間t3でクラッチ手段13が分離動作を行うので、車輪17により動力源11が回転される期間が極めて短くなる。ゆえに、減速時に動力源11で消費されるエネルギー(フリクションロスやポンピングロス等)を低減でき、その分、長時間にわたり車輪17により発電機21を回転させることが可能となる。従って、回生電力量を増やすことができるので、大容量の蓄電手段37の蓄電能力を十分に活用することが可能となる。
但し、このようにクラッチ手段13を制御すると、いわゆるエンジンブレーキがほとんど得られない状態となるので、下り坂等のエンジンブレーキが必要な場合は上記制御を行わず、図2の時間t3から時間t4における制御を行うようにすればよい。なお、下り坂の判断方法については、例えばアクセルペダルが踏まれていないにもかかわらず、車速が一定であるか、あるいは上昇する場合に、下り坂であると判断すればよい。
また、上記したような、車輪17の減速とともに動力源11と変速手段15の間を分離する制御を行うと、動力源11の回転数が急峻に低下するため、下限回転数rcに至る時間が短くなり、燃料遮断時間も短くなる。従って、減速時に早期にクラッチ手段13の分離を行うと、回生電力量が増えることで発電機21の駆動時間が短くなり燃費向上が図れる一方で、燃料遮断時間の短縮により燃費向上効果が低減する。ゆえに、クラッチ手段13の分離は、燃費が最もよくなるタイミングで行うことが望ましい。このためには、例えば制御手段39が現在の蓄電手段37の蓄電量に応じて、あとどれくらいの回生電力を蓄電できるか予測し、その回生電力量が回収できるようなタイミングでクラッチ手段13の分離を行えばよい。これにより、さらなる燃費向上を図ることができる。
また、本実施の形態1ではクラッチ手段13としてロックアップ機構付きトルクコンバータとしているが、これはロックアップ機構のないトルクコンバータでもよい。この場合、図2(b)の時間t2から時間t4で動力源側回転数と変速手段側回転数は近づくものの一致はしない。しかし、動作としてはロックアップ機構のオンオフ制御が不要となる以外は図2と同様である。
また、本実施の形態1では変速手段15として油圧により変速比を切り替える自動変速機を用いたが、これは連続可変変速機でもよい。
さらに、クラッチ手段13と変速手段15には、2ペダル式のマニュアルトランスミッションとしてもよい。この場合、クラッチ手段13は自動化されているので、制御手段39によるクラッチ手段13の係合と分離の操作が可能となる。従って、図2に示す動作が可能となり、燃費を向上できる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における制動力回生装置の各種特性の経時変化図であり、(a)は車速の経時変化図を、(b)はクラッチ手段の回転数の経時変化図を、(c)は発電量の経時変化図を、(d)はDC/DCコンバータ入力電力の経時変化図を、(e)は蓄電手段蓄電量の経時変化図を、それぞれ示す。なお、図3(a)〜(e)の横軸は全て時間である。また、本実施の形態2においても補機として発電機を用いた場合について述べる。
図3は、本発明の実施の形態2における制動力回生装置の各種特性の経時変化図であり、(a)は車速の経時変化図を、(b)はクラッチ手段の回転数の経時変化図を、(c)は発電量の経時変化図を、(d)はDC/DCコンバータ入力電力の経時変化図を、(e)は蓄電手段蓄電量の経時変化図を、それぞれ示す。なお、図3(a)〜(e)の横軸は全て時間である。また、本実施の形態2においても補機として発電機を用いた場合について述べる。
本実施の形態2における制動力回生装置の構成は、実施の形態1で説明した図1のものと同じであるので、詳細な説明を省略し、本実施の形態2における特徴となる動作について以下説明する。
本実施の形態2では、車両が渋滞時ではない通常の走行時における動作について述べる。まず、車両停止時から加速する動作は基本的に図2に示した時間t0から時間t3と同じであるので、説明を省略する。但し、通常走行時であるので、車速は渋滞時より大きくなる。従って、図2の時間t3では変速手段15は最も高いギアを選択している状態となる。ゆえに、変速比は1未満の最小値となり、ロックアップ機構によりクラッチ手段13が係合している状態となっている。
この状態が図3の時間t10であるとする。すなわち、時間t10では図3(a)、(b)にそれぞれ示すように、車速、およびクラッチ手段13の回転数が大きい状態である。さらに、クラッチ手段13が係合しているので、図3(b)に示すように動力源側回転数と変速手段側回転数が一致している。
この時間t10で運転者がアクセルペダルをオフにして車両の減速が開始されたとする。これにより、図3(a)、(b)にそれぞれ示すように、時間t10から経時的に車速、およびクラッチ手段13の回転数が低下していく。この時、制御手段39はアクセルオフ信号や、車速低下、および回転センサ(図示せず)により検出したクラッチ手段13の回転数の低下を検出すると、車両減速時であると判断し、変速手段15を例えばサード(3速)ギアにシフトダウンする。さらに、制御手段39は動力源11への燃料供給を遮断するとともに、蓄電手段37に回生電力を充電する分、発電機21に対し発電量を増やすように制御する。これにより、図3(c)に示すように、時間t10で発電量が増加し、電気負荷33と蓄電手段37に電力が供給される。同時に、蓄電手段37に回生電力を充電するために、DC/DCコンバータ35の入力電力が一定値になるように制御する。この動作により、蓄電手段37に回生電力が充電され、蓄電手段37の蓄電量は図3(e)に示すように経時的に増加する。なお、これらの動作は実施の形態1と同様である。
次に、時間t11でクラッチ手段13の回転数が下限回転数rcに至ったとする。なお、下限回転数rcの意味は実施の形態1と同じである。この時点で、制御手段39は動力源11に対し燃料供給を再開するとともに、動力源11と変速手段15の間を分離する。これにより、図3(b)の太実線に示すように、動力源側回転数は速やかに低下し、時間t12でアイドリング回転数riに至り、以後アイドリング回転数riを維持する。この間、変速手段側回転数は図3(b)の太点線に示すように車輪17の回転に応じ徐々に低下していくが、回転は継続しているので、図3(c)〜(e)に示すように、発電機21で発生した回生電力の蓄電手段37への充電も継続される。
その後、図3(b)の太点線に示すように変速手段側回転数は時間t13でアイドリング回転数riに至る。この状態のままでは動力源側回転数の方が変速手段側回転数より高くなるので、発電機21には回転数選択手段19により動力源11の回転トルクが伝達されることになる。従って、時間t13の時点で、もはや車輪17の回転トルクにより発電することができなくなってしまう。
そこで、本実施の形態2では、回転センサ(図示せず)により検出した変速手段側回転数がアイドリング回転数riに至ると、制御手段39は変速手段15に対し、ギアを1段シフトダウンするように制御する。具体的には、時間t13までは変速手段15はサード(3速)ギアを選択していたので、制御手段39はセカンド(2速)ギアにシフトダウンするよう変速手段15を制御する。その結果、変速比が大きくなるので、図3(b)の太点線に示すように、変速手段側回転数は時間t13で急に高くなる。これにより、変速手段側回転数の方が動力源側回転数より高い状態を維持できるので、引き続き発電機21には車輪17からの回転トルクが伝達され、さらなる回生電力の回収が可能となる。
その後、さらに車速が低下し、図3(b)の太点線に示すように、時間t14で変速手段側回転数がアイドリング回転数riに至ると、制御手段39はセカンド(2速)ギアからロー(1速)ギアにシフトダウンするよう変速手段15を制御する。これにより、時間t14で変速手段15の変速比がさらに大きくなるので、変速手段側回転数が高くなり、引き続き発電機21には車輪17からの回転トルクが伝達される。
以上の動作をまとめると、制御手段39は、車輪17の減速時に動力源側回転数より変速手段側回転数の方が高くなるように、変速手段15の変速比を制御している。これにより、図3(c)〜(e)に示すように、時間t13から時間t15においても蓄電手段37への充電が継続されるので、より多くの回生電力を回収できる。
その後、図3(b)の太点線に示すように、時間t15で変速手段側回転数がアイドリング回転数riに至ると、変速手段15の変速比をこれ以上大きくすることができないので、制御手段39は発電機21に対し発電を停止するよう制御すると同時に、DC/DCコンバータ35に対し蓄電手段37の電力を放電するように制御する。これらの動作は実施の形態1と同じである。その結果、発電機21を停止しても蓄電手段37からDC/DCコンバータ35を介して電気負荷33に電力が供給される。これにより、図3(e)に示すように、時間t15以降において、蓄電手段37の蓄電量は低下していく。
その後、図3(a)に示すように、時間t16で車速が0になり車両が停止しても、蓄電手段37に電力が蓄えられている間は発電機21を停止したまま蓄電手段37から電気負荷33に電力を供給し続ける。これ以降の動作は図3に記載していないが、実施の形態1と同じである。
以上の構成、動作により、車輪17が低速回転していても十分な回生電力が得られるとともに、車輪17の減速時に動力源側回転数より変速手段側回転数の方が高くなるように、変速手段15の変速比を制御することにより、さらに多くの回生電力を回収することができ、さらなる燃費向上が可能な制動力回生装置を実現できる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における制動力回生装置の概略構成図である。なお、本実施の形態2においても補機として発電機を用いた場合について述べる。また、本実施の形態3の構成において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。すなわち、本実施の形態3の特徴となる構成は以下の通りである。
図4は、本発明の実施の形態3における制動力回生装置の概略構成図である。なお、本実施の形態2においても補機として発電機を用いた場合について述べる。また、本実施の形態3の構成において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。すなわち、本実施の形態3の特徴となる構成は以下の通りである。
1)発電機21の出力に直接蓄電手段37を接続した。
2)DC/DCコンバータ35の出力にバッテリ31、および電気負荷33を接続した。
3)発電機21の出力に電圧検出手段41を接続した。
4)発電機21の出力に電流検出手段43を接続した。
上記以外の構成は図1と同じである。なお、電圧検出手段41と電流検出手段43の検出値出力は制御手段39に入力される。また、電流検出手段43の電流検出は発電機21の出力線に設けた電流センサにより行う構成としている。
次に、このような制動力回生装置の動作について説明する。
まず、クラッチ手段13、変速手段15、回転数選択手段19等の機械的な構成要素の動作は実施の形態1、2と同じであるので、詳細な説明を省略し、本実施の形態3の特徴となる電気系統の動作について述べる。
車両の非使用時においては、発電機21が動作しておらず、DC/DCコンバータ35も停止しているので、バッテリ31の電圧(通常状態で14Vとする)と蓄電手段37の初期電圧がほぼ等しい状態である。従って、蓄電手段37の電圧は最低でもバッテリ31の電圧を維持している。
この状態で車両のイグニションスイッチ(図示せず)をオンにすると、動力源11が動作し、これにより発電機21が発電を開始する。この時、制御手段39は、発電機21の電圧が電圧検出手段41で検出した蓄電手段37の初期電圧(14V)とほぼ等しくなるように制御する。同時に、DC/DCコンバータ35の動作も開始する。これにより、発電機21の発電電力は蓄電手段37には供給されず、DC/DCコンバータ35を介してバッテリ31や電気負荷33に供給される。この状態は車両の加速時にも維持される。
次に、車両制動により減速を開始すると、制御手段39はブレーキの強度に応じて発電機21の発電電力を上げ、回生電力を回収するように制御する。この際、発生する回生電力はブレーキ強度に応じて一定の値となるように制御手段39によって制御される。ゆえに、発電機21は定電力制御がなされることになる。
この時、発電機21の発電電圧は蓄電手段37の電圧より僅かに高い電圧となるので、回生電力により増加した発電量が蓄電手段37に充電される。このような動作により、発電機21の回生電力はDC/DCコンバータ35を介して電気負荷33に供給されるとともに、蓄電手段37の充電が行われる。ここで、実施の形態1と同様に電気負荷33で消費する電流が一定であるとすると、回生電力の余剰分が蓄電手段37に充電されることになる。なお、上記した定電力制御は、電圧検出手段41の出力と電流検出手段43の出力の積が既定の一定値になるようにして行われている。これらの動作により、蓄電手段37の蓄電量は充電とともに経時的に上昇していく。
その後、図2(b)の時間t5のように、変速手段側回転数が動力源側回転数より低くなると、制御手段39は発電機21の発電を停止する。これにより、蓄電手段37の電力がDC/DCコンバータ35により降圧されて電気負荷33に供給される。その結果、発電機21が停止している間、動力源11の機械的負担が軽減されるとともに、回生電力を電気負荷33に供給しているので、車両の燃費向上を図ることができる。
制御手段39は電圧検出手段41により蓄電手段37の電圧を検出し、初期電圧(14V)に至るまで蓄電手段37を放電する。この蓄電手段37の電圧が初期電圧である状態が蓄電量0%となる。初期電圧に至れば、制御手段39は発電機21に対し発電電圧が蓄電手段37の電圧とほぼ等しくなるように発電を再開する。これにより、発電電力は蓄電手段37には充電されずに、DC/DCコンバータ35を介して電気負荷33に供給される。
このような動作を繰り返すことにより、制動時に発生する回生電力を、都度有効に利用でき、燃費向上が可能となる。
以上に説明した図4の構成、および動作とすることにより、減速時の回生電力は直接蓄電手段37に充電されることになる。この際、回生電力は数kW程度であるので、蓄電手段37の充電電圧が数10Vとすると、数100A程度の電流が蓄電手段37に流れる。この電流を実施の形態1の図1に示す構成で流すと、DC/DCコンバータ35に大電流が流れることになり、その内部抵抗による損失が大きくなるが、本実施の形態3における図4の構成であれば、DC/DCコンバータ35を介さずに、直接蓄電手段37を充電できるので、大電流が流れても低損失な制動力回生装置が得られる。
さらに、図1の構成では、蓄電手段37の充放電をDC/DCコンバータ35により制御しているので、双方向コンバータの構成とする必要があるが、本実施の形態3の構成ではDC/DCコンバータ35は電気負荷33側にしか電流を流さないので、より簡単な構成、制御とすることができる。
以上の構成、動作により、実施の形態1、2と同様に、車輪17が低速回転していても十分な回生電力が得られるとともに、発電機21と蓄電手段37を直接接続したので、DC/DCコンバータ35による損失が少なく、簡単な構成、制御の制動力回生装置を実現できる。
なお、本実施の形態1〜3では、補機として発電機21を用いた場合について説明したが、それに限らず、コンプレッサや油圧ポンプ等を回転数選択手段19の出力に接続する構成としてもよい。これによっても、減速時において車輪17が低速回転していても、回生による圧力が十分に得られ、動力源11の負担が軽減されるので、燃費向上が図れる。さらに、発電機21、コンプレッサ、油圧ポンプ等を複数同時に回転数選択手段19の出力に接続する構成としてもよい。この場合は、減速時における動力源11の負担がさらに軽減されるので、燃費がより向上する。
また、実施の形態1〜3において蓄電手段37には電気二重層キャパシタを用いたが、これは電気化学キャパシタ等の他のキャパシタでもよい。
また、実施の形態1〜3の制動力回生装置は、ハイブリッド車や、アイドリングストップ、電動パワーステアリング、車両制動システム、電動過給器等の各システムにおける車両用補助電源等に適用可能である。
本発明にかかる制動力回生装置は、車輪が低速回転していても十分な回生が得られるので、減速時に補機を駆動することにより運動エネルギーを回収する車両用の制動力回生装置等として有用である。
11 動力源
13 クラッチ手段
15 変速手段
17 車輪
19 回転数選択手段
21 発電機
35 DC/DCコンバータ
37 蓄電手段
39 制御手段
13 クラッチ手段
15 変速手段
17 車輪
19 回転数選択手段
21 発電機
35 DC/DCコンバータ
37 蓄電手段
39 制御手段
Claims (9)
- 回転トルクを発生する動力源と、
前記動力源に接続され、前記回転トルクの伝達を制御するクラッチ手段と、
前記クラッチ手段に接続された変速手段と、
前記変速手段に接続された車輪と、
前記クラッチ手段に接続され、前記クラッチ手段の動力源側回転数と、前記クラッチ手段の変速手段側回転数の高い方から前記回転トルクを取り出す回転数選択手段と、
前記回転数選択手段に接続され、前記回転数選択手段で取り出された前記回転トルクが伝達される補機とからなる制動力回生装置。 - 前記変速手段には制御手段が接続された構成を有し、
前記制御手段は、前記車輪の減速時に前記動力源側回転数より前記変速手段側回転数の方が高くなるように、前記変速手段の変速比を制御するようにした請求項1に記載の制動力回生装置。 - 前記クラッチ手段には制御手段が接続された構成を有し、
前記制御手段は、前記車輪の減速時に前記動力源と前記変速手段の間を分離するように、前記クラッチ手段を制御するようにした請求項1に記載の制動力回生装置。 - 前記クラッチ手段には制御手段が接続された構成を有し、
前記制御手段は、前記車輪の減速時に、前記動力源側回転数が前記動力源の燃料遮断可能な下限回転数以上であれば前記動力源と前記変速手段の間を係合し、前記下限回転数より小さければ前記動力源と前記変速手段の間を分離するように、前記クラッチ手段を制御するようにした請求項1に記載の制動力回生装置。 - 前記動力源には制御手段が接続された構成を有し、
前記制御手段は、前記車輪の減速時に前記動力源を停止するように制御するようにした請求項1に記載の制動力回生装置。 - 前記補機は発電機であり、前記発電機には発電した電力を蓄電する蓄電手段が接続された構成を有する請求項1に記載の制動力回生装置。
- 前記発電機と前記蓄電手段の間にはDC/DCコンバータが接続された構成を有し、
前記DC/DCコンバータは、前記車輪の減速時に前記発電機の発電電力を前記蓄電手段に充電するようにした請求項6に記載の制動力回生装置。 - 前記蓄電手段はキャパシタである請求項6に記載の制動力回生装置。
- 前記発電機には制御手段が接続された構成を有し、
前記制御手段は、前記車輪の減速時に前記変速手段側回転数が前記動力源側回転数より低くなれば、前記発電機の発電を停止するようにした請求項6に記載の制動力回生装置。
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2008
- 2008-02-27 JP JP2008045405A patent/JP2009207243A/ja active Pending
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