JP2009204833A - 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低反射性、塗膜強度、大量生産性等に優れた低屈折率層を有する光学フィルムを提供すること。該光学フィルムを具備することにより、反射率が低く、外光の映り込みが少なく、反射像が目立たず、優れた視認性を有する、偏光板および画像表示装置を提供すること。
【解決手段】透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有し、該低屈折率層が(A)オルガノシランの加水分解物及び/又は縮合反応物の少なくともいずれか1種の化合物、および(B)ポリロタキサン化合物を含有する組成物を硬化してなることを特徴とする光学フィルム。
【選択図】なし
【解決手段】透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有し、該低屈折率層が(A)オルガノシランの加水分解物及び/又は縮合反応物の少なくともいずれか1種の化合物、および(B)ポリロタキサン化合物を含有する組成物を硬化してなることを特徴とする光学フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、低屈折率層を有する光学フィルム、該光学フィルムを用いた偏光板、および該光学フィルムまたは該偏光板をディスプレイの最表面に用いた画像表示装置に関する。
一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のようなディスプレイ装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、低屈折率層を設けて光学干渉の原理を利用して反射率を低減するような光学フィルムが画像表示装置の最表面に配置される。
このような光学フィルムは、画像表示装置の最表面に配置されるため、最上層となる低屈折率層には高い耐擦傷性が要求される。しかしながら、薄膜である低屈折率層において高い耐擦傷性を実現するためには、皮膜自体の強度、及び下層への優れた密着性が必要である。
光学フィルムにおいて、低い反射率を実現するために、低屈折率層の屈折率を低下させる必要がある。低屈折率層を形成する手段の一つとして、オルガノシラン化合物の縮合硬化膜を利用することが知られており、更に中空シリカ微粒子を併用することにより低屈折率化を図ることが検討されている(特許文献1)。この方法により、ある程度の屈折率低化は達成されるものの、更に屈折率を低下させるため中空シリカ粒子の含率を高めようとすると、膜の強度の低下が起こるという課題を有していた。また、低屈折率層と隣接層の界面の強度が必ずしも十分ではなく、界面の結合力を強化するため隣接層のアルカリ処理を行う必要があり、光学フィルムの製造工程が複雑であり生産性の向上が望まれていた。
一方、非露出面塗膜で耐傷付き性付与する検討がなされており、疎水基を導入した親油性ポリロタキサンを含有する塗料が提案されている(特許文献2)。この特許文献では、20〜40μm程度の膜厚の硬化型非露出面塗膜で、摩擦布に対する耐傷付き性改良されることが開示されている。しかしながら、この技術を膜厚が1μを下まわる光学フィルム用の低屈折率層に適用する示唆はない。
特開2002−317152号公報
特開2007−106863号公報
本発明の課題は、第1に反射防止能に優れる光学フィルムを提供することであり、第2に塗膜の強度に優れる光学フィルムを提供することであり、第3には大量生産に適した製造工程の簡易な光学フィルムを提供することであり、第4にはこれら光学フィルムを含む偏光板又は画像表示装置を提供することである。
我々は検討の結果、以下の方法により上記の課題を解決できることを見いだした。
即ち、本発明の上記目的は以下の手段により達成された。
(1)透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有し、該低屈折率層が(A)オルガノシランの加水分解物及び/又は縮合反応物の少なくともいずれか1種の化合物、および(B)ポリロタキサン化合物を含有する組成物を硬化してなることを特徴とする光学フィルム。
(2)前記(A)のオルガノシランが、下記一般式(I)で表されることを特徴とする(1)に記載の光学フィルム。
一般式(I): (R10)m−Si(X)4-m
(上記一般式(I)においてR10は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。mは0〜3の整数を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。)
(3)低屈折率層が、更に(C)低屈折率無機微粒子を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の光学フィルム。
(4)前記(C)の低屈折率無機微粒子が、多孔質又は中空のシリカを主成分とする無機微粒子であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光学フィルム。
(5)透明支持体と低屈折率層の間に、少なくとも1層の光学機能層を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の光学フィルム。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の光学フィルムが、偏光板における偏光膜の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載の光学フィルム又は(6)に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられていることを特徴とする画像表示装置。
(1)透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有し、該低屈折率層が(A)オルガノシランの加水分解物及び/又は縮合反応物の少なくともいずれか1種の化合物、および(B)ポリロタキサン化合物を含有する組成物を硬化してなることを特徴とする光学フィルム。
(2)前記(A)のオルガノシランが、下記一般式(I)で表されることを特徴とする(1)に記載の光学フィルム。
一般式(I): (R10)m−Si(X)4-m
(上記一般式(I)においてR10は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。mは0〜3の整数を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。)
(3)低屈折率層が、更に(C)低屈折率無機微粒子を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の光学フィルム。
(4)前記(C)の低屈折率無機微粒子が、多孔質又は中空のシリカを主成分とする無機微粒子であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光学フィルム。
(5)透明支持体と低屈折率層の間に、少なくとも1層の光学機能層を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の光学フィルム。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の光学フィルムが、偏光板における偏光膜の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載の光学フィルム又は(6)に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられていることを特徴とする画像表示装置。
本発明によれば、低反射性、塗膜強度、大量生産性等の少なくとも一つに優れる低屈折率層を有する光学フィルムが提供できる。また、本発明によれば、光学フィルムを用いた偏光板を最表層に配置した画像表示装置(特に液晶表示装置)は、反射率が低く、外光の映り込みが少なく、反射像が目立たず、優れた視認性を有する。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。本明細書において、アルキル基等の「基」は、特に述べない限り、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。さらに、炭素原子数が限定されている基の場合、該炭素原子数は、置換基が有する炭素原子数を含めた数を意味している。
本発明の光学フィルムは、透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有し、該低屈折率層が(A)オルガノシラン、その加水分解物、又は縮合反応物の少なくともいずれか1種の化合物、および(B)ポリロタキサン化合物を含有する組成物を硬化してなるものである。
本発明の低屈折率の屈折率は、透明支持体の屈折率より0.01以上屈折率が低ければ制限はないが、1.25〜1.48が好ましく、更に好ましくは1.30〜1.43、最も好ましくは1.30〜1.40である。
本発明の低屈折率層の厚みは、50〜500nmの範囲で光学干渉により反射率を低下する条件を満たせば特に制限はないが、60〜400nmが好ましく、更に好ましくは70〜350nmの範囲である。
先ず、本発明の(A)成分であるオルガノシランの加水分解物及び/又は縮合反応物の少なくともいずれか1種の化合物(オルガノシラン、その加水分解物、又は縮合反応物の少なくともいずれか1種の化合物)について説明する。
本発明に用いるオルガノシラン化合物は、そのまま、又は加水分解物、又は縮合物として本発明の低屈折率層のバインダーとして用いることができる。一般式を以下に示す。
一般式(I):(R10)m−Si(X)4-m
上記一般式(I)においてR10は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヘキシル基、t-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Xは、水酸基または加水分解可能な基を表す。加水分解可能な基としては、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、およびR2COO基(R2は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO基、C2H5COO基等が挙げられる)が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
mは0〜3の整数を表す。R10もしくはXが複数存在するとき、複数のR10もしくはXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。mとして好ましくは0、1または2である。
R10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル基、エチル基、i-プロピル基、プロピル基、t-ブチル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、芳香族ヘテロ環基(フリル基、ピラゾリル基、ピリジル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、i-プロポキシ基、ヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基等)、アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル基等)、カルバモイル基(カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-メチル-N-オクチルカルバモイル基等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アクリルアミノ基、メタクリルアミノ基等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。なお、本明細書においては、水素原子を置換するものが単一の原子であっても、便宜上置換基として取り扱う。
R10が複数ある場合は、少なくとも一つが、置換アルキル基もしくは置換アリール基であることが好ましい。中でも該置換アルキル基もしくは置換アリール基がさらにビニル重合性基を有することが好ましい。
本発明において好ましい化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン等が挙げられる。
上記の中でも、硬化組成物中での無機粒子の分散安定性、耐擦傷性の観点からテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
(オルガノシランの加水分解、縮合反応)
本発明においてオルガノシラン化合物は、あらかじめ加水分解又はそれらを部分縮合させて塗布組成物に用いることができる。オルガノシランの加水分解および縮合反応の少なくともいずれかの反応は、触媒の存在下で行われることが好ましい。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類等が挙げられるが、無機酸化物微粒子液の製造安定性や保存安定性の点から、本発明においては、酸触媒(無機酸類、有機酸類)及び金属キレート化合物の少なくともいずれかが用いられる。無機酸では塩酸、硫酸、硝酸、有機酸では、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下のものが好ましい。有機酸の中では、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸が好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
本発明においてオルガノシラン化合物は、あらかじめ加水分解又はそれらを部分縮合させて塗布組成物に用いることができる。オルガノシランの加水分解および縮合反応の少なくともいずれかの反応は、触媒の存在下で行われることが好ましい。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類等が挙げられるが、無機酸化物微粒子液の製造安定性や保存安定性の点から、本発明においては、酸触媒(無機酸類、有機酸類)及び金属キレート化合物の少なくともいずれかが用いられる。無機酸では塩酸、硫酸、硝酸、有機酸では、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下のものが好ましい。有機酸の中では、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸が好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
本発明において、オルガノシランの加水分解物の生成および縮合反応に用いる金属キレート化合物は、一般式R3OH(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で表されるアルコールと一般式R4COCH2COR5(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基を、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物とを配位子とした、Zr、TiおよびAlから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種の金属キレート化合物が好ましい。
金属キレート化合物は、Zr、TiまたはAlから選ばれる金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用しても良い。
本発明に用いられる金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。
これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる
オルガノシランの加水分解および縮合反応は、無溶媒でも、溶媒中でも行うことができる。この反応により、本発明の硬化性組成物を製造することができる。溶媒を用いる場合はオルガノシランの加水分解物およびその部分縮合物の濃度を適宜に定めることができる。溶媒としては成分を均一に混合するために有機溶媒を用いることが好ましく、例えばアルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好適である。
溶媒はオルガノシランと触媒を溶解させるものが好ましい。また、有機溶媒が塗布液あるいは塗布液の一部として用いられることが工程上好ましく、含フッ素ポリマーなどのその他の素材と混合した場合に、溶解性あるいは分散性を損なわないものが好ましい。
溶媒はオルガノシランと触媒を溶解させるものが好ましい。また、有機溶媒が塗布液あるいは塗布液の一部として用いられることが工程上好ましく、含フッ素ポリマーなどのその他の素材と混合した場合に、溶解性あるいは分散性を損なわないものが好ましい。
このうち、アルコール類としては、例えば1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることができ、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec −ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。
また、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種単独であるいは2種以上を混合して使用することもできる。該反応における溶媒に対する固形分の濃度は特に限定されるものではないが通常1質量%〜90質量%の範囲であり、好ましくは20質量%〜70質量%の範囲である。
加水分解および縮合反応は、通常、オルガノシランの加水分解性基1モルに対して0.3〜2モル、好ましくは0.5〜1モルの水を添加し、上記溶媒の存在下あるいは非存在下に、そして酸触媒の存在下に、25〜100℃で、撹拌することにより行われる。 加水分解性基がアルコキシ基で酸触媒が有機酸の場合には、有機酸のカルボキシル基やスルホ基がプロトンを供給するために、水の添加量を減らすことができ、オルガノシランのアルコキシ基等の加水分解性基1モルに対する水の添加量は、0〜2モル、好ましくは0〜1.5モル、より好ましくは、0〜1モル、特に好ましくは、0〜0.5モルである。アルコールを溶媒に用いた場合には、実質的に水を添加しない場合も好適である。
酸触媒の使用量は、酸触媒が無機酸の場合には加水分解性基に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%であり、酸触媒が有機酸の場合には、水の添加量によって最適な使用量が異なるが、水を添加する場合には加水分解性基に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%であり、実質的に水を添加しない場合には、加水分解性基に対して1〜500モル%、好ましくは10〜200モル%であり、より好ましくは20〜200モル%であり、更に好ましくは50〜150モル%であり、特に好ましくは50〜120モル%である。 反応は25〜100℃で撹拌することにより行われるがオルガノシランの反応性により調節されることが好ましい。
(オルガノシランの加水分解物および縮合反応物の形状及び分子量)
本発明に用いられるオルガノシランの加水分解物および縮合反応物の形状は鎖状であっても3次元の網目構造であっても良い。また、これらの化合物の質量平均分子量は、エチレングリコール換算による質量平均分子量が300〜10000であることが好ましい。質量平均分子量が上記範囲にあると、硬化性組成物の塗工および保存安定性が良好であると共に、硬化膜の耐擦傷性を充分に確保でき、好ましい。エチレングリコール換算による質量平均分子量が300〜9000であることがさらに好ましく、300〜8000であることが特に好ましい。
本発明に用いられるオルガノシランの加水分解物および縮合反応物の形状は鎖状であっても3次元の網目構造であっても良い。また、これらの化合物の質量平均分子量は、エチレングリコール換算による質量平均分子量が300〜10000であることが好ましい。質量平均分子量が上記範囲にあると、硬化性組成物の塗工および保存安定性が良好であると共に、硬化膜の耐擦傷性を充分に確保でき、好ましい。エチレングリコール換算による質量平均分子量が300〜9000であることがさらに好ましく、300〜8000であることが特に好ましい。
前記質量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、DMF、示差屈折計検出によるエチレングリコール換算で表した分子量である。
次に本発明の(B)成分であるポリロタキサン化合物について説明する。ポリロタキサンは、環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に貫かれ、複数の環状分子が直鎖状分子を包接してなる擬ポリロタキサンの両末端(直鎖状分子の両末端)に、環状分子が遊離しないようにブロック基を配置してなる。
(直鎖状分子)
本発明の化合物に含まれる直鎖状分子は、環状分子に包接され、非共有結合的に一体化することができる分子又は物質であって、直鎖状のものであれば、特に限定されない。なお、本発明において、「直鎖状分子」とは、高分子を含めた分子、及びその他上記の要件を満たす全ての物質をいう。
また、本発明において、「直鎖状分子」の「直鎖」は、実質的に「直鎖」であることを意味する。即ち、回転子である環状分子が回転可能、もしくは直鎖状分子上で環状分子が摺動又は移動可能であれば、直鎖状分子は分岐鎖を有していてもよい。また、「直鎖」の長さは、直鎖状分子上で環状分子が摺動又は移動可能であれば、その長さに特に制限はない。
本発明の化合物に含まれる直鎖状分子は、環状分子に包接され、非共有結合的に一体化することができる分子又は物質であって、直鎖状のものであれば、特に限定されない。なお、本発明において、「直鎖状分子」とは、高分子を含めた分子、及びその他上記の要件を満たす全ての物質をいう。
また、本発明において、「直鎖状分子」の「直鎖」は、実質的に「直鎖」であることを意味する。即ち、回転子である環状分子が回転可能、もしくは直鎖状分子上で環状分子が摺動又は移動可能であれば、直鎖状分子は分岐鎖を有していてもよい。また、「直鎖」の長さは、直鎖状分子上で環状分子が摺動又は移動可能であれば、その長さに特に制限はない。
本発明の直鎖状分子として、親水性ポリマー、例えばポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん等及び/またはこれらの共重合体など;疎水性ポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、およびその他オレフィン系単量体との共重合樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートや(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等;及びこれらの誘導体又は変性体を挙げることができる。
これらのうち、親水性ポリマーであることが好ましい。低屈折率層中の(A)成分との親和性が良好で、(C)成分である無機微粒子の分散性にも優れる。
親水性のポリマーの中でも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、及びポリプロピレンが好ましい。ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール及ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体がより好ましく、ポリエチレングリコールが特に好ましい。
本発明の直鎖状分子は、それ自体が高い破壊強度を有するのがよい。低屈折率層の破壊強度は、ブロック基と直鎖状分子との結合強度、環状分子と低屈折率層のバインダーとの結合強度、環状分子同士の結合強度など、その他の因子にも依るが、本発明の直鎖状分子自体が高い破壊強度を有すれば、より高い破壊強度を提供することができる。
本発明の直鎖状分子の分子量は、1,000以上、例えば1,000〜1,000,000、好ましくは5,000以上、例えば5,000〜1,000,000又は5,000〜500,000、より好ましくは10,000以上、例えば10,000〜1,000,000、10,000〜500,000又は10,000〜300,000であるのがよい。また、本発明の直鎖状分子が、生分解性分子であるのが「環境にやさしい」点で好ましい。
本発明の直鎖状分子は、その両末端に反応基を有するのが好ましい。この反応基を有することにより、ブロック基と容易に反応することができる。反応基は、用いるブロック基に依存するが、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基などを挙げることができる。
(環状分子)
本発明の環状分子は、上記直鎖状分子と包接可能な環状分子であれば、いずれの環状分子であっても用いることができる。
なお、本発明において、「環状分子」とは、環状分子を含めた種々の環状物質をいう。また、本発明において、「環状分子」とは、実質的に環状である分子又は物質をいう。即ち、「実質的に環状である」とは、英字の「C」のように、完全に閉環ではないものを含む意であり、英字の「C」の一端と多端とが結合しておらず重なった螺旋構造を有するものも含む意である。さらに、後述する「ビシクロ分子」についての環についても、「環状分子」の「実質的に環状である」と同様に定義することができる。即ち、「ビシクロ分子」の一方の環又は双方の環は、英字の「C」のように、完全に閉環ではないものであってもよく、英字の「C」の一端と他端とが結合しておらず重なった螺旋構造を有するものであってもよい。
本発明の環状分子は、上記直鎖状分子と包接可能な環状分子であれば、いずれの環状分子であっても用いることができる。
なお、本発明において、「環状分子」とは、環状分子を含めた種々の環状物質をいう。また、本発明において、「環状分子」とは、実質的に環状である分子又は物質をいう。即ち、「実質的に環状である」とは、英字の「C」のように、完全に閉環ではないものを含む意であり、英字の「C」の一端と多端とが結合しておらず重なった螺旋構造を有するものも含む意である。さらに、後述する「ビシクロ分子」についての環についても、「環状分子」の「実質的に環状である」と同様に定義することができる。即ち、「ビシクロ分子」の一方の環又は双方の環は、英字の「C」のように、完全に閉環ではないものであってもよく、英字の「C」の一端と他端とが結合しておらず重なった螺旋構造を有するものであってもよい。
本発明の環状分子として例えば、種々のシクロデキストリン類(例えばα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ジメチルシクロデキストリン及びグルコシルシクロデキストリン、これらの誘導体又は変性体など)、クラウンエーテル類、ベンゾクラウン類、ジベンゾクラウン類、及びジシクロヘキサノクラウン類、並びにこれらの誘導体又は変性体を挙げることができる。
上述のシクロデキストリン類及びクラウンエーテル類などは、その種類により環状分子の開口部の大きさが異なる。したがって、用いる直鎖状分子の種類、具体的には用いる直鎖状分子を円柱状と見立てた場合、その円柱の断面の直径、直鎖状分子の疎水性又は親水性などにより、用いる環状分子を選択することができる。また、開口部が相対的に大きな環状分子と、相対的に直径が小さな円柱状の直鎖状分子を用いた場合、環状分子の開口部に2以上の直鎖状分子を包接することもできる。このうち、シクロデキストリン類は、生分解性を有するため、上述の「環境にやさしい」点で好ましい。
環状分子としてα−シクロデキストリンを用いるのが好ましい。直鎖状分子に包接される環状分子の個数(包接量)は、環状分子がシクロデキストリンの場合、その最大包接量を1とすると、0.05〜0.60が好ましく、0.10〜0.50が更に好ましく、0.20〜0.40が更に好ましい。0.05未満では滑車効果が発現しないことがあり、0.60を超えると、環状分子であるシクロデキストリンが密に配置され過ぎてシクロデキストリンの可動性が低下することがあり、またシクロデキストリン自体の有機溶剤に対する非溶解性が強化されてしまい、得られるポリロタキサンの有機溶剤への溶解性も低下することがある。
本発明の環状分子は、その環の外側に反応基を有するのが好ましい。環状分子同士を結合又は架橋する際、この反応基を用いて容易に反応を行うことができる。反応基は、用いる架橋剤などにも依存するが、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基などを挙げることができる。また、上述のブロック化反応の際にブロック基と反応しない基を用いるのがよい。
(ブロック基)
本発明のブロック基は、環状分子が直鎖状分子により串刺し状になった形態を保持する基であれば、いかなる基を用いてもよい。このような基として、例えば「嵩高さ」を有する基及び/又は「イオン性」を有する基などを挙げることができる。ここで、「基」というのは、分子基及び高分子基を含めた種々の基を意味する。また、「イオン性」を有する基の「イオン性」と、環状分子の有する「イオン性」とが影響しあうことにより、例えば反発しあうことにより、環状分子が直鎖状分子により串刺し状になった形態を保持することができる。
本発明のブロック基は、環状分子が直鎖状分子により串刺し状になった形態を保持する基であれば、いかなる基を用いてもよい。このような基として、例えば「嵩高さ」を有する基及び/又は「イオン性」を有する基などを挙げることができる。ここで、「基」というのは、分子基及び高分子基を含めた種々の基を意味する。また、「イオン性」を有する基の「イオン性」と、環状分子の有する「イオン性」とが影響しあうことにより、例えば反発しあうことにより、環状分子が直鎖状分子により串刺し状になった形態を保持することができる。
また、本発明のブロック基は、上述のように、串刺し状になった形態を保持するものであれば、高分子の主鎖であっても側鎖であってもよい。ブロック基が高分子Aである場合、マトリクスとして高分子Aがありその一部に本発明の化合物が含まれる形態であっても、逆にマトリクスとして本発明の化合物がありその一部に高分子Aが含まれる形態であってもよい。このように、種々の特性を有する高分子Aと組み合わせることにより、本発明の化合物の特性と高分子Aの特性とを組み合わせて有する複合材料を形成することができる。
具体的には、分子基のブロック基として、2,4−ジニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基などのジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類及びピレン類、並びにこれらの誘導体又は変性体を挙げることができる。より具体的には、環状分子としてα−シクロデキストリン、及び直鎖状分子としてポリエチレングリコールを用いる場合であっても、シクロデキストリン類、2,4−ジニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基などのジニトロフェニル基類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類及びピレン類、並びにこれらの誘導体又は変性体を挙げることができる。
次に本発明に好ましく用いることのできる変性ポリロタキサンについて説明する。本発明では以下に説明する変性を複数併用したポリロタキサンを好ましく用いることができる。
<架橋ポリロタキサン>
架橋ポリロタキサンは、2つ以上のポリロタキサンがその環状分子同士が化学結合されている化合物をいい、この2つの環状分子は同じでも異なっていてもよい。この際、化学結合は、単なる結合であっても、種々の原子又は分子を介する結合であってもよい。
また、環状分子が架橋環構造を有する分子、即ち第1の及び第2の環を有する「ビシクロ分子」を用いることができる。この場合、例えば「ビシクロ分子」と直鎖状分子とを混合し、「ビシクロ分子」の第1環及び第2環に直鎖状分子を串刺し状に包接して架橋ポリロタキサンを得ることができる。
この架橋ポリロタキサンは直鎖状分子に串刺し状に貫通されている環状分子が当該直鎖状に沿って移動可能(滑車効果)であるために、粘弾性を有し、張力が加わっても、この滑車効果によって当該張力を均一に分散させ、内部応力を緩和できる。
架橋ポリロタキサンは、2つ以上のポリロタキサンがその環状分子同士が化学結合されている化合物をいい、この2つの環状分子は同じでも異なっていてもよい。この際、化学結合は、単なる結合であっても、種々の原子又は分子を介する結合であってもよい。
また、環状分子が架橋環構造を有する分子、即ち第1の及び第2の環を有する「ビシクロ分子」を用いることができる。この場合、例えば「ビシクロ分子」と直鎖状分子とを混合し、「ビシクロ分子」の第1環及び第2環に直鎖状分子を串刺し状に包接して架橋ポリロタキサンを得ることができる。
この架橋ポリロタキサンは直鎖状分子に串刺し状に貫通されている環状分子が当該直鎖状に沿って移動可能(滑車効果)であるために、粘弾性を有し、張力が加わっても、この滑車効果によって当該張力を均一に分散させ、内部応力を緩和できる。
<疎水化修飾ポリロタキサン>
ポリロタキサンの環状分子がα−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン類である場合、本発明ではシクロデキストリンの水酸基の少なくとも一つが他の有機基(疎水基)によって置換された疎水化修飾ポリロタキサンは、低屈折率層形成組成物に含まれる溶剤への溶解性が向上するため、さらに好ましく用いられる。
ポリロタキサンの環状分子がα−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン類である場合、本発明ではシクロデキストリンの水酸基の少なくとも一つが他の有機基(疎水基)によって置換された疎水化修飾ポリロタキサンは、低屈折率層形成組成物に含まれる溶剤への溶解性が向上するため、さらに好ましく用いられる。
疎水基の具体例として、例えばアルキル基、ベンジル基、ベンゼン誘導体含有基、アシル基、シリル基、トリチル基、硝酸エステル基、トシル基、光硬化部位としてアルキル置換エチレン性不飽和基、熱硬化部位としてアルキル置換エポキシ基などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、上記の疎水性修飾ポリロタキサンにおいては、上述の疎水基の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて有していてもよい。
上記疎水性修飾基による修飾度は、シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数を1とすると、0.02以上であることが好ましく、0.04以上であることがより好ましく、0.06以上であることが更に好ましい。
0.02未満であると、有機溶剤への溶解性が十分なものとならず、不溶性ブツ(異物付着などに由来する突起部)が生成することがある。
ここで、シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数とは、換言すれば、修飾する前にシクロデキストリンが有していた全水酸基数のことである。修飾度とは、換言すれば、修飾された水酸基数の全水酸基数に対する比のことである。
なお、疎水基は少なくとも1つでよいが、その場合、シクロデキストリン環1つに対して1つの疎水基を有するのが好ましい。
また、官能基を有している疎水基を導入することにより、他のポリマーとの反応性を向上させることが可能になる。
0.02未満であると、有機溶剤への溶解性が十分なものとならず、不溶性ブツ(異物付着などに由来する突起部)が生成することがある。
ここで、シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数とは、換言すれば、修飾する前にシクロデキストリンが有していた全水酸基数のことである。修飾度とは、換言すれば、修飾された水酸基数の全水酸基数に対する比のことである。
なお、疎水基は少なくとも1つでよいが、その場合、シクロデキストリン環1つに対して1つの疎水基を有するのが好ましい。
また、官能基を有している疎水基を導入することにより、他のポリマーとの反応性を向上させることが可能になる。
<不飽和二重結合を有するポリロタキサン>
環状分子相当部分に不飽和結合基を導入することができる。この基の導入により、エチレン性不飽和基を有するモノマーとの重合が可能となる。
不飽和結合基の導入は、例えば、シクロデキストリン等の水酸基(−OH)を有する環状分子の少なくとも一部を不飽和結合基、好ましくは不飽和二重結合基で置換することにより行うことができる。
不飽和結合基、例えば不飽和二重結合基として、オレフィニル基を挙げることができ、例えば、アクリル基、メタクリル(メタクリロイル)基、ビニルエーテル基、スチリル基などを挙げることができるが、これに限定されない。
環状分子相当部分に不飽和結合基を導入することができる。この基の導入により、エチレン性不飽和基を有するモノマーとの重合が可能となる。
不飽和結合基の導入は、例えば、シクロデキストリン等の水酸基(−OH)を有する環状分子の少なくとも一部を不飽和結合基、好ましくは不飽和二重結合基で置換することにより行うことができる。
不飽和結合基、例えば不飽和二重結合基として、オレフィニル基を挙げることができ、例えば、アクリル基、メタクリル(メタクリロイル)基、ビニルエーテル基、スチリル基などを挙げることができるが、これに限定されない。
不飽和二重結合基の導入は、次に挙げる方法を用いることができる。即ち、イソシアネート化合物等によるカルバメート結合形成による方法;カルボン酸化合物、酸クロリド化合物又は酸無水物等によるエステル結合形成による方法;シラン化合物等によるシリルエーテル結合形成による方法;クロロ炭酸化合物等によるカーボネート結合形成による方法等を挙げることができる。
カルバモイル結合を介して、不飽和二重結合基としてメタクリロイル基を導入する場合、ポリロタキサンをDMSO、DMF等の脱水溶媒に溶解し、イソシアネート基を有するメタクリロイル試薬を加えることで行う。その他、エーテル結合やエステル結合を介して導入する場合、グリシジル基や酸クロライド等の活性基を有するメタクリロイル試薬を用いることもできる。
環状分子が有する水酸基を不飽和二重結合基に置換する工程は、擬ポリロタキサンを調製する工程の前でも、工程間でも、工程の後でもよい。また、擬ポリロタキサンをブロック化してポリロタキサンを調製する工程の前でも、工程間でも、工程の後でもよい。さらには、ポリロタキサンが架橋ポリロタキサンの場合、ポリロタキサン同士を架橋させる工程の前でも、工程間でも、工程の後でもよい。これらの2以上の時期に設けることもできる。置換工程は、擬ポリロタキサンをブロック化してポリロタキサンを調製した後であって、ポリロタキサン同士の架橋前に設けるのが好ましい。置換工程において用いられる条件は、置換する不飽和二重結合基に依存するが、特に限定されず、種々の反応方法、反応条件を用いることができる。
本発明において(B)成分であるポリロタキサンの配合量は、低屈折率層中の(A)成分との比率として、〔(B)成分/((A)成分+(B)成分)〕の質量%で、1〜35%が好ましく、3〜25%が更に好ましく、6〜20%が最も好ましい。この範囲で用いることで(A)成分単独の場合に比べ、塗膜が適度に柔軟になり脆さが低減される。また、後述の(C)成分である低屈折率無機微粒子共存時の膜強度の向上や、隣接層との界面密着性の向上を図ることができる。
本発明では用いるポリロタキサンは疎水化修飾ポリロタキサンが好ましく、不飽和二重結合を有するポリロタキサンが更に好ましい。
次に本発明の(C)成分である低屈折率無機微粒子について説明する。本発明の低屈折率層に用いられる低屈折率無機微粒子とは、屈折率が1.10〜1.48である無機の微粒子が好ましい。該粒子の屈折率は1.10〜1.46が好ましく、1.15〜1.32がより好ましい。該粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでもよく、また単分散粒子でも、凝集粒子でも構わない。該粒子のサイズは、1〜150nmが好ましく、更に好ましくは5〜100nm、最も好ましくは5〜80nmである。ここで前記粒子サイズは凝集粒子の場合は2次粒子径を表す。粒子サイズは透過型電子顕微鏡により測定する。また、2種類以上の複数の粒子(種類又は粒径)を用いても構わない。粒子の形状は、球形が最も好ましいが、不定形であっても問題ない。
本発明の低屈折率無機微粒子には、シリカを主成分とする粒子や無機フッ化物粒子を用いることが好ましく、特に好ましくは、多孔質又は中空のシリカを主成分として含む粒子、又は無機フッ化物粒子であり、最も好ましくは中空のシリカ粒子である。
無機フッ化物としては、フッ化アルミニウム(屈折率:1.38)、フッ化カルシウム(屈折率:1.23〜1.45)、フッ化リチウム(屈折率:1.30)、フッ化マグネシウム(屈折率:1.38〜1.40)等が挙げられ、これらの中で、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウムが好ましく、フッ化マグネシウムが特に好ましい。粒子硬度や吸湿性、屈折率の点でフッ化マグネシウムが最も好ましい。市販品のフッ化マグネシウムとしては、ステラケミファ製フッ化マグネシウム、フッ化マグネシウムOP、フッ化マグネシウムG1、フッ化マグネシウムH、三和研磨製フッ化マグネシウムを挙げることができる。
多孔質又は中空のシリカを主成分として含む粒子は、シリカを60質量%以上有し、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化アンチモン等を副成分として含んでも良い。
中空微粒子の好ましい製造方法は、以下の工程よりなる。第1段階として後処理で除去可能なコア粒子形成、第2段階としてシェル層形成、第3段階としてコア粒子の溶解、必要に応じて第4段階として追加シェル相の形成である。具体的には中空粒子の製造は、例えば特開2001−233611号公報に記載されている中空シリカ微粒子の製造方法に準じて行うことができる。
中空微粒子の好ましい製造方法は、以下の工程よりなる。第1段階として後処理で除去可能なコア粒子形成、第2段階としてシェル層形成、第3段階としてコア粒子の溶解、必要に応じて第4段階として追加シェル相の形成である。具体的には中空粒子の製造は、例えば特開2001−233611号公報に記載されている中空シリカ微粒子の製造方法に準じて行うことができる。
多孔質粒子の好ましい製造方法は、第1段階としてアルコキシドの加水分解や縮合の程度、共存物質の種類や量を制御し多孔質のコア粒子を製造し、第2段階としてその表面にシェル層を形成する方法である。具体的には多孔質粒子の製造は、例えば、特開2003−327424号、同2003−335515号、同2003−226516号、同2003−238140号等の各公報に記載された方法で行うことができる。
本発明においては、屈折率の低下能が高いという点から、中空状のシリカ粒子が最も好ましく、屈折率1.15〜1.32で粒子サイズが20〜90nmの範囲のものを好適に用いることができる。
また、これらの低屈折率無機粒子は、有機溶剤に分散させて使用してもよい。分散媒として使用できる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエ−テル類等を挙げることができる。これらの中で、アルコール類及びケトン類が好ましい。これら有機溶剤は、単独で、又は2種以上混合して分散媒として使用することができる。
また、これら無機粒子の表面は化学修飾等の表面処理を行うことが、分散性の向上の為好ましく、例えば分子中に1以上のアルキル基を有する加水分解性ケイ素化合物又はその加水分解物を含有するもの等を反応させることができる。このような加水分解性ケイ素化合物としては、トリメチルメトキシシラン、トリブチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、1,1,1―トリメトキシ−2,2,2−トリメチル−ジシラン、ヘキサメチル−1,3−ジシロキサン、1,1,1―トリメトキシ−3,3,3−トリメチル−1,3−ジシロキサン、α−トリメチルシリル−ω−ジメチルメトキシシリル−ポリジメチルシロキサン、α−トリメチルシリル−ω−トリメトキシシリル−ポリジメチルシロキサン、ヘキサメチル−1,3−ジシラザン等を挙げることができる。
さらに、特開2005−307158号広報に記載された酸触媒又は金属キレート化合物の存在下に無機微粒子を表面処することも好ましく、特に好ましくはエチレン性不飽和基を有するオルガノシラン化合物で処理することが好ましい。好適な化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランである。
本発明において、(C)成分の低屈折率無機微粒子の含有量は、塗布溶剤を除いた低屈折率層形成成分の総量に対して、質量比で50〜85%が好ましく、60〜75%が更に好ましい。この範囲を用いることで低屈折率層の屈折率の低下と塗膜強度を両立することができる。
本発明の低屈折率層を形成するための組成物は、以上説明した本発明に係る(A)、(B)、および(C)に、更に揮発性の溶剤を加えて塗布組成物とすることができる。塗布組成物の溶剤に制限は無いが、少なくとも2種類の揮発性溶剤を含有することが好ましい。例えば、アルコールとその誘導体類、エーテル類、ケトン類、炭化水素類、エステル類、の中から選ばれる少なくとも2種を組み合わせて用いることが好ましい。バインダー成分の溶解度、無機微粒子の安定性、コーティング液の粘度調節などの観点から溶剤を選択することができる。
特に好ましい組み合わせは、アルコールとその誘導体類、ケトン類、エステル類の中から少なくとも2種類、更に好ましくは3種類用いることである。好ましい例としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−メトキシプロパノール、2−ブトキシエタノール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエンの中から2種又は3種を併用して用いることができる。
本発明の低屈折率層用塗布組成物の最適粘度は、塗布により形成する場合においては、0.1〜20mPa・sが好ましく、更に好ましくは0.5〜10mPa・s(25℃)である。
(光学フィルムの層構成)
本発明の光学フィルム(反射防止フィルム)は、透明支持体(以下、支持体と呼ぶことがある。)上に、屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して少なくとも一層の低屈折率層が積層されている。
本発明の光学フィルム(反射防止フィルム)は、透明支持体(以下、支持体と呼ぶことがある。)上に、屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して少なくとも一層の低屈折率層が積層されている。
本発明の光学フィルムは、一般に、最も単純な構成では、支持体上に低屈折率層のみを塗設した構成である。更に反射率を低下させるには、反射防止層を、支持体よりも屈折率の高い高屈折率層と、基材よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成することが好ましい。構成例としては、基材側から高屈折率層/低屈折率層の2層のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(基材又はハードコート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性等から、ハードコート層を有する基材上に、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に塗布することが好ましい。
本発明の光学フィルムの好ましい層構成の例を下記に示す。下記構成において、(帯電防止層)と表記したものは、その他の機能を有する層が帯電防止層の機能も合わせ持つ構成である。帯電防止層に帯電防止以外の機能を持たせることで、形成する層の数を減らすことができるため、該構成は生産性が向上し好ましい。
・支持体/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/低屈折率層(帯電防止層)、
・支持体/防眩層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/防眩層/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/防眩層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/防眩層/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/帯電防止層/防眩層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層(帯電防止層)/防眩層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/高屈折率層/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/高屈折率層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/帯電防止層/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/中屈折率層(帯電防止層)/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層(帯電防止層)/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/防眩層/高屈折率層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/防眩層/中屈折率層(帯電防止層)/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/支持体/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/支持体/防眩層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層。
・支持体/低屈折率層(帯電防止層)、
・支持体/防眩層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/防眩層/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/防眩層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/防眩層/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/帯電防止層/防眩層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層(帯電防止層)/防眩層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/高屈折率層/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/高屈折率層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/帯電防止層/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/中屈折率層(帯電防止層)/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層(帯電防止層)/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/防眩層/高屈折率層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/防眩層/中屈折率層(帯電防止層)/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/支持体/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/支持体/防眩層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層。
光学干渉により反射率を低減できるものであれば、特にこれらの層構成のみに限定されるものではない。
また、本発明において上記光学層は、一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含有する化合物を含む組成物を塗布・硬化してなることが、生産性が高いという点で好ましい。
該化合物の中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。さらに好ましくは、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
本発明の低屈折率層の(B)成分であるポリロタキサン化合物(好ましくは疎水化修飾されたポリロタキサン化合物)の直鎖状分子がポリアルキレングリコール類である場合、低屈折率層に隣接する光学層のエチレン性不飽和基を含有する化合物は、その少なくとも一部がエチレンオキサイド変性またはポリエチレンオキサイド変性の二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマー体であることが好ましい。
特に、疎水化修飾されたポリロタキサンの直鎖状分子がポリエチレングリコールである場合には、エチレンオキサイド変性の二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマー体であることが好ましい。このように変性されたモノマーを使用することで、低屈折率層と隣接する光学層の間の界面密着性が向上し、アルカリ処理等の表面改質処理をすることなく実用的な界面密着性能を満たす光学フィルムを製造することが可能となる。
本発明のフィルムの支持体としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスなど、特に限定は無い。透明樹脂フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィン系樹脂フィルム等が使用できる。
上記のなかでも、セルロースアシレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、シクロオレフィン系樹脂フィルムが好ましい。
上記のなかでも、セルロースアシレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、シクロオレフィン系樹脂フィルムが好ましい。
本発明の低屈折率層の形成方法は、特に限定されないが、以下の塗布方法により形成することができる。
ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(米国特許2681294号明細書参照)、マイクログラビアコート法等の公知の方法が挙げられる。これらの方法の中でも、マイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。
本発明のフィルムを高い生産性で供給するために、エクストルージョン法(ダイコート法)が好ましく用いられる。特に、低屈折率層のような、ウエット塗布量の少ない領域(20cm3/m2以下)で好ましく用いることができる。
本発明の低屈折率層の乾燥方法は、低屈折率層が塗布された後、溶剤を乾燥するために加熱されたゾーンにウェブで搬送されることが好ましい。
乾燥ゾーンの温度は25℃〜140℃が好ましく、乾燥ゾーンの前半は比較的低温であり、後半は比較的高温であることが好ましい。
乾燥ゾーンの温度は25℃〜140℃が好ましく、乾燥ゾーンの前半は比較的低温であり、後半は比較的高温であることが好ましい。
また、各層の塗布組成物を支持体上に塗布した後の乾燥風は、前記塗布組成物の固形分濃度が1〜50%の間は塗膜表面の風速が0.1〜2m/秒の範囲にあることが、乾燥ムラを防止するために好ましい。
また、各層の塗布組成物を支持体上に塗布した後、乾燥ゾーン内で支持体の塗布面とは反対の面に接触する搬送ロールと支持体との温度差が0℃〜20℃以内とすると、搬送ロール上での伝熱ムラによる乾燥ムラが防止でき、好ましい。
また、各層の塗布組成物を支持体上に塗布した後、乾燥ゾーン内で支持体の塗布面とは反対の面に接触する搬送ロールと支持体との温度差が0℃〜20℃以内とすると、搬送ロール上での伝熱ムラによる乾燥ムラが防止でき、好ましい。
本発明での低屈折率層の硬化条件は、使用するオルガノシラン化合物や触媒によって異なるが、通常20℃〜200℃の範囲が好ましく。更に好ましくは60℃〜140℃、最も好ましくは80℃〜110℃である。上記範囲にすることで、十分な硬化速度が得られ支持体に対してのダメージも少なくできる。硬化時間は特に制限はないが、例えば、60℃の場合通常1時間〜50時間、140℃の場合1分〜30分が好ましい。硬化触媒については、前述のオルガノシランの加水分解の触媒で述べた酸を用いることが好ましい。
また、低屈折率層の下面に多官能アクリレートに代表されるラジカル重合性化合物が含有されている場合には、上記熱硬化の前、途中、又は後に電離放射線を照射することもできる。両層の界面結合が強化され、塗膜の耐擦傷性が向上する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
ポリロタキサン及び架橋ポリロタキサンの調製
ポリロタキサン及び架橋ポリロタキサンの調製は、特許第2810264号公報及び特許第3475252号公報に記載の下記調製方法を参考にして行った。
ポリロタキサン及び架橋ポリロタキサンの調製は、特許第2810264号公報及び特許第3475252号公報に記載の下記調製方法を参考にして行った。
環状分子としてα−シクロデキストリン、直鎖状分子としてポリエチレングリコール、ブロック基として2,4−ジニトロフェニル基、架橋剤として塩化シアヌルを用いた場合の化合物の調製方法を記載する。
後に行うブロック化処理のために、ポリエチレングリコールの両末端をアミノ基に変性してポリエチレングリコール誘導体を得る。α−シクロデキストリン及びポリエチレングリコール誘導体を混合してポリロタキサンを調製する。調製に際して、最大包接量を1とした場合、包接量が1に対して、0.001〜0.6となるように、例えば混合時間を1〜48時間とし、混合温度を0℃〜100℃とすることができる。
一般に、ポリエチレングリコールの平均分子量20,000に対して、α−シクロデキストリンは、最大230個包装することができる。したがって、この値が最大包接量である。上記条件は、ポリエチレングリコールの平均分子量20,000を用いて、α−シクロデキストリンが平均60〜65個(63個)、即ち最大包接量の0.26〜0.29(0.28)の値で包接するための条件である。α−シクロデキストリンの包接量は、NMR、光吸収、元素分析などにより確認することができる。
得られたポリロタキサンを、DMFに溶解した2,4−ジニトロフルオロベンゼンと反応させることにより、ブロック化ポリロタキサンを得る。
次いで、得られたブロック化ポリロタキサンを水酸化ナトリウム水溶液に溶解する。この液に塩化シアヌルを添加して反応させることにより、α−シクロデキストリン同士が架橋した、架橋ポリロタキサンを得る。
次いで、得られたブロック化ポリロタキサンを水酸化ナトリウム水溶液に溶解する。この液に塩化シアヌルを添加して反応させることにより、α−シクロデキストリン同士が架橋した、架橋ポリロタキサンを得る。
[未修飾ポリロタキサン(PR−1)の調製]
<ポリエチレングリコールの両末端の活性化>
100mlの三角フラスコにポリエチレングリコール(PEGと略記する。平均分子量20,000)4g及び乾燥塩化メチレン20mlを入れてPEGを溶解した。この溶液をアルゴン雰囲気下におき、1,1’−カルボニルジイミダゾール0.8gを加え、引き続きアルゴン雰囲気下、室温(20℃)で6時間、攪拌、反応させた。
<ポリエチレングリコールの両末端の活性化>
100mlの三角フラスコにポリエチレングリコール(PEGと略記する。平均分子量20,000)4g及び乾燥塩化メチレン20mlを入れてPEGを溶解した。この溶液をアルゴン雰囲気下におき、1,1’−カルボニルジイミダゾール0.8gを加え、引き続きアルゴン雰囲気下、室温(20℃)で6時間、攪拌、反応させた。
上記で得られた反応物を、高速攪拌したジエチルエーテル300mlに注いだ。10分間静置後、沈殿物を有する液を10,000rpmで5分間、遠心分離した。沈殿物を取り出し、40℃で3時間真空乾燥した。
得られた生成物を塩化メチレン20mlに溶解した。この液をエチレンジアミン10mlに3時間かけて滴下し、滴下後40分間攪拌した。得られた反応物をロータリーエバポレーターにかけ塩化メチレンを除去し、その後、水50mlに溶解し、透析チューブ(分画分子量8,000)に入れ、水中で3日間透析した。得られた透析物をロータリーエバポレーターで乾燥し、さらにこの乾燥物を塩化メチレン20mlに溶解し、ジエチルエーテル180mlで再沈させた。沈殿物を有する液を100,000rpmで5分間、遠心分離し、40℃で2時間真空乾燥して、PEGの両末端にアミノ基を導入した生成物を2.83g得た。
<ポリロタキサンの調製>
α−シクロデキストリン(α−CDと略記する)3.6g及び上記調製化合物(分子量約2万)0.9gをそれぞれ80℃の水15mlに溶解した後、それぞれを混合し、5℃で6時間冷蔵し、ポリロタキサンを調製した。その後、40℃で12時間真空乾燥した。
α−シクロデキストリン(α−CDと略記する)3.6g及び上記調製化合物(分子量約2万)0.9gをそれぞれ80℃の水15mlに溶解した後、それぞれを混合し、5℃で6時間冷蔵し、ポリロタキサンを調製した。その後、40℃で12時間真空乾燥した。
<ブロック化ポリロタキサンの調製>
上記で得られたポリロタキサンを100mlの三角フラスコに入れた。別個に、N,N−ジメチルホルムアミド10mlと2,4−ジニトロフルオロベンゼン2.4mlとを混合した溶液を用意し、ポリロタキサンが入ったフラスコ中にこの混合溶液を滴下し、アルゴン封入下、常温で反応させた。5時間後、混合物にジメチルスルホキシド40mlを加えて透明溶液とした。水750mlを激しく攪拌させたものに、この溶液を滴下し、薄黄色の沈殿物を得た。この沈殿物をジメチルスルホキシド50mlに再び溶解し、この溶解物を、激しく攪拌した0.1%塩化ナトリウム水溶液700mlに滴下し、再び沈殿させた。この沈殿物を、水とメタノールとによる洗浄、洗浄後に10,000rpm、1分間の遠心分離を各3回行った。得られた物質を50℃で12時間真空乾燥して、ブロック化ポリロタキサン、即ち未修飾のポリロタキサン(PR−1)3.03gを得た。
上記で得られたポリロタキサンを100mlの三角フラスコに入れた。別個に、N,N−ジメチルホルムアミド10mlと2,4−ジニトロフルオロベンゼン2.4mlとを混合した溶液を用意し、ポリロタキサンが入ったフラスコ中にこの混合溶液を滴下し、アルゴン封入下、常温で反応させた。5時間後、混合物にジメチルスルホキシド40mlを加えて透明溶液とした。水750mlを激しく攪拌させたものに、この溶液を滴下し、薄黄色の沈殿物を得た。この沈殿物をジメチルスルホキシド50mlに再び溶解し、この溶解物を、激しく攪拌した0.1%塩化ナトリウム水溶液700mlに滴下し、再び沈殿させた。この沈殿物を、水とメタノールとによる洗浄、洗浄後に10,000rpm、1分間の遠心分離を各3回行った。得られた物質を50℃で12時間真空乾燥して、ブロック化ポリロタキサン、即ち未修飾のポリロタキサン(PR−1)3.03gを得た。
[疎水化修飾ポリロタキサン(PR−2)の調製]
<末端封止したポリロタキサンの調製>
数平均分子量2万のポリエチレングリコールビスアミン4.5gとα−シクロデキストリン18.0gとを水150mLに加え、80℃に加熱して溶解させた。その溶液を冷却し5℃で16時間静置した。生成した白いペースト状の沈殿を分取、乾燥した。
<末端封止したポリロタキサンの調製>
数平均分子量2万のポリエチレングリコールビスアミン4.5gとα−シクロデキストリン18.0gとを水150mLに加え、80℃に加熱して溶解させた。その溶液を冷却し5℃で16時間静置した。生成した白いペースト状の沈殿を分取、乾燥した。
前記乾燥物に、2,4−ジニトロフルオロベンゼン12.0gとジメチルホルムアミド50gの混合溶液に加えて室温で5時間攪拌した。その反応混合物にジメチルスルホキシド(DMSO)200mLを加えて溶解した後、水3750mLに注いで析出物を分取した。析出物を250mLのDMSOに再溶解した後、再び3500mLの0.1%食塩水へ注いで析出物を分取した。その析出物を水とメタノールで各3回ずつ洗浄後、50℃で12時間真空乾燥することで、ポリエチレングリコールビスアミンがα−シクロデキストリンに串刺し状に包接され、かつ両末端アミノ基に2,4−ジニトロフェニル基が結合した包接化合物2.0gを得た。
得られた包接化合物(末端封止されたブロック化ポリロタキサン)の紫外光吸収測定及び1H−NMR測定を行い、α−シクロデキストリンの包接量を算出したところ、包接量は72個であった。
包接量は、紫外光吸収測定および1H−NMR測定から算出できるが、具体的には紫外光吸収測定では、合成した包接化合物および2,4-ジニトロアニリンそれぞれの360nmにおけるモル吸光係数を測定することで、シクロデキストリンの包接量を算出した。また、1H−NMR測定では、ポリエチレン部の水素原子とシクロデキストリン部の水素原子の積分比から算出した。
<末端封止されたブロック化ポリロタキサンのアセチル修飾>
上記で合成した包接化合物(末端封止されたブロック化ポリロタキサン)1gを塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド8%溶液50gに溶解させた。そこに無水酢酸6.7g、ピリジン5.2g、N,N−ジメチルアミノピリジン100mgを加え、室温にて一晩攪拌した。反応溶液をメタノールに流し込み、析出した固体を遠心分離にて分離した。分離した固体を乾燥した後、アセトンに溶解させた。溶液を水に流し込み、析出した固体を遠心分離にて分離し乾燥させることで、1.2gのアセチル修飾した、疎水化修飾ポリロタキサン(PR−2)を得た。
上記で合成した包接化合物(末端封止されたブロック化ポリロタキサン)1gを塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド8%溶液50gに溶解させた。そこに無水酢酸6.7g、ピリジン5.2g、N,N−ジメチルアミノピリジン100mgを加え、室温にて一晩攪拌した。反応溶液をメタノールに流し込み、析出した固体を遠心分離にて分離した。分離した固体を乾燥した後、アセトンに溶解させた。溶液を水に流し込み、析出した固体を遠心分離にて分離し乾燥させることで、1.2gのアセチル修飾した、疎水化修飾ポリロタキサン(PR−2)を得た。
得られたアセチル修飾したポリロタキサンの1H−NMR測定を行い、アセチル導入量を算出したところ、導入量は75%であった。
[架橋ポリロタキサン化合物(PR−3)の調製]
塩化シアヌル0.18gをアセトン20gに溶かした溶液を、激しく攪拌されている氷水80gの中にゆっくり滴下した。こうして塩化シアヌルの分散液(液A)を得た。別途、α−シクロデキストリン2.4gと炭酸ナトリウム0.53gを水200gに溶解した溶液(液B)を作成した。
塩化シアヌル0.18gをアセトン20gに溶かした溶液を、激しく攪拌されている氷水80gの中にゆっくり滴下した。こうして塩化シアヌルの分散液(液A)を得た。別途、α−シクロデキストリン2.4gと炭酸ナトリウム0.53gを水200gに溶解した溶液(液B)を作成した。
上記液Aを、ゆっくり攪拌されている液Bに、滴下した。この後、液の温度を50℃に上げて、6時間攪拌を続けた。この後液温を25℃まで下げて溶液(液C)を得た。ポリエチレングリコール(平均分子量20000)10gを水700gに溶かした溶液に、液Cを混合して25℃で24時間ゆっくり攪拌し続けた。さらに、エバポレータを用いて、この液を全体が500gになるまで濃縮して溶液(液D)を得た。1−アミノドデカン0.46gをテトラヒドロフラン500gに溶解した溶液(液E)を、上記液Dと混合して、80℃で6時間攪拌を続けた。さらにこの液に炭酸ナトリウム0.21gを溶解させて溶液(液F)を得た。
メタクリル酸クロライド0.21gをテトラヒドロフラン20gに溶解したものをトリエチルアミン含有の液Fに添加して、攪拌しながら50℃で6時間反応させた。生成したトリエチルアミンの塩酸塩を濾過除去して溶液(液G)を得た。この液Gの溶媒を、エバポレータを用いて除去して架橋ポリロタキサン化合物(PR−3)を得た。
[不飽和二重結合を有するポリロタキサン(PR−4)の調製]
<重合性基の導入>
上記で合成したアセチル修飾したポリロタキサン(PR−2)1gを塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド8%溶液50gに溶解させた。そこにアクリル酸クロライド5.9g、ピリジン5.2g、N,N−ジメチルアミノピリジン100mgを加え、室温にて二晩攪拌した。反応溶液をメタノールに流し込み、析出した固体を遠心分離にて分離した。分離した固体を乾燥した後、アセトンに溶解させた。溶液を水に流し込み、析出した固体を遠心分離にて分離し乾燥させることで、0.8gのアクリロイル及びアセチルで修飾したポリロタキサン(PR−4)が得られた。
<重合性基の導入>
上記で合成したアセチル修飾したポリロタキサン(PR−2)1gを塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド8%溶液50gに溶解させた。そこにアクリル酸クロライド5.9g、ピリジン5.2g、N,N−ジメチルアミノピリジン100mgを加え、室温にて二晩攪拌した。反応溶液をメタノールに流し込み、析出した固体を遠心分離にて分離した。分離した固体を乾燥した後、アセトンに溶解させた。溶液を水に流し込み、析出した固体を遠心分離にて分離し乾燥させることで、0.8gのアクリロイル及びアセチルで修飾したポリロタキサン(PR−4)が得られた。
得られたアクリロイル及びアセチルで修飾したポリロタキサン(PR−4)の1H−NMR測定を行い、アクリロイル及びアセチル導入量を算出したところ、導入量は87%であった。すなわち、アクリロイルの導入量は12%である。
(中空シリカ分散液Cの作製)
中空シリカ微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31)を特開2002−79616の調製例4に準じサイズを変更して作製した。
中空シリカ微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31)を特開2002−79616の調製例4に準じサイズを変更して作製した。
(ハードコート層用塗布液(HCL−1)の調製)
以下の組成の塗布液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層用塗布液(HCL−1)を調製した。
───────────────────────────────────
ハードコート層用塗布液(HCL−1)の組成
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DPHA 10.0 g
PET−30 36.0 g
ビスコート360 10.0 g
イルガキュア127 2.0 g
SP−13 0.04g
メチルイソブチルケトン 20.0 g
メチルエチルケトン 10.0 g
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以下の組成の塗布液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層用塗布液(HCL−1)を調製した。
───────────────────────────────────
ハードコート層用塗布液(HCL−1)の組成
───────────────────────────────────
DPHA 10.0 g
PET−30 36.0 g
ビスコート360 10.0 g
イルガキュア127 2.0 g
SP−13 0.04g
メチルイソブチルケトン 20.0 g
メチルエチルケトン 10.0 g
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(ハードコート層用塗布液(HCL−2)の調製)
以下の組成の塗布液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層用塗布液(HCL−2)を調製した。
───────────────────────────────────
ハードコート層用塗布液(HCL−2)の組成
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DPHA 10.0 g
PET−30 46.0 g
イルガキュア127 2.0 g
SP−13 0.04g
メチルイソブチルケトン 20.0 g
メチルエチルケトン 10.0 g
───────────────────────────────────
以下の組成の塗布液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層用塗布液(HCL−2)を調製した。
───────────────────────────────────
ハードコート層用塗布液(HCL−2)の組成
───────────────────────────────────
DPHA 10.0 g
PET−30 46.0 g
イルガキュア127 2.0 g
SP−13 0.04g
メチルイソブチルケトン 20.0 g
メチルエチルケトン 10.0 g
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それぞれ使用した化合物を以下に示す。
・DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・ビスコート360:エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学(株)製)
・イルガキュア127:重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]
・SP−13:フッ素系レベリング剤
・DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・ビスコート360:エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学(株)製)
・イルガキュア127:重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]
・SP−13:フッ素系レベリング剤
[ハードコート層の塗設]
特開2003−211052号公報の図1に記載されたスロットダイコーターを用いて、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士フイルム(株)製}(屈折率:1.48)をロール形態で巻き出して、ハードコート層塗布液(HCL−1)を、乾燥膜厚が13μmになるように塗布し、30℃で15秒間、90℃で40秒間乾燥の後、さらに窒素パージにより、酸素濃度100ppm以下の雰囲気下で160W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照射量70mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させたハードコートフィルム(HC−101)を作製し、巻き取った。
特開2003−211052号公報の図1に記載されたスロットダイコーターを用いて、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士フイルム(株)製}(屈折率:1.48)をロール形態で巻き出して、ハードコート層塗布液(HCL−1)を、乾燥膜厚が13μmになるように塗布し、30℃で15秒間、90℃で40秒間乾燥の後、さらに窒素パージにより、酸素濃度100ppm以下の雰囲気下で160W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照射量70mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させたハードコートフィルム(HC−101)を作製し、巻き取った。
ハードコートフィルム(HC−101)の作製において、ハードコート層塗布液の種類を(HCL−102)に変更した以外は同様にして、ハードコートフィルム(HC−102)を作製した。
得られたハードコートフィルムは、1.5mol/L、50℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬しアルカリ処理を行い、水洗後、0.05mol/Lの硫酸水溶液で30秒中和させ、その後水洗・乾燥を行い、鹸化処理を行った。このようにして、鹸化済みのハードコートフィルムを(HCL−1K、HCL−2K)を得た。
(低屈折率層用塗布液(Ln−1)の調製)
正珪酸エチル(SiO2濃度28重量%)32.1gとノナデカフルオロドデシルトリメトキシシラン1.22gをイソプロピルアルコール55.0g、純水10g、濃度61重量%の硝酸1.69gとの混合液に混合し、50℃で1時間撹拌し、固形分濃度10重量%のマトリックス形成成分液(M−1)を調製した。
正珪酸エチル(SiO2濃度28重量%)32.1gとノナデカフルオロドデシルトリメトキシシラン1.22gをイソプロピルアルコール55.0g、純水10g、濃度61重量%の硝酸1.69gとの混合液に混合し、50℃で1時間撹拌し、固形分濃度10重量%のマトリックス形成成分液(M−1)を調製した。
ついで、マトリックス形成成分液(M−1)の10.0gにメチルエチルケトン1.0g、シクロヘキサノン1.0g、を添加し、更にイソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度1.0重量%の低屈折率層用塗布液(Ln−1)を調製した。
(低屈折率層用塗布液(Ln−2〜Ln−10)の調製)
低屈折率層用塗布液(Ln−1)の調製において、溶剤以外の各成分を表1のように変更し、固形分濃度が1.0%になるようにイソプロピルアルコールの量を調節して低屈折率層用塗布液を作製した。
低屈折率層用塗布液(Ln−1)の調製において、溶剤以外の各成分を表1のように変更し、固形分濃度が1.0%になるようにイソプロピルアルコールの量を調節して低屈折率層用塗布液を作製した。
ハードコート(HC−101)の上に、上記低屈折率層用塗布液Ln−1〜Ln−17を用い、低屈折率層膜厚が95nmになるように調節して、ダイコーターで塗布し、30℃で15秒間、80℃で120秒間乾燥の後、さらに110℃で15分硬化を行った。その後、窒素パージにより、酸素濃度100ppm以下の雰囲気下で240W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射して、光学フィルム試料101〜117を作製した。また、ハードコートと低屈折率層の組み合わせを表2のように変えた光学フィルム試料118〜123を作製した。
(光学フィルムの評価)
上記の光学フィルムを用いて以下の評価を行った。
(1)平均反射率
反射防止性ハードコートフィルムのハードコート層を積層していない面をサンドペーパーで粗面化した後、黒色のインクで光吸収処理(380〜780nmにおける透過率が10%未満)を行い黒色の台上で下記条件にて測定をおこなった。
分光光度計“V−550”(日本分光(株)製)にアダプター“ARV−474”を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5°の鏡面反射率を測定し、結果には450〜650nmの平均反射率を用いた。
上記の光学フィルムを用いて以下の評価を行った。
(1)平均反射率
反射防止性ハードコートフィルムのハードコート層を積層していない面をサンドペーパーで粗面化した後、黒色のインクで光吸収処理(380〜780nmにおける透過率が10%未満)を行い黒色の台上で下記条件にて測定をおこなった。
分光光度計“V−550”(日本分光(株)製)にアダプター“ARV−474”を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5°の鏡面反射率を測定し、結果には450〜650nmの平均反射率を用いた。
(2)鉛筆硬度評価
耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。反射防止性ハードコートフィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規定するHB〜5Hの試験用鉛筆を用いて、4.9Nの荷重にて、鉛筆で引っ掻き試験を5回繰り返し、温度25℃、湿度60%RHの条件で24時間放置した後に、以下の基準で評価し、OKとなる最も高い硬度を評価値とした。
OK:n=5の評価において傷が2つ以下
NG:n=5の評価において傷が3つ以上
鉛筆硬度は、低屈折率層自身の硬度を反映するとともに、低屈折率層と隣接する層の界面の密着強度も反映している。
耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。反射防止性ハードコートフィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規定するHB〜5Hの試験用鉛筆を用いて、4.9Nの荷重にて、鉛筆で引っ掻き試験を5回繰り返し、温度25℃、湿度60%RHの条件で24時間放置した後に、以下の基準で評価し、OKとなる最も高い硬度を評価値とした。
OK:n=5の評価において傷が2つ以下
NG:n=5の評価において傷が3つ以上
鉛筆硬度は、低屈折率層自身の硬度を反映するとともに、低屈折率層と隣接する層の界面の密着強度も反映している。
(3)消しゴム擦り耐傷性評価
ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなうことで、消しゴム擦り耐擦傷性の指標とすることが出来る。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:プラスチック消しゴム((株)トンボ鉛筆性 MONO)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に固定
移動距離(片道):4cm、
こすり速度:2cm/秒、
荷重:500g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm、
こすり回数:100往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、こすり部分の傷を反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。
○ :非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○△:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
△ :弱い傷が見える。
△×:中程度の傷が見える。
× :一目見ただけで分かる傷がある。
××:一面膜が傷ついている。
消しゴム擦り耐傷性は、主として低屈折率層自身の硬度を反映している。
ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなうことで、消しゴム擦り耐擦傷性の指標とすることが出来る。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:プラスチック消しゴム((株)トンボ鉛筆性 MONO)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に固定
移動距離(片道):4cm、
こすり速度:2cm/秒、
荷重:500g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm、
こすり回数:100往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、こすり部分の傷を反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。
○ :非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○△:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
△ :弱い傷が見える。
△×:中程度の傷が見える。
× :一目見ただけで分かる傷がある。
××:一面膜が傷ついている。
消しゴム擦り耐傷性は、主として低屈折率層自身の硬度を反映している。
評価結果を下記表に示す。
上記表によれば、低屈折率層にオルガノシラン化合物とロタキサン化合物を併用することで、隣接下層との密着が強化され、鉛筆硬度が上昇している。更に低屈折率化を計るため低屈折率無機微粒子を併用した場合でもその効果が顕著である。また、その効果は疎水化処理や不飽和二重結合を有するロタキサンで著しい。また、低屈折率層と隣接する層に、アルキレンオキサイド変性モノマーを使用することで、界面の密着が強化されることが分かる。
<偏光板の作製、液晶表示装置>
ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した偏光子の片面に、1.5mol/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬したあと中和、水洗した、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製)を接着し、偏光子のもう一方の面に上記試料101〜123の光学フィルムを各々貼り合わせて偏光板を作製した。
ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した偏光子の片面に、1.5mol/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬したあと中和、水洗した、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製)を接着し、偏光子のもう一方の面に上記試料101〜123の光学フィルムを各々貼り合わせて偏光板を作製した。
この偏光板を用いて低屈折率層を最表層に配置した液晶表示装置を作製したところ、反射率が低く、外光の映り込みが少なく、反射像が目立たず、優れた視認性を有する液晶表示装置が得られた。
Claims (7)
- 透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有し、該低屈折率層が(A)オルガノシランの加水分解物及び/又は縮合反応物の少なくともいずれか1種の化合物、および(B)ポリロタキサン化合物を含有する組成物を硬化してなることを特徴とする光学フィルム。
- 前記(A)のオルガノシランが、下記一般式(I)で表されることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
一般式(I): (R10)m−Si(X)4-m
(上記一般式(I)においてR10は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。mは0〜3の整数を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。) - 低屈折率層が、更に(C)低屈折率無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルム。
- 前記(C)の低屈折率無機微粒子が、多孔質又は中空のシリカを主成分とする無機微粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
- 透明支持体と低屈折率層の間に、少なくとも1層の光学機能層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルムが、偏光板における偏光膜の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルム又は請求項6に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられていることを特徴とする画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008046290A JP2009204833A (ja) | 2008-02-27 | 2008-02-27 | 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011065246A1 (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-03 | 大日本印刷株式会社 | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板及びディスプレイ |
JP2018530007A (ja) * | 2015-12-03 | 2018-10-11 | エルジー・ケム・リミテッド | 反射防止フィルム |
-
2008
- 2008-02-27 JP JP2008046290A patent/JP2009204833A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011065246A1 (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-03 | 大日本印刷株式会社 | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板及びディスプレイ |
CN102667535A (zh) * | 2009-11-30 | 2012-09-12 | 大日本印刷株式会社 | 光学薄膜的制造方法、光学薄膜、偏振板及显示器 |
CN102667535B (zh) * | 2009-11-30 | 2015-02-25 | 大日本印刷株式会社 | 光学薄膜的制造方法、光学薄膜、偏振板及显示器 |
JP2018530007A (ja) * | 2015-12-03 | 2018-10-11 | エルジー・ケム・リミテッド | 反射防止フィルム |
US10809419B2 (en) | 2015-12-03 | 2020-10-20 | Lg Chem., Ltd. | Antireflection film for a display device |
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