JP2009203836A - 内接歯車ポンプ - Google Patents

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Koichi Iizuka
浩一 飯塚
Yoshinori Ishimori
義則 石森
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Abstract

【課題】内接歯車ポンプを可変容量式にして、燃費の向上を実現したり、キャビテーションなどの問題を解消する。
【解決手段】ポンプ3は、インナギア32をエンジン駆動され、これにアウタギア31が連れ回されることで、アウタギア31の内歯とインナギア32の外歯との間におけるポンプ室の容積変化によりポンプ作用を行う。ポンプ3からの吐出油は、変速制御およびトルクコンバータのロックアップ制御に供され、アプライ圧Papは低エンジン回転時に低く、高エンジン回転時に高くなる。アプライ圧Papを受けるシール部材33は、エンジン回転数が高くなるにつれ、 (a)〜(c)に示すごとく、インナギア32を軸線方向へ大きく変位させてオーバーライド量Lの低下によりポンプ容量を低下させる。ポンプ吐出量が少ない低エンジン回転数のもとでも、必要な量の作動油を吐出することができ、ポンプ吐出量が過大気味となる高エンジン回転数のもとでも、作動油吐出量を所定量に保つことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動変速機のオイルポンプ等に用いるのに有用な歯車ポンプ、特に、アウタギアの内歯に噛合するようインナギアを、該アウタギア内に偏心して配設した内接歯車ポンプのポンプ容量可変化技術に関するものである。
この種ポンプは、回転速度の上昇に応じてポンプ吐出量が増大するものの、その特性であるポンプ容量は固定である場合が殆どである。
かかるポンプ容量固定のポンプを用いる場合は、例えば自動変速機のオイルポンプとして用いる場合について説明すると、
エンジン駆動されるためポンプ吐出量が少なくなる低エンジン回転数のもとでも、この時に必要な油量を吐出可能なポンプ容量となるようにポンプ仕様を決定する必要がある。
このため、エンジン回転数が高くなる運転条件のもとでは、ポンプ容量が過大となり、ポンプ吐出流量の過剰分を使うことなくドレンすることから、
その分だけポンプに余分な駆動負荷がかかり、ポンプを駆動するエンジンの燃費が悪くなるし、
ポンプ吐出流量の過剰分が、キャビテーションを発生して異音の原因となったり、エロージョンを発生してポンプの耐久性を悪化させる。
なお、ロータリベーンポンプにあっては、ベーン内接面に対するロータの偏心量を可変にしてポンプ容量を可変にしたものがあるが、この技術を内接歯車ポンプに適用しようとしても、内接歯車ポンプはアウタギアとインナギアとの噛合状態を維持する必要があって、両者間の偏心量を可変にすることができないことから困難である。
また、かかるロータリベーンポンプのポンプ容量可変化技術を内接歯車ポンプに適用したとしても、このポンプ容量可変化技術では、偏心量可変構造などの特殊な専用構造や、専用の制御装置(油圧制御のための油圧回路や電磁弁)が不可欠で、これらが重量増やコスト高を招くだけでなく、ポンプの搭載性を悪化させる原因となる。
内接歯車ポンプのポンプ容量可変化技術としては従来、特許文献1に記載のように、アウタギアおよびインナギアの軸線方向両側面と、ポンプハウジングとの間におけるサイドクリアランスを制御して、ポンプ容量を可変にする技術が提案されている。
特開平11−343982号公報
しかし、かようにアウタギアおよびインナギアの軸線方向両側面と、ポンプハウジングとの間におけるサイドクリアランスを制御する内接歯車ポンプのポンプ容量可変化技術では、サイドクリアランスを経て余分な流量を排除することから、余分な流量を吐出するエネルギー分の節約にはなるが、余分な流量を吸入するエネルギー分の節約にはならず、その分のエネルギー損失(燃費の悪化)は避けられない。
また、余分な流量を吸入することから、この過剰分がサイドクリアランスを経て排除される時に、キャビテーションを発生して異音の原因となったり、エロージョンを発生してポンプの耐久性を悪化させるという懸念を、完全には払拭し切れない。
本発明は、上記の実情に鑑み、特許文献1に記載のポンプ容量可変化技術と異なる技術思想に基づいて、余分な流量を吸入することなくポンプ容量を可変にした内接歯車ポンプを提供し、これにより、特許文献1に記載のポンプ容量可変化技術による問題はもとより、それ以外の前記した諸問題や懸念をことごとく解消することを目的とする。
この目的のため、本発明による内接歯車ポンプは、請求項1に記載したごとくに構成する。
先ず前提となる内接歯車ポンプを説明するに、これは、
アウタギアの内歯に噛合するようインナギアを、該アウタギア内に偏心して配設した構成になるものである。
本発明は、かかる型式の内接歯車ポンプにおいて、
インナギアおよびアウタギアを軸線方向へ相対変位可能となし、
これらインナギアおよびアウタギアの軸線方向相対変位によりポンプ容量を変更し得るよう構成した点に特徴づけられる。
上記した本発明による内接歯車ポンプによれば、インナギアおよびアウタギアを軸線方向へ相対変位可能となし、これらインナギアおよびアウタギアの軸線方向相対変位によりポンプ容量を変更する構成故に、
ポンプ吸入量およびポンプ吐出量がともに、インナギアおよびアウタギアの軸線方向相対位置(これらギアが径方向にオーバーラップしている領域の軸線方向長さ)で決まり、内接歯車ポンプがこの量を超えて吸入・吐出を行うことがない。
従って、ポンプ容量を小さくしている際にも、それに対応した量の吸入・吐出が行われるだけで、余分な流量を吸入することがなく、その分のエネルギー損失(燃費の悪化)を回避することができる。
また、余分な流量を吸入しないことから、この過剰分を排除することもなくて、これに起因したキャビテーション(異音)の発生や、エロージョンの発生(耐久性の悪化)に関する懸念を、完全に払拭することができる。
更に、内接歯車ポンプでありながらこれを上記のごとくポンプ容量可変式としたから、前記した諸問題をことごとく解消することができる。
例えば自動変速機のオイルポンプとして用いる場合について説明すると、
ポンプ吐出量が少なくなる低エンジン回転数のもとでも必要な油量を吐出可能なポンプ容量となるようにポンプ仕様を決定していても、
エンジン回転数が高くなる運転条件のもとでは、ポンプ容量の低下によりポンプ吐出流量を適切なものにすることができる。
従って、ポンプ吐出流量の過剰を生ずることがなく、この過剰分によるキャビテーション(異音)の発生や、エロージョンの発生(ポンプの耐久性の悪化)を回避することができる。
また、ポンプ吐出流量の過剰を生ずることがないことによって、ポンプに余分な駆動負荷がかかるのを防止し、エンジンの燃費が悪くなるのを防止することができる。
更に、インナギアおよびアウタギアの軸線方向相対変位によりポンプ容量を可変にするため、
ロータリベーンポンプのポンプ容量可変化技術(偏心量制御によるポンプ容量可変化技術)に頼ることなく目的を達成することができ、偏心量可変構造などの特殊な専用構造や、専用の制御装置(油圧制御のための油圧回路や電磁弁)が不要で、重量増やコスト高を招いたり、ポンプの搭載性を悪化させることなく、内接歯車ポンプをポンプ容量可変式のものにすることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる内接歯車ポンプを具えた自動変速機の要部を示し、1は変速機ケース、2はコンバータハウジング、3はオイルポンプである。
オイルポンプ3として、本発明の一実施例になる内接歯車ポンプを用い、これを、ポンプハウジング4およびポンプカバー5間の空所内に後述のポンプ要素を組み込んで構成する。
ポンプハウジング4およびポンプカバー5はボルト6により相互に結合し、これらポンプハウジング4およびポンプカバー5の相互結合体で、コンバータハウジング2と対面する変速機ケース1の前端開口を塞ぎ、ボルト7により該ポンプハウジング4およびポンプカバー5の相互結合体をコンバータハウジング2の前端開口に取着する。
この取着後、コンバータハウジング2をポンプハウジング4の外周に嵌合すると共に変速機ケース1の前端面に当接させ、この状態でコンバータハウジング2をボルト8により変速機ケース1の前端面に取着する。
ポンプカバー5の中心孔内に中空固定軸9を嵌着して両者を一体化し、中空固定軸9をポンプカバー5からコンバータハウジング2内に突出するよう延在させる。
変速機ケース1内に収納した変速歯車機構の入力軸10は、中空固定軸9内に回転自在に貫通して、変速機入力軸10の先端をコンバータハウジング2内に突出させる。
コンバータハウジング2内にトルクコンバータ11を収納し、このトルクコンバータ11を以下のようにして中空固定軸9上に配置すると共に、変速機入力軸10の先端上に配置する。
ここでトルクコンバータ11は、入力要素であるポンプインペラ12と、出力要素であるタービンランナ13と、反力要素であるステータ14とを主たる構成要素とする。
ポンプインペラ12は、その図中左端中心部に結着した中空のポンプ駆動軸15を介し中空固定軸9上に回転自在に支承すると共に、図中右端開口を塞ぐようこれに結着したコンバータカバー16を介してエンジンのクランクシャフト(図示せず)に結合する。
タービンランナ13は、変速機入力軸10の上記先端に回転係合させ、ステータ14はワンウェイクラッチ17を介し、エンジンと逆方向へ回転しないようにして中空固定軸9上に載置する。
かくしてトルクコンバータ11は、エンジン駆動されるポンプインペラ12により内部作動流体を遠心力によりタービンランナ13に衝突させ、その後作動流体をステータ14による案内下でポンプインペラ12に戻す間、ステータ14による反力下でトルク増大しつつポンプインペラ12からタービンランナ13および変速機入力軸10へエンジン回転を伝達することができる。(コンバータ状態)
トルクコンバータ11は、上記のトルク増大が不要な状況下において伝動効率を高めるために、入力要素であるポンプインペラ12と、出力要素であるタービンランナ13とを直結可能なロックアップクラッチピストン18を内蔵する。
このロックアップクラッチピストン18は、トーショナルダンパ19を介してタービンランナ13に回転結合させるが、軸線方向に変位可能とする。
そしてロックアップクラッチピストン18は、コンバータカバー16と対面するよう配置して、トルクコンバータ11内を、ロックアップクラッチピストン18およびコンバータカバー16間におけるロックアップ室20と、コンバータ室21とに区画する。
ロックアップ室20に通じるロックアップ室通路22、および、コンバータ室21に通じるコンバータ室通路23を設定する。
トルクコンバータ作動油を、ロックアップ室通路22からロックアップ室20およびコンバータ室21を順次経てコンバータ室通路23より流出させるとき、ロックアップクラッチピストン18はコンバータカバー16から離れてポンプインペラ12およびタービンランナ13間の直結を行わず、トルクコンバータ11をコンバータ状態で作動させる。
トルクコンバータ作動油を逆に、コンバータ室通路23からコンバータ室21およびロックアップ室20を順次経てロックアップ室通路22より流出させるとき、ロックアップクラッチピストン18はコンバータカバー16に押圧されてポンプインペラ12およびタービンランナ13間を直結し、トルクコンバータ11をロックアップ状態で作動させる。
トルクコンバータ作動油は、自動変速機の作動油と共通なもので、オイルポンプ3からの吐出油を用いるが、オイルポンプ3を本実施例においては、以下のごとき可変容量式内接歯車ポンプとする。
つまりこのオイルポンプ3は、通常の内接歯車ポンプと同様にアウタギア31およびインナギア32を主たる構成要素とし、図2(a)に示すごとくアウタギア31の内歯31aにインナギア32の外歯32aが部分的に噛合するよう、インナギア32の中心Oiをアウタギア31の中心Ooから偏心させ、アウタギア31の内歯31aとインナギア32の外歯32aとの間にポンプ室を画成する。
そして図1に示すように、アウタギア31を通常通りポンプハウジング4内に回転自在に収納すると共にポンプカバー5で軸線方向に位置決めするが、インナギア32はアウタギア31との噛合状態を保って軸線方向へ変位可能とする。
かかるインナギア32の変位中もアウタギア31の内歯31aとインナギア32の外歯32aとの間にポンプ室が画成され続けるようにするため、トルクコンバータ11から遠いインナギア32の端面に接触させて軸線方向一方側端面シール部材33と、トルクコンバータ11に近いアウタギア31の端面に接触させて軸線方向他方側端面シール部材34とを設ける。
軸線方向一方側端面シール部材33は、図2(b)に便宜上ハッチングを付して示すように外周がアウタギア31の内歯31aに噛合してインナギア32と共に軸線方向に変位可能で、この変位中アウタギア31の内歯31aとインナギア32の外歯32aとの間におけるポンプ室の対応端面を塞ぎ続けるものとする。
そして軸線方向一方側端面シール部材33は、図1に示すようにポンプカバー5内に軸線方向摺動自在に嵌合してポンプ容量制御油圧室35を画成し、これに通じるようポンプカバー5にポンプ容量制御油路36を形成する。
この油路36を経て油圧室35内には、コンバータ室21内のアプライ圧(ロックアップクラッチピストン18の締結圧)Papを供給し、このアプライ圧(ロックアップクラッチピストン18の締結圧)Papにより軸線方向一方側端面シール部材33(インナギア32)を図1の右方へ附勢する。
この附勢力と対向するようにインナギア32の反対側端面に弾性手段としてのスプリング37を作用させる。
よってインナギア31は、アプライ圧(ロックアップクラッチピストン18の締結圧)Papによる力と、スプリング37によるバネ反力とが釣り合う軸線方向位置に変位する。
軸線方向他方側端面シール部材34は、図2(c)に便宜上ハッチングを付して示すように内周がインナギア32の外歯32aに噛合してアウタギア31の対応端面に密接するものとし、この密接によりアウタギア31の内歯31aとインナギア32の外歯32aとの間におけるポンプ室の対応端面を塞ぎ続けるものとする。
そのため軸線方向他方側端面シール部材34は、図1に示すようにポンプハウジング4内に回転自在に、しかし、軸線方向変位不能に嵌合する。
図1に示すように中空のポンプ駆動軸15をポンプハウジング4内に挿入し、その先端をインナギア32のキー溝32b(図2も参照)に進入させて、ポンプ駆動軸15をインナギア32に回転係合させ、これにより上記したオイルポンプ3をエンジン駆動させるようになす。
以下に、上記したオイルポンプ3の作用を説明する。
オイルポンプ3は、インナギア32をエンジン駆動され、これにアウタギア31が連れ回されることで、アウタギア31の内歯31aとインナギア32の外歯32aとの間におけるポンプ室の容積変化により所定のポンプ作用を行って、回転速度に応じた所定量の作動油を吐出する。
オイルポンプ3からの吐出油は、自動変速機の変速制御およびトルクコンバータ11のロックアップ制御を含む伝動作用に供される。
従って、コンバータ室21内のアプライ圧Papはエンジン回転数に応じて変化し、エンジン回転数が低いときは、トルクコンバータ11がコンバータ状態にされることからアプライ圧Papも低く、エンジン回転数が高くなるにつれ、トルクコンバータ11がロックアップ状態にされることからアプライ圧Papは高くなる。
このため、このアプライ圧Papを受けてインナギア32を軸線方向へ変位させる軸線方向一方側シール部材33は、エンジン回転数が低いとき図3(a)に示すごとく、インナギア32を殆ど軸線方向へ変位させ得ないか、若しくは、僅かしか軸線方向へ変位させ得ない。
この場合、アウタギア31に対するインナギア32のオーバーライド量L(これらギアが径方向にオーバーラップしている領域の軸線方向長さ)が大きく、各ポンプ室の容積が大きいことから、ポンプ容量が大きくなる。
よって、ポンプ吐出量が少ない低エンジン回転数のもとでも、必要な量の作動油を吐出することができる。
軸線方向一方側シール部材33は、エンジン回転数が高くなるにつれ図3(b),(c)に示すごとく、インナギア32をスプリング37に抗して大きく軸線方向へ変位させる。
この場合、アウタギア31に対するインナギア32のオーバーライド量Lが小さくなり、これにつれて各ポンプ室の容積が小さくなることから、ポンプ容量が低下する。
よって、ポンプ吐出量が過大気味となる高エンジン回転数のもとでも、作動油吐出量を所定量に保つことができ、これが過大になるのを防止することができる。
ところで本実施例のオイルポンプ(内接歯車ポンプ)3によれば、
インナギア32をアウタギア31に対し相対的に軸線方向へ変位可能となし、かかるインナギア32の軸線方向相対変位によりポンプ容量を変更するため、
ポンプ吸入量およびポンプ吐出量がともに、インナギア32およびアウタギア31の軸線方向相対位置(オーバーライド量L)で決まり、オイルポンプ(内接歯車ポンプ)3がこの量を超えて吸入・吐出を行うことがない。
従って、ポンプ容量を小さくしている低エンジン回転時にも、それに対応した量の吸入・吐出が行われるだけで、余分な流量を吸入することがなく、その分のエネルギー損失(燃費の悪化)を回避することができる。
また、余分な流量を吸入しないことから、この過剰分を排除することもなくて、これに起因したキャビテーション(異音)の発生や、エロージョンの発生(耐久性の悪化)に関する懸念を、完全に払拭することができる。
更に、内接歯車ポンプでありながらこれを上記のごとくポンプ容量可変式としたから、以下の作用効果を奏することできる。
図示例のごとく自動変速機のオイルポンプとして用いる場合について説明すると、
ポンプ吐出量が少なくなる低エンジン回転数のもとでも必要な油量を吐出可能なポンプ容量となるようにポンプ仕様を決定していても、
エンジン回転数が高くなる運転条件のもとでは、ポンプ容量の低下によりポンプ吐出流量を適切なものにすることができる。
従って、ポンプ吐出流量の過剰を生ずることがなく、この過剰分によるキャビテーション(異音)の発生や、エロージョンの発生(ポンプの耐久性の悪化)を回避することができる。
また、ポンプ吐出流量の過剰を生ずることがないことによって、ポンプに余分な駆動負荷がかかるのを防止し、エンジンの燃費が悪くなるのを防止することができる。
更に、アウタギア31に対するインナギア32の軸線方向相対変位によりポンプ容量を可変にするため、
ロータリベーンポンプのポンプ容量可変化技術(偏心量制御によるポンプ容量可変化技術)に頼ることなく目的を達成することができ、偏心量可変構造などの特殊な専用構造や、専用の制御装置(油圧制御のための油圧回路や電磁弁)が不要で、重量増やコスト高を招いたり、ポンプの搭載性を悪化させることなく、内接歯車ポンプをポンプ容量可変式のものにすることができる。
なお本実施例においては、アウタギア31の内歯31aに噛合させてインナギア32の軸線方向一方側端面に接触させた軸線方向一方側端面シール部材33と、インナギア32の外歯32aに噛合させてアウタギア31の軸線方向他方側端面に接触させた軸線方向他方側端面シール部材34とで、インナギア32の軸線方向変位中も、アウタギア31の内歯31aとインナギア32の外歯32aとの間にポンプ室が画成され続けるようにしたため、
容量可変式とするためインナギア32を軸線方向へ変位可能にしたといえども、前記したポンプ作用には何ら支障をきたすことがない。
また、軸線方向一方側シール部材33およびインナギア32に作用させるポンプ容量制御力を、トルクコンバータ11のコンバータ室21内におけるアプライ圧Papにより生起させることとしたから、
前記のごとくに行われるオイルポンプ3の容量制御が、オイルポンプ3に要求されるポンプ容量に適切に符合することとなって、アイドルストップ時や、変速機を中立状態にしてのアイドリング運転時を含む全ての運転時に、油量収支を過不足のないものにすることができる。
従って、エンジン低回転時に油量不足になったり、エンジン高回転時にポンプ吐出流量の過剰で、キャビテーション(異音)が発生したり、エロージョンが(ポンプの耐久性の悪化)が発生するのを確実に回避することができる。
更に、アプライ圧Papと対向するようインナギア32にスプリング37のごとき弾性手段を作用させることから、
スプリング(弾性手段)37の置換により、アプライ圧Papに対するポンプ容量特性を任意に調整することができ、設計の自由度が大幅に増すという作用効果を達成し得る。
なお上記の実施例では、アウタギア31を軸線方向に固定し、インナギア32を軸線方向へ変位させる場合について述べたが、逆に、インナギア32を軸線方向に固定し、アウタギア31を軸線方向へ変位させる場合についても、本発明の着想は同様な考え方により適用して同様な作用効果を達成することができるのは勿論である。
本発明の一実施例になる内接歯車ポンプをオイルポンプとして具えた自動変速機の要部を示す縦断側面図である。 図1におけるオイルポンプの内部を示す正面図で、 (a)は、軸線方向一方側シール部材および軸線方向他方側シール部材の双方を除去して示す正面図、 (b)は、軸線方向一方側シール部材を取り付けた状態で示す正面図、 (c)は、左右反転し、軸線方向他方側シール部材を取り付けた状態で示す正面図である。 図1におけるオイルポンプの容量制御原理を示す説明図で、 (a)は、エンジン回転数が低い時におけるポンプ容量制御状態を示す原理説明図、 (b)は、エンジン回転数が中程度の高さである時におけるポンプ容量制御状態を示す原理説明図、 (c)は、エンジン回転数が高い時におけるポンプ容量制御状態を示す原理説明図である。
符号の説明
1 変速機ケース
2 コンバータハウジング
3 オイルポンプ(内接歯車ポンプ)
4 ポンプハウジング
5 ポンプカバー
9 中空固定軸
10 変速機入力軸
12 ポンプインペラ(トルクコンバータ入力要素)
13 タービンランナ(トルクコンバータ出力要素)
14 ステータ
15 ポンプ駆動軸
16 コンバータカバー
17 ワンウェイクラッチ
18 ロックアップクラッチピストン
19 トーショナルダンパ
20 ロックアップ室
21 コンバータ室
22 ロックアップ室通路
23 コンバータ室通路
31 アウタギア
31a 内歯
32 インナギア
32a 外歯
32b キー溝
33 軸線方向一方側シール部材
34 軸線方向他方側シール部材
35 ポンプ容量制御油圧室
36 ポンプ容量制御油路
37 スプリング(弾性手段)

Claims (5)

  1. アウタギアの内歯に噛合するようインナギアを、該アウタギア内に偏心して配設した内接歯車ポンプにおいて、
    前記インナギアおよびアウタギアを軸線方向へ相対変位可能となし、
    これらインナギアおよびアウタギアの軸線方向相対変位によりポンプ容量を変更し得るよう構成したことを特徴とする内接歯車ポンプ。
  2. 請求項1に記載の内接歯車ポンプにおいて、
    前記アウタギアの内歯に噛合させて前記インナギアの軸線方向一方側端面に接触させた軸線方向一方側端面シール部材と、
    前記インナギアの外歯に噛合させて前記アウタギアの軸線方向他方側端面に接触させた軸線方向他方側端面シール部材とを設け、
    これらシール部材により、インナギアおよびアウタギアの軸線方向相対変位中も、アウタギアの内歯とインナギアの外歯との間にポンプ室が画成され続けるよう構成したことを特徴とする内接歯車ポンプ。
  3. 前記アウタギアを軸線方向に固定し、該アウタギアに対しインナギアを軸線方向へ変位させて、前記インナギアおよびアウタギアの軸線方向相対変位を生起させる、請求項2に記載の内接歯車ポンプにおいて、
    前記軸線方向一方側端面シール部材を介してインナギアに、対応する軸線方向のポンプ容量制御力を作用させ、該ポンプ容量制御力と対向する向きの所定の軸線方向反力をインナギアに作用させ、
    これらポンプ容量制御力と所定の軸線方向反力とがバランスする軸線方向位置にインナギアをアウタギアに対し相対変位させるよう構成したことを特徴とする内接歯車ポンプ。
  4. 伝動系に、適宜トルクコンバータ入出力要素間が直結されたロックアップ状態となし得るトルクコンバータを具えた自動変速機に用いる、請求項3に記載の内接歯車ポンプにおいて、
    前記トルクコンバータをロックアップ状態にするトルクコンバータアプライ圧が前記軸線方向一方側シール部材およびインナギアに作用して発生する力を前記ポンプ容量制御力として用いるよう構成したことを特徴とする内接歯車ポンプ。
  5. 請求項3または4に記載の内接歯車ポンプにおいて、
    前記所定の軸線方向反力を弾性手段で発生させるよう構成したことを特徴とする内接歯車ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105822496A (zh) * 2016-05-04 2016-08-03 珠海鑫王达科技有限公司 一种车载风力发电***的电源***

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CN105822496A (zh) * 2016-05-04 2016-08-03 珠海鑫王达科技有限公司 一种车载风力发电***的电源***

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