JP2009202845A - 自走式洗車機および自走式洗車機の走行制御方法 - Google Patents

自走式洗車機および自走式洗車機の走行制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】洗車の仕上がりをより向上せしめることが出来ると共に、より円滑に車体の外周面に沿って走行せしめることの出来る、自走式洗車機の改良された構造を提供すること。
【解決手段】車輪14が取り付けられると共に、洗車ブラシ16が回転可能に支持されるフレーム11の走行方向を変更する操舵手段と、該フレーム11と洗條されるべき車体外周面57との距離を検出する距離検出手段とを設け、更に、かかる距離検出手段による検出値が予め設定された許容範囲から外れたときに、フレーム11を逆方向に走行せしめて、該フレームを該車体外周面と平行な方向に操舵する自走方向制御手段とを設けて構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自走式洗車機に係り、特に、車体外周面に沿って自走しながら、車体外周面を洗車ブラシにて洗滌する自走式洗車機の改良された構造および走行制御方法に関するものである。
従来から、自動車の洗滌装置の一種として、門型の本体フレームを有し、この本体フレームの対向する複数の支柱部に、洗車ブラシがそれぞれ一つずつ回転可能に取り付けられてなる構造のものがある。この門型洗滌装置は、よく知られているように、本体フレームが二条の軌条に案内されて、洗滌されるべき自動車の前後方向に自走するか、又は自動車が本体フレーム内を通り抜けるように走行せしめられることにより、本体フレームと自動車とが相対移動せしめられるようになっている。そして、その際に、回転せしめられる洗車ブラシが自動車の外周面に押し当てられて、かかる自動車の外周面が洗滌されるようになっている。然るに、構造が大掛かりで且つ高価であり、また広い設置場所が必要となる等の問題が内在していた。
かかる状況下、上記の如き問題の解消を図る洗滌装置として、洗車ブラシが回転可能に支持されたフレームに対して、それを無軌条で走行可能とする車輪が取り付けられると共に、かかる車輪を駆動する駆動源が設置されてなる独立自走式の洗車機が、提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
ところが、それら従来の自走式洗車機は、何れも、ハンドルやリモコンによる作業者の手動操作により車輪の操舵が行われる構造とされている。そのため、回転する洗車ブラシが洗滌されるべき車体の外周面に対して確実に接触するように、洗車機の走行方向を車体外周面に沿ってコントロールすることが容易ではなかった。それ故に、作業者の操舵技能によって、洗車の仕上がり状態にばらつきが生ずることが避けられなかった。また、通常では、車体に水を噴射させながら洗滌が行われるために、ハンドルやリモコンを操作する作業者が、水しぶきが掛かる劣悪な環境の下で、作業を行わなければならないといった不具合もあった。
そこで、本発明者等は、特許文献3において、車体との距離を検出する検出手段を備え、かかる検出手段によって検出される車体との距離が予め設定された許容範囲よりも小さくなった場合には車体から離隔せしめる一方、検出値が予め設定された許容範囲よりも大きくなった場合には車体に接近せしめる自走式洗車機を提案した。これにより、洗車機の操舵操作の自動化が可能とされて、洗車の仕上がりが作業者の操舵技能に左右されることを回避出来ると共に、水しぶきが掛かるなどの作業者の負担も軽減することが出来た。
しかしながら、特許文献3に記載の如き自走式洗車機には、未だ改良の余地が存していた。即ち、特許文献3に記載の如き自走式洗車機は、洗車ブラシが車体に過剰に接近した場合には離隔方向に、洗車ブラシが車体から過剰に離隔した場合には接近方向に走行せしめられることから、走行方向が車体の外周面に対してジグザグになり易かった。それ故、洗車ブラシが車体に強く当たるところと、弱く当たるところが交互に生じてしまい、洗車の仕上がりに斑が生じ易かった。また、特に自走式洗車機が過剰に接近して、離隔方向に方向転換しようとした場合には、車体に食い込むように方向転換することから、方向転換がスムーズに行なえないおそれがあった。なお、車体に食い込むような方向転換を回避するには、自走式洗車機が車体に接近する早い段階で方向転換を行なうことも考えられる。しかし、これでは洗車ブラシの車体への当接圧が洗車工程の全体を通して小さくなってしまい、充分な洗滌効果が得られないおそれがあった。
特開昭52−107172号公報 特開2003−127843号公報 特開2006−264676号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、洗車の仕上がりをより向上せしめることが出来ると共に、より円滑に車体の外周面に沿って走行せしめることの出来る、自走式洗車機の改良された構造を提供することにある。
さらに、本発明は、自走式洗車機の改良された走行制御方法を提案することも、目的とする。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、自走式洗車機に関する本発明の第一の態様は、フレームと、該フレームに取り付けられて、該フレームを無軌条で走行可能とする車輪と、該車輪の少なくとも一つを駆動せしめる走行駆動源と、該フレームに対して、上下方向に延びる回転軸回りに回転可能に支持される洗車ブラシとを備え、該洗車ブラシを回転させつつ車体の外周面に押し当てながら、該フレームを該車体外周面に沿って走行せしめることにより、該車体外周面を洗滌する自走式洗車機において、(a)前記フレームの走行方向を、前記車体外周面に対する接近方向と離隔方向の少なくとも二方向に変更する操舵手段と、(b)前記フレームの前記車体外周面に対する離隔距離を検出する距離検出手段と、(c)該距離検出手段の検出値に基づいて前記操舵手段を制御して、該検出値が予め設定された許容範囲から外れた場合には、前記フレームを該検出値が予め設定された許容範囲内になるように逆方向に走行せしめて、該フレームを該車体外周面と平行な方向に操舵する自走方向制御手段とを、含んで構成したことを特徴とする自走式洗車機にある。
本態様に従う構造とされた自走式洗車機においては、車体との距離を検出する距離検出手段の検出値に基づいて、車体に対して略平行に走行せしめられるように、洗車機の走行方向が制御されるように構成されている。従って、このような本発明に従う自走式洗車機にあっては、洗車されるべき車体の外周面に沿って走行せしめられるように、走行方向が十分な信頼性をもって高精度に且つ安定的に制御され得て、操舵操作の自動化が有利に実現され得る。その結果として、作業に慣れていない者でも作業が容易となって、作業者の違いによる洗車の仕上がり状態のばらつきを抑えることが出来る。しかも、作業者が良好な作業環境の下で、洗車作業を、遠隔操作により有利に行うことが可能となる。
特に本態様においては、検出値が予め設定された許容範囲から外れた場合には、フレームの走行方向が車体外周面に対して平行となるように操舵される。これにより、より広い範囲に亘って洗車ブラシの車体外周面への当接圧を略均一にすることが出来て、洗車の斑を抑え、より均一な仕上がりを得ることが出来る。
加えて、検出値が予め設定された許容範囲から外れた場合には、フレームが逆方向に走行する。即ち、例えば車体外周面を一方向回りで洗車しつつ走行している状態を前進作動とすると、かかる前進洗車走行時に検出値が許容範囲から外れると、そのまま或いは適当に操舵されつつ後退作動せしめられる。これにより、フレームと車体外周面との距離を適当な範囲内に安定して保つことが出来る。特に、車体に過剰に接近した場合に自走方向制御手段による制御を行なうようにした場合には、後退作動によって車体から離隔せしめられて操舵が行なわれるようになっている。これにより、前述のように操舵を円滑に行なうために、車体外周面に接近する早い段階から方向転換を開始する場合とは異なり、洗車ブラシの車体への当接圧を充分に確保しつつ、円滑に方向転換を行なうことが出来る。
なお、本態様において、検出値が予め設定された許容範囲から外れた場合とは、検出値が許容範囲よりも小さくなった場合、換言すれば、車体に過剰に接近した場合と、検出値が許容範囲よりも大きくなった場合、換言すれば、車体から過剰に離隔した場合の両方でも良いし、何れか一方でも良い。即ち、車体に過剰に接近した場合と車体から過剰に離隔した場合の両方の場合に自走方向制御手段による方向制御を行なっても良いし、車体に過剰に接近した場合と、車体から過剰に離隔した場合の何れか一方の場合にのみ、自走方向制御手段による方向制御を行なっても良い。
自走式洗車機に関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る自走式洗車機において、(d)前記距離検出手段による検出値の所定時間あたりの変化量を測定する変化量測定手段と、(e)該変化量測定手段の測定結果に基づいて、該フレームを該車体外周面と平行な方向に補正操舵する補正操舵手段とが、更に設けられていることを、特徴とする。
本態様によれば、距離検出手段の検出値の経時変化から、フレームの走行方向の車体外周面に対する傾斜の程度を検出することが出来る。即ち、フレームの走行に伴って検出値が次第に小さくなる場合には、フレームが車体外周面に次第に接近していることとなり、次第に大きくなる場合には、フレームが車体外周面から次第に離隔していることとなる。これにより、例えば距離検出手段として単一の距離センサを用いるような場合でも、フレームの走行方向の車体外周面に対する傾きを検出することが出来て、車体外周面との距離が予め設定された許容範囲から外れるよりも前に、フレームの走行方向を車体外周面に対して平行に近づけることが出来る。即ち、フレームの車体外周面に対する傾きの程度は一定でないことから、フレームの走行方向を固定的な目標値(車体外周面と平行となる走行方向)に近づけようとすると、フレームの傾きのバラツキに起因して目標値からの振れが生じ易く、フレームが車体外周面に対してジグザグに走行するおそれがある。そこで、距離検出手段の検出値の変化量が0になる補正をすることによって、フレームの走行方向を車体外周面に対してより平行に近づけることが出来て、フレームがジグザグに走行するおそれをより有利に軽減することが出来る。従って、より広い範囲に亘って洗車ブラシの車体外周面への当接圧を略均一にすることが出来て、より均一な仕上がりを得ることが出来る。
自走式洗車機に関する本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る自走式洗車機において、(f)前記車体外周面の端部を検出する端部検出手段と、(g)該端部検出手段が前記車体外周面の端部を検出した場合に、該車体外周面の端部を共通して該車体外周面から連続する車体外周面と平行となるように前記フレームを旋回せしめる旋回手段とが、更に設けられていることを、特徴とする。
本態様によれば、車体の角部を回り込むように自動操舵することが出来て、複数の車体外周面に亘って連続して洗滌を行うことが可能となり、車体の全周に亘って自動操舵することも可能となる。
自走式洗車機に関する本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に係る自走式洗車機において、(h)前記車体において対向する一対の前記車体外周面のうち、一方の該車体外周面の端部から端部までの前記フレームの移動時間を、前記自走方向制御手段の操舵に要した時間だけ差し引いて計測する移動時間計測手段と、(i)該移動時間計測手段で計測された移動時間に基づいて、前記フレームを他方の該車体外周面に沿って移動せしめる移動時間制御手段とが、更に設けられていることを、特徴とする。
本態様によれば、対向する一対の車体外周面のうち、一方の車体外周面の洗滌に要した時間に基づいて他方の車体外周面を移動せしめることから、他方の洗滌が完了した時点で、フレームの走行を自動的に停止することが出来る。特に本態様は、前記第三の態様と組み合わせて好適に用いることが出来る。このようにすれば、一方の車体外周面の端部に到達した場合には、他方の車体外周面に向けてこれら両車体外周面を繋ぐ車体外周面を回り込んでコの字状に自動操舵せしめることが可能となる。これにより、例えばトラックの荷台部分において、左右何れか一方の面の前方端部から洗滌を開始すれば、かかる面に沿って後方に走行せしめた後に、かかる面の後方端部で荷台部分の後面に回り込ませて後面に沿って走行せしめて、他方の面の後端部分まで走行せしめる。そして、一方の面の移動に要した時間だけ他方の車体外周面に沿って前方に走行せしめることによって、他方の面の前方端部に到達した時点で、フレームの走行を自動的に停止せしめることが出来る。これにより、作業者は洗滌の開始操作を行なうのみで、荷台部分の左右面と後面を自動的に洗滌することが出来る。
自走式洗車機に関する本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に係る自走式洗車機において、前記距離検出手段が非接触型センサを含んで構成されていることを、特徴とする。
本態様によれば、車体外周面に接触することなく車体外周面との距離を検出出来ることから、接触に伴って車体外周面を傷つけるようなおそれも回避することが出来る。かかる非接触型センサとしては、例えば赤外光等のレーザー光を用いる光電センサや、超音波を用いる超音波センサ、電磁誘導作用や静電容量の変化に基づいて距離を検出する近接センサなど、従来公知の各種センサが適宜に採用可能である。
自走式洗車機に関する本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れか一つの態様に係る自走式洗車機において、前記距離検出手段が接触型センサを含んで構成されていることを、特徴とする。
本態様によれば、例えば光学式のセンサを用いた場合のように、水しぶきや泥などによる影響を受けることなく、車体外周面との距離を正確に検出することが出来る。かかる接触型センサとしては、例えばリミットスイッチ、ピエゾ素子等の圧電素子を用いたセンサ、ポテンショメータなど、従来公知の各種センサが適宜に採用可能である。なお、本態様と、前記第五の態様を組み合わせて用いることも可能である。即ち、非接触型センサと接触型センサの両方を用いてフレームの車体外周面からの離隔距離を検出するようにしても良い。そのようにすれば、より精度良くフレームと車体外周面との離隔距離を検出することが出来る。
自走式洗車機に関する本発明の第七の態様は、前記第六の態様に係る自走式洗車機において、前記接触型センサが、前記洗車ブラシを前記車体外周面に押し当てることによって該洗車ブラシに生ずる抵抗力を検出する抵抗力検出手段を含んで構成されていることを、特徴とする。
このようにすれば、前述のように、車体外周面との距離を精度良く検出することが出来る。また、接触型センサにおける検出対象(車体外周面)への接触部として洗車ブラシを用いることによって、車体外周面に接触する部位を少なくすることが出来て、車体外周面を傷つけるおそれも有利に軽減することが出来る。
自走式洗車機に関する本発明の第八の態様は、前記第一乃至第七の何れか一つの態様に係る自走式洗車機において、前記フレームに取り付けられる前記車輪のうち、該フレームの走行方向に対して左右の両側に位置する車輪が、前記走行駆動源にて駆動せしめられる左駆動輪及び右駆動輪とされるとともに、前記操舵手段が、該左駆動輪の回転速度及び回転方向と該右駆動輪の回転速度及び回転方向とを互いに異なるように調節する調節機構を含んで構成されて、かかる調節機構により調節された該左駆動輪と該右駆動輪の回転速度及び回転方向の差異に基づいて、該フレームの走行方向が左右方向に変化せしめられることにより、前記車体外周面に対する接近方向と離隔方向の二方向への該フレームの走行方向の変更が行なわれるようになっていることを、特徴とする。
本態様によれば、フレームを走行せしめる駆動輪が、その走行方向を変更させる操舵輪として機能せしめられる。そのため、駆動輪とは別に、操舵輪を特別に設ける場合に比して部品点数の削減が有利に図られ得る。
自走式洗車機に関する本発明の第九の態様は、前記第八の態様に係る自走式洗車機において、前記走行駆動源が、前記左駆動輪を駆動する第一の走行駆動源と、前記右駆動輪を駆動する、該第一の走行駆動源とは別個の第二の走行駆動源とを有して構成されると共に、前記調節機構が、該第一の走行駆動源の該左駆動輪に対する駆動力と該第二の走行駆動源の該右駆動輪に対する駆動力とを相対的に変化させることにより、該左駆動輪と該右駆動輪のそれぞれの回転速度及び回転方向を互いに異なるように調節可能に構成されていることを、特徴とする。
本態様によれば、左駆動輪と右駆動輪の回転速度および回転方向の調節を、より確実に行なうことが出来て、フレームの走行方向をより精度良く制御することが出来る。
自走式洗車機に関する本発明の第十の態様は、前記第九の態様に係る自走式洗車機において、前記距離検出手段の検出値が予め設定された許容範囲よりも小さくなった場合に、前記第一の走行駆動源及び前記第二の走行駆動源の駆動を、前記調節機構にて逆転せしめることにより、前記フレームを該検出値が予め設定された許容範囲内になるように前記車体外周面からの離隔方向に走行せしめて、前記左駆動輪と前記右駆動輪のうち、該車体外周面に近位の駆動輪に対する該第一の走行駆動源又は該第二の走行駆動源の駆動を、該調節機構にて停止させることにより、該フレームを該車体外周面と平行な方向に操舵するように、前記自走方向制御手段が、該調節機構を制御可能に構成されていることを、特徴とする。
また、自走式洗車機に関する本発明の第十一の態様は、前記第九又は第十の態様に係る自走式洗車機において、前記距離検出手段の検出値が予め設定された許容範囲よりも大きくなった場合に、前記第一の走行駆動源及び前記第二の走行駆動源の駆動を、前記調節機構にて逆転せしめることにより、前記フレームを該検出値が予め設定された許容範囲内になるように前記車体外周面への接近方向に走行せしめて、前記左駆動輪と前記右駆動輪のうち、該車体外周面に遠位の駆動輪に対する該第一の走行駆動源又は該第二の走行駆動源の駆動を、該調節機構にて停止させることにより、該フレームを該車体外周面と平行な方向に操舵するように、前記自走方向制御手段が、該調節機構を制御可能に構成されていることを、特徴とする。
これら第十および第十一の態様によれば、フレームの車体外周面に対する走行方向の制御が、より安定的に行われ得る。なお、例えば第十及び第十一の態様では、前記調節機構の駆動制御による前記第一の走行駆動源又は前記第二の走行駆動源の予め設定された逆転駆動時間及び駆動停止時間を計測するタイマ装置が更に設けられ、該タイマ装置による計測時間が該逆転駆動時間となるまでの間、該第一の走行駆動源及び該第二の走行駆動源が逆転駆動せしめられ、該タイマ装置による計測時間が駆動停止時間となるまでの間、該第一の走行駆動源又は該第二の走行駆動源の駆動が停止されるように、該調節機構が、前記自走方向制御手段にて制御可能とされる態様が、好適に採用される。このようなタイマ装置を採用することにより、操舵量が単位的に設定されることとなり、自走方向制御手段の制御により、車体外周面に対する接近方向と離隔方向へのフレームの走行方向の変更量が過剰となることが未然に防止され得て、洗車機の走行方向の制御が、より高精度に為され得ることとなる。
自走式洗車機に関する本発明の第十二の態様は、前記第一乃至第七の何れか一つの態様に係る自走式洗車機において、前記フレームに取り付けられた前記車輪のうちの少なくとも一つが、鉛直方向に延びる回動軸回りに回動可能に構成されて、かかる回動により、該フレームの走行方向を変更する操舵輪とされると共に、前記操舵手段が、該操舵輪を該回動軸回りに回動せしめる回動機構を含んで構成されていることを、特徴とする。
本態様によれば、単に、操舵輪を回動させるだけのシンプルな構造において、フレームの走行方向が変更され得る。そのため、洗車機の操舵操作の制御構造の付加に伴う洗車機全体の構造の複雑化が、可及的に抑制され得る。
自走式洗車機の制御方法に関する本発明の特徴とするところは、フレームと、該フレームに取り付けられて、該フレームを無軌条で走行可能とする車輪と、該車輪の少なくとも一つを駆動せしめる走行駆動源と、該フレームに対して、上下方向に延びる回転軸回りに回転可能に支持される洗車ブラシとを備え、該洗車ブラシを回転させつつ車体の外周面に押し当てながら、該フレームを該車体外周面に沿って走行せしめることにより、該車体外周面を洗滌する自走式洗車機の走行制御方法であって、前記フレームの前記車体外周面に対する離隔距離が予め設定された許容範囲から外れた場合には、該フレームを該離隔距離が予め設定された許容範囲内になるように逆方向に走行せしめて、該フレームを該車体外周面と平行な方向に操舵することにある。
本制御方法によれば、自走式洗車機の走行方向を車両の外周面に対して平行に近づけることが出来る。これにより、洗車の斑を抑え、より均一な仕上がりを得ることが出来る。更に、検出値が予め設定された許容範囲から外れた場合には、フレームが後退作動せしめられることから、フレームと車体外周面との距離を適当な範囲内に安定して保つことが出来ると共に、方向転換を円滑に行なうことも出来る。なお、本制御方法において、検出値が予め設定された許容範囲から外れた場合とは、検出値が許容範囲よりも小さくなった場合、換言すれば、車体に過剰に接近した場合と、検出値が許容範囲よりも大きくなった場合、換言すれば、車体から過剰に離隔した場合の両方でも良いし、何れか一方でも良い。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明することとする。
先ず、図1乃至図3には、本発明に従う構造を有する自走式洗車機の一実施形態として、自動車の洗滌に使用される自走式洗車機が、その正面形態と側面形態と上面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態の自走式洗車機10は、フレーム11を有している。そして、このフレーム11に対して、それを走行可能とする2種類の車輪である4個のキャスタ12と左右の走行用タイヤ14a,14bが、それぞれ取り付けられている。また、洗車ブラシ16が、回転軸17回りに回転可能に支持されている。
より具体的には、フレーム11は、基台部18を更に有して、構成されている。そして、このフレーム11の基台部18は、図4乃至図7に示される如く、略長手矩形の平板形態を呈している。また、その下面の四隅部には、自由回転する車輪を備えたキャスタ12が、それぞれ一つずつ取り付けられている。更に、このキャスタ12は、鉛直方向に延びる回動軸(図示せず)を有して、かかる回動軸回りに回動可能とされた、従来より公知の緩衝キャスタからなっている。かくして、4個のキャスタ12により、基台部18に対する下方への衝撃入力に対して緩衝作用が発揮されるようになっている。また、それと共に、路面上等における無軌条でのフレーム11の自由な方向への走行が許容されるように構成されている。なお、図4乃至図7については、フレーム11の基台部18の上面上の部材及び部品は省略すると共に、図5及び後述する図22においては、左右の走行用タイヤ14a,14b等の部材及び部品を省略している。
また、かかる基台部18の下面の長手方向中央部における幅方向の左右両側端部には、左走行用タイヤ14aと右走行用タイヤ14bとが、それらに固定された車軸20を、基台部18の幅方向内側に向かって水平に延出せしめた状態で、それぞれ配置されている。更に、それらの車軸20は、2個のベアリング22,22を有するステー24にて、基台部18の下面に回転可能に、それぞれ取り付けられている。
また、基台部18の下面における左走行用タイヤ14aと右走行用タイヤ14bの間には、それらを回転駆動せしめる走行駆動源としての左走行用モータ26aと右走行用モータ26bとが配置されている。即ち、左及び右走行用モータ26a,26bは、それぞれの駆動軸28を、基台部18の長手方向に延出せしめた状態、即ち、左及び右走行用タイヤ14a,14bの各車軸20に直交して延びる状態で、配置されている。なお、それら左及び右走行用モータ26a,26bは、それぞれ、互いに正逆両方向に回転可能とされた、例えば、従来から公知の誘電モータからなっている。
そして、そのように配置された左及び右走行用モータ26a,26bのそれぞれの駆動軸28が、各車軸20における走行用タイヤ14側とは反対側の端部に対して、そこに取り付けられるギヤボックス30内に収容された、回転方向を変換するギヤ(図示せず)を介して連結されている。これによって、同一方向に回転駆動せしめられる左及び右走行用モータ26a,26bの回転駆動に伴って、左及び右走行用タイヤ14a,14bが同一方向に回転せしめられるようになっている。そして、フレーム11の全体が、図4に矢印:アにて示される基台部18の長手方向の一方側に向かって走行せしめられるようになっている。なお、本実施形態においては、矢印:アにて示す方向がフレーム11の前進方向とされており、フレーム11を前進せしめる左右走行用モータ26a,26bの回転方向を正転、フレーム11を後退せしめる左右走行用モータ26a,26bの回転方向を逆転と呼ぶこととする。
このことから明らかなように、本実施形態では、フレーム11の走行方向に対して左側に位置する左走行用タイヤ14aにて、左駆動輪が構成されている。また、この左走行用タイヤ14aを駆動させる左走行用モータ26aにて、第一の走行駆動源が構成されている。その一方、フレーム11の走行方向に対して右側に位置する右走行用タイヤ14bにて、右駆動輪が構成されている。更に、この右走行用タイヤ14bを駆動せしめる右走行用モータ26bにて、第二の走行駆動源が構成されている。なお、以下からは、フレーム11の幅方向において、左走行用タイヤ14aが位置する側を左側、またその部分を左側部と言う。更に、右走行用タイヤ14bが位置する側を右側、またその部分を右側部と言う。そしてまた、フレーム11の長さ方向において、走行方向前方側(図4中、矢印:アにて示される側)の部分を前部、その後方側(図4中、矢印:アとは反対側)部分を後部と言うこととする。
図1乃至図9に示される如く、基台部18の左側部の上方には、タンクテーブル36が、基台部18の上面と所定距離を隔てた位置において、複数の支柱34により支持されて、設置されている(図8及び図9参照)。また、基台部18の左側部における前部と後部とには、略コ字形状を呈する板材からなる保護カバー37が、基台部18とタンクテーブル36の間を覆うようにして、それぞれ立設されている。なお、図9においては、後述する延長パイプ58を省略した形を示している。
さらに基台部18の左側部上には、ガソリンエンジン式やディーゼルエンジン式などの内燃機関式の発電機38と制御装置40とが、2個の保護カバー37,37の間に挟まれて、タンクテーブル36の下方に並んで位置するように設置されている。これによって、発電機38と制御装置40とが、その前後方向を2個の保護カバー37,37にて保護された状態で、位置せしめられている。
なお、各図では省略されているものの、発電機38は、基台部18上に、左右方向に延びるように敷設されたレールに案内されて、基台部18上を移動し、基台部18上から左側方に取り出され得るようになっている。また、保護カバー37,37の材質や構造等は特に限定されるものではない。しかし、例えば、メッシュプレートや無孔の透明プレート等、一方の面側から他方の面側が透かして視認可能であるプレートにて構成される。これによって、発電機38と制御装置40の状態が、外部から容易に確認可能となる。そして、それらのうちでも、特に、メッシュプレート等の通気性を有するものを使用すれば、内燃機関式の発電機38が効果的に冷却可能となる。また、無孔のプレートを用いれば、発電機38と制御装置40に水や泥等が付着することが有利に阻止されるといった利点が得られる。
また、ここで用いられる内燃機関式の発電機38は、よく知られているように、ガソリンや灯油等を燃料とする内燃機関(エンジン)の駆動によって交流電圧を発生するものである。そして、本実施形態においては、この発電機38が、例えば、回転子コイルに流れる電流を制御して、出力電圧を一定に保つことにより、電力動揺を減衰し、その安定化を図るように構成された、公知の自動電圧調整装置(図示せず)を内蔵している。
このような発電機38が、それに並んで配置された制御装置40と、フレーム11における基台部18の下面に取り付けられた左及び右走行用モータ26a,26bとに、電気的に接続されている。それによって、各走行用モータ26に対して、一定の電圧が安定的に供給され、また、その給電が、制御装置40にて制御されるように構成されている。
また、制御装置40には、操作手段としてのリモコン装置41が、更に電気的に接続されている。そして、このリモコン装置41に設けられる各種の押しボタンの押圧操作に基づいて、発電機38から各走行用モータ26への給電の開始及び停止が行われるようになっている。即ち、各走行用モータ26の駆動及び停止が制御装置40にて制御されて、フレーム11の前後進及び停止が行われるようになっている。なお、ここでは、リモコン装置41が、例えば、押しボタンを1回押圧操作する毎に、ON状態とOFF状態とが交互に得られる如き構造とされている。
より詳細には、図には明示されてはいないものの、リモコン装置41には、左及び右走行用モータ26a,26bを同時に駆動・停止させる押しボタンと、それらの何れか一方のみを択一的に駆動・停止させる押しボタンとが、設けられている。そして、左及び右走行用モータ26a,26bの同時駆動・停止を行う押しボタンを1回押圧操作することで、それら両走行用モータ26が駆動せしめられて、左及び右走行用タイヤ14a,14bが同一回転方向に同一回転速度で回転せしめられる。これにより、フレーム11が一方向に直進せしめられるようになっている。また、その状態から、再度、かかる押しボタンを1回押圧することで、左及び右走行用モータ26a,26bの駆動が停止せしめられて、それら両走行用モータ26のディテントトルクにより、左及び右走行用タイヤ14a,14bの回転が同時に停止せしめられる。これにより、フレーム11の走行が停止せしめられるようになっている。
一方、左及び右走行用モータ26a,26bの両方が駆動せしめられている状態下において、左走行用モータ26aのみの駆動・停止を行う押しボタンを1回押圧操作することで、左走行用モータ26aの駆動が停止せしめられて、この左走行用モータ26aのディテントトルクにより、左走行用タイヤ14aの回転のみが停止せしめられる(左走行用タイヤ14aの回転速度がゼロとされる)。このとき、右走行用タイヤ14bの回転は継続されたままとなっている。これによって、フレーム11が一旦停止し、その場で左側に方向転換せしめられる。そして、その状態から、左走行用モータ26aのみの駆動・停止を行う押しボタンを、再度、1回押圧することで、左走行用モータ26aの駆動が再開されて、左走行用タイヤ14aも再び回転せしめられる。これにより、フレーム11が、一旦停止する前に対して、左側に方向を変えた状態で、走行が再開されるようになっている。
そしてまた、それと同様に、フレーム11が走行している状態で、右走行用モータ26bのみの駆動・停止を行う押しボタンを1回押圧操作すると、右走行用タイヤ14bの回転のみが停止され(右走行用タイヤ14bの回転速度のみがゼロとされ)て、フレーム11が一旦停止した状態で、右側に方向転換せしめられる。そして、かかる押しボタンをもう1回押圧操作すると、フレーム11が、停止前に対して右側に方向を変えた状態で、走行が再開されるように構成されている。
かくして、本実施形態の自走式洗車機においては、リモコン装置41の押しボタンの押圧操作に基づいて、フレーム11の走行方向を左右の二方向に手動で変更し得るようになっているのである。そして、それによって、洗車されるべき自動車の近くまで、容易に自走可能とされている。しかも、フレーム11の走行を可能となす左及び右走行用タイヤ14a,14bが、フレーム11に設置された発電機38から左及び右走行用モータ26a,26bの給電によって回転駆動せしめられるようになっている。そのため、例えば、位置固定に設けられた電源からの給電により各走行用タイヤ14a,14bが回転駆動せしめられる場合とは異なって、フレーム11が、より自由に且つ広範囲にわたって移動可能とされ得ている。
一方、タンクテーブル36上には、洗滌液としての洗滌水が内部に収容されたタンク42が設置されている。つまり、タンク42は、発電機38の上方において、基台部18の幅方向中央部よりも左側に偏倚した位置に固設されているのである。また、このタンク42内には、水中ポンプ44が収容配置されている。そして、この水中ポンプ44には、タンク42の外部に延び出す送水パイプ46が接続されている。これによって、タンク42内の洗滌水が、水中ポンプ44の駆動により、送水パイプ46を通じて外部に送り出されるようになっている。また、かかる水中ポンプ44は、前記リモコン装置41に設けられた押しボタンの押圧操作により、前記発電機38から給電されて、駆動せしめられるようになっている。なお、図1及び図2中、48は、タンク42内への給水を行うための給水パイプである。また、50は、タンク42内の洗滌水の収容量を確認するための水位計である。
さらに、図3、図8及び図9に示されるように、フレーム11の基台部18における上記発電機38や制御装置40、タンク42の設置側とは反対側の右側部分には、全体として略半割円筒形状を呈するブラシカバー52が、半割面側が右側となるように配されて、立設されている。このブラシカバー52は、略半割円筒状の樹脂板やステンレス板からなるカバー板53と、その外側面に固着されて、それを支持する枠状支柱部54とからなっている。
そして、かかるブラシカバー52においては、枠状支柱部54の幅方向(周方向)の両側部の高さ方向における適宜の位置に、ガイドローラ55と照明装置56とが、それぞれ1個ずつ取り付けられている。ガイドローラ55は、基台部18の右側に突出し、且つその先端ローラ面が、後述するように設置された洗車ブラシ16の回転軸17の配置位置よりも更に右側に位置せしめられた状態で設置されている。これによって、後述する如き洗車作業中に、フレーム11が洗車されるべき自動車の車体外周面57(図1及び図3に二点鎖線で示す)に接近し過ぎることがあっても、ガイドローラ55が車体外周面57に接触せしめられて、フレーム11と自動車との接触が未然に防止されるようになっている。また、照明装置56は、洗車作業中に車体外周面57の洗滌位置を明るくし得る適当な位置に設置されている。
さらに、ブラシカバー52の枠状支柱部54の両側部には、前記水中ポンプ44に接続された送水パイプ46から分岐した2本の延長パイプ58が、それぞれ、ブラシカバー52の高さ方向に沿って延びるように配設されている。そして、それら各延長パイプ58には、複数の噴射口59が、互いに所定間隔をおいて設けられている。これにより、水中ポンプ44の駆動に伴って、洗滌水が、ブラシカバー52の両サイドに位置せしめられた複数の噴射口59から一斉に噴射されるようになっている。また、前記せる如く、水中ポンプ44が、自走可能なフレーム11の基台部18に設置された発電機38からの給電によって駆動せしめられるようになっている。そのため、各噴射口59からの洗滌水の噴射が任意の場所で行われ得る。このことから明らかなように、ここでは、水中ポンプ44と送水パイプ46と延長パイプ58と噴射口59とにて、比較的な簡略な構造をもって、噴射装置が構成されている。なお、図8中、60は、昇降用梯子である。
また、このようなブラシカバー52の枠状支柱部54の上端部には、補強体62が設けられている。この補強体62は、枠状支柱部54の上端部の両側部同士の間に跨って延びる、長手の狭幅平板状の第一リブ61aと、かかる第一リブ61aの長さ方向中央部から、ブラシカバー52の上端部における幅方向の中間部の2個所に向かって延びる狭幅平板状の第二及び第三リブ61b,61cとからなっている。
そして、このブラシカバー52に設けられた補強体62における第一リブ61aの側面のうち、カバー板53側とは反対側、即ち基台部18の右側に位置する側面の長さ方向中央部に対して、第一ベアリング64が、内孔を上下方向に開口させる状態で固着されている。また、基台部18においても、その右側面の前後方向の中央部に、第二ベアリング66が、内孔を上下方向に開口させ、且つ第一ベアリング64と同心的に位置せしめた状態で、固着されている。
そして、洗車ブラシ16の回転軸17が、その上端部と下端部とにおいて、上記第一ベアリング64と第二ベアリング66のそれぞれの内孔内に挿入されて固定されている。これによって、洗車ブラシ16が、その一部を、基台部18から右側に突出させた状態で、フレーム11に対して位置固定に、従って、上下方向に延びる回転軸17回りに安定的に回転可能な状態で、支持されている。かくして、ここでは、ブラシカバー52が、洗車ブラシ16の周囲のうち、左側略半分の部分を全長にわたって取り囲むように位置せしめられた状態で、洗車ブラシ16と前記発電機38及び制御装置40との間に配設されている。
このことから明らかなように、本実施形態では、ブラシカバー52と補強体62と第一及び第二ベアリング64,66とにて、支持部が構成されており、また、ブラシカバー52にて、カバー部材が構成されている。更に、後述する車体外周面57の洗車作業時において、左走行用タイヤ14aが、右走行用タイヤ14bよりも車体外周面57に対して遠位とされている。なお、洗車ブラシ16は、上部側に位置する、毛足の長い上部ブラシ19aと、下部側に位置する、上部ブラシ19aよりも毛足の短い複数の下部ブラシ19bとを有している。
かくして、本実施形態では、重量の大きな発電機38及び制御装置40と洗車ブラシ16とが、フレーム11の基台部18の左側部分と右側部分とに、それぞれ分かれて位置するように設置されている。これによって、洗車機全体の重量バランスが良好に確保され、以て、フレーム11の走行安定性の向上が図られている。また、後述する如き洗車作業中に、洗車ブラシ16の回転によって飛散した、各噴射口59から噴射された洗滌水のしぶきや泥等が、発電機38や制御装置40に掛かったり付着したりすることが、ブラシカバー52にて効果的に防止される。これによって、それら発電機38や制御装置40の使用耐久性が効果的に高められ得る。
また、洗車ブラシ16の回転軸17の上端部に設けられた補強体62の上面には、例えば誘導モータからなるブラシ駆動モータ68が、図示しない駆動軸を水平方向に延出せしめた状態で固定されている。更に、かかるブラシ駆動モータ68の駆動軸と、第一ベアリング64の内孔を貫通して延びる回転軸17の上端縁部との間には、ギヤボックス70が介在せしめられている。そして、それら回転軸17とブラシ駆動モータ68の駆動軸とが、このギヤボックス70内に収容された回転方向を変換するギヤ(図示せず)を介して、連結されている。これによって、ブラシ駆動モータ68の駆動に伴って、洗車ブラシ16が、回転軸17回りに回転駆動せしめられるようになっている。
また、このようなブラシ駆動モータ68は、前記リモコン装置41に設けられた押しボタンの押圧操作により、前記制御装置40の制御の下で、駆動・停止が行われるようになっている。即ち、かかる押しボタンを1回押圧操作することで、ブラシ駆動モータ68が、自走可能なフレーム11に設置された発電機38から給電されて、駆動せしめられる。また、そのような状態下において、押しボタンをもう1回押圧操作すると、ブラシ駆動モータ68の駆動が停止せしめられるようになっている。これによって、本実施形態においては、任意の場所で、洗車ブラシ16を回転駆動せしめることが出来、以て、所望の場所での洗車が可能となっている。
さらに、ここでは、ブラシ駆動モータ68が、制御装置40に内蔵された回転速度調節装置にて、回転速度が任意に調節されるようになっている。なお、前記せる如くブラシ駆動モータ68が、誘導モータにて構成されている。それ故、回転速度調節装置による回転速度制御は、例えば、従来より公知のデューティー比制御や、コンバータ制御とインバータ制御を併用した制御、更にはサイクルコンバータ制御等によって容易に実現される。
そして、そのように、ブラシ駆動モータ68が、制御装置40に内蔵の回転速度調節装置にて回転速度が任意に調節されるようになっていることによって、例えば、後述する如き洗車作業において、車体外周面57の汚れ状態等に応じて、洗車ブラシ16の回転速度を増減出来る。また、洗車ブラシ16の回転を緩やかな速度でスタートさせる、所謂ソフトスタートを行うことが可能となる。これによって、洗滌作業の効率化や、洗車ブラシ16の急激な高速回転スタートの衝撃による危険性の回避等が、有利に図られ得る。
而して、かくの如き構造とされた自走式洗車機にあっては、図1及び図3に示されるように、先ず、フレーム11を、洗車ブラシ16が、洗車されるべき自動車の車体外周面57に押し当てられるように配置する。つまり、フレーム11を、その進行方向に向かって右側に車体外周面が位置するように配置する。また、その状態下で、水中ポンプ44の作動により、ブラシカバー52の両サイドから、タンク42内の洗滌水を噴射させる。それと共に、洗車ブラシ16を、ブラシ駆動モータ68にて回転させる。そして、左及び右走行用モータ26a,26bの駆動に伴う左及び右走行用タイヤ14a,14bの回転駆動により、洗車ブラシ16を洗車されるべき自動車の車体外周面57に押し当てつつ、フレーム11をかかる車体外周面57に沿って走行せしめる。これによって、自動車の車体外周面57の洗滌を行い得るようになっているのである。
そしてまた、本実施形態に係る自走式洗車機にあっては、上記の如き洗車作業において、洗車されるべき自動車の車体外周面57に沿って走行せしめられるフレーム11が、かかる車体外周面57に接近する程、つまり走行方向が右側となる程、車体外周面57への洗車ブラシ16の押し当て量が増大する。それによって、車体外周面57に押し当てられる洗車ブラシ16に生ずる抵抗力が増大せしめられるようになる。その反対に、フレーム11が車体外周面57から離間する程、つまり走行方向が左側となる程、車体外周面57への洗車ブラシ16の押し当て量が減少して、洗車ブラシ16に生ずる抵抗力が減少することとなる。従って、ここでは、特に、そのような抵抗力に基づいて、フレーム11(洗車機)と車体外周面57との距離が、予め設定された範囲の大きさとなるように、フレーム11の走行方向が制御されるようになっているのである。
すなわち、かくの如きフレーム11の走行方向の制御系を示す図10から明らかなように、ここでは、スイッチ74のON作動により、発電機38からブラシ駆動モータ68に給電されて、ブラシ駆動モータ68の駆動(洗車ブラシ16の回転駆動)が開始されるようになっている。このスイッチ74は、前述せる如きリモコン装置41に設けられた押しボタンの押圧操作に基づいて、ON・OFF作動せしめられる。
また、それら発電機38とブラシ駆動モータ68との間には、ブラシ駆動モータ68の回転駆動時(発電機38からブラシ駆動モータ68への給電時)における発電機38からブラシ駆動モータ68への供給電流値を検出する電流計76が、設けられている。
ここにおいて、前記せる如く、発電機38は、自動電圧調整装置を内蔵していることによって、出力電圧が一定に保たれるようになっている。また、ブラシ駆動モータ68は、誘導モータにて構成されている。そして、このブラシ駆動モータ68においては、車体外周面57に対するフレーム11の接近により、かかる車体外周面57に対する洗車ブラシ16の押し当て量が増加して、洗車ブラシ16の回転抵抗力が増大せしめられると、それに伴って、回転速度が不可避的に低下せしめられることとなる。一方、よく知られているように、誘導モータは、印加電圧が一定である場合、その回転速度の低下に伴って、電流値が増加せしめられる。
従って、ここでは、ブラシ駆動モータ68の回転駆動時に、電流計76にて検出される電流値の大きさに基づいて、洗車ブラシ16の車体外周面57への押し当てにより生ずる抵抗力が、洗車ブラシ16の回転抵抗力として検出されるようになっている。換言すれば、フレーム11の車体外周面57に対する離隔距離が、洗車ブラシ16の回転抵抗力として検出されるようになっているのである。このことから明らかなように、本実施形態では、電流計76にて、抵抗力検出手段が、比較的に簡略で且つコンパクトな構造をもって構成されており、フレーム11と車体外周面57との離隔距離を検出する距離検出手段を構成する接触型センサが、抵抗力検出手段を含んで構成されている。なお、本実施形態においては、フレーム11が車体外周面57に近づく程、抵抗力検出手段の検出値は大きくなり、フレーム11が車体外周面57から離れる程、抵抗力検出手段の検出値は小さくなる。即ち、抵抗力検出手段の検出値(抵抗値)が大きいときは、距離検出手段の検出値としては小さい(車体外周面57に近い)こととなり、抵抗力検出手段の検出値(抵抗値)が小さいときは、距離検出手段の検出値としては大きい(車体外周面57から遠い)こととなる。
また、発電機38は、左及び右走行用モータ26a,26bに対して、制御装置40を介して接続されている。この制御装置40は、調節部78と操作部79とタイマ部80とを有している。そして、この制御装置40の調節部78に、電流計76による検出値が、逐次入力されるようになっている。また、かかる制御装置40の調節部78には、ブラシ駆動モータ68の回転駆動時における発電機38からブラシ駆動モータ68への供給電流の上限基準値と下限基準値とが、予め入力されている。
なお、本実施形態では、上記上限基準値と下限基準値とを、以下のようにして、決定した。即ち、先ず、フレーム11と車体外周面57との間の距離を、洗車ブラシ16による車体外周面57の洗滌に適していると判断される許容範囲内の大きさとした状態で、ブラシ駆動モータ68が回転駆動せしめられたときの発電機38からブラシ駆動モータ68への供給電流値の上限値と下限値とを、予め測定した。そして、供給電流値が、かかる下限値から上限値までであるときの回転抵抗力の範囲を、その許容範囲として設定した。また、そうした上で、かかる電流値の上限値と下限値とを、制御装置40に予め入力される上限基準値及び下限基準値として設定したのである。
なお、かかる洗滌に適した洗車ブラシ16と車体外周面57との距離とは、例えば、回転せしめられる洗車ブラシ16の車体外周面57への押し当てにより、ブラシ駆動モータ68に過度の負担が掛けられることがなく、また、車体外周面57が傷付けられることもなく、しかも車体外周面57の汚れが確実に落とされ得る程度の距離を言う。従って、上記の如くして設定される上限及び下限基準値は、車体外周面57の形状や汚れの状態等によって、適宜に変更されるものであることが、理解されるべきである。
そして、前記制御装置40の調節部78においては、電流計76から逐次入力される前記検出値と、予め入力された上限及び下限基準値とが随時比較される。その結果、かかる検出値が上限基準値よりも大きいか、下限基準値よりも小さい場合、即ち、検出値に基づいて把握される洗車ブラシ16の回転抵抗力が許容範囲から外れる場合には、調節部78から操作部79に対して、左走行用モータ26aおよび右走行用モータ26bの駆動停止信号が出力されるようになっている。これにより、操作部79にて、左右走行用モータ26a、26bに対する発電機38からの給電が停止されて、左右走行用モータ26a、26bの駆動が停止せしめられる。以て、左走行用タイヤ14aおよび右走行用タイヤ14bの回転が停止せしめられる(回転速度がゼロとされる)ようになっている。
続いて、調節部78から操作部79に対して、左右走行用モータ26a,26bの逆転信号が出力されるようになっている。これにより、操作部79にて、左右走行用モータ26a,26bに対する発電機38からの給電が開始されて、左右走行用モータ26a,26bが逆方向に駆動せしめられる。以て、左右走行用タイヤ14a,14bが逆方向に回転せしめられる。
さらに、かかる制御装置40においては、調節部78からの入力信号に基づく操作部79による左右走行用モータ26a、26bの逆転駆動の開始からの経過時間が、タイマ装置としてのタイマ部80にて計測されるようになっている。そして、左右走行用モータ26a,26bが逆転駆動せしめられて、タイマ部80による計測時間が予め設定された設定時間である逆転駆動時間となったときに、操作部79にて、検出値が上限基準値よりも大きい場合には、車体外周面57の近位に位置する右走行用タイヤ14bを駆動せしめる右走行用モータ26bに対する発電機38からの給電が停止されて、右走行用タイヤ14bのみの回転が停止せしめられる一方、検出値が下限基準値よりも小さい場合には、車体外周面57の遠位に位置する左走行用タイヤ14aを駆動せしめる左走行用モータ26aに対する発電機38からの給電が停止されて、左走行用タイヤ14aのみの回転が停止せしめられる。なお、左右走行用モータ26a,26bを逆転せしめる時間となる逆転駆動時間としては、電流計76から入力される検出値が許容範囲から外れる場合に想定されるフレーム11の進行方向の車体外周面57に対する傾きやフレーム11の後退速度等を考慮して、逆転駆動時間だけフレーム11が後退せしめられた場合に、電流計76から入力される検出値が許容範囲内となる時間を設定した。
加えて、タイマ部80は、調節部78からの入力信号に基づく操作部79による左走行用モータ26a又は右走行用モータ26bの駆動停止操作の開始からの経過時間が計測可能とされている。そして、このタイマ部80による計測時間が予め設定された設定時間である駆動停止時間となったときに、操作部79にて、検出値が上限基準値よりも大きい場合には、逆転駆動せしめられている左走行用モータ26aに対する発電機38からの給電が停止されて、左走行用タイヤ14aの回転が停止せしめられる一方、検出値が下限基準値よりも小さい場合には、逆転駆動せしめられている右走行用モータ26bに対する発電機38からの給電が停止されて、右走行用タイヤ14bの回転が停止せしめられる。そして、左右走行用モータ26a,26bに対する発電機38からの給電が停止された後に、左右走行用モータ26a,26bの正転駆動が再開されるようになっている。なお、左右走行用モータ26a,26bの一方のみを停止せしめる時間となる駆動停止時間としては、電流計76から入力される検出値が許容範囲から外れる場合に想定されるフレーム11の進行方向の車体外周面57に対する傾きやフレーム11の回転半径等を考慮して、駆動停止時間だけフレーム11を旋回せしめた場合に、フレーム11の進行方向が車体外周面57に対して略平行となる時間を設定した。
すなわち、ここでは、電流計76による検出値に基づいて、制御装置40の操作部79により、左走行用モータ26aと右走行用モータ26bのそれぞれの駆動力が相対的に変化せしめられて、左走行用タイヤ14aと右走行用タイヤ14bのそれぞれの回転速度および回転方向を互いに異ならせて調節されるように構成されている。なお、検出値と上限及び下限基準値とを比較する調節部78は、例えば、公知のメーターリレーを2個用い、そのうちの1個を、検出値が上限基準値を越えたか否かを検出するハイレベル用検出器として、また、別の1個を、検出値が下限基準値を下回った否かを検出するローレベル用検出器として、組み合わせて使用することによって、容易に実現可能である。
また、上記せる如く、制御装置40の調節部78に予め入力される上限及び下限基準値は、適宜に変更され得るものである。それ故、ここでは、制御装置40に対して、テンキー等を有する入力装置82が接続されている。そして、この入力装置82のテンキー等の操作により、上限及び下限基準値の制御装置40への入力及び変更が容易となっている。
かくして、本実施形態の自走式洗車機10においては、電流計76による検出値に基づいて、フレーム11と車体外周面57との間の距離の大きさが、予め設定された範囲内であるか否かが判断されて、フレーム11と車体外周面57との間の距離が、かかる設定範囲よりも小さいと判断されたときに、制御装置40の調節部78と操作部79とタイマ部80とにて、左右走行用モータ26a,26bが一旦停止せしめられた後に、所定の逆転駆動時間の間だけ逆転駆動せしめられて、車体外周面57から離隔せしめられる。その後、右走行用モータ26bの駆動のみが、所定の駆動停止時間の間だけ停止せしめられる。それにより、フレーム11が後退せしめられつつ右走行用タイヤ14bを中心に走行方向の右方向、換言すれば、車体外周面57から離隔する方向に旋回せしめられる。以て、フレーム11の走行方向が車体外周面57と略平行となるように操舵されて、車体外周面57に沿って走行せしめられるようになっている。
一方、フレーム11と車体外周面57との間の距離が、所定の設定範囲よりも大きいと判断されたときには、制御装置40の調節部78と操作部79とタイマ部80とにて、左右走行用モータ26a,26bが一旦停止せしめられた後に、所定の逆転駆動時間の間だけ逆転駆動せしめられて、車体外周面57に接近せしめられる。その後、左走行用モータ26bの駆動のみが、所定の駆動停止時間の間だけ停止せしめられる。それにより、フレーム11が後退せしめられつつ左走行用タイヤ14aを中心に走行方向の左方向、換言すれば、車体外周面57に接近する方向に旋回せしめられる。以て、フレーム11の走行方向が車体外周面57と略平行となるように操舵されて、車体外周面57に沿って走行せしめられるようになっている。
そして、その結果、フレーム11の走行方向が、車体外周面57に追従した、所謂ならい制御方式によって制御されるようになっているのである。なお、これらのことから明らかなように、本実施形態では、左右の走行用モータ26a,26bと制御装置40の操作部79を含んで、操舵手段が構成されていると共に、制御装置40の操作部79にて、調節機構が構成されている。更に、制御装置40の調節部78にて、自走方向制御手段が構成されている。そして、制御装置40のタイマ部80にて、タイマ装置が構成されている。
次に、このようなフレーム11(自走式洗車機10)の走行方向制御を、図11に示されるフローチャートに基づいて、説明する。
すなわち、このフレーム11の走行方向の制御プログラムは、左走行用モータ26aと右走行用モータ26bとが回転駆動せしめられている状態下で、スイッチ74がON作動せしめられることによってスタートされる。そして、かかるスタートから、先ず、ステップS1(以下、単にS1で表す。他のステップについても同じ。)において、ブラシ駆動モータ68の回転駆動が開始されて、洗車ブラシ16の回転が開始される。
次に、S2において、電流計76による検出値:Aが、上限基準値:Kmax よりも大きいか否かが判定される。この判定結果がNOとなったときは、S3において、電流計76による検出値:Aが、下限基準値:Kmim よりも小さいか否かが判定される。また、この判定結果がNOとなったときは、S4が実行される。
そして、S4において、ブラシ駆動モータ68の回転駆動が停止しているか否かが、更に判定される。この判定結果がNOとなったときは、S2に戻って、S2からS4までが繰り返し実行されて、洗車ブラシ16の回転が継続して行われる。一方、S4での判定結果がYESとなったときには、このフレーム11の走行方向の制御プログラムが終了せしめられる。
なお、S2とS3での判定結果において、電流計76による検出値:Aが上限基準値:Kmax よりも小さく且つ下限基準値:Kmim よりも大きいと判定される場合には、自走式洗車機全体が、自動車の車体外周面57に対して適度な距離を隔てて走行せしめられていると判断される。そして、左走行用モータ26aと右走行用モータ26bの両方が継続的に正転駆動せしめられる。これによって、フレーム11が、走行方向を何等変更せしめられることなく、真っ直ぐに走行せしめられるようになる。
一方、S2での判定結果がYESとなったときには、自走式洗車機全体が、自動車の車体外周面57に過剰に接近したと判断される。そして、S5において、左右走行用モータ26a、26bの駆動が停止せしめられる。
続いて、S6において、左右走行用モータ26a,26bの逆転駆動が開始される。また、S7において、制御装置40のタイマ部80により、S6で左右走行用モータ26a、26bが逆転駆動せしめられた時点から予め設定された逆転駆動時間までの計時が開始される。また、続くS8において、タイマ部80の計時が終了せしめられて、タイマ部80がリセットされる。これにより、タイマ部80による計時の開始から終了までの逆転駆動時間をかけて、フレーム11が後退せしめられて、車体外周面57から離隔せしめられる。
その後、S9において、車体外周面57に近位の右走行用モータ26bの駆動のみが停止せしめられる。また、S10において、タイマ部80により、S9で右走行用モータ26bが駆動停止せしめられた時点から予め設定された駆動停止時間までの計時が開始される。そして、S11において、タイマ部80の計時が終了せしめられて、タイマ部80がリセットされる。その後、S12において、逆転駆動せしめられていた左走行用モータ26aも駆動停止せしめられる。これにより、タイマ部80による計時の開始から終了までの駆動停止時間をかけて、フレーム11が旋回せしめられて、フレーム11の走行方向が車体外周面57に対して平行となるように操舵される。
そして、S13において、左右走行用モータ26a,26bの正転駆動が再開される。以て、自走式洗車機10が、車体外周面57に沿って走行せしめられるようになる。その後、S2に戻って、S2以下が実行される。
一方、S3での判定結果がYESとなったときには、自走式洗車機全体が、自動車の車体外周面57から過剰に離隔したと判断される。そして、S14において、左右走行用モータ26a、26bの駆動が停止せしめられる。
続いて、S15において、左右走行用モータ26a,26bの逆転駆動が開始される。また、S16において、制御装置40のタイマ部80により、S15で左右走行用モータ26a、26bが逆転駆動せしめられた時点から予め設定された逆転駆動時間までの計時が開始される。また、続くS17において、タイマ部80の計時が終了せしめられて、タイマ部80がリセットされる。これにより、タイマ部80による計時の開始から終了までの逆転駆動時間をかけて、フレーム11が後退せしめられて、車体外周面57に接近せしめられる。
その後、S18において、車体外周面57に対して遠位の左走行用モータ26aの駆動のみが停止せしめられる。また、S19において、タイマ部80により、S18で左走行用モータ26aが駆動停止せしめられた時点から予め設定された駆動停止時間までの計時が開始される。そして、S20において、タイマ部80の計時が終了せしめられて、タイマ部80がリセットされる。その後、S21において、逆転駆動せしめられていた右走行用モータ26bも駆動停止せしめられる。これにより、タイマ部80による計時の開始から終了までの駆動停止時間をかけて、フレーム11が旋回せしめられて、フレーム11の走行方向が車体外周面57に対して平行となるように操舵される。
そして、S22において、左右走行用モータ26a,26bの正転駆動が再開される。以て、自走式洗車機10が、車体外周面57に沿って走行せしめられるようになる。その後、S2に戻って、S2以下が実行される。
次に、上述の如きプログラムに基づいて、フレーム11の走行方向を制御する方法について、図12に基づいて説明する。
すなわち、先ず、工程番号0に示されるように、自走式洗車機10を、洗車されるべき自動車の車体外周面57の近くにまで移動させる。これは、ブラシ駆動モータ68を回転駆動させることなく、従って、制御装置40の調節部78にて、ブラシ駆動モータ68への供給電流の電流計76による検出値がゼロとされ(ブラシ電流値:H、Lが何れもOFFとされ)、且つ左走行用モータ:Gと右走行用モータ:Nの両方が駆動せしめられている状態下において、例えば、リモコン装置41の押しボタンの押圧操作を、前述せる如き要領で実施することにより、容易に行われる。
次に、自走式洗車機10を車体外周面57の近くにまで移動させたら、リモコン装置41の押しボタンの押圧操作により、スイッチ74をON作動させて、ブラシ駆動モータ68を回転駆動させる。これによって、洗車ブラシ16を回転させる。また、それと共に、ブラシ駆動モータ68と制御装置40と電流計76とによるフレーム11の走行方向制御を開始させる。
かくして、工程番号1に示されるように、洗車ブラシ16が車体外周面57に接触せしめられる。このとき、フレーム11と車体外周面57との間の距離が適度な大きさとされて、電流計76による検出値が上限基準値よりも小さく且つ下限基準値よりも大きな値(ブラシ電流値:H=OFF、L=ON)とされている間は、左走行用モータ:Gと右走行用モータ:Nの両方を正転駆動せしめて、自走式洗車機10を、車体外周面57に沿って更に走行せしめる。
そして、工程番号2aに示されるように、フレーム11が車体外周面57に過剰に接近して、電流計76による検出値が上限基準値を上回る値(ブラシ電流値:H=ON、L=ON)となったら、左右走行用モータ:N,Gを一旦停止せしめた後に、所定の逆転駆動時間だけ逆転駆動させる。このときの逆転駆動時間は、想定し得る自走式洗車機10の走行方向の車体外周面57に対する角度や自走式洗車機10の走行速度等を考慮して、フレーム11の車体外周面57に対する過渡の離隔乃至は接近を解消し得る時間を、予め適宜に設定しておく。これにより、フレーム11が車体外周面57から離隔せしめられ、フレーム11と車体外周面57との間の距離が適度な大きさとされて、電流計76による検出値が上限基準値よりも小さく且つ下限基準値よりも大きな値(ブラシ電流値:H=OFF,L=ON)とされる。
続いて、工程番号2bに示されるように、車体外周面57に近位の右走行用モータ:Nのみを、所定の駆動停止時間だけ停止せしめて、自走式洗車機10の走行方向を、車体外周面57に沿うように操舵する。このときの駆動停止時間についても、想定し得る自走式洗車機10の走行方向の車体外周面57に対する角度や自走式洗車機10の走行速度等を考慮して、車体外周面57に対して接近乃至は離隔する際のフレーム11の移動方向を解消するだけの操舵を実現し得る時間に、予め適宜に設定しておく。その後、左走行用モータ:Gを一旦停止した後に、左右走行用モータ:N,Gを正転駆動せしめる。これにより、工程番号1に戻り、フレーム11が車体外周面57に対して適度な距離を保って、自走式洗車機10が、車体外周面57に沿って走行せしめられる。
一方、工程番号3aに示されるように、フレーム11が車体外周面57から過剰に離隔して、電流計76による検出値が下限基準値を下回る値(ブラシ電流値:H=OFF、L=OFF)となったら、左右走行用モータ:N,Gを一旦停止せしめた後に、所定の逆転駆動時間だけ逆転駆動させる。これにより、フレーム11が車体外周面57に接近せしめられ、フレーム11と車体外周面57との間の距離が適度な大きさとされて、電流計76による検出値が上限基準値よりも小さく且つ下限基準値よりも大きな値(ブラシ電流値:H=OFF,L=ON)とされる。
続いて、工程番号3bに示されるように、車体外周面57に遠位の左走行用モータ:Gのみを、所定の駆動停止時間だけ停止せしめて、自走式洗車機10の走行方向を、車体外周面57に沿うように操舵する。その後、左走行用モータ:Nを一旦停止した後に、左右走行用モータ:N,Gを正転駆動せしめる。これにより、工程番号1に戻り、フレーム11が車体外周面57に対して適度な距離を保って、自走式洗車機10が、車体外周面57に沿って走行せしめられる。
そして、フレーム11と車体外周面57との間の距離に応じた電流計76による検出値の変化に基づいて、工程番号2a,2bおよび3a,3bを適宜に行なうことによりフレーム11の走行方向を操舵することで、自走式洗車機10を、車体外周面に沿って走行せしめるのである。
なお、フレーム11の操舵の具体的な構成や態様は、上述の形態に限定解釈されるものでない。例えば、工程番号2aや工程番号3aにおける操舵角度や走行速度によっては、工程番号2bや工程番号3bの旋回において、上述の如き所定時間の片輪停止だけでは対応が困難な場合があり、その場合には、片輪を停止させるだけでなく所定時間だけ逆転駆動させるようにしても良い。また、左右両輪の中間点に対する洗車ブラシ16の相対位置(偏倚量)が大きい場合には、片輪だけを停止させて操舵すると洗車ブラシ16の車体外周面57に対する相対距離が、かかる操舵に起因して大きく変化してしまうおそれがある。そのような場合にも、左輪と右輪の相対回転量や相対回転方向を適当に調節して、洗車ブラシ16の車体外周面57に対する相対距離を出来るだけ保ちつつ、移動(走行)方向を操舵することが望ましい。このように、特に左右一対の走行用タイヤ14a,14bの相対回転差に基づいて操舵するようにした上述の実施形態の自走式洗車機10においては、例えば、後述する図22に記載の如き方向変更型の操舵輪を備えたものに比して、狭いスペースで速やかに移動(走行)方向を変更することが出来るのであり、それ故、洗車ブラシ16の車体外周面57に対する相対距離を速やかに精度良く変更調節することが出来る共に、上述の如き方向制御も速やかに行うことが出来るという利点がある。
更にまた、例えば工程番号2aや工程番号3aの後退時における左右走行用タイヤ14a,14bの回転速度を異ならせることによって、工程番号2aおよび工程番号3aにおける後退と工程番号2bおよび工程番号3bにおける旋回を同時に行なうことも可能である。具体的には、工程番号2aの後退時において、車体外周面57に対して近位の右走行用タイヤ14bの逆転駆動の回転速度を、左走行用タイヤ14aの逆転駆動の回転速度よりも低速に調節したり、工程番号3aの後退時において、車体外周面57に対して遠位の左走行用タイヤ14aの逆転駆動の回転速度を、右走行用タイヤ14bの逆転駆動の回転速度よりも低速に調節することによって、自走式洗車機10を後退せしめつつ旋回せしめて、その走行方向を車体外周面57に対して平行に操舵することが出来る。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の自走式洗車機10にあっては、電流計76にて検出されるブラシ駆動モータ68への供給電流値に基づいて、車体外周面57との距離を一定に保ちつつ走行せしめられるように、フレーム11の走行方向が制御されて、車体外周面57の洗車が行われるようになっている。それ故、例えば、洗車に際して不可避的に生ずる水しぶきや泥等による影響を受けることなく、フレーム11の走行方向の制御量が、極めて安定的に得られる。
従って、かくの如き本実施形態の自走式洗車機10にあっては、車体外周面57との距離を一定に保持した状態で、洗車ブラシ16を車体外周面57に押し当てつつ、車体外周面57に沿って走行せしめる操舵操作の自動化が、信頼性の高い安定した走行制御に基づいて、極めて有利に実現され得る。そして、その結果として、美麗な仕上がり状態が安定して得られる洗車作業を良好な作業環境の下で効率的に行うことが可能となる。
そこにおいて、特に本実施形態の自走式洗車機10においては、車体外周面57に過剰に接近乃至は離隔せしめられた場合には、フレーム11が一旦後退作動せしめられて、車体外周面57に対する適正な位置に移動せしめられるようになっている。これにより、洗車ブラシ16の車体外周面57への当接圧をより安定して確保することが出来て、斑を抑えた仕上がり状態を得ることが出来る。更に、特に車体外周面57に過剰に接近して、フレーム11の走行方向を転換する場合において、一旦フレーム11が車体外周面57から離隔せしめられることから、フレーム11の旋回作動が車体外周面57で阻害されるおそれも軽減されており、より円滑な操舵を行なうことが可能とされている。
また、かかる自走式洗車機10においては、フレーム11を走行せしめるための走行用モータ26a,26bにて駆動せしめられる駆動輪としての走行用タイヤ14a,14bにて、フレーム11、更には洗車機10の走行方向の変更が可能となるように構成されている。そのため、例えば、フレーム11の走行方向を変更するための専用の操舵輪等を、駆動輪とは別個に設ける場合に比して、部品点数を有利に削減出来るといった利点がある。
なお、上述の自走式洗車機10においては、電流計76による検出値が、上限基準値から下限基準値までの許容範囲から外れたときにフレーム11の走行方向が調節されるようになっていたが、例えば、検出値が許容範囲内であっても、かかる検出値の所定時間あたりの変化量に基づいて、フレーム11の走行方向を適宜に補正操舵することが、より好ましい。なお、以下に示す各態様において、前記第一の実施形態と同様な構造とされた部位及び部材については、図1乃至図10図と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
すなわち、フレーム11の走行方向が車体外周面57に対して傾斜している場合には、時間の経過に伴って電流計76による検出値が変化する。例えば図13に概略的に示すように、検出値:Aは、上源基準値:Kmax から下限基準値:Kmin の範囲内であっても、フレーム11の走行方向が車体外周面57に対して接近方向に傾斜している場合には、検出値:Aは、時間の経過に伴って大きくなる。一方、フレーム11の走行方向が車体外周面57に対して離隔方向に傾斜している場合には、検出値:Aは、時間の経過に伴って小さくなる。従って、所定時間における検出値の変化量から、フレーム11の走行方向の車体外周面57に対する傾斜の程度を得ることが出来る。そこで、かかる傾斜の程度に応じて、フレーム11の走行方向を補正操舵すれば、フレーム11が車体外周面57に過剰に接近乃至は離隔する前に、フレーム11を車体外周面57に対して平行に補正操舵することが出来る。
このような補正操舵は、上述の実施形態に示した装置で図14に示す補正操舵プログラムを実行することによって実現することが出来る。なお、本態様においては、調節部78は、電流計76による検出値が記憶可能とされている。先ず、S30において、所定の計時開始時刻:T1 における電流計76による検出値:A1 が、調節部78に記憶される。次に、S31において、制御装置40のタイマ部80により、所定時間の計時が開始される。そして、S32において、タイマ部80の計時が終了せしめられて、タイマ部80がリセットされ、S33において、所定の計時開始時刻:T2 におけるタイマ部80の計時が終了せしめられたときの電流計76による検出値:A2 が調節部78に記憶される。
続いて、S34において、タイマ部80の計時開始時刻:T1 から計時終了時刻:T2 までの検出値:Aの変化量((A2 −A1 )/(T2 −T1 ))を算出する。このように、本実施形態においては、タイマ部80、調節部78、S34を含んで、変化量測定手段が構成されている。そして、S35において、検出値:Aの変化量が0であるか否かを判定し、この判定結果がYESである場合には、フレーム11は車体外周面57に対して平行に走行せしめられていることとなるから、S30に戻って、S30以降が繰り返し実行される。
一方、S35の判定結果がNOである場合には、S36において、検出値:Aの変化量が正か否かが判定される。この判定結果がYESとなったときは、フレーム11が車体外周面57に対して接近方向に走行せしめられていることとなる。そこで、S37において、車体外周面57に対して遠位の左走行用タイヤ14aを駆動せしめる左走行用モータ26aの駆動のみを停止せしめる。そして、S38において、タイマ部80によって所定時間の計時が開始される。続いて、S39において、タイマ部80の計時が終了せしめられて、タイマ部80がリセットされる。その後、S40において、左走行用モータ26aの駆動が再開される。これにより、タイマ部80による計時の開始から終了までの時間をかけて、フレーム11が車体外周面57から離隔方向に旋回せしめられて、フレーム11の走行方向が車体外周面57に対して平行となるように補正操舵される。
一方、S36における検出値:Aの変化量が正か否かの判定結果がNOとなったときは、フレーム11が車体外周面57に対して離隔方向に走行せしめられていることとなる。そこで、S41において、車体外周面57に対して近位の右走行用タイヤ14bを駆動せしめる右走行用モータ26bの駆動のみを停止せしめる。そして、S42において、所定時間の計時が開始される。続いて、S43において、タイマ部80の計時が終了せしめられて、タイマ部80がリセットされる。その後、S44において、右走行用モータ26bの駆動が再開される。これにより、タイマ部80による計時の開始から終了までの時間をかけて、フレーム11が車体外周面57への接近方向に旋回せしめられて、フレーム11の走行方向が車体外周面57に対して平行となるように補正操舵される。
このように、本態様においては、タイマ部80、調節部78、操作部79、S36〜S44を含んで補正操舵手段が構成されている。そして、このようにすれば、車体外周面57とフレーム11との離隔距離を検出する距離検出手段の測定点が洗車ブラシ16による単一のものであっても、フレーム11の走行方向の車体外周面57に対する傾斜角度を検出することが出来て、フレーム11が車体外周面57に過剰に接近乃至は離隔する前にフレーム11の補正操舵を行うことが出来る。これにより、より長い時間に亘ってフレーム11を車体外周面57に対して平行に走行せしめることが可能とされて、自走式洗車機10の走行安定性の向上と、それに伴う洗車の精度や信頼性の向上が図られる。
なお、左右走行用モータ26a,26bの一方のみを停止せしめてフレーム11を旋回せしめる所定時間(図14におけるS38からS39の間、およびS42からS43の間の所定時間)としては、適当な値を予め設定しておいても良いが、算出された検出値:Aの変化量(傾き)からフレーム11の走行方向の車体外周面57に対する傾斜角度を算出して、かかる傾斜角度を解消し得る時間を補正操舵の度に設定することがより好ましい。そこにおいて、傾斜角度を解消し得る時間は、想定される傾斜角度の最小値から最大値までを適当な範囲毎に分割して、かかる傾斜角度の範囲に対応する所定時間を予め記憶せしめたテーブルを用意しても良いし、所定の計算式に基づいてその都度算出する等しても良い。このようにすれば、フレーム11の傾斜の程度に応じた量の補正操舵を行なうことが出来て、フレーム11をより確実に車体外周面57に対して平行にすることが出来る。
また、図15に示すように、車体外周面57aの洗滌が完了して、フレーム11が車体外周面57aの端部83に到達した場合には、かかる端部83を共通して車体外周面57aから連続する車体外周面57bにフレーム11を回り込ませるように旋回せしめる等しても良い。このような制御を実現するためには、例えば図16に示すように、非接触型の光学式センサや、接触式の機械式センサ等の端部検出手段としての距離センサ87をフレーム11の進行方向の前方端部85に位置せしめられるように、ブラシカバー52における枠状支柱部54等の適当な位置に取り付けて、車体外周面57aの端部83を検出可能に構成する。なお、本態様においては、距離センサ87として、赤外光レーザーを用いる非接触型の光電センサが用いられている。また、距離センサ87は、制御装置40の調節部78に接続されており、距離センサ87の検出値が調節部78に逐次入力されるようになっている。
そして、図17に示す旋回操舵プログラムを実行する。先ず、S50において、距離センサ87の検出値に基づいて、フレーム11の前方端部85が車体外周面57aの端部83に到達したか否かを判定する。かかる判定結果がNOの場合には、S50を繰り返す。一方、判定結果がYESの場合には、S51において、タイマ部80によって所定時間の計時が開始される。かかる所定時間は、フレーム11の走行速度を考慮して、フレーム11が、フレーム11の前方端部85から左右走行用タイヤ14a,14bの接地部分までの長さ:l1 と車体外周面57aに近位の右走行用タイヤ14bの車体外周面57aからの距離:l2 だけ進む時間が設定される。なお、右走行用タイヤ14bの車体外周面57aからの距離:l2 は、例えば、距離センサ87の検出値に基づいて得ることが出来る。そして、S52において、タイマ部80の計時が終了せしめられて、タイマ部80がリセットされる。その後、S53において、左右走行用モータ26a,26bの駆動が停止せしめられる。これにより、フレーム11は、車体外周面57aの端部83から距離:l2 だけ突出して停止せしめられる。
次に、S54において、車体外周面57aに対して遠位の左走行用タイヤ14aを駆動せしめる左走行用モータ26aのみが正転駆動せしめられる。これにより、フレーム11は、右走行用タイヤ14bを回転中心として旋回せしめられる。そして、S55において、タイマ部80によって所定時間の計時が開始される。かかる所定時間は、フレーム11の走行方向が90°回転せしめられる時間、換言すれば、左走行用タイヤ14aが、左右走行用タイヤ14a,14bの接地部分の離隔距離:l3 を半径とする円周を1/4周(2Πl3 ×1/4)だけ走行する時間が設定される。
そして、S56においてタイマ部80による計時が終了せしめられて、タイマ部80がリセットされ、S57において、左走行用モータ26aの正転駆動が停止せしめられる。これにより、フレーム11が90°旋回せしめられて、その走行方向が車体外周面57bに対して平行に位置せしめられる。その後、左右走行用モータ26a,26bの正転駆動が再開されることによって、車体外周面57bが洗滌されることとなる。このように、本実施形態においては、調節部78、操作部79、タイマ部80、S50〜S58を含んで旋回手段が構成されている。
このようにすれば、フレーム11が車体外周面57aの端部83に到達した場合には、フレーム11を自動的に旋回せしめて、車体外周面57aと連続する車体外周面57bを連続して洗滌することが出来る。これにより、車両の全周を自動的に洗滌することも可能となる。
さらに、このような距離センサ87を設けることによって、前述の洗車ブラシ16の回転抵抗力の検出値に基づく操舵制御に対するフェイルセーフ機構を構成し、万一、洗車ブラシ16の回転抵抗力の検出値に基づく操舵制御が異常動作した場合には、距離センサ87による検出値が予め設定された作動予定範囲を外れることによって自走式洗車機10の走行及び/又は洗車ブラシ16の回転を緊急停止させることも可能である。更にまた、洗車対象の形状や構造,汚れ具合等で洗車ブラシ16の接触力を調節する場合にも、距離センサ87で目的とする距離を検出した値に応じて、操舵制御する電流のしきい値:KmaxやKminの値を、大きい側或いは小さい側にシフトさせるように補正設定することも可能である。勿論、KmaxやKminの値は、必要に応じて適宜に手動で変更設定できるようにすることが望ましく、それによって、距離センサ87がなくても、洗車対象の形状や構造,汚れ具合等で洗車ブラシ16の接触力を調節して対応したり、装置の劣化などの経時的変化にも容易に対応することができる。
更にまた、上述の如き端部検出手段と旋回手段と組み合わせて、図18に車両としてのトラック89を例に示すように、トラック89の荷台部分における左右面の一方を構成する車体外周面57aの洗滌に要したフレーム11の移動時間:TA を計測して、かかる移動時間:TA と等しい時間:TB だけ、車体外周面57aと対向する車体外周面57cに沿ってフレーム11を移動せしめることによって、車体外周面57cの洗滌が完了した時点でフレーム11を自動的に停止せしめるなどしても良い。
このような制御を実現するためには、例えば上述の実施形態に示した装置(図10参照)で図19に示す方向制御プログラムおよび図20に示す移動時間制御プログラムを実行することによって実現することが出来る。なお、本態様におけるタイマ部80には、フレーム11の移動時間を計測するための移動時間タイマが設けられており、かかる移動時間タイマの計測値が、調節部78に記憶されるようになっている。
図19に示す方向制御プログラムは、図11と略同様の処理に計時処理を加えたものである。かかる方向制御プログラムは、フレーム11を、図18に示す一方の車体外周面57aの前方端部の位置:P1 に位置せしめた状態で開始される。そして、先ず、S60において、ブラシ駆動モータ68の回転駆動が開始されて、洗車ブラシ16の回転が開始される。更に、S61において、移動時間タイマによる計時が開始される。
次に、S62において、電流計76による検出値:Aが、上限基準値:Kmax よりも大きいか否かが判定される。そして、S62での判定結果がYESとなった場合には、図18の位置:P2 に示すように、自走式洗車機全体が、車体外周面57aに過剰に接近したと判断されて、操舵が開始される。そこにおいて、S63によって、移動時間タイマの計時が一旦停止される。そして、S64において、前述のS5〜S13(図11参照)の処理が実行されて、フレーム11の走行方向が車体外周面57aに対して平行に操舵される。続いて、S65において、左右走行用モータ26a,26bの逆転駆動時間:TR (図11におけるS7〜S8のタイマ計時時間)×2の時間が経過したときに、S66において、移動時間タイマの計時を再開する。
一方、S62での判定結果がNOであった場合には、S67において、電流計76による検出値:Aが、下限基準値:Kminよりも小さいか否かが判定される。そして、S67での判定結果がYESとなった場合には、自走式洗車機全体が、車体外周面57aから過剰に離隔したと判断されて、操舵が開始される。そこにおいて、S68によって、移動時間タイマの計時が一旦停止される。そして、S69において、前述のS14〜S22(図11参照)の処理が実行されて、フレーム11の走行方向が車体外周面57aに対して平行に操舵される。続いて、S70において、左右走行用モータ26a,26bの逆転駆動時間:TR (図11におけるS16〜S17のタイマ計時時間)×2の時間が経過したときに、S71において、移動時間タイマの計時を再開する。
そして、S72において、距離センサ87の検出値に基づいて、フレーム11の前方端部85が車体外周面57aの後方端部83に到達したか否かを判定する。かかるS72の判定結果がNOである場合には、未だフレーム11が車体外周面57aの後方端部83に到達していないことから、S62以降の処理が繰り返されて、移動時間タイマの計時が継続される。一方、S72の判定結果がYESである場合には、フレーム11が車体外周面57aの後方端部83に到達して、車体外周面57aの洗滌が完了したことから、S73において、移動時間タイマの計時を完了して、かかる計時時間が、車体外周面57aの洗滌に要したフレーム11の移動時間:TA として調節部78に記憶される。
続いて、フレーム11が車体外周面57aにおける後方端部83の位置:P3 に到達すると、前述の図17に示した旋回制御が行われて、フレーム11が車体外周面57bに沿って移動せしめられ、車体外周面57bの洗滌が行われる。そして、車体外周面57bの洗滌が完了して、フレーム11が車体外周面57bにおける他方の端部の位置:P4 に到達すると、同様の旋回制御が行われることによって、フレーム11の走行方向が車体外周面57cに対して平行となるように位置せしめられる。
次に、図20に示す移動時間制御プログラムに基づいてフレーム11が車体外周面57cに沿って移動せしめられる。なお、かかる移動時間制御プログラムの開始は、例えばリモコン装置41に開始ボタンを設けて、操作者のボタン操作によって開始するようにしても良いが、車体外周面の端部における旋回制御の回数に基づいて自動的に開始することも出来る。例えば、本実施例の場合、2回目の旋回制御が完了した時点でフレーム11が位置:P4 に位置せしめられることから、2回目の旋回制御の完了後に移動時間制御プログラムを開始するようにしても良い。
図20に示す移動時間制御プログラムは、前述の図11に示した方向制御プログラムと略同様の処理を、調節部78に記憶された、車体外周面57aの洗滌に要した移動時間:TA と等しい時間:TB だけ実行するものである。先ず、S80において、予めリセットされた移動時間タイマの計時が開始される。そして、S81において、電流計76による検出値:Aが、上限基準値:Kmax よりも大きいか否かが判定され、S81での判定結果がYESとなった場合には、S82において、前述のS5〜S13(図11参照)の処理が実行されて、フレーム11が車体外周面57cに過剰に接近した場合の操舵が行われる。一方、S81での判定結果がNOとなった場合には、S83において、電流計76による検出値:Aが、下限基準値:Kminよりも小さいか否かが判定され、S83での判定結果がYESとなった場合には、S84において、前述のS14〜S22(図11参照)の処理が実行されて、フレーム11が車体外周面57cから過剰に離隔した場合の操舵が行われる。
一方、S83の判定結果がNOとなった場合には、S85において、移動時間タイマの計時時間が、調節部78に記憶せしめられた車体外周面57aの洗滌に要したフレーム11の移動時間:TA と等しくなったか否かが判定される。そして、S85の判定結果がNOである場合には、未だフレーム11が車体外周面57cの前方端部に到達していないことから、S81以降の処理が繰り返されて、移動時間タイマの計時が継続される。一方、S85の判定結果がYESである場合には、フレーム11が車体外周面57cの前方の位置:P5 に到達して、車体外周面57cの洗滌が完了したことから、S86において、左右走行用モータ26a,26b、ブラシ駆動モータ68の駆動を停止せしめて、移動時間制御プログラムの処理を終了する。
以上のように、本態様においては、移動時間タイマを構成するタイマ部80、S61、S63、S66、S68、S71を含んで移動時間計測手段が構成されていると共に、移動時間タイマを構成するタイマ部80、S80、S85を含んで移動時間制御手段が構成されている。そして、このようにすれば、一方の車体外周面57aの洗滌に要した時間から操舵に要した時間だけ差し引いた移動時間だけ、フレーム11を他方の車体外周面57cに沿って移動せしめることが出来て、車体外周面57cの洗滌が完了した時点で、自走式洗車機10を自動的に停止することが出来る。従って、操作者は図18に示した車体外周面57aの前方端部の位置:P1
に自走式洗車機10を位置せしめて、洗滌を開始すれば、車体外周面57aとそれに連続する車体外周面57b、57cの3面を自動的に洗滌することが出来る。
なお、上記例示の態様においては、一方の車体外周面57aの洗滌に要した時間から自走方向制御手段の操舵に要した時間を差し引いた時間だけ、他方の車体外周面57cに沿ってフレーム11を走行せしめるようにされている。それ故、車体外周面57cの洗滌中にフレーム11が自走方向制御手段で操舵されて、余分な時間を要した場合には、車体外周面57cの前方端部の位置:P5 に至る前に、自走式洗車機10の洗滌が停止せしめられてしまうおそれがある。そこで、例えば車体外周面57cにおいて、自走方向制御手段による操舵が発生した場合には、かかる操舵の間だけ移動時間タイマの計時を停止する等しても良い。このような制御を実現するには、例えば図21に示すように、前述の図20に示した移動時間制御プログラムにおいて操舵を行うS82、S84の前のS86、S88において移動時間タイマの計時を一旦停止せしめると共に、S82、S84の完了後のS87、S89において移動時間タイマの計時を再開することによって容易に実現可能である。
更にまた、図19に例示した移動時間計測処理においては、S65、S70において、左右走行用モータ26a,26bの逆転作動に要した時間:TR ×2の時間だけ移動時間タイマの計時を停止することによって、フレーム11の車体外周面57aの移動時間から、操舵に要した時間を差し引くようにされていたが、例えば、図19におけるS65、S70を省略して、フレーム11の操舵に際する後退に要した時間に加えて、操舵の旋回の時間を含んで移動時間の計測を停止するなどしても良い。そして、かかる移動時間に基づいて、上記図20乃至は図21に示した制御プログラムを実行することによって、他方の車体外周面57cの洗滌の完了時に、自動的に停止することが出来る。
加えて、前記態様においては、図17に示した旋回制御と組み合わせることによって、互いに対向する車体外周面57a,57cを繋ぐ車体外周面57bに自走式洗車機10を自動的に回り込ませるようにされていたが、旋回制御は必ずしも組み合わせて用いる必要はない。例えば、車体外周面57aの洗滌が完了したときに、操作者がリモコン装置41を操作してフレーム11を車体外周面57aの後方端部の位置:P3 から車体外周面57cの後方端部の位置:P4 まで移動せしめた後に、車体外周面57aの洗滌時に図19に示す移動時間計測プログラムで計時した移動時間に基づいて図20乃至は図21に示した移動時間制御プログラムを実行することによって、車体外周面57cを自動的に洗滌するなどしても良い。
ところで、図22には、本発明に従う自走式洗車機として、フレーム11の走行方向を変更するための構造が前記第一の実施形態とは異なる別の実施形態が示されている。
すなわち、図22から明らかなように、本実施形態の自走式洗車機においては、フレーム11の下面の前部における幅方向中央部に、操舵輪84が、鉛直方向に延びる回動軸86回りに回動可能に取り付けられている。また、かかるフレーム11の上面には、かかる回動軸86を回動せしめる回動機構としてのステッピングモータ88が、固定されている。即ち、このステッピングモータ88の駆動軸90が、操舵輪84の回動軸86に対して一体回転可能に連結されている。これにより、ステッピングモータ88の駆動によって操舵輪84の操舵角が変更されて、フレーム11の走行方向が変更せしめられるようになっている。
また、かかるステッピングモータ88にあっては、制御装置40に対して電気的に接続されている。そして、電流計76による検出値が上限基準値よりも大きくなって、フレーム11が後退せしめられる際に、予め設定された角度だけ、右側に回動せしめられる。また、その一方で、電流計76による検出値が下限基準値よりも小さくなって、フレーム11が後退せしめられる際に、予め設定された角度だけ、左側に回動せしめられるようになっている。
これによって、本実施形態においては、前記第一の実施形態と同様に、電流計76にて検出されるブラシ駆動モータ68への供給電流値に基づいて、車体外周面57との距離を一定に保ちつつ走行せしめられるように、フレーム11の走行方向が制御されて、車体外周面57の洗車が行われるようになっている。
従って、本実施形態にあっても、車体外周面57に沿って走行せしめる操舵操作が極めて有利に自動化され得るといった前記第一の実施形態において奏される作用・効果が、有利に享受され得る。
そして、本実施形態においては、特に、フレーム11の走行方向を変更させるための構造が、操舵輪84を回動させるだけのシンプルな構造にて実現され得る。そのため、そのような構造の付加に伴う洗車機10全体の構造の複雑化が、可及的に抑制され得るといった利点がある。
また、図23には、抵抗力検出手段が、前記第一の実施形態とは別の構造を有する例が、図10に対応するブロック図で示されている。即ち、ここでは、前述の図1〜9に示された洗車機10において、洗車ブラシ16が車体外周面57に押し当てられたときに洗車ブラシ16に生ずる抵抗力を、回転軸17に作用せしめられる圧力や、回転軸17の変位量等に基づいて、押圧反力として検出する押圧反力検出装置92が、前記第一の実施形態において、ブラシ駆動モータ68への供給電流値を測定するために設けられた電流計76に代えて用いられるようになっている。また、本実施形態では、フレーム11と車体外周面57との間の距離が、洗車ブラシ16による車体外周面57の洗滌に適した範囲内の距離とされた状態下で、洗車ブラシ16が車体外周面57に押し当てられたときに洗車ブラシ16に生ずる押圧反力の上限値と下限値とによって、上限基準値と下限基準値とが決定されている。
なお、この押圧反力検出装置92は、洗車ブラシ16に生ずる圧力を、直接的に、例えばピエゾ素子等の圧電素子を用いて電気的に測定するものや、バネ部材等を用いて機械的に測定するものであっても良い。また、変位可能に支持された洗車ブラシ16の押圧された際の変位量を電気的に或いは機械的に測定し、その測定値に基づいて、押圧反力を、間接的に検出する装置にて、押圧反力検出装置92を構成することも可能である。また、そのような押圧反力検出装置92は、例えば、洗車ブラシ16の回転軸17と、それを支持するフレーム11との間等に設置される。
より具体的には、例えば、洗車ブラシ16の回転軸17を上下両端で回転可能に支持する第一及び第二のベアリング64,66を、補強体62及び基台部18に対して、軸直角方向(水平方向)で車体外周面57に向かって接近/離隔方向に変位可能に支持せしめると共に、それら第一及び第二のベアリング64,66即ち回転軸17を、補強体62及び基台部18から車体外周面57に向かって突出する方向に常時付勢する圧縮コイルスプリング等の付勢手段を組み付ける。このような洗車ブラシ16の弾性支持構造によると、洗車ブラシ16に対して車体外周面57の押圧反力が作用した際に、押圧反力に対応した距離だけ洗車ブラシ16がフレーム11側に接近する方向に相対変位せしめられることから、この洗車ブラシ16の変位量、即ち第一及び第二のベアリング64,66の補強体62及び基台部18に対する相対変位量や付勢手段の変形量等を適当な検出手段で検出することによって、車体外周面57への当接(押し付け)に伴って洗車ブラシ16に及ぼされる回転抵抗力乃至は押圧抵抗力を検出する抵抗力検出手段が構成され得るのである。
或いは、また別の具体例を挙げれば、洗車ブラシ16が車体外周面57に押し付けられることによって発生する洗車ブラシの回転抵抗力や押し付け抵抗力は、回転に伴う遠心力で広がる洗車ブラシのブラシ羽根(例えば、多数本の合成繊維や天然繊維などで形成されている、周知のものである)が車体外周面57への当接によって押し縮められることを利用しても検出することが出来る。即ち、フレーム11が車体外周面57に近づき過ぎて、遠心力で広がるブラシ羽根が車体外周面57の当接で押し縮められ過ぎると回転抵抗力が大きくなり過ぎる。反対にフレーム11が車体外周面57から離れ過ぎると、同様な理由から回転抵抗力が小さくなり過ぎる。
そして、洗車ブラシ16を車体外周面57に押し当てることによって、洗車ブラシ16に生ずる押圧反力の押圧反力検出装置92による検出値が、上限基準値よりも大きくなったときに、調節部78から操作部79に対して、左右走行用モータ26a,26bの逆転駆動信号が出力されると共に、所定時間の経過後に、右走行用モータ26bの駆動停止信号が出力される。それによって、フレーム11の走行方向が車体外周面57と平行に補正せしめられるようになっている。一方、押圧反力検出装置92による検出値が下限基準値よりも小さくなったときに、調節部78から操作部79に対して、左右走行用モータ26a,26bの逆転駆動信号が出力されると共に、所定時間の経過後に、左走行用モータ26bの駆動停止信号が出力される。それによって、フレーム11の走行方向が車体外周面57と平行に補正せしめられるようになっている。
かくして、本実施形態においても、押圧反力検出装置92にて検出されるブラシ駆動モータ68で生ずる押圧反力に基づいて、車体外周面57との距離を一定に保ちつつ走行せしめられるように、フレーム11の走行方向が制御されて、車体外周面57の洗車が行われるようになっている。
従って、このような本実施形態の自走式洗車機10においても、前記第一及び第二の実施形態において奏される作用・効果が有利に享受され得る。
なお、上述の第一の実施形態における自走式洗車機10や、図23に示した距離検出手段は、何れも、車体外周面57への接触抵抗に基づいてフレーム11と車体外周面57の離隔距離を検出する抵抗力検出手段によって構成されていたが、距離検出手段としては、従来公知の各種の距離センサが適宜に採用可能である。そのような距離センサとしては、リミットスイッチ、圧電式圧力センサ、ポテンショメータ等の機械式の接触型センサのみならず、赤外光等のレーザーを用いた光電センサや超音波を用いる超音波センサ、電磁誘導作用や静電容量の変化に基づいて距離を検出する近接センサなどの、非接触型センサも採用可能である。そして、これらの距離センサは、例えば図16に示した距離センサ87のように、ブラシカバー52における枠状支柱部54等のフレーム11の適当な位置に設けることが出来る。従って、例えば図16に示した態様の自走式洗車機において、洗車ブラシ16の回転抵抗力に代えて、フレーム11の前方端部に配設された距離センサ87の検出値に基づいて、フレーム11の走行方向を制御することも可能である。
また、図24には、フレーム11の走行速度が変更可能とされた構造を有する前記幾つかの実施形態とは別の実施形態が示されている。
すなわち、本実施形態の自走式洗車機10においては、フレーム11の基台部18上に設置された制御装置40を保護する保護カバー37の外面に、フレーム11を高速で走行させる高速モードと低速で走行させる低速モードとに、フレーム11の走行モードを選択的に切り換える走行モード切換手段としてのモード切替スイッチ94が、制御装置40に対して電気的に接続された状態で、設けられている。なお、このモード切替スイッチ94としては、使用モードや操作モード等を切り換えるために用いられる、例えば、トグル式やレバー式、押しボタン式等の各種の公知の切換スイッチが、適宜に採用される。また、モード切替スイッチ94の配設位置も、特に限定されるものではなく、保護カバー37に代えて、リモコン装置41に設けることも出来る。
また、基台部18上には、モード切替スイッチ94の切換操作に基づいて、制御装置40から出力される信号によって、左走行用モータ26aの回転駆動速度を高速と低速の二段階に制御する、公知の構造を備えた第一インバータ96とかかる制御装置40からの出力信号によって、右走行用モータ26bの回転駆動速度を高速と低速の二段階に制御する、公知の構造を備えた第二インバータ98とが、設置されている。
つまり、ここでは、モード切替スイッチ94が高速モードに切り換えられたときに、左走行用モータ26aと右走行用モータ26bとが、予め設定された、高速の同一速度で回転せしめられる一方、モード切替スイッチ94が低速モードに切り換えられたときに、左走行用モータ26aと右走行用モータ26bとが、予め設定された、低速の同一速度で回転せしめられるように、それら左及び右走行用モータ26a,26bの回転駆動速度が、第一インバータ96と第二インバータ98とにて、それぞれ、制御されるようになっている。
また、制御装置40には、発電機38からブラシ駆動モータ68への給電回路を遮断/接続するように開閉作動せしめられる、公知の構造を備えたリレー素子100(図24に二点鎖線で示す)が、内蔵されている。また、このリレー素子100は、発電機38からブラシ駆動モータ68への給電の開始及び停止を行う前記スイッチ74(図10参照)のON/OFF作動(リモコン装置41に設けられたブラシ駆動モータ68の駆動・停止ボタンの押圧操作)に優先して、モード切替スイッチ94の切換操作に基づき、作動せしめられるようになっている。
すなわち、ここでは、モード切替スイッチ94が高速モードに切り換えられたときに、リレー素子100が開作動せしめられて、発電機38からブラシ駆動モータ68への給電回路が遮断され、以て、スイッチ74がON作動せしめられても、発電機38からブラシ駆動モータ68への給電が行われないようになっている。また、モード切替スイッチ94が低速モードに切り換えられたときには、リレー素子100が閉作動せしめられて、換言すれば、リレー素子100の開作動状態が解除されて、発電機38からブラシ駆動モータ68への給電回路が接続され、以て、スイッチ74のON/OFF作動に基づいて、ブラシ駆動モータ68の駆動・停止が行われ得るようになっている。
かくして、本実施形態の自走式洗車機10にあっては、モード切替スイッチ94を高速モードに切り換えた状態で、リモコン装置41に設けられた左及び右走行用モータ26a,26の同時駆動・停止ボタンを1回押圧操作することによって、フレーム11が、予め設定された高速の速度(第一の速度)で、前進せしめられるようになっている。また、この前進移動に際して、リモコン装置41に設けられた左走行用モータ26aのみの駆動・停止ボタンや右走行用モータ26aのみの駆動・停止ボタンを適宜に押圧操作することで、フレーム11の走行方向を手動で変更することが出来る。更に、このような高速での移動の最中においては、リモコン装置41に設けられたブラシ駆動モータの駆動・停止ボタンを押圧操作しても、洗車ブラシ16が回転しないようになっている。
そして、所望の場所にまで移動した時点で、リモコン装置41に設けられた左及び右走行用モータ26a,26の同時駆動・停止ボタンを、もう1回押圧操作して、フレーム11を、一旦、停止させてから、モード切替スイッチ94を高速モードから低速モードに切り換え、その後、左及び右走行用モータ26a,26の同時駆動・停止ボタンを、更にもう1回押圧操作すると、今度は、フレーム11が、予め設定された低速(第二の速度)で、前進せしめられるようになっている。なお、この低速走行時には、リモコン装置41に設けられたブラシ駆動モータの駆動・停止ボタンの押圧操作に基づいて、洗車ブラシ16の回転が、自由に開始/停止せしめられるようになる。
それ故、このような自走式洗車機10にあっては、洗車作業を行う前に、例えば、所定の場所に格納されている場合にも、その格納場所から洗滌されるべき車体外周面57の近くの位置にまで、極めて速やかに移動せしめられ得る。そして、車体外周面57の近くまで移動せしめられて、それを洗滌可能な位置に達したら、洗車作業が、ゆっくりとした速度で、丁寧に実施され得る。
従って、かくの如き本実施形態の自走式洗車機10を用いれば、所定の格納場所から洗車位置まで移動させる洗車の準備作業と、洗車終了後に、洗車位置から、再び所定の格納場所まで移動させる後作業とを含めた一連の洗車作業を、極めて効率的に行うことが出来るのである。
しかも、かかる自走式洗車機10においては、洗車作業を行わずに高速で走行せしめられている間、洗車ブラシの回転が阻止されるようになっているところから、例えば、洗車位置と格納場所との間を移動させる作業、ひいては洗車作業全体での安全が効果的に確保され得、また、洗車ブラシの回転状態での障害物等との無用な接触による洗車ブラシの破損乃至は損傷等も、有利に防止され得ることとなる。
なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態では、第一インバータ96と第二インバータ98とにて、走行速度変更手段が構成され、また、リレー素子100にて、回転阻止機構が構成されているが、それら走行速度変更手段と回転素子機構の構造は、何等これに限定されるものではない。
走行速度変更手段としては、モード切替スイッチ94等の走行モード切換手段による走行モードの切換に基づき、左及び右走行用モータ26a,26bの回転駆動速度を変更することで、各モータ26の左及び右走行用タイヤ14a,14bに対する駆動力を増減せしめて、フレーム11の走行速度を変更するようにした構造を有するものや、各モータ26の回転駆動速度を変更することなく、各モータ26の回転駆動力を各走行用タイヤ14に伝達する伝達機構の構造を工夫し、走行モードの切換に基づき、かかる伝達機構において、各走行用タイヤ14に伝達される各モータ26の駆動力を増減せしめることにより、フレーム11の走行速度を変更するようにした構造を有するもの等が、何れも採用され得る。
前者の構造を有する走行速度変更手段としては、例えば、左及び右走行用モータ26a,26bの磁極数を、複数の入力端子を選択的にON/OFF作動すること等によって変更したり、或いは左及び右走行用モータ26a,26bへの印加電圧を変更したりして、各モータの回転駆動速度を変更するようにした構造のもの等が、左及び右走行用モータ26a,26bの種類等に応じて、適宜に採用可能である。また、後者の構造を有する走行速度変更手段としては、例えば、左及び右走行用モータ26a,26bのそれぞれの回転軸に取り付けられた駆動ギヤを、互いにギヤ比の異なる2種類の受動ギヤに対して、レバー操作等により選択的に噛合させることで、各走行用タイヤ14に伝達される各モータ26の駆動力を変更するようにした構造のもの等が採用され得る。なお、この後者の構造を有する走行速度変更手段を採用する場合には、走行モード切替手段が、ギヤを変更するレバー等にて構成されることとなる。また、後者の構造を有するものは、各走行用タイヤ14の駆動源を電気モータ以外の、例えば内燃機関等にて構成する場合にも、有利に採用され得る。
一方、回転阻止機構としては、外部からの入力信号に基づいて、ブラシ駆動モータ68への給電を遮断し得る、リレー素子以外の公知の制御機構が、何れも採用され得る。また、走行モード切替手段によるフレーム11の走行モードの切換に基づいて、ブラシ駆動モータ68の回転軸や洗車ブラシ16の回転軸の回転を、解除可能な状態で、機械的に妨害して、停止させ得る構造を有するものや、かかる走行モードの切換に基づいて、ブラシ駆動モータ68の回転駆動力の洗車ブラシ16への伝達を解除し得るように構成された伝達機構等も、用いられ得る。なお、ブラシ駆動モータ68や洗車ブラシ16の回転軸の回転を妨害するものを採用する際には、公知のクラッチ機構が必要となる。
以上、本発明の構成について詳述してきたが、本発明は、上記の具体的な構成の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前述の第一の実施形態においては、車体外周面57に過剰に接近した場合に行われるフレーム11の後退の時間(図11におけるS7〜S8の時間)と、車体外周面57から過剰に離隔した場合に行われるフレーム11の後退の時間(図11におけるS16〜S17の時間)が等しくされていたが、これらの後退時間を異ならせることも勿論可能である。
さらに、フレーム11が車体外周面57に過剰に接近乃至は離隔した場合に、フレーム11を後退せしめる左右走行用モータ26a,26bの逆転駆動は、予め定められた所定の時間だけ行なわれるようにされていた(図11におけるS7,S8,S16,S17参照)が、例えば、左右走行用モータ26a,26bの逆転駆動を、電流計76による検出値:Aに基づいて制御しても良い。具体的には、例えば、フレーム11が車体外周面57に過剰に接近した場合の後退作動時には、検出値:Aが上限基準値:Kmaxを下回るまで左右走行用モータ26a,26bを逆転駆動せしめ、フレーム11が車体外周面57から過剰に離隔した場合の後退作動時には、検出値:Aが下限基準値:Kminを上回るまで左右走行用モータ26a,26bを逆転駆動せしめる等しても良い。
また、前記実施形態においては、電流計76による検出値:Aの経時変化に基づいてフレーム11の走行方向の車体外周面57に対する傾きを検出して、かかる傾きを補正するようにされていた(図14参照)が、フレーム11の走行方向の車体外周面57に対する傾きを検出するために、例えばフレーム11における走行方向の前方端部と後方端部に一対の距離センサを設けて、これら両距離センサの検出値の差分からフレーム11の傾きを検出する等しても良い。
また、操舵手段として、左走行用タイヤ14aと右走行用タイヤ14bとに対する公知の制動機構をそれぞれ設けて、かかる制動機構により、それら左及び右走行用タイヤ14a,14bの何れか一方を択一的に制動することで、各走行用タイヤ14a,14bの回転速度を互いに異なるように調節して、フレーム11の走行方向を変更するように為すことも出来る。
さらに、操舵手段として、左走行用タイヤ14aと右走行用タイヤ14bとに対して、公知のクラッチ機構をそれぞれ設けて、かかるクラッチ機構により、それら左及び右走行用タイヤ14a,14bに対する駆動力の伝達を択一的に遮断することで、各走行用タイヤ14a,14bに対する駆動力を相対的に変化させて、各走行用タイヤ14a,14bの回転速度を互いに異なるように調節する。以て、フレーム11の走行方向を変更するようにしても良い。
更にまた、上記制動機構やクラッチ機構、更には前記実施形態において例示される左右の駆動輪をそれぞれ別個に駆動させる2個の走行駆動源に対する通電制御、鉛直な回動軸回りに回動可能とされた操舵輪等を、2種類以上組み合わせて、操舵手段を構成することも、勿論可能である。
また、走行駆動源が、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関にて構成されていても良く、更に、電気モータにて構成する場合にあっても、例示の誘導モータ以外の交流モータや直流モータでも良い。
さらに、ブラシ駆動モータとしても、例示の誘導モータ以外の交流モータや直流モータが、使用可能である。
更にまた、電気モータからなる走行駆動源やブラシ駆動モータに給電する装置も、充電式バッテリ等を始めとした公知の電源装置が、適宜に用いられ得る。
また、洗車ブラシが、複数本設けられていたり、例えば、自動車のバックミラー等、外構造とされていても良い。
さらに、洗車ブラシが、必ずしも位置固定に設けられている必要はない。
更にまた、洗車ブラシが、フレームに対して、その走行方向の左側に設けられていても、何等差し支えない。但し、その場合には、右駆動輪が車体外周面に対して遠位となる配置形態において、洗車機が、車体外周面に沿って走行せしめられることとなる。
また、フレームの構造及び形状も、例示のものに決して限定されるものではない。
加えて、本発明は、自動車以外の特殊車両や鉄道車両等の洗車に際しても、有利に用いられ得ることは、勿論である。
その他、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う自走式洗車機の一実施形態を示す正面説明図。 図1における右側面図。 図1における平面図。 図1における底面図。 図4におけるA矢示図。 図4におけるB−B断面図。 図4におけるC−C断面図。 図1に示された自走式洗車機が有するブラシカバーと洗車ブラシの回転軸のフレームに対する組付構造を示す説明図。 図8における左側面図。 本発明に従う自走式洗車機が有するフレームの走行方向の制御系の一例を示すブロック図。 本発明に従う自走式洗車機が有するフレームの走行方向の制御プログラムの一例を示すフローチャート。 本発明に従う自走式洗車機を用いて洗車作業を行う際の工程例を示す説明図。 検出値の経時変化を説明するための説明図。 本発明に従う自走式洗車機に採用可能な補正操舵プログラムの一例を示すフローチャート。 本発明に従う自走式洗車機の旋回作動を説明するための説明図。 本発明に従う自走式洗車機の更に別の実施形態を示す図1に対応する図。 本発明に従う自走式洗車機に採用可能な旋回操舵プログラムの一例を示すフローチャート。 本発明に従う自走式洗車機の作動を説明するための説明図。 本発明に従う自走式洗車機に採用可能な移動時間計測プログラムの一例を示すフローチャート。 本発明に従う自走式洗車機に採用可能な移動時間制御プログラムの一例を示すフローチャート。 同移動時間制御プログラムの異なる例を示すフローチャート。 本発明に従う自走式洗車機の別の実施形態を示す図5に対応する図。 本発明に従う自走式洗車機の更に別の実施形態を示す図10に対応する図。 本発明に従う自走式洗車機の他の実施形態を示す図1に対応する図。
符号の説明
10:自走式洗車機、11:フレーム、14a,b:走行用タイヤ、16:洗車ブラシ、26a、b:走行用モータ、57:車体外周面、76:電流計、78:調節部、79:操作部、80:タイマ部

Claims (13)

  1. フレームと、該フレームに取り付けられて、該フレームを無軌条で走行可能とする車輪と、該車輪の少なくとも一つを駆動せしめる走行駆動源と、該フレームに対して、上下方向に延びる回転軸回りに回転可能に支持される洗車ブラシとを備え、該洗車ブラシを回転させつつ車体の外周面に押し当てながら、該フレームを該車体外周面に沿って走行せしめることにより、該車体外周面を洗滌する自走式洗車機において、
    前記フレームの走行方向を、前記車体外周面に対する接近方向と離隔方向の少なくとも二方向に変更する操舵手段と、
    前記フレームの前記車体外周面に対する離隔距離を検出する距離検出手段と、
    該距離検出手段の検出値に基づいて前記操舵手段を制御して、該検出値が予め設定された許容範囲から外れた場合には、前記フレームを該検出値が予め設定された許容範囲内になるように逆方向に走行せしめて、該フレームを該車体外周面と平行な方向に操舵する自走方向制御手段とを、含んで構成したことを特徴とする自走式洗車機。
  2. 前記距離検出手段による検出値の所定時間あたりの変化量を測定する変化量測定手段と、
    該変化量測定手段の測定結果に基づいて、該フレームを該車体外周面と平行な方向に補正操舵する補正操舵手段とが、
    更に設けられている請求項1に記載の自走式洗車機。
  3. 前記車体外周面の端部を検出する端部検出手段と、
    該端部検出手段が前記車体外周面の端部を検出した場合に、該車体外周面の端部を共通して該車体外周面から連続する車体外周面と平行となるように前記フレームを旋回せしめる旋回手段とが、
    更に設けられている請求項1又は2に記載の自走式洗車機。
  4. 前記車体において対向する一対の前記車体外周面のうち、一方の該車体外周面の端部から端部までの前記フレームの移動時間を、前記自走方向制御手段の操舵に要した時間だけ差し引いて計測する移動時間計測手段と、
    該移動時間計測手段で計測された移動時間に基づいて、前記フレームを他方の該車体外周面に沿って移動せしめる移動時間制御手段とが、
    更に設けられている請求項1乃至3の何れか一項に記載の自走式洗車機。
  5. 前記距離検出手段が非接触型センサを含んで構成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の自走式洗車機。
  6. 前記距離検出手段が接触型センサを含んで構成されている請求項1乃至5の何れか一項に記載の自走式洗車機。
  7. 前記接触型センサが、前記洗車ブラシを前記車体外周面に押し当てることによって該洗車ブラシに生ずる抵抗力を検出する抵抗力検出手段を含んで構成されている請求項6に記載の自走式洗車機。
  8. 前記フレームに取り付けられる前記車輪のうち、該フレームの走行方向に対して左右の両側に位置する車輪が、前記走行駆動源にて駆動せしめられる左駆動輪及び右駆動輪とされるとともに、前記操舵手段が、該左駆動輪の回転速度及び回転方向と該右駆動輪の回転速度及び回転方向とを互いに異なるように調節する調節機構を含んで構成されて、かかる調節機構により調節された該左駆動輪と該右駆動輪の回転速度及び回転方向の差異に基づいて、該フレームの走行方向が左右方向に変化せしめられることにより、前記車体外周面に対する接近方向と離隔方向の二方向への該フレームの走行方向の変更が行なわれるようになっている請求項1乃至7の何れか一項に記載の自走式洗車機。
  9. 前記走行駆動源が、前記左駆動輪を駆動する第一の走行駆動源と、前記右駆動輪を駆動する、該第一の走行駆動源とは別個の第二の走行駆動源とを有して構成されると共に、前記調節機構が、該第一の走行駆動源の該左駆動輪に対する駆動力と該第二の走行駆動源の該右駆動輪に対する駆動力とを相対的に変化させることにより、該左駆動輪と該右駆動輪のそれぞれの回転速度及び回転方向を互いに異なるように調節可能に構成されている請求項8に記載の自走式洗車機。
  10. 前記距離検出手段の検出値が予め設定された許容範囲よりも小さくなった場合に、前記第一の走行駆動源及び前記第二の走行駆動源の駆動を、前記調節機構にて逆転せしめることにより、前記フレームを該検出値が予め設定された許容範囲内になるように前記車体外周面からの離隔方向に走行せしめて、前記左駆動輪と前記右駆動輪のうち、該車体外周面に近位の駆動輪に対する該第一の走行駆動源又は該第二の走行駆動源の駆動を、該調節機構にて停止させることにより、該フレームを該車体外周面と平行な方向に操舵するように、前記自走方向制御手段が、該調節機構を制御可能に構成されている請求項9に記載の自走式洗車機。
  11. 前記距離検出手段の検出値が予め設定された許容範囲よりも大きくなった場合に、前記第一の走行駆動源及び前記第二の走行駆動源の駆動を、前記調節機構にて逆転せしめることにより、前記フレームを該検出値が予め設定された許容範囲内になるように前記車体外周面への接近方向に走行せしめて、前記左駆動輪と前記右駆動輪のうち、該車体外周面に遠位の駆動輪に対する該第一の走行駆動源又は該第二の走行駆動源の駆動を、該調節機構にて停止させることにより、該フレームを該車体外周面と平行な方向に操舵するように、前記自走方向制御手段が、該調節機構を制御可能に構成されている請求項9又は10に記載の自走式洗車機。
  12. 前記フレームに取り付けられた前記車輪のうちの少なくとも一つが、鉛直方向に延びる回動軸回りに回動可能に構成されて、かかる回動により、該フレームの走行方向を変更する操舵輪とされると共に、前記操舵手段が、該操舵輪を該回動軸回りに回動せしめる回動機構を含んで構成されている請求項1乃至7の何れか一項に記載の自走式洗車機。
  13. フレームと、該フレームに取り付けられて、該フレームを無軌条で走行可能とする車輪と、該車輪の少なくとも一つを駆動せしめる走行駆動源と、該フレームに対して、上下方向に延びる回転軸回りに回転可能に支持される洗車ブラシとを備え、該洗車ブラシを回転させつつ車体の外周面に押し当てながら、該フレームを該車体外周面に沿って走行せしめることにより、該車体外周面を洗滌する自走式洗車機の走行制御方法であって、
    前記フレームの前記車体外周面に対する離隔距離が予め設定された許容範囲から外れた場合には、該フレームを該離隔距離が予め設定された許容範囲内になるように逆方向に走行せしめて、該フレームを該車体外周面と平行な方向に操舵することを特徴とする、自走式洗車機の走行制御方法。
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