JP2009202355A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写体上に供給されたインク受容性粒子の流動性の低下を抑制し、且つ高画質化が図れる記録装置を提供する。
【解決手段】中間転写体12上に、インクを受容するインク受容性粒子16を層状に供給して粒子層40を形成し、この粒子層40の少なくとも表面について、親水化処理装置15によって乾式による親水化処理を行った後に、この乾式による親水化処理のなされた粒子層40へインクジェット記録ヘッド20によってインク滴20Aを吐出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録装置に関する。
インクを利用した画像やデータ等の記録の一つとして、インクジェット記録方式がある。インクジェット記録方式の原理は、ノズル、スリット、或いは多孔質フィルム等から液体或いは溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録を行うものである。インクを吐出する方法については、静電誘引力を利用してインクを吐出させる、いわゆる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用してインクを吐出させる、いわゆる圧力パルス方式、高熱により気泡を形成、成長させることにより生じる圧力を利用してインクを吐出させる、いわゆる熱インクジェット方式等、各種の方式が提案されており、これらの方式により、極めて高精細の画像やデータの記録物を得ることができる。
このインクジェット記録方式も含め、インクを利用した記録方式では、浸透媒体や非浸透媒体などの多様な記録媒体に対し高画質で記録を行うために、中間体に記録した後、記録媒体に転写する方式が提案されている。
例えば、特許文献1には、吸水性の異なるポリマー、サイズの異なる吸水ポリマー、架橋度の異なる吸水ポリマー等、複数種の粉末混合体を中間体上に供給しつつ記録を行う方式が提案されている。
また、特許文献2には、中間体上にインクとの接触でインクを増粘させる固体粒子(多糖高分子、アルギン酸、カラギーナン等の粒子)を供給しつつ記録を行う方式が提案されている。
また、特許文献3には、中間体上に疎水性樹脂粒子層を形成し、疎水性樹脂粒子層の空隙にインク(例はSD型染料インク(Slow Dry型))を保持させて記録媒体に転写する方式が提案されている。
また、特許文献4には、中間体(シート)に湿式で無機粒子、親水性ポリマー等を塗布した空隙型インク吸収層を設け、そこに染料インクを噴射し、記録媒体に転写する方式が提案されている。
また、特許文献5には、熱可塑性樹脂粒子と非熱可塑性粒子とを含有し、熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度(MFT)以下の温度で乾燥されて形成された多孔質インク吸収層を有するインクジェット中間転写媒体が提案されている。
特開2000−343808公報 特開2000−94654公報 特開2003−57967公報 特開2002−370347公報 特開2002−321443公報
中間転写体に粉体等の粒子を供給した後に、この粒子にインクを塗布する方法においては、粒子のインクに対する吸液性能が画質及び印字速度に影響を及ぼすため、吸液性能が高い事が好ましいが、この吸液性能を高めるほど中間転写体上に供給された粒子による均一な層形成が困難となり画質劣化につながる場合があり、これらの両立は実現されていなかった。
本発明の課題は、中間転写体上に供給されたインク受容性粒子の流動性の低下を抑制し、且つ高画質化が図れる記録装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、中間転写体と、インクを受容するインク受容性粒子を、前記中間転写体上に層状に供給する供給手段と、前記中間転写体上に供給された前記インク受容性粒子の層の少なくとも表面について乾式による親水化処理を行う親水化処理手段と、前記親水化処理された前記インク受容性粒子の層にインクを付与するインク付与手段と、前記インク受容性粒子の層を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記インク受容性粒子の層を定着する定着手段と、を有することを特徴とする記録装置である。
請求項2に係る発明は、前記乾式による親水化処理が、コロナ放電、プラズマ、及びUVオゾンの何れかによる処理であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置である。
請求項3に係る発明は、少なくとも前記供給手段によって前記インク受容性粒子が供給される前に前記中間転写体を第1の極性に帯電する帯電手段を備え、前記供給手段は、前記インク受容性粒子を前記第1の極性の逆極性である第2の極性に帯電させて前記中間転写体上に供給し、前記親水化処理手段は、前記第2の極性のコロナ放電により前記乾式による親水化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置である。
請求項1に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、中間転写体上に供給されたインク受容性粒子の流動性の低下を抑制し、且つ高画質化が図れる、といった効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、簡易な構成で中間転写体上に供給されたインク受容性粒子の流動性の低下を抑制し、且つ高画質化が図れる、といった効果を奏する。
請求項3に係る発明によれば、更なる高画質化が図れる、といった効果を奏する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同じ作用・機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同じ作用・機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。なお、以下の本実施形態では、後述するインク受容性粒子として一次粒子(詳細後述)を適用した場合を説明している。
本実施形態に係る記録装置10は、図1及び図2に示すように、無端ベルト状の中間転写体12を含んで構成されている。中間転写体12は、周動方向(図1中、矢印A方向)に周動するように設けられている。この中間転写体12の周辺には、中間転写体12の周動方向に沿って順に、中間転写体12上に離型剤14Dを供給する離型剤供給装置14、中間転写体12上へインクを受容するインク受容性粒子を層状に供給して中間転写体12上へ粒子層40を形成する粒子供給装置18、粒子層40の厚みを均一にするためのロール13、粒子層40の少なくとも表面に乾式による親水化処理を施すための親水化処理装置15、少なくとも表面を親水化された粒子層40上にインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド20、記録媒体8を中間転写体12と重ね合わせて圧力または圧力及び熱を加えることにより記録媒体8上に粒子層40を転写する転写装置22、及びクリーニング装置24が順に配列されている。また、記録装置10は、粒子層40に圧力及び熱を加えることにより粒子層40を記録媒体8へ定着させる定着装置25を含んで構成されている。
中間転写体12は、周動方向(図1中、矢印A方向)に周動するように設けられており、インク受容性粒子16を供給される。この中間転写体12は、本実施の形態ではベルト状であるとして説明するが、ベルト状に限られず、円筒状(ドラム状)でもよい。なお、中間転写体12は、粘着力により表面にインク受容性粒子16を保持する。
本実施の形態では、中間転写体12としては、厚さ100μmのポリイミドフィルムのベース層の上に厚さ50μmのエチレンプロピレンゴム(EPDM)の表面層が形成されているとして説明する。
この中間転写体12がベルト形状の場合、基材としては、装置内におけるベルト回転駆動が可能で、必要な機械強度を持ち、特に転写/定着時に熱を使用する場合には、必要な耐熱性を持つものであればよい。具体的には、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ステンレス等が使用される。また、中間転写体12がドラム形状の場合には、基材としてはアルミやステンレス等が考えられる。
なお、後述する転写装置(加熱ロール)22における転写工程及び定着装置(加熱ロール)25における定着工程において、電磁誘導による加熱方式を発揮するためには、転写装置(加熱ロール)22又は定着装置(加熱ロール)25の代わりに、中間転写体12に発熱層を形成してもよい。発熱層には電磁誘導作用を生じる金属が用いられる。例えばニッケル、鉄、銅、アルミニウム、クロム等が選択可能される。
粒子供給装置18の中間転写体12周動方向上流側には、離型剤14Dを供給して離型層14Aを形成する離型剤供給装置14が配置されている。離型剤供給装置14は、中間転写体12上にインク受容性粒子16の供給される前に中間転写体12表面に離型剤14Dによる離型層14Aを形成する。離型剤14Dとしてはシリコーン系オイル、フッ素系オイル、ポリアルキレングリコール、界面活性剤等の離型材料が挙げられる。
離型剤供給装置14は、離型剤を中間転写体12へ供給する供給ロール14C及び、中間転写体12へ供給される離型剤の層厚を規定するブレード14Bを含んで構成されている。
中間転写体12が周動(周動方向に移動)されると、離型剤供給装置14により中間転写体12表面に離型層14Aが形成される。離型剤供給装置14の供給ロール14Cにより中間転写体12表面に離型剤14Dが供給され、ブレード14Bで層厚が規定される。
このとき、連続的に画像形成及びプリントを行う目的で、離型剤供給装置14を中間転写体12に連続的に接触するようにしてもよいし、中間転写体12から離間する構成としてもよい。また、離型剤供給装置14に、独立した液体供給システム(図示せず)より離型剤14Dを供給して、離型剤14Dの供給がとぎれないようにしてもよい。
粒子供給装置18は、親水化処理装置15より中間転写体12の周動方向(図1中、矢印A方向)上流側で、且つ離型剤供給装置14より該周動方向下流側に設けられている。この粒子供給装置18は、中間転写体12上にインク受容性粒子16を層状に供給することで、中間転写体12上に粒子層40を形成する。
この粒子供給装置18には、供給管19Aを介してインク受容性粒子収納カートリッジ19が脱着可能に連結されている。インク受容性粒子収納カートリッジ19には、インク受容性粒子16が予め貯留されている。
粒子供給装置18内には、インク受容性粒子収納カートリッジ19から供給されたインク受容性粒子16が貯留される。この粒子供給装置18の中間転写体12と向かい合う領域には、供給ロール41Aが配され、供給ロール41Aに押圧するように層厚規制ブレード41Bが配されている。この層厚規制ブレード41Bは供給ロール41A表面に供給するインク受容性粒子16の層厚を規制する。
粒子供給装置18内のインク受容性粒子16は、供給ロール41Aに供給されて、層厚規制ブレード41Bによって中間転写体12へ供給される量(すなわち、中間転写体12上に層状に供給されたときの層厚)が調整されて中間転写体12へ供給される。この供給ロール41Aには、アルミ製の中実ロール、層厚規制ブレード41Bには、圧力をかけるためにウレタンゴムの取り付けられた金属板(SUSなど)が用いられる。
層厚規制ブレード41Bによって供給量を調整されたインク受容性粒子16は、供給ロール41A表面に例えば1層(粒子一個分の層、以下同様である)形成され、供給ロール41Aの回転によって中間転写体12表面と対向する領域に搬送され、インク受容性粒子16の粘着力により中間転写体12表面へと移動する(図1、図2参照)。
このインク受容性粒子16の供給量は、粒子供給装置18において、中間転写体12の移動速度と供給ロール41Aの回転速度を相対的に設定する(周速比)ことで調整される。
なお、上記インク受容性粒子16による粒子層40を形成する周速比を予め測定して基準とし、供給ロール41Aの周速を相対的に速くすることにより、中間転写体12へと供給されるインク受容性粒子16の粒子数が増加される。一方、転写される画像濃度が低い(インク打ち込み量が少ない(例えば0.1g/m以上1.5g/m以下))場合には、インク受容性粒子16による層厚を必要最小限の厚さ(例えば、1μm以上5μm以下)とし、また、画像濃度が高い(インク打ち込み量が多い(例えば4g/m以上15g/m以下)場合には、インク液体成分(溶媒や分散媒)を保持可能である充分な層厚(例えば10μm以上25μm以下)となるようにインク受容性粒子16による粒子層40の厚み(すなわち、インク受容性粒子16の供給量)を調整することが望ましい。
例えば、インク打ち込み量が少ない文字画像等の場合、1層のインク受容性粒子16の粒子層40に対して像形成を行った場合、インク中の画像形成材(顔料)は中間転写体12上のインク受容性粒子16の粒子層40表面に捕獲され、深さ方向に対して分布が少なくなるように、インク受容性粒子16の表面や内部の粒子空隙に固定されるが、インク打ち込み量が多い即ち高濃度の画像を形成する場合には、インク受容性粒子16の深さ方向に対してのインクの分布が高濃度の画像ほど多くなることから、インク受容性粒子16が複数層である事が好ましく、高画質の画像形成が実現される。
また2次色や3次色の画像等、インク打ち込み量が1次色に比べて多い画像を形成する場合には、インク液体成分(溶媒や分散媒)が保持可能で、記録材(例えば顔料)が捕獲され、また最下層を構成するインク受容性粒子16の層までインクが到達しない程度に、インク受容性粒子16を複数層積層させることが好ましい。
インクまたはインク中の顔料が、中間転写体12に最も近い側に供給されたインク受容性粒子16まで到達しない場合には、転写・定着後の画像層表面に画像形成材(顔料)は露出せず、粒子層40を構成するインク受容性粒子16の内の、インクを受容していなインク受容性粒子16が画像表面に保護層として形成されることとなる。このため、記録媒体8に定着された後の粒子層40の耐擦性が図れると共に、定着後の画像の劣化が抑制される。
ロール13は、粒子供給装置18によって中間転写体12上に供給されたインク受容性粒子16による粒子層40の厚み及び密度を均一にする。ロール13としては、粒子層40を構成する各インク受容性粒子16を変形させることなく、厚み及び密度を均一に調整可能なものであればよく、例えば、圧力を付与する装置や、振動を付与する装置などが用いられる。
親水化処理装置15は、中間転写体12上に供給された粒子層40の少なくとも表面に乾式により親水化処理を行う装置である。
この親水化処理装置15は、粒子層40の少なくとも表面を乾式により親水化可能な構成であればどのようなものであってもよいが、例えば、紫外線(UV)とオゾンとを組み合わせた酸化処理法であるUVオゾン法や、化学反応により電気的極性を持つ官能基を表面に形成して親水性を高める方法であるコロナ放電法やプラズマ法が用いられる。
親水化処理装置15としてUVオゾン法を用いた場合には、紫外線ランプの生成するオゾンを併用することで、粒子層40の表面エネルギーが高められて親水性が向上すると考えられる。親水化処理装置15としてコロナ放電法やプラズマ法を用いた場合には、コロナ放電やプラズマによる放電によって、粒子層40における化学反応により電気的極性を持つ官能基が表面に形成されて親水性が高められると考えられる。なお、本実施の形態においてコロナ放電を用いる場合には、インク受容性粒子16に親水化処理が行えればよく、プラスのコロナ放電であってもマイナスのコロナ放電であってもよい。
親水化処理装置15によって乾式による親水化処理が施されることによって、中間転写体12上に形成された粒子層40の内の少なくとも表面(親水化処理装置15に向かい合う側の面)が親水化された状態となる。
インクジェット記録ヘッド20は、中間転写体12上に積層され、親水化処理装置15によって少なくとも表面を乾式により親水化処理された粒子層40上に、形成対象となる画像に応じたインク滴20Aをノズル20Bから吐出する。
インクジェット記録ヘッド20からインク滴20Aを吐出される前に、粒子層40の少なくとも表面は親水化処理装置15によって親水化された状態となっているため、良好にインク滴20Aが粒子層40へ吸収されて、粒子層40に画像が形成される。
インクジェット記録ヘッド20は、黒色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド20K、シアン色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド20C、マゼンタ色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド20M、イエロー色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド20Yを含んで構成されている。これらのインクジェット記録ヘッド20C、インクジェット記録ヘッド20M、インクジェット記録ヘッド20Y、及びインクジェット記録ヘッド20K(総称する場合には、インクジェット記録ヘッド20と称して説明する)各々のノズル20B(図2参照)から、粒子層40に向かって、形成対象の画像に応じた各色のインク滴20Aが吐出される(図3(A)参照)。
このインクジェット記録ヘッド20のインク滴吐出方式としては、圧電式(ピエゾ)、サーマル式の何れを用いても良い。インクジェット記録ヘッド20の形態としては、記録媒体8の幅と同等又はそれ以上の幅を持つライン型インクジェット記録ヘッドが望ましいが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いて、中間転写体12上に形成された粒子層40に順次画像を形成してもよい。インクジェット記録ヘッド20のインク吐出手段は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、インク吐出可能な手段であれば制限はない。なお、インクについての詳細は後述するが、インク自体も従来の染料を色材としたインクを用いてもよいが、顔料インクが望ましい。
転写装置22は、インクジェット記録ヘッド20からのインク滴20Aの吐出によって画像の形成された粒子層40を、記録媒体8へ転写する。このとき、図1及び図2に示すように、転写装置22は、中間転写体12との間で記録媒体8を挟み込んで粒子層40に圧力と熱を加えることで、記録媒体8上に粒子層40を転写する(図3(B)参照)。
転写装置22は、加熱源を内蔵する加熱ロール22Aと、中間転写体12を挟んで対向する加圧ロール22Bとから構成され、加熱ロール22A及び加圧ロール22Bは接して接触部を形成する。加熱ロール22A及び加圧ロール22Bには、アルミコアの外表面にシリコーンゴムを被覆し、更にその上をPFAチューブにて被覆された物が使用される。
このとき、粒子層40を構成するインク受容性粒子16の内の、インクジェット記録ヘッド20に近い側に位置されているインク受容性粒子16を構成する樹脂はインクを吸液することで、粘着性がさらに増された状態となっており、且つガラス転移温度(Tg)が低下した状態となっている。このため、Tg以下の加熱でも粘着性が更に増加される。粒子層40のこの吸液した領域を加熱することでさらに転写効率をあげつつ、圧力も印加して中間転写体12表面に形成された離型層14Aから粒子層40が剥離され、粒子層40が記録媒体8上に転写される。なお転写装置22より前に、中間転写体12に予備加熱を行ってもよい。
クリーニング装置24は、転写装置22より、中間転写体12の周動方向(図1中、矢印X方向)下流側に設けられている。このクリーニング装置24は、中間転写体12表面に残留しているインク受容性粒子16Dの除去、粒子以外の異物(記録媒体8の紙粉等)の付着物の除去を行う。
定着装置25は、粒子層40の転写された記録媒体8上の該粒子層40を記録媒体8へ定着させる。定着装置25は、加熱源を内蔵する加熱ロール25Aと、加熱ロール25Aに対し対向する加圧ロール25Bと、を含んで構成されている。加熱ロール25A及び加圧ロール25Bは、互いに接して接触部を形成している。加熱ロール25A及び加圧ロール25Bには、例えばアルミコアの外表面にシリコーンゴムを被覆し、更にその上をPFAチューブにて被覆された物が使用される。
定着装置25は、加熱ロール25Aと加圧ロール25Bとの間に粒子層40の転写された記録媒体8を挟み込んで、加熱ロール25Aによって粒子層40へ粒子層40のインク受容性粒子16を構成する有機樹脂(詳細後述)の例えばガラス転移温度(Tg)以上の熱を加えつつ、加圧ロール25Bによって粒子層40へ圧力を加える。
記録媒体8上の粒子層40は、粒子層40を構成する有機樹脂がガラス転移点(Tg)以上に加熱されることにより軟化して(あるいは溶融され)、圧力が加わることにより、記録媒体8に定着される。粒子層40に保持されたインク液体成分(溶媒や分散媒)は、転写・定着後もそのまま粒子層40内に保持される。
なお、上記の帯電電圧や、粒子層厚、定着温度等、その他の各種装置的条件は、インク受容性粒子16あるいはインクの組成、インクの吐出量等によって最適条件が決定されるため、それぞれにおいて最適化すればよい。
以下、本実施形態に係る記録装置10の画像形成のプロセスをより詳細に説明する。
本実施形態に係る記録装置10では、図1及び図2に示すように、中間転写体12の表面に離型剤供給装置14によって離型層14Aが形成される。
なお、この離型層14Aは、必ずしも中間転写体12上に形成される必要はないが、中間転写体12の素材がアルミやPETベースである場合には、中間転写体12上に形成された粒子層40の記録媒体8への転写性の低下を抑制するために、特に離型層14Aを形成することが望ましい。なお、離型層14Aを中間転写体12上に形成しない構成とする場合には、フッ素樹脂・シリコーンゴム系の素材を用いて、中間転写体12の表面自体に離型性を持たせるよう構成すればよい。
表面に離型層14Aの形成された領域が中間転写体12の周動方向への移動によって粒子供給装置18の設けられた領域に達すると、粒子供給装置18の供給ロール41Aによってインク受容性粒子16が層状に供給されて、インク受容性粒子16の粘着力によって中間転写体12上に保持され、中間転写体12上にインク受容性粒子16による粒子層40が形成される(図2参照)。
中間転写体12上の、上記インク受容性粒子16による粒子層40の形成された領域が、中間転写体12の周動方向への移動によってロール13の設けられている領域に達すると、ロール13によって粒子層40を構成するインク受容性粒子16の密度が均一化されて、粒子層40の密度及び層厚が均一化される。
さらに、中間転写体12の周動方向への移動によって、ロール13により密度及び層厚を均一化された粒子層40の設けられた領域が親水化処理装置15の設けられている領域に達すると、親水化処理装置15によって粒子層40の少なくとも表面が乾式により親水化される。
この親水化処理装置15によって乾式による親水化処理が施されることによって、中間転写体12上に形成された粒子層40の内の少なくとも表面(親水化処理装置15に向かい合う側の面)が親水化された状態となる。このため、この親水化された領域は、親水化される前の状態に比べて、吸液性能が向上した状態となる。
なお、親水化処理装置15として、粒子層40に従来公知の湿式による親水化処理がなされた場合には、粒子層40を構成するインク受容性粒子16同士の凝集により流動性の低下が発生し、粒子層40の厚みや密度が不均一となる場合があると考えられる。
一方、本実施の形態の記録装置10によれば、親水化処理装置15によって乾式による親水化処理が行われるため、親水化処理によるインク受容性粒子16同士の凝集が抑制され、親水化処理により中間転写体12上の粒子層40の厚みや密度が不均一となることが抑制される。
このようにして、中間転写体12上に、インク受容性粒子16によって構成される粒子層40が形成され、この粒子層40の少なくとも表面(粒子層40を構成するインク受容性粒子16の内の、該粒子層40の厚み方向における中間転写体12側から最も遠い側に位置されている複数のインク受容性粒子16からなる層)が、乾式により親水化処理される。
この親水化処理された粒子層40の形成された中間転写体12の領域が、中間転写体12の移動によってインクジェット記録ヘッド20からインク滴20Aの吐出されうる領域へと到達すると、インクジェット記録ヘッド20から画像信号に基づいて粒子層40へインク滴が吐出される。このインク滴は、粒子層40の表面、すなわち、粒子層40の親水化処理されている領域へ向かって吐出される。このインク滴20Aの吐出によって、粒子層40には、図3(A)に示すように、画像層16B(粒子層40のインク受容性粒子16の内のインクを受容したインク受容性粒子16による層)が形成された状態となる。
インクジェット記録ヘッド20から粒子層40へ吐出されたインク滴20Aに含まれる溶媒や分散媒等の液体成分はインク受容性粒子16間の空隙及びインク受容性粒子16を構成する粒子間の空隙に速やかに吸収されるともに、該インク滴20Aに含まれる記録材(例えば顔料)もまたインク受容性粒子16表面或いはインク受容性粒子16を構成する粒子間の空隙に捕獲される。
この場合、粒子層40の表面に多くの記録材(例えば顔料)を捕獲(トラップ)することが望ましい。インク受容性粒子16内の粒子間空隙がフィルターの効果を発揮し、粒子層40表面に記録材(例えば顔料)をトラップすると共に、インク受容性粒子16内の粒子間空隙に捕獲(トラップ)され固定されることにより発現される。
ここで、粒子層40の表面は、親水化処理装置15によって親水化されていることから、親水化される前の状態に比べて吸液性能が向上している。このため、粒子層40に供給されたインク滴20Aは高速且つ良好に粒子層40に受容(吸収)される。また、親水化処理装置15による親水化処理は、乾式による親水化処理であることから、親水化処理前後における粒子層40の層厚及び密度の変化が抑制され、粒子層40の密度及び層厚の不均一化により粒子層40に受容されるインク滴20Aの滲み等が抑制され、画質劣化が抑制されると考えられる。
このようにして、インクジェット記録ヘッド20から吐出されたインク滴20Aは、親水化処理された粒子層40に向かって吐出されて、粒子層40に受容される。
なお、インク滴20Aに含まれる液体成分は粒子層40の厚み方向に浸透して中間転写体12に接触されているインク受容性粒子16まで達する場合があるが、顔料等の記録材は粒子層40の表面、インク受容性粒子16間の空隙、またはインク受容性粒子16内の空隙に捕獲される。すなわち、インク液体成分は粒子層40の厚み方向に中間転写体12に到達する領域まで浸透させてもよいが、顔料等の記録材は粒子層40の該中間転写体12に到達する領域には浸透しない。
次いで画像層16Bの形成された粒子層40を、転写装置22によって中間転写体12から記録媒体8上に転写した後に、定着装置25によって記録媒体8へ定着させる。
この転写装置22による転写時には、図2に示すように、粒子層40の内の中間転写体12に接していたインク受容性粒子16による層が中間転写体12から剥離されることによって、粒子層40が中間転写体12から剥離されて記録媒体8へ転写される。このため、定着装置25による定着後には、図3(B)に示すように、インク滴20Aを受容した画像層16Bは、インク滴20Aを受容していない方のインク受容性粒子16による層16Cによって保護された状態となる。従って、画像が形成されている画像層16Bの耐擦性が得られる。
上記の工程を経て、記録媒体8への画像形成が終了する。中間転写体12については、インク受容性粒子16を記録媒体8に転写した後に、中間転写体12上に残留した残留粒子16Dや、記録媒体8から離脱した紙粉の如く異物が存在する場合には、クリーニング装置24により除去してもよい。
例えば、粒子層40が剥離した後の中間転写体12表面に残った残留粒子16Dはクリーニング装置24にて回収され(図1参照)、中間転写体12の表面には、離型層14Aが形成された後に、インク受容性粒子16が再度供給され粒子層40が形成される。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、インク受容性粒子16の粘着力を利用して中間転写体12上に供給して保持させる場合を説明したが、本実施の形態では、インク受容性粒子16を帯電させて静電力により中間転写体12上に供給して保持させる場合を説明する。
本実施形態に係る記録装置11は、図4及び図5に示すように、中間転写体12を含んで構成されている。中間転写体12は、周動方向(図1中、矢印A方向)に周動するように設けられている。この中間転写体12の周辺には、中間転写体12の周動方向に沿って順に、中間転写体12上に離型剤14Dを供給する離型剤供給装置14、中間転写体12を帯電させる帯電装置28、中間転写体12上へインクを受容するインク受容性粒子を層状に供給して中間転写体12上へ粒子層40を形成する粒子供給装置47、粒子層40の厚みを均一にするためのロール13、粒子層40の少なくとも表面に乾式による親水化処理を施すための親水化処理装置15、少なくとも表面を親水化された粒子層40上にインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド20、記録媒体8を中間転写体12と重ね合わせて圧力または圧力及び熱を加えることにより記録媒体8上に粒子層40を転写する転写装置22、クリーニング装置24、及び除電装置29が順に配列されている。また、記録装置10は、粒子層40に圧力及び熱を加えることにより粒子層40を記録媒体8へ定着させる定着装置25を含んで構成されている。
なお、本実施の形態で説明する記録装置11は、帯電装置28及び除電装置29が設けられている点、及び第1の実施の形態で説明した記録装置10における粒子供給装置18に変えてインク受容性粒子16を帯電させて中間転写体12へ供給する粒子供給装置47が設けられている点以外は、第1の実施の形態で説明した記録装置10と略同一の構成及び機能を備えているため、同一部分には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
帯電装置28は、粒子供給装置47より中間転写体12の周動方向上流側で、且つ離型剤供給装置14より該周動方向下流側に配置されている。帯電装置28は、中間転写体12の表面を帯電させる。具体的には、帯電装置28は、中間転写体12に供給されるインク受容性粒子16の電荷と逆帯電の電荷を中間転写体12表面に付与することにより、中間転写体12表面を帯電させる。
本実施形態においては、帯電装置28を用いて、帯電装置28と中間転写体12を挟んで配置されている従動ロール31(グラウンドに接続)間に電圧を印加し、中間転写体12表面を帯電させる構成としている。
帯電装置28としては、ロール状の基材上に弾性層を形成した構成が挙げられる。ロール状の基材としてはアルミニウム、ステンレススチール等を材料とする棒状又はパイプ状部材が用いられ、この外周面に導電性付与材を分散させた弾性層を形成し、体積抵抗率10Ω・cm以上10Ω・cm以下程度に調整したφ10mm以上φ25mm以下のロールなどが帯電装置28として使用される。
この弾性層は、ウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマー、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、シリコーン系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ポリノルボーネンゴム等の樹脂材料が単独又は二種以上の混合物として使用され、望ましい材料としては発泡ウレタン樹脂がある。上記発泡ウレタン樹脂としては、ウレタン系樹脂に中空ガラスビーズや熱膨張型マイクロカプセル等の中空体を混合分散して独立気泡構造を付与したものが望ましい。さらに、弾性層の表面を厚さ5μm以上100μm以下の撥水性の被覆層で被覆してもよい。
本実施の形態では、帯電装置28は、ステンレスを材料とする棒状の外周面に、導電性付与材を分散させた弾性層(発泡ウレタン樹脂)を形成し、体積抵抗率10Ω・cm以上10Ω・cm以下程度に調整したロール形状の部材とする。さらに、弾性層の表面を厚さ5μm以上100μm以下の撥水撥油性の被覆層(例えば四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)で構成)で被覆する。
帯電装置28には高圧電源が接続され、従動ロール31はフレームグランドに電気的に接続されている。帯電装置28は、従動ロール31との間で中間転写体12を挟みつつ従動し、押圧位置では、接地された従動ロール31との間に所定の電位差が生じるため、中間転写体12の表面に電荷を与えることができる。ここでは帯電装置28により中間転写体12表面に例えば表面電位が1kvとなるように電圧を印加し、中間転写体12表面を帯電させる。また、帯電装置28をコロトロン等の非接触帯電装置で構成してもよい。
粒子供給装置47は、ロール13より中間転写体12の周動方向(図4中、矢印A方向)上流側で、且つ帯電装置28の該周動方向下流側に設けられている。
粒子供給装置47は、インク受容性粒子16を中間転写体12へ層状に供給して粒子層40を形成する。この粒子供給装置47には、供給管19Aを介してインク受容性粒子収納カートリッジ19が脱着可能に連結されている。
粒子供給装置47には、インク受容性粒子収納カートリッジ19から供給されたインク受容性粒子16が貯留される。この粒子供給装置47の中間転写体12と向かい合う領域には、供給ロール43Aが配され、供給ロール43Aに押圧するように帯電ブレード43Bが配されている。
帯電ブレード43Bは、インク受容性粒子16を、帯電装置28によって帯電された中間転写体12の電荷と逆極性に帯電させる。また、この帯電ブレード43Bは供給ロール43A表面に供給するインク受容性粒子16の層厚を規制する機能も併せ持っている。
このため、粒子供給装置47内のインク受容性粒子16は、供給ロール43A(導電性ロール)に供給されて、帯電ブレード43Bによって帯電されると共に、中間転写体12へ供給される量が調整されて中間転写体12へ供給される。この供給ロール43Aには、アルミ製の中実ロール、帯電ブレード43Bには、圧力をかけるためにウレタンゴムの取り付けられた金属板(SUSなど)が用いられる。
帯電ブレード43Bによって帯電されたインク受容性粒子16は、供給ロール43A表面に例えば1層(粒子一個分の層、以下同様である)形成され、供給ロール43Aの回転によって中間転写体12表面と対向する領域に搬送され、供給ロール43Aと中間転写体12表面との電位差により形成された電界により、帯電したインク受容性粒子16は静電力により中間転写体12表面へと移動する。
なお、このインク受容性粒子16の供給量は、粒子供給装置47において、中間転写体12の移動速度と供給ロール43Aの回転速度を相対的に設定する(周速比)ことで調整される。この周速比は、中間転写体12の帯電量やインク受容性粒子16の帯電量、供給ロール43Aと中間転写体12の位置関係等、他のパラメータに依存する。
このインク受容性粒子16の帯電量の絶対値としては、5μC/g以上50μC/g以下の範囲が望ましい。
このためには、中間転写体12上に、複数層のインク受容性粒子16による粒子層40が形成されるように中間転写体12の移動速度と供給ロール41Aの回転速度を相対的に設定すればよい(周速比)。この周速比は、中間転写体12の帯電量やインク受容性粒子16の帯電量、供給ロール41Aと中間転写体12の位置関係等、他のパラメータに依存する。
なお、上記インク受容性粒子16による1層の粒子層を形成する周速比を予め測定して基準とし、供給ロール41Aの周速を相対的に速くすることにより、中間転写体12へと供給されるインク受容性粒子16の粒子数が増加される。一方、転写される画像濃度が低い(インク打ち込み量が少ない(例えば0.1g/m以上1.5g/m以下))場合には、インク受容性粒子16による層厚を必要最小限の厚さ(例えば、1μm以上5μm以下)とし、また、画像濃度が高い(インク打ち込み量が多い(例えば4g/m以上15g/m以下)場合には、インク液体成分(溶媒や分散媒)を保持可能である充分な層厚(例えば10μm以上25μm以下)となるようにインク受容性粒子16による粒子層40の厚み(すなわち、インク受容性粒子16の供給量)を調整することが望ましい。
例えば、インク打ち込み量が少ない文字画像等の場合、1層のインク受容性粒子16の粒子層40に対して像形成を行った場合、インク中の画像形成材(顔料)は中間転写体12上の粒子層40表面に捕獲され、深さ方向に対して分布が少なくなるように、インク受容性粒子16の表面や内部の粒子空隙に固定されるが、インク打ち込み量が多い即ち高濃度の画像を形成する場合には、インク受容性粒子16の深さ方向に対してのインクの分布が高濃度の画像ほど多くなることから、インク受容性粒子16が複数層である事が好ましく、高画質の画像形成が実現される。
また2次色や3次色の画像等、インク打ち込み量が1次色に比べて多い画像を形成する場合には、インク液体成分(溶媒や分散媒)が保持可能で、記録材(例えば顔料)が捕獲され、また最下層(最も中間転写体12側の層)を構成するインク受容性粒子16の層までインクが到達しない程度に、インク受容性粒子16を複数層積層させることが好ましい。
インクまたはインク中の顔料が、中間転写体12に最も近い側に供給されたインク受容性粒子16(最下層)側まで到達しない場合には、転写・定着後の画像層表面に画像形成材(顔料)は露出せず、粒子層40を構成するインク受容性粒子16の内の、インクを受容していなインク受容性粒子16が画像表面に保護層として形成されることとなる。このため、記録媒体8に定着された後の粒子層40の耐擦性及び耐熱性の向上が図れると共に、定着後の画像の劣化が抑制される。
なお、本実施の形態においては、中間転写体12は、上述のように静電力により表面にインク受容性粒子16を保持する。この為には、中間転写体12表面が半導電性あるいは絶縁性の粒子保持特性を有する必要がある。このため、中間転写体12表面の電気的特性としては、半導電性の場合には表面抵抗率が1010Ω/□以上1014Ω/□以下、体積抵抗率が10Ω・cm以上1013Ω・cm以下、絶縁性の場合には表面抵抗率が1014Ω/□、体積抵抗率が1013Ω・cm以上の部材が用いられる。
乾式により親水化処理を行う親水化処理装置15として、第1の実施の形態では、粒子層40の少なくとも表面を乾式により親水化可能な構成であればどのようなものであってもよく、例えば、UVオゾン法、コロナ放電法、及びプラズマ法等が用いられるが、本実施の形態においては、親水化処理装置としては、コロナ放電法が用いられる。
すなわち、本実施の形態の親水化処理装置15は、中間転写体12上に形成された粒子層40を構成するインク受容性粒子16の帯電極性と同極性のコロナ放電により、粒子層40へ乾式による親水化処理を行う。インク受容性粒子16の帯電極性と同極性のコロナ放電により親水化処理を行うことで、静電力により中間転写体12上に保持されている粒子層40が、更に安定して中間転写体12上に保持される。
除電装置29は、中間転写体12の周動方向のクリーニング装置24より下流側で且つ離型剤供給装置14より上流側に設けられており、中間転写体12表面に残留する電荷を除去する。例えば、除電装置29として導電性ロールを使用して、従動ロール31(接地)と挟み込んで、中間転写体12表面に±3kV、500Hz程度の電圧を印加して、中間転写体12表面を除電する。
以下、本実施形態に係る記録装置11の画像形成のプロセスをより詳細に説明する。
本実施形態に係る記録装置11では、図4及び図5に示すように、中間転写体12の表面に離型剤供給装置14によって離型層14Aが形成される。次に帯電装置28によって中間転写体12の表面が、粒子供給装置47によって後から供給されるインク受容性粒子16とは逆の極性に帯電される。
中間転写体12上の帯電装置28によって帯電された領域が、中間転写体12の周動方向への周動によって粒子供給装置47の設けられた領域に達すると、粒子供給装置47によって中間転写体12とは逆極性に帯電されたインク受容性粒子16が、該粒子供給装置47により層状に供給されて粒子層40が形成される。
この粒子層40の形成された中間転写体12の領域が、中間転写体12の周動方向への移動によってロール13の設けられている領域に達すると、ロール13によって粒子層40を構成するインク受容性粒子16の密度が均一化されて、粒子層40の密度及び層厚が均一化される。
さらに、中間転写体12の周動方向への移動によって、ロール13により密度及び層厚を均一化された粒子層40の設けられた領域が親水化処理装置15の設けられている領域に達すると、親水化処理装置15によって、中間転写体12上の粒子層40を構成するインク受容性粒子16と同極性のコロナ放電がなされ、親水化処理が施される。
この親水化処理装置15によって、粒子層40へ乾式による親水化処理が施されることによって、中間転写体12上に形成された粒子層40の内の少なくとも表面(親水化処理装置15に向かい合う側の面)が親水化された状態となる。このため、この親水化された領域は、親水化される前の状態に比べて、吸液性能が向上した状態となる。
また、親水化処理装置15によって、中間転写体12上の粒子層40を構成するインク受容性粒子16と同極性のコロナ放電がなされるので、インク受容性粒子16の帯電量が増加され、粒子層40がより安定して中間転写体12上に保持される。
この親水化処理された粒子層40の形成された中間転写体12の領域が、中間転写体12の移動によってインクジェット記録ヘッド20からインク滴20Aの吐出されうる領域へと到達すると、インクジェット記録ヘッド20から画像信号に基づいて粒子層40へインク滴が吐出される。インクジェット記録ヘッド20から粒子層40へ吐出されたインク滴20Aに含まれる溶媒や分散媒等の液体成分はインク受容性粒子16間の空隙及びインク受容性粒子16を構成する空隙に速やかに吸収されるともに、該インク滴20Aに含まれる記録材(例えば顔料)もまたインク受容性粒子16表面或いはインク受容性粒子16を構成する粒子間の空隙に捕獲される。
ここで、粒子層40の表面は、親水化処理装置15によって親水化されていることから、親水化される前の状態に比べて吸液性能が向上している。このため、粒子層40に供給されたインク滴20Aは高速且つ良好に粒子層40に受容(吸収)される。また、親水化処理装置15による親水化処理は、乾式による親水化処理であることから、親水化処理前後における粒子層40の層厚及び密度の変化が抑制され、粒子層40の密度及び層厚の不均一化により粒子層40に受容されるインク滴20Aの滲み等が抑制され、画質劣化が抑制されると考えられる。
次いでインク滴20Aを吐出されることによって画像層16Bの形成された粒子層40を、転写装置22によって中間転写体12から記録媒体8上に転写した後に、定着装置25によって記録媒体8へ定着させる。上記の工程を経て、記録媒体8への画像形成が終了する。中間転写体12については、インク受容性粒子16を記録媒体8に転写した後に、中間転写体12上に残留した残留粒子16Dや、記録媒体8から離脱した紙粉の如く異物が存在する場合には、クリーニング装置24により除去してもよい。
<インク受容性粒子>
以下、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態で好適に適用するインク受容性粒子16について詳細に説明する。以下、符号は省略して説明する。
インク受容性粒子は、インクが当該粒子と接触したとき、インク成分を受容するものである。ここで、インク受容性とは、インク成分の少なくとも一部(少なくとも液体成分)を保持することを示す。そして、インク受容性粒子は、例えば、全単量体成分に対して極性基を持つ極性単量体の比率が10mol%以上90mol%以下の有機樹脂を少なくとも含んで構成されている。具体的には、インク受容性粒子は、例えば、上記有機樹脂を含んで構成される粒子(以下、親水性有機粒子と称する。)を有する構成が挙げられる(以下、この親水性有機粒子を含んで構成される粒子を「母粒子」と称する)。
ここで、インク受容性粒子が親水性であるとは、全単量体成分に対する極性単量体の比率が10mol%以上90mol%以下の有機樹脂を少なくとも含むことを意味する。このインク受容性粒子は疎水性に比べ粘着性が高い性質をもつ。
インク受容性粒子は、母粒子を親水性有機粒子単独の粒子(一次粒子)で構成した形態でもよいし、母粒子を少なくとも親水性有機粒子が集合した複合体粒子で構成した形態であってもよい。
ここで、母粒子を親水性有機粒子単独の粒子(一次粒子)で構成した形態の場合、インク受容性粒子がインクを受容する際、インクがインク受容性粒子に付着すると、少なくともインクの液体成分を親水性有機粒子によってインク液体成分が吸液される。
このようにして、インク受容性粒子はインクを受容する。そして、インクを受容したインク受容性粒子を記録媒体に転写することで、記録が行われる。
他方、母粒子を少なくとも親水性有機粒子が集合した複合体粒子で構成した形態の場合、インク受容性粒子がインクを受容する際、まず、インクがインク受容性粒子に付着すると、少なくともインクの液体成分を、複合体粒子を構成する粒子(少なくとも親水性有機粒子)間の空隙(以下、粒子間空隙をトラップ構造と称する場合がある)により捕獲(トラップ)する。このとき、インクの成分のうち記録材は、インク受容性粒子表面に付着又はトラップ構造により捕獲(トラップ)される。このようにして、インク受容性粒子はインクを受容する。そして、インクを受容したインク受容性粒子を記録媒体に転写することで、記録が行われる。
このトラップ構造によるインク液体成分の捕獲(トラップ)は、粒子間の空隙(物理的な粒子壁構造)による物理的及び/又は化学的な捕獲である。
そして、母粒子を少なくとも親水性有機粒子が集合した複合体粒子で構成した形態を適用することで、当該複合体粒子を構成する粒子間の空隙(物理的な粒子壁構造)による捕獲(トラップ)に加え、親水性有機粒子によってインク液体成分が吸液・保持される。
また、親水性有機粒子によってもインク液体成分が吸収、保持される。
また、インク受容性粒子の転写後、インク受容性粒子を構成する親水性有機粒子の成分は、インクに含まれる記録材の結着樹脂や被覆樹脂としても機能する。さらに、インク受容性粒子が複合体粒子の場合、そのトラップ構造に記録材をトラップする。特に、インク受容性粒子を構成する親水性有機粒子の成分として、透明樹脂を適用することが望ましい。
なお、記録材として顔料等の不溶成分、分散粒子状物を用いたインク(例えば顔料インク)の定着性(耐擦性)を改善するためにはインクに多量の樹脂添加が必要だが、インク(その処理液含む)中に多量のポリマーを添加すると、インク吐出手段のノズル目詰り等の信頼性が悪化してしまう。これに対し、上記構成では、インク受容性粒子を構成する有機樹脂成分が当該樹脂の機能を果たすことも可能である。
ここで、「前記複合体粒子を構成する粒子間の空隙」、即ち「トラップ構造」は、少なくとも液体を捕獲し得る物理的な粒子壁構造である。そして、この空隙の大きさは、最大口径で、0.1μm以上5μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.3μm以上1μm以下である。特に、空隙の大きさは、記録材、特に例えば体積球換算径100nmの顔料をトラップし得る大きさであることがよい。なお、最大開口径が50nm未満の微細孔が存在してもよい。また、空隙や毛細管は粒子内部で通じていることがよい。
この空隙の大きさは、次のようにして求める。粒子表面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置に読み取り、2値化処理により空隙を検出し、空隙の大きさ、及び、分布を解析することで求めることが可能である。
このように、トラップ構造は、インクの成分のうち液体成分のみならず、記録材もトラップすることがよい。インク液体成分と共に記録材、特に顔料をトラップ構造に捕獲(トラップ)させると、インク受容性粒子内部に記録材が偏在することなく保持・固定される。なお、インクの液体成分は、主にインク溶媒や分散媒(ビヒクル液体)である。
以下、インク受容性粒子についてさらに詳細に説明する。インク受容性粒子は、上述のように母粒子を親水性有機粒子単独の粒子(一次粒子)で構成した形態であってもよく、母粒子を少なくとも親水性有機粒子が集合した複合体粒子で構成した形態あってもよい。そして、複合体粒子を構成する親水性有機粒子以外の粒子としては無機粒子や多孔質粒子などが挙げられる。無論、母粒子は複数の親水性有機粒子のみが集合した複合体粒子で構成してもよい。また、母粒子表面に付着させる粒子としては、疎水性有機粒子以外にも例えば無機粒子が挙げられる。
インク受容性粒子の具体的な構成としては、例えば、図6に示すように、親水性有機粒子201A単独の粒子(一次粒子)で構成した母粒子201と、母粒子201に付着された無機粒子202と、を有するインク受容性粒子200の形態が挙げられる。また、図7に示すように、親水性有機粒子201Aと無機粒子201Bとが複合化された複合体粒子の母粒子201と、母粒子201に付着された無機粒子202と、を有するインク受容性粒子210の形態も挙げられる。なお、この複合体粒子の母粒子は各粒子間の空隙により空隙構造が形成される。
ここで、母粒子を複合体粒子で構成する場合、親水性有機粒子と他の粒子との質量比率(親水性有機粒子:他の粒子)は、例えば、他の粒子が無機粒子の場合、5:1以上1:10以下の範囲であることが挙げられる。
また、母粒子の粒径は、球換算球換算径が例えば0.1μm以上50μm以下(望ましくは0.5μm以上25μm以下、より望ましくは1μm以上10μm以下)の範囲が挙げられる。
また、母粒子を複合体粒子で構成する場合、そのBET比表面積(N)が例えば1m/g以上750m/g以下の範囲であることが挙げられる。
そして、母粒子を複合体粒子で構成する場合、複合体粒子は、例えば、粒子が半焼結状態で造粒されることで得られる。半焼結状態とは、粒子形状がある程度の残っており、当該粒子間で空隙を保持している状態を示す。なお、複合体粒子は、トラップ構造にインク液体成分がトラップされたとき、粒子の少なくとも一部が解離する、即ち複合体粒子が解体され、これを構成する粒子が、ばらけていてもよい。
次に、親水性有機粒子について説明する。親水性有機粒子は、例えば、全単量体成分に対する極性単量体の比率が10mol%以上90mol%以下であり、望ましくは15mol%以上85mol%以下であり、さらに望ましくは30mol%以上80mol%以下である有機樹脂を含んで構成されている。具体的には、親水性有機粒子は、上記極性単量体の比率の有機樹脂(以下、吸水性樹脂と称する)を含んで構成されることがよい。
ここで、極性単量体とは、極性基としてエチレンオキサイド基、カルボン酸、スルホン酸、置換若しくは未置換のアミノ基、水酸基、アンモニウム基及びこれらの塩を含む単量体である。例えば、正帯電性付与の場合、例えば(置換)アミノ基、アンモニウム基、(置換)ピリジン基やそのアミン塩、4級アンモニウム塩等の造塩化構造の単量体であることが望ましい。負帯電付与の場合、カルボン酸(塩)、スルホン酸(塩)等の有機酸(塩)構造の単量体であることが望ましい。
なお、極性単量体の比率は、次のようにして求める。まず質量分析、NMR,IRなどの分析手法から有機成分の構成を特定する。その後、JIS K0070又はJIS K2501に準拠して、有機成分の酸価、塩基価を測定する。有機成分の構成、及び、酸価/塩基価から極性単量体の比率を計算で求めることができる。以下同様である。
親水性有機粒子は例えば吸液性樹脂で構成される。吸液したインク液体成分(例えば水、水性溶媒)が樹脂(ポリマー)の可塑剤として作用するため、軟化して定着性に寄与することが可能である
吸液性樹脂は弱吸液性樹脂であることが好適である。この弱吸液性樹脂とは、例えば液体として水を吸収する場合、樹脂質量に対して数%(≒5%)から数百%(≒500%)、望ましくは5%以上150%以下程度の吸液が可能な親液性樹脂を意味する。
吸液性樹脂は、例えば、親水性単量体の単独重合体、或いは親水性単量体と疎水性単量体との両単量体から構成された共重合体で構成することができるが、弱吸水性樹脂とするためには当該共重合体が望ましい。なお、単量体だけでなく、ポリマー/オリゴマー構造などのユニットをスタートに他のユニットを共重合させるグラフト共重合体やブロック共重合体でもよい。
ここで、親水性単量体としては、−OH、−EOユニット(エチレンオキサイド基)、−COOM(Mは例えば水素、Na、Li、K等のアルカリ金属、アンモニア、有機アミン類等である。)、−SOM(Mは例えば水素、Na、Li、K等のアルカリ金属、アンモニア、有機アミン類等)、−NR(Rは例えば、H、アルキル、フェニル等である。)、−NRX(Rは例えば、H、アルキル、フェニル等であり、Xは例えば、ハロゲン、硫酸根、カルボン酸等の酸アニオン類、BF、等々である。)等を含む単量体が挙げられる。具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、不飽和カルボン酸、クロトン酸、マレイン酸等が挙げられる。また、親水性ユニットもしくは単量体としては、セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、でんぷん誘導体、単糖類・多糖類誘導体、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、等の重合性カルボン酸類やこれらの(部分)中和塩類、ビニルアルコール類、ビニルピロリドン、ビニルピリジンやアミノ(メタ)アクリレート及びジメチルアミノ(メタ)アクリレートの如き誘導体、更にはこれらのオニウム塩類、アクリルアミドやイソプロピルアクリルアミド等のアミド類、ポリエチレンオキサイド鎖含有ビニル化合物類、水酸基含有ビニル化合物類、多官能カルボン酸と多価アルコールから構成されるポリエステル類、特にトリメリット酸の如き3官能以上の酸を構成成分として含有し末端カルボン酸や水酸基を多く含む分岐ポリエステル、ポリエチレングリコール構造を含むポリエステル、等も挙げられる。
疎水性単量体としては、疎水性基を有する単量体が挙げられ、具体的には、例えばオレフィン(エチレン、ブタジエン等)、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。疎水性ユニットもしくは単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等、及びこれらの誘導体も挙げられる。
この親水性単量体と疎水性単量体との共重合体である吸液性樹脂として、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン/(メタ)アクリル酸/(無水)マレイン酸類共重合体、エチレン/プロピレン等のオレフィン系ポリマー(又はこの変性体、又は共重合によるカルボン酸ユニット導入物)、トリメリット酸等で酸価を向上した分岐ポリエステル、ポリアミド等が好適に挙げられる。
吸液性樹脂には、例えば、中和塩構造(例えばカルボン酸など)を含むことが挙げられる。このカルボン酸などの中和塩構造は、カチオン(例えばNa,Li等の一価金属カチオン等)を含むインクを吸液したとき、当該カチオンとの相互作用で、アイオノマーを形成する。
吸液性樹脂には、置換或いは未置換アミノ基や、置換或いは未置換ピリジン基を含むことも望ましい。当該基は、殺菌効果や、アニオン基を有する記録材(例えば顔料や染料)との相互作用を及ぼす。
ここで、吸液性樹脂において、親水性ユニット(親水性単量体)と疎水性ユニット(親水性単量体)とのモル比(親水性単量体:疎水性単量体)は、例えば5:95以上70:30以下が挙げられる。
また、吸収性樹脂は、インクから供給されるイオンによりイオン架橋してもよい。具体的には、吸水性樹脂中が(メタ)アクリル酸やマレイン酸等のカルボン酸を含む共重合体やカルボン酸を有する(分岐)ポリエステル等、樹脂中にカルボン酸を含むユニットを存在させることができる。樹脂中のカルボン酸と水性インク等の液体から供給されるアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、有機アミン・オニウムカチオン等とでイオン架橋や酸・塩基相互作用等が生じる。
吸液性樹脂及び疎水性有機粒子を構成する非吸液性樹脂(以下、まとめて有機樹脂と称する)の共通の特性について説明する。
吸液性樹脂は、直鎖構造でもよいが、分嵯構造がよい。また、吸液性樹脂は、非架橋もしくは低架橋であることが望ましい。また、吸液性樹脂は直鎖構造のランダム共重合体やブロック共重合体でもよいが、分岐構造の重合体(分岐構造のランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体を含む)が更に好適に使用できる。例えば、重縮合で合成されるポリエステルの場合、分岐構造で末端基を増加させることができる。この分岐構造は、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリレート類等のいわゆる架橋剤を合成時に添加したり(例えば1%未満の添加)、架橋剤と共に開始剤を多量添加したりすることで合成することが一般的な手法の一つである。
吸液性樹脂には、更には低分子の4級アンモニウム塩類や有機ホウ酸塩類、サリチル酸誘導体の造塩化合物類等、電子写真トナー用帯電制御剤を吸液性樹脂に添加してもよい。導電性の制御は酸化スズや酸化チタン等の導電性(ここで、導電性とは例えば体積抵抗率が10Ω・cm未満を意味する。以下、他も特記がない限り同様である。)、半導電性(ここで、半導電性とは例えば体積抵抗率が10Ωcm以上1013Ωcm以下を意味する。以下、他も特記がない限り同様である。)の無機物質添加が有効である。
吸液性樹脂は、非結晶樹脂であることがよく、そのガラス転移温度(Tg)は、例えば40℃以上90℃以下が挙げられる。ガラス転移温度(及び融点)は、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
吸液性樹脂の重量平均分子量は、例えば3000以上30万以下が挙げられる。重量平均分子量は、以下の条件で行ったものである。例えば、GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
吸液性樹脂の酸価は、例えばカルボン酸基(−COOH)換算で50mgKOH/g以上777mgKOH/g以下が挙げられる。このカルボン酸基(−COOH)換算での酸価の測定は次のように行った。
酸価は、JIS K0070に従って行い、中和滴定法を用いた測定で行った。即ち、適当量の試料を分取し、溶剤(ジエチルエーテル/エタノール混合液)100ml、及び、指示薬(フェノールフタレイン溶液)数滴を加え、水浴上で試料が溶けるまで充分に振り混ぜる。これに、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の紅色が30秒間続いた時を終点とした。酸価をA、試料量をS(g)、滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液をB(ml)、fを0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクターとした時、A=(B×f×5.611)/Sとして算出した。
以上説明した吸液性樹脂は、いずれの形態であっても極性単量体の比率を上記範囲に制御して使用される。
親水性有機粒子の粒径は、その一次粒子を母粒子とする場合、球換算球換算径が例えば0.1μm以上50μm以下(望ましくは0.5μm以上25μm以下、より望ましくは1μm以上10μm以下)の範囲が挙げられる。一方、複合体粒子を構成する場合、例えば球換算球換算径で10nm以上30μm以下(望ましくは50nm以上10μm以下、より望ましくは0.1μm以上5μm以下)の範囲が挙げられる。
親水性有機粒子のインク受容性粒子全体に対する比率は、例えば質量比で75%以上望ましくは85%以上であり、より望ましくは90%以上99%以下)の範囲が挙げられる。
次に、親水性有機粒子と共に複合粒子を構成する無機粒子、及び母粒子に付着させる無機粒子について説明する。無機粒子としては、非多孔質粒子、多孔質粒子のいずれも使用することができる。無機粒子としては、無色、淡色或いは白色の粒子(例えば、コロイダル・シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ等)が挙げられる。これら無機粒子は、表面処理(部分疎水化処理、特定官能基導入処理等)を施されてもよい。例えば、シリカの場合には、シリカの水酸基をトリメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシランなどのシリル化剤で処理してアルキル基を導入する。シリル化剤によって脱塩酸が生じ、反応が進む。この際、アミンを添加すると塩酸を塩酸塩にして反応を促進することもできる。疎水性基としてアルキル基やフェニル基を有するシランカップリング剤やチタネート系、ジルコネート系等のカップリング剤の処理量や処理条件を制御することでコントロールできる。また、脂肪族アルコール類や高級脂肪酸及び同誘導体類での表面処理も可能である。また、(置換)アミノ基や四級アンモニウム塩構造を有するシランカップリング剤等のカチオン性官能基を有するカップリング剤類、フルオロシランの様なフッ素系官能基を有するカップリング剤、その他カルボン酸等のアニオン性官能基を有するカップリング剤類での表面処理も可能である。なお、これらの無機粒子は、親水性有機粒子内部に含まれる、所謂内添されていてもよい。
また、複合体粒子を構成する無機粒子の粒径は、例えば球換算球換算径で10nm以上30μm以下(望ましくは50nm以上10μm以下、より望ましくは0.1μm以上5μm以下)の範囲が挙げられる。一方、母粒子に付着させる無機粒子の粒径は、例えば球換算球換算径で10nm以上1μm以下(望ましくは10nm以上0.1μm以下、より望ましくは10nm以上0.05μm以下)の範囲が挙げられる。
次に、インク受容性粒子のその他添加剤について説明する。まず、インク受容性粒子には、インクの成分を凝集又は増粘させる成分を含むことが望ましい。
この機能を有する成分は、上記吸液性樹脂粒子を構成する樹脂(樹脂吸水性樹脂)の官能基として含んでもよいし、化合物として含んでもよい。当該官能基としては、例えば、カルボン酸、多価金属カチオン、ポリアミン類等などが挙げられる。
また、当該化合物としては、無機電解質、有機酸、無機酸、有機アミンなどの凝集剤が好適に挙げられる。
無機電解質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン及び、アルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等の多価金属イオンと、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸、及び、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機カルボン酸及び、有機スルホン酸の塩等が挙げられる。
具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸カリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム等のアルカリ金属類の塩、及び、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオシアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、蓚酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等の多価金属類の塩等が挙げられる。
有機酸としては、具体的にはアルギニン酸、クエン酸、グリシン、グルタミン酸、コハク酸、酒石酸、システイン、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、マレイン酸、マロン酸、リシン、リンゴ酸、及び、一般式(1)で表される化合物、これら化合物の誘導体などが挙げられる。
ここで、式中、Xは、O、CO、NH、NR、S、又はSOを表す。Rはアルキル基を表し、Rとして望ましくは、CH,C、COHである。なお、Rは式中に含んでいてもよいし、含んでいなくても構わない。Xとして望ましくは、CO、NH、NR,Oであり、より望ましくは、CO、NH、Oである。Mは、水素原子、アルカリ金属又はアミン類を表す。Mとして望ましくは、H、Li、Na、K、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等であり、より望ましくは、H、Na,Kであり、更に望ましくは、水素原子である。nは、3以上7以下の整数である。nとして望ましくは、複素環が6員環又は5員環となる場合であり、より望ましくは、5員環の場合である。mは、1又は2である。一般式(1)で表される化合物は、複素環であれば、飽和環であっても不飽和環であってもよい。lは、1以上5以下の整数である。
一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリドン、ピロン、ピロール、チオフェン、インドール、ピリジン、キノリン構造を有し、更に官能基としてカルボキシル基を有する化合物が挙げられる。具体的には、2−ピロリドン−5−カルボン酸、4−メチル−4−ペンタノリド−3−カルボン酸、フランカルボン酸、2−ベンゾフランカルボン酸、5−メチル−2−フランカルボン酸、2,5−ジメチル−3−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、4−ブタノリド−3−カルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、2−ピロン−6−カルボン酸、4−ピロン−2−カルボン酸、5−ヒドロキシ−4−ピロン−5−カルボン酸、4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、チオフェンカルボン酸、2−ピロールカルボン酸、2,3−ジメチルピロール−4−カルボン酸、2,4,5−トリメチルピロール−3−プロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−インドールカルボン酸、2,5−ジオキソ−4−メチル−3−ピロリン−3−プロピオン酸、2−ピロリジンカルボン酸、4−ヒドロキシプロリン、1−メチルピロリジン−2−カルボン酸、5−カルボキシ−1−メチルピロリジン−2−酢酸、2−ピリジンカルボン酸、3−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、ピリジントリカルボン酸、ピリジンペンタカルボン酸、1,2,5,6−テトラヒドロ−1−メチルニコチン酸、2−キノリンカルボン酸、4−キノリンカルボン酸、2−フェニル−4−キノリンカルボン酸、4−ヒドロキシ−2−キノリンカルボン酸、6−メトキシ−4−キノリンカルボン酸等の化合物が挙げられる。
有機酸としては、望ましくは、クエン酸、グリシン、グルタミン酸、コハク酸、酒石酸、フタル酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩である。より望ましくは、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩である。さらに望ましくは、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、フランカルボン酸、クマリン酸、若しくは、これらの化合物誘導体、又は、これらの塩である。
有機アミン化合物としては、1級、2級、3級及び4級アミン及びそれらの塩のいずれであっても構わない。具体例としては、テトラアルキルアンモニウム、アルキルアミン、ベンザルコニウム、アルキルピリジウム、イミダゾリウム、ポリアミン、及び、それらの誘導体、又は、塩等が挙げられる。具体的には、アミルアミン、ブチルアミン、プロパノールアミン、プロピルアミン、エタノールアミン、エチルエタノールアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチルメチルアミン、エチルベンジルアミン、エチレンジアミン、オクチルアミン、オレイルアミン、シクロオクチルアミン、シクロブチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジ2−エチルヘキシルアミン、ジエチレントリアミン、ジフェニルアミン、ジブチルアミン、ジプロピルアミン、ジヘキシルアミン、ジペンチルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルエチレンジアミン、ジメチルオクチルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ジメチルヘキシルアミン、アミノ−ブタノール、アミノ−プロパノール、アミノ−プロパンジオール、N−アセチルアミノエタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)−エタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン、セチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリイソペンチルアミン、トリエタノールアミン、トリオクチルアミン、トリチルアミン、ビス(2−アミノエチル)1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、ビス(トリメチルシリル)アミン、ブチルアミン、ブチルイソプロピルアミン、プロパンジアミン、プロピルジアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、2−メチル−シクロヘキシルアミン、メチル−プロピルアミン、メチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、ラウリルアミン、ノニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレシジアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムク口ライド、ステアラミドメチルビリジウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体等が挙げられる。
より望ましくは、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、エタノールアミン、プロパンジアミン、プロピルアミンなどが使用される。
これら凝集剤の中でも、多価金属塩(Ca(NO)、Mg(NO)、Al(OH)、ポリ塩化アルミニウム等)が好適に用いられる。
凝集剤は単独で使用しても、あるいは2種類以上を混合して使用しても構わない。また、凝集剤の含有量としては、0.01質量%以上30質量%以下であることが望ましい。より望ましくは、0.1質量%以上15質量%以下であり、更に望ましくは、1質量%以上15質量%以下である。
インク受容性粒子には、離型剤が含まれていることがよい。離型剤は、上記吸液性樹脂に含ませてもよいし、親水性有機樹脂粒子と共に離型剤の粒子を複合化して含ませてもよい。
この離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;及びそれらの変性物などが挙げられる。これらの中でも結晶性化合物を適用することがよい。
<インク>
以下、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態で適用されるインクについて詳細に説明する。インクは水性インクが使用される。水性インク(以下、単にインクと称する)は、記録材に加え、インク溶媒(例えば、水、水溶性有機溶媒)を含んでいる。また、必要に応じて、その他、添加剤を含んでいてもよい。
まず、記録材について説明する。記録材としては、主に色材が挙げられる。色材としては、染料、顔料のいずれも用いることができるが、顔料であることがよい。顔料としては有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料ではファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
また、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等を顔料として使用することも可能である。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
黄色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、色材として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが望ましい。使用可能な顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いることができる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有する単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として用いられる、望ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有する単量体を共重合させてもよい。
上記高分子分散剤としては、例えば重量平均分子量で2000以上50000以下のものが挙げられる。
これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。顔料分散剤の添加量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、一般に顔料に対し、合計で0.1質量%以上100質量%以下が挙げられる。
色材として水に自己分散可能な顔料を用いることもできる。水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、水に自己分散可能な顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cabot260、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
自己分散顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが望ましい。より望ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料である。
更に、樹脂により被覆された顔料等も使用される。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料だけでなく、本発明のために試作されたマイクロカプセル顔料等も使用される。
また、高分子物質を上記顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料を用いることもできる。
記録材としては、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フェライトやマグネタイトに代表される強磁性体等の磁性体類、酸化チタン、酸化亜鉛に代表される半導体や光触媒類、その他有機、無機の電子材料粒子類などが挙げられる。
記録材の含有量(濃度)は、例えばインクに対して5質量%以上30質量%以下が挙げられる。
記録材の体積球換算径は、例えば10nm以上1000nm以下であることが挙げられる。
記録材の体積球換算径とは、記録材そのものの粒径、又は記録材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積球換算径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340 ( Leeds&Northrup社製 )を用いた。その測定は、インク4mlを測定セルに入れ、所定の測定法に従って行う。なお、測定時の入力値として、粘度にはインクの粘度を、分散粒子の密度は記録材の密度とする。
次に、水溶性有機溶媒について説明する。水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
水溶性有機溶媒の具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、キシリトールなどの糖アルコール類、キシロース、グルコース、ガラクトースなどの糖類等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も用いられる。
水溶性有機溶媒は、少なくとも1種類以上使用してもよい。水溶性有機溶媒の含有量としては、例えば1質量%以上70質量%以下が挙げられる。
次に、水について説明する。水としては、特に不純物が混入することを防止するため、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することが望ましい。
次に、その他の添加剤について説明する。インクには、界面活性剤を添加することができる。
これら界面活性剤の種類としては、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、望ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が用いられる。
以下、界面活性剤の具体例を列挙する。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用でき、望ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が用いられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、望ましくは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物が用いられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
これらの界面活性剤は単独で使用しても混合して使用してもよい。また界面活性剤の親水性/疎水性バランス(HLB)は、溶解性等を考慮すると3以上20以下の範囲であることが望ましい。
これらの界面活性剤の添加量は、0.001質量%以上5質量%以下が望ましく、0.01質量%以上3質量%以下が特に望ましい。
また、インクには、その他、浸透性を調整する目的で浸透剤、インク吐出性改善等の特性制御を目的でポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等や、導電率、pHを調整するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の化合物等、その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等も添加することができる。
次に、インクの好適な特性について説明する。まず、インクの表面張力は、20mN/m以上45mN/m以下であることが挙げられる。
ここで、表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用した。
インクの粘度は、1.5mPa・s以上30mPa・s以下であることが挙げられる。
ここで、粘度としては、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定した値を採用した。
なお、インクは、上記構成に限定されるものではない。記録材以外に、例えば、液晶材料、電子材料など機能性材料を含むものであってもよい。
なお、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクジェット記録ヘッド20から画像データに基づいて選択的にインク滴20Aが吐出されてフルカラーの画像が記録媒体8に記録されるようになっているが、記録媒体上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、工業的に用いられる液滴吐出(噴射)装置全般に対して、本発明に係る装置が適用される。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
[実施例A1]
上記第1の実施形態と同様な構成の記録装置(図1〜図3参照を用いて、親水化処理装置15としてコロナ放電により親水化処理を行う装置を用いて、画像形成を行い、評価を行った。
なお、記録条件を下記のように設定した。
・中間転写体線速:100mm/秒。
・粒子供給装置による粒子供給条件:
周速比(供給ロール41A/中間転写体12)1/2、ギャップ1mmとし、中間転写体12上の単位面積当たりのインク受容性粒子16の供給量は2mg/cmとした。
・粒子層の層厚及び密度を均一化するためのロール13としては、ステンレス製の金属ロールを適用し、両端を指示するバネ部材によって、粒子層を構成する各インク受容性粒子を変形させない程度の圧力を付与するように、粒子層へ付与する圧力を調整した。
・ロール13により密度及び層厚の調整された後の、粒子層40の厚みを15μmとした。
・親水化処理装置15:親水化処理装置としては、コロナ放電を行うコロトロン装置を
用い、シールド部材としては、アルミニウムを用い、ワイヤーとしては直径50μmのタングステンを用いた。ワイヤーには直流3kVを印加した。なお、コロトロンと中間転写体12上の粒子層40との距離は2mmとし、マイナスのコロナ放電を行った。
・なお、上記中間転写体線速とすることで、上記親水化処理装置15による中間転写体12上の同一領域の親水化処理時間は、0.1秒であった。
・転写温度:転写ロールの表面温度を90℃に設定。
・定着温度:定着ロール表面温度を160℃に設定。
・インクジェット記録ヘッドの構成:600dpi、ノズル数7090個のノズルヘッドを千鳥に2列に配置した12インチのヘッド(合計1200dpi、ノズル数14180)
・インクの吐出量:1200×1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数)の画像面積密度で1画素当り5pL、
・記録媒体:A4普通紙(C2 富士ゼロックスインターフィールド製)
インク受容性粒子及びインクとしては、下記粒子及びインクを用いた。
−インク受容性粒子16−
・スチレン/n−ブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体粒子(極性単量体比率33%、球換算平均粒径8μm):100質量部
・非晶質シリカ(母粒子構成粒子:Aerosil OX50/Degussa社、球換算平均粒径0.04μm):1質量部
・非晶質シリカ(母粒子構成粒子:Aerosil TT600/Degussa社、球換算平均粒径0.04μm):1質量部
・ポリプロピレンワックス(ペレスタット300/三洋化成社製):1質量部
以上の成分を少量のポリビニルアルコールを加えミルを用いて攪拌混合した。これインク受容性粒子16とした。
−黒色インクの調整−
・カーボンブラック(CB):5質量部
・スチレン/n−ブチルメタクリレート/メタクリル酸:1.5質量部
・グリセリン:20質量部
・トリエチレングリコール:5質量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:2質量部
・オルフィンE1010 (日信化学社製):1質量部
・水:残部
以上材料を混合し、液体(黒色インク)を得た。この液体の表面張力は31mN/mであった。
―イエロ−インクの調整―
・C.I.Pigment Yellow 128:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.6質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
以上材料を混合し、液体(イエローインク)を得た。この液体のpHは8.7、液体に含まれる粉体の体積平均粒子径は115nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
―マゼンタインクの調整―
・C.I.Pigment Red 122:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.75質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
以上材料を混合し、液体(マゼンタインク)を得た。この液体のpHは8.6、液体に含まれる粉体の体積平均粒子径は106nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
―シアンインクの調整―
・C.I.Pigment Blue 15:3:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.6質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
以上材料を混合し、液体(シアンインク)を得た。この液体のpHは8.8、液体に含まれる粉体の体積平均粒子径は92nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.1mPa・sであった。
(評価)
本実施例で用いる上記条件の記録装置によって下記評価を行った。なお、これらの評価は、一般環境下(温度23±0.5℃、湿度55±5%RH)で行った。評価結果等を表1に示した。
―親水性の評価―
本実施例の記録装置によって中間転写体12上に形成された粒子層40について、親水化処理装置15によって親水化処理される前と後との双方における親水性を下記評価基準により評価した。
評価方法としては、本実施例の記録装置によって中間転写体12上に形成され且つロール13によって層厚及び密度が調整され、且つ親水化処理装置15によって親水化処理される前の粒子層40と、該親水化処理装置15によって親水化処理され且つインク滴を吐出される前の粒子層40と、の水に対する接触角を、微小自動接触角計(MCA―1、協和界面科学(株)製)を用いて測定した。
測定方法としては、実施例の記録装置によって中間転写体12上に形成され且つロール13によって層厚及び密度が調整され、且つ親水化処理装置15によって親水化処理される前の粒子層40に、23℃50%RHの環境下に10秒放置した後に、上記接触角測定装置を用いて100plの水を滴下し、滴下後1秒までの接触角を測定した。
また、本実施例の記録装置によって中間転写体12上に形成され且つロール13によって層厚及び密度が調整され、且つ親水化処理装置15によって上記0.1秒の親水化処理が施され、且つインク滴を吐出される前の粒子層40についても同様にして、
上記接触角測定装置を用いた接触角の測定を実施した。
−−親水性の評価基準−−
G1:親水化処理装置による親水化処理後の粒子層の水に対する接触角が20°未満。
G2:該接触角が20°以上60°以下
G3:該接触角が60°以下
―流動性の評価―
本実施例の記録装置によって中間転写体12上に形成され且つロール13によって層厚及び密度が調整され、且つ親水化処理装置15によって親水化処理される前の粒子層40を構成するインク受容性粒子16と、該親水化処理装置15によって親水化処理され且つインク滴を吐出される前の粒子層40を構成するインク受容性粒子16と、の各々を採取し、上記一般環境下において、インク受容性粒子3gを目開き10μmの篩にのせ、振幅1mmで90秒間振動させて、インク受容性粒子の落下の様子に基づいて判断した。具体的な評価基準は、以下の通りである。
―流動性の評価基準―
G1:篩上にインク受容性粒子残りが5%未満。
G2:篩上にインク受容性粒子が篩の振動前の5%以上10%以下残る。
G3:篩上に篩の振動前の10%以上のインク受容性粒子が残る。
―凝集性の評価―
本実施例の記録装置によって中間転写体12上に形成され且つロール13によって層厚及び密度が調整された後に親水化処理装置15によって親水化処理され、且つインク滴を吐出される前の粒子層40各々について、MicroscopeVH−Z500 キーエンス製で3000倍を100視野、粒子塊の有無を観察した。
−凝集性評価基準−
G1:2個以上のインク受容性粒子が塊となっているものの割合が全体の5%以下。
G2:2個以上のインク受容性粒子が塊となっているものの割合が全体の5%以上10%以下。
G3:2個以上のインク受容性粒子が塊となっているものの割合が全体の10%以上。
―画質評価―
画質評価として、滲み評価及びフェザリング評価を行った。
――滲み評価――
本実施例の記録装置において、上記記録条件で画像記録を行った。なお、インクジェット記録ヘッドによって、20mm×20mmのイエロー色ベタ画像上に15mm×15mmの黒色ベタ画像を形成したパターンと、20mm×20mmのマゼンタ色ベタ画像上に15mm×15mmの黒色ベタ画像を形成したパターンと、20mm×20mmのシアン色ベタ画像上に15mm×15mmの黒色ベタ画像を形成したパターンと、の3種類のパターンを粒子層40上に形成し、記録媒体8上に記録されたこれら3種類のパターン各々における各色間の境界部分の滲み度合いを、予め定めておいた限度見本に照合し、官能評価を行なった。
――滲み評価基準――
G1:3種類のパターンの全てにおいて、目視では滲みが見分けられない。
G2:3種類のパターンの内、目視で滲みが確認され且つ目立つものが無い。
G3:3種類のパターンの内、目視で滲みが確認され且つ目立つものがある。
なお、上記滲み評価基準において“滲みが観察されるものの目立たない”とは、滲みは見られるが黒色ベタ画像が下層側(シアン、マゼンタ、またはイエローベタ画像)からはみ出した状態ではないことを示している。
また、上記“滲みが観察され且つ目立つ”とは、黒色ベタ画像が下層側(シアン、マゼンタ、またはイエローベタ画像)からはみ出していることを示している。
−フェザリング評価−
本実施例の記録装置において、上記記録条件で画像記録を行った。なお、インクジェット記録ヘッドによって、イエロー、マゼンタ、シアン、及び黒色の4色のライン画像を、1ドット、3ドット、5ドットの3種類の幅各々で粒子層40上に形成し、記録媒体8上に記録されたこれらの3種類の幅の4色のライン画像各々の滲みの程度を予め定めておいた限度見本と照合し、目視観察によって以下の評価基準により評価した。
−−フェザリング評価基準−−
G1:4色のライン画像各々の3種類の全ての幅の画像において、目視では滲みがない。
G2:4色のライン画像各々の3種類の全ての幅の画像の内、目視では、滲みが観察されるものの目立たない。
G3:4色のライン画像各々の3種類の全ての幅の画像の内、目視では、滲みが観察目立つものがある。
上記評価結果を表1に示した。
[実施例A2]
実施例A1で用いた記録装置において、親水化処理装置15を中間転写体12の周動方向に2つ配列させることで、これらの親水化処理装置15による中間転写体12上の同一領域の親水化処理時間を、0.2秒となるように調整した以外は、実施例A1と同様にして、親水性評価、流動性評価、凝集性評価、画質評価(滲み評価及びフェザリング評価)を行った。評価結果を表1に示した。
[実施例A3]
実施例A1で用いた記録装置において、コロナ放電を行う親水化処理装置15に変えて、UVオゾン法により親水化処理を行うセン特殊光源社製、商品名UVL15Dを用いた以外は、実施例A1と同様にして、親水性評価、流動性評価、凝集性評価、画質評価(滲み評価及びフェザリング評価)を行った。評価結果を表1に示した。
なお、このUVオゾン法により親水化処理を行う親水化処理条件は、処理条件を大気中で低圧水銀ランプのUV特性(254nm):照度33μW/cmを粒子層間の距離を2mmとし、この親水化処理装置15による中間転写体12上の同一領域の親水化処理時間を、1秒となるように中間転写体12の線速度を調整した。
[実施例A4]
実施例A1で用いた記録装置において、コロナ放電を行う親水化処理装置15に変えて、プラズマ法により親水化処理を行う春日電機社製、商品名PS―601S:出力600Wを用いた以外は、実施例A1と同様にして、親水性評価、流動性評価、凝集性評価、画質評価(滲み評価及びフェザリング評価)を行った。評価結果を表1に示した。
なお、このプラズマ法により親水化処理を行う親水化処理条件として、プラズマ発生部分と粒子層との間隔は2mm、処理時間0.5秒とした。
[比較例A1]
実施例A1で用いた記録装置において、コロナ放電を行う親水化処理装置15に変えて、湿式により親水化処理を行った以外は、実施例A1と同様にして、親水性評価、流動性評価、凝集性評価、画質評価(滲み評価及びフェザリング評価)を行った。評価結果を表1に示した。
なお、この湿式により親水化処理を行う親水化処理条件としては、前記のインクを吐出するための印字ヘッドユニットを粒子層形成機構と印字ヘッド部の間にもう一つ設ければよい。そして、下記条件とした。
・インクジェット記録ヘッドの構成:600dpi、ノズル数7090個のノズルヘッドを千鳥に2列に配置した12インチのヘッド(合計1200dpi、ノズル数14180)
このヘッドユニットにインクではなく、水やインクから色材成分を除いたものを充填し、形成された粒子層に対して吐出する。
・駆動周波数はインク吐出ヘッドと同等以上として、液滴量は5pl程度とする。
[比較例A2]
実施例A1で用いた記録装置において、親水化処理装置15を取り外して、粒子層40に親水化処理を行わなかった以外は、実施例A1と同様にして、親水性評価、流動性評価、凝集性評価、画質評価(滲み評価及びフェザリング評価)を行った。評価結果を表1に示した。なお、親水性評価については、インク滴を吐出される直前の状態の粒子層40の水に対する接触角を、実施例A1と同様にして測定した。

上記結果から、本実施例A1〜A4では、比較例A1〜A2に比べ、親水化処理装置によって親水化処理がなされた後であっても、粒子層の流動性の低下が抑制されると共にインク受容性粒子の凝集が抑制され、且つ、良好な画質評価結果が得られていることが分かる。
[実施例B1]
上記第2の実施形態と同様な構成の記録装置(図4〜図5参照)を用いて、画像形成を行い、評価を行った。なお、上記第2の実施形態でも示したが、実施例A1と同様に、親水化処理装置15としてはコロナ放電により親水化処理を行う装置を用いた。
なお、記録条件を下記のように設定した。
・中間転写体線速:100mm/秒。
・帯電条件:中間転写体の表面電位が+1kVとなるように設定した。
・粒子供給装置による現像バイアス:直流−330Vに交流Vpp1.2kV(3kHz)の矩形波を重畳。
・粒子供給装置による粒子供給条件:
周速比(供給ロール41A/中間転写体12)1/2、ギャップ2mmとし、中間転写体12上の単位面積当たりのインク受容性粒子16の供給量は 2.5mg/cmとした。
・粒子層の層厚及び密度を均一化するためのロール13としては、ステンレス製の金属ロールを適用し、両端を指示するバネ部材によって、粒子層を構成する各インク受容性粒子を変形させない程度の圧力を付与するように、粒子層へ付与する圧力を調整した。
・ロール13により密度及び層厚の調整された後の、粒子層40の厚みを 15μmとした。
・親水化処理装置15:親水化処理装置としては、コロナ放電を行うコロトロン装置を
用い、シールド部材としては、アルミニウムを用い、ワイヤーとしては直径50μmのタングステンを用いた。ワイヤーには直流3kVを印加した。なお、コロトロンと中間転写体12上の粒子層40との距離は2mmとし、マイナスのコロナ放電を行った。
・なお、上記中間転写体線速とすることで、上記親水化処理装置15による中間転写体12上の同一領域の親水化処理時間は、0.1秒であった。
・転写温度:転写ロールの表面温度を90℃に設定。
・定着温度:定着ロール表面温度を160℃に設定。
・インクジェット記録ヘッドの構成:600dpi、ノズル数7090個のノズルヘッドを千鳥に2列に配置した12インチのヘッド(合計1200dpi、ノズル数14180)
・インクの吐出量:1200×1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数)の画像面積密度で1画素当り5pL、
・記録媒体:A4普通紙(C2 富士ゼロックスインターフィールド製)
インク受容性粒子及びインクとしては、実施例A1で用いた粒子及びインクを用いた。
(評価)
本実施例で用いる上記条件の記録装置によって一般環境下(温度23±0.5℃、湿度55±5%RH)において、実施例A1と同様に、親水性評価、流動性評価、凝集性評価、画質評価(滲み評価及びフェザリング評価)を行った。評価結果等を表2に示した。
[実施例B2]
実施例B1で用いた記録装置において、親水化処理装置15を中間転写体12の周動方向に2つ配列させることで、これらの親水化処理装置15による中間転写体12上の同一領域の親水化処理時間を、0.2秒となるように調整した以外は、実施例B1と同様にして、親水性評価、流動性評価、凝集性評価、画質評価(滲み評価及びフェザリング評価)を行った。評価結果を表2に示した。
[比較例B1]
実施例B1で用いた記録装置において、コロナ放電を行う親水化処理装置15に変えて、湿式により親水化処理を行った以外は、実施例B1と同様にして、親水性評価、流動性評価、凝集性評価、画質評価(滲み評価及びフェザリング評価)を行った。評価結果を表2に示した。
なお、この湿式により親水化処理を行う親水化処理条件は、比較例A1と同一とした。
[比較例B2]
実施例B1で用いた記録装置において、親水化処理装置15を取り外して、粒子層40に親水化処理を行わなかった以外は、実施例B1と同様にして、親水性評価、流動性評価、凝集性評価、画質評価(滲み評価及びフェザリング評価)を行った。評価結果を表1に示した。なお、親水性評価については、インク滴を吐出される直前の状態の粒子層40の水に対する接触角を、実施例B1と同様にして測定した。

上記結果から、本実施例B1〜B2においても、比較例B1〜B2に比べ、親水化処理装置によって親水化処理がなされた後であっても、粒子層の流動性の低下が抑制されると共にインク受容性粒子の凝集が抑制され、且つ、良好な画質評価結果が得られていることが分かる。
第1の実施の形態に係る記録装置を示す構成図である。 第1の実施の形態に係る記録装置の主要部を示す構成図である。 (A)は、第1の実施形態に係るインク受容性粒子による粒子層の形成された中間転写体を示す模式図であり、(B)は、粒子層上にインク滴の吐出された状態を示す模式図である。 第2の実施の形態に係る記録装置を示す構成図である。 第2の実施の形態に係る記録装置の主要部を示す構成図である。 本実施形態に係るインク受容性粒子の一例を示す概念図である。 実施形態に係るインク受容性粒子の他の一例を示す概念図である。
符号の説明
10 記録装置
11 記録装置
12 中間転写体
15 親水化処理装置
16 インク受容性粒子
18 粒子供給装置
20 インクジェット記録ヘッド
20Y インクジェット記録ヘッド
20M インクジェット記録ヘッド
20C インクジェット記録ヘッド
20K インクジェット記録ヘッド
22 転写装置
25 定着装置
28 帯電装置
29 除電装置
40 粒子層
47 粒子供給装置
200 インク受容性粒子
210 インク受容性粒子

Claims (3)

  1. 中間転写体と、
    インクを受容するインク受容性粒子を、前記中間転写体上に層状に供給する供給手段と、
    前記中間転写体上に供給された前記インク受容性粒子の層の少なくとも表面について乾式による親水化処理を行う親水化処理手段と、
    前記親水化処理された前記インク受容性粒子の層にインクを付与するインク付与手段と、
    前記インク受容性粒子の層を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に転写された前記インク受容性粒子の層を定着する定着手段と、
    を有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記乾式による親水化処理が、コロナ放電、プラズマ、及びUVオゾンの何れかによる処理であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 少なくとも前記供給手段によって前記インク受容性粒子が供給される前に前記中間転写体を第1の極性に帯電する帯電手段を備え、
    前記供給手段は、前記インク受容性粒子を前記第1の極性の逆極性である第2の極性に帯電させて前記中間転写体上に供給し、
    前記親水化処理手段は、前記第2の極性のコロナ放電により前記乾式による親水化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
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