JP2009200924A - 撮像装置 - Google Patents

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郁哉 斎藤
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、明るいシーンの撮影においても画像中の被写体と非被写体を高精度に分離することができる撮像装置を提供することである。
【解決手段】 本発明の撮像装置(11〜26)は、同一シーンに対してストロボ光強度の高い撮影とストロボ光強度の低い撮影とを行うと共に、それらの撮影により取得された画像の輝度比較に基づき本撮影画像中の被写体領域と非被写体領域との境界を検出する撮像装置において制御手段(20)を備える。この制御手段(20)は、ストロボ光強度の高い撮影を行うときには、撮像素子(14)の露光期間のうちストロボ光の非発光期間と重複する期間が自動露出モード撮影におけるその重複する期間よりも短くなるように撮像素子(14)の露光とストロボ光の発光とのタイミングを制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像中の被写体と非被写体を高精度に分離することができる撮像装置に関する。以下、画像中の被写体と非被写体を分離することを「被写体分離」と称す。
画像中の被写体と非被写体を分離する技術が数多く提案されている。その一例として、特許文献1には、対象物に対して照明を当てた画像と照明を当てない画像とを撮影し、その2つの画像の中から輝度が変化する領域を被写体の領域として抽出する技術が知られている。
特開平10−210340号公報
しかし、従来技術では、例えば、晴れた日の屋外や明るい照明下の屋内でポートレート撮影を行うなど、「明るいシーン」で撮影する場合には、照明光の光量に比べて環境光の光量が大きくなるため照明を当てた画像と照明を当てない画像との間で被写体の輝度変化量が小さくなり、結果として被写体と非被写体の分離を高精度に行うことが困難であった。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するものである。本発明は、明るいシーンの撮影においても画像中の被写体と非被写体を高精度に分離することができる撮像装置を提供することを目的とする。
第1の発明の撮像装置は、同一シーンに対してストロボ光強度の高い撮影とストロボ光強度の低い撮影とを行うと共に、それらの撮影により取得された画像の輝度比較に基づき本撮影画像中の被写体領域と非被写体領域との境界を検出する撮像装置において制御手段を備える。この制御手段は、ストロボ光強度の高い撮影を行うときには、撮像素子の露光期間のうちストロボ光の非発光期間と重複する期間が自動露出モード撮影におけるその重複する期間よりも短くなるように撮像素子の露光とストロボ光の発光とのタイミングを制御する。
なお、ここでいう「ストロボ光強度の低い撮影」とは、ストロボ非発光撮影を含むものとする。
第2の発明は、第1の発明において、制御手段が、露光の開始と発光の開始との時間差を、自動露出モード撮影における露光の開始と発光の開始との時間差よりも小さくする。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、制御手段が、露光の終了と発光の終了との時間差を、自動露出モード撮影における露光の終了と発光の終了との時間差よりも小さくする。
第4の発明は、第1〜3の発明の何れか一の発明において、制御手段が、露光の開始から終了までの時間と発光の開始から終了までの時間とを一致させる。
第5の発明は、第1〜4の発明の何れか一の発明において、制御手段が、撮像素子の露光期間を制御するシャッターの開度が最大となるタイミングと発光のタイミングとを一致させる。
第6の発明は、第1〜5の発明の何れか一の発明において、輝度比較に用いられる本撮影画像以外の画像に対してノイズ低減処理を施すノイズ低減手段を備える。
第7の発明は、第1〜6の発明の何れか一の発明において、輝度比較に用いられる画像間の非被写体領域の信号レベルが揃うように、輝度比較に用いられる画像を正規化する正規化手段を更に備える。
第8の発明は、第1〜7の発明の何れか一の発明において、ストロボ光強度の高い撮影では、ストロボ光を自動露出モード撮影の発光量よりも大きい発光量で発光させる。
第9の発明は、第8の発明において、ストロボ光強度の高い撮影で取得された画像中の白飛び領域を輝度比較にかかわらず優先的に被写体領域とみなす判別手段を更に備える。
第10の発明は、第1〜9の発明の何れか一の発明において、本撮影画像中の被写体領域と非被写体領域とに対して異なる画像処理を施す画像処理手段を更に備える。
第11の発明は、第10の発明において、画像処理手段が、非被写体領域に対してボカシ処理を施す。
本発明では、同一シーンを撮影したストロボ光強度の異なる複数枚の画像の輝度比較に基づき被写体分離を行う際に、複数枚の画像のうちストロボ光強度の高い画像を撮影するときには、撮像素子の露光期間のうちのストロボ光が発光されない期間を自動露出モード撮影でのその期間よりも短くするように撮像素子の露光とストロボ光の発光とのタイミングを制御する。従って、本発明によれば、環境光による撮像素子の露光量を減少させて、ストロボ光による撮像素子の露光量の比率を相対的に高めることにより、ストロボ光強度の高い画像と低い画像との間の、被写体の輝度変化量と背景の輝度変化量との乖離量を大きくすることができるので、被写体分離の精度を高くすることができる。
(第1実施形態の説明)
以下、第1実施形態の電子カメラについて説明する。
図1は、本発明の撮像装置を適用した電子カメラのブロック図である。
電子カメラは、撮像レンズ11およびレンズ駆動部12と、メカニカルシャッター13と、撮像素子14と、信号処理部15と、タイミングジェネレータ(TG)16と、バッファメモリ17と、データ処理部18と、圧縮/復号部19と、制御部20と、測光部21と、モニタ22と、記録媒体23と、発光部24と、操作部25と、バス26とを有している。ここで、バッファメモリ17、データ処理部18、圧縮/復号部19、制御部20、測光部21、モニタ22、記録媒体23は、バス26を介して接続されている。また、レンズ駆動部12、メカニカルシャッター13、信号処理部15、TG16、発光部24、操作部25は、それぞれ制御部20に接続されている。
撮像レンズ11は、フォーカスレンズやズームレンズを含む複数のレンズ群で構成されている。なお、簡単のため、図1では撮像レンズ11を1枚のレンズとして図示している。
レンズ駆動部12は、制御部20の指示に応じてレンズ駆動信号を発生し、撮像レンズ11を光軸方向に移動させてフォーカス調整やズーム調整を行うと共に、撮像レンズ11を通過した光束による被写体像を撮像素子14の撮像面に形成する。
メカニカルシャッター13は、例えば、絞り羽根兼用のシャッター羽根を有したレンズシャッター(ビハインド・ザ・レンズシャッター)である。メカニカルシャッター13は、制御部20の指示に応じて、シャッター羽根の開口量の調整と開閉動作の制御とを行うことで、撮像素子14の撮像面に到達する光束の光量を調整すると共に、その光束による撮像素子14の露光時間を制御する。
撮像素子14は、CCD型やCMOS型の撮像素子であり、撮像レンズ11の像空間側に配置されている。撮像素子14は、撮像面に形成された被写体像を光電変換してアナログ画像信号を生成する。この撮像素子14の出力は信号処理部15に接続されている。
信号処理部15は、制御部20の指示に応じて、撮像素子14から出力されたアナログ画像信号に対し、CDS(相関二重サンプリング)、ゲイン調整、A/D変換、ホワイトバランス調整、色分離(補間)およびガンマ変換などの信号処理を施すと共に、処理後の画像信号を出力する。また、信号処理部15は、制御部20の指示に基づいてゲイン調整の調整量を設定し、それによってISO感度に相当する撮影感度の調整を行う。なお、信号処理部15の出力はバッファメモリ17に接続されている。
TG16は、制御部20の指示に基づき撮像素子14および信号処理部15に対してタイミングパルスを供給する。撮像素子14および信号処理部15の駆動タイミングはそのタイミングパルスによって制御される。
バッファメモリ17は、信号処理部15から出力される画像信号を画像データとして一時的に記憶する。また、バッファメモリ17は、制御部20による処理の過程で作成された画像データを一時的に記憶する。
データ処理部18は、制御部20の指示に応じて、画像データにボカシ処理等の画像処理を施す。
圧縮/復号部19は、制御部20の指示に応じて、画像データに圧縮処理を施す。なお、圧縮処理は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などによって行われる。
測光部21は、制御部20の指示に応じて、バッファメモリ17に記録された画像データに基づき、多分割測光(マルチパターン測光)、中央部重点測光、スポット測光などの公知の測光方式により、被写体や撮影シーン全体の明るさや、撮影シーンの明るさ分布を示す評価値を算出する。
モニタ22は、電子カメラ筐体の背面などに設けられたLCDモニタや、接眼部を備えた電子ファインダなどであり、制御部20の指示に応じて各種の画像を表示する。
記録媒体23には、制御部20によって、圧縮処理後の画像データが記録される。なお、記録媒体23は、半導体メモリを内蔵したメモリカードや、小型のハードディスクなどである。
発光部24は、制御部20の指示に基づき、電子カメラ筐体に設けられたエレクトロニックフラッシュ等を駆動して、被写体を照明するためのストロボ光を被写界に向けて発光する。
操作部25は、レリーズ釦、撮影モード切替釦などの操作部材を含み、ユーザーによる部材操作の内容に応じた操作信号を制御部20に送る。
制御部20は、操作部25から送られた操作信号に応じて電子カメラの各部を統括制御する。例えば、制御部20は、操作部25のレリーズ釦の半押し操作信号を受けると、撮影に先立ち、レンズ駆動部12と協働して撮像レンズ11の焦点調節制御(AF)を行う。また制御部20は、測光部21を駆動させて撮影シーンの評価値を算出させ、その評価値に基づき信号処理部15などの設定内容を調節する。
撮影時、制御部20は、測光部21が算出した評価値に基づき露出条件を決定すると共に、その決定した条件の下でレンズ駆動部12、メカニカルシャッター13、信号処理部15、TG16および発光部24を駆動させて撮影を行う。シャッター速度の設定は、メカニカルシャッター13の開放時間と、撮像素子14の電荷蓄積時間との組み合わせによって行われる。また、撮影された画像の画像データは、信号処理部15を介してバッファメモリ17へ記録される。制御部20は、データ処理部18および圧縮/復号部19を駆動させて、バッファメモリ17に記録された画像の画像データに対し画像処理および圧縮処理を施すと共に、それら処理後の画像データを記録媒体23へ記録する。
以下、第1実施形態の電子カメラの被写体分離の動作を、図2の流れ図を参照して説明する。図2のフローは、従来技術では被写体分離が困難な「明るいシーン」で撮影する場合に実行されるものである。なお、ここでいう「被写体」は、カメラに近い位置に存在する、ユーザーが撮影したい対象のことであり、「背景」は、被写体よりもカメラから離れた位置に存在し、被写体に比べてストロボ光が届きにくい対象のことである。
S101:制御部20は、ユーザーによるレリーズ釦の全押しを操作部25から受信した操作信号によって検知すると、予備撮影の露出条件を決定する。ここで予備撮影とは、予備撮影画像を取得する撮影であり、予備撮影画像とは、以下のS106の輝度比較により被写体と背景を分離するためのみに用いられる画像である。予備撮影の露出条件の決定としては、具体的には、メカニカルシャッター13の開閉動作、撮像素子14の露光、発光部24のストロボ発光の各タイミングを決定する。
ここで、予備撮影の露出制御を説明するにあたり、比較のため、電子カメラが自動露出モードにあるときの露出制御について、図3および図4を参照しながら説明する。
図3は、メカニカルシャッター13の開閉動作の制御とそれによる撮像素子14の露光量との関係を示している。なお、図3の縦軸が示す光量とは、明るさ、即ち単位時間当たりに撮像素子14に入射する光量である。
メカニカルシャッター13は、レリーズ釦の全押しにより撮影が開始されると、時間tc1からシャッター開時関数Fo(t)に基づいて開いていき、時間to1で全開の状態となる。そしてメカニカルシャッター13は、全開の状態を一定時間(時間to1〜to2)維持した後、時間to2を境にシャッター閉時関数Fc(t)に基づいて閉じていき、時間tc2で完全に閉じた状態となる。なお、シャッター開時関数Fo(t)はメカニカルシャッター13の開く時の特性を表した関数であり、シャッター閉時関数Fc(t)はその閉じる時の特性を表した関数である。図3では、これら関数の出力を簡単のため直線で示している。
撮像素子14の電荷蓄積時間が、tc1〜tc2の期間をカバーしていたならば、このようなメカニカルシャッター13の開閉動作の制御から、撮像素子14の露光量Sは、撮像素子14に入射する光量を時間tc1〜時間tc2に亘って積分した全光量となる。これは、図3の台形部分の面積に相当する。電子カメラが自動露出モードであるときには、通常、この露光量Sが適正な光量になるようにシャッターの開閉動作が制御される。
図4は、自動露出モードによる「明るいシーン」の撮影における、メカニカルシャッター13の開閉動作、撮像素子14の露光および発光部24のストロボ発光の制御とそれによる撮像素子14の露光量との関係を示している。
「明るいシーン」の撮影では、適正な露光量が短時間で得られるため、メカニカルシャッター13の開閉動作は、図4の≪シャッター開閉≫の部分に示したように制御される。具体的には、メカニカルシャッター13は、レリーズ釦の全押しにより撮影が開始されると、時間tc1からシャッター開時関数Fo(t)に基づいて開いていくが、全開の状態になる前に時間tc0で閉じ始めてしまう。そしてメカニカルシャッター13は、シャッター閉時関数Fc(t)に基づいて閉じていき、時間tc2で完全に閉じた状態となる。また、撮像素子14の露光は、図4の≪CCD露光≫の部分に示したように制御され、撮像素子14は、メカニカルシャッター13が開き始めると同時に露光を開始し(時間tc1)、それが完全に閉じると同時に露光を終了する(時間tc2)。この時、環境光による撮像素子14の露光量Seは、シャッター開時関数Fo(t)及びシャッター閉時関数Fc(t)に基づき、数式(1)で表される。
ここで、この撮影の際に、被写体分離のため強制的にストロボ光を発光をさせるようにすると、発光部24のストロボ発光は、図4の≪ストロボ発光≫の部分に示したように制御されることとなる。具体的には、発光部24は、メカニカルシャッター13が最も大きく開いた時(時間tc0)に発光量が最大となるようにタイミングを合わせて、撮像素子14の露光時間(時間tc1〜tc2)よりも極めて短い時間(時間ts1〜ts2)だけストロボ光を発光する。この場合、ストロボ光による撮像素子14の露光量Ssは、シャッター開時関数Fo(t)、シャッター閉時関数Fc(t)及びストロボ光量関数Fs(t)に基づき、数式(2)で表される。
ところで、被写体と背景の分離は、ストロボ光を発光させた場合に、電子カメラの近くにある被写体は、電子カメラから遠くにある背景に比べて、ストロボ光の照射効果が高くなることを利用して行っている。つまり、ストロボ光を発光させて撮影した画像(ストロボ発光画像)と、ストロボ光を発光させずに撮影した画像(ストロボ非発光画像)とを比較すると、被写体は背景よりも輝度変化量が大きくなる。従って、この輝度変化量の違いを利用すれば、被写体と背景を分離することができる。
以下、これを具体的に説明する。
上記式(2)により、被写体で反射したストロボ光による撮像素子14の露光量をSs0、また背景で反射したストロボ光による撮像素子14の露光量をSsbとする。そして、上記式(1)により、被写体または背景で反射した環境光による撮像素子14の露光量をSeとする。そうすると、ストロボ発光時の被写体からの反射光による撮像素子14の露光量はSs0+Seとなり、背景からの反射光による撮像素子14の露光量はSsb+Seとなる。またストロボ非発光時の被写体および背景からの反射光による撮像素子14の露光量は何れもSeとなる。通常、画像の輝度(ここでは、撮像素子14の撮像面の光電変換によって発生する信号量を輝度とする)は、画面内に存在する物体からの反射光による撮像素子14の露光量によって決定される。したがって、ストロボ発光画像中の被写体の輝度は(Ss0+Se)で表すことができ、背景の輝度は(Ssb+Se)で表すことができる。またストロボ非発光画像中の被写体および背景の輝度は何れもSeで表すことができる。よって、被写体および背景の輝度変化量を輝度の比率(輝度比)に基づいて求めるとすれば、両画像における被写体の輝度比は(Ss0+Se)/Seとなり、背景の輝度比は(Ssb+Se)/Seとなる。
以上のことから、ストロボ発光画像とストロボ非発光画像における被写体の輝度比と背景の輝度比との乖離量は数式(3)で表される。
つまり、この乖離量を大きくすれば、被写体分離を高精度に行うことができる。
しかし、「明るいシーン」の撮影では、環境光による撮像素子14の露光量Seが大きくなり、上記数式(3)の乖離量が小さくなってしまうため、結果として被写体分離の精度が低下してしまう。
そこで、第1実施形態の予備撮影では、被写体分離の精度を高めるために、環境光による撮像素子14の露光量Seを小さくするように露出制御を行う。
制御部20は、予備撮影の露出条件を図5に示すように決定する。具体的には、メカニカルシャッター13の開閉動作は自動露出モードのそれと同じとし、撮像素子14の露光および発光部24のストロボ発光の各タイミングを以下のように決定する。
制御部20は、撮像素子14の露光のタイミングとして、露光開始を時間ts1、露光終了を時間ts2に決定する(図5の≪CCD露光≫の部分を参照)。また、発光部24のストロボ発光のタイミングとして、発光開始を時間ts1、発光終了を時間ts2に決定する(図5の≪ストロボ発光≫の部分を参照)。即ち、撮像素子14の露光の開始および終了と発光部24のストロボ発光の開始および終了とを一致させるようにそれらのタイミングを決定する。
このようなタイミングで露出制御を行うことにより、図4の自動露出モードの露出制御と比較して、ストロボ光による撮像素子14の露光量Ssを維持した状態で、環境光による撮像素子14の露光量Seを最小値(Se1)にすることができる。この時、ストロボ発光画像とストロボ非発光画像における被写体の輝度比と背景の輝度比との乖離量は、上記式(3)から(Ss0−Ssb)/Se1となる。ここで、環境光による撮像素子14の露光量はSe1であり、自動露出モードの露出制御での同露光量Seと比べるとSe>Se1であるため、乖離量の関係は、{(Ss0−Ssb)/Se1}>{(Ss0−Ssb)/Se}となる。したがって、第1実施形態の電子カメラの露出制御によれば、「明るいシーン」の撮影においても自動露出モードの露出制御よりも乖離量を大きくすることができるので、被写体分離の精度が高められる。
制御部20は、上述したように予備撮影の露出条件を決定した後にS102へ移行する。
S102:制御部20は、S101で決定した露出条件の下で第1の予備撮影を行う。但し、この第1の予備撮影においては、制御部20は、発光部24を駆動させ強制的にストロボ光を発光させて撮影を行う。この第1の予備撮影で撮影された第1の予備撮影画像の画像データは、バッファメモリ17に記録される。
本実施例では、この第1の予備撮影画像として、スルー画像を取得する。ここでスルー画像とは、撮像素子の特定の使い方によって得られる画像である。スルー画像は、本撮影時に取得される画像に比べて解像度が低いが、撮像素子からの読み出しが短時間で行えるので、撮影するシーンの情報を略リアルタイムに取得するのに適している。
S103:制御部20は、S101で決定した露出条件の下で第2の予備撮影を行う。但し、この第2の予備撮影においては、制御部20は、ストロボ光の発光を禁止して撮影を行う。この第2の予備撮影で撮影された第2の予備撮影画像の画像データは、バッファメモリ17の第1の予備撮影画像とは別の領域に記録される。
本実施例では、この第2の予備撮影画像についても、S102と同様にスルー画像を取得する。
S104:制御部20は、本撮影の露出条件を適正露出となる条件に決定する。この適正露出となる条件は、自動露出モードで決定されるのと同じ条件である。なお、本撮影とは、観賞用の画像(本撮影画像)を撮影する工程である。また、適正露出とは、撮影する画面内の最大輝度と最小輝度とが撮像素子14のダイナミックレンジ内に収まり、黒つぶれや白飛びの無い画像が撮影される露出のことを意味する。
S105:制御部20は、S104で決定した露出条件の下で本撮影を行う。この本撮影で撮影された本撮影画像の画像データは、バッファメモリ17の第1および第2の予備撮影画像とは別の領域に記録される。
S106:制御部20は、バッファメモリ17に記録されている第1の予備撮影画像(ストロボ発光画像)と第2の予備撮影画像(ストロボ非発光画像)の輝度比較を行い、画像間の輝度の変化量が所定の閾値を超える領域を被写体の領域として抽出し、被写体と背景とを分離するための被写体分離情報を作成する。なお、輝度比較は、輝度の差分または輝度の比率に基づいて行うことができるが、ここでは輝度の比率に基づいて行う。輝度の比率に基づいて被写体分離を行うと、輝度比較演算の過程で被写体の反射率が相殺されるため、被写体の反射率に依存しない高精度の分離が可能になる(輝度の比率に基づく輝度比較により被写体を抽出する技術については、特開2005−130268号公報で提案がされている)。
S107:制御部20は、S106で作成した被写体分離情報に基づき、バッファメモリ17の本撮影画像から被写体と背景を分離する。ここで、S106で得られた被写体分離情報は、スルー画像同士の輝度比較によって得られたものであるため、本撮影画像と比較すると解像度が低く、直接本撮影画像の被写体分離には適用できない。そこで、解像度変換処理により被写体分離情報を本撮影画像の解像度に変換し、被写体分離情報と本撮影画像の解像度を揃えた後に、本撮影画像の被写体と背景を分離する処理を行う。
S108:制御部20は、データ処理部18を駆動させて、S107で分離した被写体および背景の各領域に異なる画像処理を施す。ここでは、例えば、背景のみに対してボカシ処理を施す。ボカシ処理は、例えば点拡がり関数のフィルタ演算(畳み込み演算)で実行されるが、これに限定されるものではなく、平均化フィルタやガウシアンフィルタ等、種々のデジタルフィルタを用いても行える。
S109:制御部20は、モニタ22を駆動させて、S108での画像処理後の画像をLCDモニタ等に表示する。ユーザーは、その表示によって画像の出来ばえを確認することができる。
S110:制御部20は、圧縮/復号部19を駆動させ、画像処理後の画像に対して圧縮処理を施すと共に、圧縮された画像を記録媒体23に記録する。
(第1実施形態の作用効果)
以上、第1実施形態の電子カメラでは、撮像素子14の露光と発光部24のストロボ発光との開始および終了のタイミングを一致させるように露出条件が決定され、その露出条件の下で予備撮影が行われる。このように露出制御を行うことで、ストロボ光による撮像素子14の露光量を維持したまま、環境光による撮像素子14の露光量を最小とすることができる。したがって、第1実施形態の電子カメラでは、「明るいシーン」の撮影においても、第1の予備撮影画像と第2の予備撮影画像との間の、被写体の輝度比と背景の輝度比との乖離量を大きくすることができ、被写体分離の精度が高められる。
(第2実施形態の説明)
次に、第2実施形態の電子カメラについて説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と共通する電子カメラの構成要素については同一符号を付して重複説明を省略する。また、第1実施形態と共通する電子カメラの被写体分離の動作についても重複説明を省略する。
第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態の電子カメラでは、第1実施形態のS101の処理を変更して以下のように予備撮影の露出条件を決定する。
S101:制御部20は、ユーザーによるレリーズ釦の全押しを操作部25から受信した操作信号によって検知すると、予備撮影の露出条件を図6に示すように決定する。具体的には、メカニカルシャッター13の開閉動作は自動露出モードのそれと同じとし、撮像素子14の露光および発光部24のストロボ発光の各タイミングを以下のように決定する。
制御部20は、撮像素子14の露光開始と発光部24のストロボ発光開始とのタイミング差を自動露出モードの露出制御(図4)でのタイミング差(ts1−tc1)よりも小さくするように、撮像素子14の露光開始を時間tc1'、発光部24のストロボ発光開始を時間ts1のタイミングに決定する。これによりタイミング差はts1−tc1'となる。また、制御部20は、撮像素子14の露光終了と発光部24のストロボ発光終了とのタイミング差についても自動露出モードの露出制御でのタイミング差(tc2−ts2)よりも小さくするように、撮像素子14の露光終了を時間tc2'、発光部24のストロボ発光終了を時間ts2のタイミングに決定する(図6の≪CCD露光≫および≪ストロボ発光≫の部分を参照)。これによりタイミング差はtc2'−ts2となる。
このようなタイミングで露出制御を行うことにより、自動露出モードの露出制御と比較して、ストロボ光による撮像素子14の露光量Ssを維持した状態で、環境光による撮像素子14の露光量をSeからSe2に減少させることができる。この時、第1の予備撮影画像(ストロボ発光画像)と第2の予備撮影画像(ストロボ非発光画像)における被写体の輝度比と背景の輝度比との乖離量は、上記式(3)から(Ss0−Ssb)/Se2となる。ここで、環境光による撮像素子14の露光量はSe2であり、自動露出モードの露出制御での同露光量Seと比べるとSe>Se2であるため、乖離量の関係は、{(Ss0−Ssb)/Se2}>{(Ss0−Ssb)/Se}となる。したがって、第2実施形態の電子カメラの露出制御によれば、「明るいシーン」の撮影においても自動露出モードの露出制御よりも乖離量を大きくすることができるので、被写体分離の精度が高められる。
この第2実施形態の電子カメラの露出制御は、理想的な露出制御である第1実施形態の電子カメラの露出制御の実現が精度的に困難な場合に、より実用的な手段として用いることができる。これを用いる場合、上述した環境光による撮像素子14の露光量Se2ができるだけ小さくなるように、撮像素子14の露光開始と発光部24のストロボ発光開始とのタイミング差(ts1−tc1')およびその露光終了とストロボ発光終了とのタイミング差(tc2'−ts2)をできるだけ小さくすることが望ましい。但し、環境光による撮像素子14の露光量Se2が、少なくとも自動露出モードの露出制御における環境光による撮像素子14の露光量Seよりも小さくなるように露出制御がされるならば、被写体分離の精度を改善する効果を得ることができる。
制御部20は、このように予備撮影の露出条件を決定した後にS102へ移行する。
(第2実施形態の作用効果)
以上、第2実施形態の電子カメラでは、撮像素子14の露光と発光部24のストロボ発光について、それらの開始タイミングの差を小さくし、かつそれらの終了タイミングの差を小さくするように露出条件が決定され、その露出条件の下で予備撮影が行われる。このように露出制御を行うことで、ストロボ光による撮像素子14の露光量を維持したまま、環境光による撮像素子14の露光量を減少させることができる。したがって、第2実施形態の電子カメラでは、「明るいシーン」の撮影においても、第1の予備撮影画像と第2の予備撮影画像との間の、被写体の輝度比と背景の輝度比との乖離量を大きくすることができ、被写体分離の精度が高められる。
(第3実施形態の説明)
次に、第3実施形態の電子カメラについて説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と共通する電子カメラの構成要素については同一符号を付して重複説明を省略する。また、第1実施形態と共通する電子カメラの被写体分離の動作についても重複説明を省略する。
第3実施形態は第1実施形態の変形例である。第3実施形態の電子カメラでは、第1実施形態のS101の処理を変更して以下のように予備撮影の露出条件を決定する。
S101:制御部20は、ユーザーによるレリーズ釦の全押しを操作部25から受信した操作信号によって検知すると、予備撮影の露出条件を図7に示すように決定する。具体的には、メカニカルシャッター13の開閉動作は自動露出モードのそれと同じとし、撮像素子14の露光および発光部24のストロボ発光の各タイミングを以下のように決定する。
制御部20は、撮像素子14の露光開始と発光部24のストロボ発光開始とのタイミング差のみを自動露出モードの露出制御(図4)でのタイミング差(ts1−tc1)よりも小さくするように、撮像素子14の露光開始を時間tc1'、発光部24のストロボ発光開始を時間ts1のタイミングに決定する(図7の≪CCD露光≫および≪ストロボ発光≫の部分を参照)。これによりタイミング差はts1−tc1'となる。
このようなタイミングで露出制御を行うことにより、自動露出モードの露出制御と比較して、ストロボ光による撮像素子14の露光量Ssを維持した状態で、環境光による撮像素子14の露光量をSeからSe3に減少させることができる。この時、第1の予備撮影画像(ストロボ発光画像)と第2の予備撮影画像(ストロボ非発光画像)における被写体の輝度比と背景の輝度比との乖離量は、上記式(3)から(Ss0−Ssb)/Se3となる。ここで、環境光による撮像素子14の露光量はSe3であり、自動露出モードの露出制御での同露光量Seと比べるとSe>Se3であるため、乖離量の関係は、{(Ss0−Ssb)/Se3}>{(Ss0−Ssb)/Se}となる。したがって、第3実施形態の電子カメラの露出制御によれば、「明るいシーン」の撮影においても自動露出モードの露出制御よりも乖離量を大きくすることができるので、被写体分離の精度が高められる。また、一般に、撮像素子14の露光終了後にその撮像面に光が入射すると、スミア等の不具合が発生する可能性がある。しかし、第3実施形態の電子カメラでは、図7に示すように、撮像素子14の露光の終了はメカニカルシャッター13が完全に閉じるのと同時に時間tc2で行われるので、撮像素子14の露光終了後にその撮像面に光が入射することはない。したがって、第3実施形態の電子カメラの露出制御によれば、スミア等の不具合の発生もなく、被写体分離の精度が高められる。
制御部20は、このように予備撮影の露出条件を決定した後にS102へ移行する。
(第3実施形態の作用効果)
以上、第3実施形態の電子カメラでは、撮像素子14の露光開始と発光部24のストロボ発光開始とのタイミング差のみを小さくするように露出条件が決定され、その露出条件の下で予備撮影が行われる。このように露出制御を行うことで、ストロボ光による撮像素子14の露光量を維持したまま、環境光による撮像素子14の露光量を減少させることができる。したがって、第3実施形態の電子カメラでは、「明るいシーン」の撮影においても、第1の予備撮影画像と第2の予備撮影画像との間の、被写体の輝度比と背景の輝度比との乖離量を大きくすることができ、被写体分離の精度が高められる。
さらに、第3実施形態の電子カメラでは、撮像素子14の露光の終了がメカニカルシャッター13が完全に閉じるのと同時に行われる。このため、撮像素子14の露光終了後にその撮像面に光が入射することはない。したがって、第3実施形態の電子カメラでは、スミア等の不具合の発生もなく、被写体分離の精度が高められる。
以上、第1〜第3実施形態の電子カメラの被写体分離の動作について説明した。
なお、上述した第1〜第3実施形態の電子カメラで決定された露出条件の下で予備撮影を行った場合、図4に示すような自動露出モードによる露出制御と比較して環境光による露光量が減少するため、露出アンダーの予備撮影画像が撮影される可能性がある。しかし、予備撮影画像は観賞用の本撮影画像とは異なり被写体分離のみに用いられる画像であるため、輝度比較による被写体分離さえ行うことができればよく、その露出状態は特に限定されない。ただし、画像が露出アンダーになると、一般にS/N比が低下するため、被写体分離において輝度比較が正確に行えなくなり、分離精度が低下する可能性がある。従って、例えば以下に示すような手法で、予備撮影画像のS/N比の改善を図ることが望ましい。
(手法1)自動露出モードの露出条件よりもシャッターが大きく開いたタイミングで予備撮影を行う手法
予備撮影画像のS/N比を改善する手法を、第1実施形態の電子カメラ(図5)を例にして説明する。
S101で予備撮影の露出条件を決定する際、図8に示すように、撮像素子14の露光と発光部24のストロボ発光との開始および終了を、メカニカルシャッター13が開き始めてから全開の状態となるまでの時間(図3におけるシャッター開時間)の範囲内においてできるだけ遅いタイミングに決定する。具体的には、撮像素子14の露光と発光部24のストロボ発光の開始タイミングをts1’(第1実施形態の電子カメラではts1であった)に、またそれらの終了タイミングをts2’(第1実施形態の電子カメラではts2であった)に決定する。そして、これらの決定に合わせて、メカニカルシャッター13が閉じ始めるタイミングを時間tc0’に決定する。
このようにタイミングを決定することで、メカニカルシャッター13が閉じ始めるタイミングは時間tc0から時間tc0’と遅くなり、第1実施形態の電子カメラよりもメカニカルシャッター13が大きく開いた状態で予備撮影が行われるようになる。そのため、第1実施形態の電子カメラと比較すると、撮像素子14の露光時間は変わらない((ts2−ts1)=(ts2’−ts1’))が、環境光による撮像素子14の露光量はSe1からSe4に増加するので予備撮影画像のS/N比が向上する。また、このときストロボ光による撮像素子14の露光量もSsからSs’に増加するが、この増加の割合Ss’/Ssは環境光による撮像素子14の露光量が増加した割合Se4/Se1と同じでありその比率は変わらないので、被写体分離の精度は第1実施形態の電子カメラのときと変わらない。従って、第1実施形態の電子カメラによる被写体分離精度の改善効果を維持したままで、予備撮影画像のS/N比を改善することができる。
なお、この手法は、第1実施形態の電子カメラだけでなく、第2および第3実施形態の電子カメラにも同様に適用することができ、この手法を適用すれば、それらの実施形態においても同様に予備撮影画像のS/N比の改善効果を得ることができる。なお、この手法は、第1の予備撮影(ストロボ発光撮影)に適用すればよく、第2の予備撮影(ストロボ非発光撮影)には、適用しても、しなくてもよい。
(手法2)予備撮影画像にノイズ低減処理を施す手法
以下(a)〜(c)のようなノイズ低減処理を実施することにより、予備撮影画像のS/N比を改善することができる。
(a)複数枚の予備撮影画像の平均をとる処理
予備撮影を複数回連続して行うことにより複数枚の予備撮影画像を撮影すると共に、それら複数枚の予備撮影画像を平均化してノイズの低減された1枚の画像を作成する。なお、このような画像は、複数枚の予備撮影画像の輝度成分を平均化したり、RGBやLab等で表される各成分を個別に平均化したりすることにより作成される。
このような処理をS102での第1の予備撮影とS103での第2の予備撮影とにおいてそれぞれ実施し、その実施によって作成された2枚のノイズ低減された画像をS106での輝度比較に用いるようにする。
(b)予備撮影画像の解像度を低くする処理
予備撮影で撮影された予備撮影画像の解像度を、例えばバイキュービックやバイリニアなどの隣接画素の情報を用いた解像度変換手法により低減して、ノイズの低減された画像を作成する。
このような処理をS102での第1の予備撮影とS103での第2の予備撮影とにおいてそれぞれ実施し、その実施によって作成された2枚のノイズ低減された画像をS106での輝度比較に用いるようにする。
(c)第2の予備撮影時にストロボ光を少量発光させる処理
S103での第2の予備撮影でストロボ光を少量だけ発光させて予備撮影画像を撮影する。なお、その発光量は、S102での第1の予備撮影時の発光量よりも格段に低く、少なくとも数分の1以下の光量である。このようにして撮影されたノイズの少ない第2の予備撮影画像をS106での輝度比較に用いるようにする。
なお、上述した(a)〜(c)の処理は、それぞれ単独で適用してもよく、また2つ以上を併用して適用してもよい。
また、予備撮影画像のノイズ低減処理には、上述した(a)〜(c)の処理以外にも種々の一般的なノイズ低減方法が利用できる。
以上、予備撮影画像のS/N比を改善する2つの手法について説明した。
なお、予備撮影画像のS/N比を改善する手法は、この2つ手法に限定されない。例えば、手法1と同様な露光量の制御を「撮影感度を低くして、かつ絞りを開ける」といったような撮影感度と絞りとの組み合わせにより行ってもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態において、第1の予備撮影画像(ストロボ発光画像)及び第2の予備撮影画像(ストロボ非発光画像)は、共にスルー画像を用いる例を示したが、これに限定されない。例えば、第1及び第2の予備撮影画像は、本撮影画像と同様な高解像度画像でも良い。スルー画像は本撮影画像に比べて解像度が低く、かつ撮像素子からの読み出しが短時間で行えるため、予備撮影画像としてスルー画像を用いた場合には、ノイズ低減処理や以降の被写体と背景を分離するための輝度比較処理において、処理負荷の低減に伴う高速化を図ることができる。一方、予備撮影画像として高解像度画像を用いると、スルー画像を用いた場合と比較して、特に上記のノイズ低減処理(b)において有効である。一般に、画像の解像度を低減する場合、解像度低減後の画像の画素値は、解像度低減前の画像の対応する領域の複数の画素値に基づいて決定される。この時、解像度低減後の画像の画素に対応する解像度低減前の画像領域の画素数が多いほど、ノイズ低減効果を高めることができる。ここで、スルー画像と高解像度画像の双方についてそれぞれ解像度を低減して、同じ解像度の低解像度画像を作成する場合を考えると、高解像度画像はスルー画像よりも解像度が高い(すなわち単位画像サイズあたりの画素数が多い)ため、解像度低減後の画像の画素値を、スルー画像を用いた場合よりも多くの画素値に基づいて作成することができる。従って、高解像度画像を用いた場合の方が、優れたノイズ低減効果を得ることができる。
また、上記第1〜第3の実施形態において、第2の予備撮影(ストロボ非発光撮影)の露出条件は、第1の予備撮影(ストロボ発光撮影)の露出条件とストロボ発光条件(ストロボを発光するかしないか)のみが異なる場合の例を示したが、これに限定されない。例えば、第2の予備撮影は、第1の予備撮影と撮像素子14の露光タイミングが異なる露出条件で撮影を行っても良い。この時、第2の予備撮影を、自動露出モードのような、第1の予備撮影の露出条件よりも環境光による撮像素子14の露光量が大きくなるような露出条件で行うと、第2の予備撮影画像については露出アンダーに伴うS/N比の低下を回避することができる。
また、上記第1〜第3の実施形態において、第1の予備撮影画像と第2の予備撮影画像の輝度比較に基づき被写体と背景の分離情報(被写体分離情報)を作成する例を示したが、これに限定されない。例えば、ストロボ発光画像である第1の予備撮影画像とストロボ非発光画像である本撮影画像との輝度比較に基づいて被写体分離情報を作成してもよい。この場合、S103の第2の予備撮影を省略することができるため、撮影工程を短縮することができる。ただし、上記第1〜第3の実施形態のように、予備撮影画像としてスルー画像を用いた場合は、第1の予備撮影画像(スルー画像)と本撮影画像は解像度が異なるため、解像度変換処理により両画像の解像度を揃えた後に、両画像の対応する部分の輝度比較を行う。例えば、第1の予備撮影画像の解像度に合わせて本撮影画像の画像サイズを縮小し、第1の予備撮影画像と縮小サイズの本撮影画像を用いて輝度比較を行い、被写体分離情報を作成する。
また、上記第1〜第3の実施形態において、被写体と背景を分離するための輝度比較を、輝度の比率に基づいて行う例を示したが、これに限定されない。例えば、輝度比較を輝度の差分に基づいて行ってもよい。但し、輝度比較を輝度の差分に基づいて行う時、輝度比較に用いる2枚の画像において、環境光による撮像素子14の露光量が異なる場合(例えば、上述したような、第1の予備撮影と第2の予備撮影で撮像素子14の露光タイミングが異なる露出条件で撮影を行った場合や、第1の予備撮影画像と本撮影画像で輝度比較を行う場合など)は、被写体と背景の分離が正確に行われなくなる可能性がある。そこで、そのような場合には、輝度比較に用いる2枚の画像において、背景の信号レベルが揃うようにゲイン調整を行った後に輝度比較を行う。
更に、上述したように予備撮影画像は本撮影画像のように観賞用には用いられないので、予備撮影時のストロボ光の照射量は、必ずしも適正光量に限定される必要はない。むしろ被写体分離の精度を高めるという観点からすれば、できるだけ大きい光量でストロボ光を照射することが好ましい。なぜならば、ストロボ光の照射量が大きいほど、被写体で反射したストロボ光による露光量Ss0と背景で反射したストロボ光による露光量Ssbとの差(Ss0−Ssb)が大きくなる。それ故、上記式(3)で表される第1の予備撮影画像(ストロボ発光画像)と第2の予備撮影画像(ストロボ非発光画像)における被写体の輝度比と背景の輝度比との乖離量が大きくなり、被写体分離の精度が高まるからである。但し、大きい光量でストロボ光を照射すると、特にカメラの近くに位置にしている被写体の画像信号に飽和(以下、この画像信号の飽和を「白飛び」と称する。)が発生する可能性がある。以下、画像に白飛びした領域が存在する場合の被写体分離の方法について、図9を用いて説明する。図9は、胸元に白色の部分がある服を着た人物の被写体を第1〜第3の実施形態の電子カメラの何れかで撮影した場合を示している。ストロボ発光画像である第1の予備撮影画像においては、服の白色部分は反射率が高いために白飛びしている。この白飛びした領域は画像信号が飽和レベルとなっているため、同領域には飽和レベル以上のストロボ光の効果が記録されていない。従って、第1の予備撮影画像と第2の予備撮影画像との輝度比較において、服の白色部分の輝度変化量は、白飛びのために実際の輝度変化量よりも小さくなってしまう。その結果、服の白色部分が被写体としては認識されず、被写体分離の精度が低下する。そこで、ストロボ発光画像である第1の予備撮影画像中に白飛びした領域が存在する場合には、その領域を優先的に被写体として判断するようにすればよい。このように判断すれば、白飛びした領域である服の白色部分が被写体として正しく認識されるようになり、被写体分離精度の低下を防止することができる。
(その他)
なお、S102の第1の予備撮影とS103の第2の予備撮影の撮影順序は、どちらが先であっても良い。
また、S101〜S103の予備撮影とS104〜S105の本撮影の撮影順序は、どちらが先であっても良い。
また、S106における第1の予備撮影画像と第2の予備撮影画像の輝度比較は、画素単位で行ってもよく、また複数画素から成る領域の単位で行ってもよい。
また、S106で作成される被写体と背景の分離情報(被写体分離情報)を、S105で撮影される本撮影画像とともに記録媒体23に記録するようにして、S107以降の処理は実行せずに終了してもよい。そして、そうした場合には、電子カメラの動作モードが画像再生モードなどの非撮影モードの時に、記録媒体23の被写体分離情報と本撮影画像とを用いてS107以降の処理を実行するようにしてもよい。
また、S106以降の処理の一部または全部については、電子カメラに実行させる代わりにコンピュータ等の外部処理装置に実行させてもよい。
また、S107で、被写体と背景を分離した後に、その分離状況をLCDモニタ等に表示してユーザーに確認させる処理を実行するようにしてもよい。そして、分離状況の確認の際にユーザーが分離処理のやり直しを指示した場合には、被写体の領域を抽出するための閾値を別の値に変更して再度S106〜S107の被写体分離の処理を実行するようにしてもよい。さらに、これら一連の処理は、ユーザーが望む結果が得られるまで繰り返して実行してもよい。
また、S108では、画像処理の一例として背景のみにボカシ処理を施す例を示したが、画像処理はこれに限定されず、ボカシ処理以外に、明るさ補正処理、コントラスト強調処理、鮮鋭化処理など、様々な処理を適用することができる。また、画像処理は、被写体のみに施してもよく、背景のみに施してもよく、更には被写体と背景の双方に施してもよい。なお、被写体と背景の双方に画像処理を施す場合は、被写体と背景にそれぞれ異なる画像処理を施すことが望ましい。例えば、被写体には鮮鋭化処理を、背景にはボカシ処理をそれぞれ施したり、被写体には背景よりも弱いボカシ処理を施したり、被写体には背景よりも強いコントラスト強調処理や鮮鋭化処理を施すことが望ましい。
また、S109では、画像処理後の画像をLCDモニタ等に表示させた後に、ユーザーから画像処理のやり直しの指示を受け付けるようにしてもよい。そして、ユーザーがやり直しを指示した場合には、画像処理の条件(例えば、ボカシ処理の場合には、ボカシ処理の強弱など)を変更してS108〜S109の処理を再度実行するようにしてもよい。さらに、これら一連の処理は、ユーザーが望む結果が得られるまで繰り返して実行してもよい。
また、上述した説明では、本撮影画像から被写体と背景を分離する例を示したが、被写体と前景を分離したり、被写体,背景,及び前景を同時に分離してもよい。
本発明の撮像装置を適用した電子カメラのブロック図である。 第1実施形態の電子カメラの被写体分離の動作を示す流れ図である。 自動露出モードによる露出制御(シャッター開閉動作の制御)を説明する図である。 自動露出モードによる露出制御(明るいシーンでのシャッター開閉動作、撮像素子の露光、ストロボ発光の制御)を説明する図である。 第1実施形態の電子カメラの第1の予備撮影の露出制御を説明する図である。 第2実施形態の電子カメラの第1の予備撮影露出制御を説明する図である。 第3実施形態の電子カメラの第1の予備撮影露出制御を説明する図である。 第1の予備撮影画像のS/N比を改善する手法を説明する図である。 画像に白飛び領域が存在する場合の被写体分離方法を説明する図である。
符号の説明
11…撮像レンズ,12…レンズ駆動部,13…メカニカルシャッター,14…撮像素子,15…信号処理部,16…タイミングジェネレータ(TG),17…バッファメモリ,18…データ処理部,19…圧縮/復号部,20…制御部,21…測光部,22…モニタ,23…記録媒体,24…発光部,25…操作部,26…バス

Claims (11)

  1. 同一シーンに対してストロボ光強度の高い撮影とストロボ光強度の低い撮影とを行うと共に、前記撮影により取得された画像の輝度比較に基づき本撮影画像中の被写体領域と非被写体領域との境界を検出する撮像装置において、
    前記ストロボ光強度の高い撮影を行うときには、撮像素子の露光期間のうち前記ストロボ光の非発光期間と重複する期間が自動露出モード撮影における前記重複する期間よりも短くなるように前記撮像素子の露光と前記ストロボ光の発光とのタイミングを制御する制御手段を備える
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置において、
    前記制御手段は、前記露光の開始と前記発光の開始との時間差を自動露出モード撮影における前記時間差よりも小さくする
    ことを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
    前記制御手段は、前記露光の終了と前記発光の終了との時間差を自動露出モード撮影における前記時間差よりも小さくする
    ことを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の撮像装置において、
    前記制御手段は、前記露光の開始から終了までの時間と前記発光の開始から終了までの時間とを一致させる
    ことを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の撮像装置において、
    前記制御手段は、前記撮像素子の露光期間を制御するシャッターの開度が最大となるタイミングと前記発光のタイミングとを一致させる
    ことを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の撮像装置において、
    前記輝度比較に用いられる本撮影画像以外の画像に対してノイズ低減処理を施すノイズ低減手段を備える
    ことを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の撮像装置において、
    前記輝度比較に用いられる画像間の非被写体領域の信号レベルが揃うように前記輝度比較に用いられる画像を正規化する正規化手段を更に備える
    ことを特徴とする撮像装置。
  8. 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の撮像装置において、
    前記ストロボ光強度の高い撮影では、前記ストロボ光を自動露出モード撮影の発光量よりも大きい発光量で発光させる
    ことを特徴とする撮像装置。
  9. 請求項8に記載の撮像装置において、
    前記ストロボ光強度の高い撮影で取得された画像中の白飛び領域を前記輝度比較にかかわらず優先的に前記被写体領域とみなす判別手段を更に備える
    ことを特徴とする撮像装置。
  10. 請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の撮像装置において、
    前記本撮影画像中の被写体領域と非被写体領域とに対して異なる画像処理を施す画像処理手段を更に備える
    ことを特徴とする撮像装置。
  11. 請求項10に記載の撮像装置において、
    前記画像処理手段は、前記非被写体領域に対してボカシ処理を施す
    ことを特徴とする撮像装置。
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