JP2009198346A - アンモニアガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】検知電極だけでなく基準電極の耐久性が高く、長期安定性に優れたアンモニアガスセンサを提供する。
【解決手段】酸素イオン伝導性の固体電解質層6と、固体電解質層の一方の面に形成され、被測定ガスに晒される検知電極2Aと、検知電極の対極となり、且つ検知電極2Aよりもアンモニア活性が低く、被測定ガスに晒される基準電極4Aと、検知電極を覆う多孔質からなる第1保護層9Aと、基準電極を覆う多孔質からなる第2保護層10Aとを有し、固体電解質層と基準電極との界面に外部から到達する被測定ガスのガス拡散時間をVAとし、固体電解質層と検知電極との界面に外部から到達する被測定ガスのガス拡散時間をVBとしたとき、|VA−VB|×100/((VA+VB)/2)で表されるガス拡散時間差率が50%以下のアンモニアガスセンサである。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば燃焼器や内燃機関等の燃焼ガスや排気ガス中のアンモニアガス濃度測定に好適に用いられるアンモニアガスセンサに関する。
自動車等の内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物(NO)の浄化方法として、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction、選択還元触媒)方式が開発されている。尿素SCR方式は、SCR触媒に尿素を添加してアンモニアを発生させ、アンモニアによりNOを還元するものであり、NOを還元するアンモニア濃度が適量かどうかを測定するためのアンモニアガスセンサが用いられている。
このようなアンモニアガスセンサとして、ジルコニアからなる固体電解質層20表面にアンモニア選択性の検知電極21が配置され、検知電極21に対向して参照電極(基準電極)22が配置され、基準電極と検知電極の間の起電力に基づいてアンモニア濃度を検出する起電力式センサが開示されている(特許文献1参照)。
このセンサでは、基準電極と検知電極を共に被測定ガスに曝すことにより、基準電極を大気に曝す筒型センサのように、被測定ガスと大気との間の酸素濃度や水分濃度の差の影響を考慮する必要がなく、アンモニア濃度の検出精度が向上するという利点がある。
又、このセンサでは、センサ外側に露出する検知電極に被測定ガス中の煤(soot)が堆積し、固体電解質層から検知電極が剥離することを防止するため、及び、オイル由来成分堆積に伴う検知電極の被毒を防止するため、検知電極を多孔質性の保護層23が覆っている。
米国特許出願公開第2007/0045114号明細書(図2、段落0033、0037、0039)
しかしながら、上記特許文献1記載のセンサの場合、検知電極だけでなく基準電極も被測定ガスに曝されるため、基準電極の耐久性が劣る場合がある。
すなわち、本発明は、検知電極だけでなく基準電極の耐久性が高く、長期安定性に優れたアンモニアガスセンサの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のアンモニアガスセンサは被測定ガス中のアンモニア濃度を検出するものであり、酸素イオン伝導性の固体電解質層と、前記固体電解質層の一方の面に形成され、前記被測定ガスに晒される検知電極と、前記検知電極の対極となり、且つ前記検知電極よりもアンモニア活性が低く、前記被測定ガスに晒される基準電極と、前記検知電極を覆う多孔質からなる第1保護層と、前記基準電極を覆う多孔質からなる第2保護層とを有し、前記固体電解質層と前記基準電極との界面に外部から到達する前記被測定ガスのガス拡散時間をVAとし、前記固体電解質層と前記検知電極との界面に外部から到達する前記被測定ガスのガス拡散時間をVBとしたとき、|VA−VB|×100/((VA+VB/2)で表されるガス拡散時間差率が50%以下である。
このような構成とすると、基準電極側にも被測定ガスを導入する方式を採った際に、基準電極を第2保護層で覆うことにより、基準電極に被測定ガス中の煤や被毒物質が堆積し、固体電解質層から基準電極が剥離する等の不具合を抑制し、基準電極の耐久性を向上させることができる。そして、基準電極側にも被測定ガスを導入することにより、基準電極を大気に曝す場合に比べ、被測定ガスと大気との間の酸素濃度や水分濃度の差の影響を考慮する必要がなく、アンモニア濃度の検出精度が向上する。
その上、固体電解質層と基準電極との界面に外部から到達する被測定ガスのガス拡散時間をVAとし、固体電解質層と前記検知電極との界面に外部から到達する被測定ガスのガス拡散時間をVBとしたとき、|VA−VB|×100/((VA+VB)/2)で表されるガス拡散時間差率が50%以下としているので、検知電極と基準電極にそれぞれ到達するガスの拡散速度(時間)が大きく異なることがなく、被測定ガス中の酸素濃度の急変によりセンサ出力が変動しても、出力安定化に時間を要することがなく、アンモニアの測定精度が更に向上する。
なお、検知電極は基準電極よりアンモニア活性が低い。このような構成とすると、被測定ガス中のアンモニアが基準電極上で反応して分解し、アンモニア濃度が低下した被測定ガスが基準雰囲気となるので、アンモニア濃度をより正確に測定できる。
また、前記検知電極と前記第1保護層との間に選択反応層が介装されていることが好ましい。
このような構成とすると、選択反応層が被測定ガス中のアンモニア以外の可燃性ガス成分を燃焼させるので、検知電極上では可燃性ガス成分の影響を受けずに被測定ガス中のアンモニアを検出することができ、測定精度が向上する。
前記検知電極及び前記基準電極は前記固体電解質層の前記一方の面側に形成され、前記第1保護層と前記第2保護層が一体に形成された同一層であってもよい。
このような構成とすると、被測定ガス流れに対して同じ条件で検知電極、基準電極が晒され、対向電極に対してガス流れの方向性が緩和できる。
前記第1保護層及び前記第2保護層は、Al,MgAl,SiO,SiO/Al,ゼオライト及びSiCの群から選ばれる少なくとも一種を含む多孔質からなってもよい。
このような構成とすると、被測定ガスに対する耐久性に優れた多孔質を容易に得られる。
この発明によれば、検知電極だけでなく基準電極の耐久性が高く、長期安定性に優れたアンモニアガスセンサが得られる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアンモニアガスセンサ200Aの長手方向に沿う断面図を示す。アンモニアガスセンサ200Aは、アンモニアを検出するセンサ素子部50Aを組み付けたアッセンブリである。アンモニアガスセンサ200Aは、軸線方向に延びる板状のセンサ素子部50Aと、排気管に固定されるためのねじ部139が外表面に形成された筒状の主体金具138と、センサ素子部50Aの径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ106と、軸線方向に貫通するコンタクト挿通孔168の内壁面がセンサ素子部50Aの後端部の周囲を取り囲む状態で配置される絶縁コンタクト部材166と、センサ素子部50Aと絶縁コンタクト部166との間に配置される複数個(図1では2つのみ図示)の接続端子110とを備えている。
主体金具138は、軸線方向に貫通する貫通孔154を有し、貫通孔154の径方向内側に突出する棚部152を有する略筒状形状に構成されている。また、主体金具138は、センサ素子部50Aの先端側を貫通孔154の先端側外部に配置し、電極端子部30A〜34Aを貫通孔154の後端側外部に配置する状態で、センサ素子部50Aを貫通孔154に保持している。さらに、棚部152は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する内向きのテーパ面として形成されている。
なお、主体金具138の貫通孔154の内部には、センサ素子部50Aの径方向周囲を取り囲む状態で環状形状のセラミックホルダ151、粉末充填層153、156(以下、滑石リング153、156ともいう)、および上述のセラミックスリーブ106がこの順に先端側から後端側にかけて積層されている。また、セラミックスリーブ106と主体金具138の後端部140との間には、加締めパッキン157が配置されており、セラミックホルダ151と主体金具138の棚部152との間には、滑石リング153やセラミックホルダ151を保持し、気密性を維持するための金属ホルダ158が配置されている。なお、主体金具138の後端部140は、加締めパッキン157を介してセラミックスリーブ106を先端側に押し付けるように、加締められている。
一方、図1に示すように、主体金具138の先端側(図1における下方)外周には、センサ素子部50Aの突出部分を覆うと共に、複数の孔部を有する金属製(例えば、ステンレスなど)二重の外部プロテクタ142および内部プロテクタ143が、溶接等によって取り付けられている。
そして、主体金具138の後端側外周には、外筒144が固定されている。また、外筒144の後端側(図1における上方)の開口部には、センサ素子部50Aの電極端子部30A〜34Aとそれぞれ電気的に接続される5本のリード線146(図1では3本のみ)が挿通されるリード線挿通孔161が形成されたグロメット150が配置されている。
また、主体金具138の後端部140より突出されたセンサ素子部50Aの後端側(図1における上方)には、絶縁コンタクト部材166が配置される。なお、この絶縁コンタクト部材166は、センサ素子部50Aの後端側の表面に形成される電極端子部30A〜34Aの周囲に配置される。この絶縁コンタクト部材166は、軸線方向に貫通するコンタクト挿通孔168を有する筒状形状に形成されると共に、外表面から径方向外側に突出する鍔部167が備えられている。絶縁コンタクト部材166は、鍔部167が保持部材169を介して外筒144に当接することで、外筒144の内部に配置される。そして、絶縁コンタクト部材166側の接続端子110と、センサ素子部50Aの電極端子部40A〜44Aとが電気的に接続され、リード線146により外部と導通するようになっている。
次に、センサ素子部50Aの構成について図2を用いて説明する。センサ素子部50Aは長尺板状であり、センサ素子部50Aの先端側(図2の左側)の上面に第1保護層9Aが露出し、センサ素子部50Aの後端部上面及び下面には、電極端子部40A〜44Aが露出している。
図3は図2のIII−III線に沿う断面図である。センサ素子部50Aは起電力式の板状アンモニアガスセンサである。
センサ素子部50Aは、アルミナ製の絶縁層24A、26Aが積層され、絶縁層24Aの外側に固体電解質層6が積層された構造を有する。絶縁層24Aの上面は所定の深さで平面視コの字状に切り抜かれ、コの字の開口が図3の左を向くように配置される。コの字の開口には多孔質からなる第2保護層10Aが形成され、これにより、センサ素子部50Aの左側端から被測定ガスが第2保護層10A内に導入されるようになっている。
第2保護層10Aに面した固体電解質層6の下面には、平面視ほぼ矩形状の基準電極4Aが配置され、基準電極4Aの表面を第2保護層10Aが覆うようになっている。又、固体電解質層6の上面には基準電極4Aと対向する位置に検知電極2Aが配置されている。
検知電極2Aに接続し固体電解質層6上面の長手方向に沿ってリード30Aが延び、リード30A上に絶縁層20Aが被覆されている。但し、リード30A右端は絶縁層20Aで被覆されずに露出し、電極端子部40A(さらに、後述するリード37Aと接続する電極端子部41A)を形成している。又、基準電極4Aに接続し固体電解質層6下面の長手方向に沿ってリード37Aが延びており、固体電解質層6に形成されたスルーホールを介して、電極端子部41Aに接続している。なお、リード30Aと固体電解質層6との間には、絶縁層22Aが形成され、リード37Aと固体電解質層6との間には、絶縁層24A(後述する絶縁層24A1)が形成されている。
又、検知電極2A上に、検知電極2Aを完全に覆う選択反応層3Aが形成され、選択反応層3Aの表面を多孔質からなる第1保護層9Aが覆っている。
選択反応層3Aは、被測定ガス中のアンモニア以外の可燃性ガス成分を燃焼させる役割を持ち、選択反応層が存在すると、可燃性ガス成分の影響を受けずに被測定ガス中のアンモニアを検出することができる。
そして、被測定ガスは、第1保護層9Aを通って選択反応層3A、検知電極2Aへ導入され、固体電解質層6を介して検知電極2A、基準電極4A間の電位差を測定することにより、被測定ガス(排ガス)中のアンモニア濃度を検出することができる。
検知電極2Aは例えば金を主成分とする。基準電極4Aやリード30A,37A、電極端子部40A、41Aは例えば白金を主成分とし、固体電解質層6は例えばZrO等の酸素イオン伝導性材料を用いることができる。
選択反応層3Aは通常、金属酸化物を主成分とするが、特にAで表される酸化物(Aは1種以上の金属であり;Mはバナジウム、タングステン又はモリブデンであり;x、y、zは原子比である)を含有することが好ましい。Aとしては、ビスマス、ランタン、ストロンチウム、カルシウム、銅、ガドリニウム、ネオジム、イットリウム、サマリウム及びマグネシウムの群から選ばれる1種以上が例示される。
として具体的には、V、Cu(VO、WO、MoO、BiVOが例示できる。BiVOは、酸化バナジウム(V)と酸化ビスマス(Bi)を1:1(モル比)で混合して得られる。選択反応層3Aはこれらの材料を含むペーストを印刷後焼成したり、これらの粉末をプラズマ溶射することにより得られる。
なお、選択反応層3Aを設けない場合、上記したAを用いて検知電極2Aを形成してもよい。
第1保護層9A及び第2保護層10Aは下地(検知電極2A、基準電極4A)の被毒や汚れの付着を防止し、例えばAl,MgAl,SiO,SiO/Al,ゼオライト(アルミノケイ酸塩)及びSiCの群から選ばれる少なくとも一種を含む多孔質からなる。各保護層は、予め、上記したような多孔質材料を、下地表面に溶射したり、ペースト印刷することによって形成することができるが、形成方法はこれに限られない。
一方、絶縁層26Aの外側(下面)には、測温抵抗体である温度検出手段(温度センサ)14Aが配置され、絶縁層24Aと絶縁層26Aの間にはセンサ素子部50Aを加熱する抵抗体であるヒータ16Aが介装されている。さらに、温度検出手段14Aから絶縁層26Aの長手方向に沿ってそれぞれリード32A,33Aが延びている。また、ヒータ16Aから絶縁層26Aの長手方向に沿ってそれぞれリード35A、36Aが延びており、絶縁層26Aに形成されたスルーホールを介して、電極端子部42A、44Aに接続している。
温度検出手段14Aの表面は絶縁層12Aで被覆されているが、リード32A,33Aの右端は絶縁層12Aで被覆されずに露出し、それぞれ電極端子部42A、43Aを形成している。
そして、図示しない温度制御装置(回路ユニット)により、温度検出手段14Aの測定値に基づいてヒータ16Aの印加電圧が制御され、センサ素子部50Aの固体電解質層が最適温度(活性化温度)に加熱制御される。
温度検出手段14A、ヒータ16A、リード32A,33A、35A、36Aは、それぞれ例えば白金を主成分とする。
各絶縁層12A、20A,22A,24A,26Aとしては、絶縁性を有するセラミック焼結体を用いることができ、アルミナやムライト等の酸化物系セラミックを例示することができる。
次に、アンモニアガスセンサ200Aの動作の一例について説明する。まず、ヒータ16Aの加熱によって固体電解質層6を活性化させた後、センサを被測定ガスに曝すと、被測定ガスが第1保護層9Aから選択反応層3Aに透過し、選択反応層3Aで可燃性ガス(CO、HC等)が燃焼し、これらの可燃性ガスが除去されたガスが検知電極2Aに到達する。
一方、被測定ガスはセンサの先端側縁の第2保護層10Aから基準電極4Aに透過し、被測定ガス中のアンモニア濃度に応じて、検知電極2Aと基準電極4Aとの間に生じる起電力(電位差)からセンサ出力が得られ、アンモニア濃度を検出することができる。
なお、検知電極と基準電極に共に被測定ガスを導入する場合、ガス組成が同一であるので、電極の組成が同一であると電極間に起電力が生じない。そこで、検知電極のアンモニア活性を基準電極より低くすることで、電極間に起電力を生じさせることができる。
つまり、基準電極のアンモニア活性を高くすると、被測定ガス中のアンモニアが基準電極上で反応して分解する。このようにアンモニア濃度が低下した被測定ガスが基準雰囲気となって基準電極表面の第2保護層に滞留するので、検知電極との間でガス中のアンモニア濃度に差が生じる。
検知電極としてAu(Au合金やAuを含む材料でもよい)や、上記したA等の酸化物を用い、基準電極としてPt(Pt合金やPtを含む材料でもよい)を用いることにより、検知電極のアンモニア活性を基準電極より低くすることができる。
このように、基準電極側にも被測定ガスを導入する方式を採ると、基準電極を大気に曝す筒型の起電力式センサのように、被測定ガスと大気との間の酸素濃度や水分濃度の差の影響を考慮する必要がなく、アンモニア濃度の検出精度が向上するという利点がある。
一方、基準電極に被測定ガス中の煤(soot)や被毒物質が堆積すると、固体電解質層から基準電極が剥離する場合があるが、基準電極を第2保護層で覆うことにより、このような不具合を抑制し基準電極の耐久性を向上させることができる。
ところで、多孔質からなる保護層は所定の拡散抵抗を有している。このため、検知電極と基準電極とをそれぞれ保護層で覆った場合、検知電極と基準電極にそれぞれ到達するガスの拡散速度(時間)が大きく異なると、被測定ガス中の酸素濃度が急変した場合にセンサ出力が変動し、安定化(収束)に時間を要することがある(過渡特性)。
そこで、固体電解質層と基準電極との界面に外部から到達する被測定ガスのガス拡散時間をVAとし、固体電解質層と検知電極との界面に外部から到達する被測定ガスのガス拡散時間をVBとしたとき、|VA−VB|×100/((VA+VB)/2)で表されるガス拡散時間差率を50%以下としている。ガス拡散時間差率が50%以下であると、検知電極と基準電極とで被測定ガスのガス拡散時間に大きな差が生じず、上記した過渡特性が良好になり、アンモニアの測定精度が更に向上する。
ガス拡散時間差率を調整する方法は、第1保護層、第2保護層、選択反応層、及び各々の電極のそれぞれの通気度(拡散抵抗)、膜厚、外部への露出面積(開口部面積)等を適宜変えることによって行うことができる。
ガス拡散時間VA、VBの測定は次のようにして行う。まず、図4に示すようにして、アンモニアガスセンサ200Aにおいて、内部プロテクタ143で囲まれたセンサ素子部50A周囲の空間を仕切り板300によって2つに仕切る。仕切り板300を、例えば固体電解質層6の厚み方向の中心を通る位置で、固体電解質層6の表面に平行に配置することで、検知電極2A側へ外部から導入した被測定ガスGaは基準電極4A側へ流れず、基準電極4A側へ外部から導入した被測定ガスGbは検知電極2A側へ流れない。仕切り板300は、センサ素子部50Aの輪郭部分をくり貫き、内部プロテクタ143内に収容できる寸法になっている。
このようにして、検知電極2Aと基準電極4Aに、それぞれ異なる組成のガスを流して両電極間の起電力(センサ出力)を測定できる。
ガス拡散時間VAは、検知電極2A側へ流れるガスGa中の酸素濃度を0.2%から20%に切替え、基準電極4A側へ流れるガスGb中の酸素濃度を20%で一定としたとき、ガスGaの酸素濃度切替時を起点とし、起点時のセンサ出力が低下し始めてから0.3秒後までの時間をVAとして求める。測定に用いるガス組成(酸素以外の成分)はCO=5%,HO=5%,N=bal.とし、ガス温度280℃、センサ素子部の制御温650℃とし、ガス流速4m/sでモデルガス発生装置にセンサを取り付けて測定を行う。
図5は、ガスGaの酸素濃度を切替えてからのセンサ出力の時間変化の一例を示す。ガスGa、Gb中の酸素濃度が共に20%のときのセンサ出力をVとする。ガスGa中の酸素濃度を0.2%から20%に切替えた時間をtとすると、tから少し時間が経った時刻tでセンサ出力がVになる。さらに、時刻tから0.3秒後の時刻をt(このときのセンサ出力はV)とすると、VA=t−tで表される。
ここで、時刻tから0.3秒後の時刻tを設定する理由は、時刻tから相当の時間が経過しセンサ出力が減衰していく領域Vでは、電極の輸率(アンモニアの分解によるイオン化速度)が律速となり、ガスの拡散時間の計測が困難になるからである。
なお、τ90応答時間等の測定は、電極や選択反応層等でガス成分の吸着や反応等が生じ、真のガス拡散時間が計測できない可能性があるため、好ましくない。
同様に、ガス拡散時間VBは、基準電極4Aへ流れるガスGb中の酸素濃度を0.2%から20%に切替え、検知電極2Aへ流れるガスGa中の酸素濃度を20%で一定としたとき、ガスGbの酸素濃度切替時を起点とし、起点時のセンサ出力が低下し始めてから0.3秒後までの時間をVBとして求める。
次に、センサ素子部50Aの製造方法の一例を、展開図6を参照して簡単に説明する。まず、センサ素子部の本体となる比較的厚い(例えば300μm)グリーンシートのアルミナ絶縁層26Aを用意し、絶縁層26A上にPt、アルミナ(共素地として用いる無機酸化物)バインダ及び有機溶剤を含む電極ペースト(以下、「Pt系ペースト」という)をスクリーン印刷してヒータ16A(及びこれから延長するリード35A,36A)を形成する。
そして、ヒータ16A及びリード35A,36Aを覆うように、これらの上に絶縁層24A5をスクリーン印刷し、絶縁層24A5上に絶縁層24A4をスクリーン印刷する。
一方、絶縁層26Aの下面にPt系ペーストをスクリーン印刷して温度検出手段14A(及びこれから延長するリード32A、33A、34A、及び電極端子部42A、43A、44A)を形成し、温度検出手段14A表面にアルミナ、バインダ及び有機溶剤を含むペーストをスクリーン印刷して絶縁層12Aを形成する。
次に、ジルコニア系粉末、バインダ及び有機溶剤を含むスラリーからドクターブレード法により、固体電解質層6となるグリーンシートを製造し、固体電解質層6の下側に、左端に矩形孔を有する絶縁層24A1を積層する。そして、絶縁層24A1の矩形孔内にPt系ペーストをスクリーン印刷して基準電極4A(及びこれから延長するリード37A)を形成する。さらに、左端に矩形孔を有する絶縁層24A2を、基準電極4Aが矩形孔内に入るように重ねてスクリーン印刷する。基準電極4Aは、絶縁層24A2の矩形孔から下面に露出する。
次に、露出した基準電極4Aを覆うように、基準電極4Aの下側に矩形状の第2保護層10Aをスクリーン印刷する。第2保護層10Aは、後述する絶縁層24A3のコの字で形成される内部空間内に収容される。なお、固体電解質層6は、固体電解質ペーストをスクリーン印刷して形成してもよい。
一方、左端に矩形孔を有する絶縁層22Aを固体電解質層6上にスクリーン印刷し、絶縁層22A上にPt系ペーストをスクリーン印刷してリード30A、電極端子部40A、41Aを形成する。さらに、リード30Aを覆うようにして左端に矩形孔を有する絶縁層20Aをスクリーン印刷する。
そして、左先端に向けてコの字に開口する形状の絶縁層24A3を絶縁層24A4上にスクリーン印刷する。そして、絶縁層24A3の上に(絶縁層24A3のコの字に収容されるように)第2保護層10Aを合わせて積層圧着し、さらに、所定形状に切断し、所定温度(例えば約400℃)で脱バインダ後、所定温度(例えば1520℃)で焼成する。なお、絶縁層24A1〜24A5は、基準電極4Aとヒータ16の電気絶縁性を高めるものであり、図3では、絶縁層24A1〜24A5を合わせて絶縁層24Aと図示している。なお、絶縁層24Aは、スクリーン印刷ではなく、アルミナグリーンシートにて形成しても良い。
その後、絶縁層20A、22Aの矩形孔内にAu系ペーストをスクリーン印刷して検知電極2Aを形成する。
そして、この積層体を所定温度(例えば、250℃)で脱バインダ後、所定温度(例えば、1000℃)で焼成する。ここで、検知電極2Aはリード30Aと接続し、基準電極4A及び検知電極2Aは固体電解質層6の上下面に接している。
さらに、検知電極2Aを覆うようにして、金属酸化物を主成分とするペーストをスクリーン印刷して矩形状の選択反応層3Aを形成し、最後に選択反応層3Aを覆うようにして矩形状の第1保護層9Aをスクリーン印刷し、所定温度(例えば750℃)で焼成する。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係るアンモニアガスセンサのセンサ素子部50Bについて展開図7を参照して説明する。第2の実施形態に係るアンモニアガスセンサは、図6のセンサ素子部における絶縁層24A4から絶縁層12Aに至る積層構造をそのまま流用しているので、同一構成部分については図6と符号を付して説明を省略する。
図7において、絶縁層24A4の上に固体電解質層6(第1の実施形態と同一)を積層し、さらに、左端部において長辺状の2個の開口が幅方向に並ぶ絶縁層22Bを固体電解質層6上にスクリーン印刷し、絶縁層22B上にPt系ペーストをスクリーン印刷して基準電極4B、リード30B,31B、電極端子部40B,41Bを形成する。さらに、リード30B,31Bを覆うように絶縁層20Bをスクリーン印刷する。これによりリード30B、31Bは絶縁層20Bに完全に被覆される。一方、基準電極4Bは、絶縁層20Bの一方の開口から露出すると共に、絶縁層22Bの開口を介して固体電解質層6表面に接する。
さらに、絶縁層20Bの他の開口(絶縁層22Bの他の開口と同じ位置にある)内にAu系ペーストをスクリーン印刷して検知電極2Bを形成する。検知電極2Bは、絶縁層22Bの他の開口を介して固体電解質層6表面に接すると共に、リード30Bと接続している。
さらに、検知電極2Bを覆うようにして、金属酸化物を主成分とするペーストをスクリーン印刷して長辺状の選択反応層3Bを形成し、最後に選択反応層3B及び基準電極4Bを覆うようにして矩形状の同一保護層11Bをスクリーン印刷し、所定温度(例えば750℃)で焼成する。
第2の実施形態においては、検知電極2B及び基準電極4Bは固体電解質層6の同一の面側に形成され、第1保護層と第2保護層は同一の層11Bである。このような構成とすると、被測定ガス流れに対して同じ条件で検知電極2B、基準電極4Bが晒され、対向電極に対してガス流れの方向性が緩和できる。
第2の実施形態においても、検知電極2Bのアンモニア活性が基準電極4Bより低いので、被測定ガス中のアンモニアが基準電極4B上で反応して分解し、アンモニア濃度が低下した被測定ガスが基準雰囲気となって層11Bの基準電極4B近傍に滞留するので、検知電極2Bとの間でガス中のアンモニア濃度に差が生じ、アンモニア濃度を検出できる。
本発明は上記実施形態に限定されない。本発明は、固体電解質層を介して検知電極と基準電極との間に生じる起電力からアンモニア濃度を検出し、検知電極と基準電極が共に被測定ガスに曝される、あらゆるアンモニアガスセンサに適用可能である。
又、上記実施形態では検知電極上に選択反応層を設けたが、選択反応層を設けなくともよい。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は勿論これらの例に限定されるものではない。
上記第1の実施形態に係るアンモニアガスセンサを上記した方法で作製した。各絶縁層12A、26A、24A、22A、20Aは、乳鉢にアルミナ粉末、有機溶剤及び分散剤を乳鉢に入れ、らいかい機で4時間分散混合した後、バインダ、粘度調整剤を所定量添加し、更に4時間湿式混合を行って作製したペーストを印刷して形成した。
固体電解質層6となるグリーンシートは、5.4モル%のYを含有する部分安定化ジルコニア系粉末、バインダ及び有機溶剤を含むスラリーからドクターブレード法により形成した。
検知電極2Aは、乳鉢にAu粉末、少量のジルコニア粉末、有機溶剤及び分散剤を乳鉢に入れ、らいかい機で4時間分散混合した後、バインダ、粘度調整剤を所定量添加し、更に4時間湿式混合を行って作製したペーストを印刷して形成した。
基準電極4A、各リード及び各電極端子部は、乳鉢にPt粉末、Ptに対して14質量%の部分安定化ジルコニア粉末、有機溶剤及び分散剤を乳鉢に入れ、らいかい機で4時間分散混合した後、バインダ、粘度調整剤を所定量添加し、更に4時間湿式混合を行って作製したペーストを印刷して形成した。
選択反応層3Aは、乳鉢に1:1(モル比)で用意した酸化バナジウム(V)粉末及び酸化ビスマス(Bi)粉末、有機溶剤及び分散剤を乳鉢に入れ、らいかい機で4時間分散混合した後、バインダ、粘度調整剤を所定量添加し、更に4時間湿式混合を行って作製したペーストを印刷して形成した。
第1保護層9A、第2保護層10Aは、乳鉢にアルミナ(Al)粉末、有機溶剤及び分散剤を乳鉢に入れ、らいかい機で4時間分散混合した後、バインダ、粘度調整剤を所定量添加し、更に4時間湿式混合を行って作製したペーストを印刷して形成した。
各ペーストを積層して絶縁層12A〜20Aまで形成後、400℃で脱バインダし、1470℃で焼成した。
次に、上記検知電極2Aをスクリーン印刷して1000℃で1時間焼成後、選択反応層3A、第1の保護層9Aをスクリーン印刷して積層し、750℃で焼成し、センサ素子部50Aを得た。得られたセンサ素子部50Aを、上述したようにしてアンモニアガスセンサ200Aとして組み付けた。
第1保護層9A、第2保護層10Aを形成するためのペーストとして、アルミナ(Al)粉末の代わりに、MgAl粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてセンサ素子部を製造し、アンモニアガスセンサとして組み付けた。
第1保護層9A、第2保護層10Aを形成するためのペーストとして、アルミナ(Al)粉末の代わりに、SiO粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてセンサ素子部を製造し、アンモニアガスセンサとして組み付けた。
第1保護層9A、第2保護層10Aを形成するためのペーストとして、アルミナ(Al)粉末の代わりに、SiO/AlO粉末(SiO/Al比=1000)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてセンサ素子部を製造し、アンモニアガスセンサとして組み付けた。
第1保護層9A、第2保護層10Aを形成するためのペーストとして、アルミナ(Al)粉末の代わりに、ゼオライト(ZSM−5)粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてセンサ素子部を製造し、アンモニアガスセンサとして組み付けた。
第1保護層9A、第2保護層10Aを形成するためのペーストとして、アルミナ(Al)粉末の代わりに、SiC粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてセンサ素子部を製造し、アンモニアガスセンサとして組み付けた。
<比較例>
第2保護層10Aを形成せず、絶縁層24A3のコの字空間内に基準電極4Aを露出させたこと以外は実施例1と同様にしてセンサ素子部を製造し、アンモニアガスセンサとして組み付けた。
<センサ特性(感度)評価>
(1)センサの初期感度
モデルガス発生装置のガス流中に各実施例及び比較例のアンモニアガスセンサを取り付け、センサの初期感度の評価を行った。モデルガスのガス温度280℃、素子制御温度(ヒータ加熱)650℃とし、ガス組成をO2=10% CO2=5% H2O=5% N2=bal.とした。モデルガス発生装置から上記ガスを流し、検知電極と基準電極が共に上記ガスに曝されたとき、検知電極と基準電極の間の電位差を測定し、ベース起電力とした。次に、モデルガスにNH=100ppmを入れ、このときの検知電極と基準電極との電位差を測定し、測定時の起電力とした。そして、測定時の起電力からベース起電力を差引いた値をセンサの初期感度で定義した。
(2)実機試験
各実施例及び比較例のアンモニアガスセンサを実機エンジンに取り付け、実際にエンジンを稼働させてセンサ特性を評価した。エンジンは排気量3.0Lディーゼルエンジンを用い、アンモニアガスセンサを排気管(DOC(Diesel Oxidation Catalyst)及びDPF(黒煙除去装置)の後流)に取付けた。
エンジンを10分間アイドル後、3000rpmで30分稼働する工程を1サイクルとし、このサイクルを500時間繰り返して実機試験を行った。
実機試験終了後にエンジンからセンサを取り外し、(1)と同様にしてモデルガス発生装置に取り付けてセンサの感度を測定した。センサの感度は、測定時の起電力−ベース起電力で定義した。
得られた結果を表1及び図8に示す。
Figure 2009198346
表1、図8より、基準電極側に多孔質からなる第2保護層を設けた各実施例の場合、実機試験後のセンサ感度の(初期からの)減少率は5%以下であり、長期安定性に優れたものとなった。
一方、基準電極側に保護層を設けなかった比較例の場合、実機試験後のセンサ感度の(初期からの)減少率は20%を超え、長期安定性に劣ると共に、基準電極に形態変化(一部剥離)が認められた。
なお、上記第2の実施形態に係るアンモニアガスセンサを上記した方法で作製し、第1の実施形態に係るアンモニアガスセンサと同様にセンサ感度を評価したところ、実機試験後のセンサ感度の(初期からの)減少率は5%以下であることを確認した。なお、第2の実施形態に係るアンモニアガスセンサの作製時に各層に用いたペーストは、第1の実施形態の場合と同様とした。
<センサの過渡特性(安定性)評価>
実施例1において、第2保護層10Aの拡散抵抗を変えたセンサ素子部を製造した。なお、拡散抵抗はペースト中の有機ビーズやカーボンの造孔剤を添加したり、粒径、比表面積を変更した保護層材料を用いることで変化させた。又、上記比較例のセンサ素子部を準備した。これらのセンサ素子部をアンモニアガスセンサとして組み付けた。
次に、図4に示すようにして、アンモニアガスセンサ200Aにおいて、内部プロテクタ143で囲まれたセンサ素子部50A周囲の空間を仕切り板300によって2つに仕切った。
ガス拡散時間VAは、検知電極2A側へ流れるガスGa中の酸素濃度を0.2%から20%に切替え、基準電極4A側へ流れるガスGb中の酸素濃度を20%で一定としたとき、ガスGaの酸素濃度切替時を起点とし、起点時のセンサ出力が低下し始めてから0.3秒後までの時間をVAとして求めた。測定に用いるガス組成(酸素以外の成分)はCO=5%,HO=5%,N=bal.とし、ガス温度280℃、センサ素子部の制御温650℃とし、ガス流速4m/sでモデルガス発生装置にセンサを取り付けて測定を行った。
同様に、ガス拡散時間VBは、基準電極4Aへ流れるガスGb中の酸素濃度を0.2%から20%に切替え、検知電極2Aへ流れるガスGa中の酸素濃度を20%で一定としたとき、ガスGbの酸素濃度切替時を起点とし、起点時のセンサ出力が低下し始めてから0.3秒後までの時間をVBとして求めた。
そして、|VA−VB|×100/((VA+VB)/2)でガス拡散時間差率を算出した。
上記アンモニアガスセンサから仕切り板を取り外し、上記したモデルガス発生装置のガス流中に取り付け、センサの感度の評価を行った。モデルガスのガス温度280℃、素子制御温度(ヒータ加熱)650℃とし、ガス組成をO2=0.2% CO2=5% H2O=5% N2=bal.としてしばらく流し、検知電極と基準電極の間の電位差(起電力)を測定した。次に、上記ガス中の酸素濃度を20%としたガスに切替え、検知電極と基準電極の間の起電力を引き続いて測定し、起電力の時間変化を求めた。
得られた結果を表2及び図9に示す。
Figure 2009198346
表2、図9より、ガス拡散時間差率が0%の場合、ガス中の酸素濃度が急変したときのセンサの起電力変化が小さく(起電力の変化が0.2mV程度)、すぐに元に戻り、安定したセンサ出力が得られた。
又、ガス拡散時間差率が20%及び50%の場合、ガス中の酸素濃度が急変したときのセンサの起電力変化が6mV以下程度であった。この測定はガス流速が実使用環境に近い4m/sであり、センサの起電力変化が5〜6mV程度であれば、ガス中の酸素濃度が急変してもセンサ特性の収束が速く、実使用上問題無いレベルといえる。
一方、ガス拡散時間差率が80%の場合、ガス中の酸素濃度が急変濃するとセンサの起電力変化が10mV以上と大きくなり、出力が収束(安定化)するまで時間を要した。
以上から、ガス拡散時間差率が50%以下であることが好ましいことが判明した。
本発明の第1の実施形態に係るガスセンサ(アンモニアガスセンサ)の長手方向に沿う断面図である。 センサ素子部50Aの構成を示す斜視図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 ガス拡散時間差率を測定するための装置(仕切り板)を示す図である。 ガス拡散時間を求める方法として、ガス中の酸素濃度を切替えてからのセンサ出力の時間変化の一例を示す図である。 センサ素子部50Aの展開図である。 第2の実施形態に係るアンモニアガスセンサにおけるセンサ素子部50Bの展開図である。 実機による長期試験後のセンサの感度変化を示す図である。第3の実施形態に係るアンモニアガスセンサにおけるセンサ素子部の一部の展開図である。 ガス中の酸素濃度が急変したときのセンサの起電力変化を示す図である。
符号の説明
2A、2B 検知電極
3A、3B 選択反応層
4A,4B 基準電極
6 固体電解質層
9A 第1保護層
10A 第2保護層
11B 同一層(第1保護層と第2保護層)
50A、50B センサ素子部
200A アンモニアガスセンサ

Claims (4)

  1. 被測定ガス中のアンモニア濃度を検出するアンモニアガスセンサにおいて、
    酸素イオン伝導性の固体電解質層と、前記固体電解質層の一方の面に形成され、前記被測定ガスに晒される検知電極と、前記検知電極の対極となり、且つ前記検知電極よりもアンモニア活性が低く、前記被測定ガスに晒される基準電極と、前記検知電極を覆う多孔質からなる第1保護層と、前記基準電極を覆う多孔質からなる第2保護層とを有し、
    前記固体電解質層と前記基準電極との界面に外部から到達する前記被測定ガスのガス拡散時間をVAとし、前記固体電解質層と前記検知電極との界面に外部から到達する前記被測定ガスのガス拡散時間をVBとしたとき、|VA−VB|×100/((VA+VB)/2)で表されるガス拡散時間差率が50%以下であるアンモニアガスセンサ。
  2. 前記検知電極と前記第1保護層との間に選択反応層が介装されている請求項1記載のアンモニアガスセンサ。
  3. 前記検知電極及び前記基準電極は前記固体電解質層の前記一方の面側に形成され、前記第1保護層と前記第2保護層が一体に形成された同一層である請求項1又は2記載のアンモニアガスセンサ。
  4. 前記第1保護層及び前記第2保護層は、Al,MgAl,SiO,SiO/Al,ゼオライト及びSiCの群から選ばれる少なくとも一種を含む多孔質からなる請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニアガスセンサ。
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