JP2009193921A - 燃料電池スタック、及び燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムの構成を簡易化可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応で発電する燃料電池スタック5であって、燃料電池セルを複数重ねた積層体14と、積層体14の内部に設けられ、積層体14の各燃料電池セル13を冷却する冷媒を流す冷媒流路であって、積層された各燃料電池セル13へ分流される冷媒又は各燃料電池セル13から合流された冷媒を流す本流部を有する冷媒流路と、を備え、本流部は、積層体14の表面に配設される被冷却機器に近接する位置に、本流部を流れる冷媒と被冷却機器との間で熱交換が可能なように配設される。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池スタック、及び燃料電池システムに関する。
近年、運転効率および環境性に優れる電源として燃料電池が注目されている。燃料電池は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応によって発電する。燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応は、触媒を担持した燃料電池セルで行われる。
燃料電池から負荷へ電力を供給するにあたり、DC/DCコンバータを介して電圧を調整する技術がある(例えば、特許文献1を参照)。また、リレー等の電装品を燃料電池のエンドプレートの付近に配置する技術がある(例えば、特許文献2〜4を参照)。また、ダイオードを燃料電池スタック内の冷却器の部位に配置することで電力損を放散する技術がある(例えば、特許文献5を参照)。また、電子部品と燃料電池との間で熱交換を行う技術がある(例えば、特許文献6を参照)。また、電圧コンバータ等の半導体素子を燃料電池スタックの積層体と一体化する技術がある(例えば、特許文献7〜9を参照)。また、暖機中の燃料電池の出力電圧を昇圧し、高電圧で駆動する補機類の動作を安定させる技術がある(例えば、特許文献10を参照)。
特開2000−36308号公報 特開2004−55384号公報 特開2002−362165号公報 特開2007−128752号公報 特開2001−357866号公報 特許第3910553号公報 特開2006−302629号公報 特表2003−065487号公報 特開2006−332025号公報 特開2007−184243号公報
燃料電池は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うため、反応熱を適切に制御する必要がある。例えば、電気化学反応が起こるように燃料電池を昇温したり、電気化学反応により発熱する燃料電池を冷却したりする必要がある。ここで、システムの構成を簡易化する観点に鑑みれば、システム内外間で熱交換を行う機器類を削減することが好ましい。
本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであり、燃料電池システムの構成を簡易化することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、燃料電池スタックとその他の機器との間における熱交換を考慮した機器配置をすることにより、燃料電池システムの構成を簡易化することにした。
詳細には、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応で発電する燃料電池スタックであって、前記燃料ガスと前記酸化ガスとを電気化学反応させる燃料電池セルを複数重ねた積層体と、前記積層体の内部に設けられ、該積層体の各燃料電池セルを冷却する冷媒を流す冷媒
流路であって、積層された該各燃料電池セルへ分流される冷媒又は該各燃料電池セルから合流された冷媒を流す本流部を有する冷媒流路と、を備え、前記本流部は、前記積層体の表面に配設される被冷却機器に近接する位置に、該本流部を流れる前記冷媒と該被冷却機器との間で熱交換が可能なように配設される。
燃料電池セルを複数重ねた積層体の各セルは、燃料ガスと酸化ガスとがそれぞれ供給されることにより電気化学反応を生ずる。ここで、上記積層体は、電気化学反応で発熱する各セルを冷却する冷媒を流す冷媒流路を備えている。冷媒流路は、各セルを略均等に冷却するため、冷媒が各セルへ分流される構成となっていることを前提としており、上記本流部は積層体の内部に設けられる流路であって各セルに設けられる流路同士を繋ぐ。よって、本流部には、各セルを流れる冷媒を合わせた量の冷媒が流れる。なお、本流部とは、積層体の内部に設けられた冷媒流路の一部であって、積層された各燃料電池セルへ分流される冷媒又は各燃料電池セルから合流された冷媒が流れる流路であり、例えば、一の流路を複数の流路に分け或いは複数の流路を一の流路にまとめる、いわゆるマニホールドである。本流部は、各燃料電池セルを流れる冷媒を合わせた量の冷媒が流れる故、多くの熱を輸送可能である。なお、本流部は、各燃料電池セルへ分流される前の冷媒が流れる部分のみであってもよいし、各燃料電池セルから合流した後の冷媒が流れる部分のみであってもよいし、これら両方の部分を含むものであってもよい。
ここで、上記燃料電池スタックは、積層体の表面に冷却を必要とする被冷却機器が配設されることを前提とする。被冷却機器とは、動作時に冷熱を必要とする機器であり、例えば、燃料電池システムの一部を構成する電子機器等が挙げられる。上記燃料電池スタックは、積層体の内部に設けられる本流部がこの被冷却機器に近接する位置に設けられており、自身を流れる冷媒と被冷却機器との間で熱交換を行う。これにより、燃料電池スタックの積層体の表面のうち熱交換可能な領域が有効活用され、被冷却機器を冷却する機器の削減によって燃料電池システムの構成を簡素化することが可能となる。
また、前記本流部は、前記積層体の内部を該積層体の積層方向に貫通する流路であって、該積層体の表面のうち積層方向に対する側方の面に配設される前記被冷却機器に近接する位置に配置してもよい。積層された各セルと分流或いは合流する冷媒を流すには、積層体の内部に設けられる本流部が該積層体の積層方向に貫通する流路であることが構造上合理的だからである。これにより、積層体の表面のうち積層方向に対する側方の面が有効活用され、燃料電池システムの構成を簡素化することが可能となる。
また、前記本流部は、前記被冷却機器に近接する前記積層体の内部の位置であって、該被冷却機器が必要とする量の冷熱を熱交換可能な位置に配設してもよい。燃料電池システムの構成を簡素化する観点から、被冷却機器の冷却を上記冷媒流路を流れる冷媒だけに依存すると、該冷媒流路を流れる冷媒と十分に熱交換できない場合に該被冷却機器が過熱し得る。そこで、本流部の位置を、熱交換量の観点から決定することで該被冷却機器の冷却を補償することが可能になる。
また、本発明は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応で発電する燃料電池システムであって、前記燃料ガスと前記酸化ガスとを電気化学反応させる燃料電池セルを複数重ねた積層体を有する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックの出力電圧を昇圧する昇圧機器であって、該出力電圧の昇圧に伴い自身に発生する熱を該燃料電池スタックへ熱伝達可能な昇圧機器と、を備え、前記昇圧機器は、前記燃料電池スタックの出力電圧を昇圧することにより、該出力電圧の昇圧に伴い発生する熱で前記積層体を昇温してもよい。
燃料電池システムは、システムの内外間における熱収支量を削減し、システムを構成する機器間における熱の有効利用を図ることがシステム全体の発電効率の向上に繋がる。こ
こで、燃料電池システムは、発電時の状態によって各機器間の熱バランスが変化する。例えば、燃料電池スタックにおける電気化学反応を促進するため、該燃料電池スタックを加熱することが望ましい場合や、燃料電池スタックを保護するため、該燃料電池スタックを冷却することが望ましい場合等がある。
ところで、燃料電池スタックは、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うが、このような電気化学反応を起こすには、燃料電池スタックの温度が電気化学反応に適した温度に保たれる必要がある。例えば、水素と酸素を用いた高分子電解質膜型燃料電池スタックの場合、電解質膜におけるプロトンの移動等を阻害しないようにするため、燃料電池スタックは水の氷点以上の温度に昇温されることが望ましい。一般的に、電気化学反応の反応速度は、温度に大きく依存することが知られており、通常は温度が高くなるにつれて反応速度が早まる。換言すると、電気化学反応により発電する燃料電池は、温度が低くなると反応速度が低下し、電気出力が低下する。ところが、通常、負荷側の要求する電圧は一定であるため、発電を継続するには燃料電池側の電圧を負荷側よりも高い状態に維持する必要がある。そこで、上記燃料電池システムは、燃料電池スタックの出力電圧を昇圧する昇圧機器を備える。
ここで、燃料電池システムは、上述したように、燃料電池スタックが低温の場合、昇圧機器が動作する。また、昇圧機器のような変換機器は、変換損失によって発熱する。そこで、この熱を低温状態にある燃料電池スタックの昇温に活用する。これにより、昇圧機器を冷却する機器を省略し、燃料電池システムの構成の簡素化を実現することが可能になる。
また、前記昇圧機器は、前記燃料電池スタックの温度が定格運転状態における温度よりも低温であり且つ該燃料電池スタックの出力電圧が前記負荷の要求する電圧よりも低い状態において、該燃料電池スタックの出力電圧を昇圧することにより、該出力電圧の昇圧に伴い発生する熱で前記積層体を昇温してもよい。これにより、燃料電子システムの構成の簡素化を実現しつつ、定格運転状態における温度よりも低温状態にある燃料電池スタックを可及的速やかに昇温することが可能となる。
また、前記昇圧機器は、スイッチとコイルとを有し、該スイッチが該コイルに対してスイッチング動作をすることにより生ずる該コイルの逆起電力で前記燃料電池スタックの出力電圧を昇圧する昇圧機器であって、該スイッチのスイッチング損失により発熱してもよい。コイルを備えたスイッチング方式の昇圧機器の場合、昇圧比はスイッチング周波数に依存する。ここで、スイッチング損失で発生する熱量は、スイッチング周波数の大小に依存するため、換言すると、昇圧比の大小に応じて発熱量が増減する。よって、上記燃料電池システムによれば、昇圧比の増減と必要加熱量の増減とを、スイッチング周波数の増減によって調整することが可能となる。
また、前記昇圧機器は、前記積層体の積層方向における端部に隣接し且つ該端部の燃料電池セルへ熱伝達可能に配設されてもよい。燃料電池セルを積層した積層体の場合、積層方向における端部に位置する燃料電池セルは、隣接する燃料電池セルから伝わる反応熱が少ないため、加熱されにくい。よって、係る部分に昇圧機器が配設された燃料電池システムであれば、積層体を構成する燃料電池セルのうち特に加熱を必要とする端部の燃料電池セルを可及的速やかに昇温することが可能である。
また、前記燃料電池スタックは、前記積層体の各燃料電池セルを冷却する冷媒を流す冷媒流路であって、積層された該各燃料電池セルへ分流される冷媒又は該各燃料電池セルから合流された冷媒を流す本流部を有する冷媒流路を有し、前記スイッチは、前記積層体の表面のうち前記本流部に近接する位置に配設してもよい。これによれば、各セルをスイッ
チング損失により生ずる熱で昇温することが可能であり、積層体を構成する各燃料電池セルを略均等に昇温することが可能となる。
また、前記本流部は、前記積層体の内部を該積層体の積層方向に貫通する流路であり、前記昇圧機器は、前記スイッチと前記コイルとを有する昇圧回路を複数有する複相の昇圧機器であり、複数ある前記スイッチは、前記積層体の表面のうち前記本流部に近接する位置であって、該積層体の積層方向に沿って整列するように配置してもよい。複相型の昇圧機器の場合、各相の電気的特性にばらつきが生じないようにすることが望ましい。よって、各相のスイッチを本流部に沿って配置することにより、各相の昇圧回路を構成するスイッチを略均等に冷却して各相の電気的特性を略同一にすることが可能となる。
燃料電池システムの構成を簡易化することが可能となる。
以下、本願発明の一実施形態に係る燃料電池スタック、及び燃料電池システムについて説明する。
<実施形態の構成>
図1は、本願発明の一実施形態に係る燃料電池システム1の全体構成図である。なお、この燃料電池システム1は、本願発明の一実施形態に係る燃料電池スタックを適用したシステムである。また、この燃料電池システム1は、電動モータを駆動源とする車両2に搭載され、この車両2の駆動モータ(以下、単に「モータ3」という)に電力を供給することを前提とする。車両2は、駆動輪がモータ3によって駆動されることで自走し、移動可能となる。このモータ3は、いわゆる三相交流モータであり、インバータ4から交流電力の供給を受けて動作する。このインバータ4は、燃料電池システム1のメイン電力源である燃料電池5と二次電池であるバッテリ6とから供給される直流電力を交流電力へ変換し、モータ3へ供給する。
なお、燃料電池システム1は、移動体である車両2に搭載され、この車両2のモータ3へ電力を供給するものであるが、船舶やロボット等の移動体、或いは移動しない電力消費機器に対しても適用可能である。
ここで、燃料電池5は、水素タンク7に貯蔵されている水素ガスとコンプレッサ8によって圧送されてくる空気中の酸素との電気化学反応にて発電を行う。燃料電池5とインバータ4との間には、昇圧型のDC−DCコンバータであるFC昇圧コンバータ9が電気的に接続されている。これにより、燃料電池5から出力された電力の電圧は、FC昇圧コンバータ9によって任意の電圧に昇圧され、インバータ4に印加される。FC昇圧コンバータ9の詳細な構成については、後述する。また、バッテリ6は、充放電が可能な蓄電装置であって、該バッテリ6とインバータ4との間に該インバータ4に対して上記FC昇圧コンバータ9と並列になるように、昇圧型のバッテリ昇圧コンバータ10が電気的に接続されている。これにより、バッテリ6から出力された電力の電圧は、バッテリ昇圧コンバータ10によって任意の電圧に昇圧され、インバータ4に印加される。尚、図1中に示すように、燃料電池システム1においては、昇圧型のバッテリ昇圧コンバータ10に代えて、昇圧動作および降圧動作が可能な昇降圧型のコンバータも採用可能である。以下の実施例では、主にバッテリ昇圧コンバータ10を昇圧型のコンバータとして説明を進めていくが、これには昇降圧型のコンバータの採用を制限する意図は無く、その採用に際しては適宜調整が行われる。
なお、燃料電池5には、電気化学反応に伴い生ずる反応熱を除去するための冷却装置2
2が設けられている。冷却装置22は、冷媒を空気で冷却するクーラを有しており、クーラと燃料電池5との間で冷媒である水(LLC)を循環させる冷媒配管が設けられている。冷媒配管には冷媒を循環させるためのポンプが設けられており、また、クーラには、LLCの温度に応じて発停する冷却ファンが設けられている。冷却装置22は、燃料電池システム1が動作中、冷媒を常に循環させることで燃料電池5を冷却する。なお、冷媒である水はいわゆる不凍液である。
車両2には、電子制御ユニット(以下、「ECU11」という。)が備えられる。ECU11は、上述した各制御対象と電気的に接続されており、システムを構成する各機器を制御する。例えば、車両2には、ユーザからの加速要求を受けるアクセルペダルが設けられ、その開度がアクセルペダルセンサ12によって検出され、その検出信号がECU11に電気的に伝えられる。また、ECU11は、モータ3の回転数を検出するエンコーダにも電気的に接続され、これによりECU11でモータ3の回転数が検出される。ECU11は、これらの検出値等に基づいて、各種の制御が可能である。
このように構成される燃料電池システム1では、車両2のユーザが踏んだアクセルペダルの開度がアクセルペダルセンサ12によって検出され、ECU11がそのアクセル開度とモータ3の回転数等に基づいて、燃料電池5の発電量やバッテリ6からの充放電量が適宜制御される。ここで、移動体である車両2の燃費を向上させるために、モータ3が高電圧低電流仕様のPMモータとなっている。従って、モータ3は、低電流で高トルクを発揮することが可能となるため、モータ内部の巻線やその他の配線での発熱を軽減することが可能となり、またインバータ4の定格出力を小さくすることが可能となる。具体的には、モータ3では低電流で比較的大きなトルク出力を可能とするためにその逆起電圧が比較的高く設定される一方で、その高逆起電圧に抗して高回転数での駆動が可能となるように、燃料電池システム1からの供給電圧が高く設定される。このとき、燃料電池5とインバータ4の間にFC昇圧コンバータ9を設け、バッテリ6とインバータ4との間にもバッテリ昇圧コンバータ10を設けることで、インバータ4への供給電圧の高電圧化が図られる。
このように燃料電池システム1を、FC昇圧コンバータ9を含む構成とすることで、燃料電池5自体の出力電圧(端子間電圧)が低くても、FC昇圧コンバータ9の昇圧動作によりモータ3を駆動することが可能となる。これにより、燃料電池5のセル積層枚数を低減する等してその小型化を図ることも可能となる。その結果、車両2の重量を低減でき、その燃費向上を更に促進することができる。
ここで、FC昇圧コンバータ9の電気回路の特徴について簡単に説明する。図2は、FC昇圧コンバータ9の回路図である。なお、図2は、FC昇圧コンバータ9を中心として、燃料電池システム1の電気的構成を示しているが、説明を簡便にするため、バッテリ6およびバッテリ昇圧コンバータ10の記載は省略している。
FC昇圧コンバータ9は、スイッチ素子S1のスイッチ動作により、コイルL1に蓄えられたエネルギをモータ3側(インバータ4側)にダイオードD5を介して解放することで燃料電池5の出力電圧を昇圧する。具体的には、コイルL1の一端が燃料電池5の高電位側の端子に接続される。そして、スイッチ素子S1の一端の極が、コイルL1の他端に接続されるとともに、該スイッチ素子S1の他端の極が、燃料電池の低電位側の端子に接続されている。また、ダイオードD5のカソード端子がコイルL1の他端に接続され、更に、コンデンサC3が、ダイオードD5のアノード端子とスイッチ素子S1の他端との間に接続されている。
ここで、スイッチ素子S1は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、いわゆるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、大電力を高速スイッチング可能な半導
体素子である。スイッチ素子S1は、スイッチング周波数等に比例して発熱量が変化し、また、冷却を必要とするが、コイルL1よりも耐熱温度は高いものとする。また、コンデンサC3は、昇圧した電力の電圧変動を抑える平滑コンデンサとして機能する。また、ダイオードD5は、SICダイオード(SIC: Silicon Carbide)であり、スイッチ素子S1やコイルL1よりも耐熱温度が高いものとする。
このように構成されるFC昇圧コンバータ9は、スイッチ素子S1のスイッチングデューティ比を調整することで、FC昇圧コンバータ9による昇圧比、即ちFC昇圧コンバータ9に入力される燃料電池5の出力電圧に対する、インバータ4にかけられるFC昇圧コンバータ9の出力電圧の比が制御される。
次に、燃料電池5について説明する。図3は燃料電池5の上面図であり、図4は燃料電池5の斜視図である。図3及び図4に示すように、燃料電池5は、移動媒体に適する高分子電解質形の燃料電池スタックであり、複数の燃料電池セル13を積層した積層体14を備える。積層体14は、その両端にあるエンドセル15が図示しないテンションプレートで挟持されており、各セルに積層方向の締結力が加わるように構成される。積層体14の一端側にあるエンドセル15には、積層体14の内部に冷媒や燃料ガス、酸化ガスを供給するための配管の接続口が設けられている。燃料ガスを受け入れる接続口の上流側には水素タンク7が接続され、酸化ガスを受け入れる接続口の上流側にはコンプレッサ8が接続される。また、冷媒配管の接続口には冷却装置22の冷媒循環配管が接続される。
図5は、燃料電池5の分解斜視図である。図5に示すように、燃料電池5は、燃料電池セル13を複数積層するように構成されている。燃料電池セル13は、高分子電解質膜を触媒電極層やガス拡散層膜で挟持するように接合した膜電極接合体(以下、MEA16という)、及びセパレータ17で構成される。高分子電解質膜は、ポリフルオロカーボンなどの固体の高分子を主鎖とし、電荷を運ぶためにスルホン基やカルボン酸基などの側鎖を付けたイオン交換能を有する導電性の物質で構成される。また、触媒電極膜は、白金(Pt)を担持したカーボンブラック等で構成される。MEA16は、ガス拡散層膜に燃料ガスおよび酸化ガスが供給されることで電気化学反応を起こし、両電極間に電位差を発生させる。燃料電池セル13のセパレータ17は、3種類で構成されており、陰極側の面に冷媒を流す凹部を有し且つ陽極側の面に燃料ガスを流す凹部18Hを有する第一セパレータ17A、陰極側の面に酸化ガスを流す凹部を有し且つ陽極側の面に燃料ガスを流す凹部18Hを有する第二セパレータ17B、及び陰極側の面に酸化ガスを流す凹部を有し且つ陽極側の面に冷媒を流す凹部18Lを有する第三セパレータ17Cで構成される。燃料電池セル13は、第一セパレータ17A、MEA16、第二セパレータ17B、MEA16、及び第三セパレータ17Cを重ねることで単一のセルを構成している。セパレータ17A,B,Cには、陽極側のエンドセル15の配管と連通されることで燃料ガス、酸化ガス、及び冷媒を流すための孔19H,O,Lがそれぞれ設けられている。セパレータ17A,B,Cの各孔19Lが一致するように多数のMEA16が積層されることで、本願発明でいう本流部に相当する冷媒流路が形成される。なお、以下、孔19Lで構成される冷媒流路の本流部のうち、孔19L(H)で構成される上流側の本流部を上流側マニホールド20(積層された各燃料電池セルへ分流される冷媒を流す分流部であり、本発明でいう本流部の一部または全部に相当する)といい、孔19L(L)で構成される下流側の本流部を下流側マニホールド21(積層された各燃料電池セルから合流された冷媒を流す合流部であり、本発明でいう本流部の一部または全部に相当する)という。上流側マニホールド20では、接続配管から流れる冷媒が各セパレータ17の凹部18Lへ分配され、下流側マニホールド21では、各セパレータ17の凹部18Lへ分配された冷媒が合流する。
図6は、上流側マニホールド20、凹部18L、及び下流側マニホールド21を流れる冷媒の流れを示す燃料電池5の透過上面図であり、図7は透過斜視図である。図6、及び
図7が示すように、冷媒は、積層体14の表面付近を通りながら各セパレータ17の凹部18Lへ分流され、再び積層体14の表面付近で合流する。よって、積層体14の表面のうち、上流側マニホールド20の付近が最も冷却されやすく、下流側マニホールド21の付近がもっとも冷却されにくくなる。
ここで、上記FC昇圧コンバータ9を構成する電子素子は、コイルL1が最も冷熱を必要とし、次いでスイッチ素子S1、ダイオードD5の順に冷熱を必要とすることは上述した通りである。また、スイッチ素子S1がスイッチング周波数に比例して発熱量が変化することも上述した通りである。そこで、本実施形態に係る燃料電池5は、積層体14の表面のうち、上流側マニホールド20に近接する位置(図3の冷却位置A)にコイルL1を配設し、スイッチ素子S1をエンドセル(図3の冷却位置B,B’)、ダイオードD5を下流側マニホールド21に近接する位置(図3の冷却位置C)に配設している。コイルL1、スイッチ素子S1、及びダイオードD5は、熱伝導性を有し且つ電気絶縁性を有する材料によって積層体14とそれぞれ接合されており、FC昇圧コンバータ9の全ての動作領域において積層体14の内部を流れる冷媒により耐熱温度以下に冷却されるように構成されている。被冷却機器であるコイルL1、スイッチ素子S1、及びダイオードD5は、積層体表面の温度分布に応じてこのように適切な位置にそれぞれ配設されることにより、冷媒の冷熱を効率的に享受することが可能になる。
<実施形態の動作フロー>
次に、燃料電池5の制御について説明する。図8は、燃料電池5の制御フロー図である。以下、図8の制御フロー図を参照しつつ、燃料電池5の制御フローについて説明する。
(ステップS101:発電モード判定)燃料電池システム1が起動されると、ECU11は、燃料電池5に取り付けられた図示しない温度センサにより燃料電池5の昇温が必要であるか否かを判定する。具体的には、ECU11は、燃料電池5の温度がメモリ等に予め設定されている既定の温度(以下、Tcという)以上であれば通常発電モードで発電を行い(S102の処理を実行し)、燃料電池5の温度がTc未満であれば低効率発電モードで発電を行う(S103の処理を実行する)。ここで、既定の温度(Tc)は、燃料電池5に燃料ガスおよび酸化ガスを送気した場合に、該燃料電池5が発電開始直後から定格出力で発電できる状態であるか否かにより決定される燃料電池5の温度の値であり、例えば、燃料電池5の中に残留している生成水が凍結する温度(0℃或いはそれ以下の温度)である。なお、ECU11は、燃料電池5に取り付けられた温度センサで発電モードを判定してもよいが、外気温度や冷媒温度等で判定してもよい。また、燃料電池システム1の動作中、ECU11は、本ステップS101の判定処理を繰り返し実行しており、発電中の燃料電池5の温度がTc以上の温度(例えば10℃)に上がった場合、発電モードをステップS103からステップS102へ切り替える。
(ステップS102:通常発電モード)ステップS101の処理で通常発電モードを選択したECU11は、以下の処理を実行する。すなわち、ECU11は、水素タンク7やコンプレッサ8を制御して燃料ガスである水素や酸化ガスである酸素を燃料電池5へ供給する。なお、燃料電池5へ供給する燃料ガスおよび酸化ガスの流量は、アクセルペダルセンサ12によって検知される要求トルク、バッテリ6の入出力電流、モータ3の消費電流等に基づいて算出される要求発電量に応じて決定される。すなわち、ECU11に予め記憶されている燃料電池5の運転モデルから要求発電量に対する消費水素量や消費酸素量を決定し、決定した量の水素および酸素が燃料電池5へ供給されるように水素タンク7の出口弁の開度やコンプレッサ8の回転数を制御する。これにより、燃料電池5で水素と酸素の電気化学反応が始まり、発電が開始される。
(ステップS103:低効率発電モード)ステップS101の処理で低効率発電モード
を選択したECU11は、以下の処理を実行する。すなわち、ECU11は、水素タンク7やコンプレッサ8を制御して燃料ガスである水素や酸化ガスである酸素を燃料電池5へ供給するが、このとき供給する両ガスの割合を変えることで燃料電池5の発電効率を低下させる。すなわち、ECU11は、燃料電池5の運転モデルから要求発電量に対する消費水素量や消費酸素量を決定し、決定したパラメータを補正して酸化ガスに対する燃料ガスの割合を上述したステップS102の通常発電モードの時よりも低くする。これにより、燃料電池5では酸化ガスに対し燃料ガスが不足した状態となってシステム全体の発電効率が低下し、低効率の発電によって増加する燃料電池5や補機類の余熱によって燃料電池5の加熱が促進され、燃料電池5が速やかに昇温される。
以上、燃料電池システム1が起動されることにより上記ステップS101からステップS103の処理が繰り返し実行され、発電が継続される。
次に、燃料電池システム1のFC昇圧コンバータ9の制御について説明する。図9は、FC昇圧コンバータ9の制御フロー図である。以下、図9の制御フローに沿って燃料電池システム1の動作を説明する。本FC昇圧コンバータ9の制御フローは、上述した燃料電池5の制御と並行して実行される。
(ステップS201)ECU11は、エンコーダによって検出されたモータ3の実際の回転数に対応する、該モータ3が最大出力し得る最大トルクを算出する。具体的には、モータ3の回転数とそれに対応した最大トルクとが関連付けられているマップをECU11が有しており、検出された回転数に従って該マップにアクセスすることでモータ3の最大トルクが算出される。ECU11は、本ステップS201の処理を終了すると、S202の処理を実行する。
(ステップS202)ECU11は、アクセルペダルセンサ21によって検出されたアクセルペダルの開度に基づいて、モータ3に出力要求されている要求トルクを算出する。アクセルペダルの全開が、モータ3の現時点での回転数における最大トルクを要求していると定義すると、全開時の係数を100%、全閉時の係数を0%として、以下の式に従って要求トルクが算出される。ECU11は、本ステップS202の処理を終了すると、S203の処理を実行する。
(要求トルク)=(上記最大トルク)×(アクセルペダルの開度に応じた係数)
(ステップS203)ECU11は、S201とS202での算出結果に基づいて、モータ3に要求されている出力である要求出力を、以下の式に従って算出する。ECU11は、本ステップS203の処理を終了すると、S204の処理を実行する。
(要求出力)=(要求トルク)×(モータの回転数)
(ステップS204)ECU11は、S203で算出した要求出力とモータ3の回転数に基づいて、必要な電力がモータ3に供給されるように、インバータ4に印加されるべき電圧であるモータ必要電圧(Vmot)を算出する。具体的には、ECU11は、モータ3の回転数(rpm)と上記要求出力(P)で形成される関数Fと、モータ必要電圧とが関連付けられているモータ必要電圧マップを有しており、モータの回転数と要求出力とに従ってこのマップにアクセスすることでモータ必要電圧を算出する。モータ必要電圧マップは、実験等によって予め決定され得るもので、その一例としては、モータ3の回転数が高くなるに従いその逆起電圧が高くなるため要求電圧値は高くなるべきであり、要求出力が高くなるとその出力をより少ない電流で達成するために要求電圧値は高くなるべきであるので、これらの点が関数Fとモータ必要電圧との相関に反映されている。ECU11は、S204の処理を終了すると、S205の処理を実行する。
(ステップS205)ECU11は、アクセルペダルセンサ21によって検出されたアクセルペダルの開度に従って発電が行われている燃料電池5の出力電圧(Vfc)を検出する。この検出は、図示されない電圧センサを介して行われる。
(ステップS206)ステップS205の処理が終了すると、ECU11は、S204で算出したモータ必要電圧を、S205で検出した燃料電池5の出力電圧で除して昇圧比Rt(=Vmot/Vfc)を算出する。
(ステップS207)ECU11は、FC昇圧コンバータ9の動作が必要か否かを判定する。即ち、ECU11は、上記S206の処理において算出された昇圧比Rtが1以上であれば、燃料電池5の出力電力を昇圧させる必要があると判定し、S208の処理を実行する。一方、ECU11は、上記S206の処理において算出された昇圧費Rtが1未満であれば燃料電池5の出力電圧を昇圧させる必要は無いと判定し、S209の処理を実行する。
ここで、本ステップS207の判定処理について詳述する。図10Aは、モータ必要電圧(Vmot)と燃料電池5の出力電圧(Vfc)とを、車両の速度に応じて示した相関図である。図10AのVmotで示すように、モータ3の逆起電圧は車両2の速度が上昇していくに従い増加していくため、モータ必要電圧も車両速度の増加とともに増加していく。ここで、燃料電池5の出力電圧Vfcとモータ必要電圧Vmotとの相関において、Vfcが、車両2の全ての速度領域におけるVmotよりも高くなるようにシステム構成することが考えられるが、この場合、燃料電池5の体格増大等を招くため、本実施形態ではFC昇圧コンバータ9を設けることで燃料電池5の出力電圧とモータ3の要求電圧との調整を図っている。すなわち、このように設計された燃料電池システム1では、車両2の速度がVS0に至るまでの間は、燃料電池5からの出力電圧が、モータ3を駆動するためのモータ必要電圧よりも高いため、FC昇圧コンバータ9の昇圧動作が無くとも燃料電池5からの直接の出力電圧によって該モータ3を駆動することが可能となる。換言すると、この条件下では、FC昇圧コンバータ9によるスイッチング動作を停止させて、燃料電池5からの出力電圧をインバータ4に印加することで、モータ3の駆動を確保できることになる。一方、車両2の車両速度がVS0以上となると、逆にモータ3を駆動するためのモータ必要電圧が、燃料電池5からの出力電圧よりも高くなるため、FC昇圧コンバータ9による昇圧動作が必要となる。なお、図10Aにおいて、FC昇圧コンバータ9による昇圧動作が必要な領域をハッチングで示す。以上が、本ステップS207における判定処理の内容である。
(ステップS208)ECU11は、S207で肯定判定した場合、FC昇圧コンバータ9を作動させて燃料電池5の出力電力を昇圧し、昇圧した電力をインバータ4に印加させる。これにより、FC昇圧コンバータ9のスイッチ素子S1やコイルL1、ダイオードD5に電流が流れ、スイッチング損失等により発熱する。
ところで、本ステップS208が実行される速度領域を図10Aの相関図において示したが、図10Aの相関図は燃料電池5が定格出力で発電している場合の相関関係を示しており、燃料電池5が定格出力に満たない運転状態の場合、燃料電池5の出力電圧とモータ要求電圧との相関関係は変わる。例えば、車両2が極寒冷地等にある場合、起動直後の燃料電池5の燃料電池セルが凍結等していることにより燃料電池5の出力電圧が下がり、図10Bの相関図に示すような関係になる場合がある。燃料電池5が低温の場合、上述したように低効率発電モード(S103)で制御されることにより燃料電池5の昇温が促進されるわけであるが、昇温が完了するまでは図10Bに示すように、燃料電池5の出力電圧が低い状態が続く。
ここで、本実施形態に係る燃料電池システム1は、FC昇圧コンバータ9のスイッチ素子S1やダイオードD5、コイルL1が燃料電池5の積層体14の表面に熱交換可能に取り付けられている。よって、FC昇圧コンバータ9の動作により燃料電池5の積層体14が加熱される。図11は、燃料電池5の発熱状態を示す図である。図11に示すように、低温状態にある燃料電池5の積層体14がFC昇圧コンバータ9の熱により加熱される。特に、隣接するセルからの入熱が少ない端部セル付近がスイッチ素子S1のスイッチング損失による発熱で効率的に加熱される。また、上流側マニホールド20の付近に配設されるコイルL1の発熱により各燃料電池セル13が加熱され、燃料電池5の積層体14が図12に示すように全体的に加熱される。これにより、燃料電池5の昇温が促進され、定格出力運転への移行が速やかに完了する。なお、低効率発電モードから通常発電モードへの発電モードの変更処理は、図9に示す処理フローと並行して実行される図8の処理フローのS101の条件分岐において適宜為される。
(ステップS209)一方、ECU11は、S207で否定判定した場合、FC昇圧コンバータ9を停止し、燃料電池5からの出力電圧をインバータ4に直接印加させる。これにより、FC昇圧コンバータ9のスイッチ素子S1やコイルL1、ダイオードD5の発熱が止まる。FC昇圧コンバータ9の停止により、燃料電池5の発熱領域は図13に示すように積層体14だけとなる。
なお、上記S201からS209の処理の説明においては、説明の簡便化のため、燃料電池5とモータ3との相関にのみ着目して説明したが、本燃料電池システム1は、モータ3に対してバッテリ6からの電力供給も可能である。バッテリ6から電力供給される場合は、バッテリ6からの出力電圧がバッテリ昇圧コンバータ10によって昇圧された上で、インバータ4に印加されることになる。ここで、バッテリ昇圧コンバータ10は、いわゆる昇圧コンバータであるため、バッテリ6からインバータ4に電力供給を行うためには、バッテリ昇圧コンバータ10の出口電圧(インバータ4側の電圧であり、FC昇圧コンバータ9の出口電圧と同等)が、その入口電圧(バッテリ6側の電圧)と比較して同じか、又はより高い状態でなければならない。
<実施形態の効果>
以上、本実施形態によれば、FC昇圧コンバータのような発熱機器の熱を、燃料電池の中を流れる冷媒で冷却しているため、これら発熱機器に冷却フィンや冷却ファンといった専用の冷却装置を設ける必要がなくなり、システムの簡易化を実現し得る。また、燃料電池が低温であることにより昇温、及び出力電力の昇圧を必要とする場合において、FC昇圧コンバータの熱を利用することで昇温と昇圧とを兼用させることにより極めて効率的な熱エネルギの利用を図ることが可能となり、熱エネルギの有効利用によって燃費の改善等が図られる。
<変形例>
なお、上述した実施形態においては、燃料電池5の出力電力を昇圧型のコンバータで昇圧していたが、昇圧動作および降圧動作の両方を実行可能な昇降圧型コンバータを採用できることはいうまでもない。また、上記実施形態においては、スイッチ素子S1を冷却位置B,B’に配置等しているが、これらの機器はこのようなレイアウトに限定されるものでなく、素子の耐熱温度等に応じて適宜レイアウトすることが可能である。例えば、FC昇圧コンバータ9のスイッチS1を冷却位置A等に配置してもよい。スイッチS1を配置すれば低温状態にある燃料電池5の各燃料電池セル13を均等に加熱することが可能である。また、上記実施形態では、燃料電池5の積層体14に配設される被冷却機器として昇圧コンバータを例示しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、昇圧コンバータ以外の被冷却機器であってもよい。なお、燃料電池5の積層体14は、積層方向における両端部分が図14に示すようにテンションプレートで挟持されているので、冷却位置B,
B’に被冷却機器を取り付ける際は積層体14との間で熱交換可能なようにするため、エンドセルとテンションプレートとの間に被冷却機器が配置されるようにする。
また、上記実施形態では、単相の昇圧コンバータを例示したが、本発明はこれに限定されるものでなく、燃料電池の出力電力やモータの要求電力、要求周波数等に応じて複相の昇圧コンバータを適宜採用し、上記実施形態に適用することも可能である。図15において、3相型の昇圧コンバータを採用し、燃料電池5の積層体14に取り付けた場合の斜視図を示す。図15において示すように、燃料電池5の陽極と電気的に接続されるバスバーにダイオードD5等の耐熱性の高い部品を取り付け、燃料電池5の陰極と電気的に接続されるバスバーにコイルL1やスイッチ素子S1等の耐熱性の低い部品を取り付ける。陽極と接続されるバスバーの近傍には下流側マニホールド21が配設され、陰極と接続されるバスバーの近傍には上流側マニホールド20が配設される。なお、図面を簡素化するため、図15に示す変形例は、冷媒配管の接続口の位置を上記実施形態のものと変更しているが、この位置は適宜変更し得る。各相のスイッチング素子等をこのように燃料電池5の積層体14との相対距離が略同一になるように配列することで素子の温度が各相毎にバラつくことがなくなり、また、燃料電池5から離れた位置にスイッチング素子を配列する場合に比べ、燃料電池5とFC昇圧コンバータ9との間の電気経路の距離を短くすることが可能となる。昇圧前の電力は昇圧後の電力よりも大電流であるため、燃料電池5とFC昇圧コンバータ9とを繋ぐ電路を短くすることで電路の電気抵抗による損失を最小限に抑えることが可能となる。また、各相のスイッチング素子等が極めて近接した位置に並列に配置されるので各相の昇圧回路のスイッチングのズレ等が小さくなり、良好な波形の昇圧電力を給電することが可能になる。
燃料電池システムの構成図。 FC昇圧コンバータの回路図。 燃料電池の上面図。 燃料電池の斜視図。 燃料電池の分解斜視図。 燃料電池の冷媒の流れを示す透過上面図。 燃料電池の冷媒の流れを示す透過斜視図。 発電モードの制御フロー図。 FC昇圧コンバータの制御フロー図。 FC昇圧コンバータの動作を説明するグラフ。 FC昇圧コンバータの動作を説明するグラフ。 燃料電池の発熱状態を示す図。 燃料電池の発熱状態を示す図。 燃料電池の発熱状態を示す図。 変形例に係る燃料電池の上面図。 変形例に係る燃料電池の外観斜視図。
符号の説明
1・・・燃料電池システム
2・・・車両
3・・・モータ
4・・・インバータ
5・・・燃料電池
6・・・バッテリ
7・・・水素タンク
8・・・コンプレッサ
9・・・FC昇圧コンバータ
10・・・バッテリ昇圧コンバータ
11・・・ECU
12・・・アクセルペダルセンサ
13・・・燃料電池セル
14・・・積層体
15・・・エンドセル
16・・・MEA
17・・・セパレータ
18・・・凹部
19・・・孔
20・・・上流側マニホールド
21・・・下流側マニホールド
22・・・冷却装置

Claims (9)

  1. 燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応で発電する燃料電池スタックであって、
    前記燃料ガスと前記酸化ガスとを電気化学反応させる燃料電池セルを複数重ねた積層体と、
    前記積層体の内部に設けられ、該積層体の各燃料電池セルを冷却する冷媒を流す冷媒流路であって、積層された該各燃料電池セルへ分流される冷媒又は該各燃料電池セルから合流された冷媒を流す本流部を有する冷媒流路と、を備え、
    前記本流部は、前記積層体の表面に配設される被冷却機器に近接する位置に、該本流部を流れる前記冷媒と該被冷却機器との間で熱交換が可能なように配設される、
    燃料電池スタック。
  2. 前記本流部は、前記積層体の内部を該積層体の積層方向に貫通する流路であって、該積層体の表面のうち積層方向に対する側方の面に配設される前記被冷却機器に近接する位置に配置される、
    請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記本流部は、前記被冷却機器に近接する前記積層体の内部の位置であって、該被冷却機器が必要とする量の冷熱を熱交換可能な位置に配設される、
    請求項1または2に記載の燃料電池スタック。
  4. 燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応で発電する燃料電池システムであって、
    前記燃料ガスと前記酸化ガスとを電気化学反応させる燃料電池セルを複数重ねた積層体を有する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックの出力電圧を昇圧する昇圧機器であって、該出力電圧の昇圧に伴い自身に発生する熱を該燃料電池スタックへ熱伝達可能な昇圧機器と、を備え、
    前記昇圧機器は、前記燃料電池スタックの出力電圧を昇圧することにより、該出力電圧の昇圧に伴い発生する熱で前記積層体を昇温する、
    燃料電池システム。
  5. 前記昇圧機器は、前記燃料電池スタックの温度が定格運転状態における温度よりも低温であり且つ該燃料電池スタックの出力電圧が前記負荷の要求する電圧よりも低い状態において、該燃料電池スタックの出力電圧を昇圧することにより、該出力電圧の昇圧に伴い発生する熱で前記積層体を昇温する、
    請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記昇圧機器は、スイッチとコイルとを有し、該スイッチが該コイルに対してスイッチング動作をすることにより生ずる該コイルの逆起電力で前記燃料電池スタックの出力電圧を昇圧する昇圧機器であって、該スイッチのスイッチング損失により発熱する、
    請求項4または5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記昇圧機器は、前記積層体の積層方向における端部に隣接し且つ該端部の燃料電池セルへ熱伝達可能に配設される、
    請求項4から6の何れか一項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池スタックは、前記積層体の各燃料電池セルを冷却する冷媒を流す冷媒流路であって、積層された該各燃料電池セルへ分流される冷媒又は該各燃料電池セルから合流された冷媒を流す本流部を有する冷媒流路を有し、
    前記スイッチは、前記積層体の表面のうち前記本流部に近接する位置に配設される、
    請求項6に記載の燃料電池システム。
  9. 前記本流部は、前記積層体の内部を該積層体の積層方向に貫通する流路であり、
    前記昇圧機器は、前記スイッチと前記コイルとを有する昇圧回路を複数有する複相の昇圧機器であり、
    複数ある前記スイッチは、前記積層体の表面のうち前記本流部に近接する位置であって、該積層体の積層方向に沿って整列するように配置される、
    請求項8に記載の燃料電池システム。
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