JP2009191634A - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油の粘度が変動したときに、エンジンの潤滑を適正に確保できる内燃機関の潤滑装置を提供すること。
【解決手段】この内燃機関の潤滑装置1は、エンジンに潤滑油を供給するオイルポンプ2と、このオイルポンプ2からの潤滑油の油圧を制御する油圧制御部3とを備えている。この内燃機関の潤滑装置1では、油圧制御部3がオイルポンプ2からエンジンに供給される潤滑油の油圧を所定の閾値に基づいて変更する。このとき、閾値が潤滑油の粘度に応じて変更される。
【選択図】 図1
【解決手段】この内燃機関の潤滑装置1は、エンジンに潤滑油を供給するオイルポンプ2と、このオイルポンプ2からの潤滑油の油圧を制御する油圧制御部3とを備えている。この内燃機関の潤滑装置1では、油圧制御部3がオイルポンプ2からエンジンに供給される潤滑油の油圧を所定の閾値に基づいて変更する。このとき、閾値が潤滑油の粘度に応じて変更される。
【選択図】 図1
Description
この発明は、内燃機関の潤滑装置に関し、さらに詳しくは、潤滑油の粘度が変動したときに、エンジンの潤滑を適正に確保できる内燃機関の潤滑装置に関する。
近年の内燃機関の潤滑装置は、エンジンに潤滑油を供給するオイルポンプと、このオイルポンプからの潤滑油の油圧を制御する油圧制御部とを備えている。かかる潤滑装置において、エンジンの高負荷時には、オイルポンプの回転数が増加して、エンジンに供給される潤滑油の油圧が上昇する。このとき、オイルポンプにおける潤滑油の油圧が一定以上にならないように、油圧制御部が油圧制御を行う。これにより、過大油圧によるオイルポンプの破損が防止される。
かかる構成を採用する従来の内燃機関の潤滑装置として、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の内燃機関の潤滑装置(内燃機関の油圧制御装置)は、内燃機関の潤滑油ポンプからの油圧を制御する装置において、油圧に応動して異なる圧力にて開く複数のリリーフ通路を形成すると共に、低圧にて開くリリーフ通路に可変オリフィスを設けたことを特徴とする。
ここで、潤滑油の粘度は、潤滑油の交換や劣化によって変動する。例えば、潤滑油の粘度が低下すると、潤滑油が潤滑対象(エンジン部位)に絡み難くなるため、その潤滑機能が低下する。このため、潤滑油の粘度が変動したときに、エンジンの潤滑を適正に確保すべき必要がある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてされたものであって、潤滑油の粘度が変動したときに、エンジンの潤滑を適正に確保できる内燃機関の潤滑装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる内燃機関の潤滑装置は、エンジンに潤滑油を供給するオイルポンプと、前記オイルポンプからの潤滑油の油圧を制御する油圧制御部とを備える内燃機関の潤滑装置であって、前記油圧制御部が前記オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧を潤滑油の粘度に応じて変更することを特徴とする。
この内燃機関の潤滑装置では、オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧が潤滑油の粘度に応じて変更されるので、エンジンの潤滑が適正に行われる利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関の潤滑装置は、エンジンに潤滑油を供給するオイルポンプと、前記オイルポンプからの潤滑油の油圧を制御する油圧制御部とを備える内燃機関の潤滑装置であって、前記油圧制御部が前記オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧を所定の閾値に基づいて変更するときに、前記閾値が潤滑油の粘度に応じて変更されることを特徴とする。
この内燃機関の潤滑装置では、オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧が所定の閾値に基づいて変更されるときに、この閾値が潤滑油の粘度に応じて変更されるので、エンジンの潤滑が適正に行われる利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関の潤滑装置は、前記閾値がエンジン負荷により規定されると共に、前記閾値を越えたときに前記オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧が低減され、且つ、潤滑油の粘度が低下したときに、前記閾値がエンジン負荷の低い側に変更される。
この内燃機関の潤滑装置では、エンジンに供給される潤滑油の油圧を低減させる領域が狭められるので、エンジン負荷が低下した場合にも、十分な潤滑油がエンジンに供給される。これにより、潤滑油の粘度が低い場合にも、エンジンの潤滑が適正に行われる利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関の潤滑装置は、前記潤滑油の粘度を計測する粘度センサが配置されると共に、前記粘度センサの計測値に基づいて前記閾値が変更される。
この内燃機関の潤滑装置では、潤滑油の粘度が直接計測されるので、閾値が適正に変更される利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関の潤滑装置は、前記油圧制御部が前記オイルポンプの下流側と上流側とを結ぶオイル通路と、前記オイル通路を開閉するリリーフバルブとを備えると共に、前記オイルポンプからの潤滑油の油圧が過大となったときに前記リリーフバルブが開弁する構成において、前記油圧制御部が前記リリーフバルブに連結されると共に前記リリーフバルブのセット圧を規定するリテーナバルブと、前記リテーナバルブを動作させるオイルコントロールバルブとを備え、且つ、前記オイルコントロールバルブが所定の閾値によりON/OFF操作されるときに、前記閾値が潤滑油の粘度に応じて変更される。
この内燃機関の潤滑装置では、リテーナバルブおよびオイルコントロールバルブから成る簡易な構成により、エンジンに供給される潤滑油の油圧が変更される利点がある。
この発明にかかる内燃機関の潤滑装置では、オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧が潤滑油の粘度に応じて変更されるので、エンジンの潤滑が適正に行われる利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる内燃機関の潤滑装置を示す構成図である。図2〜図7は、図1に記載した潤滑装置の作用を示す説明図(図3〜図5および図7)およびフローチャート(図6)である。
[内燃機関の潤滑装置]
この内燃機関の潤滑装置1は、オイルポンプ2と油圧制御部3とを有し、これらが複数のオイル通路41〜43を介して接続されて構成される(図1参照)。オイルポンプ2は、潤滑油を汲み上げてエンジンのオイルギャラリ(図示省略)に供給する。また、オイルポンプ2は、エンジン回転数に応じて潤滑油の供給量を増減させる。油圧制御部3は、エンジン側に供給される潤滑油の油圧を制御する。
この内燃機関の潤滑装置1は、オイルポンプ2と油圧制御部3とを有し、これらが複数のオイル通路41〜43を介して接続されて構成される(図1参照)。オイルポンプ2は、潤滑油を汲み上げてエンジンのオイルギャラリ(図示省略)に供給する。また、オイルポンプ2は、エンジン回転数に応じて潤滑油の供給量を増減させる。油圧制御部3は、エンジン側に供給される潤滑油の油圧を制御する。
この潤滑装置1では、エンジン稼働時にて、オイルパン5内の潤滑油がオイルポンプ2により汲み上げられ、供給用オイル通路41を介してエンジンに供給される(図1参照)。これにより、エンジン各部の潤滑が行われる。
また、エンジンに供給される潤滑油の油圧が油圧制御部3により制御される。例えば、エンジンの高負荷時には、オイルポンプ2の回転数が増加して、エンジンに供給される潤滑油の油圧が上昇する。このとき、オイルポンプ2における潤滑油の油圧が一定以上にならないように、油圧制御部3が油圧制御を行う。これにより、過大油圧によるオイルポンプ2の破損が防止される。
[潤滑装置の油圧制御部]
油圧制御部3は、筐体31と、リリーフバルブ32と、リテーナバルブ33とを有する(図1参照)。筐体31は、筒状部材から成り、第一バルブ孔311と第二バルブ孔312とを有する。リリーフバルブ32は、筐体31の第一バルブ孔311内に摺動可能に配置される。リテーナバルブ33は、筐体31の第二バルブ孔312に摺動可能に配置される。また、リテーナバルブ33の径は、リリーフバルブ32の径よりも大きい。また、リリーフバルブ32とリテーナバルブ33とは、筐体31内にてバルブスプリング34を介して連結される。これにより、リリーフバルブ32のセット圧がリテーナバルブ33の停止位置を基準として規定される。
油圧制御部3は、筐体31と、リリーフバルブ32と、リテーナバルブ33とを有する(図1参照)。筐体31は、筒状部材から成り、第一バルブ孔311と第二バルブ孔312とを有する。リリーフバルブ32は、筐体31の第一バルブ孔311内に摺動可能に配置される。リテーナバルブ33は、筐体31の第二バルブ孔312に摺動可能に配置される。また、リテーナバルブ33の径は、リリーフバルブ32の径よりも大きい。また、リリーフバルブ32とリテーナバルブ33とは、筐体31内にてバルブスプリング34を介して連結される。これにより、リリーフバルブ32のセット圧がリテーナバルブ33の停止位置を基準として規定される。
また、筐体31の第一バルブ孔311および第二バルブ孔312には、オイルポンプ2の下流側から引き出された制御用オイル通路42が接続される。また、第一バルブ孔311の所定位置からリリーフ通路43が引き出されてオイルポンプ2の上流側に接続される。また、制御用オイル通路42上には、第二バルブ孔312の手前にオイルコントロールバルブ(OCV)35が配置される。そして、このオイルコントロールバルブ35から制御用オイル通路42が分岐されてオイルパン5に戻される。オイルコントロールバルブ35のOFF時には、オイルパン5側の制御用オイル通路42が閉止されて、オイルポンプ2側からリテーナバルブ33側に向かって潤滑油が流れる(図2参照)。一方、オイルコントロールバルブ35のON時には、オイルポンプ2側の制御用オイル通路42が閉止されて、リテーナバルブ33側からオイルパン5側に向かって潤滑油が流れる(図3参照)。なお、オイルコントロールバルブ35は、例えば、三方弁により構成され、エンジンのECU(Electronic Control Unit)62により開閉制御される。また、オイルコントロールバルブ35の上流側には、オイルを濾過するためのフィルタ(図示省略)が配置される。
この油圧制御部3において、(1)エンジンの通常運転時には、オイルコントロールバルブ35がOFF状態に設定される(図1および図2参照)。すると、オイルコントロールバルブ35では、オイルパン5側の制御用オイル通路42が閉止されて、オイルポンプ2側からリテーナバルブ33側に向かって潤滑油が流れる。このため、潤滑油が制御用オイル通路42を介して第一バルブ孔311および第二バルブ孔312にそれぞれ供給される。すると、リリーフバルブ32およびリテーナバルブ33が潤滑油の油圧により変位する。このとき、リテーナバルブ33の径がリリーフバルブ32の径よりも大きいので、リテーナバルブ33がリリーフバルブ32よりも先に上限位置に到達して保持される。また、リリーフバルブ32が潤滑油の油圧とオイルスプリングの弾性力との釣り合い位置に停止する。これにより、リリーフバルブ32のセット圧がリテーナバルブ33の上限位置を基準として規定される。
潤滑油の油圧が所定範囲にあるとき(オイルポンプ2の通常油圧時)には、リリーフバルブ32が閉弁してリリーフ通路43が閉止される(図1参照)。このため、第一バルブ孔311内の潤滑油がリリーフ通路43に流出せず、オイルポンプ2の油圧が維持される。一方、エンジンの高負荷運転時にて潤滑油の油圧が過大となると(オイルポンプ2の過大油圧時には)、リリーフバルブ32が開弁してリリーフ通路43が開放される。すると、第一バルブ孔311内の潤滑油がリリーフ通路43に流出してオイルポンプ2の上流側に戻される(図4参照)。このため、オイルポンプ2の下流側から制御用オイル通路42、油圧制御部3およびリリーフ通路43を介してオイルポンプ2の上流側に戻る潤滑油の経路が形成される。これにより、オイルポンプ2の油圧が減少するので、過大油圧によるオイルポンプ2の破損が防止される。
(2)エンジンの暖機運転時には、オイルコントロールバルブ35がON状態に設定される(図3および図5参照)。すると、オイルコントロールバルブ35では、オイルポンプ2側の制御用オイル通路42が閉止されて、リテーナバルブ33側からオイルパン5側に向かって潤滑油が流れる。このため、第二バルブ孔312内の潤滑油が排出されて、リテーナバルブ33の停止位置が下降する。すると、リリーフバルブ32が開弁して、リリーフ通路43が開放される。すると、第一バルブ孔311内の潤滑油がリリーフ通路43に流出してオイルポンプ2の上流側に戻される(図5参照)。このため、オイルポンプ2の下流側から制御用オイル通路42、油圧制御部3およびリリーフ通路43を介してオイルポンプ2の上流側に戻る潤滑油の経路が形成される。これにより、オイルポンプ2の油圧(仕事)が減少する(あるいは、オイルジェットの作動が停止する)。これにより、潤滑油によるエンジンの冷却作用が抑制されて、エンジンの暖機が促進される(低油圧制御)。
[潤滑油粘度に応じた油圧制御]
一般に、潤滑油の粘度は、潤滑油の交換や劣化によって変動する。ここで、潤滑油の粘度が低下すると、潤滑油が潤滑対象(エンジン部位)に絡み難くなるため、その潤滑機能が低下する。このため、潤滑油の粘度が低い場合には、エンジンへの潤滑油の噴射量を適正に維持(あるいは増量)することが好ましい。逆に、潤滑油の粘度が高い場合には、エンジンへの潤滑油の噴射量を減量することが好ましい場合もある。そこで、この内燃機関の潤滑装置1では、オイルポンプ2からエンジンに供給される潤滑油の油圧が潤滑油の粘度に応じて調整される。以下、この潤滑油の油圧制御について説明する(図6参照)。
一般に、潤滑油の粘度は、潤滑油の交換や劣化によって変動する。ここで、潤滑油の粘度が低下すると、潤滑油が潤滑対象(エンジン部位)に絡み難くなるため、その潤滑機能が低下する。このため、潤滑油の粘度が低い場合には、エンジンへの潤滑油の噴射量を適正に維持(あるいは増量)することが好ましい。逆に、潤滑油の粘度が高い場合には、エンジンへの潤滑油の噴射量を減量することが好ましい場合もある。そこで、この内燃機関の潤滑装置1では、オイルポンプ2からエンジンに供給される潤滑油の油圧が潤滑油の粘度に応じて調整される。以下、この潤滑油の油圧制御について説明する(図6参照)。
潤滑油の油圧制御では、まず、エンジン始動後か否かが判定される(ST1)。具体的には、イグニッションスイッチがON状態にあること、エンジン回転数が800[rpm]以上であること、スタータの作動履歴があること、エンジン作動中のフラグが立っていること等により、エンジン始動後か否かが判定される。エンジン始動後でない場合には、そのまま処理が終了され、エンジン始動後の場合には、次のステップST2に進む。
次に、エンジン始動後から所定時間(例えば、30[sec])が経過しているか否かが判定される(ST2)。エンジン始動後から所定時間が経過していない場合には、そのまま処理が終了される。一方、エンジン始動後から所定時間が経過している場合には、潤滑油がオイルポンプ2により適正に圧送されていると判断されて、次のステップST3に進む。
次に、潤滑油の粘度が所定値以上か否かが判定される(ST3)。例えば、この実施例では、オイルパン5内に粘度センサ61が配置され、この粘度センサ61の出力信号がECU62に取得される(図1参照)。そして、この粘度センサ61からの出力信号に基づいて、潤滑油の粘度が所定値以上か否かが判定される。なお、これに限らず、潤滑油の粘度が所定値以上か否かが判定には、油温−油圧から成る制御マップ(図示省略)が用いられてもよい。
次に、潤滑油の粘度に基づいて、オイルコントロールバルブ35のON/OFF操作を行うための閾値が選択される(ST4およびST5)。この閾値は、エンジン回転数、燃料噴射量などのエンジン負荷により規定される(図7参照)。そして、選択された閾値に応じて、オイルコントロールバルブ35のON/OFF制御が行われる(ST6)。このとき、オイル交換等により潤滑油の粘度が低下すると、オイルコントロールバルブ35がON状態となる領域(作動領域)を狭める方向に、閾値が変更される。
ここで、オイルコントロールバルブ35がOFF状態(非作動状態)にあり、且つ、潤滑油の油圧が所定範囲にあるとき(オイルポンプ2の通常油圧時)には、リリーフバルブ32が閉弁してリリーフ通路43が閉止され、オイルポンプ2の油圧が所定範囲のまま維持される(図1参照)。また、オイルコントロールバルブ35がOFF状態にあるときに、エンジンの高負荷運転などにより潤滑油の油圧が過大となると(オイルポンプ2の過大油圧時には)、リリーフバルブ32が開弁してリリーフ通路43が開放され、オイルポンプ2の油圧が低減される(図4参照)。これにより、オイルポンプ2の破損が防止される。一方、オイルコントロールバルブ35がON状態(作動状態)にあるときには、リリーフバルブ32が開弁してリリーフ通路43が開放され、オイルポンプ2の油圧が減少する(あるいは、オイルジェットの作動が停止する)(図5参照)。これにより、潤滑油によるエンジンの冷却作用が抑制されて、エンジンの暖機が促進される。
したがって、オイル交換等により潤滑油の粘度が低下すると、オイルコントロールバルブ35がOFF状態にある領域(非作動領域)が拡大されるので、エンジンに対して潤滑油が継続的に供給される。これにより、エンジンの焼き付きなどの不具合が低減される。
例えば、この実施例では、潤滑油の粘度が所定値以上のときに、通常作動領域の閾値aが選択される(ST4)(図7参照)。図7に示す閾値aでは、エンジン回転数が3000[rpm]以上あるいは燃料噴射量が40[mm3/st]以上のときに、オイルコントロールバルブ35がOFF状態(非作動状態)となる(図2参照)。また、この通常作動領域の閾値aでは、エンジン回転数が3000[rpm]未満かつ燃料噴射量が40[mm3/st]未満のときに、オイルコントロールバルブ35がON状態(作動状態)となる(図3および図7参照)。
一方、潤滑油の粘度が所定値未満のときに、低粘度作動領域の閾値bが選択される(ST5)(図7参照)。図7に示す閾値aでは、エンジン回転数が2000[rpm]以上あるいは燃料噴射量が25[mm3/st]以上のときに、オイルコントロールバルブ35がOFF状態(非作動状態)となる(図2参照)。また、この低粘度作動領域の閾値bでは、エンジン回転数が2000[rpm]未満かつ燃料噴射量が25[mm3/st]未満のときに、オイルコントロールバルブ35がON状態(作動状態)となる(図3および図7参照)。
[効果]
以上説明したように、この内燃機関の潤滑装置1では、オイルポンプ2からエンジンに供給される潤滑油の油圧が潤滑油の粘度に応じて変更されるので(図1参照)、エンジンの潤滑が適正に行われる利点がある。例えば、エンジンの暖機運転時には、エンジンに供給される潤滑油の油圧を低下させて、エンジンの暖機を促進する制御が行われる。このとき、オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧が一定に設定される構成では、潤滑油の粘度がオイル交換や潤滑油の劣化によって変動したときに、実際の油圧と目標油圧とが相異する。すると、潤滑油の粘度が低下したときに、潤滑不良が生じてエンジンの焼き付きが生じる等のおそれがある。
以上説明したように、この内燃機関の潤滑装置1では、オイルポンプ2からエンジンに供給される潤滑油の油圧が潤滑油の粘度に応じて変更されるので(図1参照)、エンジンの潤滑が適正に行われる利点がある。例えば、エンジンの暖機運転時には、エンジンに供給される潤滑油の油圧を低下させて、エンジンの暖機を促進する制御が行われる。このとき、オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧が一定に設定される構成では、潤滑油の粘度がオイル交換や潤滑油の劣化によって変動したときに、実際の油圧と目標油圧とが相異する。すると、潤滑油の粘度が低下したときに、潤滑不良が生じてエンジンの焼き付きが生じる等のおそれがある。
また、この内燃機関の潤滑装置1では、オイルポンプ2からエンジンに供給される潤滑油の油圧が所定の閾値に基づいて変更されるときに、この閾値が潤滑油の粘度に応じて変更(選択)されるので(図1および図7参照)、エンジンの潤滑が適正に行われる利点がある。例えば、オイル交換等により潤滑油の粘度が低下すると、潤滑油が潤滑対象に絡み難くなる。このため、オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧を変更するための閾値が一定に設定されている構成では、潤滑油の粘度が低下したときに、潤滑不良が生じてエンジンの焼き付きが生じる等のおそれがある。
また、上記の構成では、潤滑油の油圧を変更するための閾値a、bがエンジン負荷により規定され、また、この閾値a、bを越えたときにオイルポンプ2からエンジンに供給される潤滑油の油圧が低減される(図7参照)。すなわち、潤滑油の油圧を変更するための閾値が潤滑油の粘度に応じて変更(選択)される。また、潤滑油の粘度が低下したときに、この閾値がエンジン負荷の低い側に変更される(ST3およびST5)(図5参照)。かかる構成では、エンジンに供給される潤滑油の油圧を低減させる領域(オイルコントロールバルブ35の作動領域)が狭められるので、エンジン負荷が低下した場合にも、十分な潤滑油がエンジンに供給される。これにより、潤滑油の粘度が低い場合にも、エンジンの潤滑が適正に行われる利点がある。例えば、一般的なエンジンの潤滑装置では、エンジン負荷が低下するとオイルポンプの出力が減少する構成が採用される。このため、潤滑油の粘度が低いと、エンジン負荷が低下したときに、潤滑油がエンジンに十分に供給されないおそれがある。
例えば、この実施例では、上記のように、複数の閾値a、bが選択可能に設けられている(図7参照)。これらの閾値a、bは、エンジン負荷により規定され、また、閾値bの方が閾値aよりも低いエンジン負荷により規定されている。そして、エンジン負荷がこれらの閾値a、b以下の場合には、オイルコントロールバルブ35がON状態となり、エンジンに供給される潤滑油の油圧が維持される(図5参照)。また、エンジン負荷がこれらの閾値a、b以上の場合には、オイルコントロールバルブ35がOFF状態となり、エンジンに供給される潤滑油の油圧が低減される(図1および図4参照)。かかる構成において、潤滑油の粘度が所定値以上の場合には、通常作動領域の閾値aが選択され、潤滑油粘度が所定値未満の場合には、低粘度作動領域の閾値(低いエンジン負荷により規定される閾値)bが選択される。これにより、潤滑油の粘度に応じた適正な閾値が選択される。
なお、この実施例では、上記のように、複数の閾値a、bが選択可能に設けられており、潤滑油の粘度に応じて閾値が選択される。しかし、これに限らず、潤滑油の粘度に応じて閾値が無段階に変更されてもよい。
また、この内燃機関の潤滑装置1では、潤滑油の粘度を計測する粘度センサ61が配置され、この粘度センサ61の計測値に基づいて閾値a、bが変更される(図1参照)。かかる構成では、潤滑油の粘度が直接計測されるので、閾値a、bが適正に変更される利点がある。なお、これに限らず、潤滑油の粘度が所定値以上か否かの判定には、油温−油圧から成る制御マップ(図示省略)が用いられてもよい。
また、この内燃機関の潤滑装置1では、上記のように、油圧制御部3がオイルポンプ2の下流側と上流側とを結ぶオイル通路41、42と、これらのオイル通路41、42を開閉するリリーフバルブ32とを備える(図1参照)。そして、オイルポンプ2からの潤滑油の油圧が過大となったときにリリーフバルブ32が開弁することにより(図4参照)、エンジンに供給される潤滑油の油圧が調整される。これにより、過大油圧によるオイルポンプの破損が防止される。また、このような構成において、油圧制御部3がリリーフバルブ32に連結されると共にリリーフバルブ32のセット圧を規定するリテーナバルブ33と、このリテーナバルブ33を動作させるオイルコントロールバルブ35とを備える。また、オイルコントロールバルブ35が所定の閾値a、bによりON/OFF操作される。このとき、閾値a、bが潤滑油の粘度に応じて変更される。かかる構成では、リテーナバルブ33およびオイルコントロールバルブ35から成る簡易な構成により、エンジンに供給される潤滑油の油圧が変更される利点がある。
以上のように、この発明にかかる内燃機関の潤滑装置は、潤滑油の粘度が変動したときに、エンジンの潤滑を適正に確保できる点で有用である。
1 潤滑装置
2 オイルポンプ
3 油圧制御部
31 筐体
311 第一バルブ孔
312 第二バルブ孔
32 リリーフバルブ
33 リテーナバルブ
34 バルブスプリング
35 オイルコントロールバルブ
41 供給用オイル通路
42 制御用オイル通路
43 リリーフ通路
5 オイルパン
61 粘度センサ
62 ECU
2 オイルポンプ
3 油圧制御部
31 筐体
311 第一バルブ孔
312 第二バルブ孔
32 リリーフバルブ
33 リテーナバルブ
34 バルブスプリング
35 オイルコントロールバルブ
41 供給用オイル通路
42 制御用オイル通路
43 リリーフ通路
5 オイルパン
61 粘度センサ
62 ECU
Claims (5)
- エンジンに潤滑油を供給するオイルポンプと、前記オイルポンプからの潤滑油の油圧を制御する油圧制御部とを備える内燃機関の潤滑装置であって、
前記油圧制御部が前記オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧を潤滑油の粘度に応じて変更することを特徴とする内燃機関の潤滑装置。 - エンジンに潤滑油を供給するオイルポンプと、前記オイルポンプからの潤滑油の油圧を制御する油圧制御部とを備える内燃機関の潤滑装置であって、
前記油圧制御部が前記オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧を所定の閾値に基づいて変更するときに、前記閾値が潤滑油の粘度に応じて変更されることを特徴とする内燃機関の潤滑装置。 - 前記閾値がエンジン負荷により規定されると共に、前記閾値を越えたときに前記オイルポンプからエンジンに供給される潤滑油の油圧が低減され、且つ、潤滑油の粘度が低下したときに、前記閾値がエンジン負荷の低い側に変更される請求項2に記載の内燃機関の潤滑装置。
- 前記潤滑油の粘度を計測する粘度センサが配置されると共に、前記粘度センサの計測値に基づいて前記閾値が変更される請求項2または3に記載の内燃機関の潤滑装置。
- 前記油圧制御部が前記オイルポンプの下流側と上流側とを結ぶオイル通路と、前記オイル通路を開閉するリリーフバルブとを備えると共に、前記オイルポンプからの潤滑油の油圧が過大となったときに前記リリーフバルブが開弁する構成において、
前記油圧制御部が前記リリーフバルブに連結されると共に前記リリーフバルブのセット圧を規定するリテーナバルブと、前記リテーナバルブを動作させるオイルコントロールバルブとを備え、且つ、前記オイルコントロールバルブが所定の閾値によりON/OFF操作されるときに、前記閾値が潤滑油の粘度に応じて変更される請求項1〜4のいずれか一つに記載の内燃機関の潤滑装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008030407A JP2009191634A (ja) | 2008-02-12 | 2008-02-12 | 内燃機関の潤滑装置 |
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---|---|---|---|
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- 2008-02-12 JP JP2008030407A patent/JP2009191634A/ja active Pending
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