JP2009191209A - 樹脂組成物および分散剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記(イ)〜(ハ)の特徴を有する共重合体を含有する樹脂組成物。
(イ)アミノ基を有するモノマー(A)、該モノマー(A)を除くモノマー(B)とを含む共重合体。
(ロ)5%溶液時の全光線透過率95%以上、且つ500nmでの透過率95%以上。
(ハ)分子量分布1.0〜2.0。
【選択図】 なし
Description
顔料の中でも凝集力の強いカーボンブラックは、短時間で均一分散させるのが難しく、また、一度均一分散しても再凝集を起こしてしまうという問題を有している。
該(メタ)アクリル系共重合物により、顔料、金属微粉末、金属化合物微粉末、金属コロイドのような微粒子を、迅速に、しかも均一かつ長期間安定に分散させることが可能となった。
1. 下記(イ)〜(ハ)の特徴を有する共重合体を含有する樹脂組成物。
(イ)アミノ基を有するモノマー(A)、該モノマー(A)を除くモノマー(B)とを含む共重合体。
(ロ)5%溶液時の全光線透過率95%以上、且つ500nmでの透過率95%以上。
(ハ)分子量分布1.0〜2.0。
2. 共重合体が、有機テルル化合物系重合開始剤を用い、重合して得られた共重合体である上記に記載の樹脂組成物。
3. 有機テルル化合物系重合開始剤が、
(a)式(1)で表される有機テルル化合物、
(b)式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤の混合物、
(c)式(1)で表される有機テルル化合物と式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物、又は
(d)式(1)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤及び式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物
のいずれかである上記に記載の樹脂組成物。
(式中、R1は、上記と同じ。)
4. 上記に記載の樹脂組成物を含む分散剤。
5. 水、顔料及び上記の分散剤を含む水性顔料分散体。
6. 上記の水性顔料分散体を含むコーティング剤。
(イ)アミノ基を有するモノマー(A)、該モノマー(A)を除くモノマー(B)とを含む共重合体。
(ロ)5%溶液時の全光線透過率95%以上、且つ500nmでの透過率95%以上。
(ハ)分子量分布1.0〜2.0。
(a)式(1)で表される有機テルル化合物、
(b)式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤の混合物、
(c)式(1)で表される有機テルル化合物と式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物、又は
(d)式(1)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤及び式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物
から選ばれる有機テルル化合物系重合開始剤を用いて重合する。
C1〜C8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を挙げることができる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が良い。より好ましくは、メチル基、エチル基又はn−ブチル基が良い。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。好ましいアリール基としては、フェニル基が良い。置換アリールの置換基としては、例えばC1〜C8のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、−CORaで示されるカルボニル含有基(Ra=C1〜C8のアルキル基、アリール基、C1〜C8のアルコキシ基、アリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。
好ましい置換アリール基としては、トリフルオロメチル置換フェニル基が良い。
また、これら置換基は、1個又は2個置換しているのが良く、パラ位若しくはオルト位が好ましい。
芳香族へテロ環基としては、ピリジル基、ピロール基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
C1〜C8のアルキル基としては、上記R1で示したアルキル基と同様のものを挙げることができる。
アリール基、置換アリール基、芳香族へテロ環基としては上記R1で示した基と同様のものを挙げることができる。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
アミド基としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、ベンズアミド、2−フルアミド等のカルボン酸アミド、チオアセトアミド、ヘキサンジチオアミド、チオベンズアミド、メタンチオスルホンアミド等のチオアミド、セレノアセトアミド、ヘキサンジセレノアミド、セレノベンズアミド、メタンセレノスルホンアミド等のセレノアミド、N−メチルアセトアミド、ベンズアニリド、シクロヘキサンカルボキサニリド、2,4'−ジクロロアセトアニリド等のN−置換アミド等を挙げることができる。
オキシカルボニル基としては、−COORb(Rb=H、C1〜C8のアルキル基、アリール基)で示される基を挙げることができる。
具体的には、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。
好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
好ましいR4で示される各基としては、アリール基、置換アリール基、オキシカルボニル基又はシアノ基が良い。
好ましいアリール基としては、フェニル基が良い。
好ましい置換アリール基としては、ハロゲン原子置換フェニル基、トリフルオロメチル置換フェニル基が良い。
また、これらの置換基は、ハロゲン原子の場合は、1〜5個置換しているのが良い。
アルコキシ基やトリフルオロメチル基の場合は、1個又は2個置換しているのが良く、1個置換の場合は、パラ位若しくはオルト位が好ましく、2個置換の場合は、メタ位が好ましい。
好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
特に好ましくは、R1が、C1〜C4のアルキル基またはフェニル基を示し、R2及びR3が、水素原子又はC1〜C4のアルキル基を示し、R4が、フェニル基、置換フェニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
(メチルテラニルメチル)ベンゼン、(メチルテラニルメチル)ナフタレン、エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネートや、特許文献2及び3等に記載された有機テルル化合物の全てを例示することができる。
上記、式(3)の化合物としては、具体的には次の通りである。
M(R1)m (4)
〔R1は、上記と同じ。Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は銅原子を示す。Mがアルカリ金属の時、mは1、Mがアルカリ土類金属の時、mは2、Mが銅原子の時、mは1または2を示す。〕
なお、Mがマグネシウムの時、化合物(4)はMg(R1)2でも、或いはR1MgX(Xは、ハロゲン原子)で表される化合物(グリニャール試薬)でもよい。Xは、好ましくは、塩素、臭素が良い。
(R1Te)2 (2)
(R1は、C1〜C8のアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。)
好ましい式(2)で示される化合物としては、R1がC1〜C4のアルキル基、フェニル基の化合物である。
アミノ基を有するビニルモノマー(A)としては、特に制限することなく使用することができる。また4級化されたビニルモノマーを使用しても構わない。これらは1種単独で又は2種以上共重合して使用される。
尚、上記の「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称である。
該ビニルモノマー(B)は、ラジカル重合可能な不飽和モノマーであれば特に制限なく使用することができるが、顔料分散剤として使用する際に、分散媒(主に水)に対して安定性良好な物を適宜選択するのが望ましい。これらは1種単独で又は2種以上混合して使用される。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸n−ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル等のシクロアルキル基含有不飽和モノマー。(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー。(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルや(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシC2−12アルキルエステル、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコ−ル誘導体、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加体、ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル等の水酸基含有エーテルモノマー。
ヒドロキシメチルビニルケトン、ヒドロキシエチルビニルケトン、ヒドロキシプロピルビニルケトン等の水酸基含有ケトンモノマー。
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー。1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィン。ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等のジエン類。酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル。(メタ)アクリロニトリル。メチルビニルケトン。塩化ビニル。塩化ビニリデン。
即ち、エマルション重合法は界面活性剤を使用し、主にミセル中で重合する。必要に応じてポリビニルアルコール類等の水溶性高分子などの分散剤を用いても良い。これらの界面活性剤は1種類、又は2種類以上で組み合わせて使用することができる。かかる界面活性剤の使用量は、全モノマー100重量部に対して、0.3〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50重量部である。又、水の使用量は、全モノマー100重量部に対して、50〜2000重量部であることが好ましく、より好ましくは70〜1500重量部である。重合温度は特に限定されないが、0〜100℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは40〜90℃である。反応時間は、反応温度または用いるモノマー組成物の組成、界面活性剤や重合開始剤の種類等に応じ、重合反応が完結するように適宜設定すればよい。好ましくは24時間以内である。
また、500nmでの透過率は、95%以上、好ましくは、98%〜99.9%が良い。95%未満の場合は、塗膜中の顔料の変色の原因になり、塗膜に色の変化を与えてしまう。
よって、該共重合体は、全光線透過率95%以上、且つ、500nmでの透過率95%以上である。好ましくは、全光線透過率98%以上、且つ、500nmでの透過率98%以上が良い。
テルル原子が末端に残存したポリマーは着色しており、金属性の元素であるため、得られた共重合体を配合した顔料分散剤の透明性の向上や異物混入防止の観点から、この残存テルル原子を含めた金属含量は、樹脂全体に対して1000ppm以下であり、特に500ppm以下であることが好ましい。
上記で、各セグメントを製造後、そのまま次のブロックの反応を開始しても良いし、一度反応を終了後、精製してから次のセグメントの反応を開始しても良い。ブロックポリマーの単離は通常の方法により行うことができる。
本発明において、顔料分散剤用の樹脂組成物として使用する場合は、重量平均分子量で2,000〜40,000の共重合体を用いるのが好ましく、より好ましくは5,000〜30,000の重量平均分子量を有する共重合体を用いるのがよい。重量平均分子量が2,000未満では分散剤が顔料表面から脱離する可能性がある。重量平均分子量が40,000を越えると顔料への吸着はしにくくなる。
1H−NMR:ブルカー・バイオスピン AVANCE 500(500MHz)
分子量及び分子量分布:ゲルパーミエーションクロマトグラフ 日本ウォーターズ GPCV−2000(カラム:東ソー TSK−GEL GMHXL + TSK−GEL MultiporeHXL−M、ポリスチレンスタンダード:東ソーTSK Standard)
ポリマー中のTe含量 : ICP/MS
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAEA)1.0g(7.0mmol)、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート(BTEE)190.78μl(0.83mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)54.74mg(0.33mmol)及びメタノール1.0gを、60℃で24時間反応させた。
NMR分析により、重合率は97%であった。
またTOF-MS分析により、重量平均分子量1,170、PD=1.06であった。
次に、上記で得られたポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(開始剤、マクロイニシエーターとして使用)にアクリル酸(AA)9.0g(124.9mmol)及びメタノール9.0gを加え、60℃で72時間反応させた。
NMR分析により、重合率は85.0%であった。
反応終了後、乾燥することによりポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−ポリアクリル酸ジブロックポリマー8.55g(収率86%)を得た。
ポリマー中のカルボン酸をトリメチルシリルジアゾメタンにてメチルエステル化した後、GPC分析により、重量平均分子量10,900、PD=1.16であった。
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAEA)1.6g(11.2mmol)、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート(BTEE)152.62μl(0.67mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)43.79mg(0.27mmol)及びメタノール1.6gを、60℃で24時間反応させた。
NMR分析により、重合率は98%であった。
またTOF-MS分析により、重量平均分子量1,640、PD=1.05であった。
次に、上記で得られたポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(開始剤、マクロイニシエーターとして使用)にアクリル酸(AA)6.4g(88.8mmol)及びメタノール6.4gを加え、60℃で72時間反応させた。
NMR分析により、重合率は89.1%であった。
反応終了後、乾燥することによりポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−ポリアクリル酸ジブロックポリマー7.27g(収率91%)を得た。
ポリマー中のカルボン酸をトリメチルシリルジアゾメタンにてメチルエステル化した後、GPC分析により、重量平均分子量12,600、PD=1.13であった。
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAEA)0.4g(2.8mmol)、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート(BTEE)76.31μl(0.33mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)21.89mg(0.13mmol)及びメタノール0.4gを、60℃で24時間反応させた。
NMR分析により、重合率は97%であった。
またTOF-MS分析により、重量平均分子量840、PD=1.05であった。
次に、上記で得られたポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(開始剤、マクロイニシエーターとして使用)にアクリル酸(AA)1.6g(22.2mmol)及びメタノール1.6gを加え、60℃で72時間反応させた。
NMR分析により、重合率は91.3%であった。
反応終了後、乾燥することによりポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−ポリアクリル酸ジブロックポリマー1.85g(収率92%)を得た。
ポリマー中のカルボン酸をトリメチルシリルジアゾメタンにてメチルエステル化した後、GPC分析により、重量平均分子量5,600、PD=1.14であった。
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAEA)0.1g(0.7mmol)、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート(BTEE)19.08μl(0.08mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)5.47mg(0.03mmol)及びメタノール0.1gを、60℃で24時間反応させた。
NMR分析により、重合率は97%であった。
またTOF-MS分析により、重量平均分子量840、PD=1.05であった。
次に、上記で得られたポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(開始剤、マクロイニシエーターとして使用)にアクリル酸(AA)1.9g(26.4mmol)及びメタノール1.9gを加え、60℃で72時間反応させた。
NMR分析により、重合率は96.1%であった。
反応終了後、乾燥することによりポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−ポリアクリル酸ジブロックポリマー1.92g(収率96%)を得た。
ポリマー中のカルボン酸をトリメチルシリルジアゾメタンにてメチルエステル化した後、GPC分析により、重量平均分子量30,500、PD=1.14であった。
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAEA)0.4g(2.8mmol)、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート(BTEE)38.16μl(0.17mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)10.95mg(0.07mmol)及びメタノール0.4gを、60℃で24時間反応させた。
NMR分析により、重合率は91%であった。
またTOF-MS分析により、重量平均分子量1,760、PD=1.04であった。
次に、上記で得られたポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(開始剤、マクロイニシエーターとして使用)にポリメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(EGA9:新中村化学工業株式会社製、商品名M−90G)1.6g(3.4mmol)及びメタノール1.6gを加え、60℃で72時間反応させた。
NMR分析により、重合率は99.8%であった。
反応終了後、乾燥することによりポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−ポリメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートジブロックポリマー1.96g(収率98%)を得た。
水系(溶離液は10mmol/lリチウムブロマイド水溶液)GPC分析により、重量平均分子量38,000、PD=1.39であった。
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAEA)1.0g(7.0mmol)、アクリル酸(AA)9.0g(124.9mmol)、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート(BTEE)190.78μl(0.83mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)54.74mg(0.33mmol)及びメタノール10.0gを、60℃で72時間反応させた。
NMR分析により、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルの重合率は100%であり、アクリル酸の重合率は99%であった。
反応終了後、乾燥することによりポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−ポリアクリル酸ランダムコポリマー9.9g(収率99%)を得た。
ポリマー中のカルボン酸をトリメチルシリルジアゾメタンにてメチルエステル化した後、GPC分析により、重量平均分子量16,000、PD=1.17であった。
実施例1で得られたポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−ポリアクリル酸ジブロックポリマー0.6gを1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液7.5gで中和し(ポリマー中のカルボン酸基と同じ等量数)、水17.4gを添加した。ポリマーが完全に溶解した後、カーボンブラック(MA100S:三菱化学株式会社製)4.5gを添加し、TK−HOMOMixer(プライミクス株式会社製)にて、600回転、3分間プレ分散を行った。その後、遊星ポールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社)にて、20gのジルコニアビーズを用い、回転数レンジを6の設定で30分間分散処理を行って、水性顔料分散液を得た。
実施例1で得られたジブロックポリマー0.03gを1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液0.37gで中和し(ポリマー中のカルボン酸基と同じ等量数)、水25.1gを添加した。ポリマーが完全に溶解した後、カーボンブラック(MA100S:三菱化学株式会社製)4.5gを添加し、TK−HOMOMixer(プライミクス株式会社製)にて、600回転、3分間プレ分散を行った。その後、遊星ポールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社)にて、20gのジルコニアビーズを用い、回転数レンジを6の設定で30分間分散処理を行って、水性顔料分散液を得た。
実施例2で得られたジブロックポリマー0.06gを1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液0.67gで中和し(ポリマー中のカルボン酸基と同じ等量数)、水24.77gを添加した。ポリマーが完全に溶解した後、カーボンブラック(MA100S:三菱化学株式会社製)4.5gを添加し、TK−HOMOMixer(プライミクス株式会社製)にて、600回転、3分間プレ分散を行った。その後、遊星ポールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社)にて、20gのジルコニアビーズを用い、回転数レンジを6の設定で30分間分散処理を行って、水性顔料分散液を得た。
実施例3で得られたジブロックポリマー0.06gを1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液0.67gで中和し(ポリマー中のカルボン酸基と同じ等量数)、水24.77gを添加した。ポリマーが完全に溶解した後、カーボンブラック(MA100S:三菱化学株式会社製)4.5gを添加し、TK−HOMOMixer(プライミクス株式会社製)にて、600回転、3分間プレ分散を行った。その後、遊星ポールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社)にて、20gのジルコニアビーズを用い、回転数レンジを6の設定で30分間分散処理を行って、水性顔料分散液を得た。
実施例4で得られたジブロックポリマー0.06gを1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液0.79gで中和し(ポリマー中のカルボン酸基と同じ等量数)、水24.65gを添加した。ポリマーが完全に溶解した後、カーボンブラック(MA100S:三菱化学株式会社製)4.5gを添加し、TK−HOMOMixer(プライミクス株式会社製)にて、600回転、3分間プレ分散を行った。その後、遊星ポールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社)にて、20gのジルコニアビーズを用い、回転数レンジを6の設定で30分間分散処理を行って、水性顔料分散液を得た。
実施例5で得られたポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−ポリメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートジブロックポリマー0.6gを水24.9gに添加し、ポリマーが完全に溶解した後、カーボンブラック(MA100S:三菱化学株式会社製)4.5gを添加し、TK−HOMOMixer(プライミクス株式会社製)にて、600回転、3分間プレ分散を行った。その後、遊星ポールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社)にて、20gのジルコニアビーズを用い、回転数レンジを6の設定で30分間分散処理を行って、水性顔料分散液を得た。
実施例6で得られたポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−ポリアクリル酸ランダムコポリマー0.06gを1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液0.67gで中和し(ポリマー中のカルボン酸基と同じ等量数)、水24.77gを添加した。ポリマーが完全に溶解した後、カーボンブラック(MA100S:三菱化学株式会社製)4.5gを添加し、TK-HOMOMixer(プライミクス株式会社製)にて、600回転、3分間プレ分散を行った。その後、遊星ポールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社)にて、20gのジルコニアビーズを用い、回転数レンジを6の設定で30分間分散処理を行って、水性顔料分散液を得た。
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAEA)1.0g(7.0mmol)、アクリル酸(AA)9.0g(124.9mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)100.00mg(0.61mmol)及びメタノール10.0gを、60℃で72時間反応させた。
NMR分析により、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルの重合率は100%であり、アクリル酸の重合率は100%であった。
反応終了後、乾燥することによりポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−ポリアクリル酸ランダムコポリマー100g(収率100%)を得た。
ポリマー中のカルボン酸をトリメチルシリルジアゾメタンにてメチルエステル化した後、GPC分析により、重量平均分子量31,200、PD=2.87であった。
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸(AA)2.0g(27.8mmol)、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート(BTEE)38.16μl(0.17mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)5.47mg(0.03mmol)及びメタノール2.0gを、60℃で72時間反応させた。
NMR分析により、アクリル酸の重合率は99%であった。
反応終了後、乾燥することによりポリアクリル酸1.9g(収率95%)を得た。
ポリマー中のカルボン酸をトリメチルシリルジアゾメタンにてメチルエステル化した後、GPC分析により、重量平均分子量15,800、PD=1.24であった。
窒素置換したグローブボックス内で、スチレン1.6g(15.0mmol)、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート(BTEE)152.58μl(0.67mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)43.78mg(0.27mmol)及びトルエン1.6gを、60℃で24時間反応させた。
NMR分析により、重合率は98%であった。
またGPC分析により、重量平均分子量2,670、PD=1.45であった。
次に、上記で得られたポリスチレン(開始剤、マクロイニシエーターとして使用)にアクリル酸t-ブチル(t−BA)11.4g(89.0mmol)及びトルエン11.4gを加え、60℃で72時間反応させた。
NMR分析により、重合率は99%であった。
得られたポリマーを濃硫酸で加水分解を行った後、乾燥することにより、ポリスチレン−ポリアクリル酸ジブロックポリマー8.8gが得られた(収率:73.3%)。
ポリマー中のカルボン酸をトリメチルシリルジアゾメタンにてメチルエステル化した後、GPC分析により、重量平均分子量21,700、PD=1.14であった。
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル0.4g(2.79mmol)、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート1.6g(3.42mmol)、2−ブロモイソ酪酸エチル(EBIB)25.22μl(0.17mmol)、臭化第一銅(CuBr)24.39mg(0.17mmol)、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル138.99mg(0.34mmol)及びメタノール2.0gを、60℃で72時間反応させた。
NMR分析により、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルの重合率は88%であり、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートの重合率は99%であった。
またGPC分析により、重量平均分子量9,400、PD=1.35であった。
反応終了後活性アルミナ2gをポリマー溶液に加え、室温で1時間攪拌した。活性アルミナを濾取すると黄色のポリマー溶液が得られた。ポリマー溶液を乾燥することにより、ポリアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル−co−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートランダムコポリマー1.9gが得られた(収率:95%)。
実施例7〜13及び比較例1〜3の分散後の液を分析した。粒子径及び粒度分布は100倍希釈後動的光散乱式粒度分布計(FRAR−1000:大塚電子株式会社製)にて測定を行った。粘度はE型粘度計(VISCOMETER TV-22:東機産業株式会社製)にて測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例4で合成したポリマーを5wt%のメタノール溶液とし、全光線透過率(濁度計NDH2000:日本電色工業株式会社)及び500nmの透過率(分光光度計U−3000:株式会社日立製作所)を分析した。結果を表2に示す。実施例1〜6で合成した顔料分散剤は無色透明であるため、顔料の色を忠実に表現できる。
実施例7及び8の分散後の液を分析した。結果を表3に示す。3ヶ月静置する前後の粒子径変化はほぼなく、貯蔵安定性は非常に高い。
Claims (8)
- 下記(イ)〜(ハ)の特徴を有する共重合体を含有する樹脂組成物。
(イ)アミノ基を有するモノマー(A)、該モノマー(A)を除くモノマー(B)とを含む共重合体。
(ロ)5%溶液時の全光線透過率95%以上、且つ500nmでの透過率95%以上。
(ハ)分子量分布1.0〜2.0。 - モノマー(A)がアクリルアミド、メタクリルアミド、4-ビニルアニリン、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アニリノスチレン類、アニリノフェニルブタジエン類、N−モノ置換(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリレート及びN,N−ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリルアミドである請求項1に記載の樹脂組成物。
- モノマー(B)が(メタ)アクリル酸エステル、シクロアルキル基含有不飽和モノマー、カルボキシル基含有不飽和モノマー、(メタ)アクリル酸のヒドロキシC2〜C12アルキルエステル、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコ−ル誘導体、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加体、水酸基含有エーテルモノマー、水酸基含有ケトンモノマー、エポキシ基含有ビニルモノマー、イソシアネート基含有ビニルモノマー、ビニル基含有ビニルモノマー、スルホン酸基含有ビニルモノマー、燐酸基含有ビニルモノマー、スチレン系モノマー、芳香族不飽和モノマー、ヘテロ環含有不飽和モノマー、ビニルアミド、(メタ)アクリルアミド系モノマー、α−オレフィン、ジエン類、カルボン酸ビニルエステルである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 共重合体が、有機テルル化合物系重合開始剤を用い、重合して得られた共重合体である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 有機テルル化合物系重合開始剤が、
(a)式(1)で表される有機テルル化合物、
(b)式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤の混合物、
(c)式(1)で表される有機テルル化合物と式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物、又は
(d)式(1)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤及び式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物
のいずれかである請求項4に記載の樹脂組成物。
(R1Te)2 (2)
(式中、R1は、上記と同じ。) - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む分散剤。
- 水、顔料及び請求項6の分散剤を含む水性顔料分散体。
- 請求項7の水性顔料分散体を含むコーティング剤。
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