JP2009191008A - 褐藻類由来機能性成分の抽出方法 - Google Patents

褐藻類由来機能性成分の抽出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の褐藻類由来機能性成分の抽出方法における課題を解決し、褐藻類に含まれる有用成分である褐藻類由来機能性成分を効率的に、さらに、飛躍的に時間を短縮して抽出する方法を提供すること。
【解決手段】褐藻類を超臨界流体で抽出することを特徴とする褐藻類由来機能性成分の抽出方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、海洋植物資源から褐藻類由来機能性成分を抽出するための方法に関するものである。
褐藻類はその有用性が認められているカロテノイドの1種であるフコキサンチンやステロールの1種であるフコステロール等の褐藻類由来機能性成分を有している。
上記褐藻類由来機能性成分のうち、フコキサンチンは以下の構造を有する既知の物質であり、その効果としては体内摂取による抗腫瘍効果(特許文献1)や神経細胞保護効果(特許文献2)、最近では血糖値上昇抑制効果(特許文献3)等が報告されている。
Figure 2009191008
上記のように、フコキサンチンは体内摂取により効果が得られるため、フコキサンチンの抽出溶媒は人体に無害なものを用いることが望ましい。しかし、上記報告で用いられているフコキサンチンはいずれも有機溶媒により抽出されている。そのため、フコキサンチンを精製する前の抽出の段階で、褐藻類からエタノールまたは含水エタノールを用いる技術(特許文献4および特許文献5)も報告されている。
しかしながら、溶媒の留去や抽出効率の面から、その抽出工程や使用する溶媒量は出来るだけ少ないことが望ましく、上記技術よりもさらなる工程の省略や溶媒の少量化が必要であった。
また、フコキサンチンの活性成分は光によって分解されやすいので、その抽出は遮光下で、迅速に行うのが望ましい。しかしながら、従来法では遮光下という条件やいくつかの抽出工程を経なければならないという煩雑さ、長時間の浸漬による抽出等、フコキサンチンの抽出までに時間を要するという問題があった。
一方、上記褐藻類由来機能性成分のうち、フコステロールは以下の構造を有する既知の物質であり、その効果としては体内摂取による抗動脈硬化作用(特許文献6)やコレステロール低減作用、血栓予防作用等が一般的に提唱されている。そしてフコステロールは副作用のない天然物由来の機能性食品や健康食品として利用されている。
Figure 2009191008
しかしながら、フコステロールの抽出にはヘキサン等の脂肪族炭化水素類や酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、またはこれらの混液等の有機溶媒が用いられ、さらに抽出までに1〜20日間を要するという、多段式の溶媒抽出法により行われているのが現状であり、このフコステロールについても上記フコキサンチンと同様に、抽出溶媒や抽出時間の問題があった。
特開平10−158156号公報 特開2001−335480号公報 特開2007−297370号公報 特開2004−75634号公報 特開2004−35528号公報 特開2005−104887号公報
従って、本発明は、上記した従来法における課題を解決し、褐藻類に含まれる有用成分であるフコキサンチン、フコステロール等の褐藻類由来機能性成分を効率的に、さらに、飛躍的に時間を短縮して抽出する方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究をした結果、超臨界流体を利用することにより褐藻類から褐藻類由来機能性成分を効率的に抽出できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は褐藻類を超臨界流体で抽出することを特徴とする褐藻類由来機能性成分の抽出方法および前記抽出方法により得られる褐藻類由来機能性成分である。
本発明の褐藻類由来機能性成分の抽出方法は、抽出時間を従来法と比較して大幅に短縮できるため、また、その簡便さから試料の露光時間、即ち、褐藻類由来機能性成分の光による劣化を最小限に抑えることができる。
また、上記抽出方法は、従来法には見られない、抽出時に夾雑物であるクロロフィルの混入が比較的少ないという特徴があり、その後の分離・精製に利用しやすい。
従って、本発明の褐藻類由来機能性成分の抽出方法で抽出された褐藻類由来機能性成分は、健康食品や医薬品に好適に用いることができる。
本明細書において、褐藻類由来機能性成分とは、褐藻類に含まれ、カロテノイドであるフコキサンチン等の色素、フコステロール等の脂溶性成分、多糖類等のことをいい、好ましくはフコキサンチンおよびフコステロールのことをいう。なお、褐藻類由来機能性成分は常法に従って測定することができ、例えば、フコキサンチンであればHPLCで測定でき、フコステロールであればGC−MSで測定できる。
本発明の褐藻類由来機能性成分の抽出方法(以下、「本発明抽出法」という)は、褐藻類を抽出原料とし、これを超臨界流体を抽出溶媒とする超臨界流体抽出により行われるものである。
本発明抽出法において、抽出原料として用いられる褐藻類としては褐藻類由来機能性成分が含まれているものであれば広く採用することができる。このような褐藻類としては、例えば、ナガマツモ目(Chordaceae)、ヒバマタ目(Fucales)、コンブ目(Laminariales)等に属する褐藻類等が挙げられる。これら褐藻類の中でも、ナガマツモ目のナガマツモ科(Chordaceae)またはモズク科(Spermatochnaceae)、ヒバマタ目のホンダワラ科(Sargassaceae)、コンブ目のコンブ科(Laminariaceae)またはチガイソ科(Alariaceae)等に属する褐藻類が好ましく、前記科に属する褐藻類の中でも、ナガマツモ科のオキナワモズク(Cladosiphon okamuranus)またはモズク科のモズク(Nemacystus decipiens)、ホンダワラ科のホンダワラ(Sargassum fulvellum C.Agardh)またはヒジキ(Hizikia fusiformis)、コンブ科のアラメ(Eisenia bicyclis (Kjellman) Setchell)、マコンブ(Laminaria japonica)、オニコンブ(Laminaria diabolica)、リシリコンブ(Laminaria ochotensis)、ホソメコンブ(Laminaria religiosa)、ミツイシコンブ(Laminaria angustata)、ナガコンブ(Laminaria longissima)またはガゴメコンブ(Kjellmaniella crassiifolia)、チガイソ科のワカメ(Undaria pinnatifida)が好ましく、特にナガマツモ科のオキナワモズクは褐藻類由来機能性成分を高濃度で含有するためより好ましい。また、抽出原料となる褐藻類は、成熟体から遊走子の放出、遊走子から盤状体または糸状体の発生、盤状体または糸状体の着床による直立体の形成、直立体から成熟体への成長という生育サイクルのうちの、盤状体または糸状体〜成熟体の何れの成長段階のものであってもよいが、褐藻類由来機能性成分を豊富に含むことから盤状体または糸状体が好ましい。なお、盤状体または糸状体は、上記生育サイクルのうちの遊走子と直立体の中間に位置するものであり、別名で呼ばれることもがあるが、本発明においてはこれらの何れも含む。更に、これら抽出原料は、後記する超臨界流体による抽出前に必要に応じて適度な大きさに粉砕しておくことが好ましく、抽出に用いられる容器内の密度をできるだけ小さくするために顆粒状、特に粉末状としておくことが好ましい。
また、本発明抽出法において、抽出溶媒として用いられる超臨界流体としては、例えば、その圧力は高い方が好ましい傾向があるので、7.38MPa以上、好ましくは10MPa以上、特に好ましくは30MPa以上、その温度が25〜80℃、好ましくは30〜80℃、特に好ましくは70〜80℃の超臨界状態の二酸化炭素等が挙げられる。
上記した褐藻類と超臨界流体を用いた褐藻類由来機能性成分の超臨界流体抽出は、超臨界流体を発生するためのポンプと、超臨界流体と褐藻類を接触させ、抽出を行うための容器、抽出液を貯留するための容器および系全体を昇温・保温するためのオーブン等を備える超臨界抽出装置で行われる。このような超臨界流体抽出装置としては各社から市販されている一般的なものを用いることができる。
超臨界流体抽出における超臨界流体の流量や抽出時間等の抽出条件は、容器の大きさ等により変化するので一概に言えないが、例えば、内容積10mlの容器であれば、流量は後記するモディファイヤーと併せて1〜2ml/分、抽出時間は5〜30分が好ましく、5〜20分がより好ましい。
また、上記超臨界流体抽出の際には、超臨界流体に、さらにモディファイヤーを加えることが好ましい。このようなモディファイヤーとしてはエタノールおよび/または水が挙げられ、エタノールおよび水が好ましく、エタノール単独がより好ましい。モディファイヤーとしてエタノールおよび水を用いる場合、エタノール濃度は1〜100質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは50〜100%である。このモディファイヤーを超臨界流体に加えることにより抽出効率が向上し、褐藻類由来機能性成分の収量が高くなる。また、モディファイヤーの量は上記超臨界流体とモディファイヤーを併せた総流量の1〜50%が好ましく、特に2〜30%が好ましい。
上記超臨界抽出により、褐藻類から褐藻類由来機能性成分を含む抽出物が抽出される。褐藻類の成熟体から抽出される抽出物には褐藻類由来機能性成分のうち、例えば、フコキサンチンが抽出物1gあたり0.5〜100μg程度、フコステロールが抽出物1gあたり0.1〜2.5mg程度含有され、オキナワモズクの盤状体から抽出される抽出物には褐藻類由来機能成分のうち、例えば、フコキサンチンが抽出物1gあたり10〜2060μg程度、フコステロールが抽出物1gあたり1.0〜5.0mg程度含有されている。また、この抽出物は、従来法と比べてクロロフィル等の夾雑物が少ないものである。更に、この抽出物からクロマトグラフィー、HPLC等の一般的な精製方法で褐藻類由来機能性成分を分離・精製してもよい。
斯くして得られる褐藻類由来機能性成分は上記したコレステロール低減作用や血栓予防作用を期待した各種健康食品や、抗腫瘍効果、神経細胞保護効果、血糖値上昇抑制効果等を目的とした医薬品等の用途に使用することができる。
以下に、褐藻類由来機能性成分の抽出に関する実施例を示すが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
オキナワモズク成熟体の超臨界流体抽出(1):
(1)試料
オキナワモズク(Cladosiphon okamuranus)の成熟体を凍結乾燥後、冷凍保存し、ミル粉砕したもの(粉末状)を試料とした。
(2)超臨界流体抽出
1検体当たり試料約1g(乾燥重)を内容積10mlの抽出容器に入れ、超臨界抽出システム(SCF series:日本分光(株)製)の所定の位置に設置後、カラムオーブンが40℃に達した後、設定圧力(10−45MPa)で超臨界二酸化炭素とモディファイヤーを2ml/分の総流量として20分間(総溶媒量40ml)抽出を行い抽出物を得た。なお、モディファイヤーとしてはエタノールを用い、その流量は0.1ml/分とした。
(3)フコキサンチンの測定
上記(2)で得られた抽出物をロータリーエバポレーターで乾固・濃縮後、エタノールに溶解させてHPLC分析の試料とし、それを以下の条件で定量した。表1に超臨界抽出時の圧力条件を10、30または45MPaとして抽出して得られた抽出物中のフコキサンチン量を示した。
<HPLC分析条件>
カラム:Wakosil−II 5C18 HG (φ4.6×150mm)
溶出液A:水
溶出液B:アセトニトリル
流速:1.0ml/分
検出波長:440nm
Figure 2009191008
(4)フコステロールの測定
上記(2)で得られた抽出物をロータリーエバポレーターで乾固・濃縮後、GC−MS分析の試料とし、それを以下の条件で定量した。表2に超臨界抽出時の圧力条件を10、30または45MPaとして抽出して得られた抽出物中のフコステロール量を示した。
<GC−MS分析条件>
カラム:DB−5MB (φ0.25×30m、0.25μm film)
カラム温度:250℃(2分)−(3.0℃/分で昇温)−320℃(3分)
イオン源温度:200℃
インターフェース温度:320℃
イオン化法:EI
検出モード:SIM
Figure 2009191008
(5)結果
上記結果より、フコキサンチンもフコステロールも抽出圧力が45MPaの場合に最も多く抽出されることが分かった。
実 施 例 2
オキナワモズク成熟体の超臨界流体抽出(2):
実施例1の超臨界流体抽出条件のうち抽出圧力を30MPaに設定し、温度条件を30、40または75℃として抽出した。得られた抽出物について実施例1と同様にフコキサンチン量およびフコステロール量を測定した。その結果を表3に示した。
Figure 2009191008
上記結果より、フコキサンチンもフコステロールも抽出温度が75℃の場合に最も多く抽出されることが分かった。
実 施 例 3
超臨界流体抽出におけるモディファイヤーの効果(1):
(1)試料
実施例1と同様の試料を抽出に供した。
(2)超臨界流体抽出
1検体当たり試料約1g(乾燥重)を内容積10mlの抽出容器に入れ、超臨界抽出システム(SCF series:日本分光(株)製)の所定の位置に設置後、カラムオーブンが40℃に達した後、圧力30MPaで超臨界二酸化炭素とモディファイヤー(エタノール)を2ml/分の総流量とし、モディファイヤーの流量を総流量の0、2、5、10または30%として20分間抽出を行い抽出物を得た。
(3)測定
モディファイヤー流量を総流量の0、2、5、10または30%として抽出して得られた抽出物について実施例1と同様にフコキサンチン量およびフコステロール量を測定した。その結果を表4に示した。
Figure 2009191008
上記結果より超臨界流体抽出において、超臨界流体と共にモディファイヤーを用いると、その流量が総流量の2〜10%の場合に最も多くフコキサンチンおよびフコステロールが抽出されることが分かった。
実 施 例 4
超臨界流体抽出におけるモディファイヤーの効果(2):
実施例3の超臨界流体抽出条件のうちモディファイヤーの流量を5%に固定し、モディファイヤーをエタノール単独から水とエタノールの混液を用い、その比率をエタノール濃度50、70、90または100%として抽出した。得られた抽出物について実施例1と同様にフコキサンチン量およびフコステロール量を測定した。その結果を表5に示した。
Figure 2009191008
上記結果より、モディファイヤーに含まれるエタノールの濃度が高いほどフコキサンチンおよびフコステロールが多く抽出されることが分かった。
実 施 例 5
オキナワモズク成熟体の超臨界流体抽出(3):
(1)試料
実施例1と同様の試料を抽出に供した。
(2)超臨界流体抽出
1検体当たり試料約1g(乾燥重)を内容積10mlの抽出容器に入れ、超臨界抽出システム(SCF series:日本分光(株)製)の所定の位置に設置後、超臨界流体抽出の条件を、実施例1〜4の結果から、抽出圧力を45MPa、抽出温度を75℃、モディファイヤーとして100%エタノールを総流量(2ml/分)の5%(0.1ml/分)に設定して20分間抽出を行った。
(3)測定
上記で抽出して得られた抽出物について実施例1と同様にフコキサンチン量およびフコステロール量を測定した。また、抽出物のクロロフィル量を分光光度計で665nmにて測定した。なお、本測定では、クロロフィル量の測定結果を標品と比較しなかったため、クロロフィル量をクロロフィル/フコキサンチンとして示した。
比 較 例 1
オキナワモズク成熟体のエタノール抽出(1):
実施例1と同様の試料約1g(乾燥重)にエタノールを40ml添加し、1分間攪拌した。その後に3000回転/分で10分間遠心分離し、1時間静置し、さらに1分間攪拌して上澄みを採取した。この上澄みから溶媒を留去し抽出物を得た。この抽出物についても実施例5と同様にフコキサンチン量、フコステロール量およびクロロフィル量を測定した。
比 較 例 2
オキナワモズク成熟体のエタノール抽出(2):
実施例1と同様の試料約1g(乾燥重)にエタノールを40ml添加し、攪拌した後に24時間静置し上澄みを採取した。この上澄みから溶媒を留去し抽出物を得た。この抽出物についても実施例5と同様にフコキサンチン量、フコステロール量およびクロロフィル量を測定した。
試 験 例 1
全抽出物中におけるフコキサンチン量の比較:
実施例5(超臨界流体抽出法)、比較例1(従来法)および比較例2(従来法)で測定されたフコキサンチン量、フコステロール量およびクロロフィル量(クロロフィル/フコキサンチン)を表6に示した。
Figure 2009191008
上記結果より、超臨界流体抽出法(実施例5)は、従来法(比較例1および2)よりも短時間かつ簡便な抽出にもかかわらず、フコキサンチンおよびフコステロールが多く得られた。また、超臨界流体抽出法はフコキサンチンと、フコキサンチンと共に抽出されるクロロフィルの比率が従来法と比較して低く、夾雑物の抽出も少ないことが分かった。
実 施 例 6
オキナワモズク盤状体の超臨界流体抽出(1):
(1)試料
オキナワモズク(Cladosiphon okamuranus)の盤状体を凍結乾燥後、冷凍保存し、ミル粉砕したもの(粉末状)を試料とした。
(2)超臨界流体抽出
1検体当たり試料約1g(乾燥重)を内容積10mlの抽出容器に入れ、超臨界抽出システム(SCF series:日本分光(株)製)の所定の位置に設置後、カラムオーブンが40℃に達した後、設定圧力(10−45MPa)で超臨界二酸化炭素とモディファイヤーを2ml/分の総流量として20分間(総溶媒量40ml)抽出を行い抽出物を得た。なお、モディファイヤーとしてはエタノールを用い、その流量は0.1ml/分とした。
(3)フコキサンチンの測定
上記(2)で得られた抽出物をロータリーエバポレーターで乾固・濃縮後、エタノールに溶解させてHPLC分析の試料とし、それを以下の条件で定量した。表7に超臨界抽出時の圧力条件を10、30または45MPaとして抽出して得られた抽出物中のフコキサンチン量を示した。
<HPLC分析条件>
カラム:Wakosil−II 5C18 HG (φ4.6×150mm)
溶出液A:水
溶出液B:アセトニトリル
流速:1.0ml/分
検出波長:440nm
Figure 2009191008
(4)フコステロールの測定
上記(2)で得られた抽出物をロータリーエバポレーターで乾固・濃縮後、GC−MS分析の試料とし、それを以下の条件で定量した。表8に超臨界抽出時の圧力条件を10、30または45MPaとして抽出して得られた抽出物中のフコステロール量を示した。
<GC−MS分析条件>
カラム:DB−5MB (φ0.25×30m、0.25μm film)
カラム温度:250℃(2分)−(3.0℃/分で昇温)−320℃(3分)
イオン源温度:200℃
インターフェース温度:320℃
イオン化法:EI
検出モード:SIM
Figure 2009191008
(5)結果
上記結果より、オキナワモズクの盤状体からも成熟体と同様にフコキサンチンおよびフコキサンチンが抽出されることが明らかとなった。また、フコキサンチンは抽出圧力が45MPaの場合およびフコステロールは抽出圧力が30MPaの場合に最も多く抽出されることが分かった。
実 施 例 7
オキナワモズク盤状体の超臨界流体抽出(2):
実施例6の超臨界流体抽出条件のうち抽出圧力を30MPaに設定し、温度条件を30、40または75℃として抽出した。得られた抽出物について実施例6と同様にフコキサンチン量およびフコステロール量を測定した。その結果を表9に示した。
Figure 2009191008
上記結果より、フコキサンチンもフコステロールも抽出温度が75℃の場合に最も多く抽出されることが分かった。
実 施 例 8
超臨界流体抽出におけるモディファイヤーの効果(4):
(1)試料
実施例6と同様の試料を抽出に供した。
(2)超臨界流体抽出
1検体当たり試料約1g(乾燥重)を内容積10mlの抽出容器に入れ、超臨界抽出システム(SCF series:日本分光(株)製)の所定の位置に設置後、カラムオーブンが40℃に達した後、圧力30MPaで超臨界二酸化炭素とモディファイヤー(エタノール)を2ml/分の総流量とし、モディファイヤーの流量を総流量の0、2、5または30%として20分間抽出を行い抽出物を得た。
(3)測定
モディファイヤー流量を総流量の0、2、5または30%として抽出して得られた抽出物について実施例6と同様にフコキサンチン量およびフコステロール量を測定した。その結果を表10に示した。
Figure 2009191008
上記結果より超臨界流体抽出において、超臨界流体と共にモディファイヤーを用いると、その流量が総流量の2〜30%の場合に最も多くフコキサンチンおよびフコステロールが抽出されることが分かった。
実 施 例 9
超臨界流体抽出におけるモディファイヤーの効果(5):
実施例8の超臨界流体抽出条件のうちモディファイヤーの流量を5%に固定し、モディファイヤーをエタノール単独から水とエタノールの混液を用い、その比率をエタノール濃度50、90または100%として抽出した。得られた抽出物について実施例6と同様にフコキサンチン量およびフコステロール量を測定した。その結果を表11に示した。
Figure 2009191008
上記結果より、モディファイヤーに含まれるエタノールの濃度が高いほどフコキサンチンおよびフコステロールが多く抽出されることが分かった。
実 施 例 10
各種褐藻類からの超臨界流体抽出:
アラメ(Eisenia bicyclis (Kjellman) Setchell)、コンブ(種類不明)、ヒジキ(Hizikia fusiformis)、ホンダワラ(Sargassum fulvellum C. Agardh)またはワカメ(Undaria pinnatifida)の成熟体の乾物(市販品)を、それぞれミル粉砕し、小片状あるいは粉末状としたものを試料とし、それらについて実施例6と同様に超臨界流体抽出を行った。得られた抽出物について実施例6と同様にフコキサンチン量およびフコステロール量を測定した。その結果を表12に示した。
Figure 2009191008
上記結果より、何れの褐藻類の成熟体からもフコキサンチンおよびフコステロールが抽出されることが明らかになった。
本発明抽出法によれば、褐藻類から効率的に短時間でフコキサンチン、フコステロール等の褐藻類由来機能性成分を抽出することができる。
従って、本発明抽出法で抽出された褐藻類由来機能性成分は、健康食品、医薬品等に好適に用いることができる。

以 上

Claims (5)

  1. 褐藻類を超臨界流体で抽出することを特徴とする褐藻類由来機能性成分の抽出方法。
  2. 褐藻類由来機能性成分が、フコキサンチンおよびフコステロールである請求項1記載の褐藻類由来機能性成分の抽出方法。
  3. 褐藻類が、褐藻類の盤状体または糸状体である請求項1または2に記載の褐藻類由来機能性成分の抽出方法。
  4. 超臨界流体に、更に、モディファイヤーとしてエタノールおよび/または水を添加するものである請求項1〜3の何れかに記載の褐藻類由来機能性成分の抽出方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の抽出方法によって得られた褐藻類由来機能性成分。
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