JP2009189554A - ゴルフクラブ用シャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】ボールを打撃する瞬間のシャフトの変形を極力抑えることが出来、安定した打ち出し角度、スピン量を得ることが可能であり、かつ高い曲げ強度を有するため、折損する確率が非常に少ないゴルフクラブ用シャフトを提供する。
【解決手段】複数の繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトであって、少なくともその細径端乃至100mmに亘る部分に、弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向された第1の繊維強化樹脂層を有し、かつ少なくともその細径端から150mm乃至200mmに亘る部分に、弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向された第2の繊維強化樹脂層を有し、前記第1の繊維強化樹脂層と、前記第2の繊維強化樹脂層とは、重ね合わされないように配置されているゴルフクラブ用シャフト。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフクラブ用シャフトに関する。
ゴルフの打球の飛距離は、ボールの初速、打ち出し角度、スピン量で決定することが知られている。ゴルフのスコアを良くするためには、飛距離の安定性が非常に重要であり、よって、安定した飛距離を得るためには、これら3つの要素のバラツキを減少させることが必要となってくる。
ボールの初速、打ち出し角度、スピン量は、ゴルフヘッドの特性に依存するが、これら3つの要素の安定性については、ボールを打撃する瞬間のシャフトの動き(変形)が影響をする。特にゴルフクラブシャフトの細径部の変形がこれらの要素に大きく影響し、この部分シャフトの剛性を上げれば、シャフトの変形量を抑制することが出来るため、これらの要素が安定することが知られている。
しかしながら、単にゴルフクラブシャフトの細径部のシャフト剛性を上げると、フィーリングが硬くなったり、ヘッドの返りが悪くなったりするなどのデメリットがある。また、一般的に弾性率の高い炭素繊維は引張強度が低いため、シャフトの剛性を上げるために、弾性率の高い炭素繊維の使用量を多くし過ぎると、シャフトの強度が低下し、シャフトの折損が生じ易くなる。さらにまた、この部分の剛性を高くし過ぎると、ヘッドのトゥダウンが抑制され過ぎて、ヘッドの中央より下部にボールがヒットし易くなり、打ち出し角度が低く、バックスピン量の多い弾道になるため、飛距離の損失につながり易い。
これに対し、特許文献1では、クラブヘッドのホーゼル部から5mm〜50mmのシャフトの曲げ剛性を高めることで、打ち出し角度のバラツキを押さえることが出来るとしている。
しかしながら、特許文献1のようにクラブヘッドのホーゼル部から5mm〜50mmの間の曲げ剛性を高めると、クラブヘッドのホーゼル部のシャフト剛性が極端に低くなる構造となるため、ホーゼル部でのシャフトの折損を生じやすいという欠点がある。
上記とは反対に、ゴルフクラブシャフトの細径部のシャフト剛性を下げると、ヘッドの返りが良くなって、ボールの打ち出し角度が上がり飛距離を向上させ易いメリットがある。しかし、ヘッド近傍のシャフト剛性が低すぎると打点がバラツキ易く、飛距離の安定性には欠けるデメリットがある。また、シャフト剛性を下げるために、炭素繊維の使用量を減らすとシャフトの強度が低下し、シャフトの折損が生じやすくなる。
これに対し、特許文献2、3では、5〜150GPaの炭素繊維を補強層として用いることによって、強度を低下することなく、シャフトの曲げ剛性を下げることが出来るとしている。
しかしながら、特許文献2、3では、強度を下げずにシャフト剛性を下げることが可能ではあるが、安定した打ち出し角度、スピン量を得ることが出来ない。
特許第3518783号公報 特許第3296970号公報 特許第3317619号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ボールを打撃する瞬間のシャフト細径部の変形を極力抑えることが出来、安定した打ち出し角度、スピン量を得ることが可能であり、かつ高い曲げ強度を有するため、折損する確率が非常に少ないゴルフクラブ用シャフトを目的とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1)少なくともその細径端乃至100mmに亘る部分に、弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向された第1の繊維強化樹脂層を有し、かつ少なくともその細径端から150mm乃至200mmに亘る部分に、弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向された第2の繊維強化樹脂層を有し、前記第1の繊維強化樹脂層と、前記第2の繊維強化樹脂層とは、重ね合わされないように配置されているゴルフクラブ用シャフト。
(2)前記弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向された前記第1の繊維強化樹脂層の厚さが、0.125mm以下である(1)に記載のゴルフクラブ用シャフト。
(3)前記弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向された前記第2の繊維強化樹脂層の厚さが、0.125mm以下である(1)又は(2)に記載のゴルフクラブ用シャフト。
本発明のゴルフクラブ用シャフトによると、ボールを打撃する瞬間のシャフト細径部の変形を極力抑えることが出来るので、安定した打ち出し角度、スピン量を得ることが可能であり、かつ高い曲げ強度を有するため、折損する確率が非常に少ないゴルフクラブを提供できる。
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、例えば、図1のパターン1〜7に示すような裁断形状を有するプリプレグ21〜27を、パターン1〜7の順番でマンドレル10に巻き付けて積層した後、加熱硬化した複数の繊維強化樹脂層で構成される。このゴルフクラブ用シャフトには、その細径端部から距離Laの位置に亘る部分で巻き回数が1であり、細径端部からの距離La〜距離Lcに亘る部分で巻き回数が漸減している弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上であり、シャフト長手軸方向に配向された炭素繊維からなるプリプレグ22a(第1の繊維強化樹脂層)と、細径端部からの距離La〜距離Lcに亘る部分で巻き回数が漸増し、細径端部からの距離La+Lc〜距離Lbに亘る部分で巻き回数が1であり、その細径端部からの距離La+Lc+Lb〜距離Ldに亘る部分で巻き回数が漸減している弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上であり、シャフト長手軸方向に配向された炭素繊維からなるプリプレグ22b(第2の繊維強化樹脂層)とが配置されている。また、プリプレグ22aとプリプレグ22bは、図1のパターン2に示すように近接して一体化された形状となっている。すなわち、プリプレグ22aとプリプレグ22bとは重ね合わされないように、それぞれの切断面が突き合わされて配置され、図1のパターン2に示す形状とされている。プリプレグ22aとプリプレグ22bとは、重ね合わされないことで、それぞれの弾性率および引張伸度による作用を発揮できる。
通常、繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトは、加熱硬化後に細径端部と太径端部をカットして長さを調整する。ここで言う距離Laは、このカットした後に長さが100mmとなるように設定する。すなわち、細径端部を10mmカットする場合はLa=110mm、細径端部を20mmカットする場合はLa=120mmとする。
距離Lcは、ボールの打撃時の曲げ応力集中を緩和する上で非常に重要である。距離Lcが短過ぎると打撃時の曲げ応力により折損し易くなり、長過ぎるとシャフトの曲げ剛性が高くなり過ぎてしまう。ここで距離Lcは、20mm〜50mmが好ましく、30mm〜40mmがより好ましい。また、距離Ldも応力集中を緩和する上で重要であり、20mm〜70mmが好ましく、30mm〜60mmがより好ましい。
また、距離Lbは、シャフトの曲げ剛性をあまり上げずに、十分な曲げ強度を得るために重要であり、距離Lbが短過ぎると打撃時の曲げ応力により折損し易くなり、長過ぎるとシャフトの質量が重くなってしまう。ここで距離Lbは50mm〜100mmが好ましく、70〜80mmがより好ましい。すなわち、距離Lbは、少なくともシャフトの細径端から150mm乃至200mmに亘る部分となる。
本発明のゴルフクラブ用シャフトを構成するマトリックス樹脂には、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を使用することができるが、好ましくは熱硬化性樹脂が用いられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、およびこれらの混合樹脂を用いることができる。一方、熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、およびこれらの混合樹脂を使用することができる。中でも、エポキシ系樹脂は硬化収縮率が少なく、高い剛性と靭性値を有するので、最も好ましく使用される。
本発明のゴルフクラブ用シャフトを構成する繊維は、金属繊維、ボロン繊維、炭素繊維、ガラス繊維、セラミクス繊維などの無機系繊維、アラミド繊維、その他の高強力合成繊維などを使用することができる。無機繊維は軽量、かつ高強力であることから好ましく使用される。中でも、炭素繊維が、比強度、比剛性に優れるので最適である。
これらの繊維は、単独または混合して使用できる。また、長繊維、短繊維、およびこれらの混合繊維など、どのような長さの繊維を用いてもよい。
プリプレグ22aに用いられる炭素繊維は、炭素繊維の弾性率が350GPa以上である必要がある。弾性率が350GPa未満であると、ゴルフクラブシャフトの細径部で十分な曲げ剛性を得ることが出来ないので、打点のバラツキが大きくなる。また、炭素繊維の引張伸度が1.2%以上である必要がある。引張伸度が1.2%未満であると、打球時におけるシャフトの変形において、シャフトが折損する確率が極めて高くなるからである。このような炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル繊維を原料とするPAN系の高弾性炭素繊維が好適である。
プリプレグ22aの厚さは、0.125mm以下であることが好ましい。プリプレグ22aの厚さが0.125mmより大きいと、ゴルフクラブシャフト細径部のシャフトの剛性が高くなり過ぎて、フィーリングが良くなかったり、ヘッドのトゥダウンが抑制され過ぎて、ヘッドの中央より下部にボールがヒットし易くなり、打ち出し角度が低く、バックスピン量の多い弾道になるため、飛距離の損失につながり易い。
プリプレグ22bに用いられる炭素繊維は、炭素繊維の弾性率が100GPa以下である必要がある。弾性率が100GPaより大きいと、この部位のシャフトの剛性が高くなり過ぎて、フィーリングが良くなかったり、ヘッドのトゥダウンが抑制され過ぎて、ヘッドの中央より下部にボールがヒットし易くなり、打ち出し角度が低く、バックスピン量の多い弾道になるため、飛距離の損失につながり易い。このような炭素繊維としては、ピッチを原料とするピッチ系の低弾性炭素繊維が好適である。
プリプレグ22bの厚さは、0.125mm以下であることが好ましい。プリプレグ22aの厚さが0.125mmより大きいと、この部位のシャフトの剛性が高くなり過ぎて、フィーリングが良くなかったり、ヘッドのトゥダウンが抑制され過ぎて、ヘッドの中央より下部にボールがヒットし易くなり、打ち出し角度が低く、バックスピン量の多い弾道になるため、飛距離の損失につながり易い。
以上のように説明した本発明の一実施形態例であるゴルフクラブ用シャフトによれば、シャフトの細径端部乃至距離Laに亘る部分(少なくともシャフトの細径端から100mmに亘る部分。)に、弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向されたプリプレグ22a(第1の繊維強化樹脂層)を配置しているため、ボールを打撃する瞬間のシャフトの変形を極力抑えることが出来るので、安定した打ち出し角度、スピン量を得ることが可能である。また、このゴルフクラブ用シャフトによれば、少なくともシャフトの細径端部からの距離La+Lc乃至細径端部からの距離La+Lc+Lbに亘る部分(少なくともシャフトの細径端から150mm〜200mmに亘る部分。)に、弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向されたプリプレグ22b(第2の繊維強化樹脂層)を配置しているため、高い曲げ強度を有し、折損する確率が非常に少ないゴルフクラブ用シャフトを得ることが出来る。
本発明の構成は、ゴルフクラブの長さが1041mm〜1219mm、シャフトの質量が40g〜85gのいわゆるウッド用のゴルフクラブシャフトに適用することで、その効果がより十分に発揮される。
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、大型ヘッドとの組み合わせにも好適である。大型ヘッドとしては、体積が380cm〜460cm、慣性モーメント3500g・cm〜5900g・cmの大型ヘッドが挙げられる。本発明のゴルフクラブ用シャフトは、このような大型ヘッドを装着しても、安定した打ち出し角度、スピン量を得ることが可能である。
次に、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1および比較例1、2で作製したゴルフクラブ用シャフトの材料を以下に示す。
プリプレグA:炭素繊維プリプレグ HRX350C125S(厚さ0.098mm、三菱レイヨン株式会社製)
プリプレグB:炭素繊維プリプレグ E052AA−10N(厚さ0.109mm、日本グラファイトファイバー株式会社製)
プリプレグC:炭素繊維プリプレグ TR350C100S(厚さ0.084mm、三菱レイヨン株式会社製)
プリプレグD:炭素繊維プリプレグ MR350C175S(厚さ0.141mm、三菱レイヨン株式会社製)
プリプレグE:炭素繊維プリプレグ MR350C150S(厚さ0.127mm、三菱レイヨン株式会社製)
プリプレグF:炭素繊維プリプレグ TR350C150S(厚さ0.127mm、三菱レイヨン株式会社製)
プリプレグG:炭素繊維プリプレグ MR350E125S(厚さ0.113mm、三菱レイヨン株式会社製)
(実施例1)
<マンドレル>
図2に示す形状のマンドレル10(鉄製)を用意した。このマンドレル10は、全体の長さL3にあって、その細径端P1から長さL1の位置(切換点)P2まで、その外径が直線的に漸増し、切換点P2から長さL2の大径端P3まで、その外径は一定である、鉄製の円筒体からなる。本実施例による前記マンドレル10の各部位における具体的な外径、長さ、テーパー度は以下のとおりである。
細径端P1の外径は4.00mm、切換点P2の外径は13.50mm、この切換点P2から太径端P3までは同一外径であり、その外径は13.50mmである。細径端P1から切替点P2までの長さL1は950mm、切替点P2から太径端P3までの長さL2は550mmである。マンドレル10の全体長さL3は1500mmとなる。また、細径端P1から切替点P2までのテーパー度は10.00/1000とされている。
<プリプレグの裁断および巻きつけ>
図3のパターン1〜7に示す形状に各種プリプレグ(プリプレグA〜G)を裁断した。
すなわち、パターン1では、シャフトの長手軸方向に対し+45°裁断したプリプレグAと−45°に裁断したプリプレグAとを実質的に半周ずれるようずらして貼り合わせた。そして、この2枚を貼り合わせたプリプレグAのサイズを、全長が1190mmで、細径端部の巻き回数が5.5、太径端部の巻き回数が2.8となるよう調整した。
パターン2では、プリプレグAおよびBのサイズを、シャフトの長手軸方向に繊維が配向し、図3中のLa、Lb、Lc、Ldが、それぞれ、La=110mm、Lb=80mm、Lc=30mm、Ld=60mmであり、巻き回数は1回となるよう調整した。なお、図3のパターン2のプリプレグAとプリプレグBとは、その切断面とが突き合わされて、プリプレグAおよびプリプレグBの片面に貼られている剥離紙の上からテープ止めされている。この剥離紙およびテープは、このパターン2のプリプレグAおよびプリプレグBを後述のマンドレルの巻きつけした後に剥離される。
パターン3では、プリプレグCのサイズを、シャフトの長手軸方向に繊維が配向し、全長が600mmであり、巻き回数が1回となるよう調整した。
パターン4〜6では、プリプレグD〜Fのサイズを、シャフトの長手軸方向に繊維が配向し、全長が1190mmであり、巻き回数が1回となるよう調整した。
パターン7では、プリプレグGのサイズを、シャフトの長手軸方向に繊維が配向し、細径端部の外径が8.70mm程度になるよう調整した。
なお、図3のパターン1〜7に示すプリプレグA〜Gは、図1のパターン1〜7に示すプリプレグ21〜27にそれぞれ相当する。
次に、それぞれ裁断したプリプレグをパターン1〜7の順番にマンドレル10に巻き付けた。巻き付けは、マンドレルの細径端部から20mmを巻き付けの端部とした。
次に、厚さ20μm、幅30mmの熱収縮性を有するポリプロピレンテープ(不図示)を巻き付けピッチ2mmで巻き付け固定し、マンドレル10に形成したシャフト素管を得た。
<樹脂の硬化、およびシャフト素管表面の研磨>
シャフト素管を硬化炉に入れ、145℃で2時間加熱してプリプレグの樹脂の硬化処理を行った後、ポリプロピレンテープとマンドレル10とを取り除いた。得られたゴルフクラブ用シャフト素管の両端を10mmカットして全長を1170mmとした。研磨前のシャフトの片持ちフレックス(細径端から920mmの位置を固定して、シャフト細径端から10mmの位置に3kgの錘を掛けたときのシャフト細径端のたわみ量)は133mmであった。また研磨前のゴルフクラブ用シャフト素管の細径端の外径は8.77mm、太径端の外径は15.46mmであった。
このゴルフクラブ用シャフト素管を、細径端の外径が8.50mm、片持ちフレックスが148mmとなるよう、円筒研磨機で表面の研磨仕上げを行い、実施例1のゴルフクラブ用シャフトを得た。
実施例1のゴルフクラブ用シャフトの質量は68.1g、シャフトのねじれ角(シャフト細径端から1035mmの位置を固定し、シャフト細径端〜シャフト細径端から50mmの位置に、138.5kgf・mmのトルクを掛けたとき、シャフトがねじれた角度。)は3.3度であった。
<ゴルフクラブヘッド、およびグリップの取り付け>
実施例1のゴルフクラブ用シャフトに、市販のチタン製ドライバー用ゴルフクラブヘッド(体積430cm3、質量203g、ロフト角10.5°)をエポキシ樹脂接着剤で細径端部に取り付けた。さらに、シャフト太径端部を75mmカットし、このシャフトに市販のゴム製グリップを、両面テープを使って取り付け、実施例1のゴルフクラブを製作した。
<打球の評価>
実施例1のゴルフクラブを株式会社ミヤマエ製ゴルフ試打ロボット「SHOTROBO−IV」を用いてゴルフボールを10回打球し、AccuSport社製「AccuVector」にて飛距離計測等の測定を実施した。測定した結果を表1に示す。なお、表1中、サイドスピンの平均値は、右回転(フック)を正(+)とし、かつ左回転(スライス)を負(−)として、10回の打球で測定されたそれらの値を足して合算値を算出し、その合算値を打球の回数(10回)で除することで求められた。
<3点曲げ試験>
実施例1のゴルフクラブ用シャフトを、製品安全協会が定める「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及び基準確認方法」におけるC型シャフトの3点曲げ試験方法に従って3点曲げ試験を実施した。なお、今回は「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及び基準確認方法」における荷重点位置T(シャフト細径端部から90mm)と荷重点位置A(シャフト細径端部から175mm)の試験を各3本ずつ実施した。図4に、この3点曲げ強度の試験装置の概略を示す。また、シャフトの3点曲げ強度を測定した結果を表2に示す。
(比較例1)
図5に示すようにパターン2をプリプレグAのみで実施例1と同じサイズに裁断した以外は、実施例1と同様にシャフトを作製し、各評価を実施した。評価結果を表1、表2に示す。
(比較例2)
図6に示すようにパターン2をプリプレグBのみで実施例1と同じサイズに裁断した以外は、実施例1と同様にシャフトを作製し、各評価を実施した。評価結果を表1、表2に示す。
Figure 2009189554
Figure 2009189554
表1の通り、実施例1におけるゴルフクラブ用シャフトを用いたゴルフクラブでは、打ち出し角度、バックスピン量が最も安定しており、その結果、平均した飛距離も最も大きい結果となった。比較例1においては、打ち出し角度、サイドスピン量については安定していたが、バックスピン量が増大したため、平均飛距離を損失する結果となった。また、比較例2においては、ヘッドの挙動が安定せず、フックが強くなり、平均飛距離を損失する結果となった。
表2の通り、実施例1および比較例2におけるゴルフクラブ用シャフトでは、荷重点位置T、A共に、バランス良く高い3点曲げ強度を有しているのに対し、比較例2におけるゴルフクラブ用シャフトでは、荷重点位置Tにおいては、高い3点曲げ強度を有しているものの、荷重点位置Aにおいては、前者と比較して低い結果となった。
このように、実施例1におけるゴルフクラブ用シャフトでは、高い3点曲げ強度を有し、かつ安定した打ち出し角度、安定したバックスピン量を得ることが出来る。
本発明のゴルフクラブ用シャフトの一実施形態例を示すプリプレグの裁断形状と、巻き付け順序とを示す説明図である。 マンドレル10の概略説明図である。 実施例1におけるゴルフシャフトの製作に用いたプリプレグの裁断形状と、芯金10への巻き付け順序とを示す説明図である。 ゴルフクラブ用シャフトの3点曲げ試験装置の概略図である。 比較例1におけるゴルフシャフトの製作に用いたプリプレグの裁断形状と、芯金10への巻き付け順序とを示す説明図である。 比較例2におけるゴルフシャフトの製作に用いたプリプレグの裁断形状と、芯金10への巻き付け順序とを示す説明図である。
符号の説明
22a プリプレグ(第1の繊維強化樹脂層)
22b プリプレグ(第2の繊維強化樹脂層)

Claims (3)

  1. 複数の繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトであって、
    少なくともその細径端乃至100mmに亘る部分に、弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向された第1の繊維強化樹脂層を有し、かつ少なくともその細径端から150mm乃至200mmに亘る部分に、弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向された第2の繊維強化樹脂層を有し、
    前記第1の繊維強化樹脂層と、前記第2の繊維強化樹脂層とは、重ね合わされないように配置されているゴルフクラブ用シャフト。
  2. 前記弾性率が350GPa以上、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向された前記第1の繊維強化樹脂層の厚さが、0.125mm以下である請求項1記載のゴルフクラブ用シャフト。
  3. 前記弾性率が100GPa以下、引張伸度が1.2%以上である炭素繊維がシャフト軸方向に配向された前記第2の繊維強化樹脂層の厚さが、0.125mm以下である請求項1又は2に記載のゴルフクラブ用シャフト。
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