JP2009189246A - 乳脂含有水中油型乳化物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構成脂肪酸組成においてC16〜18の飽和脂肪酸の含有量が30〜80質量%で且つC6〜14の飽和脂肪酸の含有量が10質量%以下である油脂A、構成脂肪酸組成においてC6〜14の飽和脂肪酸の含有量が50質量%以上である油脂B、及び乳脂を混合して、構成脂肪酸組成において、C16〜18の飽和脂肪酸とC6〜14の飽和脂肪酸との質量比率が40〜60:60〜40であり、且つトランス型脂肪酸が5質量%未満である油相を調製し、該油相と水相とを乳化する乳脂含有水中油型乳化物の製造方法。
【選択図】なし
Description
特許文献1には、SUS型トリグリセリドに富む油脂とラウリン系油脂を含む乳化物(A)と、乳脂含有乳化物(B)を混合する低油分クリームの製造法が記載されている。特許文献1の課題を解決するための手段の項には、全原料を合一的に乳化するのではなく、上記特定油脂の乳化物(乳化物(A))と生クリーム(乳脂含有乳化物(B))とを別個に調製した後、混合すること、すなわち互いの油滴粒子がほとんど一体化しないことにより、ホイップ性が良好で、常温耐性に優れ、口溶けがよく、かつ、風味、コク味とも天然の生クリームに劣らない低油分クリームが作成できたことが記載されている。
このように2つの乳化物を別個に調製した後、両者を混合するという特許文献1に記載の製造法は、工程が煩雑であるという欠点がある。特許文献1に記載の製造法において、全原料を合一的に乳化すると、得られた乳化物の安定性が悪く、乳化物が増粘してしまう。この理由は定かではないが、経験的に乳化物に部分硬化油を用いているためであると考えられている。
特許文献2に記載の水中油型乳化物用油脂は、エステル交換油中のパーム系油脂の割合が多いため、ホイップしたクリームのモドリ現象を抑制する効果を有するC6〜C14の飽和脂肪酸の含有量が構成脂肪酸組成中において少ない。乳脂を含有する水中油型乳化物をホイップしたクリームは、ホイップ後にモドリ現象を強く引き起こすが、特に高含量の乳脂を含む水中油型乳化物において、特許文献2に記載の水中油型乳化物用油脂を使用した場合、水中油型乳化物中のC6〜C14の飽和脂肪酸含有量が少ないために、ホイップしたクリームのモドリ現象を十分に抑制できないという問題があった。
特許文献3に記載のホイップクリーム用油脂組成物は、構成脂肪酸に炭素数20〜24の飽和脂肪酸を含むことを特徴としているため、該ホイップクリーム用油脂組成物をホイップしたクリームは、口どけが悪くなるという欠点があった。
また、本発明のさらなる目的は、乳脂含有水中油型乳化物そのものが増粘しにくく、しかも、ホイップすると、モドリ現象、シマリ現象が起こりにくく、且つ口どけが良好なホイップクリームとなる乳脂含有水中油型乳化物を提供することにある。
先ず、本発明の製造方法では、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸の含有量が30〜80質量%で且つC6〜C14の飽和脂肪酸の含有量が10質量%以下である油脂A、構成脂肪酸組成においてC6〜C14の飽和脂肪酸の含有量が50質量%以上である油脂B、及び乳脂を混合し、さらに必要によりその他の原料を混合して、油相を用意する。このとき、該油相は、構成脂肪酸組成において、C16〜18の飽和脂肪酸とC6〜14の飽和脂肪酸との質量比率(前者:後者)が40〜60:60〜40で、且つトランス型脂肪酸が5質量%未満となるように調製する。
一方、水に必要によりその他の原料を加えた水相を用意する。
本発明の製造方法において、上記の水相と油相との質量比率(前者:後者)は、好ましくは80〜40:20〜60、さらに好ましくは70〜50:30〜50、最も好ましくは65〜55:35〜45である。
本発明の製造方法では、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸の含有量が30〜80質量%、好ましくは35〜70質量%、さらに好ましくは35〜65質量%であり、且つ構成脂肪酸組成において、C6〜C14の飽和脂肪酸を10質量%以下、好ましくは5質量%、さらに好ましくは2質量%以下である油脂Aを用いる。油脂Aの構成脂肪酸組成において、C6〜C14の飽和脂肪酸は少ないほど好ましい。
上記油脂Aの構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸の含有量が30質量%よりも少ないと、乳脂含有水中油型乳化物をホイップしたクリームが硬化するシマリ現象を起こし、また耐熱性が劣る物性になり、80質量%よりも多いと、乳脂含有水中油型乳化物をホイップしたクリームの口どけが悪くなる。
上記油脂Aの構成脂肪酸組成においてC6〜C14の飽和脂肪酸の含有量が10質量%よりも多いと、ホイップしたクリームが硬化するシマリ現象が起きる。
本発明の製造方法において油脂Bを用いないと、乳脂含有水中油型乳化物をホイップしたクリームが軟化するモドリ現象を起こしやすくなる。
上記油脂Bの構成脂肪酸組成においてC6〜C14の飽和脂肪酸の含有量が50質量%よりも少ないと、乳脂含有水中油型乳化物をホイップしたクリームのモドリ現象を抑制する効果が得られない。
上記油脂Cは、構成脂肪酸組成において、C18〜C20の不飽和脂肪酸をさらに好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上含有することが望ましい。
本発明の製造方法では、油相中の構成脂肪酸組成において、C16〜18の飽和脂肪酸とC6〜14の飽和脂肪酸の質量比率が40〜60:60〜40の範囲を外れ、C16〜18の飽和脂肪酸の割合が多くなるとホイップしたクリームが軟化するモドリ現象が起こりやすくなり、C6〜14の飽和脂肪酸の割合が多くなるとホイップしたクリームが硬化するシマリ現象が起こりやすくなる。
本発明の製造方法では、油相中の構成脂肪酸組成において、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸との質量比率が50〜90:50〜10の範囲を外れ、飽和脂肪酸の割合が大きくなると、乳脂含有水中油型乳化物が増粘しやすく、不飽和脂肪酸の割合が多くなると、乳脂含有水中油型乳化物をホイップする際のホイップタイムが長くなりやすい。
本発明の製造方法において、油相中の乳脂以外のSUS型トリグリセリドの含有量が10質量%以上であると、乳脂含有水中油型乳化物をホイップしたクリームのモドリ現象が起こりやすくなるため好ましくない。
尚、乳脂のSUS型トリグリセリドの含有量については、現段階では正確な定量が困難であるため、ここでは、乳脂以外の油脂に由来するSUS型トリグリセリドの含有量とした。
上記の乳原料の乳固形分(乳由来の固形分)中のリン脂質の含有量は、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である。
先ず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いることができる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
先ず、バターを溶解機で溶解し、熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いることができる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
先ず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。図1にFolch法のフローを示す。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から、以下の計算式を用いて、乳原料の乳固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳原料−乳原料の水分(g))〕×25.4×(0.1/1000)
本発明の製造方法において上記乳化剤の含有量は、好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、最も好ましくは0.6質量%以下である。
本発明の製造方法において上記安定剤の含有量は、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、最も好ましくは0.05質量%以下である。
上記の乳蛋白質としては、ホエイ蛋白質のみ、カゼイン蛋白質のみ、カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質との併用のいずれでもよいが、ホエイ蛋白質とカゼイン蛋白質とを併用するのが好ましい。
本発明の製造方法において上記糖類の含有量は、好ましくは固形分として1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である。
構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を37.7質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を1.4質量%含有するパームスーパーオレインのランダムエステル交換油を2.3質量%、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を37.7質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を1.4質量%含有するパームスーパーオレイン2.3質量%、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を10.3質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を82.4質量%含有するパーム核硬部油10.5質量%、バター由来の乳脂20質量%、キサンタンガム0.01質量%、グァーガム0.03質量%、脱脂粉乳6質量%、トータルミルクプロテイン(TMP)1質量%、モノグリセリド0.04質量%、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル0.1質量%、レシチン0.15質量%、及びソルビタン脂肪酸エステル0.15質量%を混合し、油相とした。この油相のC16〜18の飽和脂肪酸とC6〜14の飽和脂肪酸の質量比率は47.1:52.9で、トランス型脂肪酸の含有量は2.2質量%であった。また、油相の乳脂以外の油脂由来のSUS型トリグリセリドの含有量は2.3質量%であった。一方、水57.32質量%とショ糖脂肪酸エステル0.1質量部を混合し、水相とした。
予備乳化後30MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度30MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、本発明に係る乳脂含有水中油型乳化物を得た。
得られた乳脂含有水中油型乳化物を20℃で1時間調温した後、回転速度160min-1で10分間振盪による衝撃を与えたが増粘しなかった。また、得られた乳脂含有水中油型乳化物を、5、15℃の温度で1時間調温した後、ホイッパーをつけたホバートミキサーを用い、低速にて1分間攪拌してホイップしたところ、ホイップしたクリームが軟化してしまうモドリや、ホイップしたクリームが硬化してしまうシマリ現象はみられなかった。
構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を37.7質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を1.4質量%含有するパームスーパーオレインのランダムエステル交換油8.7質量%、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を37.7質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を1.4質量%含有するパームスーパーオレイン7.5質量%、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を10.3質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を82.4質量%含有するパーム核硬部油8.7質量%、バター由来の乳脂10質量%、キサンタンガム0.01質量%、グァーガム0.03質量%、脱脂粉乳6質量%、トータルミルクプロテイン(TMP)1質量%、モノグリセリド0.04質量%、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル0.1質量%、レシチン0.15質量%、及びソルビタン脂肪酸エステル0.15質量%を混合し、油相とした。この油相のC16〜18の飽和脂肪酸とC6〜14の飽和脂肪酸の質量比率は54.3:45.7で、トランス型脂肪酸の含有量は1.5質量%であった。また、油相の乳脂以外の油脂由来のSUS型トリグリセリドの含有量は7.9質量%であった。一方、水57.52質量%とショ糖脂肪酸エステル0.1質量部を混合し、水相とした。
得られた乳脂含有水中油型乳化物を20℃で1時間調温した後、回転速度160min-1で10分間振盪による衝撃を与えたが増粘しなかった。また、得られた乳脂含有水中油型乳化物を、5、15℃の温度で1時間調温した後、ホイッパーをつけたホバートミキサーを用い、低速にて1分間攪拌してホイップしたところ、ホイップしたクリームが軟化してしまうモドリや、ホイップしたクリームが硬化してしまうシマリ現象はみられなかった。
構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を37.7質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を1.4質量%含有するパームスーパーオレイン3.8質量%、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を32.7質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を50.6質量%含有するパーム極度硬化油とパーム核油のランダムエステル交換油11.4質量%、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を10.3質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を82.4質量%含有するパーム核硬部油3.8質量%、バター由来の乳脂16質量、キサンタンガム0.01質量%、グァーガム0.03質量%、脱脂粉乳6質量%、トータルミルクプロテイン(TMP)1質量%、モノグリセリド0.04質量%、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル0.1質量%、レシチン0.15質量%、及びソルビタン脂肪酸エステル0.15質量%を混合し、油相とした。この油相のC16〜18の飽和脂肪酸とC6〜14の飽和脂肪酸の質量比率は50.3:49.7で、トランス型脂肪酸の含有量は2.2質量%であった。また、油相の乳脂以外の油脂由来のSUS型トリグリセリドの含有量は3質量%であった。
一方、水54.72質量%に、乳糖2質量%、ショ糖脂肪酸エステル0.1質量%及びクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%)0.7質量%を混合し、水相とした。
得られた乳脂含有水中油型乳化物を20℃で1時間調温した後、回転速度160min-1で10分間振盪による衝撃を与えたが増粘しなかった。また、得られた乳脂含有水中油型乳化物を、5、15℃の温度で1時間調温した後、ホイッパーをつけたホバートミキサーを用い、低速にて1分間攪拌してホイップしたところ、ホイップしたクリームが軟化してしまうモドリや、ホイップしたクリームが硬化してしまうシマリ現象はみられなかった。
構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を37.7質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を1.4質量%含有するパームスーパーオレインのランダムエステル交換油6.4質量%、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を10.3質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を82.4質量%含有するパーム核硬部油9.8質量%、構成脂肪酸組成においてC18〜C20の不飽和脂肪酸を84.7質量%含む大豆油を2.8質量%、バター由来の乳脂16質量%、キサンタンガム0.01質量%、グァーガム0.03質量%、脱脂粉乳6質量%、トータルミルクプロテイン(TMP)1質量%、モノグリセリド0.04質量%、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル0.1質量%、レシチン0.15質量%、及びソルビタン脂肪酸エステル0.15重量%を混合し、油相とした。この油相のC16〜18の飽和脂肪酸とC6〜14の飽和脂肪酸の質量比率は48.3:51.7で、トランス型脂肪酸の含有量は2.2質量%であった。また、油相の植物油脂由来のSUS型トリグリセリドの含有量は1.5質量%であった。一方、水57.42質量%とショ糖脂肪酸エステル0.1質量部を混合し、水相とした。
得られた乳脂含有水中油型乳化物を20℃で1時間調温した後、回転速度160min-1で10分間振盪による衝撃を与えたが増粘しなかった。また、得られた乳脂含有水中油型乳化物を、5、15℃の温度で1時間調温した後、ホイッパーをつけたホバートミキサーを用い、低速にて1分間攪拌してホイップしたところ、ホイップしたクリームが軟化してしまうモドリや、ホイップしたクリームが硬化してしまうシマリ現象はみられなかった。
構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を37.7質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を1.4質量%含有するパームスーパーオレイン2質量%、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を10.3質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を82.4質量%含有するパーム核硬部油17質量%、バター由来の乳脂16質量%、キサンタンガム0.01質量%、グァーガム0.03質量%、脱脂粉乳6質量%、トータルミルクプロテイン(TMP)1質量%、モノグリセリド0.04質量%、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル0.1質量%、レシチン0.15質量%、及びソルビタン脂肪酸エステル0.15質量%を混合し、油相とした。この油相のC16〜18の飽和脂肪酸とC6〜14の飽和脂肪酸の質量比率は35.4:64.6で、トランス型脂肪酸の含有量は1.8質量%であった。また、油相の乳脂以外の油脂由来のSUS型トリグリセリドの含有量は1.6質量%であった。一方、水57.42質量%とショ糖脂肪酸エステル0.1質量部を混合し、水相とした。
得られた乳脂含有水中油型乳化物を20℃で1時間調温した後、回転速度160min-1で10分間振盪による衝撃を与えたが増粘しなかった。しかし、得られた乳脂含有水中油型乳化物を、5、15℃の温度で1時間調温した後、ホイッパーをつけたホバートミキサーを用い、低速にて1分間攪拌してホイップしたところ、ホイップしたクリームが硬化してしまうシマリ現象が見られ、ホイップしたクリームにボソツキ、ひび割れがみられた。
構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を37.7質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を1.4質量%含有するパームスーパーオレインのランダムエステル交換油10.5質量%、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を37.7質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を1.4質量%含有するパームスーパーオレイン3.8質量%、構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸を10.3質量%、C6〜C14の飽和脂肪酸を82.4質量%含有するパーム核硬部油4.8質量%、バター由来の乳脂20質量%、キサンタンガム0.01質量%、グァーガム0.03質量%、脱脂粉乳6質量%、トータルミルクプロテイン(TMP)1質量%、モノグリセリド0.04質量%、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル0.1質量%、レシチン0.15質量%、及びソルビタン脂肪酸エステル0.15質量%を混合し、油相とした。この油相のC16〜18の飽和脂肪酸とC6〜14の飽和脂肪酸の質量比率は63.1:36.9で、トランス型脂肪酸の含有量は2.2質量%であった。また、油相の乳脂以外の油脂由来のSUS型トリグリセリドの含有量は4.8質量%であった。一方、水53.32質量%とショ糖脂肪酸エステル0.1質量部を混合し、水相とした。
得られた乳脂含有水中油型乳化物を20℃で1時間調温した後、回転速度160min-1で10分間振盪による衝撃を与えたところ、3分で増粘してしまった。また、得られた乳脂含有水中油型乳化物を、5、15℃の温度で1時間調温した後、ホイッパーをつけたホバートミキサーを用い、低速にて1分間攪拌してホイップしたところ、ホイップしたクリームが軟化してしまうモドリ現象が見られ、ホイップしたクリームがダレてしまった。
Claims (4)
- 構成脂肪酸組成においてC16〜C18の飽和脂肪酸の含有量が30〜80質量%で且つC6〜C14の飽和脂肪酸の含有量が10質量%以下である油脂A、構成脂肪酸組成においてC6〜C14の飽和脂肪酸の含有量が50質量%以上である油脂B、及び乳脂を混合して、構成脂肪酸組成において、C16〜C18の飽和脂肪酸とC6〜C14の飽和脂肪酸との質量比率が40〜60:60〜40であり、且つトランス型脂肪酸が5質量%未満である油相を調製し、該油相と水相とを乳化する乳脂含有水中油型乳化物の製造方法。
- 上記油相中、上記油脂Aの含有量が0.1〜70質量%、上記油脂Bの含有量が10〜90質量%、上記乳脂の含有量が10〜86質量%である請求項1記載の乳脂含有水中油型乳化物の製造方法。
- 上記油相の調製の際に、さらに、構成脂肪酸組成においてC18〜C20の不飽和脂肪酸の含有量が70〜100質量%である油脂Cを混合する請求項1又は2記載の乳脂含有水中油型乳化物の製造方法。
- 部分硬化油を使用しない請求項1〜3のいずれかに記載の乳脂含有水中油型乳化物の製造方法。
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