JP2009186645A - ディスプレイ基板用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスプレイ製造工程においては薬品処理や高温処理に耐え、かつ製造後には高いガスバリア性を有し、最終製品にはシリコーン樹脂層が残らないようにし、薄い、軽い、ベンダブル、フレキシブルなどの特徴を有するディスプレイを製造するに適したディスプレイ基板用部材を提供する。
【解決手段】厚さ10μm以上75μm以下のガラス板、厚さ1μm以上500μm以下のシリコーン樹脂層、支持体がこの順に積層され、支持体が金属シートまたはプラスチックシートであるディスプレイ基板用部材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどの薄型ディプレイ用基板用部材に関する。
テレビ、パソコン、携帯電話、携帯用オーディオビジュアル機器、PDA(Personal Digital Assistant)、電子ペーパーなどの用途において、薄型軽量のディスプレイが非常に多く用いられるようになっており、今後も一層の需要拡大が予想されている。さらには、フレキシブル、ベンダブルという付加価値をアップさせた薄型ディスプレイの市場形成も期待されている。
フレキシブルディスプレイを実現するためには、基板にはフレキシブルであること以外にも、表示方式、用途により求められる耐久性に依存するが、表示材料の劣化抑制のための水蒸気や酸素などに対するガスバリア性が求められる。またこれ以外にも製造プロセスに対する耐性としての耐熱性や耐薬品性などが基板材料に求められる。
上記のような要求に対するものとして、ポリカーボネートフィルムやポリエステルフィルムなどの透明プラスチックフィルム上にガスバリア層を形成した材料が提案されている(特許文献1、2参照)。このような材料ではフレキシブル性を容易に得るこができるが、有機ELディスプレイなどに求められる水蒸気透過率10-6g/m/日というレベルを達成するのが困難であったり、基板上に形成して透明電極として用いられるITOの抵抗率を十分に小さくするための基板温度220℃程度のプロセスに耐えることが困難であることなどの問題点がある
一方、厚さ50μmのガラス上にシリコーンポリマーを形成する技術が提案されている(特許文献3参照)。このような材料では、条件や材料選定によりフレキシブル性、ガスバリア性、耐熱性のいずれをも達成しうるディスプレイ用基板を得ることができると考えられる。しかしながらこの技術によるものでは、基板上からシリコーンポリマー層を取り除くことができないため、シリコーンポリマー層面をディスプレイ内側面として用いる場合はシリコーンポリマー層上への配線層形成が困難であることや、シリコーンポリマー層面をディスプレイ外側面(大気側面)として用いる場合は、シリコーンポリマー表面の低接着性のため、光学フィルムやハードコート層を設けることが困難であるという課題がある。また、シリコーン樹脂層を最終製品に残す場合においても、ガラスとシリコーン樹脂の複合体が柔らかいために、ガラス上への素子形成工程でのハンドリングが難しい、微細加工時の位置制度が出にくいなどの課題がある。
また、ガラス板を支持体としてその上にシリコーン樹脂層を形成する技術としては特許文献4の技術が知られている。この技術においてもガラス板を支持体とするため、シリコーン樹脂層を取り除くことができない。
特開2000−338901号公報(特許請求の範囲) 特開2007−268711号公報(特許請求の範囲) 特表2002−534305号公報(特許請求の範囲) 特開2007−67382号公報(特許請求の範囲)
本発明は、軽量で、フレキシブルで、耐熱性があり、ガスバリア性が高い薄型ディスプレイに適した基板用部材を提供する。
すなわち本発明は、厚さ10μm以上75μm以下のガラス板、厚さ1μm以上500μm以下のシリコーン樹脂層、支持体がこの順に積層され、支持体が金属シートまたはプラスチックシートであるディスプレイ基板用部材である。
本発明によれば、ディスプレイ製造工程においては薬品処理や高温処理に耐え、かつ製造後には高いガスバリア性を有し、最終製品にはシリコーン樹脂層が残らないようにし、薄い、軽い、ベンダブル、フレキシブルなどの特徴を有するディスプレイを製造するに適したディスプレイ基板用部材を提供できる。
本発明のディスプレイ基板用部材は、厚さ10μm以上75μm以下のガラス板、厚さ1μm以上500μm以下のシリコーン樹脂層、支持体がこの順に積層され、支持体が金属シートまたはプラスチックシートであるものである。
本発明のディスプレイ基板用部材は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマパネルディスプレイ、電子ペーパーなどの薄型ディスプレイなどを製造する際に用いられるもので、支持体上にシリコーン樹脂層を介して積層された薄ガラス板の上に、通常のフラットパネル製造の工程である透明電極形成、TFT形成、カラーフィルター加工などを行うことができる。最終加工の後、もしくは複数の加工の間の段階で、プロセスに応じて、支持体やシリコーン樹脂層を薄ガラス板から剥離することで、薄ガラス板からなる軽量、フレキシブル、高いガスバリア性、透明性を有するディスプレイ基板を実現することができる。
本発明に用いられる金属シートは、厚さが薄く箔状でフレキシブル性のあるものでも、フレキシブル性のない板状のもののいずれでも良い。フレキシブル性を有する場合は、ガラス板から金属シートを剥離する際に、例えばステッカーを離型紙から剥がすような剥離ができるため、薄ガラス板にあまり曲げ応力を掛けることなく金属シートを曲げながらシート面に垂直な成分を有する方向にはがすことができるという利点がある。金属シートの柔軟性が高ければ高いほど、剥離時に薄ガラス板にかかる応力は小さくすることができる。また基板用部材としてフレキシブル性に富むために、ロール・ツー・ロールの製造に対応できるという利点もある。一方、金属シートに柔軟性があまりない場合は、フラットパネル製造の工程において基板のハンドリングが容易で、基板用部材としての寸法安定性が高く微細加工を適用しやすいという利点がある。柔軟性のあまりない金属シートの剥離を行う場合は、シリコーン樹脂層を溶剤で膨潤させて接着力を弱めるなどの処理を行うことで、剥離時に薄ガラス板にかかる応力を低減させることができる。その他、金属シートを薬液で溶解させて取り除くということも可能である。
本発明に用いられる金属シートの材質は特に限定されないが、例えば、銅、アルミ、鉄、亜鉛、ニッケル、クロム、金、銀やこれらの合金、ステンレススチールなどを好ましく用いることができる。強度、線膨張率、耐薬品性、コストなどの要求特性の点から適宜選択することができる。
本発明に用いられる金属シートの厚さは特に限定されない。フレキシブル性を高めるためには厚さ100μm以下が好ましく、強度を確保するためには1μm以上であることが好ましい。
本発明に用いられるプラスチックシートは、厚さが薄くフィルム状でフレキシブル性があるものでも、フレキシブル性がない板状のもののいずれでも良い。フレキシブル性を有する場合は、ガラス板からプラスチックシートを剥離する際に、例えばステッカーを離型紙から剥がすような剥離ができるため、薄ガラス板にあまり曲げ応力を掛けることなくプラスチックシートを曲げながらシート面に垂直な成分を有する方向にはがすことができるという利点がある。プラスチックシートの柔軟性が高ければ高いほど、剥離時に薄ガラス板にかかる応力は小さくすることができる。また基板用部材としてフレキシブル性に富むために、ロール・ツー・ロールの製造に対応できるという利点もある。一方、プラスチックシートに柔軟性があまりない場合は、フラットパネル製造の工程において基板のハンドリングが容易で、基板用部材としての比較的寸法安定性が高く微細加工を適用しやすいという利点がある。柔軟性のあまりないプラスチックシートの剥離を行う場合は、シリコーン樹脂層を溶剤で膨潤させて接着力を弱めるなどの処理を行うことで、剥離時に薄ガラス板にかかる応力を低減させることができる。その他、プラスチックシートを薬液で溶解させて取り除くということも可能である。また、プラスチックシートでは透明な材料を用いた場合は、プラスチックシートを通して薄ガラス板を見通すことができ、フラットパネル製造の工程においてこれを利用したアライメント認識や検査などを行うことが可能となる利点がある。
本発明に用いられるプラスチックシートの材質は特に限定されない。ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデンなどをもちいることができる。
本発明に用いられるプラスチックシートの厚さは特に限定されない。フレキシブル性を高めるためには厚さ500μm以下が好ましく、強度を確保するためには1μm以上であることが好ましく、取り扱いの容易性から25μm以上であることがより好ましい。
本発明に用いられる薄ガラス板は、厚さ10μm以上75μm以下である。厚さ10μm以上になると実用レベル以上の強度を得やすい。厚さ75μm以下となるとフレキシブル性が顕著になり、ベンダブルディスプレイやフレキシブルディスプレイ基板として利用性が高まる。このような薄ガラス板は、SCHOTT AG社のD263TやAF45などのThin glass版として市販品として入手することができる。ディプレイ用途のガラスの材質としては無アルカリガラスが好ましく用いられる。
薄ガラス板のシリコーン樹脂層を形成していない面に、ディスプレイの画素駆動のための透明電極を形成することができる。透明電極形成は、通常のITOの層のスパッタリング成膜とケミカルパターンエッチングにより行うことができる。
シリコーン樹脂層を金属シートまたはプラスチックシートと一緒に薄ガラスから取り除く場合は、シリコーン樹脂層と金属シートまたはプラスチックシートとの接着力をシリコーン樹脂と薄ガラスとの接着力より大きくしておけばよい。これにより金属シートまたはプラスチックシートの剥離を行った際に、剥離界面が薄ガラスとシリコーン樹脂層の間になり、シリコーン樹脂が金属シートまたはプラスチックシートと一緒に薄ガラス基板から剥離される。シリコーン樹脂層剥離後のガラス基板表面に分子レベルで痕跡程度にシリコーン樹脂が残っている場合は、必要に応じて酸素プラズマ処理などを行うことにより、完全にシリコーン樹脂を取り除くことができる。
完全に硬化したシリコーン樹脂表面は一般に他の材料との接着を得にくい表面となるため、シリコーン樹脂層を最表面として利用しない場合は、薄ガラス表面からシリコーン樹脂層を除去したのちに、他の材料を形成することが好ましい。このような場合は、必要に応じて薄ガラス表面に直接、光学機能層をコーティングやフィルム貼り合わせにより形成することができる。
シリコーン樹脂層を薄ガラス上に残して、金属シートまたはプラスチックシートを剥離する場合は、シリコーン樹脂層と金属シートまたはプラスチックシートとの接着力をシリコーン樹脂と薄ガラスとの接着力より小さくしておけばよい。これにより金属シートまたはプラスチックシートの剥離を行った際に、剥離界面がシリコーン樹脂層と金属シートまたはプラスチックシートの間になり、シリコーン樹脂層が薄ガラス上に残り、金属シートまたはプラスチックシートが剥離される。
剥離する界面をシリコーン樹脂層とプラスチックシートまたは金属シートとする場合、シリコーン樹脂と薄ガラスとする場合のいずれにおいても、剥離界面の接着力は、0.01N/cm以上3N/cm以下であることが好ましい。この界面接着力が0.01N/cm以上であると、フラットパネル製造の工程中での意図しない剥離の発生が起きにくく、この界面の接着力3N/cm以下であると剥離時に薄ガラスに損傷を与えにくくなる。ここでいう接着力とは導体層を支持体および硬化したシリコーン樹脂層から90度の方向に50mm/分の速度で剥がした時の応力を示し、測定方法はJIS−C6481の5.7引き剥がし強さ、5.7.3(1)常態での測定に準拠するものである。
本発明で用いられるシリコーン樹脂層とは、シリコーン系樹脂を主成分とし硬化したものである。シリコーン樹脂層を構成するシリコーン樹脂は、以下の(1)と(2)の2種が、配線基板形成用キャリア上で多層配線層を作製する際に必要な耐熱性、耐薬品性に優れる点、作製した多層配線層との剥離性に優れる点で好ましい。
(1)縮合反応によって得られるシリコーン樹脂
このような縮合型シリコーン樹脂を形成する方法としては、主鎖中または主鎖末端に水酸基またはビニル基を有する下記一般式[1]で示される分子量数千〜数十万の線状有機ポリシロキサンを架橋剤により架橋する方法が一般的である。
Figure 2009186645
nは2以上の整数、R、Rは炭素数1〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜50の置換あるいは非置換のアリール基の群から選ばれる少なくとも一種であり、それぞれ同一でも、異なっていてもよい。R、Rの全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化フェニルであり、全体の60%以上がメチル基であるものが好ましい。
このような線状有機ポリシロキサンは、有機過酸化物を添加して熱処理を施すことにより、さらに架橋したシリコーン樹脂とすることもできる。このような線状有機ポリシロキサンは、一般式[2]に示されるような架橋剤を添加することにより架橋させることができる。
Figure 2009186645
qは0〜2の整数であり、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされた基を示し、それらはハロゲン原子、アミノ基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、(メタ)アクリルオキシ基、チオール基などの官能基を置換基として有していてもよい。Zは水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム基、アミド基、アミノオキシ基、アミノ基、グリシジル基、メタクリル基、アリル基、ビニル基などを有するアセトキシシラン、ケトオキシムシラン、アルコキシシラン、アミノシラン、アミドシランなどが挙げられるが、これらに限定されない。
このような縮合型シリコーン樹脂の合成には、錫、亜鉛、鉛、カルシウム、マンガンなどの金属を含んだ化合物などを触媒として添加することは任意である。
(2)付加反応によって得られるシリコーン樹脂
付加型シリコーン樹脂を形成する方法としては、分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物と多価ハイドロジェンポリシロキサン化合物とを反応させる方法が一般的である。分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物としてはα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン、両末端メチル基の(メチルビニルシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体などが挙げられる。多価ハイドロジェンポリシロキサン化合物としては、α,ω−ジメチルポリメチルハイドロジェンシロキサン、両末端メチル基の(メチルポリメチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体などが挙げられる。このような付加型シリコーン樹脂には、白金単体、塩化白金、オレフィン配位白金などを触媒として添加する。
付加型のシリコーン樹脂を支持体上に形成する場合、支持体と硬化した付加型シリコーン樹脂層間の強固な接着力を得るために支持体はリン原子、窒素原子、硫黄原子を含まない支持体を用いることが好ましい。支持体に燐原子、窒素原子、硫黄原子が存在する場合、付加型シリコーン樹脂の硬化不良が生じやすく、長時間の硬化時間が必要となる場合がある。
本発明に用いられるシリコーン樹脂層は、厚さ1μm以上500μm以下であり、より好ましくは3μm以上100μm以下である。シリコーン樹脂層が厚さ1μm以上であると、シリコーン樹脂層の連続膜を作製しやすくなり、3μm以上であると金属シートまたはプラスチックシートとシリコーン樹脂層間の十分な接着力、およびシリコーン樹脂層とガラス板との間の十分な接着力を得やすくなり好ましい。シリコーン樹脂層が500μm以下であると支持体上にシリコーン樹脂層を形成後の反りが発生しにくく、100μm以下になるとシリコーン樹脂層の乾燥時間が短くなり好ましい。
また、本発明で用いるシリコーン樹脂層は硬化後に有機溶剤を吸収し膨潤するという性質を有している。この膨潤によりシリコーン樹脂層を介して支持体上に形成した薄ガラス板を容易に剥離することができる。このシリコーン樹脂層の膨潤率は10重量%以上、500重量%以下の範囲が好ましい。より好ましくは50重量%以上、500重量%以下の範囲である。膨潤率が10重量%以上であると、シリコーン樹脂層を介して支持体上に形成した薄ガラス板の剥離が短時間で行える。膨潤率が500重量%以下であると、シリコーン樹脂層が配線基板に残存するという問題が起きにくくなる。
シリコーン樹脂層を膨潤させる有機溶剤としては、シリコーン樹脂層を前記膨潤率の範囲に入るようにするものであれば特に制限はないが、炭素数5以上の炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、不飽和二重結合基を有するオレフィン炭化水素溶剤など用いることができる。炭素数5以上の炭化水素系溶剤としては、ペンタン、2−メチルブタン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、オクタン、2−メチルヘプタンなどが挙げられる。また、有機溶剤に水を加えたものであっても良い。その他、界面活性剤や消泡剤を添加しても良い。
本発明に用いられる支持体とシリコーン樹脂層との接着力は重要であるので、支持体上にシリコーン樹脂を塗布する前に、支持体とシリコーン樹脂層との十分な接着性を得るための表面処理が施されていてもよく、このような表面処理方法としては、低温プラズマ処理や支持体表面にプライマー層を設けることなどが挙げられる。
上記のプライマー層は、支持体とシリコーン樹脂層との接着力を向上させるものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤、フェノール樹脂系、アクリル系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエステル系、紫外線硬化樹脂系、ウレタン系材料を好ましく用いることができる。特に耐熱性に優れることから、シランカップリング剤、フェノール系、ポリイミド系がより好ましく用いられる。シランカップリング剤としては、高い接着力が得られる点からアミノシラン系のものを好ましく用いることができる。
また、プライマー層を設ける支持体表面をあらかじめ低温プラズマ処理したものを用いても良い。低温プラズマ処理としては、例えば、放電電極としてアルミニウム電極を用い、電極密度250(W・min/m)の条件で支持体にコロナ放電処理を行うことが挙げられる。
本発明のディスプレイ基板用部材は、例えば、次のようにして製造される。まず、必要に応じて接着力向上のため表面をプライマー処理、または低温プラズマ処理した支持体上に、シリコーン樹脂層として構成すべき組成物溶液をリバースコーター、カレンダーロールコーター、ナイフコーター、メーヤバーコーターなどの通常のコーター、あるいはホエラのような回転塗布装置を用いて塗布し、乾燥する。乾燥は、通常60〜180℃の温度で数分間熱処理して行う。
次いで、このようにして得られたディスプレイ基板用部材の硬化したシリコーン樹脂層上に、薄ガラス板を重ね合わせ、プレス、ロールラミネータ等で圧着する。温度および圧力等の条件は任意に選定することができる。このようにしてガスバリア性に優れたフレキシブルなディスプレイ基板用部材を得ることができる。
以下に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
ガスバリア性を水蒸気透過率で評価した。水蒸気透過率は、ディスプレイ用基板部材のガラス面に100nm厚の金属カルシウム膜を蒸着形成し、続いてその上からカルシウム膜の端面まで覆うように300nm厚の金属アルミニウム膜を蒸着形成した。次に真空蒸着装置から取り出し、ディスプレイ基板の端面まで覆うようにAl面側を樹脂でモールドした。これを測定試料とし、40℃、相対湿度90%環境下に置き、ディスプレイ用基板部材のカルシウム蒸着面とは逆の面からカルシウム膜の時間変化を顕微鏡を用いてCCDカメラで撮影した。カルシウムと水の反応は、Ca+2HO→Ca(OH)+Hであり、1molのカルシムは2molの水と反応し水酸化カルシウムが生成する。金属カルシウムが水酸化カルシウムへと変化すると反射率が低下するため、カルシウム膜面の観察により変化量を定量することができる。具体的には、まず、CCDで撮影した画像を2値化し、黒色部分を金属カルシウムが水酸化カルシムに変化した領域とし、黒色部分の面積ともとのカルシウム膜の厚みから水酸化カルシウムの体積を算出した。次いで、比重計算で水酸化カルシウムの重量を求め、これを用いて透過水分量を求めた。
実施例1
支持体として厚さ50μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製:”ルミラー”)を用い、その表面に、下記の組成のプライマー層を、硬化後の膜厚が2μmになるように塗布して150℃×2分間乾燥した後、3kWの超高圧水銀灯(オーク製作所製)を用いUVメーター(オーク製作所ライトメジャータイプUV365)で15mW/cmの照度で5分間露光し硬化させた。
プライマー層組成は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/2−ヒドロキシルエチルアクリレート/メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=20/20/30/30の共重合体100重量部、N−ジメチルホルムアミド250重量部、テトラヒドロフラン650重量部を混合して作製した。
続いて、上記プライマー層の上に、下記の組成のシリコーン樹脂層を、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布して、140℃で2分間熱処理した。シリコーン樹脂は、両末端ビニル基のポリジメチルシロキサン(平均分子量50,000)を100重量部、(CHSiO((Si(CHO)30−(SiH(CH)O)10)Si(CHを6重量部、塩化白金酸・メチルビニルサイクリック錯体を0.3重量部、ヘキサン450重量部を混合し作製した。
上記シリコーン樹脂層の上に、厚さ50μmの薄ガラス板(SHOTT AG社製、マイクロシート#100の中の厚さ50μm品)を重ね合わせディスプレイ基板用部材得た。
このディスプレイ基板用部材を、薄ガラス面を外側にして半径30mmで曲げてみたところ、いずれの場所にも割れやクラックは発生しなかった。
このディスプレイ用基板部材の水蒸気透過率を、40℃、相対湿度90%環境下で測定したところ、1×10−5g/m/日以下であった。
また上記で作製したディスプレイ基板用部材の界面接着力を以下のようにして評価した。幅25mm、長さ300mmに切り取り、これを厚さ2mmのステンレス板に両面粘着テープを用いて固定する。この際、両面粘着テープの粘着面に薄ガラス板面を粘着させるようにする。次に、ポリエステルフィルムを90度の方向に200mm/分の速度で引き剥がし、接着力測定した。接着力は1N/cmであり、剥離界面は薄ガラス板とシリコーン樹脂の界面であった。また、このことよりポリエステルフィルムと薄ガラス板の界面接着力が、薄ガラス板とシリコーン樹脂の界面の接着力より大きいと判断された。
実施例2
支持体として厚さ12μmの電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製:型番F0−WS)の光沢面上にプライマー層を形成せずに、直接シリコーン樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にしてディスプレイ基板用部材を作製した。
このディスプレイ基板用部材を、薄ガラス面を外側にして半径30mmで曲げてみたところ、いずれの場所にも割れやクラックは発生しなかった。
実施例1と同様にしてディスプレイ基板用部材の界面接着力を評価したところ、接着力は1N/cmであり、剥離界面は薄ガラス板とシリコーン樹脂の界面であった。また、このことより銅箔と薄ガラス板の界面接着力が、薄ガラス板とシリコーン樹脂の界面の接着力より大きいと判断された。
ディスプレイ基板用部材の薄ガラス面に、基板温度240℃でITO膜を厚さ150nmスパッタリング成膜した。4端子法で測定したITO膜のシート抵抗は10Ω/□であった。続いて、ITO膜の上に通常のフォトレジストを用いたリソグラフィー工程によりマスクを作製し、塩化第二鉄と塩酸の混合水溶液でエッチングし、ラインアンドスペース=20μm/20μmのITOパターンを得た。このサンプルの水蒸気透過率を、40℃、相対湿度90%環境下で測定したところ、1×10−5g/m/日以下であった。
比較例1
薄ガラス板の厚さ100μmの物(SHOTT AG社製、マイクロシート#100の厚さ100μm品)を用いた以外は実施例1と同様にして、ディスプレイ基板用部材を作製した。
このディスプレイ基板用部材を、薄ガラス面を外側にして半径30mmで曲げてみたところ、薄ガラス板に割れが発生した。
このディスプレイ用基板部材の水蒸気透過率を、40℃、相対湿度90%環境下で測定したところ、1×10−5g/m/日以下であった。

Claims (3)

  1. 厚さ10μm以上75μm以下のガラス板、厚さ1μm以上500μm以下のシリコーン樹脂層、支持体がこの順に積層され、支持体が金属シートまたはプラスチックシートであるディスプレイ基板用部材。
  2. 金属シートまたはプラスチックシートとシリコーン樹脂層の接着力が、シリコーン樹脂層とガラス板との接着力より大きいことを特徴とする請求項1記載のディスプレイ基板用部材。
  3. シリコーン樹脂層が形成されているガラス面と反対側のガラス面上に透明電極層が形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスプレイ基板用部材。
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