JP2009179832A - 角筒絞り成形性と形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法ならびに製品形状に優れた自動車用部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構成成分中、特にMnと、Mo,CrおよびVについて、次式
M=[%Mn]+3[%Mo]+1.3[%Cr]+0.5[%V]≧2
の範囲を満足する組成にすると共に、フェライト相を主相とし、体積分率で15%以下のマルテンサイト相を含む混合組織からなる鋼組織とし、さらに圧延方向と45°をなす方向のr値(rD)が1.2以上で、かつ下記式で示される面内異方性(Δr値)について−1.0≦Δr値≦−0.3の範囲を満足させる。
記
Δr値=(rL−2×rD+rC)/2
【選択図】図2
Description
また、本発明に、上記の角筒絞り成形性と形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板に角筒絞り成形を施して得た製品形状に優れた自動車用部品に関するものである。
しかも、鋼板を素材とする自動車部品の多くは、前述したとおりプレス成形によって製造されるため、鋼板には優れたプレス成形性が必要とされるる他、高強度鋼板を適用した場合には特に、優れた形状性(寸法精度)が併せて要求される。
特許文献3は、DP鋼板の製造方法に関するものであるが、この方法では、焼鈍時の冷却に水冷却設備を必須とする不利がある。
また、特許文献4は、体積分率で25%以下のマルテンサイトを含むDP鋼で、(A){100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値を4.0以上、(B){554}<225>、{111}<112>および{111}<110>の3つの結晶方位のX線ランダム強度比の平均値を3.0以上、(A)/(B)≦4.0を満足させ、圧延方向かそれと直角方向のr値のうち少なくとも1つを0.7以上、r値の平均値を0.8以上とすることにより、加工性と形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板を得ようとするものであるが、上記(A)を4.0以上にすると、平均r値が低く、従って深絞り性が低下する点で問題が残る。
しかしながら、この方法では、形状性の良好な鋼板を得ることは難しかった。
すなわち、角筒絞り成形性や形状凍結性を向上させるためには、単に平均r値を高くするだけでなく、角筒のコーナー部に当たる鋼板のD方向のr値を、L方向およびC方向のそれよりも高くするのが有効であること、しかも特に500MPa以上の高強度鋼板では、従来の知見とは異なり、鋼板の面内異方性を負側に大きい鋼板とすることで、角筒絞り成形性が有利に向上するとの新規知見を得た。
また、形状凍結性を向上させるには、従来の低降伏比型とは逆に、複合組織鋼板であっても高降伏比とすることが有利であるとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
1.質量%で、
C:0.010〜0.050%、
Si:1.0%以下、
Mn:1.5〜3.0%、
P:0.1%以下、
S:0.01%以下、
Al:0.005〜0.5%、
Ti:0.005〜0.05%、
Nb:0.01〜0.3%および
N:0.01%以下
を含み、かつ
Mo:0.01〜0.5%、
Cr:0.05〜0.8%および
V:0.01〜0.2%
のうちから選んだ一種または二種以上を、
M=[%Mn]+3[%Mo]+1.3[%Cr]+0.5[%V]≧2
を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、フェライト相を主相とし、体積分率で15%以下のマルテンサイト相を含む混合組織からなる鋼組織を有し、圧延方向と45°をなす方向のr値(rD)が1.2以上で、かつ下記式で示される面内異方性(Δr値)が−1.0≦Δr値≦−0.3の範囲を満足することを特徴とする角筒絞り成形性と形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板。
記
Δr値=(rL−2×rD+rC)/2
但し、rL:圧延方向のr値
rD:圧延方向と45°をなす方向のr値
rC:圧延方向と90°をなす方向のr値
C:0.010〜0.050%、
Si:1.0%以下、
Mn:1.5〜3.0%、
P:0.1%以下、
S:0.01%以下、
Al:0.005〜0.5%、
Ti:0.005〜0.05%、
Nb:0.01〜0.3%および
N:0.01%以下
を含み、かつ
Mo:0.01〜0.5%、
Cr:0.05〜0.8%および
V:0.01〜0.2%
のうちから選んだ一種または二種以上を、
M=[%Mn]+3[%Mo]+1.3[%Cr]+0.5[%V]≧2
を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、仕上圧延温度:910〜800℃で熱間圧延したのち、550〜700℃の温度でコイルに巻取り、圧下率:55〜80%で冷間圧延後、少なくとも300〜700℃の温度域を10℃/s以上の速度で加熱し、800〜900℃の温度域に120s以上滞留させるヒートサイクルで連続焼鈍することを特徴とする角筒絞り成形性と形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
また、本発明によれば、上記した高強度冷延鋼板を角筒絞り成形することにより、製品形状に優れた自動車用部品を得ることができる。
まず、本発明において、冷延鋼板の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.010〜0.050%
最終組織を複合組織の鋼板とするためには、少なくとも0.010%のCを必要とする。しかしながら、C量が多いとr値には好ましくないため、Cの上限値は0.050%とした。
Siは、固溶強化作用により、鋼材の高強度化に寄与するので、所望とする強度に応じて必要量を添加する。固溶強化の効果を得るには、0.01%以上含有させることが好ましい。しかしながら、1.0%を超えて含有されると、r値がrD≦rCの関係になる傾向があり、rDが小さくなって面内異方性Δrが適正範囲から外れてしまうだけでなく、熱間圧延時に赤スケールが発生し鋼板表面外観を損うおそれが大きいので、Siは1.0%以下で含有させるものとした。
Mnは、連続鋳造時の割れ発生(Sによる熱間割れ)を防止する効果もあるが、本発明では、主として鋼材の高強度化を図るために、固溶強化と共に、組織強化を得るため焼鈍冷却中にマルテンサイト相の形成を促進させる(マルテンサト相が得られる臨界冷却速度を遅延させる)効果を利用する。また、Mnは、冷却時のフェライト変態を遅延させるため、熱間圧延時のオーステナイト相域での圧延温度範囲の拡大に寄与すると共に、Nb添加による再結晶遅延効果と併せて、未再結晶オーステナイト相中に蓄積される歪量を増大させることによって、鋼板の面内異方性に影響を与えていると推測される。鋼板強度と面内異方性の双方の観点から、Mnは1.5%以上含有させるものとした。一方、過剰なMnの添加は、深絞り性や溶接性の劣化を招くため、上限を3.0%とした。
Pは、固溶強化作用によって鋼材の高強度化に寄与するので、所望とする強度に応じて必要量を添加する。固溶強化の効果を得るには、0.005%以上含有させることが好ましい。また、製鋼工程における脱燐コストの観点からもPは0.005%以上、好ましくは0.01%以上含有させることが望ましい。しかしながら、Pは、粒界に偏析し易く、耐二次加工脆性や溶接性を劣化させるだけでなく、過剰な添加はr値がrD≦rCとなる傾向が高いため、Pは0.1%以下に限定した。
Sは、不純物元素であり、連続鋳造時の熱間割れの原因になるだけでなく、鋼中で介在物を形成し鋼板の諸成形性を劣化させるので、できるだけ低減することが好ましい。そのためSは0.01%以下に規制した。
Alは、製鋼工程で鋼の脱酸剤として有用な元素である。十分な脱酸効果を得るためには、sol.Alとして0.005%以上を含有させる必要がある。また、Alはフェライト変態促進元素として、主として焼鈍時にフェライト域での再結晶集合組織発達の観点から変態点調整にも有用である。しかしながら、過剰なAl添加は合金コストの増加を招くだけでなく、鋼中のAl系介在物を増加させて諸成形性を劣化させるため、上限を0.5%とした。
Tiは、後述するNbと同様、再結晶を遅延させる効果があり、この作用を通じて鋼板の面内異方性の改善に寄与する。また、鋼中でNと優先的に結合する他、Cを析出固定する作用があり、耐時効性に寄与すると共に、成形性の向上にも寄与する。また、Alと同様、脱酸剤としての効果もあるため、脱酸剤として添加することでもできる。このような視点から、Tiは0.005%以上の含有が必要となるが、過剰な添加はr値がrD≦rCとなる傾向が高いため、上限は0.05%とした。
Nbは、上述したTiと同様、再結晶遅延効果があり、熱間圧延の仕上圧延時に、未再結晶オーステナイト状態で歪を十分蓄積してからのフェライト変態を促進し、熱延板組織の微細化を図る上で、有用な元素である。また、Nbは、蓄積歪量に影響を及ぼし、圧下スタンド間での再結晶を遅延させることによって蓄積歪量を増大させる。この点についての詳細はまだ定かではないが、実験経験的には、この未再結晶オーステナイトでの蓄積歪量が最終特性のr値の面内異方性に何らかの影響を与えているものと推測される。熱延板組織の微細化は、焼鈍後組織をも微細することにつながり、さらにNbは粒界に沿って偏析する傾向があり、粒界に粗大なセメントタイトが析出するのを抑制するため、これらの作用によって粒界を強化し、ひいては耐二次加工脆性を改善させる効果がある。これらの観点から、Nbは0.01%以上含有させる。しかしながら、過剰な添加は、延性を劣化させる傾向があるだけでなく、IF鋼になってしまうと、面内異方性が正となる傾向があるため、Nbの上限は0.3%とした。
Nは、多すぎると耐常温時効性を劣化させ、また多量の介在物発生や炭窒化物形成を助長し、諸成形性に悪影響を与える。そのため、製造コストが許容する範囲で、できるだけ低減することが望ましく、成形性とコストのバランスから、上限を0.01%に規制した。
Mo,Crは、鋼材の高強度化に低温変態相による組織強化を活用する場合、Mnと同様、マルテンサイト相が得られる臨界冷却速度を遅延させる効果がある有用元素である。また、Vは、Nを析出固定するのに有用なだけでなく、V系炭化物は析出強化に有効に寄与する。これらの元素は、それぞれ単独で添加しても複合して添加しても効果に差異はない。さらに、Mo,Vは、Nb同様、粒界に沿って偏析する傾向があり、高r値化の妨げとなる熱延組織粒界での粗大なセメンタイト析出を抑制すると共に、耐二次加工脆性を改善する効果がある。しかしながら、いずれも、添加量が下限に満たないとその添加効果に乏しく、一方過剰な添加は鋼材コストの上昇を招く他、鋼材のΔr値を正にする傾向があるため、それぞれ上記の範囲で含有させるものとした。
上記した構成成分のうち、Mnと、Mo,CrおよびVについては、上掲式で規定されるMの値が2以上を満足する範囲で含有させる必要がある。
というのは、M値が2未満だと、焼鈍後の冷却過程でマルテンサイトが形成されず、十分な強度を得ることができないからである。なお、M値の上限は特に限定されないが、あまりに大きいと合金添加コストが上昇するだけでなく、圧延負荷が大きくなるので、M値は3.5以下程度とするのが好ましい。
本発明では、TS:440MPa以上好ましくは500MPa以上の高強度化のために、固溶強化に頼らず、組織強化を有効活用する。そのためには、鋼組織は、フェライト相を主相とし、組織全体に対する体積分率で15%以下のマルテンサイト相を含む混合組織とすることが重要である。
マルテンサイト相以外の相としては、べイナイトや残留オーステナイト、パーライト等が考えられるが、これらの相が存在していても、その比率がマルテンサイト相の体積分率を超えない範囲で存在する分には何等問題はない。
ここに、Δr値=(rL−2×rD+rC)/2
但し、rL:圧延方向のr値
rD:圧延方向と45°をなす方向のr値
rC:圧延方向と直角方向のr値
発明者らの研究によれば、TS≧500MPaの高強度鋼板における角筒絞り成形性について検討した結果、従来の軟鋼板に比べて平均r値は低くても、角筒のコーナー部に当たる、鋼板のD方向のr値(rD)を1.2以上にすれば、角筒コーナー部の割れを回避できることが判明した。
また、面内異方性については、上掲式で算出したΔr値が−1を下回るほどになると、逆に各方向の流入バランスが崩れ、かえって成形性が悪くなるため、Δr値の下限は−1とした。一方、Δr値が−0.3より大きくなると、角筒コーナー部の材料の流入が相対的に悪くなり、プレス割れが生じ易くなるので、Δr値の上限は−0.3とした。
本発明の高強度冷延圧延鋼板は、所定の成分組成に調整した鋼スラブを、仕上圧延出側温度が910〜800℃となるように熱間圧延して熱延鋼板とする工程と、熱延板を550〜700℃の温度で巻取る工程と、巻取り後の熱延鋼板を55〜80%の圧下率で冷間圧延して冷延鋼板とする工程と、冷延鋼板を少なくとも300〜700℃の温度域について平均昇温速度:10℃/s以上で昇温し、800〜900℃の温度域に120s以上滞留させるヒートサイクルで再結晶焼鈍する工程とにより製造することができる。
以下、各製造工程順に説明する。
ここに、スラブ加熱温度は、熱間圧延時における圧延荷重の増大や、それに伴うトラブル発生の危険性を回避するためには1000℃以上とすることが好ましく、一方酸化重量の増加に伴うスケールロスの増大を防止するためには1300℃以下とすることが好適である。
加熱後のスラブは、粗圧延によりシートバーとされる。粗圧延の条件は、特に規定されることはなく、常法に従って行えばよい。なお、スラブの加熱温度を低目にした場合には、圧延時のトラブルを防止するという観点から、シートバーヒーターを活用してシートバーを加熱することが好ましい。
ここに、300℃から700℃までの温度域での昇温速度は、再結晶と変態の進行具合に影響を与えると考えられ、結果として、従来のDP鋼に比べて、より微細で少量のマルテンサイト相を均一に形成することができ、形状性を向上させるものと考えられる。特に、Nb添加による再結晶遅延がその後の2相域焼鈍におけるα−γ変態に何らかの影響を及ぼした結果と推測されるが、詳細は不明である。
なお、平均昇温速度は、30℃/sを超えると設備への負荷が大きくなるので、30℃/s以下とすることが好ましい。より好ましくは25℃/s以下である。
なお、特に限定するものではないが、再結晶粒を十分に発達させて深絞り性や穴広げ性を向上させるためには、700℃から焼鈍温度までの温度域については、昇温速度が好ましくは5℃/s以下の徐加熱とすることが望ましい。
さらに、十分に再結晶させるため、また(α+γ)2相城において相分離と固溶Cのオーステナイト相への濃化を十分に促進させるために、800〜900℃の温度域に120秒以上滞留させることが重要である。とはいえ、滞留時間が長すぎると、結晶粒が粗大化し、強度や表面性状など諸特性が劣化する傾向があることや、生産性の観点から、上限は300秒程度とすることが望ましい。
かくして得られた各冷延焼鈍板の引張試験による機械的特性、第二相分率、r値および角筒絞り成形性について調べた結果を、表3に示す。
(1)機械的特性(引張試験)
引張試験による機械的特性は、次のようにして調査した。すなわち、各冷延焼鈍板から圧延方向に対して90°方向(C方向)にJIS Z 2201に規定される5号試験片を切出し、室温で引張試験を実施した。引張速度はクロスヘッド速度:10mm/min一定とし、JIS Z 2241に準拠して、引張強さTS、降伏強さYS(0.2%流動応力)、降伏比YR(YS/TS)および伸びU.El(一様伸び)を測定した。
各冷延焼鈍板から試験片を採取し、圧延方向に平行な板厚断面(L断面)について、光学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡を用いて微視組織を撮像し、これを画像解析装置で解析して、主相であるフェライト相の面積率と第二相の種類および面積率を求めた。
各冷延焼鈍板からL方向(圧延方向)、D方向(圧延方向と45°をなす方向)およびC方向(圧延方向と90°をなす方向)からそれぞれJIS Z 2201に規定される5号試験片を切出し、JIS Z 2254の規定に準拠してそれぞれのr値(rL,rD,rC)を求め、次式に従い平均r値と面内異方性(Δr値)を算出した。なお、付与した塑性歪は規定どおり均一伸びの範囲内で、10%とした。
平均r値=(rL+2×rD+rC)/4
Δr値=(rL−2×rD+rC)/2
各冷延焼鈍板から、ブランクサイズ:200×200mmで板取りし、しわ押さえ力:45ton、ポンチサイズ:100×100mm、ポンチ(縁)Rp:5mm、ポンチ(コーナー)Rc:15mm、ダイス(縁)Rd:10mm、ダイス(コーナー)Rc:16.5mmで角筒成形試験を行った。この試験で成形できたものを○、できなかったものを×で評価した。
すなわち、表3のNo.6,8,18および20の各種冷延鋼板を用い、形状凍結性を調査するために、ハット成形試験を行った。ハット成形試験は、図1に示すように、ブランクサイズ:80×340 mm、しわ押さえ力:10 ton、ダイ肩R:2mm、ポンチ肩:5mm、ストローク:100mmの条件で行った。
得られた結果を図2に示す。
同図に示したとおり、降伏比YRが0.6を超える発明材では、同強度レベルの従来複合組織鋼板(No.20)に比べ、開き量および反り量が共に改善されていることが分かる。
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.010〜0.050%、
Si:1.0%以下、
Mn:1.5〜3.0%、
P:0.1%以下、
S:0.01%以下、
Al:0.005〜0.5%、
Ti:0.005〜0.05%、
Nb:0.01〜0.3%および
N:0.01%以下
を含み、かつ
Mo:0.01〜0.5%、
Cr:0.05〜0.8%および
V:0.01〜0.2%
のうちから選んだ一種または二種以上を、
M=[%Mn]+3[%Mo]+1.3[%Cr]+0.5[%V]≧2
を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、フェライト相を主相とし、体積分率で15%以下のマルテンサイト相を含む混合組織からなる鋼組織を有し、圧延方向と45°をなす方向のr値(rD)が1.2以上で、かつ下記式で示される面内異方性(Δr値)が−1.0≦Δr値≦−0.3の範囲を満足することを特徴とする角筒絞り成形性と形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板。
記
Δr値=(rL−2×rD+rC)/2
但し、rL:圧延方向のr値
rD:圧延方向と45°をなす方向のr値
rC:圧延方向と90°をなす方向のr値 - 降伏比が0.6を超えることを特徴とする請求項1に記載の角筒絞り成形性と形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板。
- 鋼板表面にめっき層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の角筒絞り成形性と形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板。
- 質量%で、
C:0.010〜0.050%、
Si:1.0%以下、
Mn:1.5〜3.0%、
P:0.1%以下、
S:0.01%以下、
Al:0.005〜0.5%、
Ti:0.005〜0.05%、
Nb:0.01〜0.3%および
N:0.01%以下
を含み、かつ
Mo:0.01〜0.5%、
Cr:0.05〜0.8%および
V:0.01〜0.2%
のうちから選んだ一種または二種以上を、
M=[%Mn]+3[%Mo]+1.3[%Cr]+0.5[%V]≧2
を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、仕上圧延温度:910〜800℃で熱間圧延したのち、550〜700℃の温度でコイルに巻取り、圧下率:55〜80%で冷間圧延後、少なくとも300〜700℃の温度域を10℃/s以上の速度で加熱し、800〜900℃の温度域に120s以上滞留させるヒートサイクルで連続焼鈍することを特徴とする角筒絞り成形性と形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強度冷延鋼板に、角筒絞り成形を施して得たことを特徴とする製品形状に優れた自動車用部品。
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