JP2009174692A - 軸受装置及び遠心圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】保持されるシャフトが撓んだときでも、軸受とシャフトとの間の油膜厚さを維持することができ、かつ当該シャフトの中心を保持する機構を備えた軸受装置を提供する。
【解決手段】回転するピニオンシャフト6の径方向の荷重を受ける軸受装置10であって、ピニオンシャフト6が配置される軸受本体12と、軸受本体12を径方向に支持する軸受支持体と、を備え、軸受支持体は、内周及び外周を有する中空の円板状部材11であって、その外周側がケーシング3に固定され、その内周側において軸受本体12と繋がることを特徴とする。
【選択図】図6
【解決手段】回転するピニオンシャフト6の径方向の荷重を受ける軸受装置10であって、ピニオンシャフト6が配置される軸受本体12と、軸受本体12を径方向に支持する軸受支持体と、を備え、軸受支持体は、内周及び外周を有する中空の円板状部材11であって、その外周側がケーシング3に固定され、その内周側において軸受本体12と繋がることを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、回転するシャフトの径方向の荷重を受ける滑り軸受装置に関し、特に保持するシャフトが撓んだときにもシャフトの保持状態を維持することのできる軸受装置及びこの軸受装置を用いた遠心圧縮器に関するものである。
石油化学、化学、空気分離などのプラントでは、多くの遠心圧縮機が使用されている。遠心圧縮機は、構造的には大きく二つのタイプがある。一つは一軸多段型圧縮機で、ガスを圧縮する羽根車を一本のシャフトに取り付けるものであり、これらの羽根車は一対の軸受の間に取り付けられる。一軸多段圧縮機の場合、駆動機の回転数が圧縮機の回転数よりも低い場合は、駆動機と圧縮機の間に増速機を設ける。
もう一つのタイプが増速機内臓型の圧縮機(ギアド圧縮機:Geared Type Compressor)である。ギアド圧縮機の一例について図1を参照して説明する。ギアド圧縮機1は、増速機構2を備えている。増速機構2は、図示しない駆動源により回転駆動される歯車4と、歯車4に噛み合うピニオン5をケーシング3内に備えている。ピニオン5はピニオンシャフト6に固定されており、ピニオンシャフト6は、ピニオン5の両側において軸受7に保持されている。ギアド圧縮機1は、歯車4の歯数を調整することにより、羽根車8、羽根車9の回転数を適宜設定することができる。図1の例では、ピニオン5を一つとした例を示したが、ピニオン5を二つまたはそれ以上とすることもできる。
もう一つのタイプが増速機内臓型の圧縮機(ギアド圧縮機:Geared Type Compressor)である。ギアド圧縮機の一例について図1を参照して説明する。ギアド圧縮機1は、増速機構2を備えている。増速機構2は、図示しない駆動源により回転駆動される歯車4と、歯車4に噛み合うピニオン5をケーシング3内に備えている。ピニオン5はピニオンシャフト6に固定されており、ピニオンシャフト6は、ピニオン5の両側において軸受7に保持されている。ギアド圧縮機1は、歯車4の歯数を調整することにより、羽根車8、羽根車9の回転数を適宜設定することができる。図1の例では、ピニオン5を一つとした例を示したが、ピニオン5を二つまたはそれ以上とすることもできる。
ギアド圧縮機1が無負荷のときには、軸受7が受ける荷重(軸受荷重)は、ピニオン5、ピニオンシャフト6、羽根車8、羽根車9を含めたロータの自重のみである(図2(a))。ところが、ギアド圧縮機1が付加運転状態になると、軸受荷重は、ロータの自重に加えて、動力伝達のための接線力の合力となる(図2(b))。この合力は、ロータの自重の数倍に達する。
図1に示したように、ギアド圧縮機1は、高速で回転するピニオンシャフト6の両端に羽根車8、羽根車9が取り付けられており、軸受7に対してオーバーハングシャフト構造をなしている。前記合力がロータ自重を大きく超え、そのために図3に示すように、ピニオンシャフト6が弓状に撓み、軸受7に対してピニオンシャフト6が片当たりを生じさせる。一般に、ピニオンシャフト6と軸受7の間には潤滑油の膜(以下、単に油膜)が介在しているが、その膜厚が軸方向で不均一となり、ばね効果、減衰効果などの軸受特性が設計の最適値から外れ、振動が増大する。また、ピニオンシャフト6と軸受7とが直接接触することも想定され、このときにはピニオンシャフト6、軸受7に摩耗が生ずる。
図1に示したように、ギアド圧縮機1は、高速で回転するピニオンシャフト6の両端に羽根車8、羽根車9が取り付けられており、軸受7に対してオーバーハングシャフト構造をなしている。前記合力がロータ自重を大きく超え、そのために図3に示すように、ピニオンシャフト6が弓状に撓み、軸受7に対してピニオンシャフト6が片当たりを生じさせる。一般に、ピニオンシャフト6と軸受7の間には潤滑油の膜(以下、単に油膜)が介在しているが、その膜厚が軸方向で不均一となり、ばね効果、減衰効果などの軸受特性が設計の最適値から外れ、振動が増大する。また、ピニオンシャフト6と軸受7とが直接接触することも想定され、このときにはピニオンシャフト6、軸受7に摩耗が生ずる。
また、ギアド圧縮機1を含めて高速回転するロータの振動を補償するために、スクイズフィルムダンパが採用される(例えば、特許文献1)。スクイズフィルムダンパは、軸受7の外周面と該軸受外周側に位置するケーシング3の内周面との間に油膜形成用の間隙を形成し、この間隙に形成された油膜の特性を利用してピニオンシャフト6の径方向の振動を減衰し得るようにしたものである。
図4は、スクイズフィルムダンパの中で、かご形ばねを使用したものの一例を示している。図4において、01は回転シャフト、02は軸受、03は軸受支持リング、04はダンパ支持リング、05は軸受台、06は軸受支持リング03とダンパ支持リング04の間のスクイズフィルムすきま、07はかご形のセンタリングばね、08は油入口、09は油出口、010はピストンリングである。かご形のセンタリングばね07を使っているので、軸受支持リング03は軸心に対して平行な運動だけをすることになるため、スクイズフィルムすきま06を軸方向に保持することができる。
図5は、Oリングによってスクイズフィルムすきまを保持するもので、軸受の弾性支持として用いられる。図5において、011は回転シャフト、012は軸受、013は軸受支持リング、014はダンパ支持リング、015は軸受台、016は軸受支持リング013とダンパ支持リング014の間のスクイズフィルムすきま、017はスクイズフィルムすきま016を保持するゴム製のOリングである。このスクイズフィルムダンパは、ゴム製のOリングにはばね作用と減衰作用があるので、油膜がなくてもある程度の制振効果がある。
図4は、スクイズフィルムダンパの中で、かご形ばねを使用したものの一例を示している。図4において、01は回転シャフト、02は軸受、03は軸受支持リング、04はダンパ支持リング、05は軸受台、06は軸受支持リング03とダンパ支持リング04の間のスクイズフィルムすきま、07はかご形のセンタリングばね、08は油入口、09は油出口、010はピストンリングである。かご形のセンタリングばね07を使っているので、軸受支持リング03は軸心に対して平行な運動だけをすることになるため、スクイズフィルムすきま06を軸方向に保持することができる。
図5は、Oリングによってスクイズフィルムすきまを保持するもので、軸受の弾性支持として用いられる。図5において、011は回転シャフト、012は軸受、013は軸受支持リング、014はダンパ支持リング、015は軸受台、016は軸受支持リング013とダンパ支持リング014の間のスクイズフィルムすきま、017はスクイズフィルムすきま016を保持するゴム製のOリングである。このスクイズフィルムダンパは、ゴム製のOリングにはばね作用と減衰作用があるので、油膜がなくてもある程度の制振効果がある。
スクイズフィルムすきまを軸方向に保持するのに、図4に示すかご型のセンタリングばねを用いたスクイズフィルムダンパは、軸方向にスペースが必要となり、その結果、シャフトの長さも長くなるのでシャフトの剛性が低下して、その結果軸系の安定性が低下する。また、スクイズフィルムすきまを軸方向に保持するのに、図5に示すOリング017を用いたスクイズフィルムダンパは、Oリング017がゴム製であるため、大型の機械に使用した場合には、荷重によりスクイズフィルムすきまを保持できなくなったり、耐久性が劣ることになる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、支持されるシャフトが撓んだときでも、軸受とシャフトとの間の油膜厚さを維持することができる軸受装置を提供することを目的とする。また、本発明は、スクイズフィルムダンパを適用した場合に、スクイズフィルムすきまを軸方向に保持するのに、軸方向のスペースが不要で、かつ大型の機械に対しても適用できる軸受装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、回転するシャフトの径方向の荷重を受ける滑り軸受装置であって、シャフトが配置される軸受本体と、軸受本体を径方向に支持する軸受支持体と、を備え、軸受支持体は、内周及び外周を有する中空の円板状部材であって、その外周側が固定され、その内周側において軸受本体と繋がることを特徴とする。
本発明の円板状部材は、その外周側が固定される。この固定は、軸受装置が設置される機械装置の本体に対してであり、円板状部材はこの固定部分において機械装置に対して変形、変位ができないことを意味する。一方、その内周側において円板状部材は軸受本体と繋がる。円板状部材が前記固定部分を固定端とする片持ち梁とみなすと、その自由端に軸受け本体が位置することになる。
円板状部材は、シャフトの径方向に対しては、断面二次モーメントが大きくなるために弾性変形しにくい。したがって、シャフトが撓んだとしても、軸受装置におけるシャフトの径方向の位置はほとんど変位することなく、保持される。これに対して、シャフトの径方向以外の方向、例えばシャフトの軸方向に対して力を受けると、力の向きに弾性変形される。したがって、シャフトが撓んだとき、円板状部材、換言すれば軸受本体は、シャフトの撓みに追従して、傾転することができる。よって、シャフトが軸受本体に片当たりするのが防止できる。
本発明の円板状部材は、その外周側が固定される。この固定は、軸受装置が設置される機械装置の本体に対してであり、円板状部材はこの固定部分において機械装置に対して変形、変位ができないことを意味する。一方、その内周側において円板状部材は軸受本体と繋がる。円板状部材が前記固定部分を固定端とする片持ち梁とみなすと、その自由端に軸受け本体が位置することになる。
円板状部材は、シャフトの径方向に対しては、断面二次モーメントが大きくなるために弾性変形しにくい。したがって、シャフトが撓んだとしても、軸受装置におけるシャフトの径方向の位置はほとんど変位することなく、保持される。これに対して、シャフトの径方向以外の方向、例えばシャフトの軸方向に対して力を受けると、力の向きに弾性変形される。したがって、シャフトが撓んだとき、円板状部材、換言すれば軸受本体は、シャフトの撓みに追従して、傾転することができる。よって、シャフトが軸受本体に片当たりするのが防止できる。
本発明の軸受支持体としては、上述した円板状部材の他に、梁、より具体的には片持ち梁そのものを用いることができる。この梁は、一端が固定され、かつ他端が軸受本体に繋がる。この梁を、シャフトの径方向に放射状に複数配置して軸受支持体としても、円板状部材と同様の作用、効果を得ることができる。
本発明の軸受装置は、軸受本体の外周にダンパ装置を設けることができる。このダンパ装置として、スクイズフィルムダンパを用いることができる。この場合、本発明の軸受装置は、シャフトが撓んでも、軸受本体はシャフトの撓みに追従して傾転するので、スクイズフィルムすきまを保持することができる。
本発明の軸受装置は、軸受本体の外周にダンパ装置を設けることができる。このダンパ装置として、スクイズフィルムダンパを用いることができる。この場合、本発明の軸受装置は、シャフトが撓んでも、軸受本体はシャフトの撓みに追従して傾転するので、スクイズフィルムすきまを保持することができる。
本発明の軸受装置は、増速機内蔵型の遠心圧縮機(ギアド圧縮機)に適用することができる。ギアド圧縮機は、出力軸を介して回転力を出力する駆動機構と、羽根車が取り付けられている圧縮機シャフトを、軸方向に離間した2つの軸受装置により回転自在に支持している圧縮機構と、出力軸に取り付けられている大歯車と、圧縮機シャフトのうち2つの軸受装置の間の位置に取り付けられていると共に大歯車に噛み合う小歯車とを有する増速機構と、を最小限の要素として備えている。このギアド圧縮機の軸受装置として、上述した本発明の軸受装置を用いる。
本発明によれば、支持されるシャフトが撓んだときでも、軸受とシャフトとの間の油膜厚さを維持することができ、かつ当該シャフトの中心を保持する機構を備えた軸受装置が提供される。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図6は本実施の形態における軸受装置10の構成を示す部分断面図、図7は図6のA−A矢視断面図である。
軸受装置10は、図1で示したギアド圧縮機1のピニオンシャフト6を支持するものであり、歯車4と噛み合うピニオン5の回転軸方向の両側に一つずつ配置されている。
軸受装置10は、内周側に円形の貫通孔が形成された円板状部材11と、円板状部材11の前記貫通孔の周囲に形成された円筒状の軸受本体12を備えている。
図6は本実施の形態における軸受装置10の構成を示す部分断面図、図7は図6のA−A矢視断面図である。
軸受装置10は、図1で示したギアド圧縮機1のピニオンシャフト6を支持するものであり、歯車4と噛み合うピニオン5の回転軸方向の両側に一つずつ配置されている。
軸受装置10は、内周側に円形の貫通孔が形成された円板状部材11と、円板状部材11の前記貫通孔の周囲に形成された円筒状の軸受本体12を備えている。
円板状部材11の外周側には、円板状部材11の一方の面側に突出するリング状突起11aが設けられている。軸受装置10は、リング状突起11aをギアド圧縮機1のケーシング3に突き当てて、ボルト等の締結手段により、ケーシング3に固定される。円板状部材11は、ステンレス鋼、合金鋼等の公知の材料により作製することができる。軸受本体12も同様である。
軸受本体12は、円板状部材11の内周側であって、かつ他方の面側に突設して設けられている。軸受本体12の内周面には、軸受13が設けられている。
軸受13とピニオンシャフト6との間には、潤滑油Oからなる油膜が形成される。軸受13については、ホワイトメタル(バビットメタル)等の従来公知の軸受用材料を用いることができる。
軸受本体12は、円板状部材11の内周側であって、かつ他方の面側に突設して設けられている。軸受本体12の内周面には、軸受13が設けられている。
軸受13とピニオンシャフト6との間には、潤滑油Oからなる油膜が形成される。軸受13については、ホワイトメタル(バビットメタル)等の従来公知の軸受用材料を用いることができる。
円板状部材11及び軸受本体12は、全体を一体として作製してもよいし、円板状部材11、軸受本体12とを別体として作製した後に、溶接、ボルト締め等の適宜の手段で一体化してもよい。円板状部材11を複数に分割して作製して、一体化することもできる。また、軸受13は、摩耗状況に応じて交換されるものであるから、円板状部材11、軸受本体12とは別体として作製した後に、軸受本体12の中空部に圧入、焼き嵌め等の適宜の手段で挿入すればよい。
軸受装置10において、円板状部材11はダイアフラム状の形態をなしており、その厚さ方向(または、ピニオンシャフト6の軸方向)に弾性変形しやすいが、その径方向(または、ピニオンシャフト6の径方向)へは変形しにくい。ここで、本発明における厚さ方向とは、円板状部材11の平面に直交する方向に限るものでなく、当該方向に傾斜する任意の方向をも含む。
また、軸受装置10において、軸受13を含め軸受本体12は、剛体とみなすことができる。
また、軸受装置10において、軸受13を含め軸受本体12は、剛体とみなすことができる。
以上を前提として、ピニオンシャフト6が撓んだときの軸受装置10の挙動を図8に示す。すなわち、ピニオンシャフト6が、点線で示す真直な状態から実線で示すように撓んだとすると、この撓みに追従して円板状部材11は専らその厚さ方向に変形する。円板状部材11は、軸受本体12よりも弾性変形しやすいからである。
ここで、図8の場合には、撓んだピニオンシャフト6は図中の右方向が下がるように傾転するが、軸受本体12はピニオンシャフト6と同様に傾転する。つまり、ピニオンシャフト6が撓んだとしても、ピニオンシャフト6の回転軸と軸受本体12の中心軸は一致したままであり、ピニオンシャフト6の外周面と軸受13の内周面の間隔は、ピニオンシャフト6が真直な場合を維持することができる。それ故、ピニオンシャフト6と軸受13の間に存在する潤滑油Oの膜厚も、ピニオンシャフト6が真直な場合の状態が維持される。もちろん、片当たりも生じない。
また、円板状部材11は、径方向には弾性変形しにくいため、ピニオンシャフト6が撓んでも、ピニオンシャフト6の回転軸の位置を実質的に保持することができる。ここで、実質的にとは、軸受本体12(軸受13)が傾転することによる回転軸の変位は少なくとも除かれることを意味する。
ここで、図8の場合には、撓んだピニオンシャフト6は図中の右方向が下がるように傾転するが、軸受本体12はピニオンシャフト6と同様に傾転する。つまり、ピニオンシャフト6が撓んだとしても、ピニオンシャフト6の回転軸と軸受本体12の中心軸は一致したままであり、ピニオンシャフト6の外周面と軸受13の内周面の間隔は、ピニオンシャフト6が真直な場合を維持することができる。それ故、ピニオンシャフト6と軸受13の間に存在する潤滑油Oの膜厚も、ピニオンシャフト6が真直な場合の状態が維持される。もちろん、片当たりも生じない。
また、円板状部材11は、径方向には弾性変形しにくいため、ピニオンシャフト6が撓んでも、ピニオンシャフト6の回転軸の位置を実質的に保持することができる。ここで、実質的にとは、軸受本体12(軸受13)が傾転することによる回転軸の変位は少なくとも除かれることを意味する。
以上では、ピニオンシャフト6の撓みに追従する変形を円板状部材11に担わせていたが、本発明はこれに限定されない。その例を図9に示す軸受装置20に基づいて説明する。
軸受装置20も、図1で示したギアド圧縮機1のピニオンシャフト6を支持するものであり、歯車4と噛み合うピニオン5の回転軸方向の両側に一つずつ配置される。
軸受装置20も、図1で示したギアド圧縮機1のピニオンシャフト6を支持するものであり、歯車4と噛み合うピニオン5の回転軸方向の両側に一つずつ配置される。
軸受装置20は、梁部材21と、軸受本体22とを備えている。軸受本体22は、軸受装置10の軸受本体12と構成が同じであり、その内周面には、円筒状の軸受メタル23が設けられている。
る。
梁部材21は、リング状の枠部21aと、枠部21aの内周面から中心に向けて延びる梁部21bとから構成される。図9の例では、90°間隔で4つの梁部21bを放射状に設けているが、梁部21bの数は任意であり、また、梁部21bの互いの角度もまた任意である。梁部21bは、その一端部が枠部21aの内周面に繋がっており、枠部21aを固定端とする片持ち梁を構成しているものとみなすことができる。梁部21bは、その他端部は軸受本体22の外周面に繋がっている。なお、梁部材21の一方の面側には、リング状突起(図示せず)が設けられ、このリング状突起をギアド圧縮機1のケーシング3に突き当てて、ボルト等の締結手段により、ケーシング3に固定されることは、軸受装置10と同様である。
る。
梁部材21は、リング状の枠部21aと、枠部21aの内周面から中心に向けて延びる梁部21bとから構成される。図9の例では、90°間隔で4つの梁部21bを放射状に設けているが、梁部21bの数は任意であり、また、梁部21bの互いの角度もまた任意である。梁部21bは、その一端部が枠部21aの内周面に繋がっており、枠部21aを固定端とする片持ち梁を構成しているものとみなすことができる。梁部21bは、その他端部は軸受本体22の外周面に繋がっている。なお、梁部材21の一方の面側には、リング状突起(図示せず)が設けられ、このリング状突起をギアド圧縮機1のケーシング3に突き当てて、ボルト等の締結手段により、ケーシング3に固定されることは、軸受装置10と同様である。
図9に示す軸受装置20において、梁部材21の梁部21bは、ピニオンシャフト6の軸方向(円板状部材11の厚さ方向と同義)に弾性変形しやすいが、ピニオンシャフト6の径方向へは弾性変形しにくい。また、軸受装置20において、軸受メタル23を含め軸受本体22は、剛体とみなすことができる。
したがって、軸受装置10と同様に、ピニオンシャフト6が撓んだとしても、ピニオンシャフト6の回転軸と軸受本体22の中心軸は一致したままであり、ピニオンシャフト6の外周面と軸受メタル23の内周面の間隔は、ピニオンシャフト6が真直な状態を維持することができる。それ故、ピニオンシャフト6と軸受メタル23の間に存在する潤滑油Oの膜厚も、ピニオンシャフト6が真直な状態が維持される。
また、梁部材21の梁部21bは、径方向には弾性変形しにくいため、ピニオンシャフト6が撓んでも、ピニオンシャフト6の軸の位置を実質的に保持することができる。
したがって、軸受装置10と同様に、ピニオンシャフト6が撓んだとしても、ピニオンシャフト6の回転軸と軸受本体22の中心軸は一致したままであり、ピニオンシャフト6の外周面と軸受メタル23の内周面の間隔は、ピニオンシャフト6が真直な状態を維持することができる。それ故、ピニオンシャフト6と軸受メタル23の間に存在する潤滑油Oの膜厚も、ピニオンシャフト6が真直な状態が維持される。
また、梁部材21の梁部21bは、径方向には弾性変形しにくいため、ピニオンシャフト6が撓んでも、ピニオンシャフト6の軸の位置を実質的に保持することができる。
次に、本実施の形態に係る軸受装置10は、スクイズフィルムダンパを供えることができる。その例が図10に示されている。
図10に示すように、軸受台14が軸受本体12を取り囲むように設けられている。軸受台14には給油孔15が形成されており、この給油孔15は軸受本体12の外周面と軸受台14の内周面との間に形成されたスクイズフィルムすきま16に繋がっている。給油孔15に潤滑油を供給することにより、スクイズフィルムすきま16に給油される。したがって、軸受本体12の外周面と軸受台14の内周面との間には、潤滑油からなるスクイズフィルムが形成され、ピニオンシャフト6の振動を減衰させることができる。
図10に示す軸受装置10は、ピニオンシャフト6が撓んでも、軸受本体12はピニオンシャフト6の撓みに追従して傾転するので、スクイズフィルムすきま16の間隔を保持することができる。
図10に示すように、軸受台14が軸受本体12を取り囲むように設けられている。軸受台14には給油孔15が形成されており、この給油孔15は軸受本体12の外周面と軸受台14の内周面との間に形成されたスクイズフィルムすきま16に繋がっている。給油孔15に潤滑油を供給することにより、スクイズフィルムすきま16に給油される。したがって、軸受本体12の外周面と軸受台14の内周面との間には、潤滑油からなるスクイズフィルムが形成され、ピニオンシャフト6の振動を減衰させることができる。
図10に示す軸受装置10は、ピニオンシャフト6が撓んでも、軸受本体12はピニオンシャフト6の撓みに追従して傾転するので、スクイズフィルムすきま16の間隔を保持することができる。
ここでは、潤滑油からなるスクイズフィルムダンパの例を図示したが、振動を減衰させるダンパ装置として機能する他の物質を軸受本体12と軸受台14の間に介在させることを本発明は許容する。この物質としては、防振ゴム、金属ウール、潤滑油以外の液体(たとえば水)が掲げられる。
上記実施の形態では、ピニオンシャフト6の撓みに伴って弾性変形を担う部材として、円板状部材11、梁部21bを放射状に配置した梁部材21を示したが、本発明はこの形態に限定されない。ピニオンシャフト6、つまり支持するシャフトの軸方向に弾性変形しやすく、当該シャフトの径方向に弾性変形しにくい部材であれば、本発明の効果を享受できる限り、その形態は限定されない。例えば、円板状部材11の外周側の形状は円形である必要はなく、矩形、楕円形等の任意の形状であっても構わない。また、平面が扇型の部材を複数用いて梁部材21とすることもできる。
また、本発明による軸受装置が適用されるギアド圧縮装置は、図1に示したものに限定されず、他の形態のギアド圧縮装置に適用できることは言うまでもない。また、本発明による軸受装置は、例えば、圧縮機とは逆方向に流体が流れてタービンとして作動するエキスパンダ等の、ギアド圧縮装置以外の機械装置に広く適用することもできる。これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択し、あるいは他の構成に適宜変更することが可能である。
1…ギアド圧縮機、2…増速機構、3…ケーシング、4…歯車、5…ピニオン、6…ピニオンシャフト、7…軸受、8,9…羽根車、10,20…軸受装置、11…円板状部材、11a…リング状突起、12,22…軸受本体、13…軸受,23…軸受メタル、14…軸受台、15…給油孔、16…スクイズフィルムすきま、21…梁部材、21a…枠部、21b…梁部
Claims (4)
- 回転するシャフトの径方向の荷重を受ける滑り軸受装置であって、
前記シャフトが配置される軸受本体と、
前記軸受本体を前記径方向に支持する軸受支持体と、を備え、
前記軸受支持体は、
内周及び外周を有する中空の円板状部材であって、
その外周側が固定され、
その内周側において前記軸受本体と繋がることを特徴とする滑り軸受装置。 - 回転するシャフトの径方向の荷重を受ける滑り軸受装置であって、
前記シャフトが配置される軸受本体と、
前記軸受本体を前記径方向に支持する軸受支持体と、を備え、
前記軸受支持体は、
一端が固定され、かつ他端が前記軸受本体に繋がる梁を、前記シャフトの径方向に放射状に複数配置して構成されたことを特徴とする滑り軸受装置。 - 前記軸受本体の外周に、ダンパ装置が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の滑り軸受装置。
- 出力軸を介して回転力を出力する駆動機構と、
羽根車が取り付けられている圧縮機シャフトを、軸方向に離間した2つの軸受装置により回転自在に支持している圧縮機構と、
前記出力軸に取り付けられている大歯車と、前記圧縮機シャフトのうち前記2つの軸受の間の位置に取り付けられていると共に前記大歯車に噛み合う小歯車とを有する増速機構と、
を備え、
前記軸受装置が、
請求項1〜3のいずれかに記載の軸受装置であることを特徴とする遠心圧縮機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008016713A JP2009174692A (ja) | 2008-01-28 | 2008-01-28 | 軸受装置及び遠心圧縮機 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012062979A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ギアトレイン |
JP2013204740A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Sinfonia Technology Co Ltd | 軸受支持構造 |
US9714658B2 (en) | 2011-08-05 | 2017-07-25 | Mitsubishi Heavy Industries Compressor Corporation | Centrifugal compressor |
US9803654B2 (en) | 2012-10-30 | 2017-10-31 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Impeller, and rotating machine provided with same |
CN112727994A (zh) * | 2020-12-25 | 2021-04-30 | 中国船舶重工集团公司第七0三研究所 | 一种可调挤压油膜阻尼器 |
-
2008
- 2008-01-28 JP JP2008016713A patent/JP2009174692A/ja not_active Withdrawn
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