JP2009169092A - 光学系および撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被写界深度が拡大された取り扱いが容易な光学系を提供すること。
【解決手段】光を結像する光学系であって、物点からの光に対する光学的伝達関数を物点までの距離によらず略同一にすべく過剰補正された縦収差を有する。光学系のMTFは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であってよい。また、光学系のMTFは、像高によらず略同一であってよい。また、光学系による物点からの光の拡がりは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であり、像高によらず略同一であってよい。
【選択図】図3
【解決手段】光を結像する光学系であって、物点からの光に対する光学的伝達関数を物点までの距離によらず略同一にすべく過剰補正された縦収差を有する。光学系のMTFは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であってよい。また、光学系のMTFは、像高によらず略同一であってよい。また、光学系による物点からの光の拡がりは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であり、像高によらず略同一であってよい。
【選択図】図3
Description
本発明は、光学系および撮像装置に関する。本発明は、特に、撮像用の光学系および当該光学系を有する撮像装置に関する。
従来、位相マスクを使用することによって光学システムの光伝達関数を焦点位置から或るレンジ内で実質的に一定に留める技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、波面の位相を変更する光学素子により焦点関係の収差に対して光学結像の光学伝達関数を実質的に不変とする技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特表平11−500235号公報
特表2006−523330号公報
特許文献1および特許文献2に記載の技術では、レンズの光伝達関数を3次の位相マスクによって変更することで、物体距離にわたって光伝達関数が保たれるとされる。しかしながら、位相マスクおよびレンズを有する光学系の光学特性はレンズの光軸に関して非対称であるので、レンズ、位相マスク、および受光素子をきちんとアライメントしなければ適切に復元された画像を得ることができない。このため、製造時の位相マスクの取り扱いが複雑になってしまう。このため、レンズ系の光学特性によって光学伝達関数が略同一に保たれることが望ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、光を結像する光学系であって、物点からの光に対する光学的伝達関数を物点までの距離によらず略同一にすべく過剰補正された縦収差を有する。
本発明の第2の形態によると、撮像装置であって、物点からの光に対する光学的伝達関数を物点までの距離によらず略同一にすべく過剰補正された縦収差を有する光学系と、光学系を通過した光を受光する受光部とを備える。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一実施形態に係わる撮像装置100のブロック構成の一例を示す。撮像装置100は、光を結像する光学系の一例としてのレンズ系110、レンズ系110を通過した光を受光する受光部120、補正部140、画像処理部145、および出力部150を備える。撮像装置100は、被写体を撮像して画像を生成する。なお、レンズ系110の光学特性については図2に関連して定性的に説明する。
受光部120は、2次元的に配置された複数の受光素子を有する。補正部140は、複数の受光素子がそれぞれ受光した受光量がA/D変換されて得られた画像を補正する。例えば、補正部140は、A/D変換された受光量の値、各受光素子の位置、及びレンズ系110の光学的伝達関数に基づいて、画像を補正する。このように、補正部140は、レンズ系110の光学伝達関数に基づいて、受光部120が受光した光により得られた画像を補正する。
画像処理部145は、補正部140によって補正された画像に画像処理を施す。画像処理部145が施す画像処理としては、カラーバランス処理、γ変換、色同時化処理、輪郭補正処理、色補正処理等を例示することができる。このように、画像処理部145は、補正部140によって補正された画像の画素値を、受光素子の受光量に非線形な値に変換する。
そして、出力部150は、画像補正部140および画像処理部145によって処理されて得られた出力画像を出力する。例えば、出力部150は、出力画像を表示してよい。また、出力部150は、記録媒体に出力画像を記録してよい。他にも、出力部150は、通信回線に出力を送出してよい。なお、出力部150は、出力画像を圧縮してから出力してもよい。
図2は、レンズ系110の光学特性の一例を模式的に示す。本図には、光軸上の物点からレンズ系110に入射した光線のうち、入射瞳250において光軸から異なる位置に入射した3の光線210、光線220、光線230の軌跡が模式的に示されている。図示されるように、光線210、光線220、および光線230は、この順で入射瞳250において光軸に近い位置に入射する。
図示されるように、光線210は、レンズ系110により、近軸焦点の位置250より光軸方向にレンズ系110より離れた位置215で光軸と交差する。また、光線230は、レンズ系110により、位置215より光軸方向にレンズ系110より離れた位置235で光軸と交差する。そして、光線220は、最も光軸から離れた位置に入射する光線230は、レンズ系110により、位置215と位置235との間の位置225で光軸と交差する。
図示されるように、レンズ系110による光の拡がりの大きさは、位置215から位置235の間では略同一の大きさになることが期待される。このように、レンズ系110は過剰補正された球面収差を有しており、光を近軸焦点の位置250より実質的に遠くに結像する。このため、レンズ系110によると、光軸方向の像面位置によらず物点からの光の拡がりの大きさが実質的に略同一となる光軸方向の距離を、球面収差が過剰補正されていない場合に比べて長くすることができる。
このように、当該光軸方向の距離が長くなると、レンズ系110からのより広い距離範囲に存在する物点からの光について、光の拡がりの大きさが実質的に略同一となる像面位置が存在し得る。このような像面位置に受光部120を設けると、物点までの距離によらず、受光部120が設けられた位置における光学伝達関数が実質的に略同一となる。このように、レンズ系110は、上述した収差特性によって、物点からの光に対する光学的伝達関数は物点までの距離によらず略同一となる。
以上、図2を用いてレンズ系110の光学特性を定性的に説明した。なお、図2に示したレンズ系110の模式図は、レンズ系110の光学特性を定性的に理解することを目的として作図したものであり、実スケールに従って作図されたものではないことに注意すべきである。
図3は、レンズ系110の構成の一例を示す。レンズ系110は、絞り300、レンズ310、レンズ320、およびレンズ330を有する。また、像面は符号380で示されている。なお、本図には、複数の光線がレンズ系110に重ねて描かれている。以下、レンズ310、レンズ320、レンズ330の配置およびそれらの光学特性を説明する。
レンズ310およびレンズ330の屈折率は、波長486.133nm、波長587.562nm、および波長656.273nmの光に対してそれぞれ1.53128710、1.52470166、および1.52196091である。また、レンズ320の屈折率は、波長486.133nm、波長587.562nm、および波長656.273nmの光に対してそれぞれ1.59943869、1.58546992、および1.57986377である。また、絞り300は、レンズ310の頂点より像面側に0.0005358337mm離れて設けられる。
レンズ310の厚さは1.688465mmである。なお、本図の説明における厚さとは、レンズの光軸方向の長さを示す。また、レンズ310の物体側表面の曲率半径は11.47443mmであり、物体側の断面半径は1.482371mmであり、物体側表面の円錐定数は−556.3053である。また、レンズ310の像側表面の曲率半径は−14.56409mmであり、像側の断面半径は2.111479mmであり、物体側表面の円錐定数は41.9261である。なお、本図の説明において、曲率半径が負である場合は、その表面形状が光に対して凹面であることを示す。
レンズ320は、レンズ310から像面方向に距離0.0992469mm離れて設けられる。なお、本図の説明で、レンズ間の距離は、光軸上における、物体側のレンズの像側表面と像側のレンズの物体側表面との間の距離を示す。レンズ320の厚さは0.2598875mmである。また、レンズ320の物体側表面の曲率半径は1.401978mmであり、物体側表面の断面半径は2.175006mmであり、物体側表面の円錐定数は−7.659905である。また、レンズ320の像側表面の曲率半径は0.6412006mmであり、像側の断面半径は2.041809mmであり、像側表面の円錐定数は−2.337018である。
レンズ330は、レンズ320から像面方向に距離3.139189mm離れて設けられる。レンズ330の厚さは0.1389009mmである。また、レンズ330の物体側表面の曲率半径は−0.374831mmであり、物体側表面の断面半径は3.653998mmであり、物体側表面の円錐定数は−260.7873である。また、レンズ330の像側表面の曲率は−0.3040315mmであり、像側の断面半径は3.744696mmであり、像側表面の円錐定数は−254.3315である。そして、像面は、レンズ330から距離1.885325mm離れた位置に設定されている。
このように、複数のレンズ310、レンズ320、およびレンズ330は、各レンズの中心軸をそろえて同軸に配列されている。したがって、レンズ系110は、光軸に関して回転対称である。回転対称であることにより、撮像装置100の製造時におけるレンズのアラインメントが非常に容易となる。
また、像面の法線の角度と主光線が像面に入射する角度との差の絶対値は、レンズ系110の光学伝達関数の算出誤差を予め定められた値より小さくすべく、予め定められた値より小さい。このように、レンズ系110のテレセントリック性をより大きくすることによって、光学伝達関数の算出誤差を低減することができる。例えば、MTFを算出する場合に、FFTによっても十分小さい誤差でMTFを算出することができる。このため、レンズ系110による画像のボケを高速に復元することが可能になる。
図4は、図3に示したレンズ系110の収差特性を示す。本図には、上から順に球面収差図、非点収差および歪曲収差図、および横収差図が示されている。最上段の球面収差図に示されるように、図3に示したレンズ系110の球面収差は過剰補正されている。なお、本球面収差図の横軸は、設定された像面に対する位置を示しており、近軸焦点に対する位置を示していないことに注意すべきである。
図示されるように、像面の全面にわたって縦収差は正の値となっている。つまり、少なくとも、レンズ系110の入射瞳上において光軸から第1距離だけ離れた位置にある第1入射位置と光軸との間の範囲に入射した光に対して、縦収差の値は正の値となっている。また、縦収差は、図中のP1の位置までは単調増加しており、P1を境に単調減少に転ずる。このように、レンズ系110は、レンズ系110の入射瞳上において第1距離より小さい第2距離だけ光軸から離れた位置にある第2入射位置において、光軸から入射位置までの距離に関する縦収差の微分値が略0となる。そして、レンズ系110の入射瞳上において第2入射位置より離れた入射位置に入射した光について、光軸から入射位置までの距離が増加するにつれて縦収差は減少する。
また、本図の最下段には、複数の像高における横収差を示すグラフが示されている。最左上のグラフは光軸上の横収差図を示しており、最右上のグラフは像高1.1250mmにおける横収差図を示す。また、最左下のグラフは像高1.5750mmにおける横収差図、最右下のグラフは像高2.2500mmにおける横収差図を示す。このように、レンズ系110の横収差は、各像高において略同一の形状を示している。なお、波面収差を指標とすれば、主光線と異なる入射瞳上の入射位置に入射した光に沿う光路長と主光線に沿う光路長との間の差と、レンズ系110の入射瞳への入射位置との間の関係が、像高によらず略同一であってもよい。
図5は、図3に示したレンズ系110の光学伝達特性を示す。本図には、上から順にスポットダイアグラムの像高およびデフォーカス依存性を示すスポットダイアグラム図、MTFのデフォーカス依存性、およびMTFの空間周波数特性が示されている。
最上段のスポットダイアグラム図には、異なる複数の像高および異なる複数のデフォーカス量におけるスポットダイアグラムが示されている。本スポットダイアグラム図では、同一像高における、異なる複数のデフォーカス量での複数のスポットダイアグラムが横方向に並べられている。また、同一デフォーカス量における、異なる複数の像高における複数のスポットダイアグラムが縦方向に並べられている。
各スポットダイアグラムの左に数値で示された像高が示すように、本スポットダイアグラム図には、光軸上、光軸から1.1250mm、光軸から1.5750mm、および光軸から2.2500mmの位置の像高におけるスポットダイアグラムが含まれている。また、各スポットダイアグラムの下に数値で示されたデフォーカス量が示すように、本スポットダイアグラム図には、像面から−75μmの位置、像面から−37.5μmの位置、像面の位置、像面から37.5μmの位置、および像面から75μmの位置におけるスポットダイアグラムが含まれている。
本スポットダイアグラム図が示すように、スポットダイアグラムの拡がりは、少なくとも予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であり、像高によらず略同一であることがわかる。このように、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一となる。なお、光の拡がりとは、本図に示すようにスポットダイアグラムの拡がりであってよく、点像分布関数が示す光の拡がりであってもよい。
このように、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、像高によらず略同一であり、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、少なくとも予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であることがわかる。なお、各スポットダイアグラムが示すように、像面における物点からの光の強度分布は、主光線の位置を中心とする空間的な"芯"を持つことがわかる。つまり、レンズ系110による物点からの光の像面における強度分布は、異なる像高にそれぞれ2つのピークを有しており、1のピークは主光線が像面を交わる位置に存在する。このような"芯"を有することからもわかるように、レンズ系110は実質的に、空間的に高周波を伝達することもできる。高周波の伝達特性は、後に説明するMTFの空間周波数特性のグラフでも示される。
また、本図中段に示されるMTFのデフォーカス依存性のグラフが示すように、複数の像高についても、サジタル光線及びメリジオナル光線についても、略同一のMTF値の分布を持つことが分かる。また、MTFは、少なくともグラフに示されるデフォーカスの範囲内では、略同一の値を示している。このように、広いデフォーカス範囲にわたってレンズ系110のMTFは略同一の値をとる。
また、本図最下段のMTFの空間周波数特性のグラフが示すように、レンズ系110は複数の像高についても、サジタル光線及びメリジオナル光線についても、略同一のMTF周波数特性を持つことが分かる。このように、レンズ系110のMTFは、像高によらず略同一であるといえる。また、レンズ系110のMTFは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一となっている。
なお、本図には、MTFの値が1から単調減少する回折限界を示す線が示されているが、レンズ系110のMTFは、回折限界のカットオフ周波数近くにまで、実質的なMTF値を有することがわかる。このように、レンズ系110は、空間的に高周波を伝達し得ることがわかる。
図6は、受光部120が有する受光素子の配列の一例を示す。受光部120は、G成分の光を受光する複数の受光素子610aおよび610b、R成分の光を受光する受光素子620、およびB成分の光を受光する受光素子630から形成される受光素子ユニット650aを有する。また、受光部120は、受光素子ユニット650aと同様の受光素子配列を有する複数の受光素子ユニット(例えば、受光素子ユニット650b)が2次元的に配列されて形成される。
このように、受光部120は、複数の受光素子によって略平面状の受光面が形成されている。また、受光部120の受光面は、レンズ系110の光軸に略垂直に設けられる。なお、受光素子はCCD撮像素子であってよいし及びMOS型撮像素子であってもよい。
なお、受光部120が設けられた位置におけるレンズ系110による物点からの光の拡がりは、受光部120が有する複数の受光素子のピッチより大きい。なお、ここでいう受光素子のピッチとは、同じ色成分を示す波長領域の光を受光する受光素子のピッチを示す。例えば、受光素子のピッチとは、受光素子620が設けられた位置と受光素子621が設けられた位置との間の距離であってよい。
この場合、物点からの光は、レンズ系110を通過することによって複数の受光素子によって受光される。このため被写体像はボケてしまうが、レンズ系110の光学伝達関数が既知であれば、光学伝達関数が示すレンズ系110による拡がりを補正する画像処理によって、被写体像を復元することができる。
例えば、受光部120が設けられた位置におけるレンズ系110による物点からの光の拡がりは、予め定められた数の受光素子が設けられた範囲の拡がりを有しているとするとすれば、補正部140は、予め定められた数の受光素子が受光した光量およびレンズ系110の光学伝達関数に基づいて、画像を補正することができる。より具体的には、補正部140は、予め定められた数の受光素子(例えば、3×3あるいは7×7等の配列内の受光素子)が受光した受光量を使用して、レンズ系110による光学応答を補正する逆フィルタを用いたデコンボリューション処理により、被写体像を鮮明なものに復元することができる。
なお、図5の最下段には、レンズ系110のMTF特性および回折限界のMTF特性が示されているが、上記逆フィルタ等で補正部140が光学応答を補正することで、レンズ系110および補正部140による補正を含めた系全体のMTF特性を、回折限界を示すMTF特性に近づけることができる。
図7は、レンズ系110の構成の他の一例を示す。レンズ系110は、絞り700、レンズ710、レンズ720、およびレンズ730を有する。また、像面は符号780で示されている。なお、本図には、複数の光線がレンズ系110に重ねて描かれている。以下、レンズ710、レンズ720、およびレンズ730の配置およびそれらの光学特性を説明する。
レンズ710およびレンズ730の屈折率は、波長486.133nm、波長587.562nm、および波長656.273nmの光に対してそれぞれ1.53128710、1.52470166、および1.52196091である。また、レンズ720の屈折率は、波長486.133nm、波長587.562nm、および波長656.273nmの光に対してそれぞれ1.59943869、1.58546992、および1.57986377である。また、絞り700は、レンズ710の頂点より像面側に0.001566661mm離れて設けられる。
レンズ710の厚さは1.987091mmである。なお、本図の説明における厚さとは、レンズの光軸方向の長さを示す。また、レンズ710の物体側表面の曲率半径は15.48676mmであり、物体側の断面半径は1.188941mmであり、物体側表面の円錐定数は−90378.4である。また、レンズ710の像側表面の曲率半径は−12.09038mmであり、像側の断面半径は2.14803mmであり、物体側表面の円錐定数は28.79374。なお、本図の説明において、曲率半径が負である場合は、その表面形状が光に対して凹面であることを示す。
レンズ720は、レンズ710から像面方向に距離0.4005282mm離れて設けられる。なお、本図の説明で、レンズ間の距離は、光軸上における、物体側のレンズの像側表面と像側のレンズの物体側表面との間の距離を示す。レンズ720の厚さは0.09214797mmである。また、レンズ720の物体側表面の曲率半径は2.114035mmであり、物体側表面の断面半径は2.38122mmであり、物体側表面の円錐定数は−0.3929276である。また、レンズ720の像側表面の曲率半径は1.119414mmであり、像側の断面半径は2.362124mmであり、像側表面の円錐定数は−2.780465である。
レンズ730は、レンズ720から像面方向に距離1.770789mm離れて設けられる。レンズ730の厚さは0.5204438mmである。また、レンズ730の物体側表面の曲率半径は−0.6002893mmであり、物体側表面の断面半径は3.486572mmであり、物体側表面の円錐定数は−958.9289である。また、レンズ730の像側表面の曲率は−0.3018179mmであり、像側の断面半径は4.262504mmであり、像側表面の円錐定数は−465.3071である。そして、像面は、レンズ730から距離1.1mm離れた位置に設定されている。
このように、複数のレンズ710、レンズ720、およびレンズ730は、各レンズの中心軸をそろえて同軸に配列されている。したがって、レンズ系110は、光軸に関して回転対称である。
また、像面の法線の角度と主光線が像面に入射する角度との差の絶対値は、レンズ系110の光学伝達関数の算出誤差を予め定められた値より小さくすべく、予め定められた値より小さい。このように、レンズ系110のテレセントリック性をより大きくすることによって、光学伝達関数の算出誤差を低減することができる。例えば、MTFを算出する場合に、FFTによっても十分小さい誤差でMTFを算出することができる。このため、レンズ系110による画像のボケを高速に復元することが可能になる。
図8は、図7に示したレンズ系110の収差特性を示す。本図には、上から順に球面収差図、非点収差および歪曲収差図、および横収差図が示されている。最上段の球面収差図に示されるように、図7に示したレンズ系110の球面収差は過剰補正されている。なお、本図においても、本球面収差図の横軸は設定された像面に対する位置を示しており、近軸焦点に対する位置を示していないことに注意すべきである。
図示されるように、像面の全面にわたって縦収差は正の値となっている。つまり、少なくとも、レンズ系110の入射瞳上において光軸から第1距離だけ離れた位置にある第1入射位置と光軸との間の範囲に入射した光に対して、縦収差の値は正の値となっている。
また、本図の最下段には、複数の像高における横収差を示すグラフが示されている。最左上のグラフは光軸上の横収差図を示しており、最右上のグラフは像高14.10mmにおける横収差図を示す。また、最左下のグラフは像高19.74mmにおける横収差図、最右下のグラフは像高28.20mmにおける横収差図を示す。このように、レンズ系110の横収差は、各像高において略同一の形状を示している。
図9は、図7に示したレンズ系110の光学伝達特性を示す。本図には、上から順にスポットダイアグラムの像高およびデフォーカス依存性を示すスポットダイアグラム図、MTFのデフォーカス依存性、およびMTFの空間周波数特性が示されている。
最上段のスポットダイアグラム図には、異なる複数の像高および異なる複数のデフォーカス量におけるスポットダイアグラムが示されている。本スポットダイアグラム図では、同一像高における、異なる複数のデフォーカス量での複数のスポットダイアグラムが横方向に並べられている。また、同一デフォーカス量における、異なる複数の像高における複数のスポットダイアグラムが縦方向に並べられている。
各スポットダイアグラムの左に数値で示された像高が示すように、本スポットダイアグラム図には、光軸上、光軸から14.10mm、光軸から19.74mm、および光軸から20.20mmの位置の像高におけるスポットダイアグラムが含まれている。また、各スポットダイアグラムの下に数値で示されたデフォーカス量が示すように、本スポットダイアグラム図には、設定した像面から−75μmの位置、像面から−37.5μmの位置、像面の位置、像面から37.5μmの位置、および像面から75μmの位置におけるスポットダイアグラムが含まれている。
本スポットダイアグラム図が示すように、スポットダイアグラムの拡がりは、少なくとも予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であり、像高によらず略同一であることがわかる。このように、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一となる。なお、光の拡がりとは、本図に示すようにスポットダイアグラムの拡がりであってよく、点像分布関数が示す光の拡がりであってもよい。このように、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、像高によらず略同一であり、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、少なくとも予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であることがわかる。
また、本図中段に示されるMTFのデフォーカス依存性のグラフが示すように、複数の像高についても、サジタル光線及びメリジオナル光線についても、略同一のMTF値の分布を持つことが分かる。また、MTFは、少なくともグラフに示されるデフォーカスの範囲内では、略同一の値を示している。このように、広いデフォーカス範囲にわたってレンズ系110のMTFは略同一の値をとる。
また、本図最下段のMTFの空間周波数特性のグラフが示すように、レンズ系110は複数の像高についても、サジタル光線及びメリジオナル光線についても、略同一のMTF周波数特性を持つことが分かる。このように、レンズ系110のMTFは、像高によらず略同一であるといえる。また、レンズ系110のMTFは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一となっているといえる。
図10は、レンズ系110の構成の更なる他の一例を示す。レンズ系110は、絞り1000、レンズ1010、レンズ1020、レンズ1030、およびレンズ1040を有する。また、像面は符号1080で示されている。なお、本図には、複数の光線がレンズ系110に重ねて描かれている。以下、レンズ1010、レンズ1020、レンズ1030、およびレンズ1040の配置およびそれらの光学特性を説明する。
レンズ1010の屈折率は、波長486.100nm、波長587.600nm、および波長656.300nmの光に対して、それぞれ1.75252013、1.73626547、および1.72960919である。また、レンズ1020の屈折率は、波長486.100nm、波長587.600nm、および波長656.300nmの光に対して、それぞれ1.57943754、1.57249816、および1.56948554である。また、レンズ1030の屈折率は、波長486.100nm、波長587.600nm、および波長656.300nmの光に対して、それぞれ1.72222289、1.71300056、および1.70897250である。また、レンズ1040の屈折率は、波長486.100nm、波長587.600nm、および波長656.300nmの光に対して、それぞれ1.54625510、1.53995831、および1.53720821である。
絞り700は、レンズ1010より物体側に0.025mm離れて設けられる。レンズ1010の厚さは0.6048451mmである。なお、本図の説明における厚さとは、レンズの光軸方向の長さを示す。また、レンズ1010の物体側表面の曲率半径は1.804827mmであり、物体側の断面半径は1.902386mmであり、物体側表面の円錐定数は−16.12702である。また、レンズ1010の像側表面の曲率半径は1.062453mmであり、像側の断面半径は1.908364mmであり、物体側表面の円錐定数は0である。なお、本図の説明において、曲率半径が負である場合は、その表面形状が光に対して凹面であることを示す。
レンズ1020は、レンズ1010と接して設けられ、レンズ1020の厚さは0.6671067mmである。なお、レンズ1020の物体側表面は、レンズ1010の像側表面と全面において接している。レンズ1020の像側表面の曲率半径は3.898539mmであり、像側表面の断面半径は2.02948mmであり、像側表面の円錐定数は−15.29643である。
レンズ1030は、レンズ1020から像面方向に距離1.194403mm離れて設けられる。レンズ1030の厚さは0.540456mmである。また、レンズ1030の物体側表面の曲率半径は−4.258029mmであり、物体側表面の断面半径は2.644769mmであり、物体側表面の円錐定数は9.589968である。また、レンズ1030の像側表面の曲率半径は−1.42228mmであり、像側の断面半径は2.837309mmであり、像側表面の円錐定数は−1.367553である。
レンズ1030は、レンズ1020から像面方向に距離0.8969939mm離れて設けられる。レンズ1030の厚さは0.7020744mmである。また、レンズ1030の物体側表面の曲率半径は−0.8313313mmであり、物体側表面の断面半径は3.463307mmであり、物体側表面の円錐定数は−2.169943である。また、レンズ1030の像側表面の曲率は−1.810591mmであり、像側の断面半径は4.156727mmであり、像側表面の円錐定数は−5.628916である。そして、像面は、レンズ1030から距離0.9541563mm離れた位置に設定されている。
このように、複数のレンズ1010、レンズ1020、レンズ1030、およびレンズ1040は、各レンズの中心軸をそろえて同軸に配列されている。したがって、レンズ系110は、光軸に関して回転対称である。
また、像面の法線の角度と主光線が像面に入射する角度との差の絶対値は、レンズ系110の光学伝達関数の算出誤差を予め定められた値より小さくすべく、予め定められた値より小さい。このように、レンズ系110のテレセントリック性をより大きくすることによって、光学伝達関数の算出誤差を低減することができる。例えば、MTFを算出する場合に、FFTによっても十分小さい誤差でMTFを算出することができる。このため、レンズ系110による画像のボケを高速に復元することが可能になる。
図11は、図10に示したレンズ系110の収差特性を示す。本図には、上から順に球面収差図、非点収差および歪曲収差図、および横収差図が示されている。最上段の球面収差図に示されるように、図10に示したレンズ系110の球面収差は過剰補正されている。なお、本図においても、本球面収差図の横軸は設定された像面に対する位置を示しており、近軸焦点に対する位置を示していないことに注意すべきである。
図示されるように、像面の全面にわたって縦収差は正の値となっている。つまり、少なくとも、レンズ系110の入射瞳上において光軸から第1距離だけ離れた位置にある第1入射位置と光軸との間の範囲に入射した光に対して、縦収差の値は正の値となっている。
また、本図の最下段には、複数の像高における横収差を示すグラフが示されている。最左上のグラフは光軸上の横収差図を示しており、最右上のグラフは像高0.6750mmにおける横収差図を示す。また、最左下のグラフは像高1.5750mmにおける横収差図、中央のグラフは像高1.1250mmにおける横収差図、最右下のグラフは像高2.2500mmにおける横収差図を示す。このように、レンズ系110の横収差は、各像高において略同一の形状を示している。
図12は、図10に示したレンズ系110の光学伝達特性を示す。本図には、上から順にスポットダイアグラムの像高およびデフォーカス依存性を示すスポットダイアグラム図、MTFのデフォーカス依存性、およびMTFの空間周波数特性が示されている。
最上段のスポットダイアグラム図には、異なる複数の像高および異なる複数のデフォーカス量におけるスポットダイアグラムが示されている。本スポットダイアグラム図では、同一像高における、異なる複数のデフォーカス量での複数のスポットダイアグラムが横方向に並べられている。また、同一デフォーカス量における、異なる複数の像高における複数のスポットダイアグラムが縦方向に並べられている。
各スポットダイアグラムの左に数値で示された像高が示すように、本スポットダイアグラム図には、光軸上、光軸から0.6750mm、光軸から1.1250mm、光軸から1.5750mm、および光軸から2.2500mmの位置の像高におけるスポットダイアグラムが含まれている。また、各スポットダイアグラムの下に数値で示されたデフォーカス量が示すように、本スポットダイアグラム図には、設定した像面から−75μmの位置、像面から−37.5μmの位置、像面の位置、像面から37.5μmの位置、および像面から75μmの位置におけるスポットダイアグラムが含まれている。
本スポットダイアグラム図が示すように、スポットダイアグラムの拡がりは、少なくとも予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であり、像高によらず略同一であることがわかる。このように、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一となる。なお、光の拡がりとは、本図に示すようにスポットダイアグラムの拡がりであってよく、点像分布関数が示す光の拡がりであってもよい。
このように、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、像高によらず略同一であり、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、少なくとも予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であることがわかる。
また、本図中段に示されるMTFのデフォーカス依存性のグラフが示すように、複数の像高についても、サジタル光線及びメリジオナル光線についても、略同一のMTF値の分布を持つことが分かる。また、MTFは、少なくともグラフに示されるデフォーカスの範囲内では、略同一の値を示している。このように、広いデフォーカス範囲にわたってレンズ系110のMTFは略同一の値をとる。
また、本図最下段のMTFの空間周波数特性のグラフが示すように、レンズ系110は複数の像高についても、サジタル光線及びメリジオナル光線についても、略同一のMTF周波数特性を持つことが分かる。このように、レンズ系110のMTFは、像高によらず略同一であるといえる。また、レンズ系110のMTFは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一となっているといえる。
図13は、レンズ系110の構成の更なる他の一例を示す。レンズ系110は、絞り1300、レンズ1310、レンズ1320、レンズ1330、およびレンズ1340を有する。また、像面は符号1380で示されている。なお、本図には、複数の光線がレンズ系110に重ねて描かれている。以下、レンズ1310、レンズ1320、レンズ1330、およびレンズ1340の配置およびそれらの光学特性を説明する。
レンズ1310の屈折率は、波長486.100nm、波長587.600nm、および波長656.300nmの光に対して、それぞれ1.78230220、1.76181440、および1.75357163である。また、レンズ1320の屈折率は、波長486.100nm、波長587.600nm、および波長656.300nmの光に対して、それぞれ1.56552011,1.55835898、および1.55520596である。また、レンズ1330の屈折率は、波長486.100nm、波長587.600nm、および波長656.300nmの光に対して、それぞれ1.76826328、1.75718788、および1.75241996である。また、レンズ1340の屈折率は、波長486.100nm、波長587.600nm、および波長656.300nmの光に対して、それぞれ1.5292991、1.52307826、および1.52036567である。
絞り1300は、レンズ1310より物体側に0.025mm離れて設けられる。レンズ1310の厚さは0.5828522mmである。なお、本図の説明における厚さとは、レンズの光軸方向の長さを示す。また、レンズ1310の物体側表面の曲率半径は1.754745mmであり、物体側の断面半径は1.913817mmであり、物体側表面の円錐定数は−15.45275である。また、レンズ1310の像側表面の曲率半径は1.034359mmであり、像側の断面半径は1.883285mmであり、物体側表面の円錐定数は0である。なお、本図の説明において、曲率半径が負である場合は、その表面形状が光に対して凹面であることを示す。
レンズ1320は、レンズ1310と接して設けられ、レンズ1320の厚さは0.6955417mmである。なお、レンズ1020の物体側表面は、レンズ1010の像側表面と全面において接している。そして、レンズ1320の像側表面の曲率半径は3.874941mmであり、像側の断面半径は2.047674mmであり、像側表面の円錐定数は−18.51287である。
レンズ1330は、レンズ1320から像面方向に距離1.094118mm離れて設けられる。レンズ1330の厚さは0.5046021mmである。また、レンズ1330の物体側表面の曲率半径は−4.367544mmであり、物体側表面の断面半径は2.67038mmであり、物体側表面の円錐定数は9.503789である。また、レンズ1330の像側表面の曲率は−1.447301mmであり、像側の断面半径は2.800311mmであり、像側表面の円錐定数は−1.300115である。
レンズ1330は、レンズ1320から像面方向に距離0.9083167mm離れて設けられる。レンズ1330の厚さは0.7753999mmである。また、レンズ1330の物体側表面の曲率半径は−0.7951578mmであり、物体側表面の断面半径は3.341046mmであり、物体側表面の円錐定数は−1.974982である。また、レンズ1330の像側表面の曲率は−1.835438mmであり、像側の断面半径は4.149776mmであり、像側表面の円錐定数は−4.3219である。そして、像面は、レンズ1330から距離0.9970489mm離れた位置に設定されている。
このように、複数のレンズ1310、レンズ1320、レンズ1330、およびレンズ1340は、各レンズの中心軸をそろえて同軸に配列されている。したがって、レンズ系110は、光軸に関して回転対称である。
また、像面の法線の角度と主光線が像面に入射する角度との差の絶対値は、レンズ系110の光学伝達関数の算出誤差を予め定められた値より小さくすべく、予め定められた値より小さい。このように、レンズ系110のテレセントリック性をより大きくすることによって、光学伝達関数の算出誤差を低減することができる。例えば、MTFを算出する場合に、FFTによっても十分小さい誤差でMTFを算出することができる。このため、レンズ系110による画像のボケを高速に復元することが可能になる。
図14は、図13に示したレンズ系110の収差特性を示す。本図には、上から順に球面収差図、非点収差および歪曲収差図、および横収差図が示されている。最上段の球面収差図に示されるように、図13に示したレンズ系110の球面収差は過剰補正されている。なお、本図においても、本球面収差図の横軸は設定された像面に対する位置を示しており、近軸焦点に対する位置を示していないことに注意すべきである。
図示されるように、像面の全面にわたって縦収差は正の値となっている。つまり、少なくとも、レンズ系110の入射瞳上において光軸から第1距離だけ離れた位置にある第1入射位置と光軸との間の範囲に入射した光に対して、縦収差の値は正の値となっている。
また、本図の最下段には、複数の像高における横収差を示すグラフが示されている。最左上のグラフは光軸上の横収差図を示しており、最右上のグラフは像高0.6750mmにおける横収差図を示す。また、中央のグラフは像高1.1250mmにおける横収差図、最左下のグラフは像高1.5750mmにおける横収差図、最右下のグラフは像高2.2500mmにおける横収差図を示す。このように、レンズ系110の横収差は、各像高において略同一の形状を示している。
図15は、図13に示したレンズ系110の光学伝達特性を示す。本図には、上から順にスポットダイアグラムの像高およびデフォーカス依存性を示すスポットダイアグラム図、MTFのデフォーカス依存性、およびMTFの空間周波数特性が示されている。
最上段のスポットダイアグラム図には、異なる複数の像高および異なる複数のデフォーカス量におけるスポットダイアグラムが示されている。本スポットダイアグラム図では、同一像高における、異なる複数のデフォーカス量での複数のスポットダイアグラムが横方向に並べられている。また、同一デフォーカス量における、異なる複数の像高における複数のスポットダイアグラムが縦方向に並べられている。
各スポットダイアグラムの左に数値で示された像高が示すように、本スポットダイアグラム図には、光軸上、光軸から0.6750mm、1.1250mm、光軸から1.5750mm、および光軸から2.2500mmの位置の像高におけるスポットダイアグラムが含まれている。また、各スポットダイアグラムの下に数値で示されたデフォーカス量が示すように、本スポットダイアグラム図には、設定した像面から−75μmの位置、像面から−37.5μmの位置、像面の位置、像面から37.5μmの位置、および像面から75μmの位置におけるスポットダイアグラムが含まれている。
本スポットダイアグラム図が示すように、スポットダイアグラムの拡がりは、少なくとも予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であり、像高によらず略同一であることがわかる。このように、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一となる。なお、光の拡がりとは、本図に示すようにスポットダイアグラムの拡がりであってよく、点像分布関数が示す光の拡がりであってもよい。
このように、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、像高によらず略同一であり、レンズ系110による物点からの光の拡がりは、少なくとも予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一であることがわかる。
また、本図中段に示されるMTFのデフォーカス依存性のグラフが示すように、複数の像高についても、サジタル光線及びメリジオナル光線についても、略同一のMTF値の分布を持つことが分かる。また、MTFは、少なくともグラフに示されるデフォーカスの範囲内では、略同一の値を示している。このように、広いデフォーカス範囲にわたってレンズ系110のMTFは略同一の値をとる。
また、本図最下段のMTFの空間周波数特性のグラフが示すように、レンズ系110は複数の像高についても、サジタル光線及びメリジオナル光線についても、略同一のMTF周波数特性を持つことが分かる。このように、レンズ系110のMTFは、像高によらず略同一であるといえる。また、レンズ系110のMTFは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一となっているといえる。
図16は、レンズ系110が有する縦収差特性の他の例を示す。本図では、負の縦収差を有するレンズ系110の縦収差特性の一例を示す。なお、本図は、横軸に縦収差の値、縦軸に光の入射位置をとり、横軸の原点は近軸像点にとられている。
本図(a)に示されるように、位置P1において、光の入射位置に関する縦収差の微分値が0となっている。そして、位置P1より上方の位置P2において縦収差の値は0となり、位置P2より上方の位置においては、縦収差は負の値を持つ。このようにレンズ系110の入射瞳上において、光軸から縦収差の値が正である第1入射位置より離れた入射位置に入射した光について、縦収差の値は負の値となっている。
本図(a)が示す縦収差特性を有するレンズ系110によると、光軸から所定の範囲内の領域を通過した光は近軸像点より遠方に結像するが、所定の範囲外の周辺部を通過した光は近軸像点よりレンズ系110側に結像する。このような縦収差特性を有するレンズ系110によると、光の結像位置は、近軸像点より遠方を中心としつつ、近軸像点の前後に散らばるので、光の拡がり形状が略同一となる光軸方向の距離を長くすることができる。
また、本図(b)に示されるように、レンズ系110は光軸近傍において負の収差特性を有してもよい。そして、光軸近傍の位置P3において縦収差の値は0になり、それより光軸から離れた位置に入射した光については縦収差の値が正となっている。このようなレンズ系110によると、光軸近傍に入射した光については近軸像点よりレンズ系110側に結像するが、それより外側に入射した光については近軸像点より遠方に結像する。したがって、このような縦収差特性を有するレンズ系110によっても、光の結像位置は、近軸像点より遠方を中心としつつ、近軸像点の前後に散らばるので、光の拡がり形状が略同一となる光軸方向の距離を長くすることができる。
以上図1から図16に関連して説明したように、レンズ系110は、物点からの光を、受光部120が設けられた位置において物点までの距離によらず略同一の大きさに拡げることにより、光学的伝達関数を物点までの距離によらず略同一にすることができる。そして、レンズ系110は、物点からの光に対する光学的伝達関数を物点までの距離によらず略同一にすべく過剰補正された縦収差を有しているので、光学的伝達関数が略同一になる光軸方向の距離をより長くすることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
100 撮像装置
110 レンズ系
115 光透過部
120 受光部
140 補正部
145 画像処理部
150 出力部
110 レンズ系
115 光透過部
120 受光部
140 補正部
145 画像処理部
150 出力部
Claims (19)
- 光を結像する光学系であって、
物点からの光に対する光学的伝達関数を物点までの距離によらず略同一にすべく過剰補正された縦収差を有する光学系。 - 前記光学系のMTFは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一である
請求項1に記載の光学系。 - 前記光学系のMTFは、像高によらず略同一である
請求項2に記載の光学系。 - 前記光学系による物点からの光の拡がりは、予め定められた範囲の光軸方向の像面位置にわたって略同一である
請求項1に記載の光学系。 - 前記光学系による物点からの光の拡がりは、像高によらず略同一である
請求項4に記載の光学系。 - 前記光学系による物点からの光の像面における強度分布は、異なる像高にそれぞれ2つのピークを有し、1の前記ピークは主光線が像面を交わる位置に存在する
請求項5に記載の光学系。 - 主光線と異なる入射瞳上の入射位置に入射した光に沿う光路長と主光線に沿う光路長との間の差と、前記光学系の入射瞳への入射位置との間の関係が、像高によらず略同一である
請求項1に記載の光学系。 - 光軸に関して回転対称である
請求項1に記載の光学系。 - 像面の法線の角度と主光線が像面に入射する角度との差の絶対値は、予め定められた値より小さい
請求項1に記載の光学系。 - 前記光学系の入射瞳上において光軸から第1距離だけ離れた位置にある第1入射位置と光軸との間の範囲に入射した光に対して、前記縦収差の値は正の値である
請求項1に記載の光学系。 - 前記光学系の入射瞳上において前記第1距離より小さい第2距離だけ光軸から離れた位置にある第2入射位置において、光軸から入射位置までの距離に関する前記縦収差の微分値が略0である
請求項10に記載の光学系。 - 前記光学系の入射瞳上において前記第2入射位置より離れた入射位置に入射した光について、光軸から入射位置までの距離が増加するにつれて前記縦収差は減少する
請求項11に記載の光学系。 - 前記光学系の入射瞳上において光軸から前記第1入射位置より離れた入射位置に入射した光について、前記縦収差の値は負の値である
請求項10に記載の光学系。 - 物点からの光に対する光学的伝達関数を物点までの距離によらず略同一にすべく過剰補正された縦収差を有する光学系と、
前記光学系を通過した光を受光する受光部と
を備える撮像装置。 - 前記光学系は、物点からの光を、前記受光部が設けられた位置において物点までの距離によらず略同一の大きさに拡げることにより、光学的伝達関数を物点までの距離によらず略同一にする
請求項14に記載の撮像装置。 - 前記受光部が設けられた位置における前記光学系による物点からの光の拡がりは、前記受光部が有する複数の受光素子のピッチより大きい
請求項15に記載の撮像装置。 - 前記光学系の光学伝達関数に基づいて、前記受光部が受光した光により得られた画像を補正する補正部
をさらに備える請求項16に記載の撮像装置。 - 前記補正部は、予め定められた数の受光素子が受光した光量および前記光学系の光学伝達関数に基づいて、前記画像を補正する
請求項17に記載の撮像装置。 - 前記受光部が設けられた位置における前記光学系による物点からの光の拡がりは、前記予め定められた数の受光素子が設けられた範囲の拡がりを有する
請求項18に記載の撮像装置。
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