JP2009168790A - 電流センサ - Google Patents

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信幸 新地
Akira Okada
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Abstract

【課題】 従来の、電流検知デバイスを含むプリント基板のような絶縁体に、U字型の一次導体を設置した構成の電流センサでは、一次導体からの絶縁耐圧の確保が容易ではなかった。また、外部からの電界ノイズの影響により、高精度な測定が困難であるという問題点があった。
【解決手段】 電流検知デバイスを含むセンサ基板を、開口部ならびにシールド層を有する絶縁性のケース内部に設置する構成としたため、センサ基板と一次導体の絶縁耐圧が容易に確保され、かつ高精度な測定が可能となる。
【選択図】図1

Description

この発明は、被測定電流が印加されるU字型一次導体の、U字型形状部の近傍において、被測定電流を測定する電流センサに関するものである。
従来の電流センサとして、複数の磁気抵抗効果素子を絶縁体である回路基板を介し、所定の間隔を離してU字型の一次導体近傍に配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の電流センサとして、ホール素子を絶縁層およびシールド層を介してU字型の一次導体近傍に配置し、絶縁性の部材で覆ったものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−108069公報 特開2001−174486公報
上記特許文献1に開示されている電流センサは、U字型構造の一次導体、および、2つのスピンバルブ型GMR素子と差動増幅回路を用いて高精度化を図っている。しかしながら、素子および回路部と一次導体間に、電気的な絶縁のための距離(沿面距離および空間距離)が確保されていないという問題点があった。また、素子および回路部と一次導体間に、シールド層が設置されておらず、主に一次導体から生じる電界ノイズを除去あるいは低減できないという問題点があった。また、一次導体の位置や形状を変更せず、同一の素子を用いた場合は、測定レンジを容易に可変できないという問題点があった。さらにまた、スピンバルブ型GMR素子を用いるため、高精度化のためには別個の基板に作製された2つの素子を設置しなければならず、製造工程が増加するという問題点があった。
上記特許文献2に開示されている電流センサは、U字型構造の一次導体にシールド層を介してホール素子を設置し、さらに絶縁体で全てを覆う構造として高精度化を図っている。しかしながら、ホール素子と一次導体の間にのみシールド層が設置され、一次導体方向からの電界ノイズは除去あるいは低減可能だが、その他の方向から印加される電界ノイズは除去あるいは低減しにくいという問題点があった。また、全てを樹脂等の絶縁体で覆う構造のため、電気的な絶縁は確保されているものの、素子や回路等に起因した製造後の調整は、極めて困難であるという問題点があった。
この発明は上記のような課題を鑑み、解決するためになされたもので、一様な外部磁界を除去するとともに、磁気抵抗効果素子や回路部と一次導体の絶縁耐圧が容易に確保され、かつ周囲からの電界ノイズが除去あるいは低減され、測定レンジが容易に可変でき、低コスト化できる電流センサを得ることを目的とする。
この発明に係る電流センサは、設置基板上に4つの磁気抵抗効果素子で、設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に第2のハーフブリッジ回路が配置された電流検知デバイスと、少なくとも1つのU字型形状部を有する一次導体と、前記電流検知デバイスと前記一次導体を固定して1つの開口面を有した直方体状である絶縁性のケースと、シールド層を有し、前記一次導体と前記ケースを一体化し、前記ケースの内部に前記シールド層と前記電流検知デバイスを設置した構造をとるものである。
一つの設置基板上に四つの磁気抵抗効果素子にて、設置基板上の中心線に対して分けられた一方の領域に第一のハーフブリッジ回路が配置されるとともに、他方の領域に第二のブリッジ回路が配置され、それぞれのハーフブリッジ回路に逆方向の磁界が印加される構造のため、一様な外部磁界を除去する効果、および一つの基板に磁気抵抗効果素子が構成されるため、工程が簡略化できる効果がある。
また、電流検知デバイスを含むセンサ基板を、開口部を有する絶縁性のケース内部に設置することで、一次導体との電気的な絶縁のための距離(沿面距離および空間距離)が確保される効果がある。
また、電流検知デバイスを含むセンサ基板を取り囲む形でシールド層を設置することで、外部のあらゆる方向からの電界ノイズを除去あるいは低減する効果がある。
また、ケースに開口部を設けたことで、素子や回路等に起因した製造後の調整が容易に可能となる効果がある。
さらにまた、ケースに少なくとも一組設けた、センサ基板を固定するための突起部の位置あるいは高さあるいは双方を変えること、またはケースあるいは一次導体あるいは双方の形状を変化させることで、電流検知デバイスは同一なまま電流検知範囲を容易に可変できる効果がある。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電流センサの斜視図を示すもので、図2は図1の平面図、図3は図1および図2におけるAA’断面(XZ面)を示す断面図、図4は図1および図2におけるBB’断面(YZ面)を示す断面図、図5は図1の電流センサにケースカバーを付与した斜視図である。図において、電流センサ1は、電流検知デバイス部6、センサ回路部7を有するセンサ基板2と、一次導体3及びケース4により構成される。
本実施の形態1では、一次導体3はケース4の1つの面の内部に一体化した構造となっており、センサ基板2は、ケース4の内部に設けられた突起部10を介して設置される。端子8はケース4の2つの外側面に分割して設置される。センサ基板2には1つの電流検知デバイス部6を配置する。ケース4の内壁面には、シールド層5が設置される。
まず、電流検知デバイス部6の構成について説明する。
図6は電流検知デバイス部6の平面図を示すもので、設置基板14上において、設置基板14の中心線9によって2つの領域に分けられ、それぞれの領域に磁気抵抗効果素子11a、11b、磁気抵抗効果素子11c、11dが線対称に等しく配置される。ここで、磁気抵抗効果素子11の感磁方向はX方向とする。4つの磁気抵抗効果素子11a〜11dは、設置基板14の中心線9に対して相互に平行方向に配置され、磁気抵抗効果素子11a、11dは、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に増加する磁気抵抗効果特性を有するように、また、磁気抵抗効果素子11b、11cは、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に減少する磁気抵抗効果特性を有するように、図には省略したが、磁気抵抗効果素子上にはバーバーポール電極構造が形成されている。なお、4つの磁気抵抗効果素子11はそれぞれ1本で構成したが、クランク形状に複数の磁気抵抗効果素子を接続し、線路長を長く構成してもよい。また、中心線9上の中心点に対して点対称に構成してもよい。接続電流線12は、4つの磁気抵抗効果素子11間を接続することにより、ブリッジ回路15を構成するものであり、接続エリア13は、外部とブリッジ回路15の入出力用の端子部として用いる。
図7はこの発明の実施の形態1による電流センサ1の電流検知デバイス6を示す構成概略図であり、図7において、4つの磁気抵抗効果素子11間を接続電流線12で接続することにより、磁気抵抗効果素子11a、11bの直列接続からなるハーフブリッジ回路(第1のハーフブリッジ回路)16a、磁気抵抗効果素子11c、11dの直列接続からなるハーフブリッジ回路(第2のハーフブリッジ回路)16bの並列接続からなるブリッジ回路15を構成するものである。
接続エリア(第1の接続エリア)13aは、ブリッジ回路15の磁気抵抗効果素子11a、11c間の接続電流線12に接続され、もう一方の接続エリア(第2の接続エリア)13bは、ブリッジ回路15の磁気抵抗効果素子11b、11d間の接続電流線12に接続されており、接続エリア13a、13bからブリッジ回路15に電圧が供給されるものである。接続エリア(第3の接続エリア)13cは、ブリッジ回路15の磁気抵抗効果素子11a、11b間の接続電流線12に接続され、もう一方の接続エリア(第4の接続エリア)13dは、ブリッジ回路15の磁気抵抗効果素子11c、11d間の接続電流線12に接続されており、接続エリア13c、13dからブリッジ回路15の出力電圧が検出されるものである。
なお、図6および図7には示していないが、設置基板14上の4つの磁気抵抗効果素子11a〜11dの上方、または下方、またはその両方に絶縁層を介して補償導電線17を配置し、ブリッジ回路15の出力電圧に基づいて、それらの補償導電線17に4つの磁気抵抗効果素子11の近傍に発生する磁界を打ち消すような電流を供給する磁気補償型の構成としてもよい。
次に、電流センサ1の全体構成について説明する。
図1または図3、図4に示すように、被測定電流を印加する一次導体3はケース4と一体となっており、図2に破線で示したように、一次導体3の形状はZ方向から見てU字型となっている。一体化の方法は特に図示しないが、接着剤や樹脂モールド化等により行うものとし、ここでは樹脂で一体成形した例を示した。なお本実施の形態1に示した図では、U字形状の底部の両脇部分が直角形状に構成されているが、電流検知デバイス部6にU字部の両側から安定して逆方向の磁界が印加される構造であれば丸みを帯びた形状などでもよく、これに限るものではないが、安定して逆方向の磁界を印加するためにはU字形状が少なくとも電流検知デバイス部6の近傍において左右対称であることが望ましい。
図2に示すように、破線で示したU字形状の一次導体3の対称軸、および電流検知デバイス部6の中心線9が略一致するように、センサ基板2はケース4の内部に設けた突起部10を介して設置される。本実施の形態においては、電流検知デバイス6をセンサ基板2の上面側に設置した例を示したが、設置位置は上面に限るものではない。電流検知デバイス部6を含むセンサ基板2の設置位置(特にZ方向)は、磁気抵抗効果素子11に付与したい磁界、つまりは被測定電流の大きさに応じて決定する。その決定された位置に応じてケースに突起部10を設け、センサ基板2を設置し、その固定方法は特に図示しないが、ねじ止めや接着剤等を利用する。また、一次導体3の断面積は、印加する被測定電流値に応じて決定される。このような一次導体3は、例えば銅などの金属による直線状のバー形状からの曲げ加工、または板材からの打ち抜き加工等により作製される。
図2にのみ示したが、センサ基板2上には、電流検知デバイス部6とともにセンサ回路部7を配置する。センサ回路部7は、電流検知デバイス部6の接続エリア13a、13bにブリッジ回路15の電圧を供給すると共に、ブリッジ回路15の出力電圧を適度な増幅を施して出力するが、電流センサ1と外部の入出力端を電気的に接続するには、端子8を利用する。本実施の形態においては、ケース4の対向する2つの側面に分けて端子8を下方向へ設置した例を示したがこれに限るものではない。端子8の分割かつ下方向設置の利点は、基板等へ安定的に電流センサ1を固定できることがある。
図3、図4の断面図にて特に明らかなように、ケース4の内壁面には導電性を有する電界シールド層5を設置する。電界シールド層5は、電流センサとしての性能を低下させるノイズとして、外部から磁気抵抗効果素子11やセンサ回路部7へ印加される電界ノイズを、除去あるいは低減するためのもので、少なくとも磁気抵抗効果素子11やセンサ回路部7と一次導体3の間に設置する必要があり、磁気抵抗効果素子11やセンサ回路部7を覆うように設置するのが望ましい。電界シールド層5の材料は、導電性を有すればよく、例えば銅、アルミニウム等が考えられ、センサ基板2に設けた電気的なグランドと接続される。設置の形態としては、板材を折り曲げて設置することも可能だが、製造工程の簡略化から、導電性塗料の内壁面への塗布でも構わない。
1つの開口面を有し直方体状であるケース4の開口面からケース4の内部に、電流検知デバイス部6ならびにセンサ回路部7を含むセンサ基板2を設置する構成となっており、開口面を介してセンサ回路部7等を調整する。また、一次導体3と電流検知デバイス部6ならびにセンサ回路部7までの距離は、直方体状であるケース4の側壁を介した距離が沿面距離となるため、絶縁のための距離は容易に確保された構成となっている。
なお図5に示すように、最終的に調整した後は、耐環境性向上等のためから、シールド層5を有するケースカバー4aにてケース4の開口面を覆うように設置するのが望ましい。その固定方法は特に図示しないが、ねじ止めや接着剤、又は凹凸部による嵌合等を利用する。
次に、電流センサ1の動作について、図3により説明する。
一次導体3に被測定電流を印加すると、図3の破線に示すように中心線に対称に左回転及び右回転の磁界が、印加される被測定電流の大きさに応じて発生する。その結果、磁気抵抗効果素子11a、11bと磁気抵抗素子11c、11dとでは逆方向の磁界が加わる。磁気抵抗効果素子11a、11dでは、共に磁界の増加に応じて抵抗値が増加すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が減少する磁気抵抗効果特性を有するように、また磁気抵抗効果素子11b、11cでは、逆に磁界の増加に応じて抵抗値が減少すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が増加する磁気抵抗効果特性を有するように構成されている。よって、一次導体3に流れる電流の増加に応じて磁気抵抗効果素子11a、11dの抵抗値が増加すると共に、磁気抵抗効果素子11b、11cの抵抗値が減少し、一次導体3に流れる電流の減少に応じて磁気抵抗効果素子11a、11dの抵抗値が減少すると共に、磁気抵抗効果素子11b、11cの抵抗値が増加する。このように、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じてブリッジ回路15の平衡が崩れ、これが電流検知デバイス部6のブリッジ回路15の出力となる。
さらに、電流センサ1の動作について、補償導電線17を有する場合について説明する。補償導電線17を配置した電流検知デバイス部6とセンサ回路部7の概略構成を図8に示す。
一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じてブリッジ回路15の平衡が崩れる。このとき、センサ回路部7に設置された増幅回路部(例えばオペアンプ18)では、電流検知デバイス部6の接続エリア13c、13dから検出される出力電圧に基づいて、磁気抵抗効果素子11a〜11d近傍に発生する磁界を打ち消すような電流(制御電流)を補償導電線17に供給する。具体的には接続エリア13c、13dの出力電圧が0になるように、制御電流の大きさを調整する。補償導電線17は、その制御電流の大きさに応じて4つの磁気抵抗効果素子11a〜11d近傍に発生する磁界、すなわち一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じた磁界を相殺するような磁界を発生する。
したがって、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じたブリッジ回路15の平衡の崩れを、センサ回路部7から供給される制御電流により修復することができる。ゆえに、センサ回路部7から供給した制御電流の大きさが、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに相関のある値として検出することができる。
なお、一次導体3以外において発生した外部磁界(外乱磁界)は、磁気抵抗効果素子11a、11bと磁気抵抗効果素子11c、11d(ブリッジ回路15の左右の各ハーフブリッジ回路16)に同相の影響となるため相殺され、測定精度に影響を与えない。
以上のように、この実施の形態1によれば、設置基板上に4つの磁気抵抗効果素子で、設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に第2のハーフブリッジ回路が配置され、それぞれのハーフブリッジ回路に逆方向の磁界が印加される構造のため、一様な外部磁界を除去することができ、1つの設置基板上に全ての磁気抵抗効果素子を構成したため、製造工程の簡略化ならびに低コスト化の効果がある。
また、開口面を有したケースの内部にセンサ基板を設置したため、電流検知デバイスならびにセンサ回路部を含むセンサ基板と、ケースと一体化した一次導体との沿面距離がケースの側壁によって確保され、絶縁耐圧が向上し、調整が容易となるとともに、センサ基板が縮小でき、且つ低コスト化が図れる効果がある。さらにセンサ基板の設置位置はケースに設けた突起部の高さで決定される構造のため、電流検出範囲が容易に可変できる効果がある。
また、ケースの内壁面に導電性を有するシールド層を、電流検知デバイスならびにセンサ回路部を含むセンサ基板を覆うように設置したため、一次導体や外部からの電界ノイズを除去あるいは低減でき、測定精度を向上する効果がある。さらに電流センサと外部の入出力端を電気的に接続する複数の端子を、ケースの対向する側面かつ下面方向に設置したため、基板等と安定的に接続かつ設置できる効果がある。
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2による電流センサの斜視図を示すもので、図10は図9の平面図、図11は図9および図10におけるAA’断面(XZ面)を示す断面図、図12は図9および図10におけるBB’断面(YZ面)を示す断面図である。図において、電流センサ1は、電流検知デバイス部6、センサ回路部7を有するセンサ基板2と、一次導体3及びケース4により構成される。
本実施の形態2では、一次導体3はケース4の外壁面に設けたザグリ状の溝部19を介してケース4と一体化した構造となっており、センサ基板2は、ケース4の内部に設けられた突起部10を介して設置される。端子8はケース4の1つの外側面にまとめて設置される。センサ基板2には1つの電流検知デバイス部6を配置し、ケース4の内壁面にはシールド層5が設置される。
実施の形態2は、ケース4の外壁面に一次導体3の位置決め用に溝部19を設けて一次導体3を設置し、かつ端子8はケース4の1つの外側面にまとめて設置した構成であり、その他の構成や動作で重複する部分は省略する。
実施の形態1では、一次導体3はケース4の1つの面の内部に一体化した構造となっており、一次導体3の形状を容易に可変、あるいは交換することは難しかった。本実施の形態2では、ケース4の外壁面に一次導体3を設置したものであり、一次導体3の形状可変ならびに交換により電流検知デバイス部6近傍の磁界分布の変更が容易に行え、よって電流センサの測定レンジの変更が容易となる。さらに位置決め用に溝部19を設けて一次導体3を設置する構成とした。一次導体3の位置決め用に溝部19は、U字形状の一次導体3の対称軸と電流検知デバイス部6の中心線9を容易に略一致するために設けたもので、一次導体3とケース4を一体化する際のガイドの役割を担うものである。本実施の形態では、U字の外周に沿った形態でケース4の外壁面に溝部19を設置したが、この形状に限定されるものではなく、例えば図13のようにU字形状に沿った形態や、図14のようにU字の内周に沿った形態でガイドの役割を担う溝部19を設置する構成としても構わない。なお図13、図14は、簡単のためにケース4の一部と一次導体3、および溝部19のみを示した。
また、本実施の形態2では、端子8をケース4の1つの外側面にまとめて設置した。例えば端子8を介した基板等への接続と設置の安定化を考慮しなくてよいコネクタ接続等を考慮する場合は、端子8はまとめて設置されるのが望ましい。端子8の一括設置により、電流センサ1と外部の入出力端との接続工程が簡略化される。本実施の形態では、端子8はケース4の1つの外側面に下方向に向けて設置したが、この形状に限定されるものではなく、一次導体3と端子8の電気的な絶縁のための距離(沿面距離および空間距離)を確実に確保するためには、例えば図15のように横方向に向けて設置した形態や、図16のようにケース4に凸部を設けた形態としても構わない。
以上のように、この実施の形態2によれば、一次導体3はケース4の外壁面に設置したため、一次導体3の形状可変や交換が容易となり、よって電流センサの測定レンジの変更が容易となる効果がある。また一次導体3をケース4の外壁面に設けた位置決め用のザグリ状溝部19を介して、ケース4と一体化したため、U字形状の一次導体3の対称軸と電流検知デバイス部6の中心線9を容易に略一致でき、測定精度が向上する効果がある。さらにまた、端子8をケース4の1つの外側面にまとめて設置したため、外部の入出力端との接続工程を簡略化する効果がある。
実施の形態3.
図17は、この発明の実施の形態3による電流センサのAA’断面(XZ面)を示す断面図、図18はBB’断面(YZ面)を示す断面図である。本実施の形態3は、図1に示した電流センサ1に、第1の電流検知デバイス部6aに加えてさらに第2の電流検知デバイス部6bを設置したものである。図には省略したが、第2の電流検知デバイス部6bは、第1の電流検知デバイス部6aと同様にセンサ回路部7とともにセンサ基板2bに設置されるものとする。
実施の形態3は、実施の形態1に新たに第2の電流検知デバイス部6bを付加した構成であり、その他の構成で重複する部分は省略する。実施の形態3は、一次導体3に印加した被測定電流に応じて発生する磁界を、2箇所に設置した電流検知デバイス部6で計測するようにしたものである。
実施の形態3における電流センサ1の全体構成について説明する。
一次導体3のU字の対称軸、および第1の電流検知デバイス部6aの中心線9が略一致するように、第1の電流検知デバイス部6aを含むセンサ基板2aは、突起部10aを介して一次導体3の近傍に設置される。また、一次導体3のU字の対称軸、および第2の電流検知デバイス部6bの中心線9が略一致するように、第2の電流検知デバイス部6bを含むセンサ基板2bは、突起部10bを介して第1の電流検知デバイス部6aに比較して一次導体3からZ方向の遠方に設置される。2つの電流検知デバイス部6a、6bの設置位置(特にZ方向)は、磁気抵抗効果素子11に付与したい磁界に応じて決定する。
各電流検知デバイス部における磁気抵抗効果素子等の構成は、実施の形態1に示した電流検知デバイス部6と同一構成とし、重複を避けるため記述しない。
それぞれのセンサ回路部は、それぞれの電流検知デバイス部の接続エリア13a、13bにブリッジ回路15の電圧を供給すると共に、ブリッジ回路15の出力電圧を適度な増幅を施して出力するが、異なる部分の磁界を計測するため、増幅率等の各センサ回路部の構成は異なる場合がある。本実施の形態での図には省略したが、それぞれのセンサ回路部は電気的に接続されているものとし、外部の入出力端と接続する端子8は、センサ基板2aのみに接続し設置した例を示したが、これに限ったものではなく、センサ基板2bあるいは双方に設置する構成としてもよい。
また、本実施の形態においては、各電流検知デバイス部を各センサ基板の上側に設置した例を示したが、各センサ基板の下側に設置してもよく、あるいは2つに限ったものではなく、さらに複数個設置してもよい。
次に、実施の形態3における電流センサ1の動作について、図17により説明する。
一次導体3に被測定電流を印加すると、図17の破線に示すように中心線に対象に左回転及び右回転の磁界が、印加される被測定電流の大きさに応じて発生する。その結果、第1の電流検知デバイス部6aと第2電流検知デバイス部6bの位置で比較すると、第2電流検知デバイス部6bの位置で、より低められた磁界が印加されることになる。
つまり、第2の電流検知デバイス部6bの位置では、被測定電流が大容量の電流であっても磁気抵抗効果素子11に印加される磁界が抑制され、出力の飽和などを気にすることなく、かつ電流センサとしての外形寸法を大型化することなく、大容量の電流の計測が容易に行え、第1の電流検知デバイス部6aの位置では、被測定電流が小容量の電流になっても磁気抵抗効果素子11に印加される磁界の抑制度は小さく、出力の低下によるS/Nの悪化などを気にすることなく、小容量の電流の計測が容易に行える。
例えば、各電流検知デバイス部6a、6bのハーフブリッジ部分(例えば16b)に被測定電流値に対して付与される磁界は、図19のように示され、小容量の電流の計測時は電流検知デバイス部6a、大容量の電流の測定時は電流検知デバイス部6bを利用するように構成すれば、同じ特性の電流検知デバイス部を用いても、各センサ回路部の増幅率等の若干の調整で、図20に示すように測定レンジの拡大した精度の良い電流センサを構築することが可能となる。
なお、実施の形態1と同様に、磁気抵抗効果素子11a、11dでは、共に磁界の増加に応じて抵抗値が増加すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が減少する磁気抵抗効果特性を有するように、また、磁気抵抗効果素子11b、11cでは、逆に磁界の増加に応じて抵抗値が減少すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が増加する磁気抵抗効果特性を有するように構成されているため、一次導体3に流れる電流の増加に応じて磁気抵抗効果素子11a、11dの抵抗値が増加すると共に、磁気抵抗効果素子11b、11cの抵抗値が減少し、一次導体3に流れる電流の減少に応じて磁気抵抗効果素子11a、11dの抵抗値が減少すると共に、磁気抵抗効果素子11b、11cの抵抗値が増加する。このように、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じてブリッジ回路15の平衡が崩れ、これが各電流検知デバイス部6a、6bのブリッジ回路15の出力となる。
以上のように、この実施の形態3によれば、設置基板上に4つの磁気抵抗効果素子で、設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に第2のハーフブリッジ回路が配置され、それぞれのハーフブリッジ回路に逆方向の磁界が印加される構造のため、一様な外部磁界を除去することができる。
また、一次導体3に印加した大きな被測定電流に応じて発生する磁界に対しても、同じ特性の電流検知デバイス部を複数個設置して、小型で、かつ測定レンジを精度良く拡大できる効果がある。さらにまた、同じ特性の電流検知デバイス部が利用できるため、複数の異なる特性の電流検知デバイス部を用意する必要がなく、低コスト化となる効果がある。
この発明の実施形態1による電流センサの斜視図である。 この発明の実施形態1による電流センサの平面図である。 この発明の実施形態1による電流センサの断面図である。 この発明の実施形態1による電流センサの別の断面図である。 この発明の実施形態1による電流センサにカバーを付与した斜視図である。 この発明の実施形態1による電流センサの電流検知デバイス部を示す平面図である。 この発明の実施形態1による電流センサの電流検知デバイス部を示す構成概略図である。 この発明の実施形態1による電流センサの補償導電線を配置した構成図である。 この発明の実施形態2による電流センサの斜視図である。 この発明の実施形態2による電流センサの平面図である。 この発明の実施形態2による電流センサの断面図である。 この発明の実施形態2による電流センサの別の断面図である。 この発明の実施形態2による別の電流センサの1部の断面図である。 この発明の実施形態2による別の電流センサの1部の断面図である。 この発明の実施形態2による別の電流センサの断面図である。 この発明の実施形態2によるさらに別の電流センサの断面図である。 この発明の実施形態3による電流センサの断面図である。 この発明の実施形態3による電流センサの別の断面図である。 この発明の実施形態3による電流センサの電流検知デバイス部の1部における被測定電流値−磁界関係図である。 この発明の実施形態3による電流センサの被測定電流値−センサ出力関係図である。
符号の説明
1 電流センサ、2 センサ基板、3 一次導体、4 ケース、4a ケースカバー、5 シールド層、6 電流検知デバイス部、7 センサ回路部、8 外部端子、9 中心線、10 突起部、11 磁気抵抗効果素子、12 接続電流線、13 接続エリア、14 設置基板、15 ブリッジ回路、16 ハーフブリッジ回路、17 補償導電線、18 オペアンプ、19 溝部

Claims (10)

  1. 設置基板上に配置され、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に増加する磁気抵抗効果特性を有する第1および第4の磁気抵抗効果素子と、
    前記設置基板上に配置され、互いに逆方向の上記磁界の増加に応じて抵抗値が共に減少する磁気抵抗効果特性を有する第2および第3の磁気抵抗効果素子と、
    前記設置基板上に配置され、前記第1から第4の磁気抵抗効果素子を接続することにより、前記第1および第2の磁気抵抗効果素子による第1のハーフブリッジ回路、および前記第3および第4の磁気抵抗効果素子による第2のハーフブリッジ回路からなるブリッジ回路を構成する接続電流線とを備え、前記設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に前記第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に前記第2のハーフブリッジ回路が配置された電流検知デバイスと、少なくとも1つのU字型形状を有する一次導体と、前記電流検知デバイスと前記一次導体を固定する、1つの開口面を有した直方体状である絶縁性のケースを備え、前記ケースに設けた前記開口面に対向した面に一体化した前記一次導体と前記ケースに、前記設置基板の中心線とU字型形状の対称軸が略一致するように少なくとも一つの前記電流検知デバイスを固定したことを特徴とする電流センサ。
  2. 少なくとも一つの前記電流検知デバイスは、センサ回路部とともにセンサ基板に設置され、前記センサ基板は、一体化した前記一次導体と前記ケースの少なくとも一箇所に、前記センサ基板に設置された前記電流検知デバイスの中心線とU字型形状の対称軸が略一致するように固定されたことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記ケースの少なくとも1つの内壁面に導電性を有するシールド層を設置したことを特徴とする請求項1または2に記載の電流センサ。
  4. 前記シールド層は導電性の塗料であることを特徴とする請求項3に記載の電流センサ。
  5. 前記一次導体は、前記ケースに設けた前記開口面に対向した面の内部に一体成形して固定され、一体化したことを特徴とする請求項1〜4に記載の電流センサ。
  6. 前記一次導体は、前記ケースに設けた前記開口面に対向した面の外壁面に設けた溝部を介して固定され、一体化したことを特徴とする請求項1〜4に記載の電流センサ。
  7. 前記ケースの内部に設けた複数の突起部を介して、少なくとも1つの前記センサ基板を設置したことを特徴とする請求項1〜6に記載の電流センサ。
  8. 電流センサと外部の入出力端を電気的に接続する複数の端子を、前記ケースのいずれかの面にまとめて設置したことを特徴とする請求項1〜7に記載の電流センサ。
  9. 電流センサと外部の入出力端を電気的に接続する複数の前記端子を、前記ケースの少なくとも二つの面に分割して設置したことを特徴とする請求項1〜7に記載の電流センサ。
  10. 前記ケースの開口面に、導電性を有するシールド層を付加したケースカバーを設置したことを特徴とする請求項1〜9に記載の電流センサ。
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