JP2009168234A - フロントフォーク - Google Patents
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Abstract
【課題】内部に収容される作動油の量を削減しながら最適なエアバネ力の発揮を可能にして好ましいバネ特性を具現化する。
【解決手段】車体側チューブ1と車輪側チューブ2とを有しながら内側に油面Oを境にする気室Aを有するフォーク本体内に収装の両ロッド型のダンパがシリンダ体3と、上方ロッド体5の先端側を摺動可能に貫通させながらシリンダ体3の上端を閉塞する上方軸受部材7と、下方ロッド体6の先端側を摺動可能に貫通させながらシリンダ体3の下方側の内側に配在される下方軸受部材8とを有してなるフロントフォークにおいて、下方ロッド体6と下方軸受部材8との間にシール部材81を介装する一方で、シリンダ体3と車輪側チューブ2との間に、あるいは、下方軸受部材8とシリンダ体3との間もしくは下方軸受部材8と車輪側チューブ2との間にシール部材82を介装し、シリンダ体3の下方を車輪側チューブ2に連結してなる。
【選択図】図1
【解決手段】車体側チューブ1と車輪側チューブ2とを有しながら内側に油面Oを境にする気室Aを有するフォーク本体内に収装の両ロッド型のダンパがシリンダ体3と、上方ロッド体5の先端側を摺動可能に貫通させながらシリンダ体3の上端を閉塞する上方軸受部材7と、下方ロッド体6の先端側を摺動可能に貫通させながらシリンダ体3の下方側の内側に配在される下方軸受部材8とを有してなるフロントフォークにおいて、下方ロッド体6と下方軸受部材8との間にシール部材81を介装する一方で、シリンダ体3と車輪側チューブ2との間に、あるいは、下方軸受部材8とシリンダ体3との間もしくは下方軸受部材8と車輪側チューブ2との間にシール部材82を介装し、シリンダ体3の下方を車輪側チューブ2に連結してなる。
【選択図】図1
Description
この発明は、フロントフォークに関し、特に、二輪車の前輪側に架装されて二輪車の前輪を懸架するフロントフォークであって、その前輪に入力される路面振動を吸収する両ロッド型のダンパを内側に有するフロントフォークの改良に関する。
二輪車の前輪側に架装されて二輪車の前輪を懸架するフロントフォークであって、その前輪に入力される路面振動を吸収する両ロッド型のダンパを内側に有するフロントフォークとしては、これまでに種々の提案がある。
その中で、たとえば、特許文献1に開示されているように、多くのフロントフォークにあっては、車体側チューブと車輪側チューブとからなるフォーク本体の内側に油面を境にする気室を有している。
このフォーク本体の内側に気室を有するフロントフォークにあっては、多くの場合にコイルスプリングからなる懸架バネの伸縮によるバネ力と、気室の膨縮によるエアバネ力との合力からなるバネ特性を得るように構成している。
特開2007‐147068号公報(明細書中の段落0015から同0017、図1参照)
しかしながら、上記した特許文献1に開示のフロントフォークにあっては、基本的には、好ましいバネ特性を具現化できるが、利用の実際を鑑みると、些か不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、エアバネ力の保障に必要な作動油量は、内蔵されるダンパにおける減衰特性を得るのに必要な量を超える多量となり、したがって、フロントフォークにおいて、最適なエアバネ力の具現化のために油量が多くなる。
この作動油量が多くなることは、フロントフォークにおける重量の削減を意図する上での妨げになり、また、製品コストの低減を意図する上での妨げになる。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、内部に収容される作動油量を削減しながら最適なエアバネ力の発揮を可能にして好ましいバネ特性を具現化でき、その汎用性の向上を期待するのに最適となる両ロッド型のダンパを内蔵するフロントフォークを提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明によるフロントフォークの構成を、基本的には、車体側チューブと車輪側チューブとを有するフォーク本体の内側に両ロッド型のダンパを有しながら油面を境にする気室を有し、両ロッド型のダンパがシリンダ体と、このシリンダ体内に摺動可能に収装のピストン体と、このピストン体にそれぞれの基端が連結される上方ロッド体および下方ロッド体と、上方ロッド体の先端側を摺動可能に貫通させながらシリンダ体の上端を閉塞する上方軸受部材と、下方ロッド体の先端側を摺動可能に貫通させながらシリンダ体の下方側の内側に配在される下方軸受部材とを有してなるフロントフォークにおいて、下方ロッド体と下方軸受部材との間にシール部材を介装する一方で、シリンダ体と車輪側チューブとの間に、あるいは、下方軸受部材とシリンダ体との間もしくは下方軸受部材と車輪側チューブとの間にシール部材を介装し、シリンダ体の下方を車輪側チューブに連結してなるとする。
フロントフォークにあって、両ロッド型のダンパを構成するシリンダ体とフォーク本体を構成する車輪側チューブとの間にシール部材を介装するから、フォーク本体内の下方となるダンパの外側には作動油が存在されなくなり、フォーク本体内に収容される作動油量を削減でき、重量およびコストの面で有利になる。
そして、両ロッド型のダンパにあって、下方ロッド体と下方軸受部材との間にシール部財を介装させるから、ダンパ内にエアが流入されない。
また、シリンダ体と車輪側チューブとの間にシール部材を介装することに代えて、下方軸受部材とシリンダ体との間に、あるいは、下方軸受部材と車輪側チューブとの間にシール部材を介装することでも、同等の効果を得られる。
さらに、シリンダ体の下方を車輪側チューブに連結してなるから、このシリンダ体内に摺動可能に収装されるピストン体における受圧面積を大きくして発生油圧を低くし、たとえば、下方軸受部材が有するなどするシール部材の軽微化を可能にし得る。
以下に、原理図たる図1および要部の具体図たる図2および図3に示す実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるフロントフォークは、大径のアウターチューブからなる車体側チューブ1と小径のインナーチューブからなる車輪側チューブ2とを有して倒立型に設定のフォーク本体の内側に両ロッド型のダンパを有してなる。
そして、フォーク本体の内側の後述するシリンダ体3の上方外部がリザーバ室Rとされ、このリザーバ室Rが上記の油面Oを境にする気室Aを有し、この気室Aが不活性ガスなどを充満させ、その膨縮時にエアバネ力を発揮する。
また、このフロントフォークにあって、フォーク本体は、懸架バネSによって伸長方向に附勢され、この附勢バネSの下端は、シリンダ体3の上端部を形成する後述の上方軸受部材7の上端に担持され、上端がバネ受(図示せず)を介して車体側チューブ1の上端部あるいは後述する上方ロッド体5の上端部に係止されている。
それゆえ、フォーク本体の伸縮時に、懸架バネSの伸縮に依るバネ力と、気室Aの膨縮に依るエアバネ力との合力からなるバネ特性を発生し得る。
また、両ロッド型のダンパ(以下、単にダンパと称する)は、シリンダ体3と、このシリンダ体3内に摺動可能に収装のピストン体4と、このピストン体4にそれぞれの基端が連結される上方ロッド体5および下方ロッド体6とを有してなる。
そして、このダンパは、上方ロッド体5の先端側を摺動可能に貫通させながらシリンダ体3の上端を閉塞する上方軸受部材7と、下方ロッド体6の先端側をシール部材81の介装下に摺動可能に貫通させながらシリンダ体3の下方側の内側に配在される下方軸受部材8とを有してなる。
さらに、このダンパにあっては、シリンダ体3が車輪側チューブ2に密接し、あるいは、僅かな隙間を有して近隣する一方で、上方軸受部材7がシール部材71の介装下に車輪側チューブ2に密接し、下方軸受部材8がシール部材82の介装下にシリンダ体3に密接し、下方軸受部材8の下方に気室A1を形成している。
ちなみに、図示するところでは、シリンダ体3は、車輪側チューブ2に僅かな隙間を有して近隣するが、このダンパにあっては、車輪側チューブ2とシリンダ体3との間を油通路にしないから、図示しないが、シリンダ体3が車輪側チューブ2に密接しても良い。
また、シリンダ体3が車輪側チューブ2に僅かな隙間を有して近隣する場合には、図示しないが、シール部材が介装されて、上記の気室A1が前記したリザーバ室Rと遮断されるのが良い。
この場合には、上方軸受部材7および下方軸受部材8がシール部材71,82を介装しなくても良いから、部品点数の削減が可能になると共に、上方軸受部材7および下方軸受部材8にシール部材71,82を収装する溝を形成しなくて済むから、部品コストの削減の上からも有利になる。
気室A1は、これを設けることで、フロントフォークにおいて、注入する作動油量を減少でき、作動油量を減少させることに依る重量の軽減および材料費の削減が可能になる。
すなわち、前記した特許文献1に開示のものを含めて両ロッド型のダンパを有する凡そ従前のフロントフォークにあっては、ダンパの下方がリザーバ室に連通する油室部分とされて作動油が充満されているが、この油室部分の作動油は、原理的に、両ロッド型のダンパの作動に関与しない。
このことからすると、ダンパの下方の油室部分に収容されている作動油は不要であり、したがって、この発明にあっては、これを削減させることで上記した注入する作動油量を減少できる。
以上からすると、この気室A1は、たとえば、車輪側チューブ2のボトム部2aに開穿した気孔2bを介して大気に連通させ、たとえば、冷却手段として機能させても良く、また、大気に連通させずに密封空間にして、下方ロッド体6の出没に依って膨縮させてエアバネ力を発揮させても良い。
また、上記したように、ダンパを形成するのにあって、シリンダ体3が車輪側チューブ2に僅かな隙間を有して近隣し、かつ、シリンダ体3と車輪側チューブ2との間にシール部材を介装させる構成とする場合には、特許文献1に開示のように車輪側チューブとシリンダ体との間を油通路にするためにかなりの隙間を有する場合に比較して、上方油室R1および下方油室R2におけるピストン体4の受圧面積を大きく設定でき、その分発生圧力を下げることが可能になる。
その結果、たとえば、下方軸受部材8が有するシール部材81に作用する圧力が低くなるから、シール部材81などの耐久性を向上できる。
また、ピストン体4における受圧面積を大きくして発生圧力を低くするから、作動油中に混入したエアの圧縮を抑制でき、所望の減衰力の安定した発生を期待する上で有利となる。
ピストン体4は、シリンダ体3内に摺動可能に収装されながら、シリンダ体3内に上方油室R1と下方油室R2を画成すると共に、上方油室R1からの作動油の下方油室R2への通過を許容して所定の大きさの伸側減衰力を発生する伸側減衰バルブ4aと、反対に下方油室R2からの作動油の上方油室R1への通過を許容して所定の大きさの圧側減衰力を発生する圧側減衰バルブ4bとを有している。
それゆえ、このダンパにあっては、シリンダ体3内をピストン体4が摺動することで、伸側減衰バルブ4aと圧側減衰バルブ4bとに依って所定の減衰力を発生する。
そして、このダンパにあって、上方ロッド体5および下方ロッド体6は、同径に設定されており、したがって、このダンパの伸縮時には、上方油室R1および下方油室R2において、作動油の過不足が発現されることはなく、ダンパとリザーバ室Rとの間で作動油の遣り取りはない。
リザーバ室Rは、上方軸受部材7に配設のチェック弁72を介して上方油室R1に連通し、ダンパ内で作動油不足を生じた場合に上方油室R1に作動油を補給する。
また、このチェック弁72の配設で、このフロントフォークを組み立てる際にリザーバ室Rに注入した作動油を上方油室R1およびピストン体4を介しての下方油室R2に充満できる。
なお、上方軸受部材7は、図2に示すところでは、シール部材71の配在下に車輪側チューブ2に密接し、車輪側チューブ2とシリンダ体3との間および気室A1を上方のリザーバ室Rと遮断している。
それに対して、下方軸受部材8は、図3にも示すように、外周にシール部材81を有しながらシリンダ体3の外周側からのロール加締めによって所定位置たるシリンダ体3の下方側に一体的に連結されている。
このように、この発明のダンパにあっては、シリンダ体3に下方軸受部材8が一体的に連結されることでダンパのカートリッジ化を可能にし、ダンパの配置作業や、爾後のダンパの交換作業などを容易にする。
シリンダ体3は、下端に外方にフランジ状に張り出す鍔部3aを有し、この鍔部3aが車輪側チューブ2の下端開口を閉塞するボトム部2a(図1参照)を形成するアクスルブラケット21(図3参照)の内底との間に挟み込まれて固定されている。
上方ロッド体5は、基端がピストン体4に連結され、先端が上方軸受部材7の軸芯部および外部たる前記した気室Aを貫通して、車体側チューブ1の上端部に連結されている。
そして、下方ロッド体6は、先端が下方軸受部材8の軸芯部を貫通して前記した気室A1に出没可能に臨在され、基端がピストン体4に連結されるが、この基端がピストン体4に対して、図示しないが、たとえば、軸線方向を横切る方向に移動可能に連結されて、フォーク本体の曲げに起因する下方ロッド体6の下方軸受部材8に対する摺動抵抗の発生を回避するとしても良い。
図4に示すところは、ダンパの他の実施形態を示すもので、この実施形態にあっては、シリンダ体3の下端部が絞り成形されると共に、この絞り成形された下端部が車輪側チューブ2の下端開口を閉塞しながらボトム部2a(図1参照)を形成するアクスルブラケット21(図3参照)の軸芯部に挿通の締結ボルト22に連結されてなる。
それゆえ、この実施形態に依る場合には、前記した実施形態の場合に比較して、カートリッジ化されたダンパのフォー本体内への定着作業が容易になる利点がある。
前記した図1および図3に示すところでは、ダンパにあって、シリンダ体3を構成して上方油室R1および下方油室R2を画成する部位、および、気室A1を画成する部位が一体に形成されてなるが、これに代えて、図5に示すように、シリンダ体3にあって、上方油室R1および下方油室R2を画成する部位31、および、気室A1を画成する部位32が別部品として分離されても良い。
そして、この場合には、下方軸受部材8を挟むように上記部位31,32がこの下方軸受部材8に連結されるから、この下方軸受部材8が介装するシール部材82は、車輪側チューブ2に密接する。
この下方軸受部材8に介装されるシール部材82が車輪側チューブ2に密接することで得られる効果は、前記した図1および図3に示す下方軸受部材8に介装のシール部材82がシリンダ体体3に密接する場合、さらには、前記したようにシリンダ体3と車輪側チューブ2との間にシール部材が介装される場合と同様に、気室A1をリザーバ室Rと遮断し得ることである。
そして、また、下方軸受部材8に連結されるシリンダ体3の下方部位32は、図1に示すところでは、円筒状に形成されてなるが、下方軸受部材8を所定位置に定着させる限りには、これに代えて、図5に示すように、周方向に開口部32aを有する間欠円筒状体からなるとしても良い。
さらに、シリンダ体3と車輪側チューブ2との間を油通路にせずして気室A1をリザーバ室Rと遮断するについて、上方軸受部材7に介装されるシール部材71が省略され、下方軸受部材8に介装されて車輪側チューブ2に密接するシール部材82に依存するとしても良い。
1 車体側チューブ
2 車輪側チューブ
3 シリンダ体
3a 鍔部
4 ピストン体
5 上方ロッド体
6 下方ロッド体
7 上方軸受部材
8 下方軸受部材
22 締結ボルト
71,81,82 シール部材
72 チェック弁
A,A1 気室
O 油面
R リザーバ室
2 車輪側チューブ
3 シリンダ体
3a 鍔部
4 ピストン体
5 上方ロッド体
6 下方ロッド体
7 上方軸受部材
8 下方軸受部材
22 締結ボルト
71,81,82 シール部材
72 チェック弁
A,A1 気室
O 油面
R リザーバ室
Claims (5)
- 車体側チューブと車輪側チューブとを有するフォーク本体の内側に両ロッド型のダンパを有しながら油面を境にする気室を有し、両ロッド型のダンパがシリンダ体と、このシリンダ体内に摺動可能に収装のピストン体と、このピストン体にそれぞれの基端が連結される上方ロッド体および下方ロッド体と、上方ロッド体の先端側を摺動可能に貫通させながらシリンダ体の上端を閉塞する上方軸受部材と、下方ロッド体の先端側を摺動可能に貫通させながらシリンダ体の下方側の内側に配在される下方軸受部材とを有してなるフロントフォークにおいて、下方ロッド体と下方軸受部材との間にシール部材を介装する一方で、シリンダ体と車輪側チューブとの間に、あるいは、下方軸受部材とシリンダ体との間もしくは下方軸受部材と車輪側チューブとの間にシール部材を介装し、シリンダ体の下方を車輪側チューブに連結してなることを特徴とするフロントフォーク。
- 上方軸受部材が気室を画成するリザーバ室からの作動油のシリンダ体内への通過を許容すると共にその逆流を阻止するチェック弁を有してなる請求項1に記載のフロントフォーク。
- シリンダ体の下端鍔部が車輪側チューブとアクスルブラケットとに挟み込まれて固定されてなる請求項1に記載のフロントフォーク。
- シリンダ体の下端部が縮径されながら車輪側チューブの下端開口を閉塞するボトム部の軸芯部に挿通の締結ボルトに連結されてなる請求項1に記載のフロントフォーク。
- 下方軸受部材の下方に画成される気室が大気に連通してなる請求項1に記載のフロントフォーク。
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2008
- 2008-01-21 JP JP2008010173A patent/JP2009168234A/ja active Pending
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