JP2009167844A - 排気ガス浄化触媒装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃費の悪化等の不具合を招くことなく、エンジン冷間始動時の排気ガス浄化性能の向上を図る。
【解決手段】排気ガス通路1に、100℃以下の温度で排気ガス中のNOxを吸着しこの吸着したNOxの50%以上を200℃以上の温度で脱離するNOx吸着材4と、該NOx吸着材4から脱離するNOxのうちのNOをNO2に酸化するNO酸化触媒5とが設けられ、このNOx吸着材4とNO酸化触媒5とは、NOx吸着材4から脱離し且つNO酸化触媒5に接触したNOxの大半が、HC吸着材のHC脱離量がピークになる温度よりも低い排気ガス温度でHC吸着型触媒3に流入するように、該HC吸着型触媒3から排気ガス流れの上流側に離間して配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】排気ガス通路1に、100℃以下の温度で排気ガス中のNOxを吸着しこの吸着したNOxの50%以上を200℃以上の温度で脱離するNOx吸着材4と、該NOx吸着材4から脱離するNOxのうちのNOをNO2に酸化するNO酸化触媒5とが設けられ、このNOx吸着材4とNO酸化触媒5とは、NOx吸着材4から脱離し且つNO酸化触媒5に接触したNOxの大半が、HC吸着材のHC脱離量がピークになる温度よりも低い排気ガス温度でHC吸着型触媒3に流入するように、該HC吸着型触媒3から排気ガス流れの上流側に離間して配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は排気ガス浄化触媒装置に関する。
近年、エンジンのエミッションに関しては、エンジン冷間時におけるHC(炭化水素)の排出低減が強く望まれている。これに対して、アルミナ等に触媒金属を担持させてなる三元触媒は活性を呈するようになる温度が比較的高いことから、エンジン冷間時にエンジンから排出されるHCを十分に浄化することができない。
そこで、HC吸着材と三元触媒とを組み合わせたHC吸着型触媒が開発されている。すなわち、三元触媒が活性化していないエンジン冷間時にHC吸着材によってHCを吸着し、その後の排気ガス温度の上昇に伴ってこのHC吸着材から脱離してくるHCを三元触媒によって浄化するというものである。しかし、ゼオライトに代表されるHC吸着材は、エンジン冷間時に細孔に吸着(捕捉)したHCを三元触媒が活性化する前から脱離し始める傾向がある(HC脱離温度が高くない。)。そのため、HC吸着型触媒と云えども、そのHC浄化率は必ずしも高くはないのが実情である。
これに対して、ディーゼルエンジン用の排気ガス浄化触媒装置に関し、白金族金属を担持した無機酸化物とNOx吸着材とHC吸着材とを混合した触媒成分Aと、NOx浄化用触媒成分Bとを、排気ガス流れの上流側と下流側とに配置したものが知られている(特許文献1参照)。これは、高温時に上流側の触媒成分AのNOx吸着材から脱離するNOxを、同時にHC吸着材から脱離するHCを還元剤として、下流側の触媒成分Bによって還元浄化するというものであり、従って、NOx吸着材から脱離するNOxと共に、HC吸着材から脱離するHCも浄化される。
また、リーン条件でNOxを吸着しストイキ条件でNOxを還元するNOx吸着型三元触媒を排気ガス流れの上流側に配置し、その下流側に、HCを吸着するとともに、ストイキ条件でNOxを還元するHC吸着型三元触媒を配置してなる排気ガス浄化触媒装置も知られている(特許文献2参照)。これは、上流側のNOx吸着材から脱離するNOxの浄化に、下流側のHC吸着材に吸着されているHCを還元剤として利用することにより、ストイキからリーンへの切換えの際に、A/Fを過度にリッチにしなくても済むようにして燃費の悪化を避ける、というものである。
特開2002−1124号公報
特開平9−79026号公報
しかし、特許文献1に記載された触媒構成の場合、排気ガス高温時に上流側の触媒成分Aから脱離するNOxとHCとが同時に下流側の触媒成分Bに流入する。従って、触媒成分BではNOxとHCとによる活性点の奪い合いとなり、未浄化のまま排出されるNOx量及びHC量が多くなる。特に、ガソリンエンジン始動時の触媒温度は、当該文献の0076段落に記載されているような緩やかな昇温スピード(20℃/min)ではなく、始動から数十秒間で、触媒が活性化する温度(例えば250℃〜300℃程度)まで急激に上昇することから、触媒成分Bには短時間で多量のNOx及びHCが流入することになり、その浄化が難しくなる。そのため、ガソリンエンジン、特に希薄燃焼を主体としないガソリンエンジンでは、排気ガス浄化性能の大きな改善を期待することができない。
一方、特許文献2に記載された触媒構成の場合、当文献にはNOx吸着材の詳細は記載されていないが、リーン条件でNOxを吸着しストイキ条件でNOxを脱離するとされている。従って、そのNOx吸着材は、リーン条件でNOxを吸収して硝酸塩化合物となり、ストイキないしリッチ条件でNOxを放出して炭酸塩化合物となるアルカリ土類金属やアルカリ金属、例えばBa、Sr、K、Li等を用いたものである推察される。しかし、アルカリ土類金属等を用いたNOx吸着材では、排気ガスをストイキ条件にしても、300℃以上の高温雰囲気にならなければNOxを脱離しないところ、その頃には既に下流側のHC吸着型三元触媒のHCの脱離が相当に進んでいるのが通常であるから、当該NOxによるHCの効果的な浄化を期待することができない。
しかも、上記NOx吸着材からNOxを脱離させるには、排気ガスの空燃比制御(エンジンの燃料噴射制御)が必要になるところ、排気ガス温度が急激に上昇していくエンジン始動直後は当該制御のための温度センサや空燃比センサなど各種センサの検出精度が高くないことから、仮に比較的低い温度でNOxを脱離させることができたとしても、空燃比制御によって燃費の悪化を招くことなくNOx脱離を図ることは難しい。
そこで、本発明は、HC吸着材とNOx吸着材とを組み合わせて、燃費の悪化等の不具合を招くことなく、エンジン冷間始動時の排気ガス浄化性能の向上を図ることを課題とする。
本発明では、このような課題を解決するために、低温時にNOx(窒素酸化物)を吸着しそのNOxを温度が高くなると放出するNOx吸着材と、NOをNO2に酸化するNO酸化触媒とを組み合わせ、さらに、HC吸着型触媒からのHC脱離量が多くなる前にこのHC吸着型触媒に酸化力の高いNO2が流入するように、HC吸着型触媒、NOx吸着材及びNO酸化触媒を配置するようにした。
以下、具体的に説明すると、本発明は、排気ガス通路にHC吸着材を有するHC吸着型触媒が設けられている排気ガス浄化触媒装置において、
上記HC吸着型触媒よりも排気ガス流れの上流側の上記排気ガス通路に、100℃以下の温度で排気ガス中のNOxを吸着しこの吸着したNOxの50%以上を200℃以上の温度で脱離するNOx吸着材と、該NOx吸着材から脱離するNOxのうちのNOをNO2に酸化するNO酸化触媒とを備え、
上記NOx吸着材とNO酸化触媒とは、該NOx吸着材から脱離するNOxが該NO酸化触媒に接触した後に上記HC吸着型触媒に流入するように、互いに混合することなく区分して設けられているとともに、該NO酸化触媒を経たNOxの大半が上記HC吸着型触媒に対して、上記HC吸着材のHC脱離量がピークとなる触媒温度になるまでに流入するように、該HC吸着型触媒から排気ガス流れの上流側に離間して配置されていることを特徴とする。
上記HC吸着型触媒よりも排気ガス流れの上流側の上記排気ガス通路に、100℃以下の温度で排気ガス中のNOxを吸着しこの吸着したNOxの50%以上を200℃以上の温度で脱離するNOx吸着材と、該NOx吸着材から脱離するNOxのうちのNOをNO2に酸化するNO酸化触媒とを備え、
上記NOx吸着材とNO酸化触媒とは、該NOx吸着材から脱離するNOxが該NO酸化触媒に接触した後に上記HC吸着型触媒に流入するように、互いに混合することなく区分して設けられているとともに、該NO酸化触媒を経たNOxの大半が上記HC吸着型触媒に対して、上記HC吸着材のHC脱離量がピークとなる触媒温度になるまでに流入するように、該HC吸着型触媒から排気ガス流れの上流側に離間して配置されていることを特徴とする。
すなわち、本発明者は、HC吸着材と同様に温度に依存して、低温時にNOxを吸着しそのNOxを温度が高くなると放出するNOx吸着材を採用すれば、空燃比のリーン・リッチの切換え制御を行なうことなく、温度がある程度上昇したときに、NOx吸着材から脱離するNOxをHC吸着型触媒に流入させることができる点に着目した。
しかし、そのようなNOx吸着材は、吸着したNOxを温度が比較的低いとき(例えば300℃以下)はNOとして脱離し、温度が高くなってくると、次第にNO2として脱離するようになるが、温度が低いときに脱離するNOはNO2に比べて酸化力が低い。
そこで、本発明では、温度が低いときに脱離するNOをNO2に転換すべく、上記NOx吸着材とNO酸化触媒とを組み合わせ、NOをNO2に酸化させてHC吸着型触媒に流入させるようにした。この場合、NOx吸着材とNO酸化触媒とを混合することも考えられるが、そうすると、NOx吸着材から脱離するNOが必ずしもNO酸化触媒に接触することにはならない。そのため、本発明では、NOx吸着材とNO酸化触媒とを混合することなく区分して設け、NOx吸着材から脱離するNOxがNO酸化触媒に接触した後にHC吸着型触媒に流入するようにした。NOx吸着材とNO酸化触媒とは、前者が排気ガス流れの上流側に位置し、後者がその下流側に位置するように区分することが好ましいが、担体上で前者が下層になり、後者が上層になるように積層する形態で区分するようにしてもよい。
一方、上述の如くNO2をHC吸着型触媒に流入させるようにしても、HC吸着材からのHCの脱離が進んでいては、そのNO2をHCの浄化に有効に利用できない。
そこで、本発明では、NOx吸着材とNO酸化触媒とを、該NO酸化触媒を経たNOxの大半がHC吸着型触媒に対して、そのHC吸着材のHC脱離量がピークとなる触媒温度になるまでに(当該HC吸着型触媒の温度が例えば200℃になるまでに)流入するように、該HC吸着型触媒から排気ガス流れの上流側に離間して配置した。
上記HC吸着型触媒は、HC吸着材層と、該HC吸着材層から脱離するHCを酸化浄化する三元触媒層とを備えていることが好ましい。HC吸着材層と三元触媒層とは、担体上において、前者が内側に、後者が外側になるように層状に配置しても、或いは前者が排気ガス流れの上流側に、後者が下流側になるように直列的に配置してもよい。
これにより、HC吸着材層に吸着されているHCがNO2と反応することなく脱離しても、その脱離HCは三元触媒層を通過するから、その三元触媒が当該HCの浄化に効率良く働くことになり、HC浄化率の向上に有利になる。また、HC吸着材層と三元触媒層とを層状に設けた場合には、外側に位置する三元触媒層が、NO酸化触媒での酸化反応熱によって温度が高くなった排気ガスに晒されて加熱されるから、該三元触媒の早期昇温、ひいては排気ガス浄化性能の向上に有利になる。
上記NOx吸着材としては、Zrと希土類金属とを含有する複合酸化物、或いはZrとアルカリ土類金属とを含有する複合酸化物を採用することが好ましく、特にZrと希土類金属とを含有する複合酸化物が好ましい。
このような複合酸化物であれば、NOx吸着能が高く、しかも吸着したNOxを酸化力の高いNO2として脱離する300℃以上の高温側での脱離量が多くなるから、HC吸着型触媒に吸着されているHCの浄化に有利になる。
上記NO酸化触媒としては、アルミナ粒子にPtが担持されてなるPt担持アルミナを採用することが好ましい。
このようなNO酸化触媒により、NOx吸着材から低温側で脱離するNOをNO2に効率良く酸化することができる。
上記HC吸着材としては、β型、モルデナイト型、Y型或いはペンタシル型のゼオライトを採用することが好ましい。
本発明によれば、低温時にNOxを吸着しそのNOxを温度が高くなると放出するNOx吸着材と、NOをNO2に酸化するNO酸化触媒とを組み合わせたから、酸化力が高いNO2をHC吸着型触媒に供給することができ、しかも、NO酸化触媒を経たNOxの大半が、HC脱離量がピークになる前のHC吸着型触媒に流入するように、NO吸着材及びNO酸化触媒をHC吸着型触媒から排気ガス流れの上流側に離間して配置したから、上記酸化力が高いNO2をHC脱離量が多くなる前に当該HC吸着型触媒に供給することができ、排気ガス中のNOxを有効に利用して、燃費の悪化を招くことなく、エンジン冷間始動時等の排気ガス温度が低いときの排気ガス浄化性能を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1において、1はガソリンエンジンの排気ガス通路である。この排気ガス通路1には、NOx吸着酸化触媒2とHC吸着型触媒3とが、前者が排気ガス流れの上流側に、後者が下流側になるように、直列的に配置されている。
NOx吸着酸化触媒2は、NOx吸着材4とNO酸化触媒5とを備え、NOx吸着材4が排気ガス流れの上流側に配置され、その下流側にNO酸化触媒5が配置されている。NOx吸着材4は、ハニカム担体にNOx吸着材料を担持させてなり、NO酸化触媒5は、ハニカム担体にNO酸化触媒材料を担持させてなる。HC吸着型触媒3は、HC吸着材層と三元触媒層とを備え、ハニカム担体上において、HC吸着材層が内側に、三元触媒層が外側になるように層状に設けられている。
NOx吸着材4は、100℃以下の温度で排気ガス中のNOxを吸着し、この吸着したNOxの50%以上を200℃以上の温度になったときに脱離する。NO酸化触媒5は、NOx吸着材4から脱離するNOxのうちのNOをNO2に酸化する。HC吸着材は、低温時に排気ガス中のHCを吸着し、温度が高くなると吸着していたHCを脱離する。そのHC脱離量がピークになる温度は、200℃前後であるものが多いが、180℃付近にピーク温度があるもの、240℃付近にピーク温度があるものもあり、HC吸着材の種類によって異なる。
そこで、本発明では、NOx吸着材4から脱離してNO酸化触媒5を経たNOxの大半がHC吸着型触媒3に対して、上記HC吸着材のHC脱離量がピークとなる触媒温度になるまでに流入するように、NOx吸着酸化触媒2をHC吸着型触媒3から排気ガス流れの上流側に離間して配置している。
<NOx吸着材のNOx脱離特性>
NOx吸着材として、ZrCeNd複合酸化物にPdを担持させてなるPd担持ZrCeNd複合酸化物と、ZrPr複合酸化物にPdを担持させてなるPd担持ZrPr複合酸化物と、ZrSr複合酸化物(Pd担持なし)とを準備した。ZrCeNd複合酸化物の組成はZrO2:CeO2:Nd2O3=45:45:10(質量比)であり、そのPd担持量は1.0質量%である。ZrPr複合酸化物の組成はZrO2:PrO2=60:40(質量比)であり、そのPd担持量は1.0質量%である。ZrSr複合酸化物のSrO含有量は9.31質量%である。
NOx吸着材として、ZrCeNd複合酸化物にPdを担持させてなるPd担持ZrCeNd複合酸化物と、ZrPr複合酸化物にPdを担持させてなるPd担持ZrPr複合酸化物と、ZrSr複合酸化物(Pd担持なし)とを準備した。ZrCeNd複合酸化物の組成はZrO2:CeO2:Nd2O3=45:45:10(質量比)であり、そのPd担持量は1.0質量%である。ZrPr複合酸化物の組成はZrO2:PrO2=60:40(質量比)であり、そのPd担持量は1.0質量%である。ZrSr複合酸化物のSrO含有量は9.31質量%である。
これら3種のNOx吸着材について、吸着したNOxの温度に関する脱離特性をNO−TPD(昇温脱離)テストにより調べた。すなわち、図2に示すように、NOx吸着材に対して前処理を行なってから、NOを吸着させ、しかる後、吸着したNOを脱離させる処理を行なってそのNO脱離量の温度変化を調べた。図2の前処理は、還元性ガス(H2;0.45%,残He,流量;100mL/分)を供給しながら、そのガス温度を30℃/分の速度で室温(25℃)から上昇させ、600℃の温度に10分間保持した後、ガス温度を室温に戻すというものである。NO+O2吸着処理は、NO含有ガス(NO;4000ppm,O2;3.0%,残He,流量;100mL/分)を室温で15分間供給するというものである。NO脱離処理は、Heガス(流量;50mL/分)を供給しながら、ガス温度を20℃/分の速度で600℃まで上昇させるというものである。なお、この場合のNO脱離量にはNOだけでなく、NO2も含まれている。
図3はPd担持ZrCeNd複合酸化物のNO脱離特性を示す。このNO吸着材では、100℃付近、200℃付近及び400℃付近に脱離ピークが現れており、吸着したNOxの50%以上を200℃以上の温度で脱離することが同図のグラフからわかる。
図4はPd担持ZrPr複合酸化物のNO脱離特性を示す。このNO吸着材では、250℃付近及び430℃付近に脱離ピークが現れており、吸着したNOxの50%以上を200℃以上の温度で脱離することが同図のグラフからわかる。
図5はZrSr複合酸化物のNO脱離特性を示す。このNO吸着材では、100℃付近及び500℃付近に脱離ピークが現れており、吸着したNOxの50%以上を200℃以上の温度で脱離することが同図のグラフからわかる。
また、図3乃至図5のグラフを比較すると、希土類金属を含有し且つPdを担持させたPd担持ZrCeNd複合酸化物及びPd担持ZrPr複合酸化物の方が、アルカリ土類金属を含有するZrSr複合酸化物(Pd担持なし)よりもNOの吸着脱離量が多いことがわかる。Pd担持ZrPr複合酸化物のNO吸着脱離量が特に多い。
<冷間排気ガス浄化性能>
−実験装置−
図6は冷間排気ガス浄化性能に調べるための実験装置である。同図において、符号6は排気ガス通路を形成する石英管であり、この石英管6の排気ガス通路に、NOx吸着材4、NO酸化触媒5及びHC吸着型触媒3を排気ガス流れ上流側から順に配設した。担体容量は、NOx吸着材が25mL、NO酸化触媒が12.5mL、HC吸着型触媒が32.5mLである。石英管6には、NOx吸着材4及びNO酸化触媒5を加熱するヒータ7と、HC吸着型触媒3を保温する保温材8とを取り付けた。
−実験装置−
図6は冷間排気ガス浄化性能に調べるための実験装置である。同図において、符号6は排気ガス通路を形成する石英管であり、この石英管6の排気ガス通路に、NOx吸着材4、NO酸化触媒5及びHC吸着型触媒3を排気ガス流れ上流側から順に配設した。担体容量は、NOx吸着材が25mL、NO酸化触媒が12.5mL、HC吸着型触媒が32.5mLである。石英管6には、NOx吸着材4及びNO酸化触媒5を加熱するヒータ7と、HC吸着型触媒3を保温する保温材8とを取り付けた。
また、NOx吸着材4の中間部及びHC吸着型触媒3の上流部に温度センサ(熱電対)9,10を設け、ヒータ7によるNOx吸着材4の加熱温度が300℃になったときに、HC吸着材(HC吸着型触媒3)の上流部の温度が180℃又は200℃以上となるように、HC吸着型触媒3の位置を調節できるようにした。
−供試触媒装置−
上記実験装置により、以下の6つのケースについて冷間HC浄化率及び冷間NO浄化率を測定した。
上記実験装置により、以下の6つのケースについて冷間HC浄化率及び冷間NO浄化率を測定した。
第1ケース;NOx吸着材としてPd担持ZrPr複合酸化物を採用
(NOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部温度180℃)
第2ケース;NOx吸着材としてPd担持ZrCeNd複合酸化物を採用
(NOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部温度180℃)
第3ケース;NOx吸着材としてZrSr複合酸化物(Pd担持なし)を採用
(NOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部温度180℃)
第4ケース;NOx吸着材及びNO酸化触媒なし
第5ケース;第1ケースにおいてNO酸化触媒なし
(NOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部温度180℃)
第6ケース;第1ケースにおいてNOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部 温度200℃以上
(NOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部温度180℃)
第2ケース;NOx吸着材としてPd担持ZrCeNd複合酸化物を採用
(NOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部温度180℃)
第3ケース;NOx吸着材としてZrSr複合酸化物(Pd担持なし)を採用
(NOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部温度180℃)
第4ケース;NOx吸着材及びNO酸化触媒なし
第5ケース;第1ケースにおいてNO酸化触媒なし
(NOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部温度180℃)
第6ケース;第1ケースにおいてNOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部 温度200℃以上
HC吸着型触媒3については、HC吸着材と三元触媒とをハニカム担体上において、前者が内側に、後者が外側になるように層状に設け、さらに三元触媒層については外側三元触媒層と内側三元触媒層の2層構造とした。
供試触媒装置の具体的な構成は次のとおりである。なお、単位(g/L)はハニカム担体1L当たりの質量である。
NOx吸着材;Pd/ZrCeNd複合酸化物、Pd/ZrPr複合酸化物、
又はZrSr複合酸化物(Pd担持なし) 80g/L
NO酸化触媒;Pt/La含有アルミナ 100g/L(Pt担持量2.0g/L)
HC吸着材層;β−ゼオライト 160g/L
外側三元触媒層;CeO2 5.5g/L
ZrCeNd複合酸化物 5.7g/L
Pd/La含有アルミナ 45.45g/L
(Pd 0.45g/L)
Pd/CeZrLaYアルミナ複合酸化物 22.85g/L
(Pd 0.25g/L)
内側三元触媒層;Rh/ZrCeNd複合酸化物 70.1g/L
(Rh 0.1g/L)
Rh/ZrLa複合酸化物担持アルミナ 30.05g/L
(Rh 0.05g/L)
La含有アルミナ 13g/L
又はZrSr複合酸化物(Pd担持なし) 80g/L
NO酸化触媒;Pt/La含有アルミナ 100g/L(Pt担持量2.0g/L)
HC吸着材層;β−ゼオライト 160g/L
外側三元触媒層;CeO2 5.5g/L
ZrCeNd複合酸化物 5.7g/L
Pd/La含有アルミナ 45.45g/L
(Pd 0.45g/L)
Pd/CeZrLaYアルミナ複合酸化物 22.85g/L
(Pd 0.25g/L)
内側三元触媒層;Rh/ZrCeNd複合酸化物 70.1g/L
(Rh 0.1g/L)
Rh/ZrLa複合酸化物担持アルミナ 30.05g/L
(Rh 0.05g/L)
La含有アルミナ 13g/L
「Pd/」、「Pt/」及び「Rh/」はPd、Pt又はRhを「/」の次に記載した母材に担持させたことを意味する。
外側三元触媒層のZrCeNd複合酸化物の組成はZrO2:CeO2:Nd2O3=55:35:10(質量比)であり、内側三元触媒層のZrCeNd複合酸化物の組成はZrO2:CeO2:Nd2O3=80:10:10(質量比)である。CeZrLaYアルミナ複合酸化物の組成はAl2O3:CeO2:ZrO2:La2O3:Y2O3=80.1:10.4:7.4:1.7:0.4(質量比)である。La含有アルミナのLa2O3含有量はいずれも4質量%である。ZrLa複合酸化物担持アルミナの組成はZrO2:La2O3:Al2O3=38:2:60(質量比)である。
HC吸着材のハニカム担体への担持にはバインダとしてアルミナゾルを用い、NO吸着材、三元触媒など各材料のハニカム担体への担持にはバインダとして硝酸ジルコニルを用いた。
−実験手順−
上記6つのケース各々に関し、まず、HC吸着型触媒のみを上記実験装置とは別のガス流通装置に取り付けて、トルエン含有ガス(トルエン濃度2500ppmC,残N2)を50℃の温度で900秒間流してトルエンを吸着させた。そのときの900秒間でのトルエン供給量をA、吸着されたトルエン量をBとする。トルエン吸着量Bは、HC吸着型触媒を素通りしたトルエン量より求めた。
上記6つのケース各々に関し、まず、HC吸着型触媒のみを上記実験装置とは別のガス流通装置に取り付けて、トルエン含有ガス(トルエン濃度2500ppmC,残N2)を50℃の温度で900秒間流してトルエンを吸着させた。そのときの900秒間でのトルエン供給量をA、吸着されたトルエン量をBとする。トルエン吸着量Bは、HC吸着型触媒を素通りしたトルエン量より求めた。
上記トルエン吸着処理を行なったHC吸着型触媒を上記実験装置の保温材配設部位にセットするとともに、第1ケース〜第3ケース及び第6ケースではNO吸着材及びNO酸化触媒を当該実験装置のヒータ配設部位にセットした。第5ケースではNOx吸着材のみ(NO酸化触媒なし)をセットした。なお、第4ケースはNOx吸着材及びNO酸化触媒なしである。
次に、上記実験装置において、A/F=14.7の模擬排気ガス(CO2:13.9%,O2:0.6%,CO:0.6%,H2:0.2%,NO:1000ppm,H2O:10%,残:N2(HC不含))を50℃の一定温度で600秒間流した。そのときの600秒間でのNO供給量をD1、吸着されたNO量をEとする。NO吸着量Eは素通りしたNO量より求めた。
続いて、上記模擬排気ガスを流しながらヒータ7により該ヒータ配設部位(NOx吸着材,NO酸化触媒)の温度を30℃/分の速度で600℃まで上昇させていき、HC吸着型触媒の下流側に流出するHC量及びNOx量を測定した。そのHC流出量をCとし、NOx流出量をFとする。また、HC吸着型触媒の温度が250℃(三元触媒のライトオフ温度に相当)に達するまでの上記模擬排気ガスによるNO供給量をD2とする。
そうして、式[(B−C)×100/A]で求めたHC浄化率を各ケースの冷間HC浄化率とし、NO供給量D1とD2との合計量に対するNOx浄化量(NO吸着量E−NOx流出量F)の割合を[(E−F)×100/(D1+D2)]で求めて冷間NOx浄化率とした。結果は表1のとおりである。
表1によれば、NOx吸着材及びNO酸化触媒を有し且つNOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部温度を180℃とした第1ケース〜第3ケース(実施例)は、第4ケース〜第6ケース(比較例)よりも、冷間HC浄化率及び冷間NO浄化率が高くなっている。第1ケース(NO酸化触媒あり)の冷間HC浄化率及び冷間NO浄化率が第5ケース(NO酸化触媒なし)よりも高くなっているのは、NO酸化触媒によるNO→NO2酸化の効果である。また、NOx吸着材温度300℃時点のHC吸着材上流部の温度が200℃以上である第6ケースでは、該第1ケース(HC吸着材上流部温度180℃)よりも冷間HC浄化率及び冷間NO浄化率がかなり低くなっているが、これは、HC吸着材のHC脱離量がピークとなった後にNO酸化触媒を経たNOxの多くがHC吸着型触媒に流入し、そのNOxが先に吸着されたHCの浄化に有効に利用されなかったためと認められる。
また、第1ケース〜第3ケースのうちでは、Pd担持ZrPr複合酸化物、Pd担持ZrCeNd複合酸化物及びZrSr複合酸化物(Pd担持なし)の順で上記浄化率が低くなっている。これは、各NOx吸着材のNOx吸着脱離量の大小が各供試触媒装置の冷間HC浄化率及び冷間NO浄化率に影響した結果であるとみることができる。
1 排気ガス通路
2 NOx吸着酸化触媒
3 HC吸着型触媒
4 NOx吸着材
5 NO酸化触媒
2 NOx吸着酸化触媒
3 HC吸着型触媒
4 NOx吸着材
5 NO酸化触媒
Claims (4)
- 排気ガス通路にHC吸着材を有するHC吸着型触媒が設けられている排気ガス浄化触媒装置において、
上記HC吸着型触媒よりも排気ガス流れの上流側の上記排気ガス通路に、100℃以下の温度で排気ガス中のNOxを吸着しこの吸着したNOxの50%以上を200℃以上の温度で脱離するNOx吸着材と、該NOx吸着材から脱離するNOxのうちのNOをNO2に酸化するNO酸化触媒とを備え、
上記NOx吸着材とNO酸化触媒とは、該NOx吸着材から脱離するNOxが該NO酸化触媒に接触した後に上記HC吸着型触媒に流入するように、互いに混合することなく区分して設けられているとともに、該NO酸化触媒を経たNOxの大半が上記HC吸着型触媒に対して、上記HC吸着材のHC脱離量がピークとなる触媒温度になるまでに流入するように、該HC吸着型触媒から排気ガス流れの上流側に離間して配置されていることを特徴とする排気ガス浄化触媒装置。 - 請求項1において、
上記HC吸着型触媒は、HC吸着材層と、該HC吸着材層から脱離するHCを酸化浄化する三元触媒層とを備えていることを特徴とする排気ガス浄化触媒装置。 - 請求項1又は請求項2において、
上記NOx吸着材は、Zrと希土類金属とを含有する複合酸化物であることを特徴とする排気ガス浄化触媒装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
上記NO酸化触媒は、アルミナ粒子にPtが担持されてなるPt担持アルミナを含有することを特徴とする排気ガス浄化触媒装置。
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JP2008004869A JP2009167844A (ja) | 2008-01-11 | 2008-01-11 | 排気ガス浄化触媒装置 |
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US20110099981A1 (en) * | 2009-11-05 | 2011-05-05 | Robert Bosch Gmbh | Procedure and device for controlling an exhaust gas purification system |
WO2011162030A1 (ja) | 2010-06-24 | 2011-12-29 | エヌ・イー ケムキャット株式会社 | 選択還元触媒を用いた排気ガス浄化触媒装置、排気ガス浄化方法、および排気ガス浄化触媒装置を搭載したディーゼル自動車 |
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-
2008
- 2008-01-11 JP JP2008004869A patent/JP2009167844A/ja active Pending
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