JP2008229546A - 排ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温タイプのNOx吸着材と高温タイプのNOx吸蔵材とを併用することで広い温度範囲でNOxの排出を抑制しつつ、ゼオライト及びNOx吸着材によるNH吸着能及びNOx吸着能を確保し得る排気ガス浄化用触媒を提供する。
【解決手段】リーン燃焼した排ガス中のNOxを浄化する排ガス浄化用触媒において、NOxをトラップするNOx吸着材及びNOx吸蔵材と、該NOx吸着材及びNOx吸蔵材によりトラップされたNOxが酸素不足雰囲気条件下で転化されてなるNHを吸着する所定の細孔径を備える固体酸化合物と、が触媒層内に含有されるとともに、希土類酸化物バインダ材が含有される。
【選択図】図3

Description

本発明は、リーン燃焼した排ガス中のNOxを浄化する排ガス浄化用触媒及びその製造方法に関する。
従来、希薄燃焼エンジンの排ガス中に含まれるNOxを除去する方法としては、(1)通常のリーン運転時においてバリウム(Ba)等のNOx吸蔵材にNOxを吸蔵させ、リッチ運転時においてNOx吸蔵材からNOxを放出させるとともに、排ガス中のHC成分でNOxを還元浄化する方法、(2)NOxをセリア材等に吸着させておき、上流からアンモニア水又は尿素水を排ガス流路内に供給してセリア材に吸着しているNOxを選択還元する方法、(3)触媒層を2層構造とし、通常のリーン運転時において下層に含有されるセリア系NOx吸着材にNOxを吸着させ、リッチ運転に切り替えて排ガス中のCO,HO,H等と吸着しているNOxとを反応させてNHに転化し、そのNHを上層のゼオライトに吸着させ、再びリーン運転してNOxとNHとを反応させることによりNに還元浄化する方法等が知られている。これらのうち、(3)の方法は、下記特許文献1及び2に開示されている。
また、下記特許文献1及び2とは若干異なるものとして、例えば下記特許文献3に開示されるように、内層にゼオライト,外層にNOx吸蔵材を含有し、かつ、内層にはアルミナバインダ,外層には塩基性ジルコニアバインダを含有した触媒構成も知られている。
特開2006−314989号公報 米国公開特許2004/76565号明細書 特開2003−93885号公報
上記特許文献1及び2について考えると、NOxの一成分であるNOは、パティキュレートフィルタに堆積しているパティキュレートマター(PM)を酸化燃焼させる作用があるため、パティキュレートフィルタの上流側にNOx吸着材とゼオライトとを含有させた触媒を配置し、該フィルタにNを供給することは効果的と言えず、好ましくない。したがって、パティキュレートフィルタよりも下流側にNOx吸着材とゼオライトとを含有させた触媒を配置するのが好ましい。
ところで、PMが燃焼させられるパティキュレートフィルタの再生時には、フィルタ温度は800℃程度にまで昇温する。このため、触媒がパティキュレートフィルタの下流側に配置された場合には、フィルタ再生に伴い、触媒が300℃〜400℃程度にまで上昇することが予測される。しかし、低温タイプのNOx吸着材であるセリア系酸化物及びNH吸着材であるゼオライトは、200℃〜300℃弱の温度で吸着しているNOxやNHを脱離してしまうため、触媒において、本来の目的とするNOxの排出抑制が困難となる。また、上記以外にNOx吸着材やNH吸着材を含む触媒が、エンジン側に最も近い位置に配設される場合、高速運転時にはやはり高温排ガスに晒され、NOxやNHは脱離してしまう。更に、NOx吸着材やNH吸着材を含む触媒が、パティキュレートフィルタよりも上流で、且つ、酸化触媒よりも下流にある場合においても、酸化触媒でHC成分が酸化燃焼された際には、NOxやNHが脱離するに充分な温度にまで上昇してしまう。すなわち、NOx吸着材やNH吸着材を含む触媒は排ガス通路内のどこに配置しても吸着しているNOxやNHを脱離してしまう温度になる可能性がある。
触媒におけるNOxの排出抑制性能を確保するために、NOx吸着材とは別にNOx吸蔵材も上記触媒の触媒層内に含有させることが知られている。NOx吸蔵材は温度の影響が小さく、フィルタ再生時の高温度条件下でもNOxを吸蔵することができる。
しかし、本願発明者等は、NOx吸蔵材を含有させてもバインダの種類によってはその性能が低下すること、具体的には、酸性バインダが用いられる場合、触媒担体にコーティングされ触媒層を構成するスラリーの調製時に、アルカリ金属やアルカリ土類金属に代表されるNOx吸蔵材がスラリー中に溶出し、例えば前述した(3)の方法に関連した触媒構造では、溶出したNOx吸蔵材がゼオライト及びNOx吸着材に付着し、それらの結晶構造が崩れることで、NH吸着能及びNOx吸着能が損なわれてしまうことを見出した。そこで、低温タイプのNOx吸着材と高温タイプのNOx吸蔵材とを併用することで広い温度範囲でNOxの排出を抑制しつつ、上記スラリーの調製時のNOx吸蔵材の溶出を抑制して、ゼオライト及びNOx吸着材によるNH吸着能及びNOx吸着能を確保するのに適したバインダを用いることが求められる。
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、低温タイプのNOx吸着材と高温タイプのNOx吸蔵材とを併用することで広い温度範囲でNOxの排出を抑制しつつ、ゼオライト及びNOx吸着材によるNH吸着能及びNOx吸着能を確保し得る排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
そこで、本願の請求項1に係る発明は、リーン燃焼した排ガス中のNOxを浄化する排ガス浄化用触媒において、NOxをトラップするNOx吸着材及びNOx吸蔵材と、該NOx吸着材及びNOx吸蔵材によりトラップされたNOxが酸素不足雰囲気条件下で転化されてなるNHを吸着する所定の細孔径を備える固体酸化合物と、を触媒層内に含有し、上記触媒層に希土類酸化物バインダ材が含有されていることを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記固体酸化合物は、アルミノシリケート化合物であることを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、上記希土類酸化物バインダ材は、塩基性ゾルを原料とするセリウム(Ce)又はイットリウム(Y)の酸化物を含むことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1〜3に係る発明のいずれかにおいて、上記触媒層は複数層からなり、上層に上記固体酸化合物が含有され、該上層よりも触媒担体側の下層に上記NOx吸着材及びNOx吸蔵材が含有され、上記希土類酸化物バインダ材は少なくとも上層に含有されている、ことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項1〜3に係る発明のいずれかにおいて、上記触媒層は単層であり、上記固体酸化合物と上記NOx吸着材及びNOx吸蔵材とが混合されている、ことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項6に係る発明は、リーン燃焼した排ガス中のNOxを浄化する排ガス浄化用触媒の製造方法において、少なくともNOx吸蔵材,触媒金属,水の各所定量を混合した後、水を蒸発させ粉末を得るべく、所定温度まで加熱する加熱ステップと、上記加熱ステップで得られた粉末を焼成する焼成ステップと、少なくとも上記焼成ステップで得られた粉末,NOx吸着材,塩基性酸化物バインダ,水の各所定量を混合する第1の混合ステップと、上記第1の混合ステップで得られた混合物を触媒担体上にコーティングして、下層を形成する下層形成ステップと、上記NOx吸蔵材及びNOx吸着材によりトラップされたNOxが酸素不足雰囲気条件下で転化されてなるNHを吸着する所定の細孔径を備える固体酸化合物,希土類酸化物バインダ,水の各所定量を混合する第2の混合ステップと、上記第2の混合ステップで得られた混合物を上記下層形成ステップにより得られた触媒担体上にコーティングして、上層を形成する上層形成ステップと、上記上層形成ステップで得られた触媒担体を焼成する焼成ステップと、を有していることを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項7に係る発明は、リーン燃焼した排ガス中のNOxを浄化する排ガス浄化用触媒の製造方法において、少なくともNOx吸蔵材,触媒金属,水の各所定量を混合した後、水を蒸発させ粉末を得るべく、所定温度まで加熱する加熱ステップと、上記加熱ステップで得られた粉末を焼成する焼成ステップと、少なくとも上記焼成ステップで得られた粉末,上記NOx吸蔵材及びNOx吸着材によりトラップされたNOxが酸素不足雰囲気条件下で転化されてなるNHを吸着する所定の細孔径を備える固体酸化合物,NOx吸着材,希土類酸化物バインダ,水の各所定量を混合する混合ステップと、上記混合ステップで得られた混合物を触媒担体上にコーティングして、触媒層を形成する触媒層形成ステップと、上記触媒層形成ステップで得られた触媒担体を焼成するステップと、を有していることを特徴としたものである。
本願の請求項1に係る発明によれば、触媒担体にコーティングされるスラリーの調製時におけるNOx吸蔵材の溶出抑制に有効である希土類酸化物バインダ材が触媒層に含有されることで、低温タイプのNOx吸着材及び高温タイプのNOx吸蔵材を併用することで広い温度範囲でNOxの排出を抑制しながら、固体酸化合物のNH吸着能及びNOx吸着材の吸着能の低下を抑制することができる。また、バインダ材自体にNOx吸着能があるため、触媒全体としてNOxトラップ量を増加させることができる。
また、本願の請求項2に係る発明によれば、固体酸化合物が、アルミノシリケート化合物であるため、請求項1と同様の効果を奏することができる。
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、上記希土類酸化物バインダ材が、塩基性ゾルを原料とするセリウム(Ce)又はイットリウム(Y)の酸化物を含むため、請求項1と同様の効果を奏することができる。
また、更に、本願の請求項4に係る発明によれば、少なくとも上層に希土類酸化物バインダ材が含有されるため、上層に含有される固体酸化合物にNOx吸蔵材成分が付着し難くなる。また、上層バインダ材に吸着されたNOxはNHに転化した直後に近接する固体酸化合物により吸着され易い。好ましくは、上下層両方に希土類酸化物バインダを用いると、スラリー調製時のNOx吸蔵材の溶出抑制の面で更に良い。
また、更に、本願の請求項5に係る発明によれば、固体酸化合物に吸着したNHと反応させるNOxの拡散という点で複数層からなる触媒層を備えた触媒よりも若干不利であるが、固体酸化合物の耐久性が増すとともに、NOx吸着材,NOx吸蔵材,固体酸化合物が近接しているため、未浄化で排出され難い。
また、更に、本願の請求項6に係る発明によれば、少なくとも上層に希土類酸化物バインダ材が含有されるため、上層に含有される固体酸化合物にNOx吸蔵材成分が付着し難くなる。また、上層バインダ材に吸着されたNOxはNHに転化した直後に近接する固体酸化合物により吸着され易い。好ましくは、上下層両方に希土類酸化物バインダを用いると、スラリー調製時のNOx吸蔵材の溶出抑制の面で更に良い。
また、更に、本願の請求項7に係る発明によれば、固体酸化合物に吸着したNHと反応させるNOxの拡散という点で複数層からなる触媒層を備えた触媒よりも若干不利であるが、固体酸化合物の耐久性が増すとともに、NOx吸着材,NOx吸蔵材,固体酸化合物が近接しているため、未浄化で排出され難い。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る排ガス浄化用触媒を含むエンジン1の排ガス通路2に設けられた構成を模式的に示す説明図である。本実施形態では、エンジン1の排ガス通路2に、排ガス上流側から順に、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を浄化するためのディーゼル酸化触媒(DOC)3,パティキュレートマター(PM)を除去するためのディーゼル・パティキュレート・フィルタ(DPF)4,リーン燃焼した排ガス中のNOxを浄化する排ガス浄化用触媒としてのNOxトラップ還元触媒(LNT)5が配設されている。
排気ガスが流通するLNT5の内部流路には、そのハニカム担体セル壁面に触媒層が形成されており、その触媒層内には、基本的に、NOxをトラップするセリア系酸化物(CeO)からなるNOx吸着材と、トラップされたNOxが酸素不足雰囲気条件下で転化されてなるNHを吸着する所定の細孔径を備えるアルミノシリケート化合物(ゼオライト)からなるNH吸着材と、が含有されるとともに、そのNOxの排出抑制性能を確保するために、NOx吸着材に加え、温度の影響が小さく、フィルタ再生時の高温度条件下でもNOxを吸蔵し得るNOx吸蔵材が含有されている。
ところで、LNT5の触媒層に、NOx吸着材に加え、NOx吸蔵材が含有されても、前述したように、バインダによっては、触媒担体にコーティングされ触媒層を構成するスラリーの調製時に、アルカリ金属やアルカリ土類金属に代表されるNOx吸蔵材がスラリー中に溶出し、溶出したNOx吸蔵材がゼオライト及びNOx吸着材に付着し、それらの結晶構造が崩れることで、NH吸着能及びNOx吸着能が損なわれてしまうことがあるが、かかる問題に対し、本願発明者は、塩基性ゾルを原料とするセリウム(Ce)又はイットリウム(Y)の酸化物を含む希土類酸化物バインダを採用すれば、スラリー調製時のNOx吸蔵材の溶出が抑制され、その結果、ゼオライト及びNOx吸着材によるNH吸着能及びNOx吸着能が良好に維持され、良好なLNT5のNOx浄化率が確保され得ることを見出した。
本実施形態では、LNT5における希土類酸化物バインダの採用により良好なNOx浄化率が確保されることを実証する上で、図2の表(a)及び(b)に示すように構成されたサンプル(比較例1〜5及び実施例1〜6)を準備した。このうち、比較例1〜3及び実施例1〜4のサンプルは、触媒担体上に2層からなる触媒層を備えるもので、他方、比較例4,5及び実施例5,6のサンプルは、触媒担体上に単層からなる触媒層を備えるものである。
各サンプルは、互いに異なるバインダ材が用いられて調製されたもので、具体的に、比較例1〜3及び実施例1〜4のサンプルは、触媒担体面上に直接に形成される下層に、共通のNOx吸着材(CeO)と、共通のNOx吸蔵材(Ba及びSr),触媒金属(Pt),担体酸化物(Al)からなるNOx吸蔵担持体と、所定のバインダとを含有し、他方、下層上に形成される上層にて、共通のNH吸着材(ゼオライト)と、所定のバインダとを含有している。
具体的に、比較例1は、下層及び上層のバインダとして、共に、酸性ジルコニア(ZrO)バインダを含有し、また、比較例2は、下層及び上層のバインダとして、それぞれ、塩基性ジルコニアバインダ及び酸性ジルコニアバインダを含有し、更に、比較例3は、下層及び上層のバインダとして、共に、塩基性ジルコニアバインダを含有するものである。これに対して、実施例1は、下層及び上層のバインダとして、それぞれ、塩基性ジルコニアバインダ及び希土類酸化物バインダである塩基性セリア(CeO)バインダを含有し、また、実施例2は、下層及び上層のバインダとして、共に、希土類酸化物バインダである塩基性セリアバインダを含有し、更に、実施例3は、下層及び上層のバインダとして、それぞれ、塩基性ジルコニアバインダ及び希土類酸化物バインダである塩基性イットリア(Y)バインダを含有し、また、更に、実施例4は、下層及び上層のバインダとして、共に、希土類酸化物バインダである塩基性イットリアバインダを含有するものである。
また、一方、比較例4,5及び実施例5,6のサンプルは、共通のNOx吸着材(CeO)と、共通のNOx吸蔵材(Ba及びSr),触媒金属(Pt),担体酸化物(Al)からなるNOx吸蔵担持体と、共通のNH吸着材(ゼオライト)と、所定のバインダとを含有している。
具体的に、比較例4は、酸性ジルコニアバインダを含有し、また、比較例5は、塩基性ジルコニアバインダを含有するものである。これに対して、実施例5は、希土類酸化物バインダである塩基性セリアバインダを含有し、また、実施例6は、希土類酸化物バインダである塩基性イットリアバインダを含有するものである。
なお、本実施形態では、塩基性ジルコニアバインダ,酸性ジルコニアバインダ,塩基性セリアバインダ,塩基性イットリアバインダとして、第一稀元素工業社製のバインダ材を採用し、特に、塩基性ジルコニアバインダとしては同社製のAC−7,また、塩基性セリアバインダとしては同社製のCESL00002,更に、酸性ジルコニアバインダとしては同社製のジルコゾールZNを採用した。
(サンプル調製)
次に、上層及び下層からなる2層構造の触媒層を備えたサンプルの調製手順について、図3を参照しながら説明する。なお、ここでは、実施例1のサンプルを例に取り上げるが、比較例1〜3及び実施例2〜4のサンプルも同様に調製される。
まず、貴金属溶液(Pt−Pソルト溶液),酢酸バリウム,酢酸ストロンチウム,アルミナ,水がそれぞれ所定量秤量され、容器内にて攪拌される(#11)。その後、100℃まで加熱され(#12)、この加熱が水分が蒸発するまで行われることで、粉末が得られる。
次に、得られた粉末が500℃,2時間の条件で焼成され(#13)、これにより、貴金属Pt及びNOx吸蔵材を担持したアルミナ粉末が得られる。続いて、上記で得られた貴金属及びNOx吸蔵材担持粉末が、NOx吸着材としてのセリア(CeO),塩基性ジルコニアバインダ,水がそれぞれ所定量秤量され、混合される(#14)。これにより、スラリーが得られる。
更に、得られたスラリーに、ハニカム担体が浸漬され(#15)、余分なスラリーがエアブローで吹き飛ばされ(#16)、その後、500℃,2時間の条件で焼成される(#17)。その結果、触媒層の下層を担持した触媒担持ハニカム担体が得られる。
また、ゼオライト,塩基性セリアバインダ,水がそれぞれ所定量秤量され、混合されて(#18)、スラリーが得られる。その後、ステップ#17で得られた触媒担持ハニカム担体が、ステップ#18で得られたスラリーに浸漬され(#19)、余分なスラリーがエアブローで吹き飛ばされ(#20)、更に、500℃,2時間の条件で焼成される(#21)。以上で、サンプルが得られる。
なお、比較例4,5及び実施例5,6のサンプルは、上記ステップ#14において、塩基性ジルコニアバインダの代わりに、塩基性セリアバインダ,塩基性イットリアバインダ等の希土類酸化物バインダを用い、更に、ゼオライトを加えて混合した後、ステップ#15〜#17と同様に、ハニカム担体の浸漬,エアブロー及び焼成を行うことにより得られる。
(サンプル評価実験)
前述したようにして得られた各サンプルにつき、大気中、800℃の条件下で24時間放置するエージング処理を施し、模擬排気ガスを流通させるモデルガス流通触媒評価装置にセットした状態で、NOx浄化性能を調べるNOx浄化性能評価実験を行った。
具体的には、触媒入口ガス温度を250℃で一定とし、図4に示すリーン及びリッチのガス組成を1分毎に繰り返すサイクルで、模擬排気ガスを空間速度30000/hで流通させた。このとき、リッチからリーンへの切り替え後、1分間のNOx低減量からリーンNOx浄化率を算出するとともに、リーンからリッチへの切り替え後、1分間のNOx低減量からリッチNOx浄化率を算出し、リーンNOx浄化率及びリッチNOx浄化率の平均値を求めた。
図5は、比較例1〜5及び実施例1〜6の各サンプルについて、前述したように求められたNOx浄化率をあらわすグラフである。このグラフから、単層及び2層からなる触媒層を備えたサンプルに共通して、希土類酸化物バインダを採用した実施例1〜6のサンプルでは、比較例1〜5に比べ、良好なLNT5のNOx浄化率が確保されることが分かる。
具体的に、2層構造の触媒層を備えたサンプルでは、少なくとも上層にCeOやY等の希土類酸化物バインダが含有されれば、スラリー調製時にバリウムやストロンチウム等のNOx吸蔵材成分の溶出が抑制され、上層に含有されるゼオライトにNOx吸蔵材成分が付着し難くなり、ゼオライトの結晶構造が確保されて、良好なLNT5のNOx浄化率が確保される。また、上層に含有される希土類酸化物バインダ材に吸着されたNOxは、NHに転化した直後に、近接するゼオライトにより吸着され易い。好ましくは、実施例2及び4のサンプルのように、上下層両方にCeOやY等の希土類酸化物バインダが含有されれば、スラリー調製時のNOx吸蔵材の溶出が更に効果的に抑制され、より良好なLNT5のNOx浄化率を実現することができる。加えて、希土類酸化物バインダ材自体にNOx吸着能があるため、触媒全体としてNOxのトラップ量を増加させることができる。
他方、単層構造の触媒層を備えたサンプルでは、ゼオライトに吸着したNHと反応させるNOxの拡散という点で2層構造の触媒層を備えた実施例1〜4のサンプルよりも若干不利であるが、ゼオライトの耐久性が増すとともに、NOx吸着材,NOx吸蔵材,ゼオライトが近接しているため、未浄化のままで排出され難い。
なお、比較例2,3及び5のサンプルのように、塩基性ジルコニアバインダを採用した場合にも、NOx吸蔵材の溶出を抑制する効果は得られるものの(例えば特開平11−138021号公報参照)、この場合には、原料として塩基性であっても焼成後のジルコニアとしては固体酸の性質を有するため、塩基性ゾルを原料とするセリウム(Ce)又はイットリウム(Y)の酸化物を含む希土類酸化物バインダを採用した場合に比べ、NOxの浄化性能が低下することとなる。
本発明は、例示された実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化用触媒を含むエンジンの排ガス通路に設けられた構成を模式的に示す説明図である。 (a)2層構造の触媒層を備えた各サンプルの構成をあらわす表である。 (b)単層構造の触媒層を備えた各サンプルの構成をあらわす表である。 2層構造の触媒層を備えたサンプルの調製の手順についてのフローチャートである。 サンプル評価実験時に交互に切り替えられるリーン及びリッチのガス組成をあらわす表である。 比較例1〜5及び実施例1〜6の各サンプルについて求められたNOx浄化率をあらわすグラフである。
符号の説明
1…エンジン,2…排ガス通路,5…LNT

Claims (7)

  1. リーン燃焼した排ガス中のNOxを浄化する排ガス浄化用触媒において、
    NOxをトラップするNOx吸着材及びNOx吸蔵材と、該NOx吸着材及びNOx吸蔵材によりトラップされたNOxが酸素不足雰囲気条件下で転化されてなるNHを吸着する所定の細孔径を備える固体酸化合物と、を触媒層内に含有し、
    上記触媒層に希土類酸化物バインダ材が含有されていることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 上記固体酸化合物は、アルミノシリケート化合物であることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 上記希土類酸化物バインダ材は、塩基性ゾルを原料とするセリウム(Ce)又はイットリウム(Y)の酸化物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 上記触媒層は複数層からなり、上層に上記固体酸化合物が含有され、該上層よりも触媒担体側の下層に上記NOx吸着材及びNOx吸蔵材が含有され、上記希土類酸化物バインダ材は少なくとも上層に含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 上記触媒層は単層であり、上記固体酸化合物と上記NOx吸着材及びNOx吸蔵材とが混合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の排ガス浄化用触媒。
  6. リーン燃焼した排ガス中のNOxを浄化する排ガス浄化用触媒の製造方法において、
    少なくともNOx吸蔵材,触媒金属,水の各所定量を混合した後、水を蒸発させ粉末を得るべく、所定温度まで加熱する加熱ステップと、
    上記加熱ステップで得られた粉末を焼成する焼成ステップと、
    少なくとも上記焼成ステップで得られた粉末,NOx吸着材,塩基性酸化物バインダ,水の各所定量を混合する第1の混合ステップと、
    上記第1の混合ステップで得られた混合物を触媒担体上にコーティングして、下層を形成する下層形成ステップと、
    上記NOx吸蔵材及びNOx吸着材によりトラップされたNOxが酸素不足雰囲気条件下で転化されてなるNHを吸着する所定の細孔径を備える固体酸化合物,希土類酸化物バインダ,水の各所定量を混合する第2の混合ステップと、
    上記第2の混合ステップで得られた混合物を上記下層形成ステップにより得られた触媒担体上にコーティングして、上層を形成する上層形成ステップと、
    上記上層形成ステップで得られた触媒担体を焼成する焼成ステップと、を有していることを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
  7. リーン燃焼した排ガス中のNOxを浄化する排ガス浄化用触媒の製造方法において、
    少なくともNOx吸蔵材,触媒金属,水の各所定量を混合した後、水を蒸発させ粉末を得るべく、所定温度まで加熱する加熱ステップと、
    上記加熱ステップで得られた粉末を焼成する焼成ステップと、
    少なくとも上記焼成ステップで得られた粉末,上記NOx吸蔵材及びNOx吸着材によりトラップされたNOxが酸素不足雰囲気条件下で転化されてなるNHを吸着する所定の細孔径を備える固体酸化合物,NOx吸着材,希土類酸化物バインダ,水の各所定量を混合する混合ステップと、
    上記混合ステップで得られた混合物を触媒担体上にコーティングして、触媒層を形成する触媒層形成ステップと、
    上記触媒層形成ステップで得られた触媒担体を焼成するステップと、を有していることを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
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