JP2009167072A - ペルオクソ硫酸水溶液の製造装置、ペルオクソ硫酸水溶液の製造方法、洗浄システムおよび洗浄方法 - Google Patents

ペルオクソ硫酸水溶液の製造装置、ペルオクソ硫酸水溶液の製造方法、洗浄システムおよび洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ペルオクソ硫酸の自己分解を抑制し、少量の薬品で高濃度のペルオクソ硫酸をオンタイムで供給することができるペルオクソ硫酸水溶液の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】ペルオクソ硫酸塩水溶液のペルオクソ硫酸塩の濃度を1μmol/L〜1mol/Lの範囲に調整し、濃度を調整した濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液から陽イオン交換樹脂にて陽イオンを除去することにより、ペルオクソ硫酸水溶液を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンウエハなどに付着したレジストや汚染物などの剥離効果が高いペルオクソ硫酸水溶液の製造装置およびペルオクソ硫酸水溶液の製造方法に関する。また、本発明は、そのペルオクソ硫酸水溶液を洗浄液として使用する洗浄システムおよび洗浄方法に関する。
超LSI製造工程などにおけるウエハ洗浄技術は、レジスト残渣、微粒子、金属および自然酸化膜などを剥離洗浄するプロセスであり、濃硫酸と過酸化水素の混合溶液(SPM)あるいは、濃硫酸にオゾンガスを吹き込んだ溶液(SOM)などが多用されている。高濃度の硫酸に過酸化水素やオゾンを加えると、硫酸が酸化されてペルオクソ硫酸が生成される。ペルオクソ硫酸は自己分解する際に強い酸化力を発するため洗浄能力が高く、上記ウエハなどの洗浄に役立つことが知られている。また、ペルオクソ硫酸を生成する方法として、上記方法の他に、硫酸イオンを含む水溶液を電解槽で電解してペルオクソ硫酸溶解水を得て洗浄に供する方法も知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
ところで、SPMでは、過酸化水素により発生するペルオクソ硫酸が自己分解して酸化力が低下すると分解した分を補うため過酸化水素水の補給を繰り返すことが必要である。そして硫酸濃度がある濃度を下回ると新しい高濃度硫酸と交換する。しかし、この方法では、過酸化水素水中の水によりペルオクソ硫酸水溶液が希釈されるため、液組成を一定に維持することが難しく、さらには所定時間もしくは処理バッチ数毎に液を廃棄して、更新することが必要である。このため洗浄効果が一定しない他、多量の薬品を保管しなければならないという問題がある。
一方、SOMでは液が希釈されることがなく、一般的にSPMより液更新サイクルを長くできるものの、洗浄効果においてはSPMより劣る。
また、SPMでは、一回洗浄槽を満たした高濃度硫酸と数回の過酸化水素水添加により発生できるペルオクソ硫酸量は少なく、限度がある。また、SOMではオゾン吹き込み量に対するペルオクソ硫酸の発生効率が非常に低い。したがって、これらの方法では、生成するペルオクソ硫酸の濃度に限界があり、洗浄効果にも限界があるという問題もある。
薬品使用量低減とペルオクソ硫酸濃度を高める方法として提示されている電解槽で電解してペルオクソ硫酸水溶液を循環するシステム(例えば、特許文献3)では、目的とした濃度に高めるために時間遅れがあるので、オンタイムで高濃度のペルオクソ硫酸を供給することができない。また、低pHや高温条件でペルオクソ硫酸水溶液を循環すると、ペルオクソ硫酸の自己分解が促進されるため、ペルオクソ硫酸の供給効率が高くない。
特開2001−192874号公報 特表2003−511555号公報 特開2006−228899号公報
本発明は、ペルオクソ硫酸の自己分解を抑制し、少量の薬品で高濃度のペルオクソ硫酸をオンタイムで供給することができるペルオクソ硫酸水溶液の製造装置、ペルオクソ硫酸水溶液の製造方法、ならびにそのペルオクソ硫酸水溶液を用いた洗浄システムおよび洗浄方法である。
本発明は、ペルオクソ硫酸塩水溶液のペルオクソ硫酸塩の濃度を1μmol/L〜1mol/Lの範囲に調整する濃度調整手段と、前記濃度を調整した濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液から陽イオン交換樹脂にて陽イオンを除去してペルオクソ硫酸水溶液とする陽イオン除去手段と、を備えるペルオクソ硫酸水溶液の製造装置である。
また、前記ペルオクソ硫酸水溶液の製造装置において、前記ペルオクソ硫酸塩が、ペルオクソ硫酸ナトリウム、ペルオクソ硫酸カリウムおよびペルオクソ硫酸アンモニウムのうち少なくとも1つであることが好ましい。
また、前記ペルオクソ硫酸水溶液の製造装置において、前記濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液のpHを測定するpH測定手段と、pH調整液を前記濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液に供給するpH調整液供給手段と、を有し、前記ペルオクソ硫酸塩水溶液のpHが5〜9の範囲に制御されることが好ましい。
また、前記ペルオクソ硫酸水溶液の製造装置において、前記濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液の温度を調整する温度調整手段を有し、前記濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液の温度が1〜50℃の範囲に制御されることが好ましい。
また、前記ペルオクソ硫酸水溶液の製造装置において、前記陽イオン除去手段の後段に陽イオン量を測定する陽イオン測定手段を有することが好ましい。
また、本発明は、ペルオクソ硫酸塩水溶液のペルオクソ硫酸塩の濃度を1μmol/L〜1mol/Lの範囲に調整する濃度調整工程と、前記濃度を調整した濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液から陽イオン交換樹脂にて陽イオンを除去してペルオクソ硫酸水溶液とする陽イオン除去工程と、を含むペルオクソ硫酸水溶液の製造方法である。
また、本発明は、ペルオクソ硫酸塩水溶液のペルオクソ硫酸塩の濃度を1μmol/L〜1mol/Lの範囲に調整する濃度調整手段と、前記濃度を調整した濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液から陽イオン交換樹脂にて陽イオンを除去してペルオクソ硫酸水溶液とする陽イオン除去手段と、前記ペルオクソ硫酸水溶液を40℃〜沸点の範囲に加熱する加熱手段と、前記加熱したペルオクソ硫酸水溶液を洗浄液として被洗浄材を洗浄する洗浄手段と、を備える洗浄システムである。
また、前記洗浄システムにおいて、前記被洗浄材が、半導体基板であることが好ましい。
また、本発明は、ペルオクソ硫酸塩水溶液のペルオクソ硫酸塩の濃度を1μmol/L〜1mol/Lの範囲に調整する濃度調整工程と、前記濃度を調整した濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液から陽イオン交換樹脂にて陽イオンを除去してペルオクソ硫酸水溶液とする陽イオン除去工程と、前記ペルオクソ硫酸水溶液を40℃〜沸点の範囲に加熱する加熱工程と、前記加熱したペルオクソ硫酸水溶液を洗浄液として被洗浄材を洗浄する洗浄工程と、を含む洗浄方法である。
本発明では、ペルオクソ硫酸塩水溶液のペルオクソ硫酸塩の濃度を1μmol/L〜1mol/Lの範囲に調整し、濃度を調整した濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液から陽イオン交換樹脂にて陽イオンを除去することにより、ペルオクソ硫酸の自己分解を抑制し、少量の薬品で高濃度のペルオクソ硫酸をオンタイムで供給することが可能なペルオクソ硫酸水溶液の製造装置、その製造方法、そのペルオクソ硫酸水溶液を洗浄液として使用する洗浄システムおよび洗浄方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「ペルオクソ硫酸」とは「ペルオクソ一硫酸(HSO)」および「ペルオクソ二硫酸(H)」のうち少なくとも1つを示す。
本発明の実施形態に係るペルオクソ硫酸水溶液の製造装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。ペルオクソ硫酸水溶液の製造装置1は、濃度調整手段である濃度調整槽10と、陽イオン除去手段である陽イオン除去装置30とを備える。
図1のペルオクソ硫酸水溶液の製造装置1において、濃度調整槽10の出口は、配管などによりポンプ20を介して、陽イオン除去装置30の入口に接続されている。濃度調整槽10には、pH調整液貯槽70の出口がpH調整液供給手段であるpH調整ポンプ80を介して接続され、pH測定手段であるpHメータ11が設置されている。また、濃度調整槽10には、温度調整手段である冷却装置12および混合手段である撹拌機13が設置されている。pHメータ11とpH調整ポンプ80とは電気的等に接続されている。陽イオン除去装置30の出口には、配管などが接続され、配管には陽イオン測定手段である陽イオン測定計40が設置されている。
本実施形態に係るペルオクソ硫酸水溶液の製造方法およびペルオクソ硫酸水溶液の製造装置1の動作について説明する。
濃度調整槽10では、ペルオクソ硫酸塩を水により希釈し、あるいはペルオクソ硫酸塩水溶液を水により希釈し、ペルオクソ硫酸塩の濃度が1μmol/L〜1mol/Lの範囲である濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液を調製する(濃度調整工程)。ペルオクソ硫酸塩の濃度が1μmol/L未満であると、得られるペルオクソ硫酸水溶液を洗浄液として使用する場合に洗浄効果が十分に得られず、1mol/Lを超えると、後段の陽イオン除去装置30において陽イオンを十分に除去できない。
ペルオクソ硫酸塩としては、ペルオクソ硫酸の塩であればよく特に制限はないが、ペルオクソ硫酸ナトリウム、ペルオクソ硫酸カリウムおよびペルオクソ硫酸アンモニウムなどを用いることができる。これらのうち、得られるペルオクソ硫酸水溶液を半導体基板などの洗浄液として用いる場合は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属が微量でも残存すると悪影響を及ぼす可能性があるため、アンモニウム塩であるペルオクソ硫酸アンモニウムを用いることが好ましい。
希釈に用いる水は、導電率(25℃)で0.05482(水の理論値)〜10μS/cmの範囲が好ましく、0.05482〜1μS/cmの範囲がより好ましく、0.05482〜0.1μS/cmの範囲がさらに好ましい。希釈に用いる水の導電率が、10μS/cmを超えると、洗浄対象を汚染する場合がある。
濃度調整としては、濃度調整槽10においてペルオクソ硫酸塩を水に溶解する場合に限らず、図2に示すように、硫酸を電解させる電解手段である電解装置90により生成させるペルオクソ硫酸を中和することで得られるペルオクソ硫酸塩水溶液を濃度調整槽10において所定の濃度に濃度調整してもよいし、ペルオクソ硫酸水溶液を使用する洗浄装置などからの排出液を電解装置90によりリサイクルして生成させるペルオクソ硫酸を中和することで得られるペルオクソ硫酸塩水溶液を濃度調整槽10において所定の濃度に濃度調整してもよい。電解装置90としては、公知のものを使用することができる。
ペルオクソ硫酸塩は自己分解により硫酸を生じ、徐々にpHが低下する。このpH低下はペルオクソ硫酸塩のさらなる分解を促進する。さらに、後段の陽イオン除去装置30における陽イオン交換樹脂の吸着性能が低下する。よって、pH調整液貯槽70からアルカリ水溶液などのpH調整液をpH調整ポンプ80により、濃度調整槽10に供給し、濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液のpHを5〜9の範囲、好ましくは6〜8の範囲、より好ましくは7〜8の範囲になるように調整することが好ましい(pH調整工程)。濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液のpHが5未満であるとペルオクソ硫酸塩の自己分解が起こりやすくなり、また後段の陽イオン交換樹脂が分解しやすくなる。pHが9を超えるとアルカリ水溶液などのpH調整液を過剰に添加することになり、コスト高となる場合がある。
濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液のpHは、pHメータ11により測定する。pHメータ11により測定されたpHの値に基づいて、図示しない制御装置によりpH調整ポンプ80を制御してもよい。
pH調整液としては、水酸化ナトリウムなどのナトリウム水溶液、水酸化カリウムなどのカリウム水溶液もしくはアンモニウム水などのアルカリ水溶液などを用いることができる。これらのうち、得られるペルオクソ硫酸水溶液を半導体基板などの洗浄液として用いる場合は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属が微量でも残存すると悪影響を及ぼす可能性があるため、アンモニウム水を用いることが好ましい。
必要に応じて、冷却装置12で濃度調整槽10を冷却し、濃度調整槽10内の濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液の温度を好ましくは1〜50℃、より好ましくは1〜20℃に調整する(温度調整工程)。この範囲に調整することにより、ペルオクソ硫酸塩の自己分解を抑制することができる。濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液の温度が1℃未満であると冷却に要するコストがかさむ場合があり、50℃を超えるとペルオクソ硫酸塩の自己分解が起こりやすくなる。特に、電解装置90により生成させるペルオクソ硫酸を中和することで得られるペルオクソ硫酸塩水溶液を用いる場合には、液の温度が高温である場合が多いので、冷却装置12で冷却することが好ましい。
冷却装置12としては、チラーなどを用いることができる。場合によっては、温度調整手段として冷却装置12の代わりにヒータなどの加熱装置などを用いて、濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液を加熱してもよい。
濃度調整槽10から濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液をポンプ20によって、陽イオン交換樹脂が充填された陽イオン除去装置30に送液する。陽イオン除去装置30では濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液に含まれる陽イオンが除去され(陽イオン除去工程)、出口においてペルオクソ硫酸イオンとなり、ペルオクソ硫酸イオンを含むペルオクソ硫酸水溶液が得られる。
陽イオン交換樹脂としては、例えば「Amberlite IR−124」、「Amberlite IR−120B」、「Amberlite 200CT」(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの強酸性陽イオン交換樹脂、「Amberlite IRC−50」、「Amberlite IRC−76」(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの弱酸性陽イオン交換樹脂などを用いることができるが、使用できるpH範囲が広い点などから強酸性陽イオン交換樹脂が好ましい。
陽イオン除去装置30における陽イオン交換樹脂の充填量は、例えば、ペルオクソ硫酸塩1kg/hrあたりに対して、10L〜100000Lの範囲とすればよい。陽イオン交換樹脂の充填量を多くすると、陽イオン交換樹脂の交換頻度を低くすることができる。陽イオン交換樹脂の充填量がペルオクソ硫酸塩1kg/hrあたりに対して10L未満であると、陽イオン交換樹脂の交換頻度が高くなる場合があり、100000Lを超えると設置面積が大きくなる場合がある。
ペルオクソ硫酸水溶液において、陽イオンが除かれたか否かは陽イオン測定計40により確認することができる。陽イオン測定計40としては、pH計、イオンメータなどを用いることができる。陽イオン除去装置30における陽イオン交換樹脂が破過した場合には、陽イオン測定計40による陽イオンの測定値が上昇して、陽イオン交換樹脂の交換時期を知ることができる。陽イオン測定計40による測定値が所定の基準値を超えた場合は、陽イオン交換樹脂を交換すればよい。また、陽イオン測定計40による測定値が所定の基準値を超えた場合に、警報を鳴らす、警告表示を出すなどができるような構成にしてもよい。
このようにして、ペルオクソ硫酸の自己分解を抑制し、少量の薬品で高濃度のペルオクソ硫酸をオンタイムで供給することができる。本実施形態によれば、ペルオクソ硫酸を安定なペルオクソ硫酸塩水溶液として調整し、陽イオン除去装置に通水するのみでペルオクソ硫酸を得ることができる。よって、高濃度のペルオクソ硫酸をオンタイムに供給することができる。また、SPMのように過酸化水素や硫酸を使用しないため、薬品使用量の低減にも寄与する。
次に、本発明の実施形態に係る洗浄システムの一例の概略を図3に示し、その構成について説明する。洗浄システム3は、濃度調整手段である濃度調整槽10と、陽イオン除去手段である陽イオン除去装置30と、加熱手段である加熱装置50と、洗浄手段である洗浄装置60とを備える。
図3の洗浄システム3において、濃度調整槽10の出口は、配管などによりポンプ20を介して、陽イオン除去装置30の入口に接続されている。濃度調整槽10には、pH調整液貯槽70がpH調整液供給手段であるpH調整ポンプ80を介して接続され、pH測定手段であるpHメータ11が設置されている。また、濃度調整槽10には、温度調整手段である冷却装置12および混合手段である撹拌機13が設置されている。pHメータ11とpH調整ポンプ80とは電気的等に接続されている。陽イオン除去装置30の出口は、配管などにより加熱装置50の入口に接続され、加熱装置50の出口は配管などにより洗浄装置60の入口に接続されている。陽イオン除去装置30の出口と加熱装置50の入口とを接続する配管には陽イオン測定手段である陽イオン測定計40が設置されている。洗浄装置60には、洗浄液を加熱する洗浄液加熱手段である加熱装置61が設置されている。
濃度調整槽10では、ペルオクソ硫酸塩を水により希釈し、ペルオクソ硫酸塩の濃度が1μmol/L〜1mol/Lの範囲である濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液が調製される(濃度調整工程)。
濃度調整槽10から濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液をポンプ20によって、陽イオン交換樹脂が充填された陽イオン除去装置30に送液する。陽イオン除去装置30では濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液に含まれる陽イオンが除去され(陽イオン除去工程)、出口においてペルオクソ硫酸イオンとなり、ペルオクソ硫酸イオンを含むペルオクソ硫酸水溶液が得られる。
得られたペルオクソ硫酸水溶液を加熱装置50に送液し、ペルオクソ硫酸水溶液を加熱装置50にて40℃〜沸点の範囲に加熱する(加熱工程)。ペルオクソ硫酸水溶液を高温にすることにより、後段の洗浄装置60における洗浄効果が高まる。ペルオクソ硫酸水溶液の温度が40℃未満であると洗浄効果が低減する場合がある。
加熱装置50としては、マイクロ波、誘導加熱などの方式のものを用いることができる。
加熱したペルオクソ硫酸水溶液を洗浄装置60に供給し、ペルオクソ硫酸水溶液を洗浄液として被洗浄材を洗浄する(洗浄工程)。洗浄装置60において、加熱装置61により洗浄液を所定の温度に加熱する。ここでの加熱温度は、例えば、90℃〜200℃の範囲である。
洗浄装置60における洗浄方法としては、特に制限はないが、例えば、枚葉式洗浄、バッチ式洗浄などが挙げられる。
加熱装置61としては、電気ヒータなどを用いることができる。
濃度調整としては、濃度調整槽10においてペルオクソ硫酸塩を水に溶解する場合に限らず、図4に示すように、硫酸を電解させる電解手段である電解装置90により生成させるペルオクソ硫酸を中和することで得られるペルオクソ硫酸塩水溶液を濃度調整槽10において所定の濃度に濃度調整してもよいし、図5に示すように、洗浄装置60からの排出液を電解装置90によりリサイクルして得られるペルオクソ硫酸を中和することで得られるペルオクソ硫酸塩水溶液を濃度調整槽10において所定の濃度に濃度調整してもよい。
また、図6に示すように、陽イオン測定手段である陽イオン測定計40と加熱手段である加熱装置50との間において、添加剤を添加することもできる。この添加剤としては、例えば硫酸、過酸化水素、オゾンなどが挙げられる。硫酸、過酸化水素、オゾンを添加することにより、ペルオクソ硫酸水溶液の洗浄効果が向上する。また、硫酸を添加すると、沸点が上昇し、希釈熱によりペルオクソ硫酸水溶液の温度が上昇するため、加熱を急速に、より高温にまで行うことができる。
なお、ペルオクソ硫酸水溶液の製造装置1および洗浄システム3における接液部の材質は、耐薬品性に優れるフッ素高分子材料(パーフロロエストラマ、ポリテトラフロロエチレン、テトラフロロエチレン、エストラマなど)や石英ガラスなどが好ましい。
このようにして、ペルオクソ硫酸の自己分解を抑制し、少量の薬品で高濃度のペルオクソ硫酸をオンタイムで洗浄装置に供給することができる。本実施形態によれば、ペルオクソ硫酸を安定なペルオクソ硫酸塩水溶液として調整し、陽イオン除去装置に通水するのみでペルオクソ硫酸を得ることができる。よって、高濃度のペルオクソ硫酸をオンタイムに洗浄装置に供給することができ、洗浄のスループット向上に寄与する。また、SPMのように過酸化水素や硫酸を使用しないため、薬品使用量の低減にも寄与する。
本実施形態に係る洗浄システムおよび洗浄方法によれば、種々の被洗浄材を対象にして洗浄処理を行うことができるが、シリコンウエハ、液晶用ガラス基板、フォトマスク基板などの電子材料基板を対象にして洗浄処理をする用途に好適である。さらに具体的には、半導体基板上に付着したレジスト残渣などの有機化合物の剥離プロセスに利用することができる。また、半導体基板上に付着した微粒子、金属などの異物除去プロセスに利用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示す洗浄システム3を用いて、以下の条件でレジストが付着した半導体基板の洗浄処理を行った。濃度調整槽10にはペルオクソ二硫酸アンモニウム1kgに対し、導電率0.1μS/cmの超純水を400Lの割合で調整したペルオクソ硫酸アンモニウム水溶液(ペルオクソ二硫酸アンモニウムの濃度:0.01mol/L)を収容した。この濃度調整ペルオクソ硫酸アンモニウム水溶液を冷却装置12により冷却して液温を10℃に調整し、アンモニウム水を用いてpHを7±0.5に調整した。この濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液を、PTFE製のポンプ20を用いて陽イオン交換樹脂を充填した陽イオン除去装置30に60L/hrの流量で供給した。陽イオン除去装置30は、陽イオン交換樹脂(強酸性陽イオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製、Amberlite IR−124)をPTFE製のカラムに500L充填したものである。この陽イオン除去装置30の後流には陽イオン測定計40としてpH計を設置した。本実施例では連続運転を30日続けた時点でpHの上昇が認められたため、陽イオン交換樹脂を交換した。陽イオン除去装置30によりアンモニウムイオンを除去することで得たペルオクソ硫酸水溶液を、加熱装置50により90℃に加熱した。この加熱したペルオクソ硫酸水溶液を洗浄液として洗浄装置60に供与し、レジストが付着した半導体基板を浸漬洗浄した。浸漬中の温度は、加熱装置61により90℃に保った。浸漬直後はペルオクソ硫酸水溶液によりレジストが剥離し茶褐色に着色するが、約10分で着色は無くなり、無色透明となり、ペルオクソ硫酸によるレジスト除去と酸化分解を確認した。
(実施例2,3、比較例1)
図1に示すペルオクソ硫酸水溶液の製造装置を用いて、ペルオクソ硫酸塩としてペルオクソ二硫酸ナトリウムを用い、ペルオクソ二硫酸ナトリウムの濃度を0.1mol/L(実施例2),1mol/L(実施例3),10mol/L(比較例1)とした以外は実施例1と同様にして、ペルオクソ硫酸水溶液を得た。陽イオン除去装置30の後流には陽イオン測定計40としてイオンメータ(検出限界:>50ppt)を設置して、ナトリウムイオンの検知を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009167072
このように、ペルオクソ二硫酸ナトリウムの濃度を10mol/Lとした比較例1では、陽イオン除去装置の出口のペルオクソ硫酸水溶液からナトリウムイオンが検知され、陽イオン除去装置において陽イオンを十分に除去できなかった。
(実施例4,5)
図1に示すペルオクソ硫酸水溶液の製造装置を用いて、ペルオクソ硫酸塩としてペルオクソ二硫酸ナトリウムを用い、濃度調整ペルオクソ硫酸ナトリウム水溶液の液温を30℃に調整し、pHを、水酸化ナトリウム水溶液を用いて7〜7.5に調整した(実施例4)、pH調整を行わなかった(実施例5)以外は実施例1と同様にして、濃度調整ペルオクソ硫酸ナトリウム水溶液を得た。実施例5ではpH調整を行わなかったため、自己分解により濃度調整ペルオクソ硫酸ナトリウム水溶液のpHは徐々に低下した。20日後のペルオクソ硫酸ナトリウムの分解率を酸化還元滴定法により測定した。結果を表2に示す。
Figure 2009167072
このように、pHを7に制御した場合は、制御しない場合に比べてペルオクソ硫酸ナトリウムの分解率(%)が低いことがわかる。すなわち、濃度調整ペルオクソ硫酸ナトリウム水溶液のpHを7に調整することにより、ペルオクソ硫酸ナトリウムの自己分解を抑制することができた。
(実施例6,7)
図1に示すペルオクソ硫酸水溶液の製造装置を用いて、ペルオクソ硫酸塩としてペルオクソ二硫酸ナトリウムを用い、濃度調整ペルオクソ硫酸ナトリウム水溶液の液温を20℃(実施例6)、40℃(実施例7)に調整し、pH調整を行わなかった以外は実施例1と同様にして、濃度調整ペルオクソ硫酸ナトリウム水溶液を得た。2日後のペルオクソ硫酸ナトリウムの分解率を実施例4と同様にして測定した。結果を表3に示す。
Figure 2009167072
このように、ペルオクソ硫酸ナトリウム水溶液の温度が低くなると、特に20℃以下になると、ペルオクソ硫酸ナトリウムの分解率(%)が低いことがわかる。すなわち、濃度調整ペルオクソ硫酸ナトリウム水溶液の温度を20℃に調整することにより、ペルオクソ硫酸ナトリウムの自己分解を抑制することができた。
本発明の実施形態に係るペルオクソ硫酸水溶液の製造装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るペルオクソ硫酸水溶液の製造装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る洗浄システムの一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る洗浄システムの他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る洗浄システムの他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る洗浄システムの他の例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 ペルオクソ硫酸水溶液の製造装置、3 洗浄システム、10 濃度調整槽、11 pHメータ、12 冷却装置、13 撹拌機、20 ポンプ、30 陽イオン除去装置、40 陽イオン測定計、50,61 加熱装置、60 洗浄装置、70 pH調整液貯槽、80 pH調整ポンプ、90 電解装置。

Claims (9)

  1. ペルオクソ硫酸塩水溶液のペルオクソ硫酸塩の濃度を1μmol/L〜1mol/Lの範囲に調整する濃度調整手段と、
    前記濃度を調整した濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液から陽イオン交換樹脂にて陽イオンを除去してペルオクソ硫酸水溶液とする陽イオン除去手段と、
    を備えることを特徴とするペルオクソ硫酸水溶液の製造装置。
  2. 請求項1に記載のペルオクソ硫酸水溶液の製造装置であって、
    前記ペルオクソ硫酸塩が、ペルオクソ硫酸ナトリウム、ペルオクソ硫酸カリウムおよびペルオクソ硫酸アンモニウムのうち少なくとも1つであることを特徴とするペルオクソ硫酸水溶液の製造装置。
  3. 請求項1または2に記載のペルオクソ硫酸水溶液の製造装置であって、
    前記濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液のpHを測定するpH測定手段と、
    pH調整液を前記濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液に供給するpH調整液供給手段と、
    を有し、前記濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液のpHが5〜9の範囲に制御されることを特徴とするペルオクソ硫酸水溶液の製造装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のペルオクソ硫酸水溶液の製造装置であって、
    前記濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液の温度を調整する温度調整手段を有し、前記濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液の温度が1〜50℃の範囲に制御されることを特徴とするペルオクソ硫酸水溶液の製造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のペルオクソ硫酸水溶液の製造装置であって、
    前記陽イオン除去手段の後段に陽イオン量を測定する陽イオン測定手段を有することを特徴とするペルオクソ硫酸水溶液の製造装置。
  6. ペルオクソ硫酸塩水溶液のペルオクソ硫酸塩の濃度を1μmol/L〜1mol/Lの範囲に調整する濃度調整工程と、
    前記濃度を調整した濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液から陽イオン交換樹脂にて陽イオンを除去してペルオクソ硫酸水溶液とする陽イオン除去工程と、
    を含むことを特徴とするペルオクソ硫酸水溶液の製造方法。
  7. ペルオクソ硫酸塩水溶液のペルオクソ硫酸塩の濃度を1μmol/L〜1mol/Lの範囲に調整する濃度調整手段と、
    前記濃度を調整した濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液から陽イオン交換樹脂にて陽イオンを除去してペルオクソ硫酸水溶液とする陽イオン除去手段と、
    前記ペルオクソ硫酸水溶液を40℃〜沸点の範囲に加熱する加熱手段と、
    前記加熱したペルオクソ硫酸水溶液を洗浄液として被洗浄材を洗浄する洗浄手段と、
    を備えることを特徴とする洗浄システム。
  8. 請求項7に記載の洗浄システムであって、
    前記被洗浄材が、半導体基板であることを特徴とする洗浄システム。
  9. ペルオクソ硫酸塩水溶液のペルオクソ硫酸塩の濃度を1μmol/L〜1mol/Lの範囲に調整する濃度調整工程と、
    前記濃度を調整した濃度調整ペルオクソ硫酸塩水溶液から陽イオン交換樹脂にて陽イオンを除去してペルオクソ硫酸水溶液とする陽イオン除去工程と、
    前記ペルオクソ硫酸水溶液を40℃〜沸点の範囲に加熱する加熱工程と、
    前記加熱したペルオクソ硫酸水溶液を洗浄液として被洗浄材を洗浄する洗浄工程と、
    を含むことを特徴とする洗浄方法。
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