JP2009166367A - 液体吐出装置、及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッド側で発生する熱を低減させる。
【解決手段】所定波形を示す波形信号を生成する波形生成部と、波形信号を電流増幅することで駆動信号を生成する電流増幅部と、駆動信号に基づいて液体を吐出するヘッドと、ケーブルを介してヘッドを制御する本体基板と、を備え、電流増幅部がヘッド側に設けられた液体吐出装置であって、デジタルデータに基づいて、駆動信号に応じて変化する波形電圧を生成する波形電圧生成部を本体基板側に備え、ケーブルを介して本体基板からヘッドへ波形電圧を伝送し、電流増幅部は、波形電圧を用いて波形信号を電流増幅して駆動信号を生成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体吐出装置、及び液体吐出方法に関する。
媒体(紙、布、OHP用紙など)に液体(例えばインク)を吐出する液体吐出装置(例えばプリンタ)がある。このような液体吐出装置では、ヘッドに備えられた素子(例えばピエゾ素子)に駆動信号が印加されることに応じて液体が吐出される。この駆動信号を生成する駆動信号生成部は、駆動信号の波形を生成する波形生成部と、電源電圧を用いて波形生成部の出力を素子に見合った電流に電流増幅する電流増幅部とを有しており、通常、装置本体の基板側(以下、本体基板側ともいう)に設けられている。そして、駆動信号生成部で生成した駆動信号を、フレキシブルケーブルを経由してヘッド側に伝送している。しかし、この場合、駆動信号がフレキシブルケーブルを経由するため、フレキシブルケーブルのインダクタンスなどによって駆動信号が劣化する(例えば波形が歪む)ことがある。そこで、駆動信号生成部を本体基板側ではなくヘッド側に設けたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。ヘッド側に駆動信号生成部を設けることによって、駆動信号がフレキシブルケーブルを経由しないので、駆動信号を劣化させることなく素子に印加することができる。
特開2000−343690号公報
しかし、このような液体吐出装置では、ヘッド側において電流を増幅する際に発生する発熱量が大きくなるという問題があった。ヘッドにフィンなどの放熱部材を設けると、ヘッドの温度の上昇を抑えることが可能となるが、ヘッドの小型化が困難になる。
そこで、本発明は駆動信号を生成する際にヘッド側で発生する熱を低減させることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、所定波形を示す波形信号を生成する波形生成部と、前記波形信号を電流増幅することで駆動信号を生成する電流増幅部と、前記駆動信号に基づいて液体を吐出するヘッドと、ケーブルを介して前記ヘッドを制御する本体基板と、を備え、前記電流増幅部がヘッド側に設けられた液体吐出装置であって、デジタルデータに基づいて、前記駆動信号に応じて変化する波形電圧を生成する波形電圧生成部を本体基板側に備え、前記ケーブルを介して前記本体基板から前記ヘッドへ前記波形電圧を伝送し、前記電流増幅部は、前記波形電圧を用いて前記波形信号を電流増幅して前記駆動信号を生成することを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
すなわち、所定波形を示す波形信号を生成する波形生成部と、前記波形信号を電流増幅することで駆動信号を生成する電流増幅部と、前記駆動信号に基づいて液体を吐出するヘッドと、ケーブルを介して前記ヘッドを制御する本体基板と、を備え、前記電流増幅部がヘッド側に設けられた液体吐出装置であって、デジタルデータに基づいて、前記駆動信号に応じて変化する波形電圧を生成する波形電圧生成部を本体基板側に備え、前記ケーブルを介して前記本体基板から前記ヘッドへ前記波形電圧を伝送し、前記電流増幅部は、前記波形電圧を用いて前記波形信号を電流増幅して前記駆動信号を生成することを特徴とする液体吐出装置が明らかとなる。
このような液体吐出装置によれば、ヘッド側で発生する熱を低減させることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記波形電圧生成部は、前記デジタルデータをアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換部と、前記アナログ信号の電圧を増幅する電圧増幅部と、前記電圧増幅部の出力を増幅することで、前記波形電圧を生成する波形電圧用電流増幅部とを有することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、デジタルデータに基づいて所望の波形形状の波形電圧を生成することができる。
かかる液体吐出装置は、前記ヘッドが、前記駆動信号に応じて前記液体を吐出させる動作を行う素子を複数有している場合でも、駆動する素子の数に関わらず、安定した波形電圧を供給することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記波形電圧生成部は、前記駆動信号の電圧が上昇しているときに、当該駆動信号の電圧よりも高い第1波形電圧と、前記駆動信号の電圧が下降しているときに、当該駆動信号の電圧よりも低い第2波形電圧と、の少なくとも一方を生成し、前記電流増幅部は、前記第1波形電圧あるいは前記第2波形電圧を用いて、前記波形信号を電流増幅することにより前記駆動信号を生成してもよい。
このような液体吐出装置によれば、ヘッド側において電流増幅時に発生する熱を確実に低減させることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記波形電圧生成部は、前記駆動信号に応じて変化するとともに、前記駆動信号の電圧が上昇しているときには当該駆動信号の電圧よりも高く、前記駆動信号の電圧が下降しているときには当該駆動信号の電圧よりも低い波形電圧を生成し、前記電流増幅部は、当該波形電圧を用いて前記波形信号を電流増幅することにより前記駆動信号を生成してもよい。
このような液体吐出装置によれば、本体基板側の構成を簡素にすることができる。また、ケーブルの総数を少なくすることができる。
また、液体を吐出するヘッドと、ケーブルを介して前記ヘッドを制御する本体基板とを備えた液体吐出装置による液体吐出方法であって、デジタルデータに基づいて、駆動信号に応じて変化する波形電圧を本体基板側で生成するステップと、前記ケーブルを介して前記本体基板から前記ヘッドへ前記波形電圧を伝送するステップと、所定波形を示す波形信号を生成するステップと、ヘッド側で、前記波形電圧を用いて前記波形信号を電流増幅して前記駆動信号を生成するステップと、前記駆動信号に基づいて前記ヘッドから前記液体を吐出するステップと、を有することを特徴とする液体吐出方法が明らかとなる。
以下、本発明の実施形態を液体吐出装置の一つであるプリンタを用いて説明する。
===第1実施形態のプリンタの構成について===
図1は、第1実施形態のプリンタの全体構成を説明するブロック図である。また、図2Aは、プリンタの全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタの全体構成の横断面図である。以下、第1実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及び本体基板60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、本体基板60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。本体基板60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙Sに画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果を本体基板60に出力する。本体基板60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば紙Sなど)を所定方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニットは、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙Sをプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、紙Sをプリンタの外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモータ32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙Sにインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41と駆動信号生成部42を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、紙Sの有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙Sの端部の位置を検出し、紙Sの幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙Sの先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
本体基板60は、プリンタ1の各ユニットの制御を行うための制御部(コントローラ)である。なお、本体基板60は、フレキシブルケーブル70を介してヘッドユニット40(ヘッド41)を制御している。
<本体基板の構成について>
本体基板60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64と、波形電圧生成部65とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110と、プリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子を有する。ユニット制御回路64は、メモリ63に格納されているプログラムに基づき、CPU62からの指示に従って、各ユニットを制御する。波形電圧生成部65は、後述するように、CPU62から取得したデジタルデータに基づいて波形電圧V+及び波形電圧V−を生成し、各電圧を、フレキシブルケーブル70を介してヘッドユニット40側の駆動信号生成部42に伝送する。
<ヘッドの構成について>
図3は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列の一例を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数(本実施形態では90個とする)備えている。
各ノズル群の複数のノズル(Nz)は、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが90dpi(1/90インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=8である。
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯90)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯90よりも搬送方向の下流側に位置している。
各ノズルには、それぞれピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子は、電荷を保持可能な容量性素子の一種であり、充放電に伴って変形する。このピエゾ素子の動作に応じてノズルからインク滴が吐出される。
図4は、ヘッド41の構造を説明するための図である。図には、ノズルNz、ピエゾ素子PZT、インク供給路402、ノズル連通路404、及び、弾性板406が示されている。
インク供給路402には、不図示のインクタンクからインク又は透明な液体が供給される。そして、これらのインク等は、ノズル連通路404に供給される。ピエゾ素子PZTには、後述する駆動信号COMの電圧が印加される。この駆動信号COMの波形に応じて、ピエゾ素子PZTが伸縮し、弾性板406を振動させる。そして、駆動信号COMの振幅に対応する量のインク滴がノズルNzから吐出されるようになっている。
駆動信号生成部42は、多ビットのデジタルデータをアナログ波形の信号(以下、波形信号COM´ともいう)に変換する波形生成部43と、波形信号COM´を電流増幅することで駆動信号COMを生成する電流増幅部44を有しており、デジタルデータに基づいて駆動信号COMを生成する。そして、生成した駆動信号COMをヘッド41のピエゾ素子PZTに供給する。なお、駆動信号生成部42の詳細については後述する。
===駆動信号について===
<比較例>
図5は、本実施形態に対する駆動信号生成部の比較例を説明するための図である。なお、図に示す波形生成部43及び電流増幅部44は、図1のようにヘッドユニット40(ヘッド41側)に設けられていることとする。
波形生成部43は、CPU62から取得した多ビットのデジタルデータをアナログ信号に変換し、さらにその電圧を増幅した波形信号COM´を生成する。なお、波形生成部43の構成については後述する。
電流増幅部44は、スイッチ441、NチャンネルMOSFET(以下NMOSともいう)442、PチャンネルMOSFET(以下PMOSともいう)443を有している。図に示すように、複数のピエゾ素子PZTに対応してそれぞれスイッチ441、NMOS442、PMOS443が設けられている。本実施形態の場合、各色(各ノズル群)について、ノズルNzの数(つまりピエゾ素子PZTの数)が90個であるので、スイッチ441、NMOS442、PMOS443は、それぞれ90個ずつ設けられている。
NMOS442のドレインには、駆動信号COMの最大電圧よりも十分高い電源電圧VDD(例えば42V)が印加されている。また、NMOS442のソースは、PMOS443のソースに接続されている。PMOS443のドレインは接地(GND)されている。そして、NMOS442とPMOS443のゲートは、スイッチ441を介して波形生成部43の出力に接続されている。
スイッチ441は、本体基板60からの制御信号(不図示)によって導通、非導通が制御されている。スイッチ441が導通することにより、駆動信号COMが生成されて、所望のピエゾ素子PZTに印加されることになる。
以上の構成により、CPU62から入力されるデジタルデータは、波形生成部43にてアナログの波形信号COM´に変換される。さらに、波形信号COM´は電流増幅部44のプッシュプル接続されたトランジスタ(NMOS442、PMOS443)によって、電源電圧VDDを用いて電流増幅される。これにより駆動信号COMが生成され、ピエゾ素子PZTに印加される。
図6は、比較例における駆動信号COMの電圧変化と、それに伴って発生する熱の説明図である。図の横方向は時間を示し、縦方向は電圧の大きさを示している。なお、駆動信号COMの電圧が上昇している期間は、NMOS442が動作し(オン)、PMOS443が動作していない(オフ)。一方、駆動信号COMの電圧が下降している期間はPMOS443が動作し、NMOS442が動作していない。また、駆動信号COMの電圧の値が一定の期間は、NMOS442、PMOS443が共に動作していない。この場合、ピエゾ素子PZTに電荷が保持されることにより、駆動信号COMの電圧が一定に保たれる。
図の時間t0までは、NMOS442とPMOS443のいずれも動作しない。時刻t0で波形信号COM´の電圧がNMOS442の閾値電圧よりも高くなることによってNMOS442が動作し、時間t1まで駆動信号COMの電圧が上昇する。このとき、NMOS442による電力の損失は、電源電圧VDDと駆動信号COMの電圧との差(NMOS442のソース−ドレイン間電圧)と、ピエゾ素子PZTに流れる電流で定まる。つまり、時間t0〜時間t1の期間における電力損失は、図の斜線部分の面積と、ピエゾ素子PZTに流れる電流とを乗算した値となる。時間t0〜時間t1において、駆動信号COMは一定割合で上昇しているので、この期間にピエゾ素子PZTに流れる電流は一定となっている。よって、時間t0〜時間t1において図の斜線部分の面積に応じた熱が発生する。
時間t1で波形信号COM´の電圧がNMOS442の閾値電圧よりも低くなり、NMOS442が動作しなくなる。これにより駆動信号COMの電圧が一定になる。その後、時間t2で、波形信号COM´の電圧がPMOS443の閾値電圧よりも低くなることによってPMOS443が動作し、時間t3まで駆動信号COMの電圧が下降する。このとき、PMOS443による電力の損失は、駆動信号COMの電圧と接地電圧GNDとの差(PMOS443のソース−ドレイン間電圧)と、ピエゾ素子PZTに流れる電流で定まる。つまり、時間t2〜時間t3の期間における電力損失は、図の斜線部分の面積と、ピエゾ素子PZTに流れる電流とを乗算した値となる。時間t2〜時間t3において、駆動信号COMは一定割合で下降しているので、この期間にピエゾ素子PZTに流れる電流は一定となっている。よって、時間t2〜時間t3において図の斜線部分の面積に応じた熱が発生する。
その後、時間t3から時間t4までは、駆動信号COMの電圧は一定となり、時間t4から時間t5まで駆動信号COMの電圧が上昇している。この電圧上昇時の動作は、先に説明した電圧上昇時の動作と同様であるため、説明は省略する。なお、時間t4から時間t5においても、図の斜線部分の面積に応じた熱が発生する。
このように、駆動信号生成部42をヘッドユニット40に設けると、駆動信号COMがフレキシブルケーブル70を経由しないことにより、生成した駆動信号COMを劣化させることなくピエゾ素子PZTに印加することができるが、その一方、ヘッドユニット40での発熱が大きくなる。この場合に、ヘッドユニット40で発生した熱を逃がすことは困難である。例えばフィンなどの放熱部材を設けるとヘッドユニット40を小型化できなくなる。
そこで、本実施形態では、ヘッドユニット40に駆動信号生成部42を設ける場合において、ヘッドユニット40で発生する熱を低減させるようにする。具体的には、本体基板60側の波形電圧生成部65において、駆動信号COMに応じて変化するとともに当該駆動信号COMの電圧よりも高い波形電圧V+と、駆動信号COMに応じて変化するとともに当該駆動信号COMの電圧よりも低い波形電圧V−を生成する。そして、駆動信号生成部42において、電源電圧VDDを用いずに波形電圧V+、V−を用いて駆動信号COMを生成する。
図7は、波形電圧生成部65と、駆動信号生成部42の構成の説明図である。以下、図7を参照しつつ、本実施形態の波形電圧生成部65と、駆動信号生成部42の構成について説明する。
<波形電圧生成部の構成について>
図7に示すように、波形電圧生成部65は、本体基板60側に設けられ、波形電圧V+及び波形電圧V−を生成する。そして、生成した波形電圧V+及び波形電圧V−を、フレキシブルケーブル70を介して、ヘッドユニット40(ヘッド41側)に伝送している。
本実施形態の波形電圧生成部65は、デジタルアナログコンバータ(以下D/Aコンバータともいう)601、611及び、電圧増幅回路602、612、NPN型バイポーラトランジスタ(以下、NPNトランジスタともいう)603、613、PNP型バイポーラトランジスタ(以下、PNPトランジスタともいう)604、614を有している。なお、D/Aコンバータ601、電圧増幅回路602、NPNトランジスタ603、PNPトランジスタ604は、高圧側の波形電圧V+を生成し、D/Aコンバータ611、電圧増幅回路612、NPNトランジスタ613、PNPトランジスタ614は、低圧側の波形電圧V−を生成する。この、高圧側の波形電圧V+を生成する構成と、低圧側の波形電圧V−を生成する構成は同じである。例えば、入力されるデジタルデータの値を変えることで、生成する電圧の大きさを変えることができる。よって、以下の説明では波形電圧V+を生成する構成のみについて説明する。
D/Aコンバータ601は、デジタルアナログ変換部に相当し、CPU62から取得した多ビットのデジタルデータをアナログの波形信号に変換する。具体的には、デジタルデータを、当該デジタルデータの値が大きいほど高い電圧となり、値が小さいほど低い電圧となるアナログの波形信号に変換する。
電圧増幅回路602は、電圧増幅部に相当し、D/Aコンバータ601で変換された波形信号の電圧を増幅する。
NPNトランジスタ603のコレクタには、電源電圧VDD(例えば42V)が印加されている。また、NPNトランジスタ603のエミッタはPNPトランジスタ604のエミッタに接続され、PNPトランジスタ604のコレクタは接地されている。NPNトランジスタ603及びPNPトランジスタ604のベースには、電圧増幅回路602の出力が印加される。
NPNトランジスタ603とPNPトランジスタ604は相補的に動作する。例えば、電圧増幅回路602の出力電圧の上昇時には、NPNトランジスタ603が動作し(オン)、PNPトランジスタ604は動作しない(オフ)。これにより、NPNトランジスタ603のエミッタと、PNPトランジスタ604のエミッタとの接続点に現れる電圧(電源電圧V+)は上昇する。一方、電圧増幅回路602の出力電圧の下降時には、PNPトランジスタ604が動作し、NPNトランジスタ603は動作しない。これにより、電源電圧V+は下降する。
このようにして、デジタルデータの値に応じた波形信号が形成され、その波形信号の波形に応じて大きさが変化する波形電圧V+が生成されることになる。本実施形態では、生成される波形電圧V+が、駆動信号COMと同様に変化し、且つ、駆動信号COMの電圧よりも所定値(例えば2V程度)高くなるように、D/Aコンバータ601に入力されるデジタルデータの値が定められている。
また、同様にして、D/Aコンバータ611、電圧増幅回路612、NPNトランジスタ613、PNPトランジスタ614によって波形電圧V−が生成される。本実施形態では、生成される波形電圧V−が、駆動信号COMと同様に変化し、且つ、駆動信号COMの電圧よりも所定値(例えば2V程度)低くなるようにD/Aコンバータ611に入力されるデジタルデータの値が定められている。
なお、D/Aコンバータ601及びD/Aコンバータ611に入力されるデジタルデータは、例えばメモリ63(図1参照)に格納されている。そして、各デジタルデータは、CPU62によって適宜のタイミングで読み出されて、D/Aコンバータ601、611にそれぞれ送られる。
<駆動信号生成部の構成について>
本実施形態の駆動信号生成部42は、ヘッドユニット40に設けられている。また、駆動信号生成部42は、デジタルデータに基づいて所定波形を示す波形信号COM´を生成する波形生成部43と、波形信号COM´を電流増幅することで駆動信号COMを生成する電流増幅部44を備えている。
波形生成部43は、D/Aコンバータ431と、電圧増幅回路432を有している。D/Aコンバータ431は、CPU62から取得した多ビットのデジタルデータを、所定波形を示すアナログ信号に変換する。電圧増幅回路432は、D/Aコンバータ431で生成されたアナログ信号の電圧を増幅し、波形信号COM´を生成する。
また、電流増幅部44は、図5と同様にスイッチ441、NMOS442、PMOS443を、それぞれピエゾ素子PZTに対応して有している。本実施形態では、図7に示すように、NMOS442のドレインに波形電圧V+が印加され、PMOS443のドレインに波形電圧V−が印加されている。なお、電流増幅部44は集積化されている。
<駆動信号の生成について>
図8は、本実施形態における駆動信号COMの電圧の変化と、それに伴って発生する熱の説明図である。図の横方向は時間を示し、縦方向は電圧の大きさを示している。
ここで、図に示すように、波形電圧生成部65で生成される波形電圧V+は、駆動信号COMの波形と同様に変化し、且つ、駆動信号COMの電圧よりも所定値(例えば2V)高い電圧となっている。また、波形電圧V−は、駆動信号COMの波形と同様に変化し、且つ、駆動信号COMの電圧よりも所定値(例えば2V)低い電圧となっている。
また、図6で説明したのと同様に、駆動信号COMの電圧が上昇している期間は、NMOS442が動作し、PMOS443が動作していない。また、駆動信号COMの電圧が下降している期間はPMOS443が動作し、NOMS442が動作していない。また、駆動信号COMの電圧の値が一定の期間は、NMOS442、PMOS443が共に動作していない。
図の時間t0までは、NMOS442とPMOS443のいずれも動作していない。時刻t0で波形信号COM´の電圧がNMOS442の閾値電圧よりも高くなることによってNMOS442が動作し、時間t1まで駆動信号COMの電圧が上昇する。このとき、NMOS442による電力の損失は、波形電圧V+と駆動信号COMの電圧との差(NMOS442のソース−ドレイン間電圧)と、ピエゾ素子PZTに流れる電流で定まる。時間t0〜時間t1の期間における電力損失は、図の斜線部分の面積と、ピエゾ素子PZTに流れる電流とを乗算した値となる。時間t0〜時間t1において、駆動信号COMは一定割合で上昇しているので、この期間にピエゾ素子PZTに流れる電流は一定となっている。よって、時間t0〜時間t1において図の斜線部分の面積に応じた熱が発生する。
時間t1で波形信号COM´の電圧がNMOS442の閾値電圧よりも低くなり、NMOS442が動作しなくなる。これにより駆動信号COMの電圧が一定になる。その後、時間t2で、波形信号COM´の電圧がPMOS443の閾値電圧よりも低くなることによってPMOS443が動作し、時間t3まで駆動信号COMの電圧が下降する。このとき、PMOS443による電力の損失は、駆動信号COMの電圧と波形電圧V−との差(PMOS443のソース−ドレイン間電圧)と、ピエゾ素子PZTに流れる電流で定まる。時間t2〜時間t3の期間における電力損失は、図の斜線部分の面積と、ピエゾ素子PZTに流れる電流とを乗算した値となる。時間t2〜時間t3において、駆動信号COMは一定割合で下降しているので、この期間にピエゾ素子PZTに流れる電流は一定となっている。よって、時間t2〜時間t3において図の斜線部分の面積に応じた熱が発生する。
その後、時間t3から時間t4までは、駆動信号COMの電圧は一定となり、時間t4から時間t5まで駆動信号COMが上昇している。この電圧上昇時の動作は、先に説明した電圧上昇時(時間t0〜時間t1)の動作と同様であるため、説明は省略する。なお、時間t4〜時間T5においても、図の斜線部分の面積に応じた熱が発生する。
図8と図5を比べると、図5よりも図8の方が斜線部分の面積がかなり小さくなっていることがわかる。これは、NMOS442及びPMOS443のソース−ドレイン間の電圧差が比較例の場合よりも小さいことによるものである。前述したように、各MOSFETにおいて、斜線部分の面積に応じた熱が発生するので、本実施形態では比較例よりも発熱量を低減させることができることになる。また、各MOSFET(NMOS442、PMOS443)のソース−ドレイン間電圧を小さくすることにより、MOSFETにかかる負荷を抑えることができる。
なお、本実施形態では、本体基板60側(波形電圧生成部65)で波形電圧V+、及び波形電圧V−を生成する際に熱が発生することになる。しかし、本体基板60側は、ヘッドユニット40と比べてスペースに余裕があるので、フィンなどの放熱部材を設けることによって容易に熱を逃がすことができる。また、発熱するのが本体基板60側であるので、ヘッド41が加熱されることを避けることができる。
以上、説明したように第1実施形態では、本体基板60側で駆動信号COMに応じて変化する波形電圧V+、V−を生成し、ヘッド41側で波形電圧V+、V−を用いて駆動信号COMを生成することにより、ヘッド41側で発生する熱を低減させることができる。
なお、第1実施形態では、波形電圧V+、波形電圧V−を、フレキシブルケーブル70を介して駆動信号生成部42に伝送している。すなわち、波形電圧V+、波形電圧V−が、フレキシブルケーブル70のインダクタンスなどによって劣化する可能性がある(波形が変形する可能性がある)。しかし、本実施形態の場合、波形電圧V+(波形電圧V−)が、劣化したとしても各MOSFETに印加される際に駆動信号COMの電圧より高ければ(低ければ)、劣化のない駆動信号COMを生成することができる。そして、生成した駆動信号COMを劣化させることなく、ピエゾ素子PZTに印加することができる。
また、ヘッド41には容量性素子の一種であるピエゾ素子PZTが複数設けられている。このため、駆動するピエゾ素子の数に応じて、負荷の容量値が変化することになる。よって、仮にコイル(L)とコンデンサ(C)を用いて駆動信号に応じて変化する波形電圧(V+、V−に相当)を生成するとした場合、駆動するピエゾ素子の数に応じて、生成する電圧の値が変動するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、デジタルデータに基づいて波形電圧(V+、V−)を生成しているので、駆動するピエゾ素子の数に関わらず、所望の波形(電圧値)に制御することができる。すなわち本実施形態では、駆動するピエゾ素子PZTの数に依存することなく安定した波形電圧を供給することができる。
なお、波形生成部43は、本体基板60にあってもよい。その場合、フレキシブルケーブル70には、D/Aコンバータ431へのデジタルデータを通すのではなく、波形信号COM´の波形を通すので、芯数が少なくなる。
また、前述したように、NMOS442が動作するのは駆動信号COMの電圧が上昇している期間であるので、波形電圧V+は、少なくともこの期間に駆動信号COMよりも高くなっていればよい。一方、PMOS443が動作するのは駆動信号COMの電圧が下降している期間であるので、波形電圧V−は、少なくともこの期間に駆動信号COMの電圧より低くなっていればよい。
また、第1実施形態では、波形電圧V+と波形電圧V−を用いて波形信号COM´を電流増幅していたが、必ずしも両方必要ではない。つまり、駆動信号COMよりも高い側あるいは低い側のどちらか一つが波形電圧であればよい。例えば、駆動信号COMよりも高い側の波形電圧V+のみを用いてもよい。この場合、他方は駆動信号COMよりも低い一定電圧(例えば接地電圧)とする。こうすることにより、駆動信号COMの電圧上昇時の発熱を比較例に比べて低減させることができる。また、駆動信号COMよりも低い側の波形電圧V−のみを用いてもよい。この場合、他方は駆動信号COMよりも高い一定電圧(例えば電源電圧)とする。こうすることにより、駆動信号COMの電圧下降時の発熱を比較例に比べて低減させることができる。また、これらの場合、波形電圧V+及び波形電圧V−の何れか一方を生成すればよいので、波形生成部43の構成を簡素にすることができる。
===第2実施形態===
図9は、第2実施形態のプリンタの全体構成を説明するブロック図である。図9において、図1と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。図9では、本体基板60側に波形電圧生成部65´が設けられている。この波形電圧生成部65´は、多ビットのデジタルデータに基づいて、駆動信号COMに応じて変化する波形電圧V´を生成する。具体的には、波形電圧生成部65´は、デジタルデータに基づいて、駆動信号COMの上昇時には駆動信号COMの電圧よりも高く、駆動信号の下降時には駆動信号COMよりも低い電圧となる波形電圧V´を生成する。そして、波形電圧生成部65´は、生成した波形電圧V´を駆動信号生成部42に伝送する。なお、第1実施形態では2つの波形電圧(V+、V−)を駆動信号生成部42に伝送しているのに対し、この第2実施形態では、1つの波形電圧(V´)を伝送している。これにより、ケーブルの総数を少なくすることができる。
図10は、波形電圧生成部65´と、駆動信号生成部42の構成の説明図である。波形電圧生成部65´は、本体基板60側に設けられており、前述したように波形電圧V´を生成する。そして、生成した波形電圧V´を、フレキシブルケーブル70を介して、ヘッドユニット40(ヘッド41側)に伝送している。
本実施形態の波形電圧生成部65´は、D/Aコンバータ621、電圧増幅回路622、NPNトランジスタ623、PNPトランジスタ624を有している。これらは、それぞれ前述した波形電圧生成部65の各要素と同様の機能を有する。なお、第1実施形態では、波形電圧を生成する構成(D/Aコンバータ、電圧増幅回路、NPNトランジスタ、PNPトランジスタ)の組み合わせが2つであるのに対し、第2実施形態では、この組み合わせが1つである。これにより本体基板60側の構成を第1実施形態よりも簡素にすることができる。
D/Aコンバータ621は、CPU62から取得した多ビットのデジタルデータをアナログの波形信号に変換する。電圧増幅回路622は、D/Aコンバータ621で変換された波形信号の電圧を増幅する。NPNトランジスタ623のコレクタには、電源電圧VDD(例えば42V)が印加されている。また、NPNトランジスタ623のエミッタはPNPトランジスタ624のエミッタに接続され、PNPトランジスタ624のコレクタは接地されている。NPNトランジスタ623及びPNPトランジスタ624のベースには、電圧増幅回路622の出力が印加される。そして、電圧増幅回路622の出力に応じてNPNトランジスタ623、PNPトランジスタ624が相補的に動作することで、波形電圧V´が生成される。
但し、第2実施形態で生成される、波形電圧V´は、駆動信号COMの上昇時には駆動信号COMよりも高く、且つ、駆動信号COMの下降時には駆動信号COMよりも低くなる。つまり、上述したように波形電圧V´が変化するようにD/Aコンバータ621に入力されるデジタルデータの値が定められている。
波形電圧生成部65´で生成された波形電圧V´はフレキシブルケーブル70を介してヘッドユニット40の駆動信号生成部42に伝送される。
図10に示すヘッドユニット40側においては、電流増幅部44のNMOS442のドレインとPMOS443のドレインに、共に波形電圧V´が印加されている点が図7と異なっている。
駆動信号COMの上昇時にはNMOS442が動作する。このとき、前述したように波形電圧V´が駆動信号COMの電圧よりも高くなる。これにより、NMOS442側から負荷(ピエゾ素子)側に電流が流れ、ピエゾ素子PZTは充電される。
一方、駆動信号COMの下降時にはPMOS443が動作する。このとき、前述したように波形電圧V´が駆動信号COMの電圧よりも低くなる。これにより、負荷(ピエゾ素子)側からPMOS443側に電流が流れ、ピエゾ素子PZTは放電される。
図11は、第2実施形態における駆動信号COMの変化と、それに伴って発生する熱の説明図である。
図の時間t0までは、NMOS442とPMOS443のいずれも動作していない。時刻t0で波形信号COM´の電圧がNMOS442の閾値電圧よりも高くなることによってNMOS442が動作し、時間t1まで駆動信号COMの電圧が上昇する。なお、駆動信号COMの電圧の上昇に応じて波形電圧V´の値も同じ割合で上昇している。このときのNMOS442による電力の損失は、波形電圧V´と駆動信号COMの電圧との差(NMOS442のソース−ドレイン間電圧)と、ピエゾ素子PZTに流れる電流で定まる。時間t0〜時間t1の期間における電力損失は図の斜線部分の面積と、ピエゾ素子PZTに流れる電流とを乗算した値となる。時間t0〜時間t1において、駆動信号COMは一定割合で上昇しているので、この期間にピエゾ素子PZTに流れる電流は一定となっている。よって、時間t0〜時間t1において図の斜線部分の面積に応じた熱が発生する。
時間t1で波形信号COM´の電圧がNMOS442の閾値電圧よりも低くなり、NMOS442が動作しなくなる。これにより駆動信号COMの電圧が一定になる。また、同時に、波形信号V´の値も一定になる。その後、時間t1´で波形電圧V´は、下降し始め時間t2までに駆動信号COMよりも所定値(例えば2V)低い電圧となる。
そして、時間t2で、波形信号COM´の電圧がPMOS443の閾値電圧よりも低くなることによってPMOS443が動作し、時間t3まで駆動信号COMの電圧が下降する。また、駆動信号COMの電圧が下降するのに応じて、波形電圧V´の値も同じ割合で下降している。このときのPMOS443による電力の損失は、駆動信号COMの電圧と波形電圧V´との差(PMOS443のソース−ドレイン間電圧)と、ピエゾ素子PZTに流れる電流で定まる。時間t2〜時間t3の期間における電力損失は図の斜線部分の面積と、ピエゾ素子PZTに流れる電流とを乗算した値となる。時間t2〜時間t3において、駆動信号COMは一定割合で下降しているので、この期間にピエゾ素子PZTに流れる電流は一定となっている。よって、時間t2〜時間t3において図の斜線部分の面積に応じた熱が発生する。
その後、時間t3から時間t4までは、駆動信号COMの電圧は一定となる。なお、波形電圧V´は時間t3´で上昇し始め、時間t4では駆動信号COMの電圧よりも高い電圧となっている。
そして、時間t4から時間t5まで駆動信号COMの電圧が上昇している。また、駆動信号COMの電圧が上昇するのに応じて、波形電圧V´も上昇している。この電圧上昇時の動作は、先に説明した電圧上昇時(時間t0〜時間t1)の動作と同様であるため、説明は省略する。なお、この期間にも、図の斜線部分の面積に応じた熱が発生する。
このように、第2実施形態(図11)でも第1実施形態(図8)と同様に斜線部分の面積を少なくする事ができる。つまり、ヘッドユニット40で発生する熱を低減させることができる。また、第2実施形態では、図10に示すように、波形電圧生成部65´のD/Aコンバータ621、電圧増幅回路622、NPNトランジスタ623、PNPトランジスタ624がそれぞれ一つでよい。よって、本体基板60側の構成を第1実施形態(図7)よりも簡素にすることができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができる。
また、本実施形態と同様の技術をラインプリンタに適用しても良い。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。
<電流増幅部について>
前述の実施形態では、電流増幅部44においてプッシュプル接続されたMOSFET(NMOS442、PMOS443)によって電流増幅を行っていたが、バイポーラトランジスタを用いて電流増幅を行うようにしてもよい。
第1実施形態のプリンタの全体構成を説明するブロック図である。 図2Aは、プリンタの全体構成の概略図である。図2Bは、プリンタの全体構成の横断面図である。 ノズルの配列の一例を示す説明図である。 ヘッドの構造を説明するための図である。 第1実施形態の駆動信号生成部に対する比較例を説明するための図である。 比較例における駆動信号COMの電圧変化と、それに伴って発生する熱の説明図である。 第1実施形態における波形電圧生成部と、駆動信号生成部の構成の説明図である。 第1実施形態における駆動信号COMの変化と、それに伴って発生する熱の説明図である。 第2実施形態のプリンタの全体構成を説明するブロック図である。 第2実施形態における波形電圧生成部と、駆動信号生成部の構成の説明図である。 第2実施形態における駆動信号COMの変化と、それに伴って発生する熱の説明図である。
符号の説明
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、30 キャリッジユニット、
31 キャリッジ、32 キャリッジモータ(CRモータ)、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、42 駆動信号生成部、43 波形生成部、
44 電流増幅部、50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 本体基板、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路、65 波形電圧生成部、
70 フレキシブルケーブル、402 インク供給路、404 ノズル連通路、
406 弾性板、431,601,611,621 D/Aコンバータ、
432,602,612,622 電圧増幅回路、
441 スイッチ、442 NMOS、443 PMOS、
603,613,623 NPNトランジスタ、
604,614,624 PNPトランジスタ

Claims (6)

  1. 所定波形を示す波形信号を生成する波形生成部と、
    前記波形信号を電流増幅することで駆動信号を生成する電流増幅部と、
    前記駆動信号に基づいて液体を吐出するヘッドと、
    ケーブルを介して前記ヘッドを制御する本体基板と、
    を備え、前記電流増幅部がヘッド側に設けられた液体吐出装置であって、
    デジタルデータに基づいて、前記駆動信号に応じて変化する波形電圧を生成する波形電圧生成部を本体基板側に備え、
    前記ケーブルを介して前記本体基板から前記ヘッドへ前記波形電圧を伝送し、
    前記電流増幅部は、
    前記波形電圧を用いて前記波形信号を電流増幅して前記駆動信号を生成する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記波形電圧生成部は、
    前記デジタルデータをアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換部と、
    前記アナログ信号の電圧を増幅する電圧増幅部と、
    前記電圧増幅部の出力を増幅することで、前記波形電圧を生成する波形電圧用電流増幅部と
    を有することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液体吐出装置であって、
    前記ヘッドは、前記駆動信号に応じて前記液体を吐出させる動作を行う素子を複数有する、ことを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の液体吐出装置であって、
    前記波形電圧生成部は、
    前記駆動信号の電圧が上昇しているときに、当該駆動信号の電圧よりも高い第1波形電圧と、
    前記駆動信号の電圧が下降しているときに、当該駆動信号の電圧よりも低い第2波形電圧と、
    の少なくとも一方を生成し、
    前記電流増幅部は、
    前記第1波形電圧あるいは前記第2波形電圧を用いて、前記波形信号を電流増幅することにより前記駆動信号を生成する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載の液体吐出装置であって、
    前記波形電圧生成部は、
    前記駆動信号に応じて変化するとともに、前記駆動信号の電圧が上昇しているときには当該駆動信号の電圧よりも高く、前記駆動信号の電圧が下降しているときには当該駆動信号の電圧よりも低い波形電圧を生成し、
    前記電流増幅部は、
    当該波形電圧を用いて前記波形信号を電流増幅することにより前記駆動信号を生成する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  6. 液体を吐出するヘッドと、ケーブルを介して前記ヘッドを制御する本体基板とを備えた液体吐出装置による液体吐出方法であって、
    デジタルデータに基づいて、駆動信号に応じて変化する波形電圧を本体基板側で生成するステップと、
    前記ケーブルを介して前記本体基板から前記ヘッドへ前記波形電圧を伝送するステップと、
    所定波形を示す波形信号を生成するステップと、
    ヘッド側で、前記波形電圧を用いて前記波形信号を電流増幅して前記駆動信号を生成するステップと、
    前記駆動信号に基づいて前記ヘッドから前記液体を吐出するステップと、
    を有することを特徴とする液体吐出方法。
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