JP2009162842A - 液晶表示素子用シール剤及び液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記成分(A)〜(F):
(A)エチレン性不飽和基を有し、エポキシ基を有しない化合物
(B)1分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物のエポキシ基の一部に(メタ)アクリル酸を付加して得られる部分(メタ)アクリル化多官能エポキシ化合物
(C)エポキシ硬化剤
(D)オキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤
を含有する液晶表示素子用シール剤;及び液晶表示素子。
【選択図】図1
Description
未硬化の液晶シール剤の成分による液晶に対する汚染性の低減、硬化性の向上等を目的として、種々の成分が配合された硬化性組成物が提案されている(例えば、特許文献2〜7)。
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、液晶に対する汚染性を低減し、配線等により影になる部分であっても、十分な硬化性を有し、かつガラス基板のみならず液晶配向膜に対しても十分な接着性が得られる、さらなる狭額縁化に対応できる硬化性組成物を提供することを目的とする。
1.下記成分(A)〜(D):
(A)エチレン性不飽和基を有し、エポキシ基を有しない化合物
(B)1分子中に、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基の合計数が3以上である化合物
(C)エポキシ硬化剤
(D)オキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤
を含有する液晶表示素子用シール剤。
2.前記成分(B)が、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物のエポキシ基の一部に(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物である、上記1に記載の液晶表示素子用シール剤。
3.前記成分(B)が、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物のエポキシ基1個と(メタ)アクリル酸とを、100:20〜100:80(モル比)の範囲内の比率となるように混合し、反応させて得られる化合物である、上記2に記載の液晶表示素子用シール剤。
4.前記成分(B)が、常温、常圧下で液体である上記1〜3のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤。
5.前記成分(B)のエポキシ当量が平均で50〜2000の範囲内である、上記1〜4のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤。
6.前記(D)オキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤が、下記一般式(d−1)で表される、上記1〜5のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤。
7.前記(A)エチレン性不飽和基を有すし、エポキシ基を有しない化合物が、1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である、上記1〜6のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤。
8.さらに、(E)下記一般式(e−1)で表される構造を有する光ラジカル重合開始剤を含有する上記1〜7のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤。
9.前記成分(D)と成分(E)との重量比が、(D):(E)=35:65〜65:35の範囲内である上記8に記載の液晶表示素子用シール剤。
10.さらに、(F)無機微粒子を含有する上記1〜9のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤。
11.さらに、(G)シランカップリング剤を含有する上記1〜10のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤。
12.上記1〜11のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤を用いて製造された液晶表示素子。
本発明によれば、液晶表示素子を液晶滴下工法によって製造する際に、特に有用な液晶シール剤を提供できる。
本発明によれば、未硬化の液晶シール剤による液晶の汚染性が低減されており、長期安定性に優れた液晶表示素子を提供することができる。
本発明の硬化性組成物(以下、本発明の組成物という)は、下記成分(A)〜(H)を含み得る。下記成分のうち、(A)〜(D)は必須成分であり、(E)〜(H)は必要に応じて配合される任意成分である。
(A)エチレン性不飽和基を有し、エポキシ基を有しない化合物
(B)1分子中に、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基の合計数が3以上である化合物
(C)エポキシ硬化剤
(D)オキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤
(E)一般式(e−1)で表される構造を有する光ラジカル重合開始剤
(F)無機微粒子
(G)シランカップリング剤
(H)添加剤
本発明の硬化性組成物は、高感度の(D)光ラジカル重合開始剤(オキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤)を用いることにより、配線やブラックマトリックスによって紫外線が直接照射されない遮蔽部位の弱い紫外線散乱光であっても(メタ)アクリロイル基の架橋反応が進み、高い耐液晶汚染性を付与することができる。ここで、「高感度」とは、紫外線の吸光係数が大きく、弱い光でもラジカルを発生させることができることを意味する。
(A)エチレン性不飽和基を有し、エポキシ基を有しない化合物
エチレン性不飽和基を有し、エポキシ基を有しない化合物は、ラジカル重合する成分であって、強度向上や低線膨張係数化、位置安定性向上等の効果を発現させる。エチレン性不飽和基としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、エチレン基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
ウレタン基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ウレタン基を有する(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、U−6HA、U−15HA(新中村化学工業(株)社製等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。水酸基を有する(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、EB3700(ダイセル・サイテック(株)社製)等が挙げられる。
ビスフェノール骨格及びエポキシ基を有する(メタ)アクリロイル基を有する化合物の市販品としては、例えば、Uvac1561(ダイセル・サイテック(株)社製)等が挙げられる。
成分(B)の1分子中に、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基の合計数が3以上である化合物(以下、成分(B)という)は、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物のエポキシ基の一部に(メタ)アクリル酸を付加して得られる化合物であって、常温、常圧下で液体であることが好ましい。ここで、「常温、常圧下で液体」とは、常温、常圧下における粘度が、5,000Pa・s以下、好ましくは1,000Pa・s以下、より好ましくは100Pa・s以下であること意味する。ここで、「常温」とは、具体的には25℃をいい、「常圧」とは、具体的には大気圧(0.1mPa)をいう。上記粘度は、25℃におけるB型粘度計を用いて行った測定値である。成分(B)が常温、常圧下で液体であることによって、これを原料として用いた液晶シール剤は低粘度で作業性に優れたものとなる。
成分(B)を配合することによって、液晶の汚染が抑制され、かつ、配向膜への接着強度が向上するという効果が得られる。
成分(B)の原料となるエポキシ化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、上記のようにして(メタ)アクリル基が導入された成分(B)における(メタ)アクリル基の比率は、原料の多官能エポキシ化合物のエポキシ基の数をnとした場合、1/n〜(n−1)/nの範囲内であることが必要である。
これに対し、(B)部分(メタ)アクリル化多官能エポキシ化合物を配合することによって、ガラス基板のみならず液晶配向膜に対しても十分な接着性を発現させることができ、また、配向膜への密着性(接着性)と液晶汚染性とのバランスをとることができる。
エポキシ硬化剤は、エポキシ基を含む化合物を架橋し、接着性や硬度の効果を発現させるために配合される。エポキシ硬化剤としては、酸性化合物、酸発生剤、塩基性化合物又は塩基発生剤等があげられる。また、エポキシ硬化剤としては、硬化剤自体がエポキシ基と架橋反応を行い、架橋したポリマー中に取り込まれる「潜在型エポキシ硬化剤」を使用することが好ましい。
潜在型エポキシ硬化剤としては、公知のものが使用できるが一液型で粘度安定性が良好な配合物を与えることができる点からは、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾール及びその誘導体、ジシアンジアミド、芳香族アミン等が好ましい。これらは単独で用いても組み合わせて用いてもよい。
アミン系潜在型硬化剤であって、かつ、その融点又は環球法による軟化点温度が100℃以上である潜在型エポキシ硬化剤の具体例としては、例えば、ジシアンジアミド(融点209℃)等のジシアンジアミド類;アジピン酸ジヒドラジド(融点181℃)、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(融点120℃)等の有機酸ジヒドラジド;2,4−ジアミノ―6―[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチルトリアジン(融点215℃〜225℃)、2−フェニルイミダゾール(融点137〜147℃)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(融点174〜184℃)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(融点191〜195℃)等のイミダゾール誘導体等が挙げられる。
潜在型エポキシ硬化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる光ラジカル重合開始剤は、オキシムエステル構造を有する化合物である。オキシムエステル構造を有する化合物は、高感度であり、配線やブラックマトリックス等の影となって紫外線が直接照射されない部位であっても、反射光、散乱光、回折光によって本発明の組成物を硬化させることができる。
R2は、水素原子、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基等であることが好ましい。
R3は、置換又は非置換のカルバゾール基を含む1価の有機基、Ph−S−Ph−CO−基(Phはフェニル基を示す)等であることが好ましい。
これらのO−アシルオキシム化合物のうち、特に1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセタート、エタノン、1−〔9−エチル−6−〔2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル〕−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−、1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
成分(E)の光ラジカル重合開始剤は、下記一般式(e−1)で表される構造を有する化合物である。
上記成分(D)のオキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤と併用することにより、液晶に対する汚染性をより効果的に低下させることができる。成分(D)の開始剤と成分(E)の開始剤の配合割合(重量比)は、成分(D):成分(E)が、35:65〜65:35の範囲内であることが好ましく、50:50であることが特に好ましい。成分(D)が少ないと、暗部硬化性が低下し、逆に多すぎると液晶に対する耐汚染性が低下することがある。上記範囲内であれば、接着性、液晶に対する耐汚染性及び暗部硬化性のいずれの性能にも優れた硬化性組成物が得られる。
無機微粒子を配合することによって、高ガラス転移温度や低線膨張係数となり、寸法安定性向上の効果を発現(改善、改良)させることができるため好適に用いられる。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、モンモリロナイト等を主成分とする粒子が挙げられ、シリカ及びアルミナを主成分とする粒子が好ましい。
無機微粒子の形状は、球状、棒状、板状、繊維状、不定形状のいずれであってもよく、また、これらは、中実状、中空状、多孔質状であってもよい。
無機微粒子の数平均粒径は、通常0.001〜10μm、好ましくは0.01〜5μmの範囲である。10μmを超えると、液晶セル製作時のガラス基板張り合わせのギャップ形成がうまくいかないおそれがある。ここで、無機微粒子の数平均粒径は、レーザー光回折法によって測定する。
無機微粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面処理されたシリカ粒子の市販品としては、例えば、アドマファインSE3200−SEJ((株)アドマテックス社製;エポキシ変性シリカ微粒子)等が挙げられる。
シランカップリング剤を配合することによって、接着強度の耐久性向上の効果を発現(改善、改良)させることができるため好適に用いられる。
シランカップリング剤としては、エポキシ基を有するもの、(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。
シランカップリング剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤の例としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤の市販品の例としては、例えば、SZ6030(東レダウコーニング(株)社製)、KBM−503、KBM−5103(信越シリコーン(株)社製等が挙げられる。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加物を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、成分(D)及び(E)以外の光ラジカル開始剤、増感剤、連鎖移動剤、消泡剤、イオン捕捉剤、吸水剤、有機微粒子、レベリング剤、スペーサー、有機溶剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、成分(A)〜(D)、及び必要に応じて、成分(E)〜(H)を容器に入れ、遊星式攪拌機等の攪拌機を用いて十分に混合した後、真空下で脱泡を行うことによって製造できる。
本発明の組成物は、放射線照射によっても、加熱によっても硬化させることができる。
本発明の組成物を液晶シール剤として使用し、液晶滴下工法を用いる場合には、一般に、紫外線照射により仮硬化させた後、さらに加熱することによって本硬化させる。
本発明の組成物を硬化させるために用いる光の波長は特に限定されないが、配向膜や液晶へのダメージを考慮して350〜700nmが好ましい。照射線量は、好ましくは500〜10000mJ/cm2、より好ましくは1000〜3000mJ/cm2である。
熱硬化の温度としては特に限定されないが、好ましくは硬化温度が70℃以上200℃未満、より好ましくは100℃以上150℃未満である。また、硬化時間としては、好ましくは20分以上3時間未満、より好ましくは30分以上2時間未満である。
液晶シール剤は、液晶表示素子の二枚のガラス基板を接着させ、内部を保護すると共に液晶の流出を防止するために用いられる。
本発明の液晶シール剤は、上記本発明の硬化性組成物からなることを特徴とする。従って、本発明の液晶シール剤は、耐液晶汚染性、暗部硬化性、ガラス基板及び液晶配向膜に対する引張り接着強さ等を備え、液晶滴下工法による液晶表示素子(液晶表示セル)の製造に有用である。
本発明の液晶表示素子は、上記本発明の液晶シール剤を用いて製造されることを特徴とする。従って、本発明によれば、耐液晶汚染性、引張り接着強さに優れており、長期安定性、信頼性に優れた液晶表示素子が得られる。
液晶表示素子1は、図1に示すように、透明電極14、配向膜12、カラーフィルター16が設けられた二枚のガラス基板10の間に、スペーサー18を挟んで、液晶シール剤によって液晶22を保持する構造を有する。
液晶シール剤20によって、二枚のガラス基板10を接着すると同時に、ガラス基板10と液晶シール剤20とで囲まれた空間に液晶22を封入・保持する。さらなる狭額縁化のため、ガラス基板10の縁部の幅が小さくなる傾向にあり、配向膜(12)にも液晶シール剤による封止部が架かることが多くなり、ガラス基板のみならず液晶配向膜に対する接着性が必要とされる。
図1からわかるように、液晶シール剤20は、液晶22と直接接触するため、未硬化の液晶シール剤20中の成分が液晶22中に溶解することがあると、液晶22の比抵抗を低下させてしまい、液晶表示素子1の長期安定性、信頼性が損なわれる結果となるのである。
本発明の液晶表示素子は、上記本発明の液晶シール剤を用いているため、未硬化の液晶シール剤成分が液晶に溶解することが防止されているため、長期安定性、信頼性に優れている。
一方のガラス基板上に、ディスペンサーを用いて、液晶を封入する範囲を囲う液晶シール剤の枠を形成する。液晶シール剤の線幅、膜厚は、それぞれ通常0.1〜5mm、0.1〜20μm程度であり、0.5〜3mm、1〜10μmであることが好ましい。この際用いる液晶シール剤のディスペンサーとしては、SHOTminiSL(武蔵エンジニアリング(株)製)等が挙げられる。
液晶シール剤を硬化させることなく、液晶シール剤の枠の中に液晶を滴下し、気泡等を除去した後、他方のガラス基板を貼り合わせ、2枚のガラス基板を圧着し、液晶を封止する。
次に、光を照射して、液晶シール剤を仮硬化させる。この際に用いる光は、波長200〜700nmのものを用いることが好ましく、配向膜や液晶へのダメージを考慮すると、波長350〜700nmのものを用いることがより好ましい。光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LED等を用いることが好ましい。
その後、この基板を70〜200℃、好ましくは90〜150℃で、10分〜5時間、好ましくは30分〜2時間加熱して液晶アニールを行うと同時に、液晶シール剤を本硬化させて液晶表示素子を得る。
製造例1
水酸基含有ウレタンアクリレート((A)成分;グリセリン−AOI)の合成
攪拌機付きの容器内の2−イソシアナトエチルアクリレート(昭和電工(株)製カレンズAOI)75.4部と、ジブチル錫ジラウレート0.1部とからなる溶液に対し、グリセリン(阪本薬品工業(株)製精製グリセリン)24.6部を、10℃、1時間の条件で滴下した後、60℃、4時間の条件で攪拌し、反応液とした。
この反応液中の生成物の残存イソシアネート量をFT−IRで測定したところ、0.1質量%以下であり、反応がほぼ定量的に行われたことを確認した。また、分子内に、ウレタン結合、及びアクリロイル基(重合性不飽和基)を含むことを確認した。
以上により、グリセリン−AOI 100部が得られた。
部分アクリル化多官能エポキシモノマー(EX−411アクリル酸付加物)の合成
温度計、撹拌機、空気吹き込み装置を備え付けた反応容器に、デナコールEX−411(ナガセケムテック(株)製4官能エポキシモノマー;エポキシ当量233)100部、アクリル酸21.1部、及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5部を仕込み反応容器に空気を吹き込みながら70℃まで加温し、その温度で約12時間撹拌した。アクリル酸が反応したのを確認して冷却し、エポキシモノマー1分子中のエポキシ基のうちの半分がアクリル付加された重合性不飽和基含有のモノマーを得た。アクリル基とエポキシ基がモノマー中に1:1で導入されていることを、NMR及びFT−IRにより確認した。
部分アクリル化多官能エポキシモノマー(EX−614Bアクリル酸付加物)の合成
温度計、撹拌機、空気吹き込み装置を備え付けた反応容器に、デナコールEX−614B(ナガセケムテック(株)製4官能エポキシモノマー;エポキシ当量171)100部、アクリル酸21.1部、及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5部を仕込み反応容器に空気を吹き込みながら70℃まで加温し、その温度で約12時間撹拌した。アクリル酸が反応したのを確認して冷却し、エポキシモノマー1分子中のエポキシ基のうちの半分がアクリル付加された重合性不飽和基含有のモノマーを得た。アクリル基とエポキシ基がモノマー中に1:1で導入されていることを、NMR及びFT−IRにより確認した。
部分アクリル化多官能エポキシモノマー(EX−610UPアクリル酸付加物)の合成
温度計、撹拌機、空気吹き込み装置を備え付けた反応容器に、デナコールEX−610−UP(ナガセケムテック(株)製4官能エポキシモノマー;エポキシ当量228)100部、アクリル酸15.8部、及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5部を仕込み反応容器に空気を吹き込みながら70℃まで加温し、その温度で約12時間撹拌した。アクリル酸が反応したのを確認して冷却し、エポキシモノマー1分子中のエポキシ基のうちの半分がアクリル付加された重合性不飽和基含有のモノマーを得た。アクリル基とエポキシ基がモノマー中に1:1で導入されていることを、NMR及びFT−IRにより確認した。
部分アクリル化多官能エポキシモノマー(EX−321アクリル酸付加物)の合成
温度計、撹拌機、空気吹き込み装置を備え付けた反応容器に、デナコールEX−321(ナガセケムテック(株)製3官能エポキシモノマー;エポキシ当量139)100部、アクリル酸25.9部、及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5部を仕込み反応容器に空気を吹き込みながら70℃まで加温し、その温度で約12時間撹拌した。アクリル酸が反応したのを確認して冷却し、エポキシモノマー1分子中のエポキシ基のうちの半分がアクリル付加された重合性不飽和基含有のモノマーを得た。アクリル基とエポキシ基がモノマー中に1:1で導入されていることを、NMR及びFT−IRにより確認した。
下記表1の実施例1に示した成分を容器に量り取り、遊星式攪拌機(あわとり練太郎、シンキー社製)を用いて十分に混合した。その後真空下にて脱泡を行い、硬化性組成物を製造した。
下記表1及び表2に示す組成とした以外は、実施例1と同様にして各硬化性組成物を製造した。
上記実施例及び比較例で得られた硬化性組成物を硬化させたときの下記特性を評価した。得られた結果を表1及び表2に示す。
硬化性組成物100重量部に対して1重量部のスペーサー粒子を分散させたものをスライドガラスの中央部に取って、もう一つのスライドガラスを十字になるように重ね合わせ、圧着させて均一な厚さとする。これに紫外線を照射(500mW/cm2、3000mJ/cm2)した後、120℃で1時間放置し、引っ張り接着強度測定用のサンプルとした。このサンプルを引っ張り試験機により接着強度(N/cm2)を測定した。400N/cm2以上であれば引っ張り接着強度は良好である。
硬化性組成物100重量部に対して1重量部のスペーサー粒子を分散させたものを配向膜付スライドガラスの中央部に取って、もう一つの配向膜付スライドガラスを十字になるように重ね合わせ、圧着させて均一な厚さとする。これに紫外線を照射(500mW/cm2、3000mJ/cm2)した後、120℃で1時間放置し、引っ張り接着強度測定用のサンプルとした。このサンプルを引っ張り試験機により接着強度(N/cm2)を測定した。400N/cm2以上であれば引っ張り接着強度は良好である。
この際に使用した配向膜付スライドガラスは、スライドガラス上にオプトマーAL60101(JSR(株)社製)を滴下し、スピンコートすることにより基板上に均一に塗布した後、ホットプレートで、90℃、1分のプレベイク、及びオーブンで、200℃、1時間のポストベイクを行って得た。
サンプル瓶(内径10mm)に硬化性組成物0.025gを入れた後、液晶(メルク社製MLC−6608)0.075gを入れた。このサンプル瓶の底面から紫外線を照射(3000mJ/cm2)した後、120℃で1時間放置した。25℃まで放冷してから、液晶の上澄みを取り出し、DSC測定を行った(昇温速度2℃/分)。測定された相転移温度と処理していない液晶(ブランク)の相転移温度との差から変化量を求め、下記評価基準に従って評価した。
○:ブランクに対して差(変化量)が0.5℃未満
△:ブランクに対して差(変化量)が0.5℃以上1.0未満
×:ブランクに対して差(変化量)が1.0℃以上
EB3700:ダイセルサイテック(株)製ビスフェノールA含有エポキシアクリレート
EX−614B:ナガセケムテックス(株)製4官能エポキシ化合物、エポキシ当量171
EX−610UP:ナガセケムテックス(株)製4官能エポキシ化合物、エポキシ当量228
EX−321:ナガセケムテックス(株)製3官能エポキシ化合物、エポキシ当量139
EX−614B:製造例3で合成
EX−610UP:製造例4で合成
EX−321アクリル酸付加物:製造例5で合成
SH6040:東レダウコーニング(株)社製シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
本発明によれば、工程数が少なく効率よく液晶表示素子を製造することができる液晶滴下方式において有用な液晶シール剤を提供することができる。
10 ガラス基板
12 配向膜
14 透明電極
16 カラーフィルター
18 スペーサー
20 液晶シール剤
22 液晶
Claims (12)
- 下記成分(A)〜(D):
(A)エチレン性不飽和基を有し、エポキシ基を有しない化合物
(B)1分子中に、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基の合計数が3以上である化合物
(C)エポキシ硬化剤
(D)オキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤
を含有する液晶表示素子用シール剤。 - 前記成分(B)が、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物のエポキシ基の一部に(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物である、請求項1に記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記成分(B)が、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物のエポキシ基1個と(メタ)アクリル酸とを、100:20〜100:80(モル比)の範囲内の比率となるように混合し、反応させて得られる化合物である、請求項2に記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記成分(B)が、常温、常圧下で液体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記成分(B)のエポキシ当量が平均で50〜2000の範囲内である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記(A)エチレン性不飽和基を有すし、エポキシ基を有しない化合物が、1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記成分(D)と成分(E)との重量比が、(D):(E)=35:65〜65:35の範囲内である請求項8に記載の液晶表示素子用シール剤。
- さらに、(F)無機微粒子を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶表示素子用シール剤。
- さらに、(G)シランカップリング剤を含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の液晶表示素子用シール剤を用いて製造された液晶表示素子。
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