JP2009156789A - 光学特性測定装置及び光学特性測定方法 - Google Patents

光学特性測定装置及び光学特性測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フレネル反射特性の影響により生じる反射角のずれ及び反射光の出力の変動による誤差を補正することで、光学特性値を正確に測定できる光学特性測定装置および光学特性測定方法を提供する。
【解決手段】光学特性測定装置1は、測定試料SMに光を照射する光照射部11と、光照射部11から照射された光が測定試料で反射された反射光を受光する複数の受光素子を有する受光部21と、受光部21の出力に基づいて光学特性を導出する光学特性演算部とを備え、光学特性演算部は、受光部21の出力をフレネル反射特性に基づいて補正した補正出力を求め、補正出力に基づいて光学特性を導出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定試料の光学特性、好ましくは光学的表面特性、さらに好ましくは光沢度を測定する光学特性測定装置および光学特性測定方法に関する。
従来、測定試料の光学特性、例えば試料表面の光沢度などの光学的表面特性を測定する光学特性測定装置が知られている。
図9は、背景技術における光学特性測定装置の光学的な構成を示す図である。図10は、背景技術における光学特性測定装置の補正方法を説明する図であって、図10(A)は正規姿勢での受光部に形成された像を示す図であり、図10(B)は正規姿勢でなく傾いた状態での受光部に形成された像を示す図であり、図10(C)は切取りエリアが像を追従している状態を示す図である。
図9において、背景技術における光学特性測定装置100は、照明側光学系110と受光側光学系120とを備えて構成される。照明側光学系110は、その光軸113aが測定試料SMの試料表面SMaにおける或る点を通る試料表面SMaの法線Gに対して角度θ3をなし、受光側光学系120は、その光軸122aが法線Gに対して角度θ4をなす。具体的には、角度θ3は入射角であり、角度θ4は反射角である。一般的には、角度θ3および角度θ4は同一の値であり、ASTMD523やJISZ8741に基づいて規格が決まっており、例えば共に所定の角度である60度となるように、光学特性測定装置100の各部品が配置されている。このように、試料表面SMaに対して、照射された光が入射角(角度θ3)および反射角(角度θ4)がともに所定の角度である場合は理想的な測定が可能である。測定試料SMが光学特性装置100に対して、このような配置であることを正規姿勢という。
照明側光学系110は、光源部111と、照明側開口板112と、照明レンズ113とを備えて構成される。照明側開口板112には、照明側開口112aが照明側開口板112を貫通するように穿設されている。
受光側光学系120は、受光部121と、受光レンズ122とを備えて構成される。受光部121は、複数の受光素子(画素)を備えている。これらは、例えばCCD(Charge-Coupled Devices)などの撮像素子である。
光源部111から射出された光は、照明側開口板112の照明側開口112aによって所定の開き角に規制され、照明レンズ113によって光軸113aに略平行な平行光束111aとされ、試料表面SMaに照射される。そして、試料表面SMaによって反射された反射光における略正反射方向の成分121aの光は、受光レンズ122によって収束され、受光部121で受光される。そして、受光部121の出力に基づいて例えば試料表面SMaの光沢度などの光学特性値が求められる。
しかし、測定試料SMの測定箇所が平坦でなかった場合などに、試料表面SMaが光学特性測定装置100に対して傾く可能性がある。すなわち、正規姿勢でなくなる可能性がある。そうすると、角度θ3が所定の角度から変化することになり、同様に角度θ4も変化する。その結果、受光部121に形成される像の位置が、正規姿勢の場合の受光部121に形成される像の位置とは異なってしまう。このため、正しい光学特性値の測定ができなくなる。
具体的には、図10(A)に示すように、受光部121では、一定の範囲である切取りエリア130の枠が設定されており、この範囲内での受光出力を読み取っている。したがって、反射光による受光部121に形成された像121bの位置は、切取りエリア130内になければならない。かりに、正規姿勢でなく、試料表面SMaが光学特性測定装置100に対して傾くと、角度θ3が所定の角度から変化し、合わせて角度θ4も変化する。それにより、図10(B)に示すように、受光部121における像121bの位置が変化し、切取りエリア130の外部に像121bの一部または全部が形成される可能性がある。この場合は、切取りエリア130内で読み取った受光出力は、像121b全体の出力に比べて低下してしまう。そのため、切取りエリア130内で読み取った受光出力を用いるだけでは、測定試料SMの正しい光学特性値を得ることはできない。
そこで、例えば、特許文献1に記載の光学特性測定装置では、切取りエリア130が像121bを追従して移動する。具体的には、図10(C)に示すように、正規姿勢から傾いている場合の像121bをすべて含むように、切取りエリア130が配置されている。像121bの位置が変動した場合であっても、切取りエリア130が像121bを追従して移動する。例えば、受光部121内の受光出力の最大強度に追従して、切取りエリア130の位置が決定されることとされている。このようにすることで、像121bは切取りエリア130の範囲内にすべて形成されることになり、像121b全体の出力に基づいて光学特性値を得ることができる。
特開2006−208361号公報
しかし、特許文献1に記載の光学特性測定装置には、以下に示す2つの問題がある。具体的には、フレネル反射特性に起因する問題である。ここで、フレネル反射特性とは、光が或る物質に照射されて反射する場合に、その反射角に応じて反射率が変化する特性をいう。
まず、第1の問題について説明する。光が或る物質に照射されて反射したときに、理論的には入射角と反射角は等しい。光が反射する物質すなわち測定試料SMが比較的高光沢の場合には、反射光が反射角θ4に集中して分布するのでフレネル反射特性の影響を受けにくく、強度分布のピークはほぼθ4に等しくなる。しかし、測定試料SMが比較的低光沢の場合は、反射光の分布はθ4を中心に分散するので、結果としてフレネル反射特性の影響を受けて、強度分布のピークがθ4からずれることになる。例えば、測定試料SMとして光沢値が5.7GUの塗板や、光沢値が8.6GUのガラスの場合は、角度θ3が60度で光が照射されても、強度分布のピークは62〜65度付近となる。
これは、低光沢材料の表面が粗いため、光の正反射成分がさまざまな方向に散乱しやすくなること及び屈折率が1.5のガラスにおいて反射角が60度付近の場合、フレネル反射特性により、反射角が大きくなるほど反射率が高くなることに起因する。このため、正規姿勢で光学特性測定がなされているにもかかわらず、試料表面SMaが光学特性測定装置100に対して傾いている場合と同様に、受光部121内の受光出力の最大強度の位置が移動する。この場合、特許文献1に記載の光学特性測定装置では、切取りエリア130が受光出力の最大強度の位置に追従して移動する。しかし、実際には正規姿勢であるのだから切取りエリア130の位置を移動する必要はなく、移動したために上述の規格に基づいた測定ではなくなり、正確な測定ができないという問題があった。
次に、第2の問題について説明する。上述したように、反射角が60度付近においては、フレネル反射特性により、反射角が大きくなるほど、反射率が高くなる。そうすると、例えば、測定試料SMの測定箇所が平坦でないなどの理由によって、試料表面SMaが光学特性測定装置100に対して傾き、正規姿勢でなくなった場合には、反射率が変化するために受光部121での受光出力も変動する。したがって、正規姿勢でなくなった場合には、切取りエリア130が像121bを追従したとしても、出力が変動しているため、正確な出力の測定はできないという問題があった。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、フレネル反射特性の影響により生じる誤差を補正することで、光学特性値を正確に測定できる光学特性測定装置および光学特性測定方法を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様に係る光学特性測定装置は、測定試料に光を照射する光照射部と、前記光照射部から照射された光が前記測定試料で反射された反射光を受光する複数の受光素子を有する受光部と、前記受光部の出力に基づいて光学特性を導出する光学特性演算部とを備える光学特性測定装置であって、前記光学特性演算部は、前記受光部の出力をフレネル反射特性に基づいて補正した補正出力を求め、前記補正出力に基づいて前記光学特性を導出する。
これにより、フレネル反射特性の影響により生じる誤差を補正することで、光学特性値を正確に測定できる。なお、フレネル反射特性の影響により生じる誤差とは、具体的には、反射角のずれ及び反射光の出力の変動などである。
また、上述の光学特性測定装置において、前記光学特性演算部は、前記補正出力を求める際に、前記各受光素子が受光した前記反射光と前記測定試料表面の法線とのなす角度によるフレネル反射率の逆数を、当該各受光素子の出力に乗じることが好ましい。
これにより、フレネル反射特性に基づいた補正を容易に実現でき、光学特性値を正確に測定できる。
また、上述の光学特性測定装置において、前記光学特性演算部は、前記測定試料表面の法線と前記反射光とのなす角度が正規角度である場合のフレネル反射率を、前記各受光素子が受光した前記反射光と前記測定試料表面の法線とのなす角度によるフレネル反射率で除した値に、当該各受光素子の出力を乗じることで、前記補正出力を求めることが好ましい。
これにより、フレネル反射特性に基づいた補正を容易に実現でき、光学特性値を正確に測定できる。
また、上述の光学特性測定装置において、前記光学特性演算部は、フレネル反射特性を表す成分を含む分布関数により、前記受光部の出力の分布を近似した結果を用いて、前記補正出力を求めることが好ましい。
これにより、フレネル反射特性に基づいた補正を容易に実現でき、光学特性値を正確に測定できる。
また、上述の光学特性測定装置において、前記分布関数は、前記測定試料表面と測定基準面との角度ずれ量を、パラメータとして含むことが好ましい。
これにより、角度ずれ量を正確に求めることができ、光学特性値をより正確に測定できる。
また、上述の光学特性測定装置において、前記光学特性演算部は、前記各受光素子の出力と、前記分布関数を当該各受光素子に対応する積分区間において積分した積分値との差が最小となるように、前記分布関数を決定し、前記決定した分布関数における前記角度ずれ量を0として、前記補正出力を示す補正分布関数を求め、前記補正分布関数を、所定の積分区間において積分することで、前記光学特性を導出することとが好ましい。
これにより、反射光の出力の変動を補正することができ、光学特性値をより正確に測定できる。
また、上述の光学特性測定装置において、前記フレネル反射特性は、前記測定試料に対応する屈折率を用いて算出されることが好ましい。
これにより、より正確なフレネル反射特性を得ることができ、正確な光学特性測定が可能である。
また、上述の光学特性測定装置において、前記光学特性演算部は、前記受光部の出力に基づいて前記屈折率を推定することが好ましい。
これにより、測定試料の屈折率が不明の場合であっても、フレネル反射特性を用いた補正ができ、正確な光学特性測定が可能である。
また、上述の光学特性測定装置において、さらに、屈折率入力部を備え、前記屈折率は、前記屈折率入力部により入力された屈折率であることが好ましい。
これにより、測定試料の正確な屈折率がわかるため、より正確にフレネル反射特性を用いた補正ができ、正確な光学特性測定が可能である。
また、上述の光学特性測定装置において、前記分布関数は、前記測定試料の屈折率をパラメータとして含み、前記光学特性演算部は、前記受光部の出力の分布を前記分布関数により近似する際に、前記測定試料の屈折率を最適化することが好ましい。
これにより、分布関数による近似をする際に屈折率を求めることができ、容易に補正を行うことができる。
また、上述の光学特性測定装置において、前記光学特性演算部は、前記補正出力のうち所定の切取り範囲における補正出力に基づいて、前記光学特性を導出することが好ましい。
これにより、最適な補正値を得ることができる。
また、上述の光学特性測定装置において、前記切取り範囲は、前記受光部の出力のうち最大強度となる箇所の近傍とすることが好ましい。
これにより、最適な補正値を得ることができる。
また、本発明の他の一態様に係る光学特性測定方法は、測定試料に光を照射して、照射された光が前記測定試料で反射された反射光の出力に基づいて光学特性を導出する光学特性測定方法であって、前記反射光の出力をフレネル反射特性に基づいて補正した補正出力を求め、前記補正出力に基づいて光学特性を導出する。
これにより、フレネル反射特性の影響により生じる誤差を補正することができ、光学特性値を正確に測定できる。なお、フレネル反射特性の影響により生じる誤差とは、具体的には、強度分布のピーク位置ずれ及び反射光の出力の変動などである。
本発明に係る光学特性測定装置および光学特性測定方法によれば、フレネル反射特性の影響により生じる誤差を補正することで、光学特性値を正確に測定することが可能である。
以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
まず、本発明で用いるフレネル反射率について説明する。光が界面で反射される場合に、界面での振幅反射率を与える式をフレネル係数という。フレネル係数は、斜め入射の場合にはp波およびs波において異なる値となる。なお、光の成分のうちベクトルが入射面内で振動するものをp波といい、光の成分のうちベクトルが入射面に垂直に振動するものをs波という。屈折率がnの物質から屈折率がnの物質に光が入射するときのp波およびs波に対するフレネル係数rpおよびrsは、それぞれ以下に示される式(1−1)および式(1−2)で表される。ただし、入射角はαであり、屈折角はβである。ここで、入射角とは界面の法線と入射光とがなす角をいい、屈折角とは界面の法線と屈折光とがなす角をいう。
Figure 2009156789
さらに、光強度についてのp波の反射率Rpおよびs波の反射率Rsは、それぞれ以下に示される式(2−1)および式(2−2)で表される。
Figure 2009156789
本明細書においては、p波とs波はそれぞれ半分ずつであると考えて、フレネル反射率Rは、以下に示す式(3)を用いる。
Figure 2009156789
図1は、実施形態の光学特性測定装置における光学系の構成を示す図である。図2は、実施形態の光学特性測定装置における開口板の構成を示す図である。図3は、実施形態の光学特性測定装置における受光部の構成を示す図である。図4は、実施形態の光学特性測定装置における電気的な構成を示す図である。
まず、本発明に係る実施の一形態における光学特性測定装置1の光学的な構成について説明する。図1ないし図3において、光学特性測定装置1は、測定試料SMの試料表面SMaにおける所定領域に光を照射する照明側光学系(光照射部)10と、前記所定領域からの反射光を受光する受光側光学系20とを備えて構成される。
照明側光学系10および受光側光学系20は、測定試料SMの試料表面SMaにおける或る点を通る試料表面SMaの法線Gに対して互いに反対側の領域に配設される。照明側光学系10は、その光軸13aが測定試料SMの試料表面SMaにおける或る点を通る試料表面SMaの法線Gに対して角度θ1をなし、受光側光学系20は、その光軸22aが法線Gに対して角度θ2をなす。具体的には、角度θ1は入射角であり、角度θ2は反射角である。一般的には、角度θ1および角度θ2は同一の値である。
角度θ1および角度θ2は任意の角度でよいが、測定試料SMが光学特性測定装置1に対して正規姿勢である場合において、角度θ1および角度θ2は、例えばISOやJISなどによって規格化されており、20度、60度または85度とされる。本実施形態では、光学特性の一例である60度光沢を測定するために、正規姿勢における角度θ1および角度θ2は、ASTMD523の規定に基づいて所定の角度である60度とされている。したがって、照明側光学系10と受光側光学系20とは、これらの光軸13aおよび光軸22aが試料表面SMaの法線Gを対称軸とする線対称となるように、それぞれ配設されている。なお、正規姿勢の場合の角度θ1および角度θ2を正規角度という。本実施形態においては、正規角度は60度である。
照明側光学系10は、光源部11と、照明側開口板12と、照明レンズ13とを備え、試料表面SMaから遠い順に光源部11、照明側開口板12および照明レンズ13が各光軸を光軸13aに揃えて配置されている。
光源部11は、例えばLEDなどの発光素子を備えて構成され、試料表面SMaに向けて光を放射する装置である。照明側開口板12は、光源部11から試料表面SMaに向けて放射された光を所定の開き角に規制する部材である。照明側開口板12は、例えば、本実施形態では、光源部11から放射され試料表面SMaに照射すべき光の波長を遮光する材料で形成された板状部材であり、図2に示すように、照明側開口12aが照明側開口板12を貫通するように穿設されている。この照明側開口12aは、画角にして、幅(図1では紙面内略上下方向)wが0.75度であって、高さ(図1では紙面垂直方向)hが2.5度の矩形形状とされている。照明レンズ13は、照明側開口板12の照明側開口12aを通過した光を光軸13aに略平行な平行光束11aとして試料表面SMaに導く光学素子である。
受光側光学系20は、受光部21と、受光レンズ22とを備え、試料表面SMaから遠い順に受光部21および受光レンズ22が各光軸を光軸22aに揃えて配置されている。受光レンズ22は、測定試料SMの試料表面SMaからの反射光を集光して受光部21の受光面に導く光学素子である。
受光部21は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子からなる複数の受光素子を備え、本実施形態では、各受光素子から直接的に各出力が引き出されるように構成されている。受光部21は、光学特性を求める対象の領域よりも大きな受光面を持っている。受光部21の各受光素子は、照明側光学系10によって試料表面SMaに照射され当該試料表面SMaによって反射された反射光における光を受光することによって、受光量に応じた電気信号をそれぞれ出力する。
照明側光学系10および受光側光学系20において、照明側開口板12における照明側開口12aの位置と、受光部21における受光面の位置とは、光学的に共役な位置関係になるように受光部21が配設される。なお、測定試料SMの姿勢の変化が予め設定された所定の角度までならば、略正反射光方向の成分が受光部21の受光面に入射されるように受光面の大きさと受光レンズ22の焦点距離fとが設定される。
本実施形態では、受光部21は、例えば図3に示すように、一方向に配列された7個の受光素子p0〜p6を備え、各受光素子p0〜p6から直接的に各出力が引き出されるように構成されたシリコンフォトダイオードアレイを備えて構成されている。ここで、光が照射され、照明側開口板12の照明側開口12aの像が受光部21の受光面に結像した場合に、照明側開口12aの幅w方向と各受光素子p0〜p6の配列方向とが一致するように、受光部21は、受光レンズ22の焦点位置fに配設される。また、正規姿勢の場合には、前述のように角度θ2は60度である。このとき、略正反射方向の成分21aの光の強度のピークは、7個の受光素子p0〜p6のうちp2に照射されるように各受光素子p0〜p6は配置されている。また、反射光の角度が変化した場合に、角度θ2が、56度、58度、62度、64度、66度および68度になった場合には、それぞれ受光素子p0、p1、p3、p4、p5、およびp6に略正反射方向の成分21aの光の強度のピーク位置が来るように各受光素子p0〜p6は配置されている。
次に、光学特性測定装置1の電気的な構成について説明する。図4において、光学特性測定装置1は、光源部11と、受光部21と、制御部31と、発光駆動部32と、アナログディジタル変換部(以下、「A/D変換部」と略記する。)33と、記憶部34と、表示部35と、入力操作部36とを備えて構成される。
光源部11および受光部21は、図1に示す光源部11および受光部21に対応する。発光駆動部32は、制御部31の制御に従って光源部11に発光動作を行わせる回路である。A/D変換部33は、受光部21のアナログ出力を、複数のビット(例えば8ビットや10ビットなど)からなるディジタル信号に変換する回路である。A/D変換部33には、受光部21における各受光素子からの各出力がパラレルにあるいはシリアルにそれぞれ入力される。記憶部34は、A/D変換部33から出力されたディジタル信号を一時的に記憶する回路であり、このディジタル信号に対して制御部31によって各種処理を行うための作業領域として用いられる。
表示部35は、入力操作部36の操作結果や、制御部31により導出された測定試料SMの例えば光沢度などの光学特性値や測定試料SMの屈折率などを表示する回路であり、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示回路を備えて構成される。入力操作部36は、光学特性測定装置1の主電源のオンオフを切り替えるための電源ボタン回路や、光学特性の測定開始を指示する測定開始指示を入力するためのスイッチ回路などを含むものである。また、入力操作部36は、測定試料SMの屈折率を入力するための屈折率入力部としても機能することとしてもよい。すなわち、所定の屈折率を指示するためのボタン回路などを含むこととすればよい。入力操作部(屈折率入力部)36より、測定試料SMの屈折率を入力することで、正しいフレネル反射率を算出することができ、より正確な補正を行うことができる。なお、入力操作部36とは別に屈折率入力部を設けてもかまわない。
制御部31は、測定試料SMの光学特性を測定すべく、上記各部を当該機能に応じてそれぞれ制御する回路である。例えば、制御部31は、例えば制御プログラムなどを記憶する記憶素子、制御プログラムに従って動作するマイクロプロセッサおよびその周辺回路を備えたマイクロコンピュータによって構成される。記憶素子は、例えば、不揮発性のROM(Read Only Memory)、書き換え可能な不揮発性のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)および揮発性のRAM(Random Access Memory)
などを備えて構成される。制御部31は、機能的に、発光制御部31aと、受光制御部31bと、光学特性演算部31cと、表示制御部31dとを備えている。
発光制御部31aは、発光駆動部32の動作を制御するものであり、入力操作部36による測定試料SMの光学特性測定開始の指示が入力されると、光源部11に所定時間の発光動作を行わせる。受光制御部31bは、A/D変換部33の動作を制御するものであり、入力操作部36による測定試料SMの光学特性測定開始の指示が入力されると、光源部11の発光タイミングに応じて受光部21のアナログ出力をディジタル信号に変換する動作をA/D変換部33に行わせる。光学特性演算部31cは、A/D変換部33からのディジタル信号に基づいて測定試料SMの光学特性を導出する。
本実施形態では、光学特性演算部31cは、受光部21の出力とフレネル反射特性に基づき測定試料SMの光学特性を導出する。表示制御部31dは、光学特性演算部31cによって算出された光学特性値を表示部35に表示させる。また、表示制御部31dは、光学特性値だけでなく、角度ずれ量や、試料表面SMaが測定基準面に対して傾いている方向などを表示部35に表示させることとしてもよい。ここで、角度ずれ量は、試料表面SMaが曲面などであった場合に、生じる試料表面SMaと測定基準面とのずれ量をいい、言い換えると、正規角度(60度)と変化後の角度θ1との差をいう。したがって、正規姿勢であれば、角度ずれ量は0である。
上記表示内容からユーザが測定の信頼度を判断することができる。なお、上記角度などの表示は、文字あるいはグラフなどで行うこととすれば、ユーザが理解しやすく好ましい。さらに、角度ずれ量が一定の範囲を超えた場合は、警告メッセージを表示して、ユーザに知らせることとすれば、補正の信頼度が低いことをユーザが見落としにくくなり、好ましい。なお、光学特性測定装置1は、警告メッセージと同時に警告音を鳴らすよう、警告ブザーなどを備えることとしてもよい。
なお、制御部31、表示部35および入力操作部36は、パーソナルコンピュータ、表示装置およびキーボードなどの外部機器により構成してもよい。
次に、光学特性測定装置1の動作について説明する。図5は実施形態における光学特性の演算手順を説明するための図である。図5(A)は受光部における各受光素子の出力値を示す図である。また、図5(B)は補正した後の各受光素子の出力値を示す図である。図5(A)および図5(B)において、その横軸は受光素子pn(n=0〜6)を表し、その縦軸は受光素子pnの出力値Pnおよび補正後の出力値Rnを示す。図5(C)は補正前および補正後の受光部の出力を基に導出された強度分布(光沢プロファイル)を示す図であり、図5(D)は強度分布で表された出力の切り出し位置を説明する図である。図5(C)および図5(D)の横軸はx軸であり、その縦軸は出力を表す。x軸は、図1および図3に示すように各受光素子p0〜p6の配列方向に設定される。
ユーザによって測定試料SMが光学特性測定装置1に配置され、入力操作部36から測定試料SMの屈折率が入力され、光学特性測定開始の指示が入力されると、制御部31の発光制御部31aは、光源部11に発光動作を行わせる。
光源部11から射出された光は、照明側開口板12の照明側開口12aによって所定の開き角に規制され、照明レンズ13によって光軸13aに略平行な平行光束11aとされ、測定試料SMの試料表面SMaに照射される。そして、試料表面SMaによって反射された反射光における略正反射方向の成分21aの光は、受光レンズ22によって収束され、受光部21で受光される。
制御部31の受光制御部31bは、光源部11の発光タイミングに応じて受光部21のアナログ出力をディジタル信号に変換する動作をA/D変換部33に行わせる。本実施形態では、受光部21は、上述したように、7個の受光素子p0〜p6を備えて構成されており、各受光素子p0〜p6のアナログ出力がA/D変換部33によってディジタル信号に変換される。例えば、図5(A)に示すように、受光素子p0では受光出力値P0が出力され、受光素子p1では受光出力値P1が出力され、受光素子p2では受光出力値P2が出力され、受光素子p3では受光出力値P3が出力され、受光素子p4では受光出力値P4が出力され、受光素子p5では受光出力値P5が出力され、そして、受光素子p6では受光出力値P6が出力される。
制御部31の光学特性演算部31cは、フレネル反射特性を用いて各受光出力値P0〜P6を補正する。まず、本補正で用いるフレネル反射特性の逆数について、図6を用いて説明する。図6はフレネル反射特性の逆数を説明するための図である。図6(A)はフレネル反射特性およびフレネル反射特性の逆数を示す図であり、図6(B)は、フレネル反射特性の逆数のカウント値を示す図である。図6(A)において横軸はx軸であり、縦軸は反射率を表す。ただし、フレネル反射特性の逆数は、規格化された無単位の値であるので、縦軸の反射率はフレネル反射特性を示すものである。なお、x軸は、図1および図3に示すように各受光素子p0〜p6の配列方向に設定される。また、図6(B)において横軸は受光素子pn(n=0〜6)を表し、その縦軸はフレネル反射特性の逆数の値を表す。
図6(A)に示す、フレネル反射特性は具体的には反射率とxとの関係を示すものである。また、フレネル反射特性の逆数とは、具体的には、各受光素子p0〜p6に対して、各受光素子p0〜p6が受光した反射光と試料表面SMaの法線Gとのなす角度θ2によるフレネル反射率の逆数に、角度θ2が正規角度(60度)である場合のフレネル反射率を乗じたものである。なお、角度θ2が正規角度(60度)である場合のフレネル反射率を乗じるのは、正規角度における受光素子p2における出力値を基準として、補正の前後でこの値は変化させないためである。
なお、フレネル反射特性の逆数を言い換えると、角度θ2が正規角度(60度)である場合のフレネル反射率を、各受光素子p0〜p6が受光した反射光と試料表面SMaの法線Gとのなす角度θ2によるフレネル反射率で除した値である。したがって、x座標が、正規角度に対応する受光素子p2の位置の場合は、フレネル反射特性の逆数は1となる。なお、フレネル反射特性は破線で、フレネル反射特性の逆数は実線で表されている。
フレネル反射特性はxの値が大きくなるにしたがって、反射率が大きくなっていっている。しかし、フレネル反射特性の逆数はxの値が大きくなるにしたがって、小さくなっていく。図6(B)は図6(A)に示したフレネル反射特性の逆数を、対応する受光素子p0〜p6ごとにカウント値で表したものである。具体的には、Q0は角度θ2が60度のときのフレネル反射率を角度θ2が56度のときのフレネル反射率で除した値であり、Q1は角度θ2が60度のときのフレネル反射率を角度θ2が58度のときのフレネル反射率で除した値であり、Q2は角度θ2が60度のときのフレネル反射率を角度θ2が60度のときのフレネル反射率で除した値であり、Q3は角度θ2が60度のときのフレネル反射率を角度θ2が62度のときのフレネル反射率で除した値であり、Q4は角度θ2が60度のときのフレネル反射率を角度θ2が64度のときのフレネル反射率で除した値であり、Q5は角度θ2が60度のときのフレネル反射率を角度θ2が66度のときのフレネル反射率で除した値であり、Q6は角度θ2が60度のときのフレネル反射率を角度θ2が68度のときのフレネル反射率で除した値である。
光学特性演算部31cは、図6(B)に示されたフレネル反射特性の逆数のカウント値Q0〜Q6を予め、例えば、測定試料SMの屈折率に応じて記憶しておくか、あるいは補間演算などにより求める。なお、測定試料SMの屈折率はユーザが屈折率入力部より入力した値を用いればよい。そして、フレネル反射特性の逆数のカウント値Q0〜Q6をそれぞれ、各受光素子p0〜p6に対応する各受光出力値P1〜P6に乗じる。これによって、各受光出力値P1〜P6は補正され、それぞれ補正された各受光出力値R1〜R6が導出される。補正された各受光出力値R1〜R6は、具体的には図5(B)に示されている。
図5(A)と図5(B)とを比較するとわかるように、補正前は受光素子p4の受光出力値P4が最大出力値であったが、補正後は受光素子p3の補正された受光出力値R3が最大出力値となっている。補正後には、受光素子p3の位置が最大出力になっているので、反射角は62度である。補正後のピーク位置と正規角度(60度)との差は、2度であることから、試料表面SMaと測定基準面との角度ずれ量は2度である。なお、正規角度(60度)に対応する受光素子p2の受光出力値P2と補正された受光出力値R2は等しい。
また、制御部31の光学特性演算部31cは、補正された受光出力値R1〜R6に基づいて、受光部21の受光面上に設定された一方向に延びる直線、例えば図1および図3に示す上記x軸に沿った反射光の受光量の分布を表す強度分布(光沢プロファイル)を求める。具体的には、光沢プロファイルは図5(C)に示されている。なお、図5(C)においては、比較のため、補正前の受光出力値P1〜P6をもとに求めた、光沢プロファイルも記載してある。具体的には、補正前の光沢プロファイルは破線で、補正後の光沢プロファイルは実線で表されている。上述したが、図5(C)に示すように、補正後と補正前では、最大出力の位置が異なっていることがわかる。さらに、最大出力の値も異なっており、補正後の方が、最大出力値が減少している。このように、上記補正により、角度ずれ量および出力値の両方が補正されている。
次に、光学特性演算部31cは、図5(D)に示すように、この求めた光沢プロファイルのうちから、光沢計算に用いる領域である切取りエリア(切取り範囲)を決定する。切取りエリアは、具体的には、光沢プロファイルのピーク位置を中心にして、x軸に沿ってプラス側およびマイナス側にW/2ずつ割り振った範囲Wとする。本実施形態では、切取りエリアの範囲Wは4.4度としている。上述したように、本実施形態では正規角度である所定の角度θ1、角度θ2を光沢値測定の場合の規格に合わせて60度としており、この場合はWが4.4度であることが規格化されているからである。なお、切取りエリアの決定は、この方法に限らず、例えば、光沢プロファイルの重心位置を中心として、x軸に沿ってプラス側およびマイナス側にW/2ずつ割り振った範囲Wとしてもよい。また、一定の範囲において、光沢プロファイルを範囲Wについて積分していき、もっとも積分値が大きくなった箇所としてもよい。
切取りエリアが決定されると、光沢プロファイルのうち決定された切取りエリアの範囲内における受光強度Ruを求める。受光強度Ruを求めるためには、例えば、切取りエリアの範囲内における光沢プロファイルのカウント値の総和を求めればよい。なお、切取りエリアの端部にかかる部分のカウント値においては、切取りエリアの範囲に応じてカウント値を按分してもよいし、その他の補間手法を用いてもかまわない。受光強度Ruが求まると、それを用いて光沢値を求める。例えば、値付けされた校正板を測定したときの受光強度をCsとし、校正板に値付けされた光沢値をGcとすると、光沢値Guは、以下に示す式(4)で表される。
Figure 2009156789
このように、本実施形態の光学特性測定装置によれば、フレネル反射特性の影響を除去するよう補正をするので、より正確な光学特性の測定ができる。
なお、フレネル反射特性は正反射光に対して該当する原理であり、拡散光には該当しないことから、上記光沢値などの光学特性値を導出する場合には、拡散成分を除去した正反射成分のみの光沢プロファイルを用いることが望ましい。拡散成分を分離するためには、公知の方法を用いればよい。例えば、対比光沢度を求めるための公知の方法、すなわち正反射の受光光学系と同様の光学系を、試料表面SMaに対して垂直方向などの拡散方向にも配置し、正反射光と拡散反射光の比を求める方法を用いればよい。
また、ユーザが測定試料SMの屈折率を入力しない場合であっても、光学特性測定装置1は補正をせずに導出した光沢値に基づいて測定試料SMの屈折率を推定して、その推定した屈折率を用いて算出したフレネル反射率を用いて補正を行うこととしてもよい。
図7は銀とガラスとのフレネル反射特性を示す図である。横軸は反射角度であり、縦軸は反射率である。なお、銀は金属であり、屈折率は∞(無限大)である。また、図7で示したガラスは屈折率を1.567とした。図7からもわかるように、ガラスと銀ではフレネル反射特性が大きく異なる。図7に示しているように、銀の反射率は反射角度にあまり依存せず、ほぼ一定値である。しかし、ガラスの反射率は、反射角度が60度程度まではほぼ一定であるが、それ以上は反射角度が大きくなると反射率が急激に高くなる。また、ガラスと銀は光沢値においても異なる。具体的には、光沢値が100GU以上の物質の屈折率は金属の屈折率に近く、光沢値が100GU未満の物質の屈折率はガラスの屈折率に近い傾向にある。このことを利用して、測定試料SMを屈折率が金属に近い物質またはガラスに近い物質に分類し、その分類によって測定試料SMの屈折率を推定することができる。例えば、100GUを境界として、100GU以上であれば金属とし、100GU未満であればガラスと推定することとすればよい。
具体的には、まず光学特性測定装置1において、補正をせずに測定試料SMの光沢値を求める。光学特性演算部31cはその光沢値が100GU以上であれば屈折率を無限大としてフレネル反射率を算出し、その値が100GU未満であれば屈折率を1.567としてフレネル反射率を算出する。そして、光学特性演算部31cは、算出したフレネル反射率を用いて、上述の補正を行うことでおおよそではあるが十分な補正を行うことができる。なお、上述の説明では、光沢値が100GUを基準として2つの屈折率を推定することとしたが、これ以外の光沢値を基準としてもよいし、基準の数をさらに増やして推定する屈折率の数を増やしてもかまわない。
なお、本発明の実施形態に係る光学特性測定装置1の受光部21はx軸方向に受光素子p0〜p6が並んでいる構成であり、いわゆる一次元の配置としている。しかし、本発明の光学特性測定装置は、この配置に限定されるわけではなく、例えば受光素子を二次元の配置としてもよい。その場合も、一次元の配置の場合と同様に、各受光素子が光のピークとなった場合の試料表面SMaの法線Gと反射光とのなす角度を求めることができるよう、各受光素子を配置すればよい。それにより各受光素子の出力をもとにフレネル反射率を算出し、補正を行うことができる。
次に、本実施形態に係る光学特性測定装置の他の一態様であって、光学特性演算部31cによる補正の方法が、上述の方法とは異なる、光学特性測定装置1について説明する。なお、この補正においても、上述の実施形態に係る光学特性測定装置1と同様に、光学特性演算部31cにおいてフレネル反射特性を用いて、フレネル反射特性に起因する誤差を補正する。具体的には、フレネル反射特性を加味した分布関数に受光部21で得た出力の分布を近似した結果を用いて、補正を行う。以下、他の一態様である光学特性測定装置の光学特性演算部31cの演算方法について説明する。
本実施形態に係る光学特性測定装置の他の一態様における、光学特性演算部31cの演算手順について図8を用いて説明する。図8は、他の補正方法における光学特性の演算手順を説明するための図である。図8(A)は、受光部における各受光素子の出力値を示す図であり、その横軸は、受光素子pn(n=0〜6)を表し、その縦軸は、受光素子pnの出力値Pnを示す。図8(B)は、受光部21の出力を近似した分布関数P(x)を示す図であり、図8(C)は、光学特性値を求めるための分布関数P´(x)の積分範囲を説明するための図である。図8(B)、(C)の横軸は、x軸であり、その縦軸は、分布関数の関数値P(x)を表す。x軸は、図1および図3に示すように各受光素子p0〜p6の配列方向に設定される。
制御部31の光学特性演算部31cは、まず、受光部21の受光面上に設定された一方向に延びる直線、例えば図1および図3に示す上記x軸に沿った反射光の受光量の分布を表す分布関数P(x)を受光部21の出力に基づいて求める。より具体的には、制御部31の光学特性演算部31cは、受光部21の出力を一次元の分布関数P(x)で近似する。
用いる分布関数P(x)は、具体的には式(5)に表す。P(x)には、フレネル反射特性が加味されている。
Figure 2009156789
ここで、xはx軸上の任意の位置を表し、aは光源部11からの光の光束の任意の位置における微小に分解された1本の光が試料表面SMaに入射し、反射した場合における、受光部21における光沢プロファイルの中心位置を表している。fは受光レンズ22の焦点距離であり、nは光源部11からの光が測定試料SMに入射する前に伝搬していた媒体、すなわち空気の屈折率であって1である。nは測定試料SMの屈折率であって、例えば測定試料SMがガラスであれば屈折率は1.567などであり、金属であれば屈折率は無限大である。pは試料表面SMaが鏡面である場合の受光部21におけるx軸に沿った像の幅である。また、θiは正規姿勢の場合の角度θ1および角度θ2の値とすればよい。本実施形態では、上述したように60度を用いているため、θiは60とすればよい。
x0は受光部21における受光量の分布の中心座標であり、角度ずれ量を示す。Nは反射光の正反射成分の幅であり、Lは反射光の拡散成分の発光強度であり、Sは反射光の正反射成分の発光強度である。P(x)は、これらx0、N、L、Sが決定すると確定する。
したがって、光学特性演算部31cは、受光部21における各受光素子p0〜p6の受光出力値P0〜P6を用いて、式(5)の受光量の分布の中心座標x0、反射光の正反射成分の幅N、反射光の拡散成分の発光強度Lおよび反射光の正反射成分の発光強度Sを求め、受光部21の出力を表す分布関数P(x)を求め、受光部21の出力を近似する。より具体的には、図8(A)および図8(B)に示すように、各受光素子p0〜p6の受光出力値P0〜P6と、各受光素子p0〜p6の受光領域に対応する範囲で、式(5)の分布関数P(x)を積分した各積分値T0〜T6とが最も一致するように、分布関数P(x)を求め、受光部21の出力を近似する。なお、T0〜T6は、それぞれ、以下に示す式(6)により求められる。ここで、xsn(n=0〜6)は各受光素子p0〜p6の中心位置であり、swaは各受光素子p0〜p6のx軸方向に沿った幅である。
Figure 2009156789
さらに具体的には、各受光素子p0〜p6の受光出力値P0〜P6と、各受光素子p0〜p6の受光領域に対応する範囲で、式(6)で表されたT0〜T6との差の二乗和Dが最小となるように、未知数x0、N、L、Sの値を決定する。なお、二乗和Dは、以下に示す式(7)で表される。決定された未知数x0、N、L、Sより、分布関数P(x)を確定し、受光部21の出力を近似する。
Figure 2009156789
測定試料SMが低光沢材料である場合に、フレネル反射特性の影響により反射角度が増加する現象が生じるが、分布関数P(x)にはフレネル反射特性が加味されていることから補正され、このときの角度ずれ量x0を正しく求めることができる。
さらに、光学特性演算部31cは確定した分布関数P(x)において、角度ずれ量x0には0を代入して図8(C)に示す分布関数P´(x)を求める。分布関数P´(x)は、角度ずれが生じず、正規姿勢であって、理想的な測定状態で光学特性を測定した場合の光沢プロファイルを表している。また、分布関数P´(x)においては、フレネル反射特性の影響により、出力値が増減する現象についても、補正されている。
次に、光学特性演算部31cは、図8(C)に示すように、この求めた分布関数P´(x)をそのx=0を中心に、幅W=4.4度に相当する範囲(−W/2〜W/2、積分区間)について積分し、積分値Sを求める。すなわち、光学特性演算部31cは、式3によって分布関数P´(x)の積分値Sを求める。なお、具体的には、積分値Sは以下に示す式(8)により表される。
Figure 2009156789
さらに、求めた積分値Sから切取りエリアの範囲Wにおける光沢値を求める。
以上のように、実施の形態2に係る光学特性測定装置1における光学特性演算部31cは、分布関数を用いた近似により、フレネル反射特性の影響による誤差を補正して、より正確な光学特性値を測定することができる。
なお、フレネル反射特性を求めるために必要な測定試料SMの屈折率の設定方法については、上述の方法を用いてもよいし、式(5)において、測定試料SMの屈折率nも未知数としておき、上記他の未知数x0、N、L、Sを求める際に屈折率nも決定するようにしてもよい。
以上説明してきたように、本発明の実施の形態に係る光学特性測定装置1は、フレネル反射特性の影響により生じた誤差を補正して、正確な光学特性測定ができるという効果を奏する。なお、上述において、本発明の光学特性測定装置により光沢値を測定する場合を説明したが、光沢値だけでなく、ヘーズ値や表色系の値など、その他の光学特性を測定することもできる。また、同様にして、光学特性測定方法も実現でき、それにより、正確な光学特性測定ができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
実施形態の光学特性測定装置における光学系の構成を示す図である。 実施形態の光学特性測定装置における開口板の構成を示す図である。 実施形態の光学特性測定装置における受光部の構成を示す図である。 実施形態の光学特性測定装置における電気的な構成を示す図である。 実施形態における光学特性の演算手順を説明するための図であって、図5(A)は受光部における各受光素子の出力値を示す図であり、図5(B)は補正した後の各受光素子の出力値を示す図であり、図5(C)は補正前および補正後の受光部の出力を基に導出された強度分布(光沢プロファイル)を示す図であり、図5(D)は強度分布で表された出力の切り出し位置を説明する図である。 フレネル反射率の逆数を説明するための図であって、図6(A)はフレネル反射特性およびフレネル反射特性の逆数を示す図であり、図6(B)は、フレネル反射特性の逆数のカウント値を示す図である。 銀とガラスとのフレネル反射特性を示す図である。 実施形態における光学特性の演算手順を説明するための図であって、図8(A)は受光部における各受光素子の出力値を示す図であり、図8(B)は受光部21の出力を近似した分布関数P(x)を示す図であり、図8(C)は光学特性値を求めるための分布関数P´(x)の積分範囲を説明するための図である。 背景技術における光学特性測定装置の光学的な構成を示す図である。 背景技術における光学特性測定装置の補正方法を説明する図であって、図10(A)は正規姿勢での受光部に形成された像を示す図であり、図10(B)は正規姿勢でなく傾いた状態での受光部に形成された像を示す図であり、図10(C)は切取りエリアが像を追従している状態を示す図である。
符号の説明
1、100 光学特性測定装置、
10、110 照明側光学系
11、111 光源部
11a、111a 平行光束
12、112 照明側開口板
12a、112a 照明側開口
13、113 照明レンズ
13a、113a 光軸
20、120 受光側光学系
21、121 受光部
21a、121a 略正反射方向の成分
22a、122a 光軸
22、122 受光レンズ
31 制御部
31a 発光制御部
31b 受光制御部
31c 光学特性演算部
31d 表示制御部
32 発光駆動部
33 A/D変換部
34 記憶部
35 表示部
36 入力操作部
121b 像
130 切取りエリア

Claims (13)

  1. 測定試料に光を照射する光照射部と、前記光照射部から照射された光が前記測定試料で反射された反射光を受光する複数の受光素子を有する受光部と、前記受光部の出力に基づいて光学特性を導出する光学特性演算部とを備える光学特性測定装置であって、
    前記光学特性演算部は、前記受光部の出力をフレネル反射特性に基づいて補正した補正出力を求め、前記補正出力に基づいて前記光学特性を導出することを特徴とする光学特性測定装置。
  2. 前記光学特性演算部は、前記補正出力を求める際に、前記各受光素子が受光した前記反射光と前記測定試料表面の法線とのなす角度によるフレネル反射率の逆数を、当該各受光素子の出力に乗じる請求項1に記載の光学特性測定装置。
  3. 前記光学特性演算部は、前記測定試料表面の法線と前記反射光とのなす角度が正規角度である場合のフレネル反射率を、前記各受光素子が受光した前記反射光と前記測定試料表面の法線とのなす角度によるフレネル反射率で除した値に、当該各受光素子の出力を乗じることで、前記補正出力を求める請求項1に記載の光学特性測定装置。
  4. 前記光学特性演算部は、フレネル反射特性を表す成分を含む分布関数により、前記受光部の出力の分布を近似した結果を用いて、前記補正出力を求める請求項1に記載の光学特性測定装置。
  5. 前記分布関数は、前記測定試料表面と測定基準面との角度ずれ量を、パラメータとして含む請求項4に記載の光学特性測定装置。
  6. 前記光学特性演算部は、前記各受光素子の出力と、前記分布関数を当該各受光素子に対応する積分区間において積分した積分値との差が最小となるように、前記分布関数を決定し、
    前記決定した分布関数における前記角度ずれ量を0として、前記補正出力を示す補正分布関数を求め、
    前記補正分布関数を、所定の積分区間において積分することで、前記光学特性を導出する請求項5に記載の光学特性測定装置。
  7. 前記フレネル反射特性は、前記測定試料に対応する屈折率を用いて算出される請求項1に記載の光学特性測定装置。
  8. 前記光学特性演算部は、前記受光部の出力に基づいて前記屈折率を推定する請求項7に記載の光学特性測定装置。
  9. さらに、屈折率入力部を備え、前記屈折率は、前記屈折率入力部により入力された屈折率である請求項7に記載の光学特性測定装置。
  10. 前記分布関数は、前記測定試料の屈折率をパラメータとして含み、
    前記光学特性演算部は、前記受光部の出力の分布を前記分布関数により近似する際に、前記測定試料の屈折率を最適化する請求項4に記載の光学特性測定装置。
  11. 前記光学特性演算部は、前記補正出力のうち所定の切取り範囲における補正出力に基づいて、前記光学特性を導出する請求項1に記載の光学特性測定装置。
  12. 前記切取り範囲は、前記受光部の出力のうち最大強度となる箇所の近傍とする請求項11に記載の光学特性測定装置。
  13. 測定試料に光を照射して、照射された光が前記測定試料で反射された反射光の出力に基づいて光学特性を導出する光学特性測定方法であって、
    前記反射光の出力をフレネル反射特性に基づいて補正した補正出力を求め、前記補正出力に基づいて光学特性を導出することを特徴とする光学特性測定方法。
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