JP2009151841A - 光情報再生方法、光情報再生装置、及びプログラム - Google Patents

光情報再生方法、光情報再生装置、及びプログラム Download PDF

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晋 安田
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治郎 三鍋
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Abstract

【課題】高いS/Nを維持しながら、常に2枚の再生像を撮像して比較する場合と比べて、ホログラムとして記録されたデジタルデータを高速で読み出すことができる、光情報再生方法、光情報再生装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】S200で第1再生画像の取得処理を実行する。S202で第1再生画像データの誤り検出を行う。S204でエラーが検出されたか否かを判定し、エラーが検出されるとS206で第2再生画像の取得処理を実行する。エラーが検出されない場合は、S204で否定判定して第2の再生画像の取得は行わずにS210に進む。S206で第2再生画像の取得処理が終了すると、S208で2つの画像の輝度の差分を演算し、S210で輝度の差分値を用いてデジタルデータを復号する。エラーが検出されずにS210に進んだ場合は、第1再生画像データからデジタルデータを復号する。
【選択図】図4

Description

本発明は、光情報再生方法、光情報再生装置、及びプログラムに関する。
ホログラフィック・データ・ストレージでは、二値のデジタルデータ「0,1」が「暗(黒画素)、明(白画素)」としてデジタル画像(信号光)化され、信号光はレンズによりフーリエ変換されて光記録媒体に照射される。そして、光記録媒体にはフーリエ変換像がホログラムとして記録される。高記録密度を実現するためには、多重度を大きく、1ページ当たりのデータ量を多くする必要がある。しかしながら、多重度やページデータ量が増加すると、クロストークノイズや散乱などの影響が大きくなり、ホログラム再生像のS/N(シグナル−ノイズ比)が大きく低下してしまう、という問題がある。
この問題を解決するために、本出願人は、同一のホログラムからポジティブ画像とネガティブ画像の2枚の再生像を撮像し、それらを比較することによって両者に共通のノイズを低減する方法を提案している(特許文献1)。
特開2007−179597号公報
本発明の目的は、高いS/Nを維持しながら、常に2枚の再生像を撮像して比較する場合と比べて、ホログラムとして記録されたデジタルデータを高速で読み出すことができる、光情報再生方法、光情報再生装置、及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載の光再生方法は、デジタルデータを明暗画像で表す信号光又は該信号光から直流成分が除去された信号光のフーリエ変換像と参照光とを干渉させて得られた干渉縞がホログラムとして記録された光記録媒体から、前記デジタルデータを再生する光再生方法であって、前記光記録媒体に第1の読出し光を照射して第1の再生光を生成し、逆フーリエ変換された前記第1の再生光を検出して第1の再生画像データを取得するステップと、前記第1の再生画像データの誤り検出を行うステップと、前記誤り検出で誤りが検出された場合に、前記光記録媒体に前記第1の読出し光とは位相分布及び強度分布の少なくとも一方が異なる第2の読出し光を照射して第2の再生光を生成し、逆フーリエ変換された第2の再生光を検出して第2の再生画像データを取得するステップと、前記誤り検出で誤りが検出されない場合には、前記第1の再生画像データに基づいてデジタルデータを復号し、前記誤り検出で誤りが検出された場合には、前記第1の再生画像データと第2の再生画像データとの差分値に基づいてデジタルデータを復号するステップと、を含むことを特徴としている。
請求項2に記載の光再生方法は、請求項1に記載の発明において、前記信号光が位置マーカを表す明暗画像を更に保持し、前記第1の再生画像データの誤り検出を行う前に、前記第1の再生光の逆フーリエ変換像が表す明暗画像から前記位置マーカを検出するステップを更に含み、前記位置マーカが検出できない場合に、前記第1の再生画像データの誤り検出を行うステップを省略し、前記光記録媒体に第2の読出し光を照射して第2の再生光を生成し、逆フーリエ変換された第2の再生光を検出して第2の再生画像データを取得するステップを実行する、ことを特徴としている。
請求項3に記載の光再生装置は、デジタルデータを明暗画像で表す信号光又は該信号光から直流成分が除去された信号光のフーリエ変換像と参照光とを干渉させて得られた干渉縞がホログラムとして記録された光記録媒体から、前記デジタルデータを再生する光再生装置であって、コヒーレント光を射出する光源と、信号光領域と参照光領域とに区分された変調領域を備え、前記変調領域に前記光源から入射した光を変調する変調画素が2次元状に多数配列され、前記変調領域に表示するパターンに応じて入射光の強度及び位相の少なくとも一方を画素毎に変調する空間光変調器と、前記空間光変調器で変調された光をフーリエ変換して、前記光記録媒体に読出し光として照射する光学系と、前記光記録媒体への読出し光の照射により、前記ホログラムから再生された再生光の逆フーリエ変換像を検出する光検出器と、画像データの誤り検出を行う誤り検出部と、前記信号光領域と参照光領域に所定パターンを表示するように前記空間光変調器を駆動制御する駆動制御部と、前記光検出器で検出された再生画像の画像データを取得して保持するデータ保持部と、再生画像の画像データからデジタルデータを復号するデータ復号部と、を有する制御装置と、を備え、前記制御装置では、デジタルデータの再生時に、前記駆動制御部で前記空間光変調器を駆動制御して第1の読出し光を生成するパターンを表示することにより、前記光記録媒体に前記第1の読出し光を照射して、前記光検出器から第1の再生画像データを取得し、取得された第1の再生画像データを前記データ保持部に保持し、前記誤り検出部で取得された前記第1の再生画像データの誤り検出を行い、前記誤り検出部で誤りが検出された場合に、前記駆動制御部で前記空間光変調器を駆動制御して前記第1の読出し光とは位相分布及び強度分布の少なくとも一方が異なる第2の読出し光を生成するパターンを表示することにより、前記光記録媒体に前記第2の読出し光を照射して、前記光検出器から第2の再生画像データを取得して、取得された第2の再生画像データを前記データ保持部に保持し、前記データ復号部は、前記誤り検出部で誤りが検出されない場合には、前記第1の再生画像データに基づいてデジタルデータを復号し、前記誤り検出部で誤りが検出された場合には、前記第1の再生画像データと第2の再生画像データとの差分を演算し、演算された差分値に基づいてデジタルデータを復号する、ことを特徴としている。
請求項4に記載のプログラムは、コヒーレント光を射出する光源と、信号光領域と参照光領域とに区分された変調領域を備え、前記変調領域に前記光源から入射した光を変調する変調画素が2次元状に多数配列され、前記変調領域に表示するパターンに応じて入射光の強度及び位相の少なくとも一方を画素毎に変調する空間光変調器と、前記空間光変調器で変調された光をフーリエ変換して、光記録媒体に読出し光として照射する光学系と、前記光記録媒体への読出し光の照射により、前記光記録媒体から再生された再生光の逆フーリエ変換像を検出する光検出器と、を備えた光再生装置を制御するプログラムであって、デジタルデータを明暗画像で表す信号光又は該信号光から直流成分が除去された信号光のフーリエ変換像と参照光とを干渉させて得られた干渉縞がホログラムとして記録された光記録媒体から、前記デジタルデータを再生する場合に、コンピュータにより、前記光記録媒体に第1の読出し光を照射して第1の再生光を生成し、逆フーリエ変換された前記第1の再生光を検出して第1の再生画像データを取得するステップと、前記第1の再生画像データの誤り検出を行うステップと、前記誤り検出で誤りが検出された場合に、前記光記録媒体に前記第1の読出し光とは位相分布及び強度分布の少なくとも一方が異なる第2の読出し光を照射して第2の再生光を生成し、逆フーリエ変換された第2の再生光を検出して第2の再生画像データを取得するステップと、前記誤り検出で誤りが検出されない場合には、前記第1の再生画像データに基づいてデジタルデータを復号し、前記誤り検出で誤りが検出された場合には、前記第1の再生画像データと第2の再生画像データとの差分値に基づいてデジタルデータを復号するステップと、を実行させることを特徴としている。
請求項1、3、4に記載された発明によれば、高いS/Nを維持しながら、常に2枚の再生像を撮像して比較する場合と比べて、ホログラムとして記録されたデジタルデータを高速で読み出すことができる、という効果がある。
請求項2に記載された発明によれば、再生画像データの誤り検出を行うステップを省略することができる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
(デジタルデータの復号方法)
図1を参照して第1の実施の形態における復号方法について簡単に説明する。
第1の実施の形態では、二値のデジタルデータ「0,1」が「暗(黒画素)、明(白画素)」としてデジタル画像化された信号光(デジタルパターン)をフーリエ変換し、フーリエ変換された信号光と参照光とを光記録媒体に同時に照射して、光記録媒体に干渉パターンがホログラムとして記録されている場合について説明する。
このホログラムから得られた回折光は、元の信号光を再生したものである。即ち、元の明暗画像の明部は明るく、暗部は暗くなり、回折光の逆フーリエ変換像(第1再生画像)は、元の信号光と同様の明暗のポジティブ画像(ポジ画像)になる。一方、ホログラムからの回折光に逆位相の直流成分を合成した場合には、元の明暗画像の明部は暗く、暗部は明るくなり、合成光の逆フーリエ変換像(第2再生画像)は、元の信号光の明暗が反転した反転画像(ネガ画像)となる。
第1の実施の形態では、まず、第1再生画像を撮像して画像データを取得し、取得された画像データの誤り検出を行う。ここで、誤りが検出されない場合には、第1再生画像の画像データに基づいてデジタルデータを復号する。一方、誤りが検出された場合には、更に、第2再生画像を撮像して画像データを取得し、2枚の再生画像の各画素について輝度の差分を求めて両者に共通のノイズを相殺し、求めた各画素の差分値から高いS/Nでデジタルデータを復号する。
上記の場合には、第1再生画像の輝度から第2再生画像の輝度を減じたときの差分は、元の明暗画像の明部では正となり、元の明暗画像の暗部では負となる。上述したように、例えば二値のデジタルデータ「0,1」を「暗(黒画素)、明(白画素)」と定義しておけば、差分が正の画素は「1」、差分が負の画素は「0」というように、差分の正負により各画素の符号が正確に判定され、二値のデジタルデータが精度良く復号される。
また、上記の例では、第1再生画像の輝度から第2再生画像の輝度を減算する例について説明したが、それとは逆に、第2再生画像の輝度から第1再生画像の輝度を減算しても同様の復号処理を行うことができる。この場合は、例えば「0,1」を「暗、明」と定義しておけば、差分が正の画素は「0」、差分が負の画素は「1」と、各画素の符号が判定される。さらに、第1再生画像の輝度から第2再生画像の輝度を減じることにより、新たに生成した第3の画像を複合処理に用いることもできる。この減算処理により生成した第3の画像は、前記2種類の再生画像よりもS/Nが向上しているため、符号化方法によらず、各画素の明暗から二値のデジタルデータを精度よく復号することができる。
ネガ画像(第2再生画像)の再生は、ホログラムからの回折光と付加した直流成分との干渉の結果として実現される。即ち、回折光と直流成分とが逆位相の場合は、合成光の直流成分の負の振幅が増加するように、付加する直流成分の位相差と振幅とを設定することでネガ画像を得ることができる。
直流成分の位相の設定は、空間光変調器の信号光領域に表示する画素の輝度値を適宜変更することにより行うことができる。空間光変調器は、入射光の偏光を変調して出射させる。その偏光変調は、入射光を位相変調することによりなされる。つまり、偏光変調することにより位相変調することが可能である。そして、偏光変調の大きさは、空間光変調器に表示する画素の輝度値に依存する。従って、その画素の輝度値を設定することにより、直流成分の位相を設定することができる。
ホログラムからの回折光と直流成分との位相差を設定は以下の方法で行う。記録されたホログラムからの回折光の位相は、再生時の参照光の位相からずれる。位相変化の度合いは、ホログラムの種類による。例えば、屈折率変調によるホログラムと吸収率変調によるホログラムでは、回折光の位相がそれぞれπ/2、πだけずれる。従って、再生像を生成するためには、この位相シフトを考慮して空間光変調器に表示する画素の輝度値を設定し、直流成分を生成して回折光に付加すればよい。これにより所望の位相差を実現できる。
(ホログラム記録再生装置の概略構成)
図2は、第1の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の概略構成を示す図である。本実施の形態では、反射型の空間光変調器と反射型の光記録媒体とを用いる記録再生装置について説明する。図示した通り、この記録再生装置では信号光と参照光とを同軸で光記録媒体に照射することができる。
このホログラム記録再生装置には、S偏光のコヒーレント光であるレーザ光を発振する光源10が設けられている。光源10のレーザ光照射側には、レンズ12、14からなるビームエキスパンダ15が配置されている。ビームエキスパンダ15の光透過側には、所定方向の偏光だけを透過すると共にそれ以外の偏光を反射する偏光ビームスプリッタ16が配置されている。以下では、偏光ビームスプリッタ16は、P偏光を透過し、S偏光を反射するものとして説明する。
偏光ビームスプリッタ16の光反射側には、反射型の空間光変調器18が配置されている。空間光変調器18は、パターン発生器32を介してパーソナルコンピュータ30に接続されている。パターン発生器32は、パーソナルコンピュータ30から供給されたデジタルデータに応じて空間光変調器18に表示するパターンを生成し、空間光変調器18は、表示パターンに応じて入射したレーザ光を変調し、ページ毎のデジタル画像(信号光)と参照光とを生成する。生成された信号光と参照光とは、偏光ビームスプリッタ16の方向に反射され、偏光ビームスプリッタ16を透過する。偏光ビームスプリッタ16の信号光透過側には、1/4波長板20、フーリエ変換レンズ26が光路に沿ってこの順に配置されている。1/4波長板20は、直線偏光を円偏光に、又は円偏光を直線偏光に変換する。
後述する通り、ホログラム再生時には、光記録媒体28に参照光が照射されると、照射された参照光は、ホログラムによって回折され、回折光は光記録媒体28の反射層28aでフーリエ変換レンズ26の方向に反射される。反射された回折光は、偏光ビームスプリッタ16に入射する。偏光ビームスプリッタ16の回折光反射側には、CCDやCMOSアレイ等の撮像素子で構成され、受光した再生光(回折光)を電気信号に変換して出力する光検出器36が配置されている。光検出器36は、パーソナルコンピュータ30に接続されている。
なお、図示はしないが、パーソナルコンピュータ30は、通常通り、制御及び各種演算を行うCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)、各種データや各種プログラムを記憶するメモリ、マウスやキーボード等の入力装置、ディスプレイ等の出力装置、及び外部から各種情報を取得するための通信インタフェースなどを備えている。これら各部は互いにデータや信号の授受が行なえるようにバスにより接続されている。CPUは、各種プログラムをROM又はメモリから読み出してRAMにロードし、RAMをワークエリアとして使用して、入力装置及び出力装置を用いてユーザと対話をしながら、ロードされたプログラムを実行する。
(記録再生の処理動作)
次に、パーソナルコンピュータ30によって実行される記録再生処理の処理ルーチンについて説明する。図3は記録再生処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。まず、ユーザは入力装置(図示せず)を操作して、記録処理か再生処理かを選択する。デジタルデータをホログラムとして記録する場合には、記録するデジタルデータを予めパーソナルコンピュータに入力しておくとよい。
ステップ100で、記録処理が選択されたか、再生処理が選択されたかを判断し、記録処理が選択された場合には、ステップ102で、光源10からレーザ光を照射すると共にパーソナルコンピュータ30からデジタルデータを所定のタイミングで出力し、ホログラム記録処理を実行して、ルーチンを終了する。一方、ステップ100で、再生処理が選択された場合には、ステップ104で、ホログラム再生処理のサブルーチンを実行する。ホログラム再生処理については、後で詳しく説明する。
まず、第1の実施の形態でのホログラム記録処理について説明する。光源10から発振されたレーザ光は、ビームエキスパンダ15により大径のビームにコリメートされて、偏光ビームスプリッタ16に入射し、空間光変調器18の方向に反射される。パーソナルコンピュータ30からデジタルデータが入力されると、パターン発生器32において、供給されたデジタルデータに応じて信号光パターンが生成され、参照光パターンと合成されて、空間光変調器18に表示されるパターンが生成される。空間光変調器18では、表示されたパターンに応じてレーザ光が偏光変調され、信号光と参照光とが生成される。
例えば、図5に示すように、空間光変調器(SLM:spatial light modulator)18の中央部分をデータ表示用に使用すると共に、空間光変調器18の周辺部分を参照光用に使用する。即ち、空間光変調器18の中央部分が信号光領域として使用され、この信号光領域を取り囲む周辺部分が、参照光領域として使用される。空間光変調器18の中央部分に入射したレーザ光は、表示パターンに応じて偏光変調され、信号光が生成される。一方、空間光変調器18の周辺部分に入射したレーザ光は、表示パターンに応じて偏光変調され、参照光が生成される。
空間光変調器18で偏光変調された信号光及び参照光は、偏光ビームスプリッタ16に照射され、偏光ビームスプリッタ16を透過して直線偏光の振幅分布に変換される。その後、1/4波長板20で円偏光に変換され、レンズ26によりフーリエ変換されて、光記録媒体28に同時に且つ同軸で照射される。これによって、光記録媒体28中で信号光と参照光とが干渉して、干渉パターンがホログラムとして記録される。
次に、第1の実施の形態でのホログラム再生処理について説明する。図4は、ホログラム再生処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、図3及び図4に示す処理ルーチンは、プログラムとしてコンピュータのROM又はメモリに記憶されている。図3のステップ100で、再生処理が選択された場合に、ステップ104で、ホログラム再生処理のサブルーチンが開始される。即ち、ステップ200で、光源10からレーザ光を照射し、第1再生画像の取得処理を実行する。
ここで、第1再生画像の取得処理について説明する。
図6(A)に示すように、空間光変調器18の中央部分に遮光パターン(全部、黒画素)を表示し、空間光変調器18の周辺部分には記録時と同じ参照光パターンを表示する。これにより、空間光変調器18の周辺部分に入射したレーザ光だけが偏光変調されて参照光が生成される。生成された参照光は、偏光ビームスプリッタ16を透過して振幅分布に変換された後、1/4波長板20、レン26を介して、光記録媒体28のホログラムが記録された領域に照射される。即ち、光記録媒体28には、参照光だけが読出し光として照射される。
照射された参照光は、ホログラムによって回折され、回折光は光記録媒体28の反射層28aでレンズ26の方向に反射される。反射された回折光は、レンズ26より逆フーリエ変換され、1/4波長板20でS偏光に変換されて、偏光ビームスプリッタ16に入射し、光検出器36の方向に反射される。レンズ26の焦点面では再生像を観察することができる。
この再生像(第1再生画像)が光検出器36によって検出される。検出されたアナログデータは光検出器36によってA/D変換され、第1再生画像の画像データがパーソナルコンピュータ30に入力され、RAM(図示せず)に保持される。第1再生画像は元の明暗画像と同じポジ画像である。
次に、ステップ202で、第1再生画像の画像データの誤り検出(エラーチェック)を行う。誤り検出の方法としては、パリティチェック、チェックサム、CRC(巡回冗長検査方式)等、オリジナル・データに誤り検出用のデータを付し、それにより再生データの誤りを検出する既存の方法を用いることができる。そして、ステップ204でエラーが検出されたか否かを判定し、エラーが検出されると肯定判定してステップ206に進む。
ステップ206で、再生された回折光に直流成分を付加するための表示画像の輝度値を演算して、光源10からレーザ光を照射すると共にパーソナルコンピュータ30から演算した輝度値を所定のタイミングで出力し、第2再生画像の取得処理を実行する。なお、輝度値を演算する方法については後述する。一方、ステップ202でエラーが検出されない場合には、第1再生画像の画像データにエラーは無く、この画像データから元のデジタルデータを精度よく復号できる。従って、ステップ204で否定判定して、第2の再生画像の取得は行わずに、復号処理を行うステップ210に進む。これにより、再生処理に要する時間が大幅に短縮され、データ読出しの高速化が図られる。
ここで、第2再生画像の取得処理について説明する。
上述した通り、ネガ画像(第2再生画像)の再生は、ホログラムからの回折光と付加した直流成分との干渉の結果として実現される。即ち、回折光の直流成分と付加する直流成分とが互いに逆位相の場合は、合成光の直流成分の負の振幅が増加するように、付加する直流成分の位相差と振幅とを設定することでネガ画像を得ることができる。直流成分の位相と振幅との設定は、空間光変調器の信号光領域にある画素の輝度を適宜変更することにより行うことができる。
本実施の形態では、付加する直流成分の位相が、ホログラムからの回折光の位相と逆位相の場合について説明する。この場合は、合成光の逆フーリエ変換像(第2再生画像)では、元の明暗画像の明部は暗く、暗部は明るくなる。即ち、第2再生画像は元の明暗画像とは明暗が反転したネガ画像である。
図6(B)に示すように、空間光変調器18の中央部分に透過パターンを表示し、空間光変調器18の周辺部分には記録時と同じ参照光パターンを表示する。透過パターンは、輝度が0以外の同一輝度の画素群から構成されている。これにより、空間光変調器18の中央部分に入射したレーザ光が均一に偏光変調され、信号光の直流成分が生成される。さらに、空間光変調器18の周辺部分に入射したレーザ光は表示パターンに応じて偏光変調され、参照光が生成される。そして、偏光ビームスプリッタ16を透過して振幅分布に変換された後、1/4波長板20、レン26を介して、光記録媒体28のホログラムが記録された領域に、生成された信号光の直流成分と参照光とが照射される。即ち、光記録媒体28には、生成された信号光の直流成分と参照光とが読出し光として照射される。
光記録媒体28に照射された参照光は、ホログラムによって回折され、回折光は光記録媒体28の反射層28aでレンズ26の方向に反射される。また、光記録媒体28に照射された信号光の直流成分は光記録媒体28の反射層28aでレンズ26の方向に反射される。反射された回折光と信号光の直流成分とは、レンズ26より逆フーリエ変換され、1/4波長板20でS偏光に変換されて、偏光ビームスプリッタ16に入射し、光検出器36の方向に反射される。レンズ26の焦点面では再生像を観察することができる。
この再生像(第2再生画像)が光検出器36によって検出される。検出されたアナログデータは光検出器36によってA/D変換され、第2再生画像の画像データがパーソナルコンピュータ30に入力され、RAM(図示せず)に保持される。第2再生画像は元の明暗画像とは明暗が反転したネガ画像である。
ステップ206で第2再生画像の取得処理が終了すると、次のステップ208に進み、RAMに保持された第1再生画像の画像データと第2再生画像の画像データとを読み出し、第1再生画像の画像データから第2再生画像の画像データを減算処理して、デジタル画像(信号光)の各画素について輝度の差分を演算する。
既に説明した通り、合成光の逆フーリエ変換像(第2再生画像)では、元の明暗画像の明部は暗く、暗部は明るくなり、元の明暗画像の反転画像(ネガ画像)が得られる。従って、第1再生画像の輝度から第2再生画像の輝度を減じたときの差分は、元の明暗画像の明部では正となり、元の明暗画像の暗部では負となる。第2再生画像が第1再生画像の反転画像となるため、減算処理後の画像では、第1再生画像、第2再生画像よりもコントラストが強調されることになる。即ち、演算された差分の正負により各画素の符号が正確に判定され、二値のデジタルデータが精度よく復号される。なお、信号光領域の1つの画素が光検出器36の複数画素に対応している場合には、光検出器36の複数画素について輝度の差分の平均値を求め、求めた平均値を用いて信号光領域の各画素について差分を演算する。
次に、ステップ210で、演算された差分の正負により各画素の符号を判定し、二値のデジタルデータに復号して、ルーチンを終了する。一方、ステップ202でエラーが検出されずに、ステップ204で否定判定してステップ210に進んだ場合には、第1再生画像の画像データから各画素の符号を判定し、二値のデジタルデータに復号して、ルーチンを終了する。これにより、信号光に保持されたデジタルデータが精度よく復号される。
ここで、図6(B)に示す透過パターンの各画素の輝度値を演算する方法について説明する。逆フーリエ変換面(光検出器36の位置)において、ホログラムからの回折光の直流成分の振幅をA1、再生時に付与した直流成分の振幅をA2、前記回折光の直流成分との位相差をΔφとしたとき、回折光の直流成分の電場E1と、付与した直流成分の電場E2は以下の式で表される。
E1=A1exp[i(kz)]
E2=A2exp[i(kz+Δφ)]
式中、kは光軸方向の波数、zは光軸方向の座標、Δφは付与する直流成分と回折光の直流成分との位相差、iは虚数単位を表す。このとき、合成波の直流成分の電場は、E1+E2となる。
E1+E2={A1+A2exp(iΔφ)}exp[i(kz)]
ネガ画像の第2再生画像を得るためには、E1+E2の振幅の実部が負になればよい。つまり、下記式(1)を満たせばよい。また、cos(Δφ)の最小値は−1であるから、下記式(1)を満たすには、下記式(2)を満たすことが必要である。
A1+A2cos(Δφ)<0 式(1)
A1<A2 式(2)
ホログラムの回折効率は、通常、記録スケジューリング法によってほぼ一定に設計されるため、A1の値は既知である。よって、A2とΔφの設定は、上記式(1)と上記式(2)とを満たすようにする。望ましくは、Δφ=π、A2=2A1である。
従って、空間光変調器18の中央部分に表示する透過パターンの輝度値は、例えば、次のように設定できる。即ち、液晶パネルのような位相を変調できる空間光変調器では、輝度値によって、偏光ビームスプリッタ16の透過光の振幅A2と位相Δφとを同時に変調する。ホログラムからの回折光に含まれる直流成分の振幅は既知であるから、上記式(1)の左辺がなるべく小さな値になるように透過パターンの輝度値を設定できる。
また、空間光変調器18の中央部分に表示する透過パターンの輝度値の設定方法は他にもある。それは、Δφ=πを満たす輝度値を採用することである。このとき、式(2)が満たされれば、再生像は反転画像となる。Δφ=πと式(2)とを同時に満たす輝度を採用することで、ホログラム毎の回折効率の変化があっても、常に反転画像を得ることができ、ホログラム毎に、採用する輝度値を算出する必要がないという利点がある。
なお、第1の実施の形態では、ホログラムから得られた回折光の逆フーリエ変換像(第1再生画像)と、ホログラムからの回折光に逆位相の直流成分を合成した合成光の逆フーリエ変換像(第2再生画像)と、を用いる例について説明したが、他の方法で、第2再生画像を取得することもできる。例えば、記録されたホログラムに反転パターンの参照光を照射して回折光を再生し、再生された回折光に、回折光の直流成分より振幅が大きく、逆位相である直流成分を付与することで、第2再生画像を取得することができる。
第1再生画像の取得処理時には、図7(A)に示すように、空間光変調器18の中央部分に遮光パターン(全部、黒画素)を表示し、空間光変調器18の周辺部分には記録時と同じ参照光パターンを表示する。これにより、空間光変調器18の周辺部分に入射したレーザ光だけが偏光変調されて参照光が生成され、光記録媒体28に参照光だけが照射される。このとき取得される第1再生画像は、元の明暗画像と同じポジ画像である。
第2再生画像の取得処理時には、図7(B)に示すように、空間光変調器18の中央部分に透過パターン(輝度が0以外の同一輝度の画素群)を表示し、空間光変調器18の周辺部分には記録時とは明暗を反転させた参照光パターンを表示する。これにより、空間光変調器18の中央部分に入射したレーザ光が均一に偏光変調され、信号光の直流成分が生成される。一方、空間光変調器18の周辺部分に入射したレーザ光は表示パターンに応じて偏光変調され、反転パターンの参照光が生成される。
参照光のパターンは、記録時及び第1再生画像の取得時に用いたパターンに対して、強度(明暗)が反転している。パターンが反転した参照光の空間周波数分布は、記録時に用いた参照光の空間周波数分布と同じであるが、参照光の位相はπだけずれる。従って、再生される回折光の位相もπだけずれる。空間光変調器だけで回折光と逆位相の直流成分を付加しようとすると、振幅及び位相を大幅に変調できるダイナミックレンジの大きな空間光変調器が必要になるが、パターンが反転した参照光を用いることで、付加する直流成分の位相を空間光変調器で設定する場合に比べ、空間光変調器による振幅及び位相の変調量が少なくて済む。
回折光の位相がπずれた結果、再生された回折光の直流成分と付与した直流成分とが負の干渉をする。得られる合成光の直流成分の位相は、振幅の大きな「付与された直流成分」の位相に近い値を有することになる。従って、合成光の直流成分の位相は、再生された回折光の高次成分の位相に対してπ程度ずれることになり、合成光の直流成分と高次成分とで形成される再生像はネガ画像となる。
また、第1の実施の形態では、図4に示すサブルーチンに従いホログラム再生処理を実行する例について説明したが、他の再生処理ルーチンによることも可能である。図5に示すように、空間光変調器18の中央部分にある信号光領域には、信号光領域の位置を明暗画像で表示する位置マーカが設けられている。例えば、この例では、矩形状の信号光領域の四隅の各々に、明部(白画素)からなる「×」印の位置マーカが設けられている。
ホログラムからデジタルデータを再生する際には、再生光の逆フーリエ変換像が表す明暗画像から位置マーカを検出し、位置マーカを基準に再生画像の向きや位置を合わせて、再生画像データを読み取る。従って、位置マーカを検出できない場合には、画像データの誤り検出を行うまでもなく、取得した画像データのみから、元のデジタルデータを復号することは困難である。このため、図4に示すサブルーチンに代えて、以下のサブルーチンを用いることもできる。
図8はホログラム再生処理のサブルーチンの他の一例を示すフローチャートである。このルーチンでは、ステップ400で、第1再生画像の取得処理を実行する。次に、ステップ402で、位置マーカの検出を行う。位置マーカの検出方法としては、パターンマッチング等、マークを検出する既存の方法を用いることができる。ステップ404で、位置マーカが検出されたか否かを判定し、位置マーカが検出されると肯定判定してステップ406に進み、第1再生画像の画像データの誤り検出(エラーチェック)を行う。一方、位置マーカが検出されない場合には、ステップ404で否定判定して、エラーチェックを省略して、ステップ410に進み、第2再生画像の取得処理を実行する。
ステップ406で、第1再生画像の画像データの誤り検出を行った場合には、ステップ408でエラーが検出されたか否かを判定する。エラーが検出されると肯定判定してステップ410に進み、第2再生画像の取得処理を実行する。一方、ステップ406の誤り検出でエラーが検出されない場合には、第1再生画像の画像データにエラーは無く、この画像データから元のデジタルデータを精度よく復号できるので、ステップ408で否定判定して、第2の再生画像の取得は行わずに、ステップ414に進む。
ステップ410で第2再生画像の取得処理が終了すると、次のステップ412に進み、第1再生画像の画像データから第2再生画像の画像データを減算処理して、デジタル画像(信号光)の各画素について輝度の差分を演算する。次に、ステップ414で、演算された差分の正負により各画素の符号を判定し、二値のデジタルデータに復号して、ルーチンを終了する。一方、ステップ406でエラーが検出されずに、ステップ408で否定判定してステップ414に進んだ場合には、第1再生画像の画像データから各画素の符号を判定し、二値のデジタルデータに復号して、ルーチンを終了する。これにより、信号光に保持されたデジタルデータが精度よく復号される。
<第2の実施の形態>
(デジタルデータの復号方法)
図9を参照して第2の実施の形態における復号方法について簡単に説明する。
第2の実施の形態では、二値のデジタルデータ「0,1」が「暗(黒画素)、明(白画素)」としてデジタル画像化された信号光をフーリエ変換し、信号光のフーリエ変換像から直流成分(0次成分)を除去し、フーリエ変換され且つ直流成分が除去された信号光と参照光とを光記録媒体に同時に照射して、光記録媒体に干渉パターンがホログラムとして記録されている場合について説明する。信号光のフーリエ変換像から直流成分が除去された状態でホログラムの記録を行うと、ホログラムの記録時に信号光の直流成分による不要露光が防止され、ダイナミックレンジを有効に使用することができ、多重度が向上する。
直流成分が除去された信号光を用いてホログラムを記録した場合は、記録されたホログラムに記録時と同じ参照光を読出し光として照射すると、直流成分が除去された信号光と同じ回折光が再生される。この回折光の逆フーリエ変換像(再生画像)では、元の明暗画像の明部は暗く、暗部は明るくなる傾向があり、その結果、白画素と黒画素とのコントラスト(即ち、S/N)は悪くなる傾向がある。再生画像においてコントラストが悪くなる理由は、以下のように説明することができる。
即ち、直流成分を除去することは、信号光と全体強度が等しく且つ位相差πの平面波を信号光に干渉させることに等しい。例えば、信号光がすべて直流成分で構成される平面波の場合には、同じ強度で位相差πの平面波を干渉させると信号光は0になる。従って、デジタルデータで変調された信号光の直流成分を除去する場合には、同じトータル強度を持ち且つ位相差πの平面波を、元の信号光に干渉させた結果と等しい。
この場合、明るかった部分は負の干渉により電場の振幅が小さくなるので、強度は小さくなり暗くなる。一方、暗かった部分には光波が加わり、電場の振幅が大きくなるので、強度は大きくなり明るくなる。その結果、明るかった部分と暗かった部分の強度は同程度になり、コントラストが劣化する。
なお、上記のコントラスト劣化の説明は、信号光のデジタルパターンにおける白画素の数と黒画素の数とが同程度の場合である。一般に、デジタルパターンでは白画素の数と黒画素の数とが略等しい。白画素の数が黒画素の数より非常に多い場合には、再生画像は、信号光のデジタルパターンの明暗が反転した反転画像となることがある。但し、元の明暗画像の明部は暗く、暗部は明るくなる傾向があることは、共通している。
そこで、再生された回折光に逆位相の直流成分を補うと、元の信号光の明暗が反転した反転画像(ネガ画像)が得られる(第1再生画像)。即ち、補充する直流成分の位相が、ホログラムからの回折光の位相と逆位相の場合には、合成光の逆フーリエ変換像では、元の明暗画像の明部は暗く、暗部は明るくなる。一方、記録されたホログラムに明暗を反転させた反転パターンの参照光を照射して回折光を再生し、再生された回折光に同位相の直流成分(第1再生画像を取得した際の直流成分と同じ。)を補うと、元の信号光に近い合成光が生成され、元の信号光と同様の明暗のポジ画像が得られる(第2再生画像)。即ち、合成光の逆フーリエ変換像では、元の明暗画像の明部は明るく、暗部は暗くなる。
第2の実施の形態では、まず、第1再生画像(ネガ画像)を撮像して画像データを取得し、取得された画像データの誤り検出を行う。ここで、誤りが検出されない場合には、第1再生画像の画像データに基づいてデジタルデータを復号する。一方、誤りが検出された場合には、更に、第2再生画像(ポジ画像)を撮像して画像データを取得し、2枚の再生画像の各画素について輝度の差分を求めて両者に共通のノイズを相殺し、求めた各画素の差分値から高いS/Nでデジタルデータを復号する。
上記の場合には、第2再生画像の輝度から第1再生画像の輝度を画素毎に減算すると、減算して得られた値は、元の明暗画像の明部では正となり、元の明暗画像の暗部では負となる。上述したように、二値のデジタルデータ「0,1」を「暗、明」と定義しておけば、差分が正の画素は「1」、差分が負の画素は「0」というように、差分の正負により各画素の符号が正確に判定され、二値のデジタルデータが精度良く復号される。逆に、第1再生画像の輝度から第2再生画像の輝度を減算しても、同様の復号処理を行うことができる。
また、第2再生画像の輝度から第1再生画像の輝度を減じることにより、減算後の輝度値に基づいて得られた画像(第3再生画像)を復号処理に用いることもできる。この第3再生画像は、図9に示すように、元の信号光と同様の明暗画像(ポジ画像)であり、第2再生画像よりコントラストの高いポジ画像である。
上記の例では、二値のデジタルデータ「0,1」をそれぞれ1つの画素「暗(黒画素)、明(白画素)」で表現し、2種類の再生画像を減算処理させることによって復号処理を実施する方法について説明した。しかし、二値のデジタルデータ「0,1」は、白画素と黒画素によるページ内での組み合わせパターンによって表現することも可能である(H. J. Coufal, D. Psaltis and G. T. Sincerbox, eds., Holographic Data Storage, 283-291 (Springer -Verlag, 2000).)。例えば、2画素で1ビットを表現する符号化方法(白黒=0、黒白=1など)が知られている(Science 265,749-752(1994))。このような符号化方法を用いる場合にも、図4や図8で示した処理の流れに基づいて復号処理を行う。つまり、本発明の復号処理の流れは、符号化方法には依存しない。要するに、第1再生画像(ポジでもネガでも良い。)での復号処理でマーカーを検出できなかったり、あるいは、エラーを検出した場合には、第2再生画像(第1再生画像の反転画像)を取得し、両画像の差分値に基づいて復号処理を実施する。このとき、ポジ画像からネガ画像を減算しても、ネガ画像からポジ画像を減算しても良い。
通常、再生画像は読み出し時に記録媒体や光学系に起因するノイズ光の影響を受けて、S/N比が劣化する。このため、上記のネガ画像とポジ画像とは、信号成分とノイズ成分を含んだ画像となり、白画素と黒画素との明るさの差異(輝度の差異)が小さくなる。この現象は、多重記録において多重度が増加するほど顕著になる。従って、ノイズ成分が多い場合には、ネガ画像又はポジ画像の一方を用いて復号処理を実施すると、ビットエラーが大きくなり、記録されたデータを正しく復元することが難しくなる。
これに対し、第2再生画像(ポジ画像)の輝度から第1再生画像(ネガ画像)の輝度を減算する減算処理を行うと、減算処理で得られた第3再生画像は、S/N比が改善されたコントラストが大きな画像となる。S/N比が改善される理由は、同じホログラムから再生された第1再生画像と第2再生画像とは、共通のノイズ成分を含んでいるので、第2再生画像の輝度から第1再生画像の輝度を減算することで、共通するノイズ成分がキャンセルされるためである。
さらに、減算して得られる値は、負の値と正の値を持ち、その結果、ダイナミックレンジが増加することになり、信号成分が増幅されるからである。例えば、再生像を8ビット階調で表現する場合、輝度値は、0から255の値をもつ。ポジ画像とネガ画像との差分を演算すると、その差分は、-255から+255の範囲を持つことになり、ダイナミックレンジが2倍に広がる。これにより、信号成分の大きさ(明画素の明るさと暗画素の明るさとの差)も2倍になる。−255から+255の範囲を0から255の範囲に変換して作成した第3再生画像は、第1再生画像や第2再生画像よりもS/Nが向上しているので、第3再生画像の各画素の明暗から、二値のデジタルデータが精度よく復号される。
第1再生画像(ネガ画像)や第2再生画像(ポジ画像)の生成は、ホログラムからの回折光と付与された直流成分との干渉の結果として実現される。即ち、干渉波(合成光)の負の振幅が増加するように、回折光と付与される直流成分との位相差を設定することで、元の信号光の反転パターン(ネガ画像)が再生され、合成光の正の振幅が増加するように、回折光と補充される直流成分との位相差を設定することで、元の信号光パターン(ポジ画像)が再生される。直流成分の位相の設定や、ホログラムからの回折光と直流成分との位相差を設定は、第1の実施の形態と同様に、空間光変調器の信号光領域に表示する画素の輝度値を適宜変更することにより行うことができる。或いは、第1の実施の形態と同様に、直流成分の振幅が十分に大きければ、位相差を固定する輝度値を採用することもできる。
(ホログラム記録再生装置の概略構成)
図10は、第2の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の概略構成を示す図である。本実施の形態では、透過型の空間光変調器と透過型の光記録媒体とを用いる記録再生装置について説明する。このホログラム記録再生装置では、信号光と参照光とを同軸で光記録媒体に照射することができる。
このホログラム記録再生装置には、コヒーレント光であるレーザ光を発振する光源50が設けられている。光源50のレーザ光照射側には、レンズ52、54からなるビームエキスパンダ55が配置されている。ビームエキスパンダ55の光透過側には、透過型の空間光変調器58が配置されている。空間光変調器58は、パターン発生器60を介してパーソナルコンピュータ56に接続されている。なお、図示はしないが、パーソナルコンピュータ56は、通常通り、CPU、ROM、RAM、メモリ、入力装置、出力装置、及び通信インタフェースを備えている。
パターン発生器60は、パーソナルコンピュータ56から供給されたデジタルデータに応じて空間光変調器58に表示するパターンを生成し、空間光変調器58は、表示パターンに応じて入射したレーザ光を変調し、ページ毎のデジタル画像(信号光)と参照光とを生成する。
空間光変調器58の光透過側には、図示しない偏光板、レンズ62、64、光記録媒体72に信号光及び参照光を照射するフーリエ変換レンズ66が、光路に沿ってこの順に配置されている。また、レンズ62とレンズ64との間には、信号光及び参照光のフーリエ変換像から直流成分を除去するマスク68が、光路に対し挿入及び退避可能に配置されている。また、マスク68は、マスク68を駆動する駆動装置70を介してパーソナルコンピュータ56に接続されている。
マスク68としては、フーリエ変換像の直流成分を除去できるものであれば何を用いてもよく、例えば、フーリエ変換像の直流成分だけを反射する微小ミラー、フーリエ変換像の直流成分だけを吸収するフィルタ等を使用することができる。
ホログラム再生時、光記録媒体72に参照光が照射されると、照射された参照光は、ホログラムによって回折され、回折光は光記録媒体72を透過して射出される。従って、光記録媒体72の回折光出射側には、フーリエ変換レンズ74と、CCDやCMOSアレイ等の撮像素子で構成され、受光した再生光(回折光)を電気信号に変換して出力する光検出器76とが配置されている。光検出器76は、パーソナルコンピュータ56に接続されている。
(記録再生の処理動作)
図11は、パーソナルコンピュータ56によって実行される記録再生処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。まず、ステップ300で、記録処理が選択されたか、再生処理が選択されたかを判断し、記録処理が選択された場合には、ステップ302で、駆動装置70を駆動してマスク68を光路に挿入する。次のステップ304で、光源50からレーザ光を照射すると共にパーソナルコンピュータ56からデジタルデータを所定のタイミングで出力し、ホログラムの記録処理を実行して、ルーチンを終了する。
一方、ステップ300で、再生処理が選択された場合には、ステップ306で、駆動装置70を駆動してマスク68を光路から退避させ、次のステップ308で、ホログラム再生処理のサブルーチンを実行する。後述する通り、ここでは、図4に示したホログラム再生処理のサブルーチンと同じサブルーチンを実行する。
ここで、第2の実施の形態でのホログラム記録処理について説明する。
光源50から発振されたレーザ光は、ビームエキスパンダ55により大径のビームにコリメートされて、空間光変調器58に照射される。パーソナルコンピュータ56からデジタルデータが入力されると、パターン発生器60において、供給されたデジタルデータに応じて信号光パターンが生成され、予め用意した参照光パターンと合成されて、空間光変調器58に表示されるパターンが生成される。空間光変調器58では、表示されたパターンに応じてレーザ光が偏光変調され、信号光と参照光とが生成される。
空間光変調器58の中央部分をデータ表示用(信号光用)に使用すると共に、空間光変調器58の周辺部分を参照光用に使用する(図5参照)。空間光変調器58の中央部分に入射したレーザ光は、表示パターンに応じて偏光変調され、信号光が生成される。一方、空間光変調器58の周辺部分に入射したレーザ光は、表示パターンに応じて偏光変調され、参照光が生成される。その後、信号光と参照光は、図示しない偏光板を透過して、振幅分布に変換される。
空間光変調器58で生成された信号光及び参照光は、レンズ62によりフーリエ変換される。フーリエ変換された信号光及び参照光は、マスク68に照射され、信号光及び参照光のフーリエ変換像から直流成分が除去される。マスク68で遮断されなかった信号光及び参照光は、レンズ64で逆フーリエ変換され、レンズ66により再びフーリエ変換されて、光記録媒体72に同時に且つ同軸で照射される。これによって、光記録媒体72中で信号光と参照光とが干渉して、干渉パターンがホログラムとして記録される。
光記録媒体72としては、例えば、フォトポリマーやアゾポリマー等の記録材料を用いたホログラム記録用の光記録媒体を用いることができる。
次に、第2の実施の形態でのホログラム再生処理について説明する。図4は、ホログラム再生処理のサブルーチンを示すフローチャートである。再生処理の手順は同じであるが、駆動する装置が異なるため、手順に従って動作を説明する。図11のステップ300で、再生処理が選択された場合には、ステップ308で、ホログラム再生処理のサブルーチンが開始される。即ち、ステップ200で、再生された回折光に直流成分を補うための表示画像の輝度値を演算し、光源50からレーザ光を照射すると共にパーソナルコンピュータ56から演算した輝度値を所定のタイミングで出力し、第1再生画像の取得処理を実行する。
第1再生画像の取得処理では、図12(A)に示すように、空間光変調器58の中央部分に透過パターンを表示し、空間光変調器58の周辺部分には記録時と同じ参照光パターンを表示する(読出し用画像1)。これにより、空間光変調器58の中央部分に入射したレーザ光が均一に偏光変調され、信号光の直流成分が生成される。一方、空間光変調器58の周辺部分に入射したレーザ光は表示パターンに応じて偏光変調され、参照光が生成される。
生成された信号光の直流成分と参照光とが、図示しない偏光板により振幅分布に変換された後、レンズ62、64、66を介して、光記録媒体72のホログラムが記録された領域に、読出し光として照射される。照射された参照光は、ホログラムによって回折され、回折光は光記録媒体72を透過して射出される。また、照射された信号光の直流成分は光記録媒体72を透過する。光記録媒体72から射出した回折光と信号光の直流成分とは、レンズ74により逆フーリエ変換され、光検出器76に入射する。これにより、レンズ74の焦点面では再生像を観察することができる。
この再生像(第1再生画像)が光検出器76によって検出される。検出されたアナログデータは光検出器76によってA/D変換され、第1再生画像の画像データがパーソナルコンピュータ56に入力され、RAM(図示せず)に保持される。第1再生画像は元の明暗画像のネガ画像となる。上述した通り、合成光の負の振幅が増加する場合、即ち、再生処理で付与した信号光の直流成分とホログラムからの回折光との位相差Δφの余弦(cos(Δφ))が負の場合には、第1再生画像は元の明暗画像のネガ画像となる。
次に、ステップ202で、第1再生画像の画像データの誤り検出(エラーチェック)を行う。そして、ステップ204でエラーが検出されたか否かを判定し、エラーが検出されると肯定判定してステップ206に進む。
ステップ206で、再生された回折光に直流成分を付加するための表示画像の輝度値を演算して、光源50からレーザ光を照射すると共にパーソナルコンピュータ56から演算した輝度値を所定のタイミングで出力し、第2再生画像の取得処理を実行する。一方、ステップ202でエラーが検出されない場合には、第1再生画像の画像データにエラーは無く、この画像データから元のデジタルデータを精度よく復号できる。従って、ステップ204で否定判定して、第2の再生画像の取得は行わずに、復号処理を行うステップ210に進む。これにより、再生処理に要する時間が大幅に短縮され、データ読出しの高速化が図られる。
ここで、第2再生画像の取得処理について説明する。
第2再生画像の取得処理では、図12(B)に示すように、空間光変調器58の中央部分に透過パターンを表示し、空間光変調器58の周辺部分には記録時とは明暗を反転させた参照光パターンを表示する(読出し用画像2)。これにより、空間光変調器58の中央部分に入射したレーザ光が均一に偏光変調され、信号光の直流成分が生成される。一方、空間光変調器58の周辺部分に入射したレーザ光は表示パターンに応じて偏光変調され、反転パターンの参照光が生成される。参照光のパターンは、第1再生画像の取得に用いたパターンに対して、強度が反転している。これは、空間周波数分布は不変だが、参照光の位相がπずれていることを意味する。
生成された信号光の直流成分と参照光とが、図示しない偏光板により振幅分布に変換された後、レンズ62、64、66を介して、光記録媒体72のホログラムが記録された領域に、読出し光として照射される。照射された参照光は、ホログラムによって回折され、回折光は光記録媒体72を透過して射出される。前述したように、参照光の位相は、第1再生画像の取得に用いた参照光の位相に対して、πだけずれている。従って、再生される回折光の位相もπずれることになる。また、照射された信号光の直流成分は光記録媒体72を透過する。光記録媒体72から射出した回折光と信号光の直流成分とは、レンズ74により逆フーリエ変換され、光検出器76に入射する。レンズ74の焦点面では再生像を観察することができる。
この再生像(第2再生画像)が光検出器76によって検出される。検出されたアナログデータは光検出器76によってA/D変換され、第2再生画像の画像データがパーソナルコンピュータ56に入力され、RAM(図示せず)に保持される。再生時に付加された直流成分は、第1再生画像の取得に用いたものと同じである。同時に、再生された回折光は、第1再生画像の取得に用いた回折光と位相がπずれている。従って、第2再生画像の取得処理の場合は、合成光の正の振幅が増加する、即ち、付与した信号光の直流成分とホログラムからの回折光との位相差Δθ=Δφ−πの余弦(cos(Δθ))が正になる。よって、第2再生画像は元の明暗画像のポジ画像となる。
ステップ206で第2再生画像の取得処理が終了すると、次のステップ208に進み、輝度の差分を演算する。即ち、RAMに保持された第1再生画像の画像データと第2再生画像の画像データとを読み出し、第2再生画像の画像データから第1再生画像の画像データを減算処理して、デジタル画像(信号光)の各画素について減算処理を実施する(輝度の差分を演算する)。ここで、減算後の輝度分布(画像データ)に基づいて生成した第3再生画像は、第2再生画像と同じ元の明暗画像のポジ画像であり、第1再生画像、第2再生画像よりもコントラストが高い。
次に、ステップ210で、第3再生画像を用いて二値のデジタルデータに復号して、ルーチンを終了する。一方、ステップ202でエラーが検出されずに、ステップ204で否定判定してステップ210に進んだ場合には、第1再生画像の画像データから各画素の符号を判定し、二値のデジタルデータに復号して、ルーチンを終了する。これにより、信号光に保持されたデジタルデータが精度よく復号される。
なお、第2の実施の形態では、直流成分が除去された信号光を用いて記録されたホログラムを再生する際に、記録時と同じパターンの参照光を照射して得られた回折光に逆位相の直流成分を合成した合成光の逆フーリエ変換像(第1再生画像:ネガ画像)と、反転パターンの参照光を照射して得られた回折光に同位相の直流成分(第1再生画像を取得した際の直流成分と同じ)を合成した合成光の逆フーリエ変換像(第2再生画像:ポジ画像)と、を用いる例について説明したが、他の方法で、第1再生画像と第2再生画像とを取得することもできる。例えば、ホログラムから得られた回折光に同位相の直流成分を合成した合成光の逆フーリエ変換像(第1再生画像)と、ホログラムからの回折光に逆位相の直流成分を合成した合成光の逆フーリエ変換像(第2再生画像)と、を用いてもよい。何れの場合も、記録時と同じパターンの参照光をホログラムに照射して回折光を再生する。
元の信号光パターンの再生は、ホログラムからの回折光と補充される直流成分との干渉の結果として実現される。補充される直流成分の役割は、0次以外の回折光(回折光の高次成分)から構成される合成光(交流成分)の振幅の値を、合成光の形状(波形)を変えずに増減することである。例えば、直流成分の位相が、回折光と同位相の場合には、合成光の正の振幅を増加させ、強度パターンである再生像は信号光パターンと同様のポジ画像となる。一方、直流成分の位相が、回折光と逆位相の場合には、合成光の正の振幅を減少させ(負の振幅を増加させ)、強度パターンである再生像は信号光パターンの明暗を反転させたネガ画像となる。この通り、回折光と直流成分との位相差を適切に選択することによって、再生像を元の信号光パターンのポジ画像又はネガ画像とすることができる。
例えば、第1再生画像の取得処理では、図13(A)に示すように、空間光変調器58の中央部分に透過パターンを表示し、空間光変調器58の周辺部分には記録時と同じ参照光パターンを表示する。透過パターンは、同位相の直流成分を合成するように制御された同じ輝度値の画素群から構成されている。これにより、空間光変調器58の中央部分に入射したレーザ光が均一に偏光変調され、信号光の直流成分が生成される。一方、空間光変調器58の周辺部分に入射したレーザ光は表示パターンに応じて偏光変調され、参照光が生成される。生成された信号光の直流成分と参照光とが、光記録媒体に読出し光として照射される。このとき取得される第1再生画像は、元の明暗画像と同じポジ画像である。
一方、第2再生画像の取得処理では、図13(B)に示すように、空間光変調器58の中央部分に均一パターンを表示し、空間光変調器58の周辺部分には記録時と同じ参照光パターンを表示する。透過パターンは、逆位相の直流成分を合成するように制御された同じ輝度値の画素群から構成されている。これにより、空間光変調器58の入射したレーザ光が表示パターンに応じて偏光変調され、信号光の直流成分と参照光とが生成されて光記録媒体に読出し光として照射される。このとき取得される第2再生画像は、元の明暗画像とは明暗が反転したネガ画像である。
なお、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、二値のデジタルデータを復号する場合について説明したが、多値のデジタルデータが記録されている場合にも、本発明を適用できることは明らかである。
また、第2の実施の形態において、図4に示すサブルーチンに代えて、図8に示すホログラム再生処理のサブルーチンを用いることもできる。
また、第1の実施の形態では、反射型の空間光変調器と反射型の光記録媒体とを用いる記録再生装置で再生処理を行う場合について説明しているが、信号光のフーリエ変換像から直流成分を除去せずに記録されたホログラムの場合でも、第2の実施の形態のように、透過型の空間光変調器と透過型の光記録媒体とを用いる記録再生装置で再生処理を行うことができる。
逆に、第2の実施の形態では、透過型の空間光変調器と透過型の光記録媒体とを用いる記録再生装置で再生処理を行う場合について説明しているが、信号光のフーリエ変換像から直流成分を除去して記録されたホログラムの場合でも、第1の実施の形態のように、反射型の空間光変調器と反射型の光記録媒体とを用いる記録再生装置で再生処理を行うことができる。
第1の実施の形態の復号方法を説明するための図である。 第1の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の概略構成を示す図である。 第1の実施の形態のホログラム記録再生処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。 第1の実施の形態のホログラム再生処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 記録処理時の空間光変調器の表示パターンを示す図である。 (A)及び(B)は第1の実施の形態の再生処理時の空間光変調器の表示パターンの一例を示す図である。 (A)及び(B)は第1の実施の形態の再生処理時の空間光変調器の表示パターンの他の一例を示す図である。 第1の実施の形態のホログラム再生処理のサブルーチンの他の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態の復号方法を説明するための図である。 第2の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の概略構成を示す図である。 第2の実施の形態のホログラム記録再生処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。 (A)及び(B)は第2の実施の形態の再生処理時の空間光変調器の表示パターンの一例を示す図である。 (A)及び(B)は第2の実施の形態の再生処理時の空間光変調器の表示パターンの他の一例を示す図である。
符号の説明
10 光源
12 レンズ
14 レンズ
15 ビームエキスパンダ
16 偏光ビームスプリッタ
18 空間光変調器
20 1/4波長板
26 フーリエ変換レンズ
28 光記録媒体
28a 反射層
30 パーソナルコンピュータ
32 パターン発生器
36 光検出器
50 光源
52 レンズ
54 レンズ
55 ビームエキスパンダ
56 パーソナルコンピュータ
58 空間光変調器
60 パターン発生器
62 レンズ
64 レンズ
66 フーリエ変換レンズ
68 マスク
70 駆動装置
72 光記録媒体
74 フーリエ変換レンズ
76 光検出器

Claims (8)

  1. デジタルデータを明暗画像で表す信号光又は該信号光から直流成分が除去された信号光のフーリエ変換像と参照光とを干渉させて得られた干渉縞がホログラムとして記録された光記録媒体から、前記デジタルデータを再生する光再生方法であって、
    前記光記録媒体に第1の読出し光を照射して第1の再生光を生成し、逆フーリエ変換された前記第1の再生光を検出して第1の再生画像データを取得するステップと、
    前記第1の再生画像データの誤り検出を行うステップと、
    前記誤り検出で誤りが検出された場合に、前記光記録媒体に前記第1の読出し光とは位相分布及び強度分布の少なくとも一方が異なる第2の読出し光を照射して第2の再生光を生成し、逆フーリエ変換された第2の再生光を検出して第2の再生画像データを取得するステップと、
    前記誤り検出で誤りが検出されない場合には、前記第1の再生画像データに基づいてデジタルデータを復号し、前記誤り検出で誤りが検出された場合には、前記第1の再生画像データと第2の再生画像データとの差分値に基づいてデジタルデータを復号するステップと、
    を含む光再生方法。
  2. 前記信号光が位置マーカを表す明暗画像を更に保持し、
    前記第1の再生画像データの誤り検出を行う前に、前記第1の再生光の逆フーリエ変換像が表す明暗画像から前記位置マーカを検出するステップを更に含み、
    前記位置マーカが検出できない場合に、前記第1の再生画像データの誤り検出を行うステップを省略し、前記光記録媒体に第2の読出し光を照射して第2の再生光を生成し、逆フーリエ変換された第2の再生光を検出して第2の再生画像データを取得するステップを実行する、
    請求項1に記載の光再生方法。
  3. デジタルデータを明暗画像で表す信号光又は該信号光から直流成分が除去された信号光のフーリエ変換像と参照光とを干渉させて得られた干渉縞がホログラムとして記録された光記録媒体から、前記デジタルデータを再生する光再生装置であって、
    コヒーレント光を射出する光源と、
    信号光領域と参照光領域とに区分された変調領域を備え、前記変調領域に前記光源から入射した光を変調する変調画素が2次元状に多数配列され、前記変調領域に表示するパターンに応じて入射光の強度及び位相の少なくとも一方を画素毎に変調する空間光変調器と、
    前記空間光変調器で変調された光をフーリエ変換して、前記光記録媒体に読出し光として照射する光学系と、
    前記光記録媒体への読出し光の照射により、前記ホログラムから再生された再生光の逆フーリエ変換像を検出する光検出器と、
    画像データの誤り検出を行う誤り検出部と、前記信号光領域と参照光領域に所定パターンを表示するように前記空間光変調器を駆動制御する駆動制御部と、前記光検出器で検出された再生画像の画像データを取得して保持するデータ保持部と、再生画像の画像データからデジタルデータを復号するデータ復号部と、を有する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置では、
    デジタルデータの再生時に、前記駆動制御部で前記空間光変調器を駆動制御して第1の読出し光を生成するパターンを表示することにより、前記光記録媒体に前記第1の読出し光を照射して、前記光検出器から第1の再生画像データを取得し、取得された第1の再生画像データを前記データ保持部に保持し、
    前記誤り検出部で取得された前記第1の再生画像データの誤り検出を行い、
    前記誤り検出部で誤りが検出された場合に、前記駆動制御部で前記空間光変調器を駆動制御して前記第1の読出し光とは位相分布及び強度分布の少なくとも一方が異なる第2の読出し光を生成するパターンを表示することにより、前記光記録媒体に前記第2の読出し光を照射して、前記光検出器から第2の再生画像データを取得して、取得された第2の再生画像データを前記データ保持部に保持し、
    前記データ復号部は、前記誤り検出部で誤りが検出されない場合には、前記第1の再生画像データに基づいてデジタルデータを復号し、前記誤り検出部で誤りが検出された場合には、前記第1の再生画像データと第2の再生画像データとの差分を演算し、演算された差分値に基づいてデジタルデータを復号する、
    ことを特徴とする光再生装置。
  4. コヒーレント光を射出する光源と、信号光領域と参照光領域とに区分された変調領域を備え、前記変調領域に前記光源から入射した光を変調する変調画素が2次元状に多数配列され、前記変調領域に表示するパターンに応じて入射光の強度及び位相の少なくとも一方を画素毎に変調する空間光変調器と、前記空間光変調器で変調された光をフーリエ変換して、光記録媒体に読出し光として照射する光学系と、前記光記録媒体への読出し光の照射により、前記光記録媒体から再生された再生光の逆フーリエ変換像を検出する光検出器と、を備えた光再生装置を制御するプログラムであって、
    デジタルデータを明暗画像で表す信号光又は該信号光から直流成分が除去された信号光のフーリエ変換像と参照光とを干渉させて得られた干渉縞がホログラムとして記録された光記録媒体から、前記デジタルデータを再生する場合に、
    コンピュータにより、
    前記光記録媒体に第1の読出し光を照射して第1の再生光を生成し、逆フーリエ変換された前記第1の再生光を検出して第1の再生画像データを取得するステップと、
    前記第1の再生画像データの誤り検出を行うステップと、
    前記誤り検出で誤りが検出された場合に、前記光記録媒体に前記第1の読出し光とは位相分布及び強度分布の少なくとも一方が異なる第2の読出し光を照射して第2の再生光を生成し、逆フーリエ変換された第2の再生光を検出して第2の再生画像データを取得するステップと、
    前記誤り検出で誤りが検出されない場合には、前記第1の再生画像データに基づいてデジタルデータを復号し、前記誤り検出で誤りが検出された場合には、前記第1の再生画像データと第2の再生画像データとの差分値に基づいてデジタルデータを復号するステップと、
    を実行させるプログラム。
  5. 前記第1の再生画像データ及び前記第2の再生画像データの一方を、前記光記録媒体に記録時と同じ参照光を第1の読出し光として照射して第1の再生光を生成し、逆フーリエ変換された前記第1の再生光を検出して取得し、
    前記第1の再生画像データ及び前記第2の再生画像データの他方を、前記光記録媒体に記録時と同じ参照光と該参照光の照射によりホログラムから回折される回折光と逆位相の直流成分とを第2の読出し光として照射して第2の再生光を生成し、逆フーリエ変換された第2の再生光を検出して取得する、
    請求項1に記載の光再生方法。
  6. 前記第1の再生画像データ及び前記第2の再生画像データの一方を、前記光記録媒体に記録時と同じ参照光を第1の読出し光として照射して第1の再生光を生成し、逆フーリエ変換された前記第1の再生光を検出して取得し、
    前記第1の再生画像データ及び前記第2の再生画像データの他方を、前記光記録媒体に記録時とは明暗が反転した参照光と該参照光の照射によりホログラムから回折される回折光より振幅が大きな直流成分とを第2の読出し光として照射して第2の再生光を生成し、逆フーリエ変換された第2の再生光を検出して取得する、
    請求項1に記載の光再生方法。
  7. 前記第1の再生画像データ及び前記第2の再生画像データの一方を、前記光記録媒体に記録時と同じ参照光と該参照光の照射によりホログラムから回折される回折光と逆位相の直流成分とを第1の読出し光として照射して第1の再生光を生成し、逆フーリエ変換された前記第1の再生光を検出して取得し、
    前記第1の再生画像データ及び前記第2の再生画像データの他方を、前記光記録媒体に記録時とは明暗が反転した参照光と該参照光の照射によりホログラムから回折される回折光と逆位相の直流成分とを第2の読出し光として照射して第2の再生光を生成し、逆フーリエ変換された第2の再生光を検出して取得する、
    請求項1に記載の光再生方法。
  8. 前記第1の再生画像データ及び前記第2の再生画像データの一方を、前記光記録媒体に記録時と同じ参照光と該参照光の照射によりホログラムから回折される回折光と同位相の直流成分とを第1の読出し光として照射して第1の再生光を生成し、逆フーリエ変換された前記第1の再生光を検出して取得し、
    前記第1の再生画像データ及び前記第2の再生画像データの他方を、前記光記録媒体に記録時と同じ参照光と該参照光の照射によりホログラムから回折される回折光と逆位相の直流成分とを第2の読出し光として照射して第2の再生光を生成し、逆フーリエ変換された第2の再生光を検出して取得する、
    請求項1に記載の光再生方法。
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