JP2009148145A - 固定子が分散配置された永久磁石型リニア同期モータの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エア浮上搬送装置の駆動用として、一次側固定子が分散配置された永久磁石型のリニア同期モータを使う場合に、固定子の進行磁界と可動子磁界の同期を取る必要がある。従来の光学式センサを用いた同期制御方法は、走行軌道に対する走行台車の拘束度が低いエア浮上搬送の場合には、信頼性の低下につながる恐れがあった。
【解決手段】本発明では、一対のホール素子センサの一方を固定子の内部に他方を外部に設置し、それらの間隔を固定子内に形成される進行磁界の波長と等しくすることにより、可動子が固定子に進入する前に前記の外部センサを通過する時のこれらの一対のセンサの出力から、固定子の進行磁界と可動子磁界の同期情報を簡単に且つ高い信頼性をもって、求めることが出来る。
【選択図】図3
【解決手段】本発明では、一対のホール素子センサの一方を固定子の内部に他方を外部に設置し、それらの間隔を固定子内に形成される進行磁界の波長と等しくすることにより、可動子が固定子に進入する前に前記の外部センサを通過する時のこれらの一対のセンサの出力から、固定子の進行磁界と可動子磁界の同期情報を簡単に且つ高い信頼性をもって、求めることが出来る。
【選択図】図3
Description
本発明は、リニアモータを搬送装置に用いる場合の一方式として提案されているところの、一次側コイル(以後、固定子と称する)が分散配置された永久磁石型リニア同期モータにおいて、永久磁石を有する走行台車(以後、可動子と称する)が固定子の磁界領域外から領域内へ進入する際に固定子領域内に形成されている進行磁界と可動子の磁界の位相差を進入前に容易に検出することを可能にする磁界センサーの配置方法、及び、当該位相差を用いた可動子の制御方法に関する。
例えば半導体集積回路基板、微細加工が必要な精密製品、医薬品、或いは化粧品等の工業製品の製造工程においては、製造工程をクリーンな環境に保つため、発塵が無いクリーンな手段で搬送することが望まれている。その様な要望を実現する一方式として、被搬送物をエアにより浮上させ、処理装置の間を非接触的に移動させるエア浮上搬送装置がある。
従来この様なエアによる浮上搬送装置の駆動方法は、例えば参考文献1に記載されているように、一次側固定子を搬送路の要所に分散配置する方式のリニア誘導モータにより駆動する方式が実用化されている。この方式は走行台車の速度加速度を広範囲に滑らかに制御できる利点はあるが、駆動部が大きくなる欠点があった。
正田英介編著「リニアドライブ技術とその応用」(112頁)、オーム社 平成3年刊
また別の駆動方法の例として、参考文献2に記載されているように、近年の小型で安価な高保磁力の永久磁石の開発に伴って、リニア誘導モータより効率面で有利な永久磁石型のリニア同期モータを用い、分散配置した一次側コイル(固定子)と永久磁石を有する走行台車(可動子)で構成する駆動方式が提案されている。この方式は小型高効率ではあるが、可動子が固定子磁界の領域に侵入する際に固定子磁界内に形成される進行磁界と可動子の永久磁石の磁界を同期させる必要があり、例えば参考文献2では、固定子側に設置された光学式センサを用いて可動子の速度と位置を検出することによりこの目的を達成することが可能とされている。
金容載、鈴木憲吏、和多田雅哉、百目鬼英雄、海老原大樹「地上一次側間欠配置リニア同期モータの負荷角一定制御による速度脈動抑制法」IEEJ Trans.IA,Vol.126,No.12,pp.1616−1622(2006)
上述のように、エア浮上搬送装置の駆動方法として従来のリニア誘導モータ駆動方式より小型軽量化を図ることが可能な、固定子が分散配置された永久磁石型リニア同期モータによる駆動方式を採用する場合には、固定子の進行磁界と可動子の磁界を同期させるために用いるセンサに、解決すべき課題があった。即ち、例えば参考文献2の場合には光学式のセンサを用いて可動子の速度と位置を検出することにより前記両者の同期情報を得る方式であるが、参考文献2の場合のように走行台車が機械的ガイドにより拘束されている場合は問題ないが、エア浮上搬送は非接触走行であり、走行台車が機械的に拘束されていないため、光学式センサでは検出信頼性の面で不安があった。又、可動子の位置と速度の情報から固定子進行磁界と可動子磁界の間の位相差を間接的に求める方式では、情報の精度に不安があった。又それらの結果として、可動子が固定子磁界領域内に進入する時に有害な衝撃や振動を引き起こす恐れがあった。本発明はこれらの課題を解決する方法を提供するものである。
上記の課題を解決するため、本発明では、固定子磁界の領域内及び領域外に磁界検出用の一対のホール素子センサを当該ホール素子センサ間の距離が固定子磁界領域に形成される進行磁界の波長の整数倍となるように設置した。この様に設置することにより、可動子が固定子磁界に進入する前に固定子磁界の領域外に設置されたホール素子センサの上を通過した時に、前記一対のホール素子センサの出力を同時測定すれば、容易に、且つ精度良く固定子進行磁界と可動子磁界の同期情報を得ることができる。
更に本発明では、上述した一対のホール素子センサ出力から得られた固定子の進行磁界と可動子の磁界の間の速度差と位相差の情報に基づき、可動子が固定子磁界の外部から当該磁界の内部に進入するに際して、可動子の走行速度と固定子の進行磁界移動速度が同期し、且つ前記位相差を可動子が位相角で零から90度の範囲で先行する様に、固定子コイルの励磁周波数を制御する。この様に制御することにより固定子の磁界から可動子に作用する磁気力が制動力として働き、可動子を固定子進行磁界の内部に衝撃や振動を許容範囲内に抑えてスムーズに進入させ減速させることが可能になる。
なおエア浮上搬送の場合には、前記の磁気力は可動子に掛かる加速度と等価であり前記の位相差と固定子励磁電流の値により一義的に決まるので、可動子を固定子の磁界内で所定の位置に滑らかに停止させることは前記位相差と固定子励磁電流の制御により行われる。固定子磁界内での可動子の位置決め停止は、最終的には位置センサを用いた閉ループ制御が必要であるが、本発明の範囲外なので説明は省略する。
以上述べたように、固定子が分散配置された永久磁石型リニア同期モータによりエア浮上搬送装置を駆動する場合に、本発明が提案する方式でホール素子センサを設置し且つその出力に基づいて本発明が提案する方法で固定子の励磁周波数を制御することにより、以下の効果を期待できる。
1.一対のホール素子センサを固定子磁界の内部と外部に所定の間隔で設置するだけで、可動子磁界と固定子進行磁界の双方の位相に関する信頼性の高い情報を簡単に得ることができ、駆動装置のコスト低減と信頼性向上を期待できる。
2.上記で得られた可動子磁界と固定子進行磁界の双方の位相に関する信頼性の高い情報に基づき可動子が固定子磁界領域に進入する際の減速度が許容値内に収まる様に固定子の励磁周波数を制御できるので、可動子が進入する際の衝撃や振動の防止を期待できる。
1.一対のホール素子センサを固定子磁界の内部と外部に所定の間隔で設置するだけで、可動子磁界と固定子進行磁界の双方の位相に関する信頼性の高い情報を簡単に得ることができ、駆動装置のコスト低減と信頼性向上を期待できる。
2.上記で得られた可動子磁界と固定子進行磁界の双方の位相に関する信頼性の高い情報に基づき可動子が固定子磁界領域に進入する際の減速度が許容値内に収まる様に固定子の励磁周波数を制御できるので、可動子が進入する際の衝撃や振動の防止を期待できる。
以下本発明にかかる実施形態を図面により説明する。図1はエア浮上搬送装置を駆動するための、固定子が分散配置された永久磁石型リニア同期モータの概念図であり、固定子の磁界の内部に可動子の一部が進入した状態を示す。なお図1ではエア浮上用の走路は省略している。図1において1は固定子の一方の磁極で2は対抗するもう一方の磁極である。搬送台4に固定された可動子永久磁石5は、前記の固定子磁極1と2の間で非接触走行が可能な様にエア浮上走路(図示せず)によって案内されており、可動子の走行方向に複数配列された固定子コイル3の各々を3相交番電流で励磁することにより磁極1と2の間に発生する進行磁界により、エア浮上走路に沿って駆動される。エア浮上走路沿いで固定子が無い部分では、可動子は慣性によって走行する。
図2は、図1の固定子磁極の配列とその内部に発生する進行磁界を、模式的に示したものである。即ち、6は互いに対抗する固定子磁極の一つを示し、7は対抗する各磁極の間に形成される進行磁界を正弦波的に示している。前記進行磁界7の進行速度は図1の固定子コイル励磁電流の周波数を変えることにより変えることが出来る。然し進行磁界の波長Lは、固定子コイルにより一定である。
図3は、本発明で提案している一対のホール素子センサの設置方法を示す概念図である。即ち固定子内部に設置したホール素子センサ8と外部に設置したホール素子センサ9を、当該一対のセンサの間隔が固定子進行磁界の波長Lに等しくなるように設置することで、可動子10が外部ホール素子センサ9を通過する時に前記一対のホール素子センサの出力を同時に測定する事により、可動子中心磁界と固定子進行磁界の位相差αを簡単に求めることが出来る。このことは、固定子磁極配列6の内部に形成される進行磁界7を固定子の外部にまで連続して続いている仮想的な進行磁界11として考えることにより容易に理解することが出来る。
本発明は、クリーン製造工程におけるエア浮上搬送装置の駆動用として固定子が分散配置された永久磁石型リニア同期モータを用いる場合に、可動子がステーション間の慣性走行区間からステーション前の固定子領域に入る際の衝撃や振動の発生を防止し、搬送対象の精密部品等に悪影響を与えるのを防ぐために有効である。また、滑らかな停止を実現するので、停止位置精度の向上用としても有効である。
1 固定子コアの対向磁極の一方
2 固定子コアの対向磁極の他方
3 固定子の励磁用コイル
4 可動子永久磁石を固定する搬送台
5 可動子永久磁石
6 模式的に示した固定子コアの磁極
7 模式的に示した固定子内部に形成される進行磁界
8 固定子の内部に設置されたホール素子センサ
9 固定子の外部に設置されたホール素子センサ
10 固定子の内部に進入しようとする可動子
11 固定子の外部に仮想的に延長された、固定子内の進行磁界
2 固定子コアの対向磁極の他方
3 固定子の励磁用コイル
4 可動子永久磁石を固定する搬送台
5 可動子永久磁石
6 模式的に示した固定子コアの磁極
7 模式的に示した固定子内部に形成される進行磁界
8 固定子の内部に設置されたホール素子センサ
9 固定子の外部に設置されたホール素子センサ
10 固定子の内部に進入しようとする可動子
11 固定子の外部に仮想的に延長された、固定子内の進行磁界
Claims (1)
- 搬送路の要所に分散配置された複数の一次側固定子と永久磁石型可動子とから構成されるリニア同期モータの制御方式に関して、固定子磁界の内部及び外部に一対の磁界検出用ホール素子センサを設け、それら一対のホール素子センサ間の距離を固定子磁界領域に発生する進行磁界の波長の整数倍となし、前記一対のホール素子センサの出力から固定子磁界の進行磁界と可動子磁極の間の位相差を演算する機能をコントローラ内部に持ち、可動子が固定子磁界の外部から当該磁界の内部に進入するに際して、可動子の走行速度と固定子の進行磁界の移動速度が同期し、且つ前記位相差を可動子磁極が位相角で零から90度の範囲で先行するように、固定子コイルの励磁周波数により制御することを特徴とする、リニア同期モータの制御方式
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007341708A JP2009148145A (ja) | 2007-12-11 | 2007-12-11 | 固定子が分散配置された永久磁石型リニア同期モータの制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007341708A JP2009148145A (ja) | 2007-12-11 | 2007-12-11 | 固定子が分散配置された永久磁石型リニア同期モータの制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009148145A true JP2009148145A (ja) | 2009-07-02 |
Family
ID=40918110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007341708A Pending JP2009148145A (ja) | 2007-12-11 | 2007-12-11 | 固定子が分散配置された永久磁石型リニア同期モータの制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009148145A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018017380A3 (en) * | 2016-07-16 | 2018-07-26 | Baker Hughes, A Ge Company, Llc | Systems and methods for operating a linear motor to prevent impacts with hard stops |
-
2007
- 2007-12-11 JP JP2007341708A patent/JP2009148145A/ja active Pending
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WO2018017380A3 (en) * | 2016-07-16 | 2018-07-26 | Baker Hughes, A Ge Company, Llc | Systems and methods for operating a linear motor to prevent impacts with hard stops |
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