JP2009147014A - 樹脂封止型電子制御装置及びその封止成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの増大を可及的に抑えたもとで、熱応力に対する耐久性等を高めて長寿命化を図ることができるとともに、高い信頼性を得ることのできる樹脂封止型電子制御装置を提供する。
【解決手段】配線層2aを少なくとも2層以上有し、前記配線層2a、2a相互を電気的に接続すべく、それらの厚み方向に貫通する、内周面が導体パターン3aからなるスルーホール3が多数設けられた配線基板2と、該配線基板2に実装された電子部品と、前記配線基板2が搭載された金属ベースと、該金属ベースに取り付けられて前記配線基板2と外部とを電気的に接続するコネクタとを備え、前記配線基板2の全面と前記金属ベースの一部とが熱硬化性樹脂10により一体的に封止成形され、前記スルーホール3内に、前記熱硬化性樹脂10が充填されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、プリント配線基板の全面と金属ベースの一部とが熱硬化性樹脂により一体的に封止成形されている樹脂封止型電子制御装置及びその封止成形方法に係り、特に、過酷な環境下で使用される車載用エンジンコントロールユニット等に好適な樹脂封止型電子制御装置及びその封止成形方法に関する。
エンジンコントロールユニット(以下、ECUと称す)を始めとする車載用電子制御装置は、高機能化はもちろんのこと、低コスト化が求められている。また、ECUの取付け位置は、車室内からエンジンルーム内、さらには、エンジン直付けが求められ、環境温度が厳しくなり、高信頼性も必要とされる。近年では、汎用ディーゼルエンジンの分野において、新たな排ガス規制があり、この規制をクリアするため、機械式から電子制御化の流れが進んでいる。
汎用ディーゼルエンジン用のECUは、用途が農耕機、工機、船舶等幅広く、その取付け位置も、自動車のようにボンネット等で覆われている中ではなく、大気に曝される環境下に置かれる場合もあり、自動車用ECUより過酷な環境で使用されることが多い。よって、汎用ディーゼルエンジン用ECUは、自動車用ECUより高い信頼性が必要である。
従来、代表的な車載用車室内ECUには、プリント配線基板に半導体パッケージを実装した廉価版ECUがあるが、信頼性に劣る。
一方、オンエンジン用ECUに代表されるセラミック基板上にベアチップを実装した高耐熱・高信頼性のECUが存在するが、高価である。
従来の廉価版ECUをベースに電子制御装置の高信頼化を図る方策の一つとして、例えば下記特許文献1には、半導体分野で技術が確立している樹脂封止技術をECUに適用することが提案されている。
また、下記特許文献2等にも見られるように、半導体業界では、既に、半導体チップのパッケージに熱硬化性樹脂(組成物)を用いて、トランスファモールド方式で封止成形を行うことが一般的技術として確立されている。
さらに、下記特許文献3には、複数の配線層を有する配線基板において、前記配線層相互を電気的に接続すべく、それらの厚み方向に貫通する、内周面が導体パターンで形成されてなるスルーホールを設けることが開示されている。
特開2006−190725号公報 特開2005−56944号公報 特開2006−140365号公報
前記特許文献3に記載されているような、複数の配線層相互を電気的に接続するために(加えて、放熱のために)スルーホールが設けられた配線基板は、熱疲労が繰り返しかかるような環境下では、スルーホール内部に大きな熱応力が掛かり、スルーホール内周面を覆う導体パターンが断線するおそれがある。特に、線膨張係数の大きなFR4プリント配線基板は、大きな応力集中が発生しやすく、安価ではあるが信頼性が低い。
このような線膨張係数の差による応力集中をできるだけ低減するためには、安価な樹脂プリント配線基板ではなく、高耐熱・低熱膨張であるセラミック基板を使用しなければならず、コストがかかるという問題があった。
本発明は、前記した如くの問題を解消すべくなされたもので、その目的とするところは、製造コストの増大を可及的に抑えたもとで、熱応力に対する耐久性等を高めて長寿命化を図ることができるとともに、高い信頼性を得ることのできる樹脂封止型電子制御装置及びその封止成形方法を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る樹脂封止型電子制御装置は、配線層を少なくとも2層以上有し、前記配線層相互を電気的に接続すべくそれらの厚み方向に貫通する、内周面が導体パターンからなるスルーホールが多数設けられた配線基板と、該配線基板に実装された電子部品と、前記配線基板が搭載された金属ベースと、該金属ベースに取り付けられて前記配線基板と外部とを電気的に接続するコネクタとを備え、前記配線基板の全面と前記金属ベースの一部とが熱硬化性樹脂により一体的に封止成形されているもので、前記スルーホール内に、前記熱硬化性樹脂が充填されていることを特徴としている。
このようにされることにより、熱応力に対するスルーホール(の導体パターン)の耐久性等が高められるため、装置の長寿命化を図ることができるとともに、高い信頼性を得ることができ、特に、過酷な環境下で使用されるにも関わらず高い信頼性が要求される車載用エンジンコントロールユニット等に有用な技術となる。
また、本発明に係る封止成形方法の一つは、前記樹脂封止型電子制御装置の封止成形に用いられる方法で、前記配線基板、前記金属ベース、及び前記コネクタからなるサブモジュールを金型内にセットし、前記金型内に前記熱硬化性樹脂を注入充填して、t < 2P×d / 3(ただし、dは前記スルーホールの孔径(mm)、tは前記配線基板の板厚(mm))を満足する成形圧力P(kgf/cm2)をもって封止成形することを特徴としている。
ここで、成形圧力Pとは、樹脂封止成形時に樹脂全体に掛ける圧力であり、大気圧に対する圧力である。成形圧力Pは、5〜120 kgf/cm2の範囲であるが、ボイドを無くすため、成形圧力は可能な限り高いことが望ましい。これは、例えば、10 kgf/cm2の成形圧力ではボイド体積を1/10に潰すことができるからである。
図5は、成形圧力10kgf/cm2のとき、具体的に上記の式(1)をプロットしたグラフである。本発明に係る樹脂封止型電子制御装置は、配線基板の板厚tとスルーホールの孔径dの関係を図5の斜線部Xの範囲になるように設定する。
ここで、上記式のt < 2P×d / 3(1)の範囲内において、孔径dの異なる複数のスルーホールがあってもよい。トランスファモールド(移送成形)方式又はコンプレッションモールド(圧縮成形)方式等での封止成形時に、上記の式(1)を満足するように成形圧力Pを調整することで、スルーホール内に溶融樹脂を確実に送り込めて完全に埋めることができ、言い換えれば、所要の穴埋め充填性を確保できるので、熱応力に対するスルーホール(の導体パターン)の耐久性等が高められて、装置の長寿命化を図ることができるとともに、高い信頼性を得ることができる。
また、本発明に係る封止成形方法の他の一つも、前記樹脂封止型電子制御装置の封止成形に用いられる方法で、前記配線基板、前記金属ベース、及び前記コネクタからなるサブモジュールを金型内にセットし、前記金型内に前記熱硬化性樹脂を、前記配線基板のどちらか一方の面側から注入して、この一方の面側に充填した後、他方の面側に流動させて、この他方の面側からオーバーフローさせることを特徴としている。
この場合、好ましくは、前記金型にダミーキャビティを設けるとともに、前記金属ベースと前記配線基板の一方の面との間に形成される隙間を介して前記金型のゲート部と前記ダミーキャビティとが連通することを阻止すべく、前記金属ベースに前記配線基板の一方の面に達する隔壁用突部を設けるようにされる。
このようにされることにより、トランスファモールド方式又はコンプレッションモールド方式等での封止成形時に、金型内に注入されて流動する溶融樹脂の合流点が成形品内部にできず、ウエルドボイドや巻き込みボイド等の成形不良が発生し難くなるので、製品の歩留まりを向上させることができるとともに、スルーホール内部にも溶融樹脂の合流点ができなくなり、その結果、前記と同様に、装置の長寿命化を図ることができるとともに、高い信頼性を得ることができる。
また、本発明に係る封止成形方法の別の一つも、前記樹脂封止型電子制御装置の封止成形に用いられる方法で、前記配線基板、前記金属ベース、及び前記コネクタからなるサブモジュールを金型内にセットし、前記金型内に前記熱硬化性樹脂を注入充填して封止成形を行う際、前記金型内を大気圧より低く減圧することを特徴としている。
このようにされることにより、トランスファモールド方式又はコンプレッションモールド方式等での封止成形時に、空気の巻き込み、ボイド等の不良の発生を抑えることができ、製品の歩留まりを向上させることが可能となる。
本発明に係る樹脂封止型電子制御装置は、スルーホール内に封止用の熱硬化性樹脂が充填されているので、熱応力に対するスルーホール(の導体パターン)の耐久性等が高められ、装置の長寿命化を図ることができるとともに、高い信頼性を得ることができる。
また、本発明に係る樹脂封止型電子制御装置の封止成形方法によれば、製品の歩留まりを向上させることができるとともに、熱応力に対するスルーホール(の導体パターン)の耐久性等を高めることができて、装置の長寿命化を図ることができるとともに、高い信頼性を得ることができる。
以下、本発明の樹脂封止型電子制御装置の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る樹脂封止型電子制御装置の一実施形態の外観を示す鳥瞰図、図2は、図1に示される樹脂封止型電子制御装置の部分切欠鳥瞰図、図3は、図1に示される樹脂封止型電子制御装置の縦断面図である。
本実施形態の樹脂封止型電子制御装置1は、例えば、車載用エンジンコントロールユニット(ECU)として用いられるもので、図4に示される如くの4層の配線層2a、2a、…を有するFR4プリント配線基板2(寸法は103×90×1.6mm)と、この配線基板2に実装された電子部品6a、6b(マイクロコンピュータ)、6cと、配線基板2が搭載された金属ベース4と、この金属ベース4に取り付けられて前記配線基板2と外部とを電気的に接続するコネクタ5とを備え、前記配線基板2の全面と前記金属ベース4の一部(内面)とが熱硬化性樹脂10により一体的に封止成形されている。
前記配線基板2は、前記金属ベース4の底面から少し浮かせた状態で搭載保持されている。また、この配線基板2には、前記配線層2a、2a、…相互を電気的に接続すべく、それを厚み方向に貫通する、内周面が導体パターン3aからなるスルーホール3(図4参照)が多数設けられており、この多数のスルーホール3内に、前記封止用の熱硬化性樹脂10が充填されている。スルホール3は、孔径dが1mm以下(後述するように、実施例として0.4mmと0.6mmのものが用意されている)の透孔であり、図2において点々で示されている(符号は無し)ように、発熱量の大きい電子部品6a、6b、6c、…の近くには狭い間隔で(密に)配在されている(放熱のため)。
また、配線基板2は、厚み方向の線膨張係数:20〜70ppm/℃、弾性率:20〜35Gpa、ガラス転移温度:120〜175℃であり、材料はエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、又は、ビスマレイミドトリアジン樹脂にガラス繊維や無機フィラを配合した樹脂プリント基板、又は、ポリイミド、液晶ポリマーからなるフレキシブル基板のいずれかを用いることができる。配線基板2の表層には、FET、IC、ダイオード、クリスタル、セラミックコンデンサ、チップ抵抗等の電子部品6a、6c、及びマイクロコンピュータ6b等が、Sn/Pb共晶はんだ、Sn/Ag/Cu系鉛フリーはんだを用いて実装されている。
このプリント配線基板2が搭載される金属ベース4は、電子部品6a、6b、6c等が発生する熱の放熱経路となるヒートシンク、電磁遮蔽、車輌等に取付けるブラケット等の役目を果たす。配線基板2と熱硬化性樹脂(組成物)10との接着強度は、それほど高くない上、配線基板2の表面は、はんだ付け時のフラックスにより汚染されるので、前記したように、金属ベース4の底面等に配線基板2を浮かせて支持する支持部4b等を設け、配線基板2の全面と金属ベース4の内面とを一体的に樹脂封止することが望ましい。これにより、高接着構造にすることが出来る。また、支持部4bは金属ベース4とプリント配線基板2の電気的接点となり、耐EMC性を向上させるために必要なアースを導くことが出来る。
この際、必要に応じて物理的ブラスト処理や化学エッチングにより、樹脂との接着面の表面粗さを2〜25μmとすることで、高接着構造とすることができる。金属ベース4の材料としては、一般的に、アルミ、鉄、銅、および、それら合金を使用する。
前記コネクタ5は、その内部に配線基板2と外部とを電気的に接続する所要本数の金属端子5aが設けられているが、そのハウジング部分5bは、金属ベース4に取り付けられ、配線基板2とは接触していない。これは、ハウジング部分5bと配線基板2との線膨張係数の差、もしくは、ハウジング部分5bと熱硬化性樹脂10との線膨張係数の差に起因する熱応力発生を回避するためである。したがって、ハウジング部分5bの材料としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)や、線膨張係数の大きなポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン(PA66)等も使用可能である。
次に、前記の如くの構成を有する樹脂封止型電子制御装置1についての封止成形方法の一例を説明する。
本例では、トランスファモールド方式で樹脂封止成形を行うようにされ、まず、前記配線基板2、金属ベース4、及びコネクタ5からなるサブモジュール7を、175℃の金型内にセットし、金型内に、線膨張係数16ppm/℃、弾性率15Gpa、ガラス転移温度125℃の物性を有する熱硬化性樹脂(組成物)10を注入充填して、下記の式(1)を満足する成形圧力P(kgf/cm2)をもって3分間の封止成形を行う。
ただし、下記の式(1)において、前記スルーホール3の孔径をd(mm)、前記配線基板2の板厚をt(mm)とする。
t < 2P×d / 3 ………(1)
具体的には、下記の[表1]に示される如くに、
実施例1・・・基板2の板厚tが1.6mm、スルホール3の孔径dが0.4mm
成形圧力Pが10(kgf/cm2)
実施例2・・・基板2の板厚tが1.6mm、スルホール3の孔径dが0.6mm
成形圧力Pが10(kgf/cm2)
実施例3・・・基板2の板厚tが1.6mm、スルホール3の孔径dが0.6mm
成形圧力Pが30(kgf/cm2)
とした。
また、本発明の作用効果を検証するため、下記の比較例1、2を用意した。
比較例1・・・樹脂封止成形を行わず(樹脂封止無し)
基板2の板厚tが1.6mm、スルホール3の孔径dが0.4mm
成形圧力Pは掛けない
比較例2・・・前記実施例1、2、3と同様に樹脂封止成形を行った(樹脂封止有り)
基板2の板厚tが1.6mm、スルホール3の孔径dが0.4mm
成形圧力Pが5(kgf/cm2)
Figure 2009147014
なお、熱硬化性樹脂(組成物)10の材料としては、無機質フィラを含み40℃以下において固形であるエポキシ系複合材料(熱硬化性樹脂)が使用される。無機質フィラとしては、溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ボロンナイトライド、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド等、球形状もしくは角形状の少なくとも一種類以上を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂(組成物)10は、硬化後の物性値が、線膨張係数:5〜25ppm/℃、弾性率:8〜30Gpa、ガラス転移温度80〜200℃である。
以上のようにして、樹脂封止成形を行って図1、図2に示される如くの樹脂封止型電子制御装置1を得た。
このようにして得られた樹脂封止型電子制御装置1を、−40℃〜130℃(ΔT=170℃)、1時間の条件で熱衝撃試験を行った結果、[表1]に示される如くに、比較例1、2の不良モードはスルーホール断線であり、実施例1、2、3の不良モードは電子素子部品の破損である。
比較例1と比較例2の試験結果から明らかなように、比較例1の樹脂封止無しのFR4プリント配線基板単品では、基板寿命700サイクル(cyc)に対し、比較例2では、スルーホール3内部の熱硬化性樹脂10にボイドが生じ、これに起因して、基板寿命が500サイクルしかもたないことが分かった。
これに対し、実施例1、2、3では、いずれも基板寿命1500サイクル以上となり、スルーホール3内部の熱硬化性樹脂10にもボイドは無かった。
この結果をまとめると以下のようになる。FR4プリント配線基板2の全面を熱硬化性樹脂10により封止し、スルーホール3内部にも、同じ熱硬化性樹脂10が充填されていると、スルーホール3内の熱硬化性樹脂10にボイドがあるケース(比較例2)、スルーホール3内に熱硬化性樹脂10が無いケース(比較例1)、スルーホール3内が熱硬化性樹脂10で完全に充填されているケース(実施例1、2、3)の順に、耐久性(基板寿命)及び信頼性が高くなる。
以上のように、本実施形態の樹脂封止型電子制御装置1は、スルーホール3内に封止用の熱硬化性樹脂10が充填されているので、熱応力に対するスルーホール3(の導体パターン3a)の耐久性等が高められ、装置の長寿命化を図ることができるとともに、高い信頼性を得ることができる。
次に、本発明に係る封止成形方法の他の例を説明する。
本例でも、前記した電子制御装置1について、トランスファモールド方式で樹脂封止成形を行うようにされ、まず、図6に示される如くに、前記配線基板2、金属ベース4、及びコネクタ5からなるサブモジュール7を、150℃〜180℃に加熱された金型8内にセットし、金型8のゲート部9から常温で固体の熱硬化性樹脂のタブレット12を溶融させて注入する。
ここでは、金型8にダミーキャビティ11が設けられるとともに、金属ベース4の底面と配線基板2の下面との間に形成される隙間Sを介して金型8のゲート部9と前記ダミーキャビティ11とが連通することを阻止すべく、金属ベース4に配線基板2における下面の一端部に達する、断面凹字状の隔壁用突部4aが設けられている。なお、この隔壁用突部4aは、金属ベース4と配線基板2との接合強度を増大させる役目も果たす。
したがって、ゲート部9から注入された溶融樹脂10は、前記隔壁用突部4aが存在することで、まず、基板2の下面側に充填された後、基板2の上面側に流動せしめられ、図7に示される如くに、基板2の上面側に充填されて、前記ダミーキャビティ11にオーバーフローすることになる。その後、3分間の樹脂封止成形を行い、封止成形後、サブモジュール7(樹脂封止型電子制御装置1)を金型8から脱着し、オーバーフローによりできた余分な(ダミーキャビティ11内等の)樹脂部をカットする。最後に、必要に応じて、140℃ 5時間以上の後硬化を行う。
本例の樹脂封止成形方法では、樹脂流動の合流点が成形品内部にできず、ウエルドボイドや巻き込みボイド等の成形不良が起こらない。スルーホール3内部にも樹脂の合流点ができず良好な樹脂流動性が得られる。
通常、充填完了後の保圧過程では、ボイド等を押し出したり、潰したりするため、圧力はできるだけ高い方が好ましいが、本例では樹脂流動によりボイドを押し出すので、高い成形圧を必要としない。樹脂成形後、ボイドができ、空気が残ると、サブモジュール7(樹脂封止型電子制御装置1)を金型8から開放した際、空気層の内圧が解放されるため、基板2や金属ベース4の接着面で剥離やクラックを生じる可能性があり、安定した樹脂封止成形ができない。これは、成形圧力が高いほど空気層の内圧も高くなるので、成形不良になる傾向が高まる。
以上のことから、空気層を完全に排気してしまうことが望ましいのである。本例の封止成形方法では、ダミーキャビティー11に熱硬化性樹脂10をオーバーフローさせ、空気層を押し出すことで、製品側に空気層を残さない。
また、ダミーキャビティー11を設けずに、真空ポンプを用いて、樹脂封止成形時に型締めされた金型8内を大気圧以下に排気・減圧し、この減圧下でトランスファモールド方式やコンプレッションモールド方式で樹脂封止成形を行うようにしてもよい。
このようにされることにより、ウエルドボイドや巻き込みボイド等の成形不良が発生し難くなるので、製品の歩留まりを向上させることができ、さらに、装置の長寿命化を図ることができるとともに、高い信頼性を得ることができる。
本発明に係る樹脂封止型電子制御装置の一実施形態の外観を示す鳥瞰図。図である。 図1に示される樹脂封止型電子制御装置の部分切欠鳥瞰図。 図1に示される樹脂封止型電子制御装置の縦断面図。 図1に示される樹脂封止型電子制御装置の配線基板に設けられたスルーホール周りを拡大して示す断面図。 本発明に係る樹脂封止型電子制御装置の封止成形方法の一例における成形圧力Pと配線基板の板厚tとスルーホールの孔径dの関係の説明に供されるグラフ。 本発明に係る樹脂封止型電子制御装置の封止成形方法の他の例における、樹脂注入充填時の説明に供される縦断面図。 本発明に係る樹脂封止型電子制御装置の封止成形方法の他の例における、樹脂充完了時の説明に供される縦断面図。
符号の説明
1・・・樹脂封止型電子制御装置、2・・・プリント配線基板、3・・・スルーホール、3a・・・導体パターン、4・・・金属ベース、4a・・・隔壁用突部、5・・・コネクタ、5a・・・金属端子、6a・・・電子部品、6b・・・マイクロコンピュータ、7・・・サブモジュール、8・・・金型、9・・・ゲート部、10・・・熱硬化性樹脂(組成物)、11・・・ダミーキャビティ、12・・・樹脂タブレット

Claims (7)

  1. 配線層を2層以上有し、前記配線層相互を電気的に接続すべく、それらの厚み方向に貫通する、内周面が導体パターンからなるスルーホールが多数設けられた配線基板と、該配線基板に実装された電子部品と、前記配線基板が搭載された金属ベースと、該金属ベースに取り付けられて前記配線基板と外部とを電気的に接続するコネクタとを備え、前記配線基板の全面と前記金属ベースの一部とが熱硬化性樹脂により一体的に封止成形されている樹脂封止型電子制御装置であって、
    前記スルーホール内に、前記熱硬化性樹脂が充填されていることを特徴とする樹脂封止型電子制御装置。
  2. 車載用エンジンコントロールユニットとして構成されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂封止型電子制御装置。
  3. 請求項1に記載の樹脂封止型電子制御装置の封止成形方法であって、前記配線基板、前記金属ベース、及び前記コネクタからなるサブモジュールを金型内にセットし、前記金型内に前記熱硬化性樹脂を注入充填して、t < 2P×d / 3(ただし、dは前記スルーホールの孔径(mm)、tは前記配線基板の板厚(mm))を満足する成形圧力P(kgf/cm2)をもって封止成形することを特徴とする封止成形方法。
  4. 請求項1に記載の樹脂封止型電子制御装置の封止成形方法であって、前記配線基板、前記金属ベース、及び前記コネクタからなるサブモジュールを金型内にセットし、前記金型内に前記熱硬化性樹脂を、前記配線基板のどちらか一方の面側から注入して、この一方の面側に充填した後、他方の面側に流動させて、この他方の面側からオーバーフローさせることを特徴とする封止成形方法。
  5. 前記金型にダミーキャビティを設けるとともに、前記金属ベースと前記配線基板の一方の面との間に形成される隙間を介して前記金型のゲート部と前記ダミーキャビティとが連通することを阻止すべく、前記金属ベースに前記配線基板の一方の面に達する隔壁用突部を設けることを特徴とする請求項4に記載の封止成形方法。
  6. 請求項1に記載の樹脂封止型電子制御装置の封止成形方法であって、前記配線基板、前記金属ベース、及び前記コネクタからなるサブモジュールを金型内にセットし、前記金型内に前記熱硬化性樹脂を注入充填して封止成形を行う際、前記金型内を大気圧より低く減圧することを特徴とする封止成形方法。
  7. トランスファモールド方式又はコンプレッションモールド方式で行うことを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の封止成形方法。
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