JP2009146532A - 垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたS/Nを有し、隣接トラック消去の小さい熱安定性に優れた垂直磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】基板上に設けられた下地層と、(0001)が優先配向した六方細密構造を有するCoとCrとPtを主体とする柱状磁性粒子及び酸化物を含み下地層の上に形成されたグラニュラー磁性層と、グラニュラー磁性層の上に形成された酸化物を含まない強磁性金属層とを有する垂直磁気記録媒体において、グラニュラー磁性層のある強磁性粒子に隣接する強磁性粒子の面積重心を結んだ線によって囲まれる領域に含まれる面積をA_g+b、そこに含まれる粒界の面積をA_bとした時、グラニュラー磁性層中の規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散を30%以下とする。
【選択図】図1
【解決手段】基板上に設けられた下地層と、(0001)が優先配向した六方細密構造を有するCoとCrとPtを主体とする柱状磁性粒子及び酸化物を含み下地層の上に形成されたグラニュラー磁性層と、グラニュラー磁性層の上に形成された酸化物を含まない強磁性金属層とを有する垂直磁気記録媒体において、グラニュラー磁性層のある強磁性粒子に隣接する強磁性粒子の面積重心を結んだ線によって囲まれる領域に含まれる面積をA_g+b、そこに含まれる粒界の面積をA_bとした時、グラニュラー磁性層中の規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散を30%以下とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、大容量の情報を記録可能な垂直磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置に関する。
近年、コンピュータの扱う情報量が増大し、補助記憶装置としてハードディスク装置の大容量化が一段と求められている。さらに、家庭用の電気製品へのハードディスク装置の搭載が進むことにより、ハードディスク装置の小型化、大容量化の要望は強くなる一方である。
これまで磁気ディスク装置に用いられていた面内磁気記録方式では、媒体に記録された磁化が互いに逆向きに向き合って隣接するため、線記録密度を高めるには記録層の保磁力を増大させるとともに膜厚を減少させる必要がある。ところが、記録層の保磁力が増大すると記録ヘッドの書き込み能力が不足するという問題が生じ、記録層の膜厚が小さくなると熱減磁により記録情報が失われるという問題が生じ、面内記録方式を用いて記録密度を向上させることが難しくなってきている。これらの問題を解決するため、垂直磁気記録方式を用いた磁気ディスク装置の開発が活発化している。垂直磁気記録方式は、記録媒体の磁化を媒体面に垂直に、かつ隣り合う記録ビット内の磁化が互いに反平行になるように記録ビットを形成する方式であり、面内記録方式に比べて磁化遷移領域での反磁界が小さいため媒体ノイズを低減でき、高密度記録時の記録磁化を安定に保持できる。また、垂直磁気記録媒体と基板との間に磁束のリターンパスとして働く軟磁性下地層を設けた二層垂直磁気記録媒体と単磁極型ヘッド(SPTヘッドと呼ぶ)とを組み合わせる方式が提案されている。さらに、記録磁界勾配を向上させるために、主磁極のトレーリング側に非磁性のギャップ層を介して磁気シールドを設けた磁気ヘッド(TSヘッドと呼ぶ)が提案されている。
垂直磁気記録媒体の磁気記録層としては、磁性結晶粒の周囲に酸化物や窒化物などの非磁性化合物を偏析させることにより磁性結晶粒を磁気的に分離した構造(グラニュラー構造と呼ぶ)が提案されている。例えば、IEEE Transactions on Magnetics, Vol.40, No.4, July 2004, pp. 2498-2500, “Role of Oxygen Incorporation in Co-Cr-Pt-Si-O Perpendicular Magnetic Recording Media”には、CoCrPt合金とSiO2を含有する複合型ターゲットを用い、アルゴン酸素混合ガス雰囲気中でDCマグネトロンスパッタによりグラニュラー構造を有する記録層を形成する方法が開示されている。
特開2005−190552号公報には、SNR向上の方法として、規格化粒界幅分散を40%以下としたグラニュラー構造を有する垂直磁気記録媒体が開示されている。また、特開2006−302426号公報には、媒体の低ノイズ化、SNR向上の方法として、Co,Cr,Pt,Si,Oを含有し、磁性結晶粒径が膜厚方向に実質的に一定であり、中間層との界面側に表面層よりも酸素の多い領域を有するグラニュラー構造を持った磁気記録層が開示されている。また、特開2006−164440号公報には、非磁性粒界を膜厚方向に均等な幅に保ち、強磁性結晶粒子の粒径を均一化、微細化したグラニュラー垂直磁気記録媒体が開示されている。
特開2004−310910号公報には、酸化物を結晶粒界に偏析させたグラニュラー構造の記録層に酸化物を含まないCo−Cr系合金層を積層した構造が開示されている。また、特開2006−309919号公報には、磁性層を、グラニュラー構造を有する二層以上の層から形成し、下層の磁性層は上層の磁性層に比べて非磁性非固溶の原子濃度を大きくする方法が開示されている。
上記従来の技術は、非磁性の酸化物を結晶粒界に偏析させて磁性粒子を磁気的に孤立化させ粒径を微細化するとともに粒径分散を低減することや、グラニュラー層の膜厚方向の粒界幅の変動を抑えることにより、磁気特性及び記録再生特性を向上させるのが目的である。しかしながら、hcp構造を有するCoCrPt系合金の基板面にc軸が垂直配向しその配向性が高くなるにつれて、対称性が高いために結晶粒が成長する際に結晶粒同士の結合が起こりやすく、粒界が均一に形成されにくいという問題が生じてきた。
特開2006−302426号公報のように、酸化物生成自由エネルギーの高いSiO2濃度が高くCr濃度の低いターゲットを用いて磁性層の初期層を形成した場合、平均的な結晶粒径は減少するが、結晶粒界が均一に広がらずに結晶粒界の幅の狭いサブグレインが多く形成されて交換結合にも分散が生じる。結果として、磁気的なクラスターサイズが結晶粒径を小さくしてもそれ以上小さくならず、更なる記録密度の向上が難しいという問題が生じてきた。また、部分的に孤立化した磁性粒子は、Crが少ないために磁気異方性が非常に大きくなり、ヘッドでの記録が十分にできないという問題も生じる。
特開2005−190552号公報のように、隣接粒子の重心を結んだ線の粒界部分に含まれる長さから求めた粒界幅の分散を制御したり、特開2006−164440号公報のようにグラニュラー層の膜厚方向の粒界幅の変動を制御したりするだけでは、更なるS/N向上に対しては十分ではなく、本発明者らは、グラニュラー構造を有する磁性層の強磁性粒子とそれ取り囲む非磁性粒界の面積の分散に着目し、TEMにより詳細に調べた結果、ある強磁性粒子に隣接する強磁性粒子によって囲まれる領域に含まれる強磁性粒子の面積で規格化した非磁性粒界の面積(規格化非磁性粒界面積)の分散がある値より大きくなると、高S/N化のために強磁性粒子の充填率を上げていくにつれて、結晶粒間に働く交換結合の分散の影響が急激に増加し、磁化反転単位をそれ以上低減できなくなることを見出した。これは、従来の技術では、粒界の交わる部分の非磁性体の面積を制御できず、磁性層粒子の充填率を向上できないことが一因と考えられる。
特開2004−310910号公報や特開2006−309919号公報のように、グラニュラー構造を持つ磁性層上に酸化物を含まない強磁性金属膜を積層しただけでは、グラニュラー磁性層の偏析を促進し交換結合を低減するに伴って十分なOW(over write)特性を得るために強磁性金属層を厚くする必要が生じ、その結果、分解能が大幅に劣化するためSNRの改善が頭打ちになるというトレードオフの関係があった。
本発明者らは、強磁性金属層の成長初期段階の構造に着目し、TEMにより詳細に結晶構造を調べた結果、グラニュラー磁性層表面側の結晶粒界幅が広くなると、強磁性金属層が薄い段階ではグラニュラー層の粒界構造を反映した結晶粒界を持つようになり、連続的な構造を持つようにするには強磁性金属層の膜厚を厚くしなければならないこと、強磁性金属層が薄い段階では不連続な構造を持つため、グラニュラー磁性層の結晶粒子に均一な交換結合を導入できず、その結果、反転磁界の分散の低減や反転磁界強度の低減効果が得られないということを見出した。また、強磁性金属膜はグラニュラー膜に比べて膜中の交換結合が非常に強いために、膜厚の増加に伴って反転磁界分散は低減されるものの磁気クラスターサイズが急激に増加し、高い線記録密度での急激なノイズの増加や、あるトラックに信号を記録した際に隣接トラックにおけるビット誤り率が急激に劣化するという問題(隣接トラック消去)を新たに見出した。
本発明はこのような検討に基づいてなされたものであり、その目的は、強磁性粒子間に働く交換結合の分散を低減し、磁気クラスターサイズの低減と強磁性粒子の充填率の向上を両立し、優れたS/Nを有する隣接トラック消去の小さな熱安定性に優れた垂直磁気記録媒体、その製造方法、及び磁気記憶装置を提供することである。
本発明の垂直磁気記録媒体は、基板上に設けられた下地層と、CoとCrとPtを主体とする柱状磁性粒子及び酸化物を含み下地層の上に形成されたグラニュラー磁性層と、グラニュラー磁性層の上に形成された酸化物を含まない強磁性金属層とを有している。また、グラニュラー磁性層の磁性粒子は、(0001)が優先配向した六方細密構造を有する。図1に示すように、グラニュラー磁性層のある強磁性粒子に隣接する強磁性粒子の面積重心を結んだ線によって囲まれる領域に含まれる面積をA_g+b、そこに含まれる粒界の面積をA_bと定義した時、グラニュラー磁性層中の規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が30%以下であることを特徴とする。これにより、交換結合の分散を低減できる。ここで、磁性粒子の面積重心を求め、重心同士を結んだ線が、他の結晶粒子を跨がないものを隣接する磁性粒子と定義する。平均及び分散は、500nm×500nm以上の領域に含まれる磁性粒子の観察を行って求める。
また、本発明の垂直磁気記録媒体は、磁性粒子の面積重心を結んだ線と粒界の交わる長さから求めた粒界幅の平均値が0.5nm以上1nmであることを特徴とする。これにより、交換結合を低減できる。
また、強磁性金属層がグラニュラー磁性層の結晶粒界を跨ぐ形で連続的な構造をもつことが好ましく、これは、グラニュラー磁性層の膜厚中心付近よりも上層側で結晶粒界幅を狭くすることで実現できる。これにより、交換結合の強い強磁性金属層の膜厚を最小限に抑えることができるため、隣接トラック消去に対する耐性を向上できる。そのためには例えば、グラニュラー磁性層の結晶粒界に含まれるCr酸化物が膜厚方向に濃度勾配を有するようにし、強磁性金属層側のCr酸化物を構成するCr元素と酸素の元素濃度の和を基板側に比べて少なくするとよい。
本発明によれば、グラニュラー磁性層の交換結合の大きさ及び分散を低減しつつ、磁性粒子の充填率を上げることができ、また、交換結合の強い強磁性金属層の膜厚を最小限に抑えつつ、ヘッドで記録した際の反転磁界の分散を低減できる。このため、従来よりもS/N比が改善され、トラック密度が向上するとともに、隣接トラックの消去耐性も向上できる。その結果、高いトラック密度と線記録密度の両立が可能となり、熱安定性に優れた高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置を提供できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図2は、本発明による垂直磁気記録媒体の一例の断面模式図である。垂直磁気記録媒体は基板41上に、密着層42、軟磁性下地層43、配向と偏析を制御する下地層44、グラニュラー磁性層45、強磁性金属層46、保護層47が順次形成され、保護層47の上には更に潤滑層が形成されている。基板41には、NiPメッキを施したAl合金や化学強化ガラスや結晶化ガラス等を用いることができる。密着層42は、基板との密着性を向上するためのものである。ただし、本発明の目的にとって必須ではない。密着層42には、例えば、NiTa合金、AlTi合金、NiAl合金、CoTi合金、AlTa合金などを用いることができる。
軟磁性下地層43は、磁気ヘッドからの磁束のリターンパスとして機能し、ヘッドの磁界強度や磁界勾配を制御し、記録再生特性を向上させる役割を果たす。ただし、本発明の目的にとって必須ではない。軟磁性材料としては、NiFe、NiFeCr、NiFeNbなどの結晶性の材料や、FeTaC、FeTiCなどの微結晶性の材料、CoTaZr、CoNbZr、FeCoTaZr、FeCoBなどのアモルファスの材料を用いることができるが、媒体表面のラフネスを小さくできるという点で、アモルファスの材料がより好ましい。軟磁性下地層の構成として、軟磁性材料からなる層をRuなどの薄い金属層を介して積層(AFC構造)し、反強磁性的に結合させることで、軟磁性下地層に起因するノイズを低減することができる。軟磁性下地層の構成としては、一層のFeCoTaZr合金などの軟磁性材料からなる軟磁性下地層の下に軟磁性下地層の磁区を固定するための磁区制御層を設けた構造や、AFC構造の下に磁区制御層を設けた構造を用いても良い。
配向と偏析を制御する下地層44は、記録層の結晶配向性や結晶粒径、粒界幅を制御し、記録層の結晶粒間の交換結合の低減に重要な役割を果たす。配向と偏析を制御する下地層44の膜厚、構成、材料は、上記効果が得られる範囲で設定すればよい。例えば、面心立方格子(fcc)構造を有する金属層上に、RuもしくはRu合金層を形成した構成やTi合金上にfcc金属を介してRu合金層を形成した構成などを用いることができる。fcc構造を有する金属層の役割は、Ruの膜面垂直方向のc軸配向性を高めることである。特に、fcc金属はTaなどの微結晶系やNiTaなどのアモルファス系の材料に比べて粒径及び凹凸の制御に優れており、記録層の偏析の促進と熱安定性を大きく向上できるため好ましい。fcc構造を有する金属としては、Pd,Pt,Cu,Niやこれらを含有する合金を用いることができる。特に、Niを主成分とする少なくともW,Cr,VもしくはCuを一つ以上含む合金とすると、適度な粒径と凹凸を形成でき、記録層の偏析を促進できるため好ましい。
fcc金属の直下に、Cr−Ti合金、Cr−Ta合金、Ni−Ta合金、Al−Ti合金などのアモルファス層やTaなどの微結晶層を設けると、fcc層の(111)配向性を高め、その上に成長するRu合金層及びグラニュラー磁性層の(0001)配向性を高めることができるため好ましい。RuもしくはRu合金層の役割は、グラニュラー磁性層の結晶粒径及び粒界幅の分散の低減による結晶粒間の交換結合を均一に低減することある。上記効果を得るためには、例えば、RuもしくはRu合金層を二層以上に分けて形成し、下層側には結晶配向性を向上させる機能を、上層側にはグラニュラー磁性層の偏析を制御させる機能を持たせると良い。これにより、配向の劣化を抑えて、記録層の偏析を促進できる。
下層のRuもしくはRu合金層を形成する際には、スパッタガス圧を0.5−1Pa程度の低ガス圧とし、2nm/s以上の高レートで形成すると配向性を高めることができる。Ru粒子の結晶粒の肥大化を防ぐため、微量の酸素をArガスに添加すると効果的である。Ru合金としては、Ru−Ti、Ru−B、Ru−Hf、Ru−Taなどを用いることができる。上層側のRuもしくはRu合金層を形成する際には、例えば、5Pa以上の高ガス圧、1nm/s程度の低レートプロセスで形成することで、スパッタ粒子の運動エネルギーを抑えてシャドウイング効果によりRuもしくはRu合金粒子の物理的な分離を促進することが有効である。更に、記録層側との界面部分を、RuもしくはRu合金粒子の周りを酸化物や窒化物が取り囲んだグラニュラー膜とすると、磁性層の偏析を更に促進することができるためより好ましい。
このように、十分な凹凸構造や、酸化物や窒化物を粒界に偏析させた構造を作ることにより、直上のグラニュラー磁性層の粒界をRuもしくはRu合金層の粒界上に効率良く形成できる。RuもしくはRu合金粒子の周りを酸化物や窒化物が取り囲んだグラニュラー膜を形成する際には、Ruを主成分としSi,B,Ti,Ta,Nb,Hfなど酸化しやすい元素を含んだ合金を、微量の酸素や窒素添加したArガスを用いて反応性スパッタにより形成したり、RuにSiO2、TiO2、HfO2、Ta2O5、Nb2O5などの酸化物を含有させたターゲットを用いてグラニュラー膜を形成したりすることができる。ここで、配向の劣化や粒径分散の増加を抑制するため、粒界を構成する酸化物や窒化物の量や膜厚、バイアスを印加するなどの制御が重要である。
グラニュラー磁性層45は、強磁性結晶粒が非磁性粒界で囲まれたグラニュラー構造を有する。強磁性結晶粒は、hcp構造を有したCoとCrとPtを主体とした合金からなり、優先配向は(0001)とすると良い。CoCrPt系合金の媒体で加熱によりCrを粒界に偏析させた場合や、磁気テープに用いられるCoOなどの材料に比べて高い垂直磁気異方性が得られるメリットがある。しかしながら、hcp構造のc軸が基板に垂直配向している場合、対称性が高いため、結晶粒同士が結合したりして粒界幅が不均一になりやすいという問題がある。高S/N化を実現するためには、グラニュラー磁性層の磁性結晶粒子間に働く交換結合を均一に低減し、且つ、磁性結晶粒子の充填率を上げることが必要となる。
交換結合を均一に低減するためには、グラニュラー磁性層45の初期層の粒界幅を均一に広げて、磁性層の強磁性結晶粒子を孤立化させる必要がある。強磁性結晶粒子を取り囲む非磁性粒界部の幅が不均一な場合、近接粒子間に働く交換結合は粒界幅の最も狭い部分で決まるため、強磁性粒子の充填率を上げようとすると粒間の交換結合が強くなってノイズが増加し、逆に、十分に交換結合を低減しようとすると強磁性粒子の充填率が下がってジッター性のノイズが増えてS/Nの劣化を招くことが解った。また、粒界が互いに交わる部分は非磁性物質が溜まって粒界の面積が広くなりやすく、この面積が増加すると強磁性結晶粒子の充填率が下がり、S/N劣化の要因となることが解った。
発明者らの検討の結果、ある強磁性粒子に隣接する強磁性粒子の面積重心を結んだ線によって囲まれる面積をA_g+b、そこに含まれる粒界の面積をA_bと定義した時、グラニュラー磁性層中の規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が30%以下であることが好ましいことが解った。これにより交換結合の分散を低減できるため、磁気クラスターサイズの増加や分散の増加を最小限に抑えて、強磁性粒子の充填率を高めることが可能となる。また、同じ結晶粒の面積であれば、粒子サイズを大きくできるため、熱安定性も向上できる。
また、磁性粒子の面積重心を結んだ線と粒界の交わる長さから求めた粒界幅の平均値が0.5nm以上1nmであることが好ましい。これにより、交換結合を低減でき、大幅にS/Nを向上できる。
グラニュラー磁性層の下層の結晶粒界幅を均一に広げるために酸化物生成自由エネルギーの高いSi,Ti,Nb,Taなどの酸化物を増やした場合、サブグレインが多数形成されて粒界幅が均一に広がりにくく、また、粒界が交わる部分には非磁性体の溜まりができやすいことが解った。一方、酸化物生成自由エネルギーの低いCrは、それだけでは均一に粒界を形成しにくいが、酸化物生成自由エネルギーの高いSi,Ti,Nb,Taなどの酸化物などにより粒界のきっかけを作ることで、Crの酸化物が結晶粒界に優先的に析出し、均一な幅の結晶粒界が形成されることを見出した。Cr酸化物を効果的に粒界に偏析させ、且つ、粒界の交わる部分の面積の増加を抑えるためには、上述の下地層の構造に加えて、グラニュラー磁性層を形成する際のスパッタガスに含まれる酸素濃度と基板に印加するバイアス電圧が重要である。基板に負のDCバイアス電圧を印加し、且つ、その絶対値を250V以上と高くし、且つ、十分に酸素を供給してCr酸化物を形成することで、酸化物の結晶粒界への偏析を促進し、粒界が交わる部分の面積の増加を抑えつつ均一な幅の非磁性粒界を形成できる。結果として、交換結合の均一な低減と強磁性結晶粒子の充填率の向上が可能となり、低ノイズ性と高分解能が実現され、高いS/Nが実現される。
ただし、印加バイアス電圧が高くなると、グラニュラー磁性層の結晶粒が下地層の結晶粒子の構造を跨いで成長し肥大化しやすくなるため、下地層表面に十分な凹凸構造や、酸化物や窒化物を粒界に偏析させた構造をつくることで、直上のグラニュラー磁性層の粒界位置を固定する必要がある。また、印加バイアス電圧が高くなると、酸化物からの酸素欠損が生じるため、スパッタガス中の酸素濃度を高く設定することが重要である。更に、基板に印加するバイアス電圧をパルス状にすることで、基板表面の酸化物や窒化物のチャージアップを防ぎ酸化物や窒化物の運動エネルギーを高めることで、酸化物や窒化物の粒界への偏析を促進できる。また、酸素や窒素を効率的に取り込むことで酸素、窒素欠損を抑えて、強磁性粒子からの分離を促進できる。
一方、磁気クラスターサイズの分散及び反転磁界の分散を低減するためには、強磁性金属層を介して磁性層の結晶粒子間に均一な交換結合を導入することが有効である。本発明者らは、強磁性金属層の粒子が成長初期段階からグラニュラー磁性層の粒界を跨いで成長し、実質的に連続的な構造を持つことで、磁気クラスターサイズの増加を最小限に抑えつつ磁性層の結晶粒子間に均一な交換結合を導入できることを見出した。強磁性金属層を上記構造とするためには、グラニュラー磁性層の上層側の粒界幅を均一に狭めることが重要であり、グラニュラー磁性層の下層側から中央付近の粒界幅に比べて表面側2nmの領域の粒界幅を0.3nm以上狭くすることが好ましい。このような構造を実現するためには、酸化物を含む磁性層の上層の酸化物を酸化物生成自由エネルギーの高いSi,Ti,Nb,Taなどの酸化物とし、且つ、Cr酸化物を下層より少なくすることが重要である。粒界幅を広げる作用を有するCr酸化物を磁性層の上層側で少なくすることで粒界幅が狭まるが、Si,Ti,Nb,Taなどの酸化物が存在することにより下層の結晶粒界を反映する形で徐々に均一に粒界幅が狭まり、強磁性金属層の結晶粒子がこの結晶粒界を跨ぐような形で成長しやすくできる。この時、酸化物を含む磁性層の上層側には、粒界幅の均一な減少に伴って、強磁性金属層に比べれば弱いが均一な交換結合が働くことで、反転磁界分散及びその平均的な磁界強度の低減にも寄与する。グラニュラー磁性層の上層側は、下層側に比べて酸素を減らして形成すると、Cr酸化物の形成を抑制できる。酸素を導入せずに形成すると更にCr酸化物の形成が抑制されるためより好ましい。グラニュラー層上層側を形成する際には、下層側に比べて基板側に印加するバイアス電圧の大きさを小さく設定することが、交換結合を適切な大きさに抑えるのに有効である。
強磁性金属層の結晶粒子がグラニュラー磁性層の結晶粒界を跨ぐような形で成長することで、グラニュラー磁性層粒子間に均一な交換結合を導入でき、クラスターサイズの分散や反転磁界分散を低減できる。このような構成とすることで、強磁性金属層の膜厚を最小限に抑えることができるため、分解能が向上し、磁気クラスターサイズの増加も最小限に抑えられるため、高い線記録密度でのノイズの増加、隣接トラック消去を抑えることができることを新たに見出した。
低ノイズ性を実現するため、グラニュラー磁性層としては、Coを主成分とし、少なくともCrとPtを含み酸化物を含む、Co−Cr−Pt−B合金、Co−Cr−Pt−Mo合金、Co−Cr−Pt−Nb合金、Co−Cr−Pt−Ta合金と、Si酸化物、Ta酸化物、Nb酸化物、Ti酸化物を少なくとも一種類含み、Cr酸化物の濃度が下層側で高く強磁性金属層との界面側で少ないグラニュラー膜とすると良い。上記構造のグラニュラー磁性層を形成する際には、スパッタ中の酸素濃度やバイアス電圧、ガス圧に勾配を持たせることにより構造を制御しても良いし、異なるターゲットを用いて複数の層から形成しても良い。
強磁性金属層を構成する材料としては、Co/PtやCo/Pdなどの人工格子や、Coを主成とし少なくともCrを含有する合金などを用いることができる。特に、Coを主成分とし少なくともCrを含有する合金、すなわちCo−Cr合金、Co−Cr−B合金、Co−Cr−Mo合金、Co−Cr−Nb合金、Co−Cr−Ta合金、Co−Cr−Pt−Cu合金、Co−Cr−Pt−B合金、Co−Cr−Pt−Mo合金、Co−Cr−Pt−Nb合金、Co−Cr−Pt−Ta合金、Co−Cr−Pt−Mo−B合金、Co−Cr−Pt−Nb−B合金、Co−Cr−Pt−Ta−B合金、Co−Cr−Pt−Cu−B合金などを用いると、ノイズ増加を最小限に抑えて反転磁界分散を低減でき、耐食性も向上できるため好ましい。また、強磁性金属層の膜厚は、平均的な反転磁界強度、反転磁界の分散を低減でき、且つ、熱安定性が満足される範囲内で、できるだけ薄くすることが好ましい。これにより、隣接トラック消去を抑えることができる。強磁性金属層の膜厚は、好ましくは1nmから5nm程度である。
強磁性金属層と酸化物を含む磁性層の間に、両者の間の交換結合を制御する層を挿入しても良い。上下層の交換結合を制御する層としては、Ru,CoRu,CoCr−SiO2などを用いることができる。
[実施例1]
本実施例の垂直磁気記録媒体は、アネルバ株式会社製のスパッタリング装置(C−3010)を用いて作製した。このスパッタリング装置は10個のプロセスチャンバと1個の基板導入チャンバからなり、各チャンバは独立に排気されている。すべてのプロセスチャンバを1×10-5Pa以下の真空度まで排気した後、基板を乗せたキャリアを各プロセスチャンバに移動させることにより、順にプロセスを実施した。スパッタ用のプロセスチャンバには磁石回転型のマグネトロンスパッタカソードを設置し、金属膜及びカーボン膜はDCスパッタにより形成した。
本実施例の垂直磁気記録媒体は、アネルバ株式会社製のスパッタリング装置(C−3010)を用いて作製した。このスパッタリング装置は10個のプロセスチャンバと1個の基板導入チャンバからなり、各チャンバは独立に排気されている。すべてのプロセスチャンバを1×10-5Pa以下の真空度まで排気した後、基板を乗せたキャリアを各プロセスチャンバに移動させることにより、順にプロセスを実施した。スパッタ用のプロセスチャンバには磁石回転型のマグネトロンスパッタカソードを設置し、金属膜及びカーボン膜はDCスパッタにより形成した。
基板41には直径63.5mmのガラス基板を用いた。基板41上に、基板との密着性を高めるためにNi−40at.%Ta合金からなる膜厚30nmの密着層42を形成した。スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。その上の軟磁性下地層43は、FeCoTaZr合金を薄いRuを介して積層した三層構造とした。ここでFeCoTaZr合金としては、51at.%Fe−34at.%Co−10at.%Ta−5at.%Zrを用い、一層あたりの膜厚を10nmとした。この時のRuの膜厚は0.4nmとした。FeCoTaZr層、Ru層形成の際には、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。
配向と偏析を制御する下地層44は、Ni−40at.%Ta層を4nm、Ni−10at.%Cr−6at.%W層を7nm、Ruを16nm、順次形成した構成とした。NiTa層、NiCrW層形成の際には、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。Ru層は二層に分けて形成した。下層8nmは製膜レート2nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴンと酸素の混合ガスを用い、総ガス圧0.7Pa、酸素濃度1%とした。上層8nmは製膜レート1nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴガスを用い、総ガス圧を5Paとした。RuとTi酸化物からなる層を形成する際には、Ru−10%Ti合金ターゲットを用い、総ガス圧を6.5Pa、酸素濃度を0.2%とした。
グラニュラー磁性層45は、[61at.%Co−21at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を94mol:6molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで形成した。膜厚は12.9nmとした。グラニュラー磁性層45を形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度2.5%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から2.4秒間は総ガス圧を5Pa、酸素濃度を3%とし、基板バイアスを−275Vの条件で形成し、製膜終了までの1.9秒間は総ガス圧を3.5Pa、酸素濃度を0%とし、基板バイアスを−200Vの条件で形成した。
酸化物を含まない強磁性金属層46を形成する際には、Co−15at.%Cr−14at.%Pt−8at.%B合金ターゲットを用い、スパッタガスとしてArを用い、総ガス圧を0.6Paとした。膜厚は4.5nmとした。
続いて、保護層47として厚さ3.5nmのダイアモンドライクカーボン膜を形成した。その表面に有機系の潤滑剤を塗布して潤滑層を形成した。
[実施例2]
配向と偏析を制御する下地層44は、Cr−50at.%Ti層を2nm、Ni−8at.%W層を4nm、Ruを19nm、RuとB酸化物からなる層を0.8nm、順次形成した構成とした。NiTa層、NiW層形成の際には、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。Ru層は二層に分けて形成した。下層8nmは製膜レート2nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴンと酸素の混合ガスを用い、総ガス圧0.7Pa、酸素濃度1%とした。上層11nmは製膜レート1nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴガスを用い、総ガス圧を5Paとした。RuとB酸化物からなる層を形成する際には、Ru−5%B合金ターゲットを用い、総ガス圧を6.5Pa、酸素濃度を0.2%とした。
配向と偏析を制御する下地層44は、Cr−50at.%Ti層を2nm、Ni−8at.%W層を4nm、Ruを19nm、RuとB酸化物からなる層を0.8nm、順次形成した構成とした。NiTa層、NiW層形成の際には、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。Ru層は二層に分けて形成した。下層8nmは製膜レート2nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴンと酸素の混合ガスを用い、総ガス圧0.7Pa、酸素濃度1%とした。上層11nmは製膜レート1nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴガスを用い、総ガス圧を5Paとした。RuとB酸化物からなる層を形成する際には、Ru−5%B合金ターゲットを用い、総ガス圧を6.5Pa、酸素濃度を0.2%とした。
グラニュラー磁性層45は、[65at.%Co−17at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を92mol:8molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで、基板バイアスを−275Vとした条件で膜厚9.9nm形成後、続けて[59at.%Co−23at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を95mol:5molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアス−が150Vの条件で膜厚3nm形成した。
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmを形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度2.5%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から2.8秒間は総ガス圧を5Pa、酸素濃度を2.3%とし、残りの0.5秒間は総ガス圧を3.5Pa、酸素濃度を0%とした。グラニュラー磁性層45の後半3nmを形成する際には、Arガスのみを用い、総ガス圧を3.5Paとし、基板バイアス−150Vの条件で形成した。
配向と偏析を制御する下地層44とグラニュラー磁性層45以外は、実施例1と同一条件とした。
[実施例3]
配向と偏析を制御する下地層44は、Cr−50at.%Ta層を2nm、Ni−8at.%W層を4nm、Ruを19nm、RuとTa酸化物からなる層を0.8nm、順次形成した構成とした。CrTi層、NiW層形成の際には、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。Ru層は二層に分けて形成した。下層8nmは製膜レート2nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴンと酸素の混合ガスを用い、総ガス圧0.7Pa、酸素濃度1%とした。上層11nmは製膜レート1nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴガスを用い、総ガス圧を5Paとした。RuとTa酸化物からなる層を形成する際には、Ru−10%Ta合金ターゲットを用い、総ガス圧を6.5Pa、酸素濃度を0.2%とした。
配向と偏析を制御する下地層44は、Cr−50at.%Ta層を2nm、Ni−8at.%W層を4nm、Ruを19nm、RuとTa酸化物からなる層を0.8nm、順次形成した構成とした。CrTi層、NiW層形成の際には、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。Ru層は二層に分けて形成した。下層8nmは製膜レート2nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴンと酸素の混合ガスを用い、総ガス圧0.7Pa、酸素濃度1%とした。上層11nmは製膜レート1nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴガスを用い、総ガス圧を5Paとした。RuとTa酸化物からなる層を形成する際には、Ru−10%Ta合金ターゲットを用い、総ガス圧を6.5Pa、酸素濃度を0.2%とした。
グラニュラー磁性層45は、[63at.%Co−19at.%Cr−18at.%Pt]とTa2O5を98mol:2molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアスを−275Vとした条件で膜厚9.9nm形成後、続けて[59at.%Co−23at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を95mol:5molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアスを−275Vとした条件で膜厚3nm形成した。グラニュラー磁性層45の前半9.9nmを形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度2.5%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から2.8秒間は総ガス圧を5Pa、酸素濃度を2.3%とし、残りの0.5秒間は総ガス圧を3.5Pa、酸素濃度を0%とした。グラニュラー磁性層45の後半3nmを形成する際には、Arガスのみを用い、総ガス圧を3.5Paとした。
酸化物を含まない強磁性金属層46には、Co−22at.%Cr−14at.%Pt合金ターゲットを用い、スパッタガスとしてArを用い、総ガス圧を0.6Paとした。膜厚は4nmとした。
配向と偏析を制御する下地層44、グラニュラー磁性層45、及び強磁性金属層46以外は、実施例1と同一条件とした。
[実施例4]
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmで、[63at.%Co−19at.%Cr−18at.%Pt]とNb2O5を98mol:2molの割合で含有する複合型ターゲットを用いたこと以外、実施例3と同一条件とした。
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmで、[63at.%Co−19at.%Cr−18at.%Pt]とNb2O5を98mol:2molの割合で含有する複合型ターゲットを用いたこと以外、実施例3と同一条件とした。
[実施例5]
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmで、[63at.%Co−19at.%Cr−18at.%Pt]とTiO2を94mol:6molの割合で含有する複合型ターゲットを用いたこと以外、実施例3と同一条件とした。
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmで、[63at.%Co−19at.%Cr−18at.%Pt]とTiO2を94mol:6molの割合で含有する複合型ターゲットを用いたこと以外、実施例3と同一条件とした。
[実施例6]
配向と偏析を制御する下地層44は、Ta層を2nm、TiTa層を4nm、CuTi層を1nm、NiCuW層を9nm、Ruを9nm、RuとHf酸化物からなる層を1nm、順次形成した構成とした。TiTa層形成の際には、Ti−3at.%Ta合金ターゲットを用い、CuTi層形成の際には、Cu−10at.%Ti合金ターゲットを用い、NiCuW層形成の際にはNi−20at.%Cu−6at.%W合金ターゲットを用いた。Ta層、TiTa層、CuTi層、NiCuW層形成の際には、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。CuTi層を形成する前に、TiTa層の表面を総ガス圧0.7Pa(酸素濃度1%)のアルゴンと酸素雰囲気中に3秒間暴露し、表面の一部を酸化させた。Ru層は二層に分けて形成した。下層4nmは製膜レート2nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴンと酸素の混合ガスを用い、総ガス圧0.7Pa、酸素濃度1%とした。上層10nmは製膜レート1nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴガスを用い、総ガス圧を5Paとした。RuとHf酸化物からなる層を形成する際には、Ru−6%Hf合金ターゲットを用い、総ガス圧を6.5Pa、酸素濃度を0.2%とした。
配向と偏析を制御する下地層44は、Ta層を2nm、TiTa層を4nm、CuTi層を1nm、NiCuW層を9nm、Ruを9nm、RuとHf酸化物からなる層を1nm、順次形成した構成とした。TiTa層形成の際には、Ti−3at.%Ta合金ターゲットを用い、CuTi層形成の際には、Cu−10at.%Ti合金ターゲットを用い、NiCuW層形成の際にはNi−20at.%Cu−6at.%W合金ターゲットを用いた。Ta層、TiTa層、CuTi層、NiCuW層形成の際には、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。CuTi層を形成する前に、TiTa層の表面を総ガス圧0.7Pa(酸素濃度1%)のアルゴンと酸素雰囲気中に3秒間暴露し、表面の一部を酸化させた。Ru層は二層に分けて形成した。下層4nmは製膜レート2nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴンと酸素の混合ガスを用い、総ガス圧0.7Pa、酸素濃度1%とした。上層10nmは製膜レート1nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴガスを用い、総ガス圧を5Paとした。RuとHf酸化物からなる層を形成する際には、Ru−6%Hf合金ターゲットを用い、総ガス圧を6.5Pa、酸素濃度を0.2%とした。
配向と偏析を制御する下地層44以外は実施例1と同一条件とした。
[実施例7]
配向と偏析を制御する下地層44は、Ni−10at.%Cr層を9nm、Ruを18nm順次形成した構成とした。NiCr層形成の際には、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。Ru層は二層に分けて形成した。下層8nmは製膜レート2nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴンと酸素の混合ガスを用い、総ガス圧0.7Pa、酸素濃度1%とした。上層10nmは製膜レート1nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴガスを用い、総ガス圧を5Paとした。
配向と偏析を制御する下地層44は、Ni−10at.%Cr層を9nm、Ruを18nm順次形成した構成とした。NiCr層形成の際には、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、総ガス圧0.7Paとした。Ru層は二層に分けて形成した。下層8nmは製膜レート2nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴンと酸素の混合ガスを用い、総ガス圧0.7Pa、酸素濃度1%とした。上層10nmは製膜レート1nm/sで形成し、スパッタガスにはアルゴガスを用い、総ガス圧を5Paとした。
グラニュラー磁性層45は、[61at.%Co−21at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を93mol:7molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで形成した。膜厚は12.9nmとした。グラニュラー磁性層45を形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度2.5%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から2.6秒間は総ガス圧を5Pa、酸素濃度を2.7%とし、基板バイアスを−275Vとした条件で形成し、製膜終了までの1.7秒間は総ガス圧を3.5Pa、酸素濃度を1.0%とし、基板バイアスを−200Vとした条件で形成した。酸化物を含まない強磁性金属層46には、Co−13at.%Cr−16at.%Pt−11at.%B合金、スパッタガスとしてArを用い、総ガス圧を0.6Paとした。膜厚は4nmとした。
配向と偏析を制御する下地層44、グラニュラー磁性層45、及び強磁性金属層46以外は、実施例1と同一条件とした。
[実施例8]
グラニュラー磁性層45は、[61at.%Co−21at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を93mol:7molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアスを−275Vとした条件で形成した。膜厚は12.9nmとした。グラニュラー磁性層45を形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度2.5%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から製膜終了まで総ガス圧を5Pa、酸素濃度を2.7%とした。酸化物を含まない強磁性金属層46には、Co−13at.%Cr−16at.%Pt−11at.%B合金ターゲットを用い、スパッタガスとしてArを用い、総ガス圧を0.6Paとした。膜厚は6nmとした。
グラニュラー磁性層45は、[61at.%Co−21at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を93mol:7molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアスを−275Vとした条件で形成した。膜厚は12.9nmとした。グラニュラー磁性層45を形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度2.5%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から製膜終了まで総ガス圧を5Pa、酸素濃度を2.7%とした。酸化物を含まない強磁性金属層46には、Co−13at.%Cr−16at.%Pt−11at.%B合金ターゲットを用い、スパッタガスとしてArを用い、総ガス圧を0.6Paとした。膜厚は6nmとした。
グラニュラー磁性層45、及び強磁性金属層46以外は実施例7と同一条件とした。
[比較例1]
グラニュラー磁性層45は、[70at.%Co−12at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を89mol:11molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアスを−200Vとした条件で形成した。膜厚は12.9nmとした。グラニュラー磁性層45を形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度2.5%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から2.3秒間は総ガス圧を5Pa、酸素濃度を1.3%とし、製膜終了までの1.9秒間は総ガス圧を3.5Pa、酸素濃度を0%とした。酸化物を含まない強磁性金属層46を形成する際には、Co−15at.%Cr−14at.%Pt−8at.%B合金ターゲットを用い、スパッタガスとしてArを用い、総ガス圧を0.6Paとした。膜厚は7nmとした。
グラニュラー磁性層45は、[70at.%Co−12at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を89mol:11molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアスを−200Vとした条件で形成した。膜厚は12.9nmとした。グラニュラー磁性層45を形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度2.5%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から2.3秒間は総ガス圧を5Pa、酸素濃度を1.3%とし、製膜終了までの1.9秒間は総ガス圧を3.5Pa、酸素濃度を0%とした。酸化物を含まない強磁性金属層46を形成する際には、Co−15at.%Cr−14at.%Pt−8at.%B合金ターゲットを用い、スパッタガスとしてArを用い、総ガス圧を0.6Paとした。膜厚は7nmとした。
グラニュラー磁性層45、及び強磁性金属層46以外は、すべて実施例1と同様にして作製した。
[比較例2]
配向と偏析を制御する下地層44に含まれるNiCrW層の膜厚を4nmとした以外は、比較例1と同様のサンプルを作製した。
配向と偏析を制御する下地層44に含まれるNiCrW層の膜厚を4nmとした以外は、比較例1と同様のサンプルを作製した。
[比較例3]
グラニュラー磁性層45は、[70at.%Co−12at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を89mol:11molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアスを−200Vとした条件で膜厚9.9nm形成後、続けて[59at.%Co−23at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を95mol:5molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアス−275Vの条件で膜厚3nm形成した。
グラニュラー磁性層45は、[70at.%Co−12at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を89mol:11molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアスを−200Vとした条件で膜厚9.9nm形成後、続けて[59at.%Co−23at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を95mol:5molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアス−275Vの条件で膜厚3nm形成した。
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmを形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度1.3%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から2.8秒間は総ガス圧を5Pa、酸素濃度を1.3%とし、製膜終了までの0.5秒間は総ガス圧を3.5Pa、酸素濃度を0%とした。グラニュラー磁性層45の後半3nmを形成する際には、Arガスのみを用い、総ガス圧を3.5Paとした。酸化物を含まない強磁性金属層46を形成する際には、Co−22at.%Cr−14at.%Pt合金ターゲットを用い、スパッタガスとしてArを用い、総ガス圧を0.6Paとし、膜厚は6nmとした。
グラニュラー磁性層45、及び強磁性金属層46以外は、実施例8と同一条件とした。
[比較例4]
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmで、[70at.%Co−12at.%Cr−18at.%Pt]とTa2O5を96mol:4molの割合で含有する複合型ターゲットを用いたこと以外、比較例3と同一条件とした。
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmで、[70at.%Co−12at.%Cr−18at.%Pt]とTa2O5を96mol:4molの割合で含有する複合型ターゲットを用いたこと以外、比較例3と同一条件とした。
[比較例5]
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmで、[70at.%Co−12at.%Cr−18at.%Pt]とNb2O5を96mol:4molの割合で含有する複合型ターゲットを用いたこと以外、比較例3と同一条件とした。
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmで、[70at.%Co−12at.%Cr−18at.%Pt]とNb2O5を96mol:4molの割合で含有する複合型ターゲットを用いたこと以外、比較例3と同一条件とした。
[比較例6]
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmで、[70at.%Co−12at.%Cr−18at.%Pt]とTiO2を89mol:11molの割合で含有する複合型ターゲットを用いたこと以外、比較例3と同一条件とした。
グラニュラー磁性層45の前半9.9nmで、[70at.%Co−12at.%Cr−18at.%Pt]とTiO2を89mol:11molの割合で含有する複合型ターゲットを用いたこと以外、比較例3と同一条件とした。
[比較例7]
グラニュラー磁性層45は、[65at.%Co−17at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を92mol:8molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアスを−100Vとした条件で形成した。膜厚は12.9nmとした。グラニュラー磁性層45を形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度2.5%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から製膜終了まで総ガス圧を5Pa、酸素濃度を1.7%とした。酸化物を含まない強磁性金属層46には、Co−13at.%Cr−16at.%Pt−11at.%B合金、スパッタガスとしてArを用い、総ガス圧を0.6Paとした。膜厚は6nmとした。
グラニュラー磁性層45は、[65at.%Co−17at.%Cr−18at.%Pt]とSiO2を92mol:8molの割合で含有する複合型ターゲットを用い、3nm/sの製膜レートで基板バイアスを−100Vとした条件で形成した。膜厚は12.9nmとした。グラニュラー磁性層45を形成する際には、始めに0.3秒間、総ガス圧6.5Pa、酸素濃度2.5%の条件でアルゴンと酸素の混合ガスを流した後、製膜開始から製膜終了まで総ガス圧を5Pa、酸素濃度を1.7%とした。酸化物を含まない強磁性金属層46には、Co−13at.%Cr−16at.%Pt−11at.%B合金、スパッタガスとしてArを用い、総ガス圧を0.6Paとした。膜厚は6nmとした。
グラニュラー磁性層45、及び強磁性金属層46以外は実施例8と同一条件とした。
[比較例8]
配向と偏析を制御する下地層44に含まれるNiCr層の膜厚を4nmとした以外は、比較例7と同様のサンプルを作製した。
配向と偏析を制御する下地層44に含まれるNiCr層の膜厚を4nmとした以外は、比較例7と同様のサンプルを作製した。
上記実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例8において、強磁性金属層46の膜厚はほぼ同等の記録能力が得られるように設定した。
上述のようにして得られた実施例1から実施例8と比較例1から比較例8の垂直磁気記録媒体について、磁気特性、記録再生特性、微細構造評価を行った。表1にその結果を示す。
磁気特性評価には、Kerr効果測定装置を用いた。測定波長は350nm、レーザーのスポット径は約1mmである。磁界は試料膜面垂直方向に印加し、最大磁界は1580kA/m(20kOe)とし、掃引速度を一定として60秒間でカーループの測定を行った。その後、保磁力(Hc)、逆磁区核形成磁界(−Hn)を求めた。−Hnは、Kerr回転角が正に飽和した状態から磁界を下げた時に飽和値の95%となるときの磁界とし、第二象限にある場合を正と定義した。
記録再生特性評価にはスピンスタンドを用い、周速11.88m/s、スキュー角0度、磁気スペーシング約8nmの条件で行った。媒体S/Nは、27126fr/mmの線記録密度における再生出力と上記線記録密度で信号を記録した時の積分ノイズの比によって評価した。OW特性は、27126fr/mmの信号の上に2713fr/mmの信号を重ね書きした後の記録密度27126fr/mmの信号の消え残り成分と2713fr/mmの信号強度の比を用いて評価した。磁気ヘッドの再生部には、シールドギャップ長60nm、トラック幅70nmのトンネル磁気抵抗効果(TMR)を利用した再生素子を用いた。磁気ヘッドの記録部は、主磁極と補助磁極と薄膜導体コイルを有する単磁極型ヘッドの構造を有し、主磁極は主磁極ヨーク部と主磁極先端部からなり、主磁極先端部のトラック幅方向及びダウントラック方向を覆うようにシールドが形成されている(ラップアラウンドシールドヘッド)。主磁極先端部の幾何学的なトラック幅90nm、主磁極−トレーリングシールド間の距離50nm、主磁極−サイドシールド間距離100nmのヘッドを用いた。
隣接トラック消去は、あるトラックにデータを1回記録した後の隣接トラックのビット誤り率BER(1回)と、あるトラックにデータを10000回記録した後の隣接トラックのビット誤り率BER(10000回)を測定し、その比の対数Log10(BER(10000回)/BER(1回))を、隣接トラックにおけるビット誤り率の劣化量(隣接トラック消去)とした。
媒体の微細構造評価には、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた。グラニュラー磁性層の規格化粒界幅の分散を求める際には、研磨とArイオンミリングにより、基板側及び表面側からほぼグラニュラー磁性層のみが含まれる状態まで極薄膜化し、平面TEM像から500nm×500nm以上の領域に含まれる磁性粒子の観察を行った。ここで、磁性粒子の面積重心を求め、重心同士を結んだ線が他の結晶粒子を跨がないものを隣接する磁性粒子と定義し、グラニュラー磁性層のある強磁性粒子に隣接する強磁性粒子の面積重心を結んだ線によって囲まれる領域に含まれる磁性粒子の面積をA_g、粒界の面積をA_bと定義した時、グラニュラー磁性層中の規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散を求めた。また、磁性粒子の面積重心を結んだ線と粒界の交わる長さから求めた粒界幅の平均値を求めた。グラニュラー磁性層の磁性粒子の平均粒径は、上記領域に含まれる磁性粒子の面積を平均化し、その平均面積と等しい面積を持つ円の直径として平均粒径を求めた。グラニュラー層表層と下層から中央の粒界幅の差は、断面TEM像から100個程度の粒界を抽出し、各々の粒界においてグラニュラー磁性層の膜厚方向に1nm刻みで分割し、グラニュラー磁性層表層2nmと下層から中央の粒界の幅をそれぞれ求め、その平均値の差から算出した。
上記実施例1から実施例8及び比較例1から比較例8において、OW値は35〜40dBとほぼ同等で、十分な値を有していることが確認された。また、X線回折装置を用いて上記媒体のグラニュラー磁性層の結晶配向を調べたところ、hcp構造を有し、(0001)が優先配向していることがわかった。
図3に、規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散とS/Nの関係を示す。本実施例のサンプルは、規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が30%以下と小さく、比較例のサンプルに比べて、1dB以上高いS/Nを示すことがわかる。
実施例1、2及び比較例1〜3を比較すると、本実施例のサンプルは強磁性粒子の粒径では約1nm程度大きく、平均粒界幅では同等か0.5nm程度小さいにもかかわらず、約2〜3dB高いS/N比を示している。このことは、単純に平均粒径を微細化し、平均粒界幅を広げても、必ずしもS/Nが向上しないことを示している。一例として実施例1のサンプルと比較例2のサンプルのグラニュラー磁性層45の平面構造の模式図を図4及び図5に示す。
規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が21%と小さい実施例1のサンプルは、サブグレインが殆ど無く、強磁性粒子を取り囲む非磁性粒界幅の変動が小さく、粒界が交わる部分でも非磁性物質の溜まりが殆ど見られない。規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が30%以下の本実施例のグラニュラー磁性層は、下地層の材料やグラニュラー磁性層、強磁性金属層の材料を変えても、図4のようにサブグレインが殆ど無く、強磁性粒子を取り囲む非磁性粒界幅の変動が小さく、粒界が交わる部分に大きな非磁性物質の溜まりが少ない構造を有していた。規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散を30%以下とすることで、交換結合の分散を低減できるため、平均粒界幅が0.5nmと比較的小さい値でも交換結合を均一に低減でき、また、強磁性結晶粒子の充填率が上がり、高いS/Nが得られたと考えられる。また、表1より、本実施例の媒体の方がHc、Hnが大きく熱安定性に優れていることがわかる。これは、粒界幅が均一であるため、強磁性結晶粒子の粒径を大きく設定できるためである。
実施例6と実施例8の比較から、規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が25%と同じ場合、強磁性結晶粒の平均粒径と平均粒界幅の和(平均重心間距離)が同じ場合、平均粒界幅が0.6nmから1nmと広がると僅かにS/Nが減少する様子が見られている。これは、強磁性粒子の充填率が落ちたことで、出力の低下や、ジッター性のノイズの増加が起きたためと考えられる。
一方、規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が44%と大きい、比較例2では、強磁性粒子を取り囲む非磁性粒界幅の変動が大きく、粒界が交わる部分で大きな非磁性物質の溜まりが数多く見られる一方で、粒界幅の狭いサブグレインも多数観察された。規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が30%より大きな比較例においては、すべて同様の傾向が見られた。このように規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が30%より大きな場合には、平均的な粒界幅が広くても、粒界幅が狭い部分が多数存在し、そこを介して交換結合が働くため、交換結合の分散が非常に大きくなる。強磁性粒子の粒径は小さくても、より広い範囲に交換結合が及んで、磁化反転単位が大きくなってしまったことがS/N劣化の原因と考えられる。これに加えて、非磁性物質が粒界の交点に大きな溜まりとして多数存在することで、強磁性粒子の充填率が落ちたこともS/N劣化の原因と考えられる。
光電子分光法(XPS)を用い、上記サンプルのグラニュラー磁性層の組成分析を行った。加速電圧500Vのイオン銃でサンプル表面からスパッタして深さ方向に掘り進み、アルミニウムのKα線をエックス線源として、長さ1.5mmで幅0.1mmの範囲を分析した。Cの1s電子、Oの1s電子、Siの2s電子、Crの2p電子、Coの2p電子、Ruの3d電子、Ptの4f電子などに対応するエネルギー近傍のスペクトルを検出することにより、各元素の含有率を求めた。例えばCr酸化物の量を求める際には、Crのスペクトルの化学シフトから金属のCrとCr酸化物の割合を求めた。
本実施例のサンプルは、グラニュラー初期層に、Si,Ti,Ta,Nbなどの酸化物生成自由エネルギーの高い酸化物に加えてCr酸化物を構成するCr元素と酸素元素の和は7at.%以上であったのに対し、比較例のサンプルではSi,Ti,Ta,Nbなどの酸化物生成自由エネルギーの高い酸化物が実施例に比べて多く存在し、Cr酸化物は6at.%以下と少なかった。
透過電子顕微鏡(TEM)に電子エネルギー損失分光法(EELS)を組み合わせたTEM−EELSで粒界部の組成を分析したところ、本実施例のグラニュラー磁性層の初期部分の粒界にはSi,Ti,Ta,Nbなどの酸化物生成自由エネルギーの大きな元素に加えてCrとO(酸素)が多く存在することが確認されたのに対し、比較例ではCr元素はあまり観察されなかった。
初期層にCr酸化物を多く含む本実施例のサンプルでは、Cr酸化物が粒界に偏析することで均一な幅の結晶粒界が形成されたと考えられる。一方、Si,Ti,Ta,Nbなどの酸化物生成自由エネルギーの大きな元素の酸化物のみが多い場合には、サブグレインが多数形成されたり、粒界が交わる部分に酸化物が大きく析出したりして、粒界幅の分布が生じたり、強磁性粒子の充填率も低下したりすることがわかった。
比較例7と8では、比較例1〜3に比べて初期層に含まれるCr酸化物が増えて、Si酸化物の量が抑えられているため、サブグレインの発生割合や、粒界幅の分散は抑えられてきているが、粒界の交わる部分にはまだ酸化物の溜まりが多くみられており、これがA_b/A_g+bの分散を増加させる要因となっている。粒界の交わる部分の酸化物の溜まりは、強磁性粒子の充填率を下げるため、S/Nの劣化につながったと考えられる。
実施例7と実施例8を比較した場合、グラニュラー磁性層形成時の後半を酸素なしで形成した実施例7では、グラニュラー磁性層表面側でCr酸化物を構成する元素の濃度の和がグラニュラー磁性層中心付近の30%以下まで急激に減少していたのに対し、後半も同じ酸素濃度で形成した実施例8ではCr酸化物を構成する元素の濃度の和はグラニュラー磁性層表面側と中心付近とほとんど変わらなかった。実施例7と8は36dBと同等のOW特性を示すが、実施例8では強磁性金属層の厚さを2nm厚くする必要があった。これによって、分解能が劣化したことで0.2dBのS/Nの劣化が見られた。これら二種類のサンプルを、1cmあたり5.12×105ビット(512kbit/cm,1300kbit/inch)の線記録密度におけるビット誤り率(BER:108ビットのデータを読み出したときの(誤りビット数)/(読み出しビット数))を測定したとろ、BERは10-5.4及び10-5.2(Log10(BER)=−5.4及び−5.2)であった。
この線記録密度において、トラック間隔を変えて複数のトラックに情報を記録した際、ビット誤り率が10-3以下となるオフトラック許容量が、前記トラック間隔の30%となるときのトラック間隔よりトラック密度を算出したところ、トラックピッチはおおよそ1cmあたり8.66×104トラック(86.6ktrack/cm,220ktrack/inch)であった。上記の方法で求めたトラック密度で、あるトラックにデータを1回記録した後の隣接トラックのビット誤り率BER(1回)と、あるトラックにデータを10000回記録した後の隣接トラックのビット誤り率BER(10000回)を測定し、隣接トラックにおけるビット誤り率の劣化量(隣接トラック消去)を、その比の対数Log10(BER(10000回)/BER(1回))から求めた。表1に示すように、強磁性金属層の厚い実施例8においては実施例7と比較して、隣接トラックにおけるビット誤り率の劣化量が0.5から1.2へと大幅に劣化することが解った。これは、強磁性金属膜はグラニュラー膜に比べて膜中の交換結合が非常に強いために、膜厚の増加に伴って反転磁界分散は低減されるものの磁気クラスターサイズが急激に増加することにより、隣接トラックの影響を受けやすくなり、隣接トラックにおけるビット誤り率の急激な劣化を生じたと考えられる。
隣接トラック消去が1を超えると隣のトラックの情報が消えてしまう確率が上がり、ハードディスクドライブを使用する上で実用上問題を生じる。これを避けるためには、トラック密度を低く設定する必要が生じ、記録密度の低下を招く。
実施例7と実施例8の強磁性金属層及びグラニュラー磁性層表面の微細構造を、TEMにより詳細に評価した。図6に示すように、グラニュラー磁性層表面側のCr酸化物を減少させた実施例7の場合、グラニュラー磁性層表面側粒界幅が下地層側から中心付近に比べて狭まり、強磁性金属層が成長初期段階から連続的に成長し、幅の広い結晶粒界は観察されなかった。一方、図7に示す実施例8のようにCr酸化物がグラニュラー磁性層表面に多く存在する場合は、実施例7に比べてグラニュラー層表面の粒界幅が広く、強磁性金属層の初期層にも磁性層の粒界を反映して結晶粒界が形成され、幅の広い粒界が観察された。
実施例1〜6においても、同様にグラニュラー磁性層表面側の粒界幅の減少が見られ、強磁性金属層の粒子は成長初期段階から連続的に成長し、幅の広い結晶粒界は観察されなかった。表1に、グラニュラー磁性層表面側2nmの粒界幅の平均と下地層側から中心付近までの粒界幅の平均からの減少量を示す。実施例8を除き、本実施例1〜7では表面側で粒界幅が狭くなっているのがわかる。比較例1〜6のサンプルは結晶性が悪く、粒界幅の測定が困難であった。
グラニュラー磁性層の表面側の粒界幅を狭めることにより、強磁性金属層の結晶粒子が成長初期段階からグラニュラー磁性層の結晶粒界を跨ぐ形で成長しやすくなることがわかった。その結果、薄い強磁性金属層でも均一な交換結合がグラニュラー磁性層の粒子間に導入されるようになり、磁性層の反転磁界の大きさ及び分散が低減されたと考えられる。また、磁性層の表面側の粒界が均一に狭まることによっても、強磁性金属層に比べると大きさとしては小さいが均一な交換結合が磁性粒子に導入され、磁性層の反転磁界の大きさ及び分散が低減されたと考えられる。
一方、強磁性金属層の初期層にCrの酸化物が多く存在し結晶粒界が広い場合には、強磁性金属層の結晶粒子はグラニュラー磁性層の酸化物からなる粒界上には成長しにくいため、成長初期段階では結晶粒が分離して成長する。その結果、強磁性金属層の結晶粒子間の交換結合は、粒界構造を反映して不均一になる。図7に見られるように強磁性金属層の粒子が連続化し、反転磁界の分散を低減するために必要な強磁性金属層の膜厚が増加したと考えられる。
以上の結果から、グラニュラー磁性層表面のCrの酸化物を減らして粒界幅を狭めた実施例7は、実施例8に比べて大幅に隣接トラック消去耐性が向上できることがわかった。つまり、グラニュラー層表面の粒界幅を表面側で狭める、強磁性金属層が成長初期段階からグラニュラー磁性層の結晶粒界を跨ぐ形で連続的に成長した構造を有することがより好ましいことがわかった。
[実施例9]
本発明による磁気記憶装置の模式図を図8に示す。図8(a)は平面模式図、図8(b)は断面模式図である。磁気記録媒体10は上記実施例1〜7の垂直磁気記録媒体で構成され、磁気記憶装置は、この磁気記録媒体を駆動する媒体駆動部11、記録部と再生部を備える磁気ヘッド12、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させるアクチュエータ13、磁気ヘッドへの信号の入出力を行うための信号処理系14を有する。
本発明による磁気記憶装置の模式図を図8に示す。図8(a)は平面模式図、図8(b)は断面模式図である。磁気記録媒体10は上記実施例1〜7の垂直磁気記録媒体で構成され、磁気記憶装置は、この磁気記録媒体を駆動する媒体駆動部11、記録部と再生部を備える磁気ヘッド12、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させるアクチュエータ13、磁気ヘッドへの信号の入出力を行うための信号処理系14を有する。
磁気ヘッド12と磁気記録媒体10の関係を図9に示す。磁気ヘッド12の磁気的な浮上量を4nmとし、再生部20の再生素子21にはトンネル磁気抵抗効果素子(TMR)を使用し、シールドギャップ長50nm、トラック幅50nmである。記録部22の主磁極23の周りにはラップアラウンドシールド24が形成され、主磁極先端部の幾何学的なトラック幅は80nm、主磁極−トレーリングシールド間の距離は50nm、主磁極−サイドシールド間距離は80nmとした。主磁極23、垂直磁気記録媒体10の軟磁性下地層、補助磁極25は磁気回路を構成し、その磁気回路に鎖交する薄膜導体コイル26に通電することによって主磁極23から発生された記録磁束は、垂直磁気記録媒体10の磁性層及び軟磁性下地層を通って補助磁極25に戻る。
本発明の媒体を用いることにより、1cmあたりのトラック密度を86614トラック、1cmあたりの線記録密度を472441ビットとすることによって、1平方センチあたり40.9ギガビットでの動作を確認でき、隣接トラック消去も実用上問題のないレベル(1以下)を確保できた。また、実施例1の媒体との組み合わせにおいて、1cmあたりのトラック密度を87795トラック、1cmあたりの線記録密度を531496ビットとすることによって、1平方センチあたり46.7ギガビットでの動作を確認でき、隣接トラック消去も実用上問題のないレベルを確保できた。
磁気ヘッドの再生素子21としては、トンネル磁気抵抗効果素子の他に巨大磁気抵抗効果素子や、素子膜面垂直方向に電流を流す巨大磁気抵抗効果素子(CPP−GMR)を用いることもできる。また、記録ヘッドとしては、トラック幅方向のシールドのないシールドヘッドや単磁極ヘッドを用いることができる。ただし、記録磁界勾配を向上できる点で、少なくとも主磁極のダウントラック方向にシールドを設けたシールドヘッドが好ましい。
10:垂直磁気記録媒体、11:媒体駆動部、12:磁気ヘッド、13:アクチュエータ、14:信号処理系、15:回路基板、20:再生部、21:再生素子、22:記録部、23:主磁極、24:ラップアラウンドシールド、25:補助磁極、26:薄膜導体コイル、41:基板、42:密着層、43:軟磁性下地層、44:配向制御偏析促進層、45:グラニュラー磁性層、46:強磁性金属層、47:保護層
Claims (7)
- 基板上に設けられた下地層と、CoとCrとPtを主体とする強磁性結晶粒子及びそれを取り巻く非磁性粒界を有するグラニュラー磁性層と、前記グラニュラー磁性層の上に形成された酸化物を含まない強磁性金属層とを有し、
前記グラニュラー磁性層の前記強磁性結晶粒は(0001)が優先配向した六方細密構造を有し、
前記グラニュラー磁性層のある強磁性結晶粒子に隣接する強磁性結晶粒子の面積重心を結んだ線によって囲まれる領域に含まれる面積をA_g+b、そこに含まれる粒界の面積をA_bとする時、前記グラニュラー磁性層中の規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が30%以下であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 請求項1に記載の垂直磁気記録媒体において、平均粒界幅が0.5nm以上1nm以下であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
- 請求項1に記載の垂直磁気記録媒体において、前記強磁性金属層が少なくともCoとCrを含むことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
- 請求項1に記載の垂直磁気記録媒体において、前記強磁性金属層の結晶粒子が成長初期段階から、前記グラニュラー磁性層の結晶粒界を跨ぐ形で連続的に成長した構造を有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
- 請求項1に記載の垂直磁気記録媒体において、前記磁性層の粒界幅は、前記下地層側の界面から中央付近までの平均粒界幅に比べて前記強磁性金属層側2nmの領域の平均粒界幅が狭いことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
- 請求項5に記載の垂直磁気記録媒体において、前記磁性層の粒界幅は、前記下地層側の界面から中央付近までの平均粒界幅に比べて前記強磁性金属層側2nmの領域の平均粒界幅が狭くその差が0.3nm以上であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
- 磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を記録方向に駆動する手段と、記録部と再生部を備える磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対的に駆動する手段と、前記磁気ヘッドに対する入力信号及び出力信号を処理する信号処理手段とを有する磁気記憶装置において、
前記磁気記録媒体は、基板上に設けられた下地層と、CoとCrとPtを主体とする強磁性結晶粒子及びそれを取り巻く非磁性粒界を有するグラニュラー磁性層と、前記グラニュラー磁性層の上に形成された酸化物を含まない強磁性金属層とを有し、前記グラニュラー磁性層の前記強磁性結晶粒は(0001)が優先配向した六方細密構造を有し、前記グラニュラー磁性層のある強磁性結晶粒子に隣接する強磁性結晶粒子の面積重心を結んだ線によって囲まれる領域に含まれる面積をA_g+b、そこに含まれる粒界の面積をA_bとする時、前記グラニュラー磁性層中の規格化粒界面積A_b/A_g+bの分散が30%以下であることを特徴とする磁気記憶装置。
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2007
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