JP2009144554A - 過給機 - Google Patents

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Abstract

【課題】制動力を向上することができる過給機を提供する。
【解決手段】車両に搭載される内燃機関100の燃焼室150から排出される排気ガスが正転導入方向でホイール31に導入されることで該ホイール31が正回転可能なタービン3と、ホイール31が正回転することでインペラ21が正回転し燃焼室150への吸入空気を過給可能なコンプレッサ2と、車両の運転状態に応じて、ホイール31に導入される排気ガスの導入方向を正転導入方向とは逆の逆転導入方向に切り換えることでホイール31及びインペラ21を逆回転させる逆回転手段5とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、過給機に関し、特に、内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスによって回転駆動する過給機に関するものである。
一般に、自動車用の内燃機関において、その出力向上のためには燃焼室へ充填される空気の量を増やすことが好ましい。そこで従来は、ピストンの移動に伴って燃焼室内に発生する負圧により空気を燃焼室に吸入するだけでなく、排気ガスのエネルギーで駆動する排気タービンによりコンプレッサを駆動して吸入空気を内燃機関に過給、すなわち、圧縮して供給することで、空気を強制的に燃焼室へ送り込んで、同燃焼室への空気の充填効率を高める過給機が提案され、実用化されている。
このような従来の過給機を利用した技術として、例えば、特許文献1に記載の車両の制動力制御装置は、車両のエンジンの吸排気流路に接続され回転軸に電動・発電機を備えた過給機としてのターボチャージャと、エンジンの排気管に設置された排気ブレーキ装置と、電動・発電機を制御する制御装置とを備える。そして、制動力制御装置は、さらに、電動・発電機を車両制動時に電動機運転させる制動制御手段と、ターボチャージャのコンプレッサで過給された過給空気を車両制動時に排気ブレーキのバルブの上流側に供給するようにした過給空気供給手段とを有することで、排気ブレーキやエンジンブレーキの効果を高めている。
特開平9−88619号公報
しかしながら、例えば、上述した特許文献1に記載されている車両の制動力制御装置では、排気ブレーキ装置を有する車両にしか適用できず排気ブレーキ装置を備えない場合十分な制動力が得られないおそれがあり、このため、より簡易な構成での制動力の向上が望まれていた。
そこで本発明は、制動力を向上することができる過給機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による過給機は、車両に搭載される内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスが正転導入方向でホイールに導入されることで該ホイールが正回転可能なタービンと、前記ホイールが正回転することでインペラが正回転し前記燃焼室への吸入空気を過給可能なコンプレッサと、前記車両の運転状態に応じて、前記ホイールに導入される前記排気ガスの導入方向を前記正転導入方向とは逆の逆転導入方向に切り換えることで前記ホイール及び前記インペラを逆回転させる逆回転手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明による過給機では、前記排気ガスを前記正転導入方向で前記ホイールに導入可能な主排気通路を備え、前記逆回転手段は、前記排気ガスを前記逆転導入方向で前記ホイールに導入可能な副排気通路と、前記排気ガスの導入方向を前記車両の運転状態に応じて前記主排気通路を介した前記正転導入方向と前記副排気通路を介した前記逆転導入方向とに切り換え可能な切換手段とを有することを特徴とする。
請求項3に係る発明による過給機では、前記副排気通路は、一端が前記正転導入方向に対して前記主排気通路の前記ホイールより上流側に接続し他端が前記正転導入方向に対して前記主排気通路の前記ホイールより下流側に接続する第1副排気通路と、一端が前記第1副排気通路の一端と前記ホイールとの間の前記主排気通路に接続し他端が前記正転導入方向に対して前記第1副排気通路の他端より下流側に接続する第2副排気通路とを有し、前記切換手段は、前記第1副排気通路又は前記第2副排気通路の一方を開閉可能であると共に前記第1副排気通路の一端と前記第2副排気通路の一端との間で前記主排気通路を開閉可能である第1切換手段と、前記第1副排気通路又は前記第2副排気通路の他方を開閉可能であると共に前記第1副排気通路の他端と前記第2副排気通路の他端との間で前記主排気通路を開閉可能である第2切換手段とを有することを特徴とする。
請求項4に係る発明による過給機では、前記車両の制動時に前記逆回転手段を制御して前記排気ガスの導入方向を前記逆転導入方向に設定する制御手段を備えることを特徴とする。
請求項5に係る発明による過給機では、前記車両は、回生制動可能な回生制動手段を有することを特徴とする。
本発明に係る過給機によれば、逆回転手段により車両の運転状態に応じてホイールに導入される排気ガスの導入方向を逆転導入方向に切り換えることでホイール及びインペラを逆回転させることから、内燃機関における吸気と排気との圧力差が大きくなりポンプ損失が増加するので、制動力を向上することができる。
以下に、本発明に係る過給機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施形態に係るターボチャージャが適用されたエンジンを示す概略構成図、図2は、本発明の実施形態に係るターボチャージャの動作(過給時)を示す部分概略構成図、図3は、本発明の実施形態に係るターボチャージャの動作(制動時)を示す部分概略構成図である。
本実施形態に係る過給機としてのターボチャージャ1は、乗用車、トラックなどの車両に搭載される内燃機関において、その出力や燃費の向上のために燃焼室へ充填される空気を圧縮してから燃焼室に送り込んで、同燃焼室への空気の充填効率を高めるものである。
ここでは、ターボチャージャ1は、図1に示すように、内燃機関としての直列4気筒式のエンジン100に適用した場合で説明する。このエンジン100は、乗用車、トラックなどの車両に搭載されるエンジンであり、シリンダボア内に往復運動可能に設けられるピストンが2往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行う、いわゆる4サイクルエンジンであるが、ターボチャージャ1は、この形式の内燃機関に限らず、種々の内燃機関に適用することができる。
このエンジン100は、エンジン本体101と、エアクリーナ102と、インタークーラ103と、電子スロットル装置104と、サージタンク105と、触媒装置106を備えると共に、エンジン100のエンジン本体101から排出される排気ガスにより駆動するタービン3によって圧縮機としてのコンプレッサ2を駆動して、エンジン本体101への吸入空気を過給、すなわち、圧縮して供給するターボチャージャ1を備える。
エンジン本体101は、空気と燃料との混合気が燃焼可能な複数の燃焼室150と、混合気の燃焼によりシリンダボアを往復移動可能なピストンと、ピストンの往復運動に連動して回転可能なクランクシャフトを収容するクランク室と、燃料を噴射するインジェクタと、混合気に点火する点火プラグとをそれぞれ複数備える。エンジン本体101は、燃焼室150に連通する吸気ポート151及び排気ポート152を備え、この吸気ポート151には吸気マニホールド107aを含む吸気管(吸気通路)107が、排気ポート152には排気マニホールド108aを含む排気管(排気通路)108がそれぞれ接続されている。また、吸気ポート151及び排気ポート152の開口には、それぞれ吸気弁151a及び排気弁152aが設けられる。この吸気弁151a及び排気弁152aは、吸気ポート151及び排気ポート152をそれぞれ開閉可能とし、吸気ポート151と燃焼室150、燃焼室150と排気ポート152とをそれぞれ連通することができる。
なお、図示しないが、クランクシャフトに固結されたクランクシャフトスプロケットと、吸気カムシャフト及び排気カムシャフトにそれぞれ固結された各カムシャフトスプロケットとは、無端のタイミングチェーンが掛け回されており、クランクシャフトと吸気カムシャフトと排気カムシャフトが連動可能となっている。従って、クランクシャフトに同期して吸気カムシャフト及び排気カムシャフトが回転すると、吸気カム及び排気カムが吸気弁151a及び排気弁152aを所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート151及び排気ポート152を開閉し、吸気ポート151と燃焼室150、燃焼室150と排気ポート152とをそれぞれ連通することができる。また、この吸気弁151a及び排気弁152aは、その開閉タイミングがVVT(可変動弁機構:Variable Valve Timing-intelligent)により、運転状態に応じた最適な開閉タイミングに制御されている。
ここで、ターボチャージャ1は、過給によりエンジン100の高出力化(あるいは低燃費化)を実現するものである。このターボチャージャ1は、吸気管107上に配置されるコンプレッサ2と、排気管108上に配置されるタービン3と、コンプレッサ2が備えるコンプレッサインペラ21とタービン3が備えるタービンホイール31とを連結するロータシャフト4とを有する。つまり、ロータシャフト4は、一端側にコンプレッサインペラ21が設けられる一方、他端側にタービンホイール31が設けられ、コンプレッサインペラ21とタービンホイール31とは、このロータシャフト4の回転軸線を回転中心として一体で回転可能である。
コンプレッサ2のコンプレッサインペラ21は、コンプレッサハウジング内に形成される吸入空気通路であるスクロール部の渦巻きのほぼ中央に位置するようにロータシャフト4の一端に固定される。コンプレッサインペラ21は、複数の羽根状のブレードを有している。複数のブレードは、コンプレッサインペラ21の外周面に、それぞれ周方向に均等に間隔をあけて設けられ、吸入空気が流入する流路を複数の空間に仕切る。
タービン3のタービンホイール31は、タービンハウジング内に形成される排気ガス通路であるスクロール部の渦巻きのほぼ中央に位置するようにロータシャフト4の他端に固定される。タービンホイール31は、複数の羽根状のブレードを有している。複数のブレードは、タービンホイール31の外周面に、それぞれ周方向に均等に間隔をあけて設けられ、排気ガスが流入する流路を複数の空間に仕切る。
したがって、このターボチャージャ1では、排気管108を通る排気ガスによりタービン3のタービンホイール31が回転駆動され、その動力がロータシャフト4を介してコンプレッサインペラ21に伝達されてこのコンプレッサインペラ21が回転駆動される。そして、コンプレッサ2のコンプレッサインペラ21が回転駆動することで吸気管107内の空気が圧縮されてエンジン本体101に供給(過給)されることにより、エンジン100の出力が高められる。
なお、このターボチャージャ1については、図1乃至図3を参照して後で詳細に説明する。
さらに、吸気管107は、吸入空気の吸入方向に対して上流側から順に上述のエアクリーナ102と、インタークーラ103と、電子スロットル装置104と、サージタンク105が設置される。ターボチャージャ1のコンプレッサ2は、この吸気管107上のエアクリーナ102とインタークーラ103との間に設けられる。エアクリーナ102は、吸気管107の入口部に配置されて吸入空気中のゴミや塵などを除去するフィルタである。インタークーラ103は、ターボチャージャ1のコンプレッサ2にて圧縮され昇温した空気を冷却する装置である。電子スロットル装置104は、エンジン本体101に供給される空気量(吸入空気量)を調整する流量調整弁を有し、例えば、アクセルペダル(図示省略)の操作により駆動される。サージタンク105は、吸入空気を一時的に溜めて吸気脈動を抑制するタンクである。
排気管108は、排気ガスの排気方向に対してタービン3の下流側に上述した触媒装置106が配置される。この触媒装置106は、所定の活性化温度以上になることで触媒が活性化し、これにより、排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を酸化、還元させて浄化処理するものであり、理論空燃比付近で有害物質の十分な浄化効率を得られる。
また、エンジン100は、マイクロコンピュータを中心として構成される制御手段としての電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)110により運転状態に応じてインジェクタや点火プラグなどの各部の駆動が制御されている。このECU110には、クランク角センサ111、アクセル開度センサ112、過給圧センサ113などの種々のセンサが電気的に接続されており、ECU110は、種々のセンサが検出する吸入空気量、吸気温度、吸気圧、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量(燃料噴射時間)、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタ及び点火プラグを駆動して燃料噴射及び点火を実行する。
クランク角センサ111は、検出した各気筒のクランク角度をECU110に出力し、このECU110は検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出している。なおここで、エンジン回転数は、言い換えれば、エンジン本体101のクランクシャフトの回転速度に対応し、このクランクシャフトの回転速度が高くなれば、クランクシャフトの回転数、すなわち、エンジン100のエンジン回転数も高くなる。アクセル開度センサ112は、現在のアクセル開度を検出し、検出したアクセル角度をECU110に出力する。ここで、エンジン100の負荷率は、気筒内にどれだけの吸入空気が入ってきているかを示す値であり、アクセル開度に基づいて推定することができる。過給圧センサ113は、サージタンク105に設けられており、吸気管107から各吸気ポート151を通して各燃焼室150に吸入される吸気圧、ターボチャージャ1の稼動時には過給圧を検出し、検出した吸気圧(過給圧)をECU110に出力している。
上記のように構成されるエンジン100では、ピストンがシリンダボア内を下降することで、吸気管107、吸気ポート151を介して燃焼室150内に空気が吸入され(吸気行程)、この空気とインジェクタから燃焼室150又は吸気ポート151内へ噴射される燃料とが混合して混合気を形成する。そして、このピストンが吸気行程下死点を経てシリンダボア内を上昇することで混合気が圧縮され(圧縮行程)、ピストンが圧縮行程上死点付近に近づくと点火プラグにより混合気に点火され、該混合気が燃焼し、その燃焼圧力によりピストンを下降させる(膨張行程)。燃焼後の混合気は、ピストンが膨張行程下死点を経て吸気行程上死点に向かって再び上昇することで燃焼室に連通する排気ポート152、排気管108を介して排気ガスとして放出される(排気行程)。このピストンのシリンダボア内での往復運動は、コネクティングロッドを介してクランクシャフトに伝えられ、ここで回転運動に変換され、出力として取り出されると共に、このピストンは、クランクシャフトが慣性力によりさらに回転することで、このクランクシャフトの回転に伴ってシリンダボア内を往復する。このクランクシャフトが2回転することで、ピストンはシリンダボアを2往復し、この間に吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行い、燃焼室内で1回の爆発が行われる。
この間、このターボチャージャ1のタービン3が有するタービンホイール31が排気管108を通る排気ガスにより回転駆動され、ロータシャフト4を介してコンプレッサインペラ21に回転動力が伝達されて、このコンプレッサインペラ21が回転駆動される。この結果、吸気管107内の吸入空気が圧縮されてエンジン本体101に過給される。このため、燃焼室150への空気の充填効率を高めることができ、エンジン100の出力を高めることができる。
ここでさらに、本実施形態のターボチャージャ1は、図1乃至図3に示すように、逆回転手段としての逆回転制動部5によりエンジン100を搭載する車両の運転状態に応じてタービンホイール31に導入される排気ガスの導入方向を逆転導入方向に切り換えてタービンホイール31及びコンプレッサインペラ21を逆回転させることで制動力の向上を図っている。
具体的には、ターボチャージャ1は、上述のようにコンプレッサ2と、タービン3と、ロータシャフト4とを備えると共に、さらに、逆回転手段としての逆回転制動部5を備える。
上述したように、コンプレッサ2は、コンプレッサインペラ21を有し、タービンホイール31が回転することでコンプレッサインペラ21が回転しエンジン本体101への吸入空気を過給可能なものであり、タービン3は、タービンホイール31を有し、車両に搭載されるエンジン100の燃焼室150から排出される排気ガスによりこのタービンホイール31が回転可能なものである。
さらに、具体的には、コンプレッサ2は、コンプレッサハウジングに吸気導入口22と、吸気排出口23とを有する。吸気導入口22は、吸気管107のエアクリーナ102側に接続される一方、吸気排出口23は、吸気管107のインタークーラ103側に接続される。吸気導入口22と吸気排出口23とは、上述の吸入空気通路であるスクロール部を介して連通している。吸気導入口22は、過給時に、スクロール部の渦巻きのほぼ中央部にて、コンプレッサインペラ21の回転軸線に沿った方向に吸入空気を導入するように形成される一方、吸気排出口23は、過給時に、コンプレッサインペラ21を通過して圧縮された吸入空気を渦巻き状のスクロール部の接線方向(コンプレッサインペラ21の接線方向)に排出するように形成される。
タービン3は、タービンハウジングに排気導入口32と、排気排出口33とを有する。排気導入口32は、排気管108のエンジン本体101側に接続される一方、排気排出口33は、排気管108の触媒装置106側に接続される。排気導入口32と排気排出口33とは、上述の排気ガス通路であるスクロール部を介して連通している。排気導入口32は、過給時に、排気ガスを渦巻き状のスクロール部の接線方向(タービンホイール31の接線方向)に導入するように形成される一方、排気排出口33は、過給時に、タービンホイール31を回転駆動しタービンホイール31を通過した排気ガスをスクロール部の渦巻きのほぼ中央部にて、タービンホイール31の回転軸線に沿った方向に排出するように形成される。
ここで、このターボチャージャ1は、燃焼室150から排出される排気ガスが正転導入方向A1(図2の矢印A1)でタービンホイール31に導入されることでこのタービンホイール31が正回転し、タービンホイール31が正回転することでコンプレッサインペラ21が正回転し、吸入空気を圧縮し過給方向A2(図2の矢印A2)に排出してエンジン本体101への吸入空気を過給する。すなわち、タービン3は、排気導入口32を介してエンジン本体101側からタービンホイール31に排気ガスを導入し排気排出口33を介して排出することでタービンホイール31が正回転し、これにより、コンプレッサ2は、コンプレッサインペラ21が正回転し、エンジン本体101への吸入空気を過給する。つまり、タービン3における排気ガスの正転導入方向A1は、排気ガスを排気導入口32からタービンホイール31に導入し排気排出口33を介して排出する方向であり、コンプレッサ2における吸入空気の過給方向A2は、吸入空気を吸気導入口22からコンプレッサインペラ21に導入し吸気排出口23を介してエンジン本体101側に排出する方向である。すなわち、このターボチャージャ1は、排気管108の一部が排気ガスを正転導入方向でタービンホイール31に導入可能な本発明の主排気通路108bとして形成される。
逆回転制動部5は、エンジン100を搭載する車両の運転状態に応じて、タービンホイール31に導入される排気ガスの導入方向を図2に示す正転導入方向A1とは逆の図3に示す逆転導入方向B1に切り換えることで、タービンホイール31及びコンプレッサインペラ21を逆回転させるものである。逆回転制動部5は、排気ガスを正転導入方向でタービンホイール31に導入可能な主排気通路108bとは別の副排気通路51と、切換手段としての切換部52とを有する。
副排気通路51は、排気ガスを逆転導入方向B1(図3参照)でタービンホイール31に導入可能なものである。本実施形態の副排気通路51は、主排気通路108bから分岐して設けられる2つの通路、すなわち、第1副排気通路53と、第2副排気通路54とにより構成される。
第1副排気通路53は、一端53aが正転導入方向A1(図2参照)に対して主排気通路108bのタービンホイール31より上流側に接続し他端53bが正転導入方向A1に対して主排気通路108bのタービンホイール31より下流側に接続する。
第2副排気通路54は、一端54aが第1副排気通路53の一端53aとタービンホイール31との間の主排気通路108bに接続し他端54bが正転導入方向A1(図2参照)に対して第1副排気通路53の他端53bより下流側に接続する。
つまり、主排気通路108bは、排気ガスの正転導入方向A1(図2参照)に対して上流側から順に、第1副排気通路53の一端53a、第2副排気通路54の一端54a、タービン3の排気導入口32、タービン3のタービンホイール31、タービン3の排気排出口33、第1副排気通路53の他端53b及び第2副排気通路54の他端54bが設けられる。
切換部52は、排気ガスのタービンホイール31への導入方向を車両の運転状態に応じて主排気通路108bを介した正転導入方向A1(図2参照)と副排気通路51を介した逆転導入方向B1(図3参照)とに切り換え可能なものである。切換部52は、2つの電子制御弁、すなわち、第1切換手段としての第1切換弁55と、第2切換手段としての第2切換弁56とにより構成される。
第1切換弁55は、第1副排気通路53の一端53a側に設けられる。第1切換弁55は、主排気通路108bを開放し第1副排気通路53を閉鎖可能であると共に主排気通路108bを閉鎖し第1副排気通路53を開放可能である。さらに具体的には、第1切換弁55は、第1副排気通路53を開閉可能であると共に第1副排気通路53の一端53aと第2副排気通路54の一端54aとの間で主排気通路108bを開閉可能である。
第2切換弁56は、第2副排気通路54の他端54b側に設けられる。第2切換弁56は、主排気通路108bを開放し第2副排気通路54を閉鎖可能であると共に主排気通路108bを閉鎖し第2副排気通路54を開放可能である。さらに具体的には、第2切換弁56は、第2副排気通路54を開閉可能であると共に第1副排気通路53の他端53bと第2副排気通路54の他端54bとの間で主排気通路108bを開閉可能である。
第1切換弁55と第2切換弁56とは、ともに制御手段としてのECU110に電気的に接続されており、ECU110は、エンジン100が搭載された車両の運転状態に応じてこの第1切換弁55、第2切換弁56の駆動を制御している。
ECU110は、排気ガスを図2に示す正転導入方向A1でタービンホイール31に導入する際に、第1切換弁55を駆動して第1副排気通路53の一端53aと第2副排気通路54の一端54aとの間にて主排気通路108bを開放状態とし第1副排気通路53を閉鎖状態とすると共に、第2切換弁56を駆動して第1副排気通路53の他端53bと第2副排気通路54の他端54bとの間にて主排気通路108bを開放状態とし第2副排気通路54を閉鎖状態とする。一方、ECU110は、排気ガスを図3に示す逆転導入方向B1でタービンホイール31に導入する際に、第1切換弁55を駆動して第1副排気通路53の一端53aと第2副排気通路54の一端54aとの間にて主排気通路108bを閉鎖状態とし第1副排気通路53を開放状態とすると共に、第2切換弁56を駆動して第1副排気通路53の他端53bと第2副排気通路54の他端54bとの間にて主排気通路108bを閉鎖状態とし第2副排気通路54を開放状態とする。
したがって、逆回転制動部5は、ECU110が第1切換弁55を駆動して主排気通路108bを閉鎖状態とし第1副排気通路53を開放状態とすると共に、第2切換弁56を駆動して主排気通路108bを閉鎖状態とし第2副排気通路54を開放状態とすることで、タービンホイール31に導入される排気ガスの導入方向を図3に示す逆転導入方向B1に切り換えることができる。そして、逆回転制動部5は、タービンホイール31に導入される排気ガスの導入方向を逆転導入方向B1に切り換えることで、タービンホイール31を逆回転させることができ、これにより、コンプレッサ2は、コンプレッサインペラ21が逆回転し、吸気管107内の吸入空気をエンジン本体101側からエアクリーナ102側に、すなわち、制動方向B2(図3の矢印B2)に逆流させることができる。つまり、ここでは、タービン3における排気ガスの逆転導入方向B1は、エンジン本体101から排出される排気ガスを第1副排気通路53の一端53aを介して第1副排気通路53に導入し、第1副排気通路53の他端53b、主排気通路108bの一部を介して排気排出口33からタービンホイール31に導入した後、排気導入口32を介して排出して、排出した排気ガスを第2副排気通路54の一端54aを介して第2副排気通路54に導入し第2副排気通路54の他端54bを介して排気管108の触媒装置106側に排出する方向である。コンプレッサ2における吸入空気の制動方向B2は、吸入空気をエンジン本体101側の吸気排出口23からコンプレッサインペラ21に導入し吸気導入口22を介してエアクリーナ102側に排出する方向である。
ECU110は、エンジン100が搭載されている車両の制動時に逆回転制動部5を制御して排気ガスの導入方向を図3に示す逆転導入方向B1に設定する。すなわち、ECU110は、エンジン100が搭載されている車両の制動時に第1切換弁55を駆動して主排気通路108bを閉鎖状態とし第1副排気通路53を開放状態とすると共に、第2切換弁56を駆動して主排気通路108bを閉鎖状態とし第2副排気通路54を開放状態とする。ECU110は、例えば、運転者がアクセルペダルから足を離すことでエンジンブレーキが作用しエンジン100が搭載されている車両を減速させる場合などの車両の制動時に、逆回転制動部5を制御して排気ガスの導入方向を図3に示す逆転導入方向B1に設定する。一方、ECU110は、エンジン100が搭載されている車両の通常運転時に逆回転制動部5を制御して排気ガスの導入方向を図2に示す正転導入方向A1に設定する。すなわち、ECU110は、車両の通常運転時に第1切換弁55を駆動して主排気通路108bを開放状態とし第1副排気通路53を閉鎖状態とすると共に、第2切換弁56を駆動して主排気通路108bを開放状態とし第2副排気通路54を閉鎖状態とする。
このエンジンブレーキは、例えば、エンジン100を搭載した車両の走行中に運転者がアクセルペダルから足を離すことによりアクセル開度センサ112が検出するアクセル開度が0になった場合に、インジェクタによるエンジン本体101への燃料の供給を停止、すなわちフューエルカットすることで、駆動輪によりエンジン本体101のクランクシャフトを回転させることで得られるポンプ損失により主に発生するものである。ECU110は、上記クランク角センサ111、アクセル開度センサ112、過給圧センサ113を含む種々のセンサから取得されるエンジン100の運転条件に関する種々のパラメータに基づいてエンジン100が搭載されている車両が通常運転状態であるか制動状態であるかを判定すればよい。
上記のように構成されるターボチャージャ1は、エンジン100が搭載されている車両の通常運転時にECU110が第1切換弁55を駆動して主排気通路108bを開放状態とし第1副排気通路53を閉鎖状態とすると共に、第2切換弁56を駆動して主排気通路108bを開放状態とし第2副排気通路54を閉鎖状態とすることで、燃焼室150から排出される排気ガスが正転導入方向A1(図2の矢印A1)でタービンホイール31に導入される。すなわち、ターボチャージャ1は、正転導入方向A1に沿って排気導入口32を介してエンジン本体101側からタービンホイール31に排気ガスを導入し排気排出口33を介して排出することでタービンホイール31が正回転し、これにより、コンプレッサ2は、コンプレッサインペラ21が正回転し、吸入空気を圧縮し過給方向A2(図2の矢印A2)に排出してエンジン本体101への吸入空気を過給することができる。この結果、燃焼室150への空気の充填効率を高めることができ、エンジン100の出力を高めることができる。
一方、ターボチャージャ1は、エンジン100が搭載されている車両の制動時にECU110が第1切換弁55を駆動して主排気通路108bを閉鎖状態とし第1副排気通路53を開放状態とすると共に、第2切換弁56を駆動して主排気通路108bを閉鎖状態とし第2副排気通路54を開放状態とすることで、燃焼室150から排出される排気ガスが逆転導入方向B1(図3の矢印B1)でタービンホイール31に導入される。すなわち、ターボチャージャ1は、逆転導入方向B1に沿って排気ガスを第1副排気通路53の一端53aを介して第1副排気通路53に導入し、第1副排気通路53の他端53b、主排気通路108bの一部を介して排気排出口33からタービンホイール31に導入した後、排気導入口32を介して排出して、排出した排気ガスを第2副排気通路54の一端54aを介して第2副排気通路54に導入し第2副排気通路54の他端54bを介して排気管108の触媒装置106側に排出することでタービンホイール31が逆回転する。これにより、コンプレッサ2は、コンプレッサインペラ21が逆回転し、吸気管107内の吸入空気をエンジン本体101側からエアクリーナ102側に、すなわち、制動方向B2(図3の矢印B2)に逆流させることができる。
そして、ターボチャージャ1は、コンプレッサインペラ21が逆回転し、吸気管107内の吸入空気を制動方向B2に逆流させること、吸気管107内の吸気圧力が低下し大気圧以下の吸気負圧が発生する。このため、吸気圧力と排気圧力との圧力差が増大し、吸気行程にてピストンがシリンダボア内を下降し空気を吸入する際などのフリクションが増加しポンプ損失(ポンピングロス)を増加させることができる。この結果、ポンプ損失が増加するので制動力を向上することができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るターボチャージャ1によれば、車両に搭載されるエンジン100の燃焼室150から排出される排気ガスが正転導入方向A1でタービンホイール31に導入されることでこのタービンホイール31が正回転可能なタービン3と、タービンホイール31が正回転することでコンプレッサインペラ21が正回転し燃焼室150への吸入空気を過給可能なコンプレッサ2と、車両の運転状態に応じて、タービンホイール31に導入される排気ガスの導入方向を正転導入方向A1とは逆の逆転導入方向B1に切り換えることでタービンホイール31及びコンプレッサインペラ21を逆回転させる逆回転制動部5とを備える。
したがって、逆回転制動部5により車両の運転状態に応じてタービンホイール31に導入される排気ガスの導入方向を逆転導入方向B1に切り換えることでタービンホイール31及びコンプレッサインペラ21を逆回転させることから、エンジン100における吸気と排気との圧力差が大きくなりピストンによるポンプ損失が増加するので、制動力を向上することができる。また、例えば、排気管108に排気ブレーキ装置などの構成を別途設けることなく制動力を向上することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るターボチャージャ1によれば、排気ガスを正転導入方向A1でタービンホイール31に導入可能な主排気通路108bを備え、逆回転制動部5は、排気ガスを逆転導入方向B1でタービンホイール31に導入可能な副排気通路51と、排気ガスの導入方向を車両の運転状態に応じて主排気通路108bを介した正転導入方向A1と副排気通路51を介した逆転導入方向B1とに切り換え可能な切換部52とを備える。
したがって、タービンホイール31への排気ガスの導入方向を切換部52によって主排気通路108bを介した正転導入方向A1と副排気通路51を介した逆転導入方向B1とに切り換えることで、タービンホイール31及びコンプレッサインペラ21を正回転と逆回転とで回転させることができる。この結果、タービンホイール31及びコンプレッサインペラ21を正回転させることで、エンジン本体101の燃焼室150への吸入空気を過給することができる一方、タービンホイール31及びコンプレッサインペラ21を逆回転させることで、エンジン100における吸気と排気との圧力差を大きくしピストンによるポンプ損失を増加させることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るターボチャージャ1によれば、副排気通路51は、一端53aが正転導入方向A1に対して主排気通路108bのタービンホイール31より上流側に接続し他端53bが正転導入方向A1に対して主排気通路108bのタービンホイール31より下流側に接続する第1副排気通路53と、一端54aが第1副排気通路53の一端53aとタービンホイール31との間の主排気通路108bに接続し他端54bが正転導入方向A1に対して第1副排気通路53の他端53bより下流側に接続する第2副排気通路54とを有し、切換部52は、第1副排気通路53を開閉可能であると共に第1副排気通路53の一端53aと第2副排気通路54の一端54aとの間で主排気通路108bを開閉可能である第1切換弁55と、第2副排気通路54を開閉可能であると共に第1副排気通路53の他端53bと第2副排気通路54の他端54bとの間で主排気通路108bを開閉可能である第2切換弁56とを有する。
したがって、第1切換弁55を駆動して主排気通路108bを開放状態とし第1副排気通路53を閉鎖状態とすると共に、第2切換弁56を駆動して主排気通路108bを開放状態とし第2副排気通路54を閉鎖状態とすることで、排気ガスを図2に示す正転導入方向A1でタービンホイール31に導入することができる。一方、第1切換弁55を駆動して主排気通路108bを閉鎖状態とし第1副排気通路53を開放状態とすると共に、第2切換弁56を駆動して主排気通路108bを閉鎖状態とし第2副排気通路54を開放状態とすることで、排気ガスを図3に示す逆転導入方向B1でタービンホイール31に導入することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るターボチャージャ1によれば、エンジン100を搭載した車両の制動時に逆回転制動部5を制御して排気ガスの導入方向を逆転導入方向B1に設定するECU110を備える。したがって、ECU110によりエンジン100を搭載した車両の制動時に逆回転制動部5を制御して排気ガスの導入方向を逆転導入方向B1に設定することで、制動時に確実にポンプ損失を増加し制動力を向上することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る過給機は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、第1切換手段は、第1副排気通路の一端と第2副排気通路の一端との間で主排気通路を開閉可能であると共に第1副排気通路を開閉可能であり、第2切換手段は、第1副排気通路の他端と第2副排気通路の他端との間で主排気通路を開閉可能であると共に第2副排気通路を開閉可能であるものとして説明したが、第1切換手段は、第1副排気通路の一端と第2副排気通路の一端との間で主排気通路を開閉可能であると共に第2副排気通路を開閉可能であり、第2切換手段は、第1副排気通路の他端と第2副排気通路の他端との間で主排気通路を開閉可能であると共に第1副排気通路を開閉可能であるように構成してもよい。
また、上述した本発明の実施形態に係る過給機としてのターボチャージャ1が適用されたエンジン100をいわゆるハイブリッド車両に用いることで、制動力を向上することができると共に、回生可能な電力量を増加させてエネルギー効率の向上も図ることができる。
図4は、本発明の変形例に係るターボチャージャが適用されたハイブリッド車両の概略構成図である。
変形例に係るハイブリッド車両300は、動力源として、エンジン本体101を含むエンジン100と電気モータ(モータジェネレータ)302が搭載されており、さらに、エンジン本体101の出力を受けて発電を行う発電機(モータジェネレータ)303も搭載されている。これらのエンジン本体101と電気モータ302と発電機303は、動力分割機構304によって接続されている。この動力分割機構304は、エンジン本体101の出力を発電機303と駆動輪305とに振り分けると共に、電気モータ302からの出力を駆動輪305に伝達したり、減速機306及び駆動軸307を介して駆動輪305に伝達される駆動力に関する変速機として機能する。
電気モータ302は、交流同期電動機であり、交流電力によって駆動する。インバータ308は、バッテリ309に蓄えられた電力を直流から交流に変換して電気モータ302に供給すると共に、発電機303によって発電される電力を交流から直流に変換してバッテリ309に蓄えるためのものである。発電機303も、基本的には上述した電気モータ302とほぼ同様の構成を有しており、交流同期電動機としての構成を有している。この場合、電気モータ302が主として駆動力を出力するのに対し、発電機303は主としてエンジン本体101の出力を受けて発電するものである。
また、電気モータ302は、主として駆動力を発生させるが、駆動輪305の回転を利用して発電(回生発電)することもでき、発電機として機能することも可能である。このとき、駆動輪305にはブレーキ(回生ブレーキ)が作用するので、これをフットブレーキやエンジンブレーキと併用することにより、車両を制動させることができる。すなわち、電気モータ302は、回生制動可能な本発明の回生制動手段に相当する。一方、発電機303は主としてエンジン本体101の出力を受けて発電をするが、インバータ308を介してバッテリ309の電力を受けて駆動する電動機としても機能することができる。
エンジン本体101のクランクシャフト310には、クランク角度を検出するクランク角センサ311が設けられている。このクランク角センサ311は、エンジンECU312に接続され、このエンジンECU312は、検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気、圧縮、膨張(爆発)、排気の各行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出している。また、電気モータ302及び発電機303の各駆動軸313,314には、それぞれの回転位置及び回転数を検出する回転数センサ315,316が設けられている。この各回転数センサ315,316は、それぞれモータECU317に接続され、検出した各駆動軸313,314の回転位置及び回転数をモータECU317に出力している。
上述した動力分割機構304は、プラネタリギヤユニットにより構成されている。すなわち、この動力分割機構(プラネタリギヤユニット)304は、サンギヤ321と、このサンギヤ321の周囲に配置された複数のプラネタリギヤ322と、この各プラネタリギヤ322を保持するギヤキャリア323と、プラネタリギヤ322のさらに外周に配置されたリングギヤ324とから構成されている。そして、エンジン本体101のクランクシャフト310が中心軸325を介してギヤキャリア323に結合されており、エンジン本体101の出力はプラネタリギヤユニット304のギヤキャリア323に入力される。なお、エンジン本体101のクランクシャフト310とプラネタリギヤユニット304の中心軸325との間には、フライホイール326とダンバ機構327が設けられている。
また、電気モータ302は内部にステータ328とロータ329を有しており、このロータ329が駆動軸313を介してリングギヤ324に結合され、ロータ329及びリングギヤ324は図示しないギヤユニットを介して減速機306に結合されている。この減速機306は、電気モータ302からプラネタリギヤユニット304のリングギヤ324に入力された出力を駆動軸307に伝達するものであり、電気モータ302は駆動軸307と接続された状態となっている。
さらに、発電機303は、上述した電気モータ302と同様に、内部にステータ330とロータ331を有しており、このロータ331が駆動軸314及び図示しないギヤユニットを介してサンギヤ321に結合されている。つまり、エンジン本体101の出力は、プラネタリギヤユニット304で分割され、サンギヤ321を介して発電機303のロータ331に入力される。また、エンジン本体101の出力は、プラネタリギヤユニット304で分割され、リングギヤ324などを介して駆動軸307にも伝達可能となっている。
そして、発電機303の発電量を制御してサンギヤ321の回転を制御することにより、プラネタリギヤユニット304全体を無段変速機として用いることができる。すなわち、エンジン本体101または電気モータ302の出力は、プラネタリギヤユニット304によって変速された後に駆動軸307に出力される。また、発電機303の発電量(電気モータとして機能する場合は電力消費量)を制御してエンジン本体101の回転数を制御することもできる。なお、電気モータ302、発電機303の回転数を制御する場合は、回転数センサ315,316の出力を参照してモータECU317がインバータ308を制御することにより行われることとなり、これによりエンジン本体101の回転数も制御可能である。
上述した各種制御は、ECU110によって制御される。ハイブリッド車両300として特徴的なエンジン本体101による駆動と電気モータ302及び発電機303による駆動とは、メインECU318によって総合的に制御される。すなわち、ドライバの要求出力に対して、車両の走行状態に応じてメインECU318によりエンジン本体101の出力と電気モータ302及び発電機303による出力の配分が決定され、エンジン本体101、電気モータ302及び発電機303を制御すべく、各制御指令がエンジンECU312及びモータECU317に出力される。
また、エンジンECU312及びモータECU317は、エンジン本体101、電気モータ302及び発電機303の情報をメインECU318にも出力している。このメインECU318には、バッテリ309を制御するバッテリECU319やブレーキを制御するブレーキECU320にも接続されている。このバッテリECU319はバッテリ309の充電状態を監視し、充電量が不足した場合には、メインECU318に対して充電要求指令を出力する。充電要求を受けたメインECU318はバッテリ309に充電をするように発電機303を発電させる制御を行う。ブレーキECU320は車両の制動を司っており、メインECU318と共に電気モータ302による回生ブレーキを制御する。
このハイブリッド車両300は、上述したように構成されているので、ハイブリッド車両300を運行している間に車両全体で要求される必要出力をエンジン本体101と電気モータ302(発電機303)とに配分することにより、エンジン本体101の運転状態を所望の運転状態に制御しつつ、車両全体で要求される出力をも満たすことが可能となっている。
したがって、メインECU318は、図4に示すように、ドライバの要求に応じて、エンジンECU312を介してエンジン本体101を制御すると共に、モータECU317を介して電気モータ302及び発電機303を制御する。すなわち、メインECU318は、アクセル開度から要求出力を設定し、車両の走行停止状態に応じて最大効率となるようにエンジン本体101の出力と電気モータ302の出力の配分が決定され、エンジンECU312はエンジン本体101を制御し、モータECU317は電気モータ302を制御する。
例えば、車両の発進時や低中速走行時に、エンジン効率が悪くなる領域では燃料をカットまたはエンジン本体101を停止し、電気モータ302のみにより駆動輪305を駆動して走行(エコラン走行)する。通常走行時には、エンジン本体101の出力を動力分割機構304により1系路に分割し、一方を発電機303に送って発電し、その電力により電気モータ302を駆動して駆動輪305を駆動し、他方により駆動輪305を直接駆動し、エンジン本体101及び電気モータ302により走行する。急加速時(高負荷時)には、通常走行時における制御に加えて、電気モータ302がバッテリ309から電力を受けて駆動輪305を駆動して走行する。減速時や制動時には、駆動輪305により電気モータ302を駆動し、この電気モータ302を発電機として作動させると共に、回生ブレーキとして作用させ、回収した電力をバッテリ309に充電する。バッテリ充電時は、エンジン本体101の出力を動力分割機構304を介して発電機303に送って発電し、電力をバッテリ309に蓄電する。
そして、エンジンECU312は、メインECU318からのエンジン出力配分に加え、吸入空気量、スロットル開度、エンジン回転数、冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量、噴射時期、点火時期などを決定し、エンジン本体101のインジェクタ及び点火プラグを制御する。
ここで、上述したように、ハイブリッド車両300は、減速時や制動時には、駆動輪305により回生制動手段としての電気モータ302を駆動し、この電気モータ302を発電機として作動させると共に回生ブレーキとして作用させることで、回収した電力をバッテリ309に充電すると共にこのハイブリッド車両300を制動する。
このとき、バッテリ309が満充電状態であると、電気モータ302による回生制動によって回生発電しても、回収された電力をバッテリ309に充電することができないことから回生制動(回生発電)が制限されてしまう。一方で、このようなハイブリッド車両300では、運転者に一定の減速感を与えるためには、バッテリ309が満充電状態となり電気モータ302による回生制動(回生発電)が制限されても、バッテリ309が充電可能な状態で電気モータ302による回生制動(回生発電)が可能な場合の制動力(減速度)と同等の制動力(減速度)を発生できることが好ましい。つまり、バッテリ309が充電可能な状態での回生発電(回生制動)による回生可能電力量(言い換えれば、回生制動力)は、バッテリ309が満充電状態である場合における回生制動なしでの制動力によって制限されている。すなわち、例えば、バッテリ309が充電可能な状態である場合により多くの電力を電気モータ302による回生制動(回生発電)によって発電できるにもかかわらず、バッテリ309が満充電状態である場合における回生制動なしでの制動力が低いと、その影響で回生可能電力量が制限されてしまう。
しかしながら、このハイブリッド車両300であれば、逆回転制動部5によりタービンホイール31に導入される排気ガスの導入方向を逆転導入方向B1に切り換えることでエンジン100におけるポンプ損失を増加させ、回生制動なしでの制動力を向上することができる。このため、バッテリ309が満充電状態である場合の回生制動なしでの制動力を増加することができることから、バッテリ309が充電可能な状態である場合(満充電でない場合)での電気モータ302における回生制動による制動力も増加させることができ、すなわち、電気モータ302にて回生可能な電力量を増加させることができる。この結果、ハイブリッド車両300全体でのエネルギー効率を向上することができる。
以上で説明した本発明の変形例に係るターボチャージャ1によれば、ハイブリッド車両300に搭載されるエンジン100の燃焼室150から排出される排気ガスが正転導入方向A1でタービンホイール31に導入されることでこのタービンホイール31が正回転可能なタービン3と、タービンホイール31が正回転することでコンプレッサインペラ21が正回転し燃焼室150への吸入空気を過給可能なコンプレッサ2と、ハイブリッド車両300の運転状態に応じて、タービンホイール31に導入される排気ガスの導入方向を正転導入方向A1とは逆の逆転導入方向B1に切り換えることでタービンホイール31及びコンプレッサインペラ21を逆回転させる逆回転制動部5とを備え、ハイブリッド車両300は、回生制動可能な回生制動手段としての電気モータ302を有する。したがって、制動力を向上することができると共に、電気モータ302において回生可能な電力量を増加させてエネルギー効率を向上させることができる。
なお、バッテリ309の満充電時に、電気モータ302において回生により発電する電力を消費する手段として、回生電力をハイブリッド車両300の中でも相対的に高温となる排気マニホールド108aや排気管108に熱として放出する電熱器を設けるようにしてもよい。この場合でも、回生制動手段としての電気モータ302にて回生可能な電力量を増加させることができ、エネルギー効率を向上することができる。さらに、排気マニホールド108aや排気管108内の排気ガスの温度も上昇させることができることから排気圧力を上昇させることができ、これにより、エンジン100における吸気と排気との圧力差をさらに大きくすることができる。この結果、ピストンによるポンプ損失をさらに増加し制動力を向上することもできる。
以上のように、本発明に係る過給機は、制動力を向上することができるものであり、種々の内燃機関の過給機に適用して好適である。
本発明の実施形態に係るターボチャージャが適用されたエンジンを示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るターボチャージャの動作(過給時)を示す部分概略構成図である。 本発明の実施形態に係るターボチャージャの動作(制動時)を示す部分概略構成図である。 本発明の変形例に係るターボチャージャが適用されたハイブリッド車両の概略構成図である。
符号の説明
1 ターボチャージャ(過給機)
2 コンプレッサ
3 タービン
4 ロータシャフト
5 逆回転制動部(逆回転手段)
21 コンプレッサインペラ(インペラ)
22 吸気導入口
23 吸気排出口
31 タービンホイール(ホイール)
32 排気導入口
33 排気排出口
51 副排気通路
52 切換部(切換手段)
53 第1副排気通路
53a、54a 一端
53b、54b 他端
54 第2副排気通路
55 第1切換弁(第1切換手段)
56 第2切換弁(第2切換手段)
100 エンジン(内燃機関)
101 エンジン本体
107 吸気管
108 排気管
108b 主排気通路
110 ECU(制御手段)
150 燃焼室
151 吸気ポート
152 排気ポート
300 ハイブリッド車両
302 電気モータ(回生制動手段)
303 発電機
309 バッテリ

Claims (5)

  1. 車両に搭載される内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスが正転導入方向でホイールに導入されることで該ホイールが正回転可能なタービンと、
    前記ホイールが正回転することでインペラが正回転し前記燃焼室への吸入空気を過給可能なコンプレッサと、
    前記車両の運転状態に応じて、前記ホイールに導入される前記排気ガスの導入方向を前記正転導入方向とは逆の逆転導入方向に切り換えることで前記ホイール及び前記インペラを逆回転させる逆回転手段とを備えることを特徴とする、
    過給機。
  2. 前記排気ガスを前記正転導入方向で前記ホイールに導入可能な主排気通路を備え、
    前記逆回転手段は、前記排気ガスを前記逆転導入方向で前記ホイールに導入可能な副排気通路と、前記排気ガスの導入方向を前記車両の運転状態に応じて前記主排気通路を介した前記正転導入方向と前記副排気通路を介した前記逆転導入方向とに切り換え可能な切換手段とを有することを特徴とする、
    請求項1に記載の過給機。
  3. 前記副排気通路は、一端が前記正転導入方向に対して前記主排気通路の前記ホイールより上流側に接続し他端が前記正転導入方向に対して前記主排気通路の前記ホイールより下流側に接続する第1副排気通路と、一端が前記第1副排気通路の一端と前記ホイールとの間の前記主排気通路に接続し他端が前記正転導入方向に対して前記第1副排気通路の他端より下流側に接続する第2副排気通路とを有し、
    前記切換手段は、前記第1副排気通路又は前記第2副排気通路の一方を開閉可能であると共に前記第1副排気通路の一端と前記第2副排気通路の一端との間で前記主排気通路を開閉可能である第1切換手段と、前記第1副排気通路又は前記第2副排気通路の他方を開閉可能であると共に前記第1副排気通路の他端と前記第2副排気通路の他端との間で前記主排気通路を開閉可能である第2切換手段とを有することを特徴とする、
    請求項2に記載の過給機。
  4. 前記車両の制動時に前記逆回転手段を制御して前記排気ガスの導入方向を前記逆転導入方向に設定する制御手段を備えることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の過給機。
  5. 前記車両は、回生制動可能な回生制動手段を有することを特徴とする、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の過給機。
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