JP2009136779A - 塗装基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】光輝材を含む塗料を塗布成膜した塗膜を形成することにより、優れた意匠性を発揮することができる塗装基材を提供する。
【解決手段】基材1の表面に着色塗膜2を形成する。前記着色塗膜2の表面の少なくとも一部に、光輝材を含有すると共に粘度が30〜60秒(イワタカップ)の範囲のクリア塗料を塗布成膜することで、光輝材を7〜20質量%の範囲で含有する光輝材含有クリア塗膜3を形成する。前記着色塗膜2及び光輝材含有クリア塗膜3が形成された基材1の表面にクリア塗膜4を形成することで、塗装基材Aを得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、窯業系サイディング材等の基材に塗装が施され、外装材等として用いられる塗装基材に関する。
窯業系サイディング材等の基材に塗装が施された塗装基材は、建物の外装材等に広く使用されている。近年、建物の外観の意匠性向上の要請により、前記塗装基材に種々の外観を付与することが求められている。
ところで、従来、基材に着色塗料を塗装した後、マイカ等の光輝材を含む塗料を部分的に塗布し、更にこの上にクリア塗装を施すことで、意匠性を発揮させることが図られている(特許文献1等参照)。
しかし、上記のような塗装方法を適用して外装材等に使用される塗装基材を得る場合、光輝材を含む塗料を塗布した塗膜が不均一となったり、充分な厚みに成膜できなかったりするなどして、充分な意匠性が発揮できないものであった。
特開平7−216799号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、光輝材を含む塗料を塗布成膜した塗膜を形成することにより、優れた意匠性を発揮することができる塗装基材を提供することを目的とする。
請求項1に係る塗装基材Aは、基材1の表面に着色塗膜2を形成し、前記着色塗膜2の表面の少なくとも一部に、光輝材を含有すると共に粘度が30〜60秒(イワタカップ)の範囲のクリア塗料を塗布成膜することで、光輝材を7〜20質量%の範囲で含有する光輝材含有クリア塗膜3を形成し、前記着色塗膜2及び光輝材含有クリア塗膜3が形成された基材1の表面にクリア塗膜4を形成して成ることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記光輝材含有クリア塗膜3が、着色顔料を0.2〜7質量%の範囲で含有することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、上記光輝材含有クリア塗膜3が、フレキソ印刷により形成されたものであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、上記基材1が表面に凹凸を有し、上記光輝材含有クリア塗膜3が前記基材1の凸部に設けられていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、充分な量の光輝材を含有する光輝材含有クリア塗膜3を充分な厚みで均一且つ滑らかに形成することができると共に、光輝材含有クリア塗膜3を分散させて形成することで塗装基材Aの表面に窯変調の外観を付与するなどして意匠性の向上を図ることができ、更に、クリア塗膜4によって塗装基材Aの表面を保護すると共に光輝材含有クリア塗膜3からの光輝材の脱落を防止して、長期に亘り塗装基材Aの高い意匠性を維持することができる。
請求項2に係る発明によれば、光輝材含有クリア塗膜3に付与された色と、着色塗膜2の色とが重なり合うことで、更に優れた意匠性を発揮することができる。
請求項3に係る発明によれば、フレキソ印刷は特に水性の塗料の均一な塗布に適していると共に多品種少量生産に適しており、且つフレキソ版と着色塗膜2との間で塗料を押し付けることで光輝材を着色塗膜2と平行に配置しやすくなって光輝材による光輝性を有効に発揮させ、更に優れた意匠性を発揮させることができる。
請求項4に係る発明によれば、外部から目立たない凹部には光輝材含有クリア塗膜3を形成せずに外部から目立つ凸部にのみ光輝材含有クリア塗膜3を形成して、光輝材の使用量を削減しつつ優れた意匠性を発現させることができる。
以下、本発明の実施をするための最良の形態について説明する。
基材1としては適宜のものを用いることができるが、例えば主原料としてセメント質原料及び繊維質原料を用いて板状に成形し、養生・硬化させて得られる窯業系サイディング材を用いることができる。
基材1として窯業系サイディング材を用いる場合、その作製には、セメントと補強繊維を主成分とするセメント系成形材料を成形した湿潤シート(グリーンシート)を用いることができる。この湿潤シートは、セメント系の水性スラリーをセメント系成形材料として用いて、長網式、丸網式の各種の抄造法により抄造したり、押出成形したりするなどして得られるものである。セメント系成形材料としては、例えば水硬性のセメント成分が30〜95質量%、シリカ、珪石粉、フライアッシュ等の充填材が2〜60質量%、パルプ等の補強繊維が3〜10質量%を占める固形分からなるものとし、この固形分100質量部に対し、水20〜2000質量部程度の割合としたスラリーを用いることができる。なお、セメント成分は、普通ポルトランドセメントをはじめ、高炉セメント等の、適宜に組成調整されたものを用いることができる。補強繊維のパルプは、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、あるいはその混合物等を用いることができる。この湿潤シートを養生硬化することにより、基材1を得ることができる。
上記基材1の養生硬化は適宜の手法で行うことができるが、オートクレーブ養生をすることが望ましく、その際の温度としては140℃以上とすることが好適である。また、実際的には、養生は、オートクレーブ養生と、これに先行しての促進前養生、つまり加温のために水蒸気が投入される前養生との二段階での養生であることが望ましい。これによって、基材1の強度が向上し、組織と性能の均一化が図られることになる。
この養生時には、養生前の湿潤シートの表面にシーラーを塗布することが望ましい。このシーラーを塗布することにより、養生時にエフロレッセンスが発生することを防止することができ、更にシーラーの塗膜が耐透水性を発揮することで、塗装基材Aの耐透水性を向上することができる。
シーラーは特に制限されないが、例えばアクリル系、酢酸ビニル系、エポキシ系、塩化ゴム系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系等の水性樹脂エマルションを用いることができる。
また、このようなシーラー中には、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、ベントナイト、セリサイト、ドロマイト、タルク、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、珪藻土等の無機粒子を混合することができる。
そして、このようなシーラーを湿潤シートの表面に塗布し、加熱成膜することでシーラーの塗膜を形成することができる。
このようなシーラーの塗装は、養生前に行うものであるが、上記のように促進前養生を行う場合には促進前養生後にシーラーを塗布し、次いでオートクレーブ養生を行うことが好ましく、これにより建築板Aの耐凍害性や寸法安定性を向上することができる。
このような養生硬化により得られた基材1(無機質基材)には、必要に応じて乾燥処理や切削加工が施される。
この基材1としては、表面が平坦なもののほか、目地模様等を形成することで凹凸に形成されたものを用いることができる。
この基材1には着色塗膜2を形成する。着色塗膜2は基材1の養生硬化後に形成することができるが、養生硬化前に形成しても良い。
着色塗膜2は、適宜の着色塗料を塗布成膜して形成される。着色塗料としては、例えばアクリル系、アクリルシリコン系、アクリルウレタン系等の適宜の水性のクリア塗料に着色顔料を含有させたエナメル塗料を用いることができる。また着色塗料に含有される着色顔料としては適宜の無機着色顔料や有機着色顔料を用いることができるが、例えば酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華、鉛白、リトポン、カーボンブラック、油煙、紺青、フタロシアニンブルー、群青、カーミンFB、黄鉛、亜鉛黄、ハンザイエロー、オーカー、ベンガラ、不活性含有アゾ染料等が挙げられる。このような着色塗料を例えば80〜150℃で焼き付け乾燥等することにより成膜し、着色塗膜2を形成することができる。着色塗膜2の厚みや塗膜量は適宜設定されるが、例えば平均膜厚が20〜60μmの範囲であることが好ましい。
この着色塗膜2の表面に、光輝材含有クリア塗膜3を形成する。この光輝材含有クリア塗膜3は、光輝材を含有する塗膜である。
光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料としては、例えばアクリル系、アクリルシリコン系、アクリルウレタン系等の適宜の水性のクリア塗料に光輝材を含有させたものが挙げられる。光輝材としてはマイカ等を挙げることができる。
また、この塗料中における光輝材の配合量は、光輝材含有クリア塗膜3における光輝材の含有量が、7〜20質量%の範囲となるように調整される。このような範囲で光輝材を光輝材含有クリア塗膜3に含有させることで、光輝材含有クリア塗膜3での光輝材からの光の反射による意匠性の付与を実現することができる。このとき光輝材の前記含有量が7質量%に満たないと光輝材による意匠性向上の効果が充分に得られず、また前記含有量が20質量%を超えると過剰な光輝材によって逆に意匠性を損なう事態となる。
また、この光輝材の平均粒径は5〜60μmの範囲であることが好ましい。この範囲において、光輝材による光の反射により塗装基材Aに特に優れた意匠性を付与することができる。
更に、この光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料の粘度は30〜60秒(イワタカップ)の範囲となるようにする。この範囲においてクリア塗料を着色塗膜2上に充分な厚みに均一に塗布成膜することができて、塗装基材Aの意匠性を向上することができる。一方、この塗料の前記粘度が30秒に満たないと塗料の粘度が低すぎて光輝材含有クリア塗膜3を充分な厚みに形成することが困難となり、光輝材含有クリア塗膜3による意匠性の向上を充分に図ることができなくなってしまう。また前記粘度が60秒を超えると高粘度の塗料を均一に塗布することができなくなり、光輝材含有クリア塗膜3が不均一となって、やはり意匠性を損なってしまう。この塗料の粘度調整は、塗料中の水等の溶媒の含有量や、増粘剤の添加量を調整するなどして行うことができる。
また、この光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料中には着色顔料を含有させることが好ましい。着色顔料としては適宜の無機着色顔料や有機着色顔料を用いることができるが、例えば酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華、鉛白、リトポン、カーボンブラック、油煙、紺青、フタロシアニンブルー、群青、カーミンFB、黄鉛、亜鉛黄、ハンザイエロー、オーカー、ベンガラ、不活性含有アゾ染料等が挙げられる。
このように光輝材含有クリア塗膜3に着色顔料を含有させると、光輝材含有クリア塗膜3の色と着色塗膜2の色との重なり合いにより複雑な色彩を有する塗膜を形成することができる。このとき、塗料中の着色顔料の含有量は、光輝材含有クリア塗膜3中に着色顔料が0.2〜7質量%含有されるように調整することが好ましい。この場合、光輝材含有クリア塗膜3を充分に発色させて色の重なり合いによる意匠性の向上を充分に達成することができる。ここで光輝材含有クリア塗膜3中の着色顔料の含有量が0.2質量%に満たないと光輝材含有クリア塗膜3の色が薄くなって着色塗膜2の色が殆どそのまま現出することとなり、光輝材含有クリア塗膜3が発現する色による意匠性の向上を充分に達成することができなくなるおそれがある。また、この着色顔料の含有量が7質量%を超えると光輝材含有クリア塗膜3の色が濃くなり過ぎて着色塗膜2の色を隠蔽してしまい、意匠性を充分に向上できなくなるおそれがある。
光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料の塗布は適宜の手法で行うことができるが、フレキソ印刷により塗装することが好ましい。このフレキソ印刷は水性塗料の均一な印刷塗布や、多品種少量生産に適しているものである。また、この場合、基材1上の着色塗膜2とフレキソ版との間でクリア塗料に適度な圧力をかけることができ、このクリア塗料中の鱗片状の光輝材が基材1表面と平行に配置されやすくなって、塗膜の光輝感が向上することとなる。
このような塗料を塗装後、例えば80〜150℃で焼き付け乾燥等することにより成膜し、光輝材含有クリア塗膜3を形成することができる。光輝材含有クリア塗膜3の厚みや塗膜量は適宜設定されるが、例えば平均膜厚が3〜10μmの範囲であることが好ましい。
このように光輝材含有クリア塗膜3を形成するにあたって、この光輝材含有クリア塗膜3は、基材1上の着色塗膜2の表面に分散させて設けるなどして、着色塗膜2の表面の一部に設けることが好ましい。この場合、光輝材含有クリア塗膜3を不規則に分散させて焼き物の焼きムラを表現することができ、焼き物の風合いを有する窯変調の外観を現出させることができる。このとき、光輝材含有クリア塗膜3の総面積が例えば着色塗膜2の表面の面積に対して30〜70%の範囲となるようにすることができる。このときフレキソ印刷にて塗装する場合には、フレキソ版として窯変調模様を刻設したものを用いることで、光輝材含有クリア塗膜3による窯変調模様を容易に形成することができる。
また、基材1として目地模様等の凹凸模様が形成されたものを用いる場合には、この基材1の凸部の一部に光輝材含有クリア塗膜3を形成するようにし、凹部には光輝材含有クリア塗膜3を形成しないようにすることができる。この場合、目立たない目地部分等の凹部には光輝材を含有する光輝材含有クリア塗膜3を設けないようにして高価な光輝材の使用を削減しつつ、外部から目立つ凸部に光輝材を含有する光輝材含有クリア塗膜3を設けるようにして、効果的に意匠性を向上することができる。
光輝材含有クリア塗膜3を形成した後、着色塗膜2及び光輝材含有クリア塗膜3が形成された基材1の全面にクリア塗膜4を形成する。
クリア塗膜4は無色透明のクリア塗料を塗布成膜して形成することができる。このクリア塗料としては、適宜の有機系又は無機系のクリア塗料を用いることができる。
有機系のクリア塗料としては、例えばアクリル系、アクリルシリコン系、アクリルウレタン系等の適宜の水性のクリア塗料を用いることができる。このような水性のクリア塗料を塗装後、例えば80〜150℃で焼き付け乾燥等することにより成膜して、クリア塗膜4を形成することができる。この場合のクリア塗膜4の厚みや塗膜量は特に制限されないが平均膜厚が10〜25μmの範囲であることが好ましい。
また、無機系のクリア塗料としては、例えばオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液に、ポリオルガノシロキサンや、アルキルチタン酸塩等の縮合反応触媒を加え、或いは更にシリカを加えたケイ素アルコキシド系塗料等を用いることができる。
具体的には、例えば下記式〔1〕で表される加水分解性オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロイダルシリカ中で、X1モルに対し水0.001〜0.5モルを使用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液(A成分)と、下記式〔2〕で表され、この式〔2〕中のRにフェニル基を全R基に対して1〜30モル%含有するポリオルガノシロキサン(B成分)と、このA成分とB成分との縮合反応を促進する触媒とを必須成分とし、A成分においてシリカを固形分として5〜95重量%含有し、加水分解性オルガノシランの少なくとも50モル%がn=1のオルガノシランで、A成分1〜99重量部に対してB成分99〜1重量部が配合されているものを挙げることができる。
SiX4−n…〔1〕
(式中、Rは同一または異種の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ハロゲン置換炭化水素基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基およびγ−メルカプトプロピル基からなる群より選ばれる、炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整数、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基およびアミド基からなる群より選ばれる加水分解性基を示す。)
Si(OH)(4−a−b)/2…〔2〕
(式中、Rは同一または異種の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ハロゲン置換炭化水素基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基およびγ−メルカプトプロピル基からなる群より選ばれる、炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b<4の関係を満たす数である。)
このようなケイ素アルコキシド系塗料等を静電塗装等して塗布した後、例えば60〜120℃で焼き付け乾燥等することにより成膜して、クリア塗膜4を形成することができる。この場合のクリア塗膜4の厚みや塗膜量は特に制限されないが、例えば平均膜厚が3〜8μmの範囲であることが好ましい
このようなクリア塗膜4によって塗装基材Aの表面を保護すると共に、光輝材含有クリア塗膜3からの光輝材の脱落を防止して、塗装基材Aの優れた意匠性を長期に亘って維持することが可能となる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳述する。
(実施例1)
基材1として455mm×3030mmの平面視寸法を有すると共に表面にタイル目地状の凹凸形状が形成された窯業系サイディング材を用いた。
着色塗料として関西ペイント株式会社製のアクリルエマルション塗料「IM7000」に顔料(酸化チタン、オーカー、ベンガラ、カーボンブラックの混合顔料)をPWC(顔料重量濃度)40%となるように配合したものを用い、これを上記基材1の一面の全面に塗布し、100℃、2分の加熱条件で成膜して膜厚30μmの着色塗膜2を形成した。
光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料としては、関西ペイント株式会社製のアクリルエマルション塗料「IM7000」に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ(メルク社製)を配合し、水と増粘剤により粘度調整をして樹脂固形分30質量%に調製したものを用いた。この塗料の粘度は30秒(イワタカップ)であった。
この塗料をフレキソ印刷により上記着色塗膜2上に塗布し、100℃、1分間の加熱条件で成膜して、光輝材の含有量が7質量%の光輝材含有クリア塗膜3を形成し、基材1の凸部に分散する窯変調の模様を形成した。このとき、フレキソ版としてはシリコンゴム製ロールに窯変調模様が刻設されたものを用い、アニロックスロールとしてはスクリーン線数55線/インチ、凸面積36%、深さ125μmのものを用いた。
次に、クリア塗料として関西ペイント株式会社製のアクリルエマルション塗料「IM7000」を用い、これを基材1上の着色塗膜2及び光輝材含有クリア塗膜3が形成された面の全面に塗布し、100℃、2分間の加熱条件で成膜して膜厚15μmのクリア塗膜4を形成した。これにより、塗装基材Aを得た。
(実施例2)
実施例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料としては、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカを配合し、水と増粘剤により粘度調整をして樹脂固形分37質量%に調製したものを用いた。この塗料の粘度は60秒(イワタカップ)であった。この塗料を用い、光輝材の含有量が7質量%の光輝材含有塗膜3を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、塗装基材Aを得た。
(実施例3)
実施例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料としては、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカを配合し、水と増粘剤により粘度調整をして樹脂固形分30質量%に調製したものを用いた。この塗料の粘度は30秒(イワタカップ)であった。この塗料を用い、光輝材の含有量が20質量%の光輝材含有塗膜3を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、塗装基材Aを得た。
(実施例4)
実施例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料としては、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ、及び着色顔料であるカーボンブラックを配合し、水と増粘剤により粘度調整をして樹脂固形分35質量%に調製したものを用いた。この塗料の粘度は45秒(イワタカップ)であった。この塗料を用い、光輝材の含有量が7質量%、着色顔料の含有量が0.2質量%の光輝材含有塗膜3を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、塗装基材Aを得た。
(実施例5)
実施例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料としては、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ、及び着色顔料であるカーボンブラックを配合し、水と増粘剤により粘度調整をして樹脂固形分35質量%に調製したものを用いた。この塗料の粘度は45秒(イワタカップ)であった。この塗料を用い、光輝材の含有量が7質量%、着色顔料の含有量が7質量%の光輝材含有塗膜3を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、塗装基材Aを得た。
(実施例6)
実施例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料としては、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ、及び着色顔料であるカーボンブラックを配合し、水と増粘剤により粘度調整をして樹脂固形分35質量%に調製したものを用いた。この塗料の粘度は45秒(イワタカップ)であった。この塗料を用い、光輝材の含有量が7質量%、着色顔料の含有量が8質量%である光輝材含有塗膜3を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、塗装基材Aを得た。
(比較例1)
実施例1における光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料に代えて、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカを配合し、水と増粘剤により粘度調整をして樹脂固形分28質量%に調製したものを用いた。この塗料の粘度は25秒(イワタカップ)であった。この塗料を用い、光輝材の含有量が7質量%の塗膜を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、塗装基材Aを得た。
(比較例2)
実施例1における光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料に代えて、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカを配合し、水と増粘剤により粘度調整をして樹脂固形分38質量%に調製したものを用いた。この塗料の粘度は65秒(イワタカップ)であった。この塗料を用い、光輝材の含有量が13質量%の塗膜を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、塗装基材Aを得た。
(比較例3)
実施例1における光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料に代えて、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカを配合し、水と増粘剤により粘度調整をして樹脂固形分30質量%に調製したものを用いた。この塗料の粘度は30秒(イワタカップ)であった。この塗料を用い、光輝材の含有量が5質量%の塗膜を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、塗装基材Aを得た。
(比較例4)
実施例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料としては、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカを配合し、水と増粘剤により粘度調整をして樹脂固形分30質量%に調製したものを用いた。この塗料の粘度は30秒(イワタカップ)であった。この塗料を用い、光輝材の含有量が23質量%である塗膜を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、塗装基材Aを得た。
(評価試験)
各実施例及び比較例で得られた塗装基材Aについて、塗装面の外観を観察し、均一性、濃さ・隠蔽性、意匠性について評価した。
ここで均一性は光輝材含有クリア塗膜3における光輝材のムラの有無を目視に基づいて評価するものであり、光輝材が均一の場合を○、部分的に不均一な場合を△、全体的に不均一な場合を×と評価した。
また、濃さ・隠蔽性は、光輝材含有クリア塗膜3を介した着色塗膜2の透け具合を目視により評価するものであり、光輝材含有クリア塗膜3の色と着色塗膜2の透過色とがバランス良く混ざり合って見える場合を○、いずれかの塗膜の色に偏って見える場合を△、光輝材含有クリア塗膜3によって着色塗膜2が完全に隠蔽され、或いは着色塗膜2の透過色しか見えない場合を×と評価した。
また、光輝感は、全体的な外観を目視により評価するものであり、下記表1における「良好」は塗膜の光輝感が良好なもの、「やや良好」は光輝感が若干不足しているものの、充分な光輝感があるもの、「乏しい」は塗膜の光輝感が乏しいもの、「不均一」は光輝材にムラがあり光輝感が不均一なもの、「過剰」は光輝性が高すぎて意匠性を損なっているものを、それぞれ示す。
尚、実施例6で光輝感が若干不足したのは、着色顔料の含有量が多いために光輝材による光輝性が顔料の色によって隠蔽されたためと推察される。また、比較例2では塗料粘度が高いためにレベリング性が低くなり、塗膜にロービングが発生した。
本発明の実施の形態の一例を示す概略の断面図である。
符号の説明
1 基材
2 着色塗膜
3 光輝材含有クリア塗膜
4 クリア塗膜

Claims (4)

  1. 基材の表面に着色塗膜を形成し、前記着色塗膜の表面の少なくとも一部に、光輝材を含有すると共に粘度が30〜60秒(イワタカップ)の範囲のクリア塗料を塗布成膜することで、光輝材を7〜20質量%の範囲で含有する光輝材含有クリア塗膜を形成し、前記着色塗膜及び光輝材含有クリア塗膜が形成された基材の表面にクリア塗膜を形成して成ることを特徴とする塗装基材。
  2. 上記光輝材含有クリア塗膜が、着色顔料を0.2〜7質量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の塗装基材。
  3. 上記光輝材含有クリア塗膜が、フレキソ印刷により形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装基材。
  4. 上記基材が表面に凹凸を有し、上記光輝材含有クリア塗膜が前記基材の凸部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の塗装基材。
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