JP2009132816A - 摩擦材 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェード時の摩擦係数を良好に保ちながら、高温域でのフェード後に加圧停止状態が維持されても、摩擦材の一部が剥離して相手材へ貼り付くことのない無石綿摩擦材を提供する。
【解決手段】繊維基材と、結合剤と、潤滑材と、その他の充填材とからなる無石綿摩擦材であって、充填材としてピロリン酸カルシウムを摩擦材全体に対して4〜6vol%含有しており、かつ氷晶石を摩擦材全体に対して3〜5vol%含有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、車両のディスクロータやドラムに接触させて用いるブレーキパッドやブレーキライニング、およびクラッチフェーシング等の摩擦材に関する。
車両の燃料消費効率の向上にむけて、車両構成部品の軽量化が取り組まれている。軽量化の方策としては、部品使用素材の低密度化、既存部品の薄肉化及び小型化が挙げられる。ブレーキ構成部品関連では、ディスクロータ小型化対応摩擦材が求められている。
フェード時の摩擦係数低下のメカニズムは、以下のように推定されている。つまり、制動時の摩擦熱により摩擦材の温度が上昇し、その温度によって摩擦材中の有機成分が分解してガスが発生する。この分解ガスは元の材料に対しての体積変化が大きく逃げ場も無いため、摩擦材とディスクロータとの間に介在する事で摩擦係数を低下させ、ブレーキの効きが急激に悪化するフェード現象が発生する。このフェード現象による摩擦係数低下対策として、従来より無機充填材として氷晶石(クリオライト)を添加してきた。ところが、この氷晶石を添加した材料系では、特にフェード相当の熱履歴を受けた状態で信号待ち等で、車両が停止した後もブレーキペダルを踏み込んだまま摩擦材が加圧された状態を維持すると、摩擦材がディスクロータの摺動面に貼り付きを起こすことが確認できた。この状態から再発進のために摩擦材の加圧状態を解除すると、摩擦材の表層部の一部が剥離してバキンという不快音を生じることがあった。また、摩擦材の一部が剥離してディスクロータの摺動面にはり付いたまま再度制動をかけると、表面粗度の極めて悪い(凹凸形状の大きい)貼り付き部が原因となって摩擦材が偏摩耗したり、ブレーキ振動の原因となるなどの問題が生じた。
この摩擦材剥離機構を詳しく説明すると、制動時に摩擦材が高温となることで摩擦材表層部において氷晶石が溶融する。そのまま摩擦材の加圧状態が保持され摩擦材とディスクロータ等との密接状態が維持されると、摩擦材の降温に伴い溶融した氷晶石が固体化してディスクロータ等と固着する。この状態から再発進のために摩擦材の加圧状態が解除されると、ディスクロータ等の表面に固着した氷晶石によって、摩擦材の表層部がちぎれるように剥離し、ディスクロータ等の表面に摩擦材の一部が張り付いてしまうのである。そのため、摩擦材の表面粗度が悪化すると共に、ディスクロータにおける摩擦材貼り付き部も表面粗度が悪化し、制動不良の要因となる。
ここで、この種の摩擦材は、大きく分けて繊維基材と、広義の充填材と、これらを結合する結合剤(バインダー樹脂)とからなる。充填材は、その機能から摩擦調整材と呼ばれることもある。近年では、環境や人体に悪影響のある従来からの石綿(アスベスト)に代えて、繊維基材としてアラミド繊維等の有機繊維やスチール繊維等の無機繊維を使用した、いわゆるNAO(non Asbestos organic)材が使用されている。このような摩擦材として、例えば特許文献1ないし特許文献4がある。特許文献1の摩擦材は、繊維基材としてガラス繊維とアラミド繊維とを、結合剤としてフェノール樹脂をそれぞれ使用し、これに氷晶石を含む有機及び無機充填材を配合した有機成分主体の組成と成っている。特許文献1では、繊維基材にアスベストを使用しない無石綿摩擦材とすることで、摩擦係数やフェードの改良を図っている。特許文献2の摩擦材は、合成繊維を含む繊維基材を使用しながら充填材の1つとして氷晶石を使用し、有機成分主体の組成となっている。特許文献2では、繊維基材にアスベストを使用しない無石綿摩擦材としながら、繊維基材の配合量を低減することで、低摩耗率と高摩擦係数の実現を図っている。特許文献3の摩擦材は、繊維基材としてガラス繊維とパルプ化ポリパラフェニンレンテレフタルアミド繊維を使用しながら、5〜30vol%の氷晶石粉末を配合している。特許文献3では、氷晶石の高配合によりフェードの抑制を図っている。特許文献4の摩擦材は、繊維基材と結合剤に加えて、研削材としての炭化ケイ素を10〜30重量%配合し、他に潤滑材として粗粒黒鉛、窒化ホウ素、氷晶石などを配合しており、その実使用温度を500℃以上としている。特許文献4では、高温領域でも安定した高摩擦係数を有する炭化ケイ素を重点的に配合すると共に、適度な潤滑材を配合することで、500℃以上の使用領域でも良好な摩擦係数及び耐摩耗性を有し、且つディスクロータなどの相手材への攻撃性(相手材の摩耗)の低減を図っている。
特開昭62−11732号公報 特公昭62−46589号公報 特開昭62−11789号公報 特許第3855125号公報
特許文献1や特許文献2の摩擦材は、フェード現象の大きな発生原因たる有機成分主体の組成であり、かつ研削材が乏しいので、高温域でのフェード現象による摩擦係数の低下に対応し難く、かつ摩擦材の貼り付きが発生する危険性が高い。特許文献3の摩擦材は氷晶石を高配合しているので、フェード時の摩擦係数確保の観点からは有意な効果が期待できる。しかし、氷晶石を高配合していることで、氷晶石の溶着による貼り付きの危険性が増大する。特許文献4の摩擦材は、研削材として炭化ケイ素を10〜30重量%配合しているので、高温域での潤滑性は確保されている。しかし、このような配合では、例えば200℃以下のような一般使用温度域での相手攻撃性が悪化するので、ディスクロータ等の相手材の摩耗寿命が低下してしまう。
そこで本発明は、フェード時の摩擦係数を有意に確保しながら、高温域でのフェード後に加圧停止状態が維持されても、摩擦材の一部が剥離して相手材へ貼り付くことのない無石綿摩擦材を提供することを目的とする。
本発明は繊維基材と、結合剤と、潤滑材と、その他の充填材とからなるアスベスト不使用の無石綿摩擦材であって、前記充填材としてピロリン酸カルシウムを含有していることを特徴とする。充填材とは、繊維基材、結合剤、潤滑材以外の配合物全般を意味し、研削材なども含む概念である。
また、前記充填材として氷晶石を含有している。前記ピロリン酸カルシウムの配合割合は、摩擦材全体に対して4〜6vol%(体積%)とし、前記氷晶石の配合割合は摩擦材全体に対して3〜5vol%(体積%)とすることが好ましい。
本発明によれば、無石綿摩擦材なので、環境や人体へ悪影響を及ぼすことがない。そのうえで、ピロリン酸カルシウムと氷晶石とを適度に配合しているので、フェード時の摩擦係数を有意に確保しながら、高温域でのフェード後に加圧停止状態が維持されても、摩擦材の一部が剥離して相手材へ貼り付くことを有効に防ぐことができる。
本発明の摩擦材は、アスベストではない繊維基材、結合剤、潤滑材、その他の充填材とを有する無石綿摩擦材(NAO材)である。全体として無機成分を主体とし、充填材として氷晶石とピロリン酸カルシウム(Ca)を含有している。本発明の摩擦材は、自動車や電車などの車両や航空機などのディスクロータやドラムに接触させて用いるブレーキパッドやブレーキライニング、およびクラッチフェーシング用の摩擦材として適用できる。
[繊維基材]
繊維基材は、従来からNAO材として使用されているものであれば特に限定されず、各種無機繊維や有機繊維を使用できる。無機繊維としては、スチール繊維や銅繊維等の金属繊維のほか、チタン酸カリウム繊維等のセラミックス繊維や炭素繊維,ガラス繊維などがある。有機繊維としては、アラミド繊維,ポリエステル繊維,カオウール繊維等の合成樹脂繊維やパルプ等の天然繊維などがある。中でも、無機繊維としてはスチール繊維が、有機繊維としてはアラミド繊維が好ましい。また、基材を補佐的に構成する充填材として、青銅、黄銅、銅などの金属粉末を適宜添加することもできる。これらの繊維基材や金属粉末は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよいが、無機繊維と有機繊維とを併用することが好ましい。無機繊維は耐熱性や耐摩耗性が良好であり、金属繊維であれば放熱性も良好である。有機繊維は充填材などの保持力が良好であり各成分の均一分散性が向上する。無機繊維と有機繊維とを併用することで、これらの特性を同時に得られる。繊維基材の配合量としては、摩擦材全体に対して5〜30vol%(体積%)程度とすればよい。繊維基材が5vol%未満であると、摩擦材の機械的強度が低下する。繊維基材が30vol%を超えると、耐摩耗性が低下すると共に、他の充填物等の配合割合が減少して摩擦係数等の各種性能も悪化する。好ましくは10〜25vol%、より好ましくは10〜15vol%である。なお、無機繊維と有機繊維とを併用する場合は、有機繊維の配合割合に対して無機繊維の配合割合を多くしておくことが好ましい。有機繊維の配合割合の方が多くなると高温域において分解ガスの発生量が増え、フェード時の摩擦係数が低下し易くなる。好ましくは、無機繊維の配合割合に対して、有機繊維の配合割合を半分以下にする。
[結合剤]
結合剤は、繊維基材と充填材とを結着させるものであって、従来からNAO材の結合剤として使用されている各種熱硬化性の合成樹脂やゴムが使用できる。熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂,イミド樹脂,ゴム変性フェノール樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂などが挙げられる。ゴムとしては、NBR,ニトリルゴム,アクリルゴムなどを挙げられる。中でも、耐熱性が良好なフェノール樹脂が好適である。これらの結合剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。結合剤の配合量は、摩擦材全体に対して5〜30vol%程度とすればよい。結合剤の主な機能は、摩擦材の機械的強度を維持することにある。したがって、結合剤の配合量が5vol%未満であると、摩擦材の強度が低くなって耐摩耗性が低下する。一方、結合剤の配合量が30vol%を超えると、高温時に分解がすすんでフェード時の摩擦係数が低下し易くなる。好ましくは10〜25vol%、より好ましくは15〜20vol%である。
[潤滑材]
潤滑材は、摩擦材がディスクロータ等の相手材と摺接することで両者が摩耗することを低減する機能を有する。潤滑材としては、例えば、二硫化モリブデン、三硫化アンチモン、硫化スズ、二硫化亜鉛、硫化鉄、硫化鉛等の金属硫化物や、粒状黒鉛(グラファイト)、窒化ホウ素などを適宜使用できる。これら潤滑材は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。粒状黒鉛の配合により、概ね100℃未満の低温域から100〜200℃程度の一般使用温度域において良好な潤滑性(耐摩耗性、及び相手攻撃性)を担保できる。黒鉛は、一般的に平均粒子径(メジアン径)が40〜100μm程度の粒状黒鉛が使用されるが、平均粒子径が1000μm以上の粗粒黒鉛を使用することもできる。平均粒子径が大きくなる程、耐熱温度も上昇する傾向がある。金属硫化物は融点が高く、高温域でも良好な潤滑性を発揮する。つまり、摩擦材が高温となることでこれらが軟化若しくは溶融し、摩擦材と相手材との間で保護膜を形成する。したがって、広い温度域において良好な潤滑性を担保するためには、粒状黒鉛と金属硫化物とを併用することが好ましい。
潤滑材全体の配合量は、摩擦材全体に対して3〜30vol%程度とすればよい。潤滑材の配合量が3vol%未満であると、摩擦材の耐摩耗性が低下すると共に、相手材への攻撃性が増大する。潤滑材の配合量が30vol%を超えると、良好な摩擦係数を得られないばかりか摩擦材強度が著しく低下し、摺動負荷に耐えられなくなる。好ましくは10〜30vol%、より好ましくは15〜25vol%である。
[充填材]
充填材は、主に潤滑材や繊維基材による各種性能を効果的に発揮できるよう調整するために配合されるものである。例えば、氷晶石のほか、カシューダスト,レジンダスト,ラバーダスト等の有機ダスト、珪酸カルシウム,ドロマイト,硫酸カルシウム,炭酸カルシウム,水酸化カルシウム等のCaO化合物、チタン酸アルカリ金属塩,チタン酸アルカリ金属・第2属元素塩等のチタン酸化物、酸化鉄、雲母(マイカ)、カオリン、タルク、ゾノトライト、バーミキュライトなどを挙げられる。これら充填材は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
さらに、充填材の1つとして研削材(アブレシブ材)がある。研削材は、主としてディスクロータ等の相手材表面の付着物(摩擦材成分や相手材の酸化膜)を除去する機能を有する。これにより、潤滑材の機能が良好に発揮される。研削材としては、アルミナ,酸化ジルコニウム,珪酸ジルコニウム,酸化マグネシウムなどを挙げることができる。これら研削材も、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。但し、相手材表面自体を傷つけないように、相手材の材料に応じて相手材の硬度(モース硬度)よりも硬度の低いものを選択することが好ましい。相手材表面を傷つけることなく相手材表面に移着した付着物を除去することができれば、良好な摩擦係数を得ることができると共に、摩擦材自身の摩耗量も少なくすることができる。
そして、本発明で最も大きな特徴として、ピロリン酸カルシウム(Ca)を配合している。ピロリン酸カルシウムを配合していることで、氷晶石が溶着し得るような高温域におけるフェード時でも、摩擦材に圧力を作用させ相手材と密着させた状態を保持した後に摩擦材への加圧を除去しても、摩擦材の表層部が剥離して相手材の表面に貼り付くことがなくなる。この理由は必ずしも明らかではないが、ピロリン酸カルシウムによって氷晶石の溶融が阻害されるか、溶融した氷晶石がピロリン酸カルシウムと反応して相手材への溶着力が低減するからと考えられる。
『氷晶石の配合割合は、摩擦材全体に対して3〜5vol%とする。上述のように、氷晶石は本発明で必須成分のピロリン酸カルシウムとの相関作用により優れた特性を有するものであり、ピロリン酸カルシウムの配合量との関係から、上記範囲を逸脱すると摩擦係数が低下したり高温域でのフェード後に摩擦材が相手材に貼り付くことを回避できなくなる。具体的には、氷晶石の配合割合が3vol%未満であると、フェード時の摩擦係数が低下する。一方、氷晶石の配合割合が5vol%を超えると、ピロリン酸カルシウムの影響が小さくなるので、摩擦材の貼り付き防止機能が損なわれる。(段落0016から移動)』ピロリン酸カルシウムの配合割合は、氷晶石の配合割合との相関関係から、摩擦材全体に対して4〜6vol%とする。ピロリン酸カルシウムの配合割合が4vol%未満であると、摩擦材の貼り付きが発生する。一方、ピロリン酸カルシウムの配合割合が6vol%を超えていると、摩擦材の貼り付きは防止できるがフェード時の摩擦係数が低減する。これら氷晶石及びピロリン酸カルシウムを含む各種充填材は、上記繊維基材、潤滑材、結合剤の配合割合に応じて、求められる摩擦係数、耐摩耗性、耐熱性、相手攻撃性等の各種性能を考慮しながら適宜調整すればよいが、目安としては概ね30〜70vol%の範囲で上記繊維基材等の各配合物を含めて全体で100vol%となるようにすればよい。好ましくは40〜65vol%であり、より好ましくは50〜60vol%である。
このように、本発明の摩擦材は繊維基材、潤滑材、充填材、結合剤を含有するが、摩擦材全体の組成としては、無機成分を主体とするように調整することが好ましい。無機成分が主体となっていれば、有機物由来の分解ガス発生量が低減し、フェード時の摩擦係数低下を低減できる。摩擦材全体に対する有機成分の配合量は、少なくとも50vol%未満とし、40vol%以下が好ましく、30vol%以下がより好ましい。
[製造方法]
摩擦材は、例えば周知のモールド法などによって製造できる。具体的には、繊維基材、潤滑材などの各配合物をミキサー等で十分に混合し、加圧型中に入れて常温で予備成形する。次いで、予備成形体をホットプレスし、その後熱処理することで得られる。予備成形やホットプレス時の圧力は10〜100MPa程度とすればよい。ホットプレス温度は130〜200℃程度である。また、熱処理は、150〜400℃程度で2〜48時間程度である。ミキサーとしては、アイリッヒミキサー,ユニバーサルミキサー,レーディゲミキサーなどを利用することができる。
(実施例)
表1〜6の組成表に示されるように、ピロリン酸カルシウム及び氷晶石の配合割合のみを段階的に変化させた摩擦材1〜42を製造し、これらにおけるフェード時の摩擦係数(μ)と相手材への貼り付きの有無を評価した。なお、表1〜6中の数字はvol%である。また、各摩擦材における結果を比較対比し易いよう纏めたものを表7に示す。
各摩擦材は次のようにして製造した。各種配合物をアイリッヒミキサーによって5分間乾式にて混合することで原料混合物を得た。この原料混合物を成形温度160℃、成形圧力20MPa、成形時間10分の条件において加熱加圧し成形した。最後に、この成形物を230℃、3時間の条件において硬化させ、130mm×48mm×12mmの摩擦材を得た。なお、各表中金属硫化物としては、二硫化モリブデン,三硫化アンチモン,硫化スズを混合使用した。有機ダストとしてはカシューダスト及びラバーダストを混合使用した。無機添加物としては、黄銅,青銅,銅を混合使用した。研削材としては、アルミナ,酸化ジルコニウム,珪酸ジルコニウムを混合使用した。
各評価方法は次の通りである。
<フェード(摩擦係数)試験>
JASO C406の摺り合わせと、第1フェードのみの組み合わせで実施した。
摺り合わせ:200回
フェード10回目:温度MAX650℃
減速度9m/s、インターバル無し
判定基準:○;摩擦係数0.3μ以上 ×;摩擦係数0.3μ未満
<貼り付き>
フェード試験の10回目において、停止時に摩擦材へ圧力9MPaを作用させたまま3分間保持した。その後圧力を解除してロータを再始動させ、ロータへの貼り付きの有無を目視にて確認した。
判定基準:○;貼り付き無し ×;貼り付き有り
Figure 2009132816
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表7に纏めた結果より、氷晶石が3vol%未満ではフェード時の摩擦係数が低い。逆に、氷晶石が6vol%以上であっても、ピロリン酸カルシウムの配合量が多いとフェード時の摩擦係数が低く成る傾向にあることがわかった(摩擦材35、42)。また、氷晶石の配合量が増加するにつれて、貼り付きが発生し易い傾向にあることもわかる。一方、ピロリン酸カルシウムの配合量を増やすにつれて、有意に貼り付きを防止できる傾向にあることがわかる。しかし、ピロリン酸カルシウムの配合量が7vol%以上では、フェード時の摩擦係数が低下してしまうことがわかった。ピロリン酸カルシウムの配合量が4〜6vol%であり、かつ氷晶石の配合量が3〜5vol%であれば、フェード時の摩擦係数が良好でありながら摩擦材の張り付きも発生しないことがわかった。つまり、この条件を満たす、摩擦材18〜20、25〜27、32〜34が、本発明に係る実施例となる。

Claims (3)

  1. 繊維基材と、結合剤と、潤滑材と、その他の充填材とからなる無石綿摩擦材において、
    前記充填材としてピロリン酸カルシウムを含有することを特徴とする無石綿摩擦材
  2. さらに前記充填材として、氷晶石を含有する請求項1に記載の摩擦材。
  3. 前記ピロリン酸カルシウムを4〜6vol%含有し、
    前記氷晶石を3〜5vol%含有する、請求項2に記載の摩擦材。

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