JP2009129864A - イオン注入装置およびこれを備える半導体製造装置 - Google Patents

イオン注入装置およびこれを備える半導体製造装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 半導体の品質に悪影響を与えることなく、簡単な構造で、効率よくかつ高い精度でイオンビーム照射角度の調整を行うことができるイオン注入装置およびこれを備える半導体製造装置を提供することである。
【解決手段】 イオン注入装置は、イオンビーム照射部と、遮断板と、イオン量測定部と、照射角度変更部とを含んで構成される。イオンビーム照射部は、イオンビームを形成し、基板を保持する基板保持部に向けて前記イオンビームを照射する。遮断板は、基板保持部に保持される基板の位置よりも前記イオンビームのイオンの流れ方向上流側の予め定める位置に設置可能である。遮断板には、貫通孔が形成される。貫通孔は、遮断板が前記予め定める位置に設置された状態において、予め定める方向の軸線を有する。遮断板は、前記イオンビームの少なくとも一部を遮断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板にイオンを注入するイオン注入装置およびこれを備える半導体製造装置に関する。
図9は、第1の従来技術に係るイオン注入装置において使用されるテープ1の平面図である。第1の従来技術においては、イオンビームの方向を調整するとき、回転ディスク式ウエハホルダの回転中心から半径方向外方にかけてテープ1を貼り、イオンビームを照射する。イオンビームを照射するときには、イオン注入を行うチャンバ内は真空引きされ、真空に維持される。テープ1は粘着層によって回転ディスク式ウエハホルダまたは回転ディスク式ウエハホルダに保持されたダミーウエハに固着される。テープ1は、イオンビームが照射されると、変色する性質を有し、イオンビーム照射によって変色した変色領域2が形成される。
図10は、第1の従来技術に係るイオン注入装置を用いたイオンビームの照射角度の調整方法の工程を表すフローチャートである。本処理開始後、ステップb1の第1工程に移行し、イオンビームを最大出力とする調整を行う。次にステップb2の第2工程に移行し、ディスクにテープ1を貼り付ける。次にステップb3の第3工程に移行し、イオンビームを最も外方に照射してスキャンマックスに照射する。次にステップb4の第4工程に移行し、予め定めるDAC値686、935および1198の出射位置においてそれぞれ10秒間のイオンビーム照射を行う。次にステップb5の第5工程に移行し、イオン注入を行うチャンバの大気開放を行い、テープ1の変色領域2の中心位置3を特定することによって、イオンビームが照射される位置を特定する。
次にステップb6の第6工程に移行し、イオンビームの照射角度の良否を判定する。イオンビームの照射角度が不良と判定された場合には、ステップb7の第7工程に移行し、イオンビームの角度を調整する角度補正電磁石のパラメータを調整し、再び真空引きし、イオンビームの照射角度を調整する。次にステップb2の第2工程〜ステップb6の第6工程を繰返す。ステップb6の第6工程でイオンビームの照射角度が不良と判定される間、ステップb2の第2工程〜ステップb6の第6工程を繰返す。ステップb6の第6工程においてイオンビームの照射角度が良と判定された場合には、本処理を終了する。
第2の従来技術に係るイオン注入装置として、可動式のビーム電流センサを設け、これによって、イオンビームの方向を調整する装置が知られる。ビーム電流センサには、感知孔が形成され、ビーム電流センサでイオンビームを感知し、感知したイオンビームの位置を特定することによって、テープ1を使用することなくイオンビームの照射角度が調整される(たとえば特許文献1参照)。
第3の従来技術に係るイオン注入装置として、ビーム分割スリットと、可動式ファラデーカップとを備え、イオンビームの照射角度を調整する装置が知られる。第3の従来技術に係るイオン注入装置では、ビーム分割スリットを透過したイオンビームの電気量と位置とを、可動式ファラデーカップによって計測することによって、イオンビームの照射角度の調整を行う(たとえば特許文献2参照)。
特表2003−504820号公報 特開2005−353537号公報
第1の従来技術では、テープ1を配置し、イオンビームを照射し、テープ1の変色領域2の中心位置3を特定し、イオンビームの照射角度を調整し、再びテープ1を配置することを繰返す。この繰返しのたびにイオン注入装置の大気開放と真空引きとを行わなければならない。したがって、第1の従来技術では、調整に時間がかかり、非効率的であるという問題点がある。またテープ1からの不要なガスの放出、粉塵の放出などが発生するおそれがあるという問題点がある。またこれによって、半導体の品質への悪影響が懸念されるという問題点がある。
第2および第3の従来技術では、イオンビームを感知し、感知したイオンビームの位置を特定するために可動式のセンサを設ける必要があり、イオン注入装置の構造を簡素化できないという問題点がある。
本発明の目的は、半導体の品質に悪影響を与えることなく、簡単な構造で、効率よくかつ高い精度でイオンビーム照射角度の調整を行うことができるイオン注入装置およびこれを備える半導体製造装置を提供することである。
本発明は、気相中でイオンを発生させ、発生したイオンを加速することによってイオンビームを形成し、基板を保持する基板保持部に向けて前記イオンビームを照射するイオンビーム照射部と、
前記基板保持部に保持される基板の位置よりも前記イオンビームのイオンの流れ方向上流側の予め定める位置に設置可能であり、前記予め定める位置に設置された状態において、予め定める方向の軸線を有する貫通孔が形成され、前記イオンビームの少なくとも一部を遮断する遮断板と、
前記イオンビームに含まれるイオンのうち単位時間に前記貫通孔を通過したイオンの量を測定し、測定結果を出力するイオン量測定部と、
前記基板保持部に対する前記イオンビームの角度を変化させる照射角度変更部とを含むことを特徴とするイオン注入装置である。
本発明に従えば、イオン注入装置は、イオンビーム照射部と、遮断板と、イオン量測定部と、照射角度変更部とを含んで構成される。イオンビーム照射部は、気相中でイオンを発生させ、発生したイオンを加速することによってイオンビームを形成し、基板を保持する基板保持部に向けて前記イオンビームを照射する。遮断板は、基板保持部に保持される基板の位置よりも前記イオンビームのイオンの流れ方向上流側の予め定める位置に設置可能である。遮断板には、貫通孔が形成される。貫通孔は、遮断板が前記予め定める位置に設置された状態において、予め定める方向の軸線を有する。遮断板は、前記イオンビームの少なくとも一部を遮断する。イオン量測定部は、イオンビームに含まれるイオンのうち単位時間に貫通孔を通過したイオンの量を測定し、測定結果を出力する。照射角度変更部は、基板保持部に対するイオンビームの角度を変化させる。
また本発明は、前記イオン注入装置を備えることを特徴とする半導体製造装置である。
また本発明に従えば、半導体製造装置は、イオンビーム照射部と、遮断板と、イオン量測定部と、照射角度変更部とを含むイオン注入装置を備える。
本発明によれば、半導体の品質に悪影響を与えることなく、簡単な構造で、効率よくかつ高い精度でイオンビーム照射角度の調整を行うことができるイオン注入装置およびこれを備える半導体製造装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るイオン注入装置10の構成を表す図である。本実施形態に係るイオン注入装置10は、基板にイオンを注入する装置であり、本実施形態において、基板は、半導体基板である。半導体製造装置11は、イオン注入装置10を含んで構成され、不純物を含む不純物含有層を半導体基板に形成する装置である。
本実施形態に係るイオン注入装置10は、イオンビーム照射部12と、照射角度変更部13と、遮断板14と、イオン量測定部17とを含んで構成される。イオンビーム照射部12は、気相中でイオンを発生させ、発生したイオンを加速することによってイオンビームを形成し、基板を保持する基板保持部に向けて前記イオンビームを照射する。遮断板14は、基板保持部に保持される基板の位置よりも前記イオンビームのイオンの流れ方向上流側の予め定める位置に設置可能である。遮断板14には、貫通孔16が形成される。貫通孔16は、遮断板14が前記予め定める位置に設置された状態において、予め定める方向の軸線を有する。遮断板14は、前記イオンビームの少なくとも一部を遮断する。イオン量測定部17は、イオンビームに含まれるイオンのうち単位時間に貫通孔16を通過したイオンの量を測定し、測定結果を出力する。照射角度変更部13は、基板保持部に対するイオンビームの角度を変化させる。
本実施形態において、半導体基板は、平板状のシリコンウエハである。半導体基板をその厚み方向に見ると、円形に形成される。半導体基板の大きさは、複数種類あり、本実施形態で半導体基板の円の外径は125ミリメートル(millimeters, 略号「mm」)である。イオン注入が行われる前の段階において、半導体基板は、真性半導体である。これにたとえばホウ化物イオン(化学記号「B」)、リン化物イオン(化学記号「P」)などのイオンを不純物として注入することによって、半導体を形成する。たとえばBを注入した場合には、真性半導体からp型半導体層を形成することができ、たとえばPを注入した場合には、真性半導体からはn型半導体層を形成することができる。イオン注入を、行う前の真性半導体である段階においても、またイオン注入が行われた後の段階においても、本実施形態において基板を「半導体基板」と称する。
他の実施形態において、半導体基板は、厚み方向の軸線まわりの角変位の角度を明確にするために、D字形状に形成されてもよい。その場合、円形の基板の一部は、円の弦と厚み方向の直線とを含む平面に沿って切断される。分割された半導体基板の2つの部分は、一方が他方よりも大きく、一方の大きい部分を半導体の製造に用いる。小さい方は半導体の製造には利用しないので、厚み方向の軸線まわりの、半導体基板の角変位の角度を容易に検出できる範囲内で、前記小さい方は可及的に小さく設定される。
半導体基板は、基板保持部に保持される。基板保持部は、2つの基板保持体18を含んで構成される。2つの基板保持体18は、同一の形状および大きさに形成される。基板保持体18は、大略的に円柱状に形成される。基板保持体18は、イオン注入段階において、円柱の軸線まわりに回転駆動される。基板保持体18の円柱の軸線を「回転軸線」と称し、回転軸線19の方向を「回転軸線方向」と称する。基板保持体18の円柱の2つの底面のうち、一方の面はイオンビーム照射部12に臨んで配置される。回転軸線方向Wのうち、基板保持体18からイオンビーム照射部12に向かう向きを「回転軸線方向一方」と称し、逆の向きを「回転軸線方向他方」と称する。
基板保持体18の回転軸線方向Wの寸法は、基板保持体18の円柱の外径よりも小さく設定される。基板保持体18の回転軸線方向一方W1の端面部には、半導体基板を保持するための凹所20が形成される。本実施形態において凹所20は、複数形成され、複数の凹所20は、回転軸線19を中心に周方向に等間隔に並ぶ。具体的には、9つ形成される。基板保持体18のうち、凹所20を規定する部分を「凹部」と称する。換言すれば、凹所20は、凹部によって規定される内部空間である。凹所20は、円柱状に形成される。凹所20の円柱の軸線方向は、回転軸線方向Wに一致する。凹部の内径は、半導体基板の円の外径とほぼ同じに、かつ半導体基板の円の外径よりもわずかに大きく設定される。
半導体基板がD字形状に形成される場合には、凹所20の形状を、半導体基板の形状に対応させてD字形状に形成してもよい。凹部の内径は、基板保持体18の円柱の外径よりも小さく設定される。回転軸線方向Wの凹部の深さ、換言すれば、凹所20の回転軸線方向Wの寸法は、基板保持体18の回転軸線方向Wの寸法よりも小さく設定され、半導体基板の厚み以上に設定される。9つの凹所20は、回転軸線19まわりの周方向に並び、基板保持体18が回転軸線19まわりに40度角変位すると、各凹所20は、周方向に隣接していた凹所20の位置と同じ位置に移動する。換言すれば、基板保持体18は、9回対称軸を有し、9回対称軸は、回転軸線19に一致する。
2つの基板保持体18は、互いに水平に隣り合って配置される。各基板保持体18の回転軸線19は、水平に隣り合い、各回転軸線19の方向は一致する。基板保持体18の回転軸線方向他方W2には、基板保持体18を回転駆動する回転駆動部21が接続される。回転駆動部21は、保持体回転軸と、軸受と回転駆動源とを含んで構成される。保持体回転軸は、基板保持体18の円柱の外径よりも小さい外径を有し、回転軸線方向Wに延びる軸線を有する円柱状に形成され、基板保持体18に対して固定される。基板保持体18と保持体回転軸とは、一体に形成される。軸受は、保持体回転軸を回転可能に支持する。回転駆動源は、たとえばステップモータを含んで構成され、保持体回転軸に対して機械的に接続され、保持体回転軸を回転軸線19まわりに回転することによって、基板保持体18を回転軸線19まわりに回転させる。
基板保持体18および保持体回転軸は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成され、導電性を有する。回転駆動源のうち、保持体回転軸に接触する部分は、絶縁性を有する部材によって形成され、回転駆動源と保持体回転軸とは、電気的に絶縁される。保持体回転軸は、イオン量測定部17に電気的に接続される。
真性半導体に対して不純物として注入されるイオンは、真性半導体の価電子帯と伝導帯との間に不純物準位を形成するために、真性半導体に注入される。本実施形態において、注入される不純物は、Bであり、真性半導体からp型半導体層を形成するために、価電子帯近傍にアクセプタ準位を形成するカチオンである。アクセプタ準位は、価電子帯のうち最もエネルギの高い準位よりもエネルギが高く、伝導帯のうち最もエネルギが低い準位のうち最もエネルギが低い準位よりもエネルギが低い。伝導帯のうち最もエネルギが低い準位と、アクセプタ準位とのエネルギ差は、価電子帯のうち最もエネルギの高い準位とアクセプタ準位とのエネルギ差よりも大きい。Bの原料としては、たとえば常温常圧において無色の気体である三フッ化ホウ素(化学式「BF」)がある。
仮に真性半導体からn型半導体層を形成するためには、たとえばリン化物イオン(化学記号「P」)、ヒ化物イオン(化学記号「As」)などを注入する。n型半導体層においては、不純物準位としてドナー準位が形成される。ドナー準位は、価電子帯のうち最もエネルギの高い準位よりもエネルギが高く、伝導帯のうち最もエネルギが低い準位のうち最もエネルギが低い準位よりもエネルギが低い。価電子帯のうち最もエネルギが高い準位とドナー準位とのエネルギ差は、伝導帯のうち最もエネルギが低い準位とドナー準位とのエネルギ差よりも大きい。Pの原料としては、たとえば常温常圧において無色の気体である三フッ化リン(化学式「PF」)、リン化水素(化学式「PH」)などがあり、ヒ化物イオンの原料としては無色の気体であるヒ化水素(化学式「AsH」)などがある。
イオンビーム照射部12は、予め定める出射位置でイオンビームを出射する。互いに異なる複数の出射位置で出射されるイオンビームが互いに平行となる状態を理想状態とすると、貫通孔16の位置は、前記予め定める出射位置で出射されたイオンビームが理想状態において通過する位置に設定される。互いに異なる複数の出射位置で出射されるイオンビームが互いに平行となる状態を「理想状態」と称する。本実施形態において、イオンビーム照射部12は、イオン発生部22と、電極と、質量分析器26と、加減速管27と、走査器28とを含んで構成される。
イオン発生部22は、三フッ化ホウ素の気体を封入したガスボトルなどを含んで構成され、分子と電子とを衝突させることによって、イオンを発生させる部分である。イオン発生部22は、イオンの流れの最も上流に位置する部分である。電極は、イオン発生部22の下流側の空間に電界を形成する。電極には、イオンを取出すための開口が形成される。イオン発生部22で発生したイオンは、電極によって形成された電界の中で1つの向きに加速され、イオンビームとなる。電極で形成された電界によって流れの向きが規定されたイオンは、電極に形成される開口を通過して質量分析器26に入射する。
質量分析器26は、本実施形態においては、四重極質量分析器である。四重極質量分析器は、4つの円柱状電極を含んで構成され、4つの電極に囲まれる空間内に直流と交流との電圧によって振動する電界を形成し、この振動に対応して安定な振動を保つイオン粒子のみを取り出して下流側に出射する装置である。イオンの振動の周期はイオンの質量によって異なるので、イオンが4つの電極間の空間内で安定に振動できるか否かは、イオンの質量に依存する。このことを利用して、特定のイオンを予め定める向きに出射する。質量分析器26から出射されたイオンビームは、加減速管27に入射する。イオン発生部22において発生したイオンのうち、所望する種類のイオン以外のイオンは、質量分析器26において除去される。本実施形態の場合には、Bが加減速管27に入射し、Bを除く他の種類のイオンは、除去される。
加減速管27は、質量分析器26よりも下流の空間に電界を形成し、入射するイオンの運動量を調整する。不純物を半導体基板に深く注入する必要があるときには、加減速管27で印加する電圧を高くする。加減速管27から出射されたイオンビームは、走査器28に入射する。走査器28は、加減速管27よりも下流側の空間に磁界を形成することによって、入射するイオンの進行の向きを変化させる。走査器28で形成される磁界の向きおよび強さの少なくとも一方は、変更可能であり、磁界の向きおよび強さの少なくとも一方を変化させることによって、イオンビームの進行する向きを調整することができる。走査器28を出射するビームの進行の向きは、複数設定され、走査器28の磁界を変化させることによって、イオンの進行の向きを、設定される複数の向きのうちの任意の1つの向きとすることが可能である。走査器28から出射されたイオンビームは、照射角度変更部13に入射する。
照射角度変更部13は、角度補正器32と、角度補正器調整部33とを含んで構成される。角度補正器32は、走査器28よりも下流側の空間に磁界を形成することによって、入射するイオンビームの進行の向きを変化させる。角度補正器32は、走査器28から入射する複数の向きのイオンビームを、所定の向きのイオンビームとして出射する。換言すれば、走査器28から、設定される複数の向きのうち、いずれの向きのイオンビームが角度補正器32に入射しても、角度補正器32を通過したイオンビームは、所定の向きに進行する。角度補正器32の走査器28に対する相対位置は、角度補正器32が走査器28から入射する複数の向きのイオンビームを所定の向きのイオンビームとして出射することができる位置として設定される。
角度補正器32が形成する磁界は、変更可能であり、角度補正器調整部33によって調整することによって、変更される。角度補正器調整部33は、本実施形態においては手動によって角度補正器32の磁界を変更する操作部である。角度補正器調整部33を操作し、角度補正器32が形成する磁界を調整することによって、角度補正器32通過後のイオンビームの方向は、調整される。角度補正器32から出射されたイオンビームは、半導体基板に向けて出射される。イオンビームの方向は、イオンの進行方向である。イオンビームの方向を調整することによって、イオンビームの照射角度は調整される。
イオン量測定部17は、ビーム受容体34を含む。ビーム受容体34は、基板保持部に保持され、単位時間当たりに受容したイオンの量を電流に変換する。ビーム受容体34には受容面36が形成される。受容面36は、イオンビームを受容し、理想状態で貫通孔16を通過したイオンビームが到達する前記受容体上の領域を含む。ビーム受容体34は、導電性を有する部材によって形成され、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成される。本実施形態においてビーム受容体34は、半導体基板と同じ形状および大きさに形成される。
ビーム受容体34に形成される受容面36は、ビーム受容体34が基板保持体18に保持された状態で、ビーム受容体34の回転方向一方に臨む面である。受容面36にイオンビームのイオンが到達すると、イオンは、ビーム受容体34に付着し、酸化または還元されて、電気的に中性な原子または分子となる。ビーム受容体34は、基板保持体18に保持された状態で、基板保持体18と電気的に接続される。本実施形態においてイオンは、カチオンであるので、イオンビームがビーム受容体34に到達すると、ビーム受容体34の電位は高くなる。
図2は、本発明の一実施形態におけるファラデー52とイオン量測定部17との断面図である。図2において遮断板14の図示は省略する。イオン量測定部17は、電流計38をさらに含んで構成される。基板保持体18は、導線によって基準電位に保たれる基準電位部に接続される。導線の途中位置には、電流計38が配置され、電流計38は、基板保持体18と基準電位部との間を流れる電流の電流値を測定する。基準電位部は、本実施形態においては接地される。電流計38が示す電流値は、単位時間当たりにビーム受容体34に付着するイオンが多ければ多いほど、大きな値を示す。
イオン注入装置10は、チャンバをさらに含んで構成される。チャンバは、イオンビーム照射部12と、照射角度変更部13と、後に詳述する遮断板14とを外囲する容器であり、内部空間と外部空間とを気密に遮断することができる。イオンビームの照射角度の調整、イオンビームの照射およびイオン注入は、チャンバ内の内部空間を真空にして、チャンバ内において行われる。チャンバには、真空ポンプによって吸引するための開口が形成されており、チャンバの開口を規定する開口部は、耐圧チューブによって真空ポンプに接続される。真空ポンプは、ロータリポンプ、ディフュージョンポンプ、ターボ分子ポンプ、イオンポンプなどの複数のうち、1つまたは複数のポンプであるものとし、複数のポンプは、併用が可能である。
図3は、本発明の一実施形態における走査器28と、角度補正器32と、基板保持体18と、受容体との平面図である。複数の方向に、複数のイオンビームが同時に出射されることはないけれども、設定される複数のイオンビームの進行経路を、仮想的に複数同時に存在する線として表し、複数のイオンビームの進行経路を表す複数の線を「ビームライン」と称する。ビームラインは太さを有し、長手方向に垂直な断面の形状は円形である。各ビームラインの中心の線を「ビームライン軸線」と称する。各ビームライン軸線39の太さは、限りなく零に近い。複数のビームライン軸線39のうちの中央の線は、走査器28よりも上流側から走査器28の中央部に入射し、走査器28によって曲げられることなく、走査器28を通過し、角度補正器32に入射する。走査器28によって曲げられることのないビームライン軸線39を含む仮想的な直線を「基準軸線」と称し、基準軸線42の方向を「基準方向」と称する。
基準方向Xは、回転方向Wに対して、わずかに角度を成す。基準方向Xと回転方向Wとが同一方向であると、照射されたイオンが、真性半導体の原子配列の隙間を通して、所望の深さ以上に深く注入される「チャンネリング」という現象が生じる。基準方向Xと回転方向Wとが角度を成す設定とすることによって、チャンネリングを防止することができる。
複数のビームラインは基準方向Xに垂直な1つの方向に並ぶ。基準方向Xに垂直で、複数のビームライン軸線39に交わる直線の方向を「垂直方向」と称する。本実施形態において、基準方向Xおよび垂直方向Yは、いずれも水平に設定される。複数のビームラインは、走査器28から下流側に出て、下流側に向かうにつれて垂直方向Yに広がる。基準方向Xおよび垂直方向Yの両方に直交する方向を「直交方向」と称する。本実施形態において直交方向Zは、鉛直である。基準軸線42と基準軸線42に交わる直交方向Zの一直線とを含む平面を「第1基準面」と称し、基準軸線42と基準軸線42に交わる垂直方向Yの一直線とを含む平面を「第2基準面」と称する。複数のビームラインの直交方向Zの位置は、いずれも上流下流に関して一定である。
角度補正器32は、4つの電磁石を含んで構成される。4つの電磁石は、第1基準面と第2基準面とによって分割された各空間に位置する。4つの電磁石は、第1基準面を鏡面として面対称であり、かつ第2基準面を鏡面として面対称である。走査器28よりも下流側のビームライン軸線39は、第2基準面内を通過し、下流側に向かうにつれて垂直方向Yに広がる複数のビームライン軸線39は、第一基準面に関して面対称である。ビーム受容体34の受容面36を含む平面を「受容平面」と称する。基準軸線42が受容平面に到達する位置を「ニュートラルカップ」と称し、複数のビームライン軸線39のうち最も垂直方向一方Y1側のビームライン軸線39が、理想状態において到達する受容平面上の位置を「スキャンマックス」と称する。
ニュートラルカップ44の位置を零とし、スキャンマックス46の位置を1500とし、ニュートラルカップ44とスキャンマックス46との間を垂直方向Yに1500に等分して、各位置を数値で表す。これを「DAC値」と称する。DAC値は、半導体基板および基盤保持部の大きさに関わらず1500を最大値として設定されるので、半導体基板の外径が異なれば、同一のDAC値が示す位置は、異なる。
本実施形態において半導体基板の外径は125mmであり、DAC値が686であるビームライン軸線39が受容平面に到達する位置は、回転軸線19と受容面36とが交わる位置から346.6mmである。DAC値が935であるビームライン軸線39が受容平面に到達する位置は、回転軸線19と受容面36とが交わる位置から283.2mmである。DAC値が1198であるビームライン軸線39が受容平面に到達する位置は、回転軸線19と受容平面とが交わる位置から216.2mmである。
ニュートラルカップ44とスキャンマックス46とは、2つの基板保持体18に対して同様に設定される。換言すれば、ニュートラルカップ44は1つの位置であり、スキャンマックス46は、垂直方向Yに離れる2つの位置として設定される。ニュートラルカップ44とスキャンマックス46との間に設定されるそれぞれのDAC値のビームライン軸線39とスキャンマックス46とは、第1基準面を鏡面として面対称に配置される。
図4は、本発明の一実施形態における走査器28と、角度補正器32と、遮断板14と、ビーム受容体34と、基盤保持部との断面図である。図5は、本発明の一実施形態における遮断板14と、ビーム受容体34との斜視図である。遮断板14は、大略的に長方形の平板状部材として形成され、厚み方向に貫通する貫通孔16が形成される。貫通孔16の軸線方向に見たときの、貫通孔16の大きさは、イオンビームの流れ方向に垂直なイオンビームの断面よりも小さい。またイオンビーム照射部12の予め定める出射位置は、3つ以上設定され、貫通孔16は、前記予め定める3つ以上の出射位置に対応する3つ以上の位置に形成される。
遮断板14の厚み方向および貫通孔16の軸線方向は、ともに基準方向Xに一致する貫通孔16は、本実施形態においては3つ形成される。3つの貫通孔16は、遮断板14の長方形の長辺方向に並んで形成され、各貫通孔16は、遮断板14の短辺方向中央に形成される。遮断板14の長辺の長さは、ニュートラルカップ44からスキャンマックスまでの長さよりも長く設定される。遮断板14は、イオンビームの流れ方向上流側の予め定める位置に設置される状態と、前記予め定める位置から除去された状態とに、随時切換え可能である。遮断板14がイオンビームの流れ方向上流側の予め定める位置に設置される状態を、遮断板14の「設置状態」と称し、設置状態における位置から除去された状態を「設置解除状態」と称する。
設置状態において遮断板14は、ビーム受容体34の上流側近傍に設置される。遮断板14の長辺方向は、基準軸線42の半径方向に一致する。遮断板14の貫通孔16は、ニュートラルカップ44からスキャンマックス46までの位置のうちの3つの位置に形成され、本実施形態において3つの貫通孔16は、DAC値が686の位置と、DAC値が935の位置と、DAC値が1198の位置とに形成される。遮断板14と基盤保持部との距離は、1mm以上2mm以下が好ましいけれども、この範囲に限定しない。貫通孔16の内径は、イオンビームのイオンの流れ方向に垂直な直径の10%以上20%以下が好ましい。本実施形態においてイオンビームの直径は、20〜30mmであるので、貫通孔16の内径は、2mm以上6mm以下であることが好ましい。
図6は、本発明の第1実施形態におけるイオンビームの流れ方向に垂直な断面中のイオンの量の分布48を表す図である。イオンビームの流れ方向に垂直な断面の中で、イオンの量は、ガウス分布に従って分布している。断面の中で、単位面積当たりのイオンの量が最も大きい部分が、ビームライン軸線39に相当する。イオンビームの直径は、ガウス分布に従うイオンビームの断面の中で、ビームライン軸線39から半径方向の1つの向きに±2σの範囲の断面の直径とする。σはガウス分布の標準偏差を表す。断面の中で半径方向に±2σの範囲内には、断面全体のイオン量のうちおよそ95%のイオン量が含まれる。
イオンビームの断面の中で断面の中央が最もイオン量の密度が高く、断面の中央から半径方向外方に向かうにつれてイオン量の密度は低くなる。したがって、貫通孔16の軸線とイオンビームの流れ方向とが一致し、イオンビームの断面の中央を通るイオンの流れ方向の直線と貫通孔16の軸線とが一致するとき、貫通孔16を通過するイオン量は最も大きくなる。したがって、貫通孔16を通過したイオンの量をイオン量測定部17によって測定し、その大きさが最も大きくなるときのイオンビームの方向を求めることによって、理想状態を求めることができる。
イオンビームの断面の外径に対して、貫通孔16の内径が大きければ大きいほど、イオンビームの向きの変化に対してイオン量測定部17が測定した測定結果の変化が小さく、イオンビームのいずれの向きがもっとも理想状態に近い向きであるかどうかを判定しにくくなる。またイオンビームの断面の外径に対して貫通孔16の内径が小さければ小さいほど、イオンビームの向きの変化に対してイオン量測定部17の測定結果が大きく変化し、理想状態に近い向きを探し出すこと自体が困難になる。したがって、貫通孔16の内径の、イオンビームの直径に対する割合は、予め定める範囲であることが好ましい。
イオン注入装置10は、遮断板14の状態を設置状態と設置解除状態とに切換える遮断板切換部49をさらに含んで構成される。遮断板切換部49のうち、操作部は、人手によって操作され、遮断板切換部49は、操作部が操作されるによって、その操作内容に応じて遮断版の状態を切換える。遮断板切換部49は、遮断板14を機械的に変位させる。操作部は、チャンバよりも外方に設置され、チャンバを大気解放することなく操作することができる。遮断板切換部49は、人手を駆動源として遮断板14を変位駆動する構成としてもよく、またステップモータを駆動源として遮断板14の状態を切換える構成としてもよい。
図7は、本発明の一実施形態におけるファラデー52と、遮断板14と、遮断板切換部49と、ビーム受容体34と、基盤保持体との断面図である。イオン注入装置10は、ファラデー52をさらに含んで構成される。ファラデー52は、角度補正器32と基板保持部との間に設置され、角度補正器32から基板保持部に照射されるイオンビームの一部を受容する。ファラデー52が受容したイオンは、ファラデー52と電子を授受し、原子または分子となり、電気的に中性となる。ファラデー52は、導電性を有する材料、具体的にはアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成される。ファラデー52は、基準方向Xに延びる筒状の部材として形成され、角度補正器32から基板保持部に向かうイオンビームを外囲して配置される。
ファラデー52がイオンを受容することによって、ファラデー52の電位は変化する。本実施形態ではイオンはカチオンであるので、イオンを受容することによって、ファラデー52の電位は上昇する。ファラデー52は、電流計38を介して基準電位部に電気的に接続される。ファラデー52と基準電位部と間に設置される電流計38と、ビーム受容体34と基準電位部との間に配置される電流計38とは、本実施形態では1つの電流計38を共用するものとするけれども、他の実施形態では、それぞれ別個に設置される電流計であってもよい。
半導体製造装置11は、イオンビーム照射部12と、遮断板14と、イオン量測定部17と、照射角度変更部13とを含むイオン注入装置10を備える。半導体製造装置11によって製造される半導体は、たとえばn型半導体およびp型半導体のうちのいずれか一方または両方である。これは、たとえばバイポーラトランジスタの前駆体であり、たとえば半導体レーザの前駆体である。半導体製造装置11は、イオン注入装置10以外に、基板搬送装置、熱処理装置を含んで構成される。2つの基板保持体18から搬出される半導体基板は、イオン注入装置10から搬出されて次の工程を行う装置に搬送される。
次の工程は、本実施形態では熱処理装置であり、イオン注入装置10で注入したイオンを熱拡散させる。これによって、たとえばエミッタ層、ベース層などを、所定の深さに分布させる。熱処理工程は、イオン注入装置10のチャンバとは異なるチャンバ内で行われ、2つのうち一方の基板保持体18から搬出された半導体基板が搬入されるチャンバと、他方の基板保持体18から搬出された半導体基板が搬入されるチャンバとは、異なる構成としてもよいけれども、同一のチャンバとする構成であってもよい。
図8は、本発明の一実施形態に係るイオン注入装置10を用いたイオンビームの照射角度の調整方法の工程を表すフローチャートである。本処理開始後、ステップa1のビーム出力調整工程に移行し、イオンビームの出力を最大にする。ビーム出力調整工程では、ファラデー52によって単位時間当たりに照射されるイオンビームが最大のイオンの量を検出し、イオンビームの出力が安定して最大値を示すための調整を行う。加減速管27によって形成される電界の強さは、イオンビームが安定する範囲で、任意に設定される。
次にステップa2の遮断板設置工程に移行し、遮断板14を設置状態にする。この工程では、遮断板切換部49の操作部を操作し、遮断板切換部49に対して遮断板14の状態を設置状態に切換えさせる。次に、ステップa3のスキャンマックス調整工程に移行し、イオンビームがスキャンマックス46に最大出力で照射されるための調整を行う。この工程では、走査器28および角度補正器32を調整して、最も垂直方向一方Y1の位置にイオンビームを出射し、スキャンマックス46に最大の出力で出射する。
次にステップa4のビーム平行化工程に移行し、走査器28から異なる出射位置で出射されるイオンビームを、互いに平行とするために調整を行う。具体的には、DAC値が686の出射位置で出射を行い、このイオンビームのビームライン軸線39と受容平面との交点を、回転軸線19と受容平面との交点から346.6mmの位置とする調整を行う。次にDAC値が935の出射位置で出射を行い、このイオンビームのビームライン軸線39と受容平面との交点を、回転軸線19と受容平面との交点から283.2mmの位置とする調整を行う。次にDAC値が1198の出射位置で出射を行い、このイオンビームのビームライン軸線39と受容平面との交点を、回転軸線19と受容平面との交点から216.2mmの位置とする調整を行う。
次にステップa5の遮断板設置解除工程に移行し、設置状態であった遮断板14を設置解除状態に切換える。遮断板切換部49の操作部を操作し、遮断板切換部49に対して遮断板14の状態を設置解除状態に切換えさせる。その後、本処理を終了する。
ステップa4のビーム平行化工程において、各DAC値においてイオンビームはまず遮断板14の貫通孔16近傍に照射される。イオンビームのうち貫通孔16を通過したイオンは、ビーム受容体34に入射し、その単位時間当たりのイオンの量は電流値として検出される。この状態で、角度補正器調整部33を調整することによって角度補正器32の調整を行い、イオン量測定部17によるイオンの量を最大とする。イオンビームのビームライン軸線39が貫通孔16の軸線を通過するとき、イオンビームに含まれるイオンの最大量が貫通孔16を通過する。したがって、イオンビームの照射角度を、イオン量測定部17によって測定されるイオンの量が最大値を示す角度に設定することによって、イオンビームの照射角度は理想状態となる。
本実施形態によれば、イオン注入装置10は、イオンビーム照射部12と、遮断板14と、イオン量測定部17と、照射角度変更部13とを含んで構成される。イオンビーム照射部12は、気相中でイオンを発生させ、発生したイオンを加速することによってイオンビームを形成し、基板を保持する基板保持部に向けて前記イオンビームを照射する。遮断板14は、基板保持部に保持される基板の位置よりも前記イオンビームのイオンの流れ方向上流側の予め定める位置に設置可能である。遮断板14には、貫通孔16が形成される。貫通孔16は、遮断板14が前記予め定める位置に設置された状態において、予め定める方向の軸線を有する。遮断板14は、前記イオンビームの少なくとも一部を遮断する。イオン量測定部17は、イオンビームに含まれるイオンのうち単位時間に貫通孔16を通過したイオンの量を測定し、測定結果を出力する。照射角度変更部13は、基板保持部に対するイオンビームの角度を変化させる。
これによって、イオン量測定部17から出力される測定結果に基づいて、照射角度変更部13を調整し、単位時間に貫通孔16を通過したイオンの量を最大にすることができる。これによって、イオンビーム照射部12から出射されるイオンビームを貫通孔16の軸線に平行なイオンビームとすることができる。したがって、イオンビームが照射されることによって変色するテープを用いることなく、イオンビームの方向を調整することができる。テープを用いてイオンビームの方向調整を行う従来技術に比べて、イオンビームの方向を調整するときに行われるイオン注入装置10の大気開放と真空引きとの回数を低減することができる。これによって、イオンビームの方向の調整にかかる時間を短縮することができる。
またテープからの不要な気体の放出および粉塵の発生を防止することができる。したがって、前記テープからの不要な気体および粉塵が、基板に悪影響を与えることを防止することができる。またテープの変色領域を目視によって判定する必要がないので、イオンビームの方向調整を高い精度で行うことができる。イオンビームのイオン量を、そのイオンビームの位置とともに測定する測定器を設ける従来技術に比べて、イオン注入装置10を簡素化することができる。したがって、イオン注入装置10の製造にかかる費用を低減することができる。
また本実施形態によれば、イオンビーム照射部12は、予め定める出射位置でイオンビームを出射する。互いに異なる複数の出射位置で出射されるイオンビームが互いに平行となる状態を理想状態とすると、貫通孔16の位置は、前記予め定める出射位置で出射されたイオンビームが理想状態において通過する位置に設定される。これによって、前記予め定める出射位置で出射されるイオンビームの方向を、理想状態におけるイオンビームの方向と同一にすることができる。したがって、イオンビーム照射部12から出射されるイオンビームを、理想状態に近づけることができる。
また本実施形態によれば、イオン量測定部17は、ビーム受容体34を含む。ビーム受容体34は、基板保持部に保持され、単位時間当たりに受容したイオンビームのイオンビーム量を電流に変換する。またビーム受容体34には受容面36が形成される。受容面36は、イオンビームを受容し、理想状態で貫通孔16を通過したイオンビームが到達する前記受容体上の領域を含む。これによって、ビーム受容体34は、貫通孔16を通過したイオンビームのイオンビーム量を電流に変換することができる。これによって、貫通孔16を通過したイオンビームのイオンビーム量を測定することができる。したがって、基板保持部に基板が保持されたときに、イオンビームを理想状態で基板に入射させることが可能となる。またビーム受容体34は、受容したイオンビームのイオンビーム量を電流に変換して測定するので、テープの変色領域を目視によって判定してイオンビームの方向調整を行う従来技術に比べて、高い精度でイオンビームの方向調整を行うことができる。またイオンビームのイオン量を、そのイオンビームの位置とともに測定する測定器を設ける従来技術に比べて、装置を簡素化することができる。
また本実施形態によれば、貫通孔16の軸線方向に見たときの、貫通孔16の大きさは、イオンビームの流れ方向に垂直なイオンビームの断面よりも小さい。これによって、イオン量測定部17から出力される測定結果からの、イオンの量の最大値の特定を、容易にすることができる。したがって、測定結果が最大値となるときのイオンビームの方向の特定を、容易にすることができる。またイオンビーム照射部12の予め定める出射位置は、3つ以上設定され、貫通孔16は、前記3つ以上の出射位置に対応する3つ以上の位置に形成される。これによって、イオンビームの方向調整を、3つ以上の出射位置について調整することができる。したがって、1つの出射位置で調整する場合に比べて、イオンビームの方向調整を高い精度で調整することができる。
また本実施形態によれば、遮断板14は、イオンビームの流れ方向上流側の予め定める位置に設置される状態と、前記予め定める位置から除去された状態とに、随時切換え可能である。これによって、イオン注入装置10が使用されている状態から、イオン受容体を設置し、遮断板14を前記設置された状態に切換えることによって、イオンビームの方向を調整することが可能となる。したがって、テープを用いてイオンビームの方向調整を行う従来技術に比べて、イオン注入装置10の大気開放の回数を低減することができるので、イオンビームの方向の調整を頻繁に行うことができる。したがって、イオンビームの方向を高い精度で保つことが容易となる。これによって、イオン注入を高い精度で行うことが可能となる。
また本実施形態によれば、半導体製造装置11は、イオンビーム照射部12と、遮断板14と、イオン量測定部17と、照射角度変更部13とを含むイオン注入装置10を備える。これによって、イオンビーム照射部12から出射されるイオンビームを貫通孔16の軸線に平行なイオンビームとすることができる。したがって、イオンビームが照射されることによって変色するテープを用いることなく、イオンビームの方向を調整することができる。テープを用いてイオンビームの方向調整を行う従来技術に比べて、イオンビームの方向を調整するときに行われるイオン注入装置10の大気開放と真空引きとの回数を低減することができる。これによって、イオンビームの方向の調整にかかる時間を短縮することができる。
またテープからの不要な気体の放出および粉塵の発生を防止することができる。したがって、前記テープからの不要な気体および粉塵が、半導体装置に悪影響を与えることを防止することができる。またテープの変色領域を目視によって判定する必要がないので、イオンビームの方向調整を高い精度で行うことができる。イオンビームのイオン量を、そのイオンビームの位置とともに測定する測定器を設ける従来技術に比べて、半導体製造装置11を簡素化することができる。したがって、半導体製造装置11の製造にかかる費用を低減することができる。
本実施形態において基板保持体18は2つであるものとしたけれども、基板保持部に含まれる基板保持体18の個数については、規定しない。他の実施形態において基板保持体の個数は、たとえば1つであってもよく、また3つ以上であってもよい。
本実施形態において基板保持体18に形成される凹所20は、9つであるものとしたけれども、基板保持体18に形成される凹所20の数は、規定しない。他の実施形態において基板保持体に形成される凹空間の数は、たとえば2つであってもよく、4つであってもよく、8つであってもよく、また10以上であってもよい。
本実施形態において基板保持体18およびビーム受容体34は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であるものとしたけれども、基板保持体18およびビーム受容体34は、導電性を有する材料から形成されるならば、足りる。
本発明のイオン注入装置10において、加減速器で印加されるビーム電流の大きさについては、規定しない。たとえば数ミリアンペア(milliampere, 略号「mA」)〜数十mA以上のいわゆる大電流イオン注入装置10であってもよく、100マイクロアンペア(microampere, 略号「μA」)以上数mA程度のいわゆる中電流イオン注入装置10であってもよく、また100μA未満のイオン注入装置10であってもよい。
本実施形態において質量分析器26は、四重極質量分析器であるけれども、質量分析器26は、特定の種類のイオンを選択的に出射し、その他の種類のイオンを除去できる部分であれば、足りる。たとえば他の実施形態において質量分析器は、扇形磁場型質量分析器であってもよく、四重極イオントラップ型質量分析器であってもよい。
本実施形態において照射角度変更部13は、手動によって動作させる部分であるものとしたけれども、本発明において照射角度変更部13は、手動によって動作させる部分であることに限定しない。イオン量測定部17によって測定される単位時間当たりのイオンの量を最大とするために、自動的に角度補正器を調整する回路部品をさらに含んで構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るイオン注入装置10の構成を表す図である。 本発明の一実施形態におけるファラデー52とイオン量測定部17との断面図である。 本発明の一実施形態における走査器28と、角度補正器32と、基板保持体18と、受容体との平面図である。 本発明の一実施形態における走査器28と、角度補正器32と、遮断板14と、ビーム受容体34と、基盤保持部との断面図である。 本発明の一実施形態における遮断板14と、ビーム受容体34との斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるイオンビームの流れ方向に垂直な断面中のイオンの量の分布48を表す図である。 本発明の一実施形態におけるファラデー52と、遮断板14と、遮断板切換部49と、ビーム受容体34と、基盤保持体との断面図である。 本発明の一実施形態に係るイオン注入装置10を用いたイオンビームの照射角度の調整方法の工程を表すフローチャートである。 第1の従来技術に係るイオン注入装置において使用されるテープの平面図である。 第1の従来技術に係るイオン注入装置を用いたイオンビームの照射角度の調整方法の工程を表すフローチャートである。
符号の説明
10 イオン注入装置
11 半導体製造装置
12 イオンビーム照射部
13 照射角度変更部
14 遮断板
16 貫通孔
17 イオン量測定部
18 基板保持体
19 回転軸線
20 凹所
21 回転駆動部
22 イオン発生部
26 質量分析器
27 加減速管
28 走査器
32 角度補正器
33 角度補正部調整部
34 ビーム受容体
38 電流計

Claims (6)

  1. 気相中でイオンを発生させ、発生したイオンを加速することによってイオンビームを形成し、基板を保持する基板保持部に向けて前記イオンビームを照射するイオンビーム照射部と、
    前記基板保持部に保持される基板の位置よりも前記イオンビームのイオンの流れ方向上流側の予め定める位置に設置可能であり、前記予め定める位置に設置された状態において、予め定める方向の軸線を有する貫通孔が形成され、前記イオンビームの少なくとも一部を遮断する遮断板と、
    前記イオンビームに含まれるイオンのうち単位時間に前記貫通孔を通過したイオンの量を測定し、測定結果を出力するイオン量測定部と、
    前記基板保持部に対する前記イオンビームの角度を変化させる照射角度変更部とを含むことを特徴とするイオン注入装置。
  2. 前記イオンビーム照射部は、予め定める出射位置でイオンビームを出射し、
    前記貫通孔の位置は、互いに異なる複数の出射位置で出射されるイオンビームが互いに平行となる理想状態で、前記予め定める出射位置で出射されたイオンビームが通過する位置に設定されることを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 前記イオン量測定部は、前記基板保持部に保持され、単位時間当たりに受容したイオンビームのイオンの量を電流に変換するビーム受容体を含み、
    前記ビーム受容体には、イオンビームを受容する受容面が形成され、
    前記受容面は、理想状態で貫通孔を通過したイオンビームが到達する前記受容体上の領域を含むことを特徴とする請求項2に記載のイオン注入装置。
  4. 前記貫通孔の軸線方向に見たときの、前記貫通孔の大きさは、前記流れ方向に垂直な前記イオンビームの断面よりも小さく、
    前記イオンビーム照射部の、前記予め定める出射位置は、3つ以上設定され、
    前記貫通孔は、前記3つ以上の出射位置に対応する3つ以上の位置に形成されることを特徴とする請求項2または3に記載のイオン注入装置。
  5. 前記遮断板は、前記予め定める位置に設置される状態と、前記予め定める位置から除去された状態とに、随時切換え可能であることを特徴とする請求項3または4に記載のイオン注入装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のイオン注入装置を備えることを特徴とする半導体製造装置。
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