JP2009129229A - 温室効果ガス排出量算出システム、算出方法および、温室効果ガス排出権取引システム、取引方法 - Google Patents

温室効果ガス排出量算出システム、算出方法および、温室効果ガス排出権取引システム、取引方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な構成で、各企業などによる温室効果ガスの排出量を算出する。
【解決手段】 電力を使用する需要家C1〜Cnに使用電力量を計量する電力メータ2を備え、電力会社Gの管理コンピュータ3に、発電することで発生する単位電力量あたりの温室効果ガス排出量を算出する原単位算出タスク35と、原単位算出タスク35で算出された単位電力量あたりの温室効果ガス排出量と電力メータ2で計量された使用電力量とに基づいて、需要家C1〜Cnの電力使用によって排出された温室効果ガスの排出量を算出する排出量算出タスク36とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、温室効果ガス(温暖化ガス)の排出量を算出する温室効果ガス排出量算出システム、算出方法および、温室効果ガスの排出権を取引する温室効果ガス排出権取引システム、取引方法に関する。
地球の温暖化を抑制するために、二酸化炭素、メタン、亜鉛化窒素などの温室効果ガスの排出量を抑えることが急務となっており、国や自治体、さらには企業にて、排出量を抑制、削減する取り組みがなされている。また、温室効果ガスを排出する権利(排出権)を売買することで、見かけ上の排出量を抑制、削減できる制度である排出権取引制度が設けられている。こうした状況において、排出実績を把握して最終的な排出量を予測し、その排出量が目標の排出量よりも超過した場合には、取引市場から排出権を調達するか、あるいは工場などの稼動を減らして排出量を抑えるかを企業収益の観点から比較し、経営判断を支援する、というシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このシステムは、各設備が消費するエネルギー量をモニタリングするエネルギーモニタリング端末と、各種データの蓄積及びデータ分析・シミュレーション等の処理を実施するセンター管理端末と、経営者などが企業活動の意思決定を行う経営端末と、事務施設の目標排出量を達成するためにエネルギー使用計画の立案などを行う事務施設運用端末と、燃料等を調達する計画の立案などを行う調達端末と、排出権取引計画に基づき取引市場を通じて排出権の取引を行う取引端末と、工場等の生産施設用途の目標排出量を達成するために諸施策の立案などを行う生産施設運用端末と、企業全体の業績の管理および予測を行うためのシミュレーション手段を有する業績管理端末と、これらを相互に接続する通信ネットワークを備えるものである。
特開2005−267391号公報
ところで、排出権取引では、従来、大きいロッド(大量)での売買しか取り扱われていなかったため、排出量が比較的少ない企業などでは、排出権取引を行うことができなかった。しかしながら、近年、信託銀行などを通じて小さいロッドでの売買が可能となり、排出量が少ない小規模な企業などでも排出権取引を活用することが可能となった。このため、小規模な企業などにおいても、自社の排出量を把握し、その排出量が目標の排出量よりも超過した場合には、取引市場から排出権を調達することを検討するなどの必要性が生じてきた。
そして、このような検討を支援などするシステムが求められるが、上記特許文献1に記載されたようなシステムでは、エネルギーモニタリング端末や、センター管理端末、経営端末、事務施設運用端末、調達端末、取引端末、生産施設運用端末、さらには業績管理端末という多数の端末を要し、構成が複雑であり、各企業、とくに小規模な企業で導入することは、多大な設備費、運用費などを要する。また、このシステムでは、排出権取引を取引市場で自ら行うため、そのための事務処理などが煩雑となる。
そこでこの発明は、簡易な構成で、あるいは容易に温室効果ガスの排出量を算出することが可能な温室効果ガス排出量算出システム、算出方法、さらには、簡易な構成で、あるいは容易に温室効果ガスの排出権を取引することが可能な温室効果ガス排出権取引システム、取引方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、温室効果ガスの排出量を算出する温室効果ガス排出量算出システムであって、温室効果ガスの発生源となるエネルギーを供給するエネルギー供給機関に、前記エネルギーを生成または消費することで発生する単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出する単位量算出手段を備え、前記エネルギーを消費するエネルギー消費機関に、前記エネルギーの消費量を計量する消費量計量手段を備え、前記単位量算出手段で算出された単位エネルギーあたりの温室効果ガス量と、前記消費量計量手段で計量された消費量とに基づいて、前記エネルギー消費機関のエネルギー消費によって排出された温室効果ガスの排出量を算出する排出量算出手段を備える、ことを特徴とする。
この発明によれば、エネルギー供給機関に備えられた単位量算出手段によって単位エネルギーあたりの温室効果ガス量が算出され、エネルギー消費機関に備えられた消費量計量手段によってエネルギーの消費量が計量される。そして、排出量算出手段によって、単位エネルギーあたりの温室効果ガス量とエネルギー消費量とに基づいて、エネルギー消費機関のエネルギー消費によって排出された温室効果ガスの排出量が算出される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の温室効果ガス排出量算出システムにおいて、前記単位量算出手段は、時間単位ごとに前記単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出し、前記消費量計量手段は、時間単位ごとに前記消費量を計量し、前記排出量算出手段は、時間単位ごとに前記排出量を算出する、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、温室効果ガスの排出量を算出する温室効果ガス排出量算出方法であって、温室効果ガスの発生源となるエネルギーを生成または消費することで発生する単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出する単位量算出ステップと、前記エネルギーを消費するエネルギー消費機関による前記エネルギーの消費量を計量する消費量計量ステップと、前記単位量算出ステップで算出した単位エネルギーあたりの温室効果ガス量と、前記消費量計量ステップで計量した消費量とに基づいて、前記エネルギー消費機関のエネルギー消費によって排出された温室効果ガスの排出量を算出する排出量算出ステップと、を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の温室効果ガス排出量算出方法において、前記単位量算出ステップで、時間単位ごとに前記単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出し、前記消費量計量ステップで、時間単位ごとに前記消費量を計量し、前記排出量算出ステップで、時間単位ごとに前記排出量を算出する、ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、温室効果ガスの排出権を取引する温室効果ガス排出権取引システムであって、温室効果ガスの発生源となるエネルギーを消費するエネルギー消費機関に、前記エネルギーの消費量を計量する消費量計量手段を備え、前記エネルギーを供給し、前記排出権を保有するエネルギー供給機関に、前記エネルギーを生成または消費することで発生する単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出する単位量算出手段と、前記単位量算出手段で算出された単位エネルギーあたりの温室効果ガス量と、前記消費量計量手段で計量された消費量とに基づいて、前記エネルギー消費機関のエネルギー消費によって排出された温室効果ガスの排出量を算出する排出量算出手段と、前記排出量算出手段で算出された排出量が、予め定めた前記エネルギー消費機関の目標排出量を超える場合に、前記排出権の受益権を前記エネルギー消費機関に譲与する受益権譲与手段と、を備える、ことを特徴とする。
この発明によれば、エネルギー消費機関に備えられた消費量計量手段によってエネルギーの消費量が計量され、エネルギー供給機関に備えられた単位量算出手段によって単位エネルギーあたりの温室効果ガス量が算出される。そして、エネルギー供給機関に備えられた排出量算出手段によって、単位エネルギーあたりの温室効果ガス量とエネルギー消費量とに基づいてエネルギー消費機関による温室効果ガスの排出量が算出され、さらに、その排出量がエネルギー消費機関の目標排出量を超える場合には、受益権譲与手段によって、エネルギー供給機関が保有する排出権の受益権がエネルギー消費機関に譲与される。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の温室効果ガス排出権取引システムにおいて、前記単位量算出手段は、時間単位ごとに前記単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出し、前記消費量計量手段は、時間単位ごとに前記消費量を計量し、前記排出量算出手段は、時間単位ごとに前記排出量を算出する、ことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の温室効果ガス排出権取引システムにおいて、前記受益権譲与手段は、前記目標排出量を超える排出量分である超過排出量に相応する受益権を前記エネルギー消費機関に譲与する譲与指令を、前記排出権を信託管理する信託機関に送信することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、温室効果ガスの排出権を取引する温室効果ガス排出権取引方法であって、温室効果ガスの発生源となるエネルギーを生成または消費することで発生する単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出する単位量算出ステップと、前記エネルギーを消費するエネルギー消費機関による前記エネルギーの消費量を計量する消費量計量ステップと、前記単位量算出ステップで算出した単位エネルギーあたりの温室効果ガス量と、前記消費量計量ステップで計量した消費量とに基づいて、前記エネルギー消費機関のエネルギー消費によって排出された温室効果ガスの排出量を算出する排出量算出ステップと、前記排出量算出ステップで算出した排出量が、予め定めた前記エネルギー消費機関の目標排出量を超える場合に、前記エネルギーを前記エネルギー消費機関に供給するエネルギー供給機関が保有する排出権の受益権を前記エネルギー消費機関に譲与する受益権譲与ステップと、を備えることを特徴とする。
請求項1および3に記載の発明によれば、エネルギー供給機関において単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出し、エネルギー消費機関においてエネルギーの消費量を計量するだけで、エネルギー消費機関のエネルギー消費によって排出された温室効果ガスの排出量を算出することができる。つまり、企業などのエネルギー消費機関には、複雑な構成の設備やシステムを設ける必要がなく、エネルギーの消費量を計量するだけでよい。このため、簡易な構成で、容易に温室効果ガスの排出量を算出することが可能となる。
請求項2、4および6に記載の発明によれば、時間単位ごと、つまり、時、日、月、年ごとに、単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出し、エネルギー消費量を計量して、時間単位ごとに排出量を算出する。このため、エネルギー供給機関によるエネルギー供給状況や、エネルギー消費機関のエネルギー消費状況に応じたより正確な排出量を算出することが可能となる。
請求項5および8に記載の発明によれば、排出権を保有するエネルギー供給機関において、企業などのエネルギー消費機関による温室効果ガスの排出量が算出され、さらに、その排出量が企業などの目標排出量を超える場合には、排出権の受益権が企業などに譲与される。つまり、企業などは、複雑な構成の設備やシステムを設けて運用したり、複雑な処理をしたりすることなく、排出量が目標排出量を超える場合には、エネルギー供給機関から排出権の受益権を受けることができる。このように、簡易な構成で、容易に温室効果ガスの排出権を取引することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、超過排出量に相応する受益権を企業などのエネルギー消費機関に譲与する譲与指令が信託機関に送信されるため、企業などは、超過排出量に応じた適正な受益権を受けることができる。さらに、既存の信託機関の信託システムを利用することで、円滑に排出権(受益権)を取引することが可能となる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る温室効果ガス排出量算出システム(以下、適宜「排出量算出システム」という)1を示す概略構成図である。この排出量算出システム1は、企業や自治体などの需要家(エネルギー消費機関)C1〜Cnによる温室効果ガスの排出量を算出するシステムであり、この実施の形態では、需要家C1〜Cnが温室効果ガスの発生源となる電力(エネルギー)を使用(消費)することによって排出する温室効果ガスの排出量を算出する。この排出量算出システム1は、各需要家C1〜Cnに電力メータ(消費量計量手段)2が設けられ、電力を供給する電力会社(エネルギー供給機関)Gに管理コンピュータ3が設けられ、電力メータ2と管理コンピュータ3とが通信網NWを介して通信可能に接続されている。
電力メータ2は、電力の使用量(消費量)を計量する計量器であり、時間単位ごとに使用量を計量し、その計量結果を管理コンピュータ3に送信するものである。すなわち、この実施の形態では、1時間ごとの使用電力量を計量し、その計量値を管理コンピュータ3に送信する。ここで、30分ごとに最大使用電力を計量し、この最大使用電力に基づいて1時間ごとの使用電力量を算出して管理コンピュータ3に送信したり、最大使用電力を管理コンピュータ3に送信して、管理コンピュータ3にて1時間ごとの使用電力量を算出したりしてもよい。また、電力メータ2は、1つの需要家C1〜Cnに1つ設けてもよいし、複数設けてもよい。つまり、1つの需要家C1〜Cnで使用する全電力量を1つの電力メータ2で計量してもよいし、複数の電力メータ2で計量してもよく、複数の電力メータ2で計量する場合には、管理コンピュータ3において各電力メータ2による計量値を総和して、この需要家C1〜Cnの使用電力量とする。
管理コンピュータ3は、専用回線などを介して、電力会社Gが保有するすべての発電ユニットG1〜Gnと通信可能に接続されている。各発電ユニットG1〜Gnは1時間ごとに、発電した電力量(発電量)と、電力を生成(発電)することで排出した二酸化炭素(温室効果ガス)の排出量とを計測し、その結果を管理コンピュータ3に送信するようになっている。
管理コンピュータ3は、図2に示すように、使用量データベース31と、発電量データベース32と、排出量データベース33と、送受信部34と、原単位算出タスク(単位量算出手段)35と、排出量算出タスク(排出量算出手段)36と、これらを制御などする中央処理部37とを備えている。また、メモリを備え、後述するような原単位メモリ領域38と排出量メモリ領域39とが設けられている。
使用量データベース31は、図3に示すように、各需要家C1〜Cnにおける時間単位ごとの使用電力量を記憶したデータベースであり、上記のようにして各電力メータ2から受信した計量結果に基づいて、1時間ごとの使用電力量(図中「時間別」の欄)が記憶される。また、一日が終了すると、各時の使用電力量を加算してその日の総使用電力量が図中「日別」の欄に記憶される。同様に、一月が終了すると、各日の使用電力量を加算してその月の総使用電力量が図中「月別」の欄に記憶される。
発電量データベース32は、図4に示すように、時間単位ごとの発電量を記憶したデータベースであり、上記のようにして各発電ユニットG1〜Gnから受信した1時間ごとの発電量が、図中「発電ユニットG1〜Gn」の各欄に記憶される。また、後述する原単位算出タスク35によって、1時間ごとの総発電量が図中「時間別」の欄に記憶され、各日の総発電量が図中「日別」の欄に記憶され、各月の総発電量が図中「月別」の欄に記憶される。
排出量データベース33は、図5に示すように、電力を生成することで排出した時間単位ごとの二酸化炭素の排出量を記憶したデータベースであり、上記のようにして各発電ユニットG1〜Gnから受信した1時間ごとの排出量が、図中「発電ユニットG1〜Gn」の各欄に記憶される。また、後述する原単位算出タスク35によって、1時間ごとの総排出量が図中「時間別」の欄に記憶され、各日の総排出量が図中「日別」の欄に記憶され、各月の総排出量が図中「月別」の欄に記憶される。
このように、この実施の形態では、排出した二酸化炭素の排出量を計測し、その実測値に基づく排出量を排出量データベース33に記憶しているが、発電量とその発電方式などに基づいて、二酸化炭素の排出量を算出して排出量データベース33に記憶するようにしてもよい。すなわち、原子力発電や水力発電の場合には、二酸化炭素の排出量がゼロであり、火力発電の場合には、その燃料種別に応じて、次のようにして二酸化炭素の排出量を算出する。
まず、燃料種別が石炭、LNG(液化天然ガス)、原油および、重油の場合における単位量あたりの発熱量(単位発熱量)および、単位熱量あたりの二酸化炭素の排出量(排出係数)を図6に示すように定める。次に、例えば、次式に基づいて、1時間あたりの二酸化炭素の排出量を算出する。
排出量(t−CO/h)=1時間あたりの燃料使用量(t/hまたはkl/hなど)
×単位発熱量(GJ/tまたはGJ/kl)
×排出係数(t−C/GJ)×44/12・・・第1の式
=Fx(t/hまたはkl/h)
×単位発熱量(GJ/tまたはGJ/kl)
×排出係数(t−C/GJ)×44/12・・・第2の式
第2の式でFxは、次のとおりであり、「x」は、1時間あたりの発電量(MWh/h)であり、「a」、「b」、「c」は、燃料種別や発電ユニットG1〜Gnの特性によって定まる係数である。
Fx=a・x+b・x+c
ここで、上記の式中および図5、6、9、11中における「t−CO」および「kg−CO」は、二酸化炭素の重量(tまたはkg)を意味し、「t−C」は、炭素の重量を意味する。
送受信部34は、各電力メータ2および各発電ユニットG1〜Gnと通信を行うための通信装置である。具体的には、各電力メータ2から、各電力メータ2(各需要家C1〜Cn)の識別情報であるメータ番号と上記の1時間ごとの使用電力量とを含む「計量データ」を受信する。また、各発電ユニットG1〜Gnから、各発電ユニットG1〜Gnの識別情報と上記のような1時間ごとの発電量とを含む「発電量データ」と、識別情報と上記のような1時間ごとの二酸化炭素排出量とを含む「排出量データ」とを受信する。
原単位算出タスク35は、時間単位ごとに発電(電力を生成)することで発生する単位電力量(単位エネルギー)あたりの二酸化炭素排出量(温室効果ガス量)を算出するプログラムであり、図7、8に示すフローチャートに基づいている。
まず、最初の1時間の総発電量を算出する(ステップS1)。すなわち、最初の1時間の各発電ユニットG1〜Gnの発電量を加算して、総発電量を算出し、その結果を発電量データベース32(図4)の「時間別」欄の最初の時間に記憶する。次に、次の1時間の発電量が発電量データベース32に記憶されている場合(ステップS2で「Y」の場合)には、ステップS1と同様にして、次の1時間の総発電量を算出し、その結果を発電量データベース32の「時間別」欄の該当する時間に記憶する(ステップS3)。そして、このような算出、記憶をすべての時間データ(発電量)に対して終了する(ステップS2で「N」)まで行う。
続いて、各日の総発電量を算出する(ステップS4)。すなわち、該当日の各時間の総発電量(時間別)を加算して、総発電量を算出し、その結果を発電量データベース32の「日別」欄の該当日に記憶する。このような算出、記憶をすべての日について行う。さらに、各月の総発電量を算出する(ステップS5)。すなわち、該当月の各日の総発電量(日別)を加算して、総発電量を算出し、その結果を発電量データベース32の「月別」欄の該当月に記憶する。このような算出、記憶をすべての月について行う。
次に、最初の1時間の二酸化炭素の総排出量を算出する(ステップS6)。すなわち、最初の1時間の各発電ユニットG1〜Gnの二酸化炭素排出量を加算して、総排出量を算出し、その結果を排出量データベース33(図5)の「時間別」欄の最初の時間に記憶する。次に、次の1時間の排出量が排出量データベース33に記憶されている場合(ステップS7で「Y」の場合)には、ステップS6と同様にして、次の1時間の総排出量を算出し、その結果を排出量データベース33の「時間別」欄の該当する時間に記憶する(ステップS8)。そして、このような算出、記憶をすべての時間データ(排出量)に対して終了する(ステップS7で「N」)まで行う。
続いて、各日の総排出量を算出する(ステップS9)。すなわち、該当日の各時間の総排出量(時間別)を加算して、総排出量を算出し、その結果を排出量データベース33の「日別」欄の該当日に記憶する。このような算出、記憶をすべての日について行う。さらに、各月の総排出量を算出する(ステップS10)。すなわち、該当月の各日の総排出量(日別)を加算して、総排出量を算出し、その結果を排出量データベース33の「月別」欄の該当月に記憶する。このような算出、記憶をすべての月について行う。
次に、最初の1時間の単位電力量あたりの二酸化炭素排出量を算出する(ステップS11)。すなわち、最初の1時間の総発電量を発電量データベース32から取得し、最初の1時間の総排出量を排出量データベース33から取得し、総排出量を総発電量で除算して、単位電力量あたりの二酸化炭素排出量(排出原単位)を算出する。そして、算出した排出原単位を、図9に示すような原単位メモリ領域38の「時間別」欄の最初の時間に記憶する。次に、次の1時間の総発電量および総排出量がデータベース32、33に記憶されている場合(ステップS12で「Y」の場合)には、ステップS11と同様にして、次の1時間の排出原単位を算出し、その結果を原単位メモリ領域38の「時間別」欄の該当する時間に記憶する(ステップS13)。そして、このような算出、記憶をすべての時間データ(総発電量および総排出量)に対して終了する(ステップS12で「N」)まで行う。
続いて、各日の単位電力量あたりの二酸化炭素排出量を算出する(ステップS14)。すなわち、排出量データベース33から取得した該当日の排出量を、発電量データベース32から取得した該当日の発電量で除算して、該当日の単位電力量あたりの二酸化炭素排出量を算出し、その結果を原単位メモリ領域38の「日別」欄の該当日に記憶する。このような算出、記憶をすべての日について行う。さらに、各月の単位電力量あたりの二酸化炭素排出量を算出する(ステップS15)。すなわち、排出量データベース33から取得した該当月の排出量を、発電量データベース32から取得した該当月の発電量で除算して、該当月の単位電力量あたりの二酸化炭素排出量を算出し、その結果を原単位メモリ領域38の「月別」欄の該当月に記憶する。このような算出、記憶をすべての月について行うものである。
排出量算出タスク36は、単位電力量あたりの二酸化炭素排出量と使用電力量とに基づいて、時間単位ごとに、各需要家C1〜Cnが電力使用によって排出した二酸化炭素の排出量を算出するプログラムであり、図10に示すフローチャートに基づいている。
まず、最初の需要家C1の使用電力量データを使用量データベース31から取得する(ステップS21)。次に、最初の1時間の二酸化炭素排出量を算出する(ステップS22)。すなわち、取得した使用電力量データ(図3)の最初の1時間の使用電力量と、原単位メモリ領域38(図9)に記憶された最初の1時間の単位電力量あたりの二酸化炭素排出量(排出原単位)とを乗算して、二酸化炭素排出量を算出する。そして、算出した排出量を、図11に示すような排出量メモリ領域39のこの需要家C1の「時間別」欄の最初の時間に記憶する。
次に、次の1時間の使用電力量および排出原単位が、それぞれ使用量データベース31および原単位メモリ領域38に記憶されている場合(ステップS23で「Y」の場合)には、ステップS22と同様にして、次の1時間の二酸化炭素排出量を算出し、その結果を排出量メモリ領域39のこの需要家C1の「時間別」欄の該当する時間に記憶する(ステップS24)。そして、このような算出、記憶をすべての時間データ(使用電力量および排出原単位)に対して終了する(ステップS23で「N」)まで行う。
続いて、最初の需要家C1の各日の二酸化炭素排出量を算出する(ステップS25)。すなわち、該当日の各時間の二酸化炭素排出量を加算し、その結果を排出量メモリ領域39のこの需要家C1の「日別」欄の該当日に記憶する。このような算出、記憶をすべての日について行う。さらに、最初の需要家C1の各月の二酸化炭素排出量を算出する(ステップS26)。すなわち、該当月の各時間(各日)の二酸化炭素排出量を加算し、その結果を排出量メモリ領域39のこの需要家C1の「月別」欄の該当月に記憶する。このような算出、記憶をすべての月について行う。
次に、すべての需要家C1〜Cnに対する算出が終了したか否かを判断し(ステップS27)、終了していない場合には、次の需要家C2〜Cnの使用電力量データを使用量データベース31から取得し(ステップS28)、ステップS22に戻って同様の処理を繰り返すものである。
次に、このような構成の排出量算出システム1の作用および、この実施の形態における温室効果ガス排出量の算出方法について、図12に示すタイミングチャートに基づいて説明する。
まず、各発電ユニットG1〜Gnから定期的に(例えば、1時間ごとに)、上記のような「発電量データ」が管理コンピュータ3に送信される(ステップS31)と、発電量データベース32の該当する発電ユニットG1〜Gnに1時間ごとの発電量が記憶される(ステップS32)。また、各発電ユニットG1〜Gnから定期的に、上記のような「排出量データ」が管理コンピュータ3に送信される(ステップS33)と、排出量データベース33の該当する発電ユニットG1〜Gnに1時間ごとの排出量が記憶される(ステップS34)。一方、各需要家C1〜Cnの電力メータ2から定期的に、上記のような「計量データ」が管理コンピュータ3に送信される(ステップS35、消費量計量ステップ)と、使用量データベース31の該当する需要家C1〜Cnに1時間ごとの使用電力量が記憶される(ステップS36)。
次に、各需要家C1〜Cnの電力使用による温室効果ガスの排出量を算出すべき時に達すると(例えば、3ヶ月ごと)、原単位算出タスク35が起動され(ステップS37)、上記のようにして、当期間における単位電力量あたりの二酸化炭素排出量が算出される(単位量算出ステップ)。続いて、排出量算出タスク36が起動され(ステップS38)、上記のようにして、当期間において各需要家C1〜Cnが電力使用によって排出した二酸化炭素の排出量が算出される(排出量算出ステップ)。そして、このようにして算出された排出量(例えば、当期間の総排出量)は、各需要家C1〜Cnに対して、「排出量のお知らせ」などとして予め登録された各需要家C1〜Cnの電子メールアドレスに送信されたりする。
以上のように、この排出量算出システム1および温室効果ガス排出量の算出方法によれば、電力を供給する電力会社Gにおいて単位電力量あたりの二酸化炭素排出量を算出し、各需要家C1〜Cnにおいて使用電力量を計量するだけで、各需要家C1〜Cnの電力使用によって排出された二酸化炭素の排出量を算出することができる。つまり、各需要家C1〜Cnには、複雑な構成の設備やシステムを設ける必要がなく、電力の使用量を計量するだけでよく、簡易な構成で、容易に温室効果ガスの排出量を算出することが可能となる。
しかも、時間単位ごと、つまり1時ごとに、単位電力量あたりの二酸化炭素排出量を算出し、使用電力量を計量して、1時ごとに排出量を算出する。このため、各発電ユニットG1〜Gnによる発電状況や、各需要家C1〜Cnの電力使用状況に応じたより正確な排出量を算出することが可能となる。
ところで、この実施の形態では、温室効果ガスの代表として二酸化炭素についてのみ記載しているが、メタンや亜鉛化窒素などのその他の温室効果ガスについても同様に取り扱うことができることは勿論である。つまり、すべての温室効果ガスの排出量を算出する場合には、各発電ユニットG1〜Gnにおけるすべての温室効果ガスの排出量を計測または算出し、その総計に基づいて、上記のようにして各需要家C1〜Cnによる温室効果ガスの排出量を算出すればよい。
(実施の形態2)
図13は、この実施の形態に係る温室効果ガス排出権取引システム(以下、適宜「排出権取引システム」という)10を示す概略構成図であり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することで、その説明を省略する。
この排出権取引システム10は、温室効果ガスの排出権を取引するシステムであり、実施の形態1の排出量算出システム1を備え、排出量算出システム1によって算出された温室効果ガスの排出量に基づいて、電力会社G(エネルギー供給機関)が保有する排出権の受益権を需要家C1〜Cn(エネルギー消費機関)に譲渡(譲与)するシステムである。
具体的には、電力会社Gの管理コンピュータ3と、各需要家C1〜Cnの顧客コンピュータ4と、電力会社Gの排出権を信託管理する信託銀行(信託機関)Tの取引コンピュータ5とが、通信網NWを介して相互に通信可能に接続されている。また、管理コンピュータ3は、データベース31〜33、送受信部34、タスク35、36の他に、取引データベース3Aと、取引タスク(受益権譲与手段)3Bとを備えている。
取引データベース3Aは、このシステムの適用に関する情報を記憶したデータベースであり、図14に示すように、需要家C1〜Cnの識別情報である契約番号3A1ごとに、システム適用3A2、目標値3A3、超過排出量3A4、請求額3A5および、その他3A6が記憶されている。そして、システム適用3A2には、この需要家C1〜Cnが排出権の受益権を電力会社Gから受ける登録をしているか否かが記憶されている。目標値3A3には、システム適用3A2に「登録有り」が記憶されている場合に、この需要家C1〜Cnが予め定めた年間目標排出量、つまり1年間に排出する温室効果ガス量の上限目標値が記憶されている。また、後述する第1の取引タスク3B1によって、超過排出量3A4には、目標排出量を超える排出量分である超過排出量が記憶され、請求額3A5には、超過排出量に相応する受益権を譲渡するのに伴う請求額(譲渡料)が記憶される。なお、超過排出量3A4と請求額3A5とには、複数の値、つまり複数年の値が記憶できるようになっている。
取引タスク3Bは、需要家C1〜Cnによる温室効果ガスの排出量が、目標排出量を超える場合に、電力会社Gが保有する排出権の受益権を需要家C1〜Cnに譲渡するタスクであり、第1の取引タスク3B1と第2の取引タスク3B2とから構成されている。ここで、この実施の形態では、1年間の排出量に基づいて排出権を取引するものとする。
第1の取引タスク3B1は、1年に一度起動され、まず、図15に示すように、取引データベース3Aから最初の需要家C1の情報を取得し(ステップS41)、その需要家C1の年間排出量を算出する(ステップS42)。すなわち、排出量メモリ領域39のこの需要家C1の「月別」欄に記憶されている排出量を、1年間分(12ヶ月分)加算して年間排出量を算出する。次に、この需要家C1が排出権の受益権を電力会社Gから受ける登録をしているか否かを、システム適用3A2に基づいて判断し(ステップS43)、登録している場合には、ステップS42で算出した年間排出量が目標値3A3に記憶されている年間目標排出量を超えているか否かを判断する(ステップS44)。そして、登録をしていない場合(ステップS43で「N」の場合)、あるいは、年間目標排出量を超えていない場合(ステップS44で「N」の場合)には、この需要家C1の顧客コンピュータ4に、年間排出量を情報内容とした「排出量のお知らせ」メッセージを送信(電子メール)する(ステップS45)。
一方、登録がされており(ステップS43で「Y」の場合)、かつ、年間目標排出量を超える場合(ステップS44で「Y」の場合)には、受益権の譲渡に伴う請求額を算出、記憶する(ステップS46)。すなわち、ステップS42で算出した年間排出量から年間目標排出量を差引いて超過排出量を算出し、この超過排出量に、予め定められた単位排出量あたりの譲渡額を乗算して、請求額を算出する。そして、算出した超過排出量と請求額とを、それぞれ超過排出量3A4と請求額3A5とに記憶する。続いて、年間排出量と超過排出量と請求額と、受益権の譲渡を確認する問い合わせを情報内容とした「取引確認」メッセージを、この需要家C1の顧客コンピュータ4に送信する(ステップS47)。
次に、すべての需要家C1〜Cnに対する処理が終了したか否かを判断し(ステップS48)、終了していない場合には、次の需要家C2〜Cnの情報を取引データベース3Aから取得し(ステップS49)、ステップS42に戻って同様の処理を繰り返すものである。
第2の取引タスク3B2は、需要家C1〜Cnの顧客コンピュータ4から、「取引確認」に対する返信メッセージを受信した際に起動され、まず、図16に示すように、この需要家C1〜Cnの情報を取引データベース3Aから取得する(ステップS51)。そして、返信メッセージが受益権の譲渡を受ける旨の「取引了解」メッセージの場合(ステップS52で「Y」の場合)には、「譲渡指令」メッセージを信託銀行Tの取引コンピュータ5に送信する。ここで、「譲渡指令」メッセージには、この需要家C1〜Cnの識別情報と、超過排出量3A4に記憶されている超過排出量と、この超過排出量に相応する受益権をこの需要家C1〜Cnに譲渡する旨とを含む。一方、返信メッセージが受益権の譲渡を受けない旨の「取引不要」メッセージの場合(ステップS52で「N」の場合)には、この需要家C1〜Cnの請求額3A5のデータをクリアする(ステップS54)ものである。
顧客コンピュータ4は、管理コンピュータ3から「取引確認」メッセージを受信した際に、入力された指示に従って、あるいは自動返信プログラムによって、「取引了解」メッセージあるいは「取引不要」メッセージを管理コンピュータ3に送信する機能を備えている。また、取引コンピュータ5は、管理コンピュータ3から「譲渡指令」メッセージを受信した際に、電力会社Gから信託されている排出権のなかから超過排出量に相応する受益権を、指定された需要家C1〜Cnに譲渡する(受益権を需要家C1〜Cnの口座に振り込む)譲渡処理を行うタスクを備えている。
次に、このような構成の排出権取引システム10の作用および、この実施の形態における温室効果ガス排出権の取引方法について、図17に示すタイミングチャートに基づいて説明する。ここで、このシステム10は、上記のように実施の形態1の排出量算出システム1を備えているため、各需要家C1〜Cnが電力使用によって排出した二酸化炭素の排出量が算出され、その結果が管理コンピュータ3の排出量メモリ領域39に記憶されている。このような状態で1年の特定期(例えば、年度終了期)に、管理コンピュータ3の第1の取引タスク3B1が起動され(ステップS61)、上記のように、排出権の受益権を電力会社Gから受ける登録をしており、かつ年間排出量が年間目標排出量を超える場合には、その需要家C1〜Cnの顧客コンピュータ4に「取引確認」メッセージが送信される(ステップS62)。一方、受益権を受ける登録をしていない場合、あるいは、年間排出量が年間目標排出量を超えていない場合には、その需要家C1〜Cnの顧客コンピュータ4に「排出量のお知らせ」メッセージが送信される(ステップS63)。
続いて、「取引確認」メッセージを送信した需要家C1〜Cnの顧客コンピュータ4から、管理コンピュータ3が「取引了解」メッセージを受信する(ステップS64)と、第2の取引タスク3B2が起動され(ステップS65)、上記のように、「譲渡指令」メッセージが信託銀行Tの取引コンピュータ5に送信される(ステップS66)。そして、取引コンピュータ5の上記タスクによって、指定された超過排出量に相応する電力会社Gの受益権を、指定された需要家C1〜Cnに譲渡する譲渡処理が行われる(ステップS67、受益権譲与ステップ)。一方、「取引確認」メッセージを送信した需要家C1〜Cnの顧客コンピュータ4から、管理コンピュータ3が「取引不要」メッセージを受信した(ステップS68)場合にも第2の取引タスク3B2が起動され(ステップS69)、上記のようにして、取引データベース3Aの該当する請求額3A5のデータがクリアされる。
以上のように、この排出権取引システム10および温室効果ガス排出権の取引方法によれば、排出権を保有する電力会社Gにおいて、需要家C1〜Cnによる温室効果ガスの排出量が算出され、さらに、その排出量が需要家C1〜Cnの目標排出量を超える場合には、排出権の受益権が需要家C1〜Cnに譲渡される。つまり、需要家C1〜Cnは、複雑な構成の設備やシステムを設けて運用したり、複雑な処理をしたりすることなく、排出量が目標排出量を超える場合には、電力会社Gから排出権の受益権を受けることができる。このようにして、簡易な構成で、容易に温室効果ガスの排出権を取引することが可能となる。しかも、超過排出量に相応する受益権を需要家C1〜Cnに譲与する「譲渡指令」メッセージが信託銀行Tの取引コンピュータ5に送信されるため、需要家C1〜Cnは、超過排出量に応じた適正な受益権を受けることができる。さらに、既存の信託銀行Tの信託システムを利用することで、例えば、上記のような譲渡処理を行う既存のシステム、タスクを利用することで、円滑に排出権(受益権)を取引することが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1では、排出量算出タスク(排出量算出手段)36を電力会社Gの管理コンピュータ3に設けているが、需要家C1〜Cnのコンピュータに設けてもよいし、他の機関のコンピュータに設けてもよい。また、上記の実施の形態では、温室効果ガスの発生源となるエネルギーが電力の場合について説明したが、その他のエネルギー、例えば、ガスや軽油などに対しても適用できることは勿論である。例えば、ガスの場合、ガスを供給するガス会社において、ガスを消費することで発生する単位ガス量あたりの温室効果ガス量を算出する。一方、需要家C1〜Cnによるガスの消費量を計量し、算出した単位ガス量あたりの温室効果ガス量と計量した消費量とに基づいて、需要家C1〜Cnのガス消費によって排出された温室効果ガスの排出量を算出する。さらには、算出した排出量が需要家C1〜Cnの目標排出量を超える場合には、ガス会社の排出権の受益権を需要家C1〜Cnに譲渡するものである。
この発明の実施の形態1に係る温室効果ガス排出量算出システムを示す概略構成図である。 図1のシステムの管理コンピュータの概略構成図である。 図2の管理コンピュータの使用量データベースのデータ構成図である。 図2の管理コンピュータの発電量データベースのデータ構成図である。 図2の管理コンピュータの排出量データベースのデータ構成図である。 図1のシステムにおいて二酸化炭素の排出量を算出する場合の燃料諸元の一例を示す図である。 図2の管理コンピュータの原単位算出タスクのフローチャートである。 図7のフローチャートの続きのフローチャートである。 図2の管理コンピュータの原単位メモリ領域のデータ構成図である。 図2の管理コンピュータの排出量算出タスクのフローチャートである。 図2の管理コンピュータの排出量メモリ領域のデータ構成図である。 図1のシステムの作用および、この発明の実施の形態1における温室効果ガス排出量の算出方法を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2に係る温室効果ガス排出権取引システムを示す概略構成図である。 図13のシステムの管理コンピュータの取引データベースのデータ構成図である。 図13のシステムの管理コンピュータの第1の取引タスクのフローチャートである。 図13のシステムの管理コンピュータの第2の取引タスクのフローチャートである。 図13のシステムの作用および、この発明の実施の形態2における温室効果ガス排出権の取引方法を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 温室効果ガス排出量算出システム
2 電力メータ(消費量計量手段)
3 管理コンピュータ
31 使用量データベース
32 発電量データベース
33 排出量データベース
35 原単位算出タスク(単位量算出手段)
36 排出量算出タスク(排出量算出手段)
38 原単位メモリ領域
39 排出量メモリ領域
10 温室効果ガス排出権取引システム
3A 取引データベース
3B1 第1の取引タスク(受益権譲与手段)
3B2 第2の取引タスク(受益権譲与手段)
G 電力会社(エネルギー供給機関)
G1〜Gn 発電ユニット
C1〜Cn 需要家(エネルギー消費機関)
T 信託銀行(信託機関)
NW 通信網

Claims (8)

  1. 温室効果ガスの排出量を算出する温室効果ガス排出量算出システムであって、
    温室効果ガスの発生源となるエネルギーを供給するエネルギー供給機関に、前記エネルギーを生成または消費することで発生する単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出する単位量算出手段を備え、
    前記エネルギーを消費するエネルギー消費機関に、前記エネルギーの消費量を計量する消費量計量手段を備え、
    前記単位量算出手段で算出された単位エネルギーあたりの温室効果ガス量と、前記消費量計量手段で計量された消費量とに基づいて、前記エネルギー消費機関のエネルギー消費によって排出された温室効果ガスの排出量を算出する排出量算出手段を備える、
    ことを特徴とする温室効果ガス排出量算出システム。
  2. 前記単位量算出手段は、時間単位ごとに前記単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出し、
    前記消費量計量手段は、時間単位ごとに前記消費量を計量し、
    前記排出量算出手段は、時間単位ごとに前記排出量を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の温室効果ガス排出量算出システム。
  3. 温室効果ガスの排出量を算出する温室効果ガス排出量算出方法であって、
    温室効果ガスの発生源となるエネルギーを生成または消費することで発生する単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出する単位量算出ステップと、
    前記エネルギーを消費するエネルギー消費機関による前記エネルギーの消費量を計量する消費量計量ステップと、
    前記単位量算出ステップで算出した単位エネルギーあたりの温室効果ガス量と、前記消費量計量ステップで計量した消費量とに基づいて、前記エネルギー消費機関のエネルギー消費によって排出された温室効果ガスの排出量を算出する排出量算出ステップと、
    を備えることを特徴とする温室効果ガス排出量算出方法。
  4. 前記単位量算出ステップで、時間単位ごとに前記単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出し、
    前記消費量計量ステップで、時間単位ごとに前記消費量を計量し、
    前記排出量算出ステップで、時間単位ごとに前記排出量を算出する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の温室効果ガス排出量算出方法。
  5. 温室効果ガスの排出権を取引する温室効果ガス排出権取引システムであって、
    温室効果ガスの発生源となるエネルギーを消費するエネルギー消費機関に、前記エネルギーの消費量を計量する消費量計量手段を備え、
    前記エネルギーを供給し、前記排出権を保有するエネルギー供給機関に、
    前記エネルギーを生成または消費することで発生する単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出する単位量算出手段と、
    前記単位量算出手段で算出された単位エネルギーあたりの温室効果ガス量と、前記消費量計量手段で計量された消費量とに基づいて、前記エネルギー消費機関のエネルギー消費によって排出された温室効果ガスの排出量を算出する排出量算出手段と、
    前記排出量算出手段で算出された排出量が、予め定めた前記エネルギー消費機関の目標排出量を超える場合に、前記排出権の受益権を前記エネルギー消費機関に譲与する受益権譲与手段と、を備える、
    ことを特徴とする温室効果ガス排出権取引システム。
  6. 前記単位量算出手段は、時間単位ごとに前記単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出し、
    前記消費量計量手段は、時間単位ごとに前記消費量を計量し、
    前記排出量算出手段は、時間単位ごとに前記排出量を算出する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の温室効果ガス排出権取引システム。
  7. 前記受益権譲与手段は、前記目標排出量を超える排出量分である超過排出量に相応する受益権を前記エネルギー消費機関に譲与する譲与指令を、前記排出権を信託管理する信託機関に送信することを特徴とする請求項5に記載の温室効果ガス排出権取引システム。
  8. 温室効果ガスの排出権を取引する温室効果ガス排出権取引方法であって、
    温室効果ガスの発生源となるエネルギーを生成または消費することで発生する単位エネルギーあたりの温室効果ガス量を算出する単位量算出ステップと、
    前記エネルギーを消費するエネルギー消費機関による前記エネルギーの消費量を計量する消費量計量ステップと、
    前記単位量算出ステップで算出した単位エネルギーあたりの温室効果ガス量と、前記消費量計量ステップで計量した消費量とに基づいて、前記エネルギー消費機関のエネルギー消費によって排出された温室効果ガスの排出量を算出する排出量算出ステップと、
    前記排出量算出ステップで算出した排出量が、予め定めた前記エネルギー消費機関の目標排出量を超える場合に、前記エネルギーを前記エネルギー消費機関に供給するエネルギー供給機関が保有する排出権の受益権を前記エネルギー消費機関に譲与する受益権譲与ステップと、
    を備えることを特徴とする温室効果ガス排出権取引方法。
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